まず、本発明の画像形成装置の一実施形態に係るプリンタの内部構造の概要について図1を基に説明する。図1は、プリンタの内部構造の一実施形態を説明するための正面断面視の説明図である。図1に示すように、本実施形態のプリンタ(画像形成装置)10は、箱形を呈した装置本体11内にコンピュータ等の外部機器から伝送された画像情報に基づき画像を形成する画像形成部12と、この画像形成部12によって形成され、用紙Pに転写された画像に定着処理を施す定着部13と、転写用の用紙Pを貯留する用紙貯留部14とが内装されているとともに、当該装置本体11の上部に、定着処理後の用紙Pが排出される用紙排出部15が設けられることによって形成された基本構成を備えている。
前記装置本体11の上面適所には、用紙Pの出力条件等を入力操作するための図略の操作パネルが設けられている。この操作パネルには、図略の電源キーやスタートボタン、さらには出力条件を入力するための各種のキー等が設けられている。
前記画像形成部12は、用紙貯留部14から給紙された用紙Pにトナー画像を形成させるものであり、本実施形態では、上流側(図1の紙面の右方)から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナー(現像剤)を用いるマゼンタ用ユニット12Mと、シアン色のトナーを用いるシアン用ユニット12Cと、イエロー色のトナーを用いるイエロー用ユニット12Yと、ブラック色のトナーを用いるブラック用ユニット12Kとが備えられている。
そして、前記各ユニット12M,12C,12Y,12Kには、感光体ドラム121および現像装置122がそれぞれ備えられている。感光体ドラム121は、周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像(可視像)を形成させるためのものである。そして、各感光体ドラム121は、図1において反時計方向へ向けて回転しつつ対応した現像装置122からトナーの供給を受ける。各現像装置122には、装置本体11の前面側(図1の紙面の表側)に配設された図略のトナーカートリッジからトナーが補給される。
現像剤としては、トナーとキャリアとからなる、いわゆる2成分系のものを用いることができる。トナーは、着色剤、電荷制御剤およびワックス等の添加剤をバインダー樹脂中に分散させた粒径が6〜12μmの微粉体である。これに対してキャリアは、磁鉄鉱(Fe3O4)等の粒径が60〜200μmの磁性粒子であり、トナーを帯電させるために使用される。そして、トナーは、図略のトナーカートリッジから現像装置122に適宜補給される消耗品であるのに対し、キャリアは、予め所定量が現像装置122内に装填されており、消耗することなく循環使用されるのが一般的である。
各感光体ドラム121の直下位置には帯電装置123がそれぞれ設けられているとともに、各帯電装置123のさらに下方位置には露光装置124が設けられている。そして、各感光体ドラム121は、前記帯電装置123によって周面が一様に帯電され、コンピュータ等から入力された画像データに基づく各色に対応したレーザー光が前記露光装置124から帯電後の感光体ドラム121の周面に照射されることにより、各感光体ドラム121の周面に静電潜像が形成される。このような静電潜像に現像装置122からトナーが供給されることにより、感光体ドラム121の周面にトナー像が形成される。
各感光体ドラム121の上方位置には、転写ベルト(像担持体)125が配置されている。転写ベルト125は、図1における左側の駆動ローラ125aと同右側の従動ローラ125bとの間に張設され、この下側面(図1において左方へ向けて移動する部分)が各感光体ドラム121に当接している。この転写ベルト125は、その外周面に像担持面が設定され、各感光体ドラム121に対応して設けられた転写ローラ126によって感光体ドラム121の周面に押し付けられた状態で各感光体ドラム121と同期しながら駆動ローラ125aと従動ローラ125bとの間を周回する。
また、本実施形態においては、駆動ローラ125aと従動ローラ125bとの間であって、従動ローラ125b側へ寄った位置にテンションローラ125cが設けられている。このテンションローラ125cは、転写ベルト125に張力を与えるものであり、図略の付勢部材の付勢力で上方へ向かって付勢されている。従って、転写ベルト125の上方を向いている部分(図1において右方へ向けて移動するベルト)は、このテンションローラ125cにより上方へ押し上げられ、これによって転写ベルト125は、当該テンションローラ125cの部分が山頂になった山形形状になっている。
そして、転写ベルト125が周回することによりその表面に対しマゼンタ用ユニット12Mの感光体ドラム121によるマゼンタトナーのトナー像の転写が行なわれ、ついで転写ベルト125の同一位置にシアン用ユニット12Cの感光体ドラム121によるシアントナーのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、ついで転写ベルト125の同一位置にイエロー用ユニット12Yの感光体ドラム121によるイエロートナーのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、最後のブラック用ユニット12Kの感光体ドラム121によるブラックトナーのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、これによって転写ベルト125の表面にカラーのトナー像が形成される。この転写ベルト125の表面に形成されたカラーのトナー像が用紙貯留部14から搬送されてきた用紙Pに転写されることになる。
また、各感光体ドラム121の図1における左方位置には当該感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去して清浄化するドラムクリーニング装置127が設けられている。このドラムクリーニング装置127によって清浄化処理された感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために帯電装置123へ向かうことになる。
ドラムクリーニング装置127で感光体ドラム121の周面から取り除かれた廃トナーは、所定の経路を通って図略のトナー回収ボトルに回収される。
画像形成部12の図1における左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路111が形成されている。この用紙搬送路111には、適所に搬送ローラ対112が設けられ、用紙貯留部14からの用紙Pがこの搬送ローラ対112の駆動で駆動ローラ125aに掛け回されている転写ベルト125へ向けて搬送される。かかる用紙搬送路111には、駆動ローラ125aと対向した位置に転写ベルト125の表面と当接した第2転写ローラ113が設けられている。そして、用紙搬送路111を搬送されつつある用紙Pは、転写ベルト125と第2転写ローラ113とに押圧挟持され、これによって転写ベルト125上のトナー像が当該用紙Pに転写される。
前記定着部13は、画像形成部12で転写された用紙上のトナー像に対し定着処理を施すものである。かかる定着部13は、内部に加熱源である通電発熱体を備えた加熱ローラ131と、図1における左方でこの加熱ローラ131と対向配置された定着ローラ132と、この定着ローラ132および前記加熱ローラ131間に張設された定着ベルト133と、この定着ベルト133を介して前記定着ローラ132と対向配置された加圧ローラ134とを備えている。
そして、前記転写ベルト125と第2転写ローラ113との間のニップ部を通過することにより転写ベルト125のトナー像が転写された状態で定着部13へ供給された用紙Pは、加圧ローラ134と高温の定着ベルト133との間を通過しながら定着ベルト133からの熱を得て定着処理が施される。
定着処理の完了したカラー印刷済みの用紙Pは、定着部13の上部から延設された排紙搬送路114を通って装置本体11の頂部に設けられた用紙排出部15の排紙トレイ151へ向けて排出されることになる。
前記用紙貯留部14は、装置本体11の図1における右側壁に開閉自在に設けられた手差しトレイ141と、装置本体11内における露光装置124より下方位置に挿脱可能に装着された用紙トレイ142とを備えている。用紙トレイ142には複数枚の用紙Pが積層されてなる用紙束が貯留される。
前記手差しトレイ141は、用紙Pを1枚ずつ手差し操作で画像形成部12へ向けて給紙するためのものであり、普段は装置本体11の右壁面に収納されているが、手差しで給紙するときのみ、図1に示すように、壁面から引き出されて手差し給紙に供される。
前記用紙トレイ142は、上面が全面開口の箱体を備えて構成され、複数枚の用紙Pが積層されてなる用紙束P1が貯留可能になっている。かかる用紙トレイ142に貯留された用紙束P1の最上位の用紙Pは、下流端(図1における左端)の上面が用紙束P1からピックアップローラ143の駆動で用紙搬送路111へ向けて繰り出される。そして、用紙トレイ142から1枚ずつ繰り出された用紙Pは、搬送ローラ対112の駆動で用紙搬送路111を通って画像形成部12における第2転写ローラ113と転写ベルト125との間のニップ部へ向けて送り込まれることになる。
本実施形態においては、二次転写(転写ベルト125の下側面上のカラー画像が駆動ローラ125aの位置における転写ベルト125と第2転写ローラ113とのニップ部で用紙Pに転写されること)が行われた後の転写ベルト125の下側面上に残留している残留トナーを取り除いて清浄化するための、ベルトクリーニング装置30が、前記従動ローラ125bに対応した位置(図1参照)に設けられている。
そして、本実施形態においては、駆動ローラ125a、従動ローラ125bおよびテンションローラ125cと、これら各ローラに掛け回された状態の転写ベルト125と、前記各転写ローラ126と、前記ベルトクリーニング装置30とが装着されてユニット化された中間転写ユニット20が採用されている。
以下、図2および図3を基に中間転写ユニット20について説明する。図2および図3は、中間転写ユニット20の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、ベルトクリーニング装置30がユニットフレーム21から取り外された状態、図3は、ベルトクリーニング装置30がユニットフレーム21に装着された状態をそれぞれ示している。なお、図2においてX−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
中間転写ユニット20は、ユニットフレーム21に駆動ローラ125a、従動ローラ125bおよびテンションローラ125cを介して転写ベルト125が装着されるとともに、ベルトクリーニング装置30が装着されることによって形成されている。
前記ユニットフレーム21は、左右方向に長尺の前方フレーム211と、後方でこの前方フレーム211と対向配置された略同一形状の後方フレーム212と、これら前後のフレーム211,212の左方上縁部間に架設された架設フレーム213とを備えている。前方フレーム211および後方フレーム212は、装置本体11内で画像形成部12を左右方向に横断し得るように長さ寸法が設定されているとともに、架設フレーム213は、前後方向の長さ寸法が転写ベルト125のベルト幅より若干長めに設定されている。
架設フレーム213の直下位置における前後のフレーム211,212間には、軸心回りに回転可能に駆動ローラ軸22が架設されている。前記駆動ローラ125aは、この駆動ローラ軸22に同心で一体回転可能に外嵌されている。また、前後のフレーム211,212の右端位置には従動軸23が架設されている。前記従動ローラ125bは、同心でこの従動軸23回りに回転可能に外嵌されている。
さらに、従動軸23より若干左方位置には、前後のフレーム211,212間に架設されたテンションローラ軸24が設けられている。前記テンションローラ125cは、このテンションローラ軸24回りに同心で回転可能に外嵌されている。前記転写ベルト125は、このような駆動ローラ125a、従動ローラ125bおよびテンションローラ125cに掛け回されている。
前記駆動ローラ軸22の後端部には同心で一体回転可能に駆動ギヤ221が取り付けられている。そして、図略の駆動モータの駆動力がこの駆動ギヤ221を介して駆動ローラ軸22に伝達され、これによる駆動ローラ125aの駆動回転によって転写ベルト125が前方(−Y方向)から見て時計方向に向け周回する。
前記ベルトクリーニング装置30は、このような中間転写ユニット20における前後のフレーム211,212の右端部間に装着されている。以下、ベルトクリーニング装置30について、図4〜図7を基に詳細に説明する。図4は、ベルトクリーニング装置30の分解斜視図であり、図5および図6は、その組み立て斜視図である。そして、図5は、補助クリーニング部材50が閉止姿勢に姿勢設定された状態、図6は、補助クリーニング部材50が開放姿勢に姿勢設定された状態をそれぞれ示している。また、図7は、図5のVII−VII線断面図である。なお、図4〜図7におけるXおよびYによる方向表示は、図2の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
まず、図4に示すように、ベルトクリーニング装置30は、前記ユニットフレーム21に装着されるケーシング31に、転写ベルト125の表面の残留トナーを電気的に取り除く主クリーニング部材40と、この主クリーニング部材40に対して転写ベルト125の周回方向の直上流側に位置設定される補助クリーニング部材50とが取り付けられることにより構成されている。
前記ケーシング31は、前板32と、後方でこの前板32と対向配置された後板33と、これら前後板32,33の下縁部間に架設された底板34と、前後板32,33の右縁部間に架設された右方板35と、天板36とを備え、左方が開放状態とされている。かかるケーシング31は、前板32の内面側を前方フレーム211の右端の外面側に当接させるとともに、後板33の外面側を後方フレーム212の右端の内面側に当接させた状態でねじ止めされることによりユニットフレーム21に固定される。
前記主クリーニング部材40は、周面が転写ベルト125の表面に当接されるファーブラシ41と、周面がこのファーブラシ41の周面に当接される回収ローラ42と、この回収ローラ42の周面に回収された残留トナーを掻き落とすブレード43とを備えている。
前記ファーブラシ41は、ブラシ軸411と、このブラシ軸411に一体回転可能に外嵌されるファーブラシ本体412とを備えている。ファーブラシ本体412は、ブラシ軸411が嵌入される合成樹脂製の筒体の周面に一様にブラシ毛が植設されることによって形成されている。かかるファーブラシ41は、前後板32,33間の左方下部の定位置に配置された状態で前後板32,33を貫通するブラシ軸411がファーブラシ本体412に差し通されることによりケーシング31に装着されている。
本実施形態においては、ファーブラシ本体412は、外径寸法が17mmに設定されている。かかるファーブラシ本体412のブラシ毛は、繊度が6デニールのポリアミド製のものが採用されている。各ブラシ毛は、長さ寸法が4.5mmに設定され、ニップ寸法が1mmに設定された状態で転写ベルト125の表面に当接されている。また、ブラシ密度は、120KF/inch2に設定されている。また、ファーブラシ本体412の電気的な抵抗値は1×1011.5Ωに設定されている。このようなブラシ毛には、電源装置60(図7)から−20μAのバイアス電流が印加されている。このマイナスバイアスの印加による電気的付着力でプラスに帯電している転写ベルト125上の残留トナーは、転写ベルト125からファーブラシ本体412へ移行する。
前記回収ローラ42は、回収ローラ軸421と、この回収ローラ軸421に同心で一体回転可能に外嵌される、ゴムや軟質の合成樹脂などのエラストマー製の回収ローラ本体422とを備えている。かかる回収ローラ42は、前後板32,33間における前記ファーブラシ41より右斜め上の位置に回収ローラ軸421が差し通された状態でケーシング31に装着されている。そして、回収ローラ42がケーシング31に装着された状態で、その周面が前記ファーブラシ41のファーブラシ本体412と干渉するように当該回収ローラ42の設置位置が設定されている。
前記ブラシ軸411には、当該ブラシ軸411がケーシング31に装着された状態で、その前端部にブラシ軸側ギヤ413が同心で一体回転可能に外嵌されているとともに、前記回収ローラ軸421には、当該回収ローラ軸421がケーシング31に装着された状態で、その前端部に回収ローラ軸側ギヤ423が同心で一体回転可能に外嵌されている。これら各ギヤ412,422は、互いに噛合するように径寸法が設定されている。
そして、本実施形態においては、ブラシ軸側ギヤ413に図略の駆動モータの駆動力が伝達され、これによるブラシ軸側ギヤ413の回転でファーブラシ41がブラシ軸411回りに一体回転する。また、回収ローラ42は、ブラシ軸側ギヤ413に噛合している回収ローラ軸側ギヤ423の回転により回収ローラ軸421回りにファーブラシ41と反対方向に向けて回転する。
前記ブレード43は、ファーブラシ41のブラシ毛から回収ローラ42の周面に移された残留トナーを掻き落とすためのものである。かかるブレード43は、ケーシング31の天板36の左縁部から左方に向かって先下がりに傾斜した状態で延設された傾斜板361にネジ止めで固定され、これによって、図7に示すように、下縁部が回収ローラ本体422の周面に当接されている。従って、回収ローラ42が回収ローラ軸421回りに反時計方向に向けて回転することにより、回収ローラ本体422の周面に付着していた残留トナーは、ブレード43により掻き取られてケーシング31の回収トナー貯留空間310に回収されることになる。
前記補助クリーニング部材50は、主クリーニング部材40に先立って転写ベルト125の表面を清拭処理するものである。この清拭処理で転写ベルト125の表面に付着している残留トナーを当該転写ベルト125から浮き上がらせるようにし、これによって主クリーニング部材40は、残留トナーの転写ベルト125からの取り除き処理をより効果的に行うことができる。
かかる補助クリーニング部材50は、前記ケーシング31の上面に回動可能に装着される梯子状フレーム51と、この梯子状フレーム51に固定されるブラシ支持金具52と、このブラシ支持金具52に装着されるバーブラシ53とを備えている。
前記梯子状フレーム51は、前後方向に延びる円柱状フレーム511と、左方でこの円柱状フレーム511に対向するように配設された前後方向に延びる角材状フレーム512と、これら円柱状フレーム511および角材状フレーム512間に所定ピッチで架設された左右方向に延びる複数枚の架設板513とを備えている。架設板513の長さ寸法(左右寸法)は、前後板32,33の左右寸法より若干短めに設定されている。かかる架設板513は、本実施形態においては合計10枚が採用されているが、状況に応じて適宜の枚数にすることができる。
前記円柱状フレーム511は、長さ寸法がケーシング31の前後板32,33間の外寸法と略同一に設定されているのに対し、前記角材状フレーム512は、長さ寸法が前後板32,33間の内寸法より僅かに短めに設定されている。これにより、複数枚の架設板513を介して円柱状フレーム511と角材状フレーム512とが互いに連結された状態で、円柱状フレーム511の両端部が端の架設板513からそれぞれ外方に向かって突出した状態になっている。
一方、前記前板32および後板33には、これらの右端上縁面から下方に向けて凹設されることにより形成された、前記円柱状フレーム511の両端部を嵌め込むための嵌込み溝321,331が設けられている。そして、円柱状フレーム511の両端部をそれぞれ対応した嵌込み溝321,331に嵌め込むことにより、梯子状フレーム51は、円柱状フレーム511回りに一体回転することができる。
前記ブラシ支持金具52は、前後方向に長尺の支持板521と、この支持板521の右縁部から全長に亘って上方へ曲げられることによって形成された縁堰条522と、この縁堰条522の前後方向における対象位置から突設された前後一対のブラケット523と、これら一対のブラケット523間において縁堰条522から右方へ向かって延設された延設板524とを備えている。
前記各ブラケット523は、それぞれ端から4枚目の架設板513に対応した位置に固定されている。かかるブラケット523は、−Y方向から見た正面視で直角に折れ曲がった鈎形に形成され、縁堰条522から外方に向かって突設された突設片523aと、この突設片523aの先端縁から右方に向かって折り曲げられて状態の折曲げ片523bとからなっている。各折曲げ片523bにはそれぞれ貫通孔523cが貫設されている。
一方、梯子状フレーム51には、前端から4枚目および後端から4枚目の各架設板513の左端位置から上方に向かって突設された円柱体513aが設けられている。そして、これら一対の円柱体513aの上面には、前記ブラケット523の貫通孔523cに対応したネジ孔513bが螺設されている。従って、各ブラケット523の折曲げ片523bを対応した円柱体513a上に載置した状態で、貫通孔523cに所定のビスを差し通し、ネジ孔513bに螺着して締結することにより、ブラシ支持金具52が、図5に示すように、梯子状フレーム51に装着された状態になる。
かかるブラシ支持金具52は、補助クリーニング部材50がケーシング31に装着された状態で、当該ブラシ支持金具52の左端部が転写ベルト125上であって、従動ローラ125bとテンションローラ125cとの間の所定の位置と対向し得るように寸法設定されている。
そして、この状態でブラシ支持金具52の延設板524は、中央の2枚の架設板513の上縁面に当接され、これによってブラシ支持金具52が突設片523aの上端を支点として正面視で時計方向に向けて回動するのが防止される。
前記バーブラシ53は、合成樹脂製の基礎シート531の下面側に多数のブラシ毛532が植設されることによって形成されている。基礎シート531は、前後方向の長さ寸法が前記支持板521のそれと同一に設定されているとともに、左右幅寸法が支持板521のそれの略半分に設定されている。かかるバーブラシ53は、本実施形態においては、表裏面に粘着剤層が形成されてなる、絶縁材としての両面テープ54を介して支持板521の下面の左半分側に取り付けられる。
前記バーブラシ53は、本実施形態においては、平面視の左右幅寸法が15mmで前後方向の長さ寸法が310mmに設定されている。また、前記ブラシ毛532は、ポリ塩化ビニル樹脂(ポリアミド系趣旨)、アクリル樹脂あるいはポリエステル樹脂等の静電気的に負の帯電極性を有する材料によって形成されている。本実施形態においては、ブラシ毛532として緯度が6デニールのポリエステル製のものが採用されている。かかるブラシ毛532の長さ寸法は、4.5mmに設定され、ブラシ密度は、120KF/inch2に設定されている。また、ブラシ毛532の電気的な抵抗値は、1×1010Ω以下のものが採用される。ポリエステル製のブラシ毛532は、抵抗値が1×106Ωである。また、本実施形態においては、補助クリーニング部材50は、その総重量が280gに設定されている。
ブラシ毛532として負の帯電極性を有するブラシ毛532が採用されるのは以下の理由による。すなわち、ブラシ毛532が摺接される転写ローラ125は、通常、表面側に滑らかで、かつ、強靱な合成樹脂材料であるポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEという)がコーティングされているが、このPTFEは、静電気的に負の帯電極性を有するものであるため、ブラシ毛532をこれと同一の帯電極性にし、これによってブラシ毛532と転写ベルト125との間で互いに反発し合う電界を形成させ、この互いに反発し合う電界の作用によって転写ベルト125上に付着している残留トナーが静電気的にブラシ毛532に吸着され難くしている。
因みに、残留トナーは、本実施形態の場合には正に帯電しているが極めて低い電位であるばかりか、非常に不安定な状態で帯電しているため、結果として転写ベルト125の表面の負の帯電特性と、ブラシ毛532の負の帯電特性とのせめぎ合いになり、残留トナーがいずれに引き寄せられるかは、そのときの残留トナーの静電気的な状況に応じて決まるため定かではない。
このことは、通常の転写処理を実行しているときには、ブラシ毛532が正負のいずれの帯電極性であっても、当該ブラシ毛532が残留トナーを抱き込むか否かに対しては大きな差のないことを示しているのであるが、一旦ブラシ毛532に抱き込まれた残留トナーを放出させるときには、ブラシ毛532の帯電極性を転写ベルト125の表面の帯電特性と同一に設定しておくことにより、その放出効率が格段に向上することが試験的に確認されている。このことは後述の「実施例」の欄で詳細に説明する。
そして、ブラシ毛532と転写ベルト125とが同一の帯電極性とされた状態で、転写ベルト125の表面がブラシ毛532で清拭され、これにより転写ベルト125の表面から掻き取られた残留トナーは、転写ローラ125の表面から浮き上がった状態で転写ベルト125の周回に応じて下流側のベルトクリーニング装置30へ到達する。そしてベルトクリーニング装置30へ到達した残留トナーは、ここで回転しているファーブラシ41により取り除かれる。
また、ブラシ毛532の抵抗値を、絶縁物としては値の低い1×1010Ω以下に設定しているのは、導電性を上げることによってブラシ毛532の静電気の発生を抑制するためである。ブラシ毛532の抵抗値を低くするために、本実施形態においては、ブラシ毛532に均一にカーボンブラックを含ませたり、あるいはカーボンブラックが含まれていない通常のブラシ毛の外周面にカーボンブラックの含有量が多い合成樹脂材料を積層したりしたものが採用されている。
そして、ブラシ毛532の材料として負の帯電極性を有するものを使用することに加えて、本実施形態においてはブラシ毛532に電源装置60から+3μAで+300Vの正のバイアスを印加することが行われている。こうすることによって補助クリーニング部材50を通過するまで帯電量が略+3μC/gであった残留トナーは、補助クリーニング部材50を通過した後に+20μC/gにまで正の帯電量が増加し、この状態で主クリーニング部材40に到達するため、主クリーニング部材40において負のバイアスが印加されたファーブラシ本体412により効果的に吸着され、これによって転写ベルト125の表面から確実に取り除かれることになる。
このように構成された補助クリーニング部材50は、円柱状フレーム511の両端部がケーシング31の前後板32,33の各嵌込み溝321,331に嵌め込まれることにより、図5に示すように、ケーシング31に装着された状態になる。そして、補助クリーニング部材50がケーシング31に装着され、かつ、図5に示すように、閉止姿勢に姿勢設定された状態でバーブラシ53のブラシ毛532は、従動ローラ125bの直ぐ左側の転写ベルト125上に当接される。
従って、補助クリーニング部材50が閉止姿勢に姿勢設定された状態において、当該補助クリーニング部材50を円柱状フレーム511回りに時計方向に回動させると、補助クリーニング部材50は、図6に示すように、開放姿勢に姿勢変更され、これによりケーシング31内部のファーブラシ41や回収ローラ42等が外部に露出される。この状態で、必要に応じ、所定のメンテナンス作業が実行される。
そして、補助クリーニング部材50が閉止姿勢に姿勢設定されたときには、補助クリーニング部材50は、ケーシング31における前後板32,33の嵌込み溝321,331と、転写ベルト125の上方を向いている面上とに支持された状態となる。この状態においてバーブラシ53が転写ベルト125の表面を押圧する力は、補助クリーニング部材50の重量に負うことになる。この押圧力は、補助クリーニング部材50の左右方向の重心位置の関数になる。
具体的には、補助クリーニング部材50の全重量をW、補助クリーニング部材50の左右方向の有効長(バーブラシ53の左右方向の中央部と、嵌込み溝321,331の溝心との間の距離)をL、補助クリーニング部材50の左右方向の重心位置とバーブラシ53の左右方向の中央部との間の距離をL1、補助クリーニング部材50の左右方向の重心位置と嵌込み溝321,331の溝心位置との間の距離をL2とした場合、
バーブラシ53のブラシ毛532が転写ベルト125を押圧する押圧力W1は、
W1=(L2/L)×W・・・(1)
となる。
これに対し、梯子状フレーム51が嵌込み溝321,331の溝底を押圧する押圧力W2は、
W2=(L1/L)×W・・・(2)
となる。
従って、例えば補助クリーニング部材50の左右方向の重心位置が丁度真ん中に存在する場合(すなわちL2=L/2の場合)には、ブラシ毛532が転写ベルト125を押圧する押圧力W1は、(1)式より「W/2」になる。本実施形態では、補助クリーニング部材50の重量は、280gであるから、その半分の140gでブラシ毛532が転写ベルト125の表面を押圧していることになる。本実施形態のように、補助クリーニング部材50が円柱状フレーム511回りに回動自在に前後板32,33に支持されているような場合には、この140gが転写ベルト125に対する本発明に係る補助クリーニング部材50の自重ということになる。
そして、補助クリーニング部材50は、このような自重で転写ベルト125の表面を押圧しているため、転写ベルト125におけるブラシ毛532が当接している部分が上下に変位したような場合(テンションローラ125cが図略の付勢部材の付勢力で上方に向けて付勢されているため、転写ベルト125の周回開始時などにテンションローラ125cが上下動し、これによって転写ベルト125が上下に変位する場合)、補助クリーニング部材50は、この変位に追随するように円柱状フレーム511回りに正逆回動することで揺動するため、ブラシ毛532の転写ベルト125に対する押圧力が変化することはない。
従って、転写ベルト125の表面は、ブラシ毛532により常に同一の押圧力で押圧された状態になっているため、転写ベルト125の変位によりブラシ毛532の押圧力が変化して清拭処理にバラツキが生じるような不都合の発生が有効に防止される。
また、本実施形態においては、バーブラシ53は、絶縁性の両面テープ54を介してブラシ支持金具52で支持されることによって、プリンタ10の電気的な系統から切り離され、電気的にフローティング状態とされている。すなわち、バーブラシ53は、当該バーブラシ53に電圧が印加されることがないばかりか、バーブラシ53がアースされることもない。このようにされるのは、以下の理由による。
すなわち、転写ベルト125の表面に形成されているトナー像は、通常、+20〜+30μc/gに帯電されており、この値の帯電量であれば、主クリーニング部材40において逆極性の電荷を付与することで転写ベルト125上のトナーが電気的に転写ベルト125から容易に引き剥がされるのであるが、転写ベルト125上のトナー像は、第2転写ローラ113と対向したとき、当該第2転写ローラ113から逆極性の電荷を受け、これによって電気的に逆極性へ向かわされてしまうため、結果として第2転写ローラ113を通過して転写ベルト125上に残留している残留トナーの帯電量は、略+5μc/g程度になる。
そして、+5c/g程度の低い帯電量の残留トナーを対象として補助クリーニング部材50により逆極性のマイナスの電圧を印加したり、アースしたりすると、結果として残留トナーは、過剰に対応して極めて低い帯電状態あるいはマイナスの帯電状態になってしまう。従って、この状態で転写ベルト125の周回によりファーブラシ41に到達した残留トナーは、ファーブラシ41が当該残留トナーとは逆極性のマイナスのバイアスが印加されているにも拘わらず(あるいはマイナスのバイアスが印加されていることにより)、当該残留トナーを効果的に吸引除去することができなくなるのである。
因みに、バーブラシ53の帯電状態をアースすると、+5μc/gであった残留トナーの帯電量は、+0.5μc/gにまで低下することが実験的に確かめられている。
かかる不都合を解消させるべく、本実施形態においては、バーブラシ53は、電気的にフローティング状態とされているのである。従って、転写ベルト125の周回でバーブラシ53に到達した転写ベルト125上の残留トナーは、バーブラシ53のブラシ毛532により解されて転写ベルト125の表面から浮き上がった状態にされるが、逆極性のバイアスが印加されたり、アースされたりしていない。従って、バーブラシ53を通過した残留トナーは、単に機械的に転写ベルト125から剥がされた状態になっているだけで電気的な特性に変化がなく、バーブラシ53の直下流側においてそれと逆極性のバイアスが印加されたファーブラシ41により電気的に吸引除去されることになる。
そして、ブラシ軸411回りに回転しているファーブラシ41のブラシ毛に付着した残留トナーは、周面がファーブラシ41のブラシ毛に当接しながら回転している回収ローラ42の周面に移される。この回収ローラ42の周面に付着した残留トナーは、当該回収ローラ42の回転に応じてブレード43により掻き取られ、回収トナー貯留空間310内に回収される。
以上詳述したように、本実施形態に係るプリンタ10は、所定方向に向けて移動しながら画像情報に応じて形成されたトナー像が担持される転写ベルト125と、転写ベルト125の表面に対向配置され、当該表面に残留した残留トナーを清掃して取り除くベルトクリーニング装置30とが備えられてなるものである。
そして、ベルトクリーニング装置30は、残留トナーと逆極性のバイアスが印加されることにより像担持面から残留トナーを電気的に取り除く主クリーニング部材40と、主クリーニング部材40の直上流側に設けられ、かつ、事前に転写ベルト125の移動方向と直交する像担持面の全幅方向に亘って当接されるブラシ毛532を備えた補助クリーニング部材50とを有し、ブラシ毛532は、転写ベルト125の帯電極性と同一の帯電極性を有する材料によって形成されている。
かかる構成によれば、主クリーニング部材40の直ぐ上流側に設けられた補助クリーニング部材50のブラシ毛532は、まず、転写ベルト125の移動方向と直交する像担持面の全幅方向に亘って当接されているため、主クリーニング部材40による本格的な清掃処理に先立ち補助クリーニング部材50のブラシ毛532により転写ベルト125を全幅に亘って事前清掃処理することができ、従来の部分的な事前の清掃処理に比べて転写ベルト125の像担持面は、全体的に均一に清浄化処理される。
そして、ブラシ毛532は、転写ベルト125の帯電極性と同一の帯電極性を有し、これによってブラシ毛532と転写ベルト125との間には両者を互いに反発させる電界が形成されているため、転写ベルト125に付着している残留トナーは、ブラシ毛532により機械的に掻き取られるが、この掻き取られた残留トナーは、ブラシ毛532と転写ベルト125とを静電気的には互いに反発させる電界によって転写ベルト125からブラシ毛532へ移行することが抑制され、従って、掻き取られた残留トナーがブラシ毛532に抱え込まれてしまうような不都合が生じることはない。
また、各ブラシ毛532の電気的な抵抗値は、通常の絶縁体の抵抗値(通常1×1012Ω)より低い1×1010Ω以下に設定されているため、静電気的な帯電量は通常の絶縁体より低く抑えられ、これによってブラシ毛532が残留トナーを静電気的に吸引するのを通常よりも低く抑えることができる。
本発明に係る負の帯電極性を備えたブラシ毛を用いた場合、正の帯電極性を備えたブラシ毛を用いた場合に比較してトナーの抱き込み量をどれだけ少なくすることができるかを確認するために、以下のとおりの効果確認試験を実施した。
まず、本発明に係る負の帯電極性を備えたブラシ毛(実施例)としてポリエステル系の合成樹脂製のものを採用した。これに対し、比較対象である正の帯電極性を備えたブラシ毛(比較例)として、ポリアミド系の合成樹脂製のものを採用した。
そして、実施例のブラシ毛にトナーを強制的に抱き込ませるべく、まず、補助クリーニング部材50のブラシ毛532に負のバイアスを印加し、この状態で略10,000枚の用紙に転写処理を施した。かかる転写処理によって、実施例のブラシ毛に略3.2gのトナーが抱き込まれた。
引き続きブラシ毛532への負のバイアスの印加を停止した状態で転写ベルト125を60秒間空運転(画像形成処理を行わない運転)した。これによって一旦ブラシ毛に抱き込まれたトナーは、負のバイアスがなくなったことにより放出されることになる。60秒が経過した後、転写ベルト125の空運転を停止し、ブラシ毛に残留しているトナーの量を秤量したところ、0.8gであった。このことは、抱き込まれた3.2gのトナーの75%が放出されたことを示している。
ついで、比較例のブラシ毛についても、実施例のブラシ毛の場合と同様の処理を施し、60秒間の転写ベルト125の空運転の後にブラシ毛に残留しているトナーの量を秤量したところ20gであった。このことは、比較例の場合、ブラシ毛が抱き込んだトナーの内の38%しか放出されないことを示している。
トナーは、その主要構成要素であるコアが負の帯電極性を備えたポリエステル系の合成樹脂で構成されており、これに正の帯電極性を有する微細な粉状の各種の添加剤が付着されている。これによって当初トナーは、トータル的に正に帯電しているが、その後、正および負のいずれにに帯電するかは周囲の状況に依存する。
従って、ブラシ毛532に負のバイアスを印加することにより、トータル的に正に帯電しているトナーは、一旦ブラシ毛532に吸着されて抱き込まれる。しかし、抱き込まれた後の振動等によってトナーのコアから微細な各種の添加剤が外れていく場合がある。これによって負の帯電極性を有するコアの極性が、トータル的なトナーの帯電極性として優位になる。
この状態でブラシ毛532への負のバイアスの印加を中止すれば、ブラシ毛532が負の帯電極性を有するものである場合、トナーの負に帯電しているコアがブラシ毛532から排斥され、これによってブラシ毛532に一旦抱き込まれていたトナーは放出されることになる。
これに対し、ブラシ毛532が正の帯電極性を備えたものである場合には、トナーの負に帯電しているコアをさらに抱き込むことになるため、ブラシ毛532への負のバイアスの印加を中止したときのトナーの放出量が少なくなると考えられる。
この試験の前提条件および試験結果をまとめると、表1のようになる。
この表1から判るとおり、ブラシ毛として負の帯電極性を備えたものを使用した実施例では、当該ブラシ毛に負のバイアスを印加することで、たとえブラシ毛が一旦トナーを大量に抱き込んでも、負のバイアス印加を中止することにより容易にブラシ毛から放出されるため、ブラシ毛の再生が極めて容易であることを確認することができた。
これに対し、ブラシ毛として正の帯電極性を備えたものを使用した比較例の場合には、当該ブラシ毛がトナーを一旦抱き込んでしまうと、その後、容易に当該抱き込んだトナーを放出させることが困難であることが確認された。
これらのことは、補助クリーニング部材50のブラシ毛532として負の帯電極性を備えた材料を使用すれば、たとえ当該ブラシ毛532が多くのトナーを抱き込んでも、適宜実施されるメンテナンス作業時に当該抱き込んだトナーを容易に放出させることができることを示しており、メンテナンス作業の面からも補助クリーニング部材50のブラシ毛532として負の帯電極性を備えたものを採用するのが好ましいことを確認することができた。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、中間転写ユニット20が適用される画像形成装置としてプリンタ10を例に挙げて説明したが、これに限らず複写機であってもよいし、ファクシミリ装置であってもよい。
(2)上記の実施形態において、ケーシング31の回収トナー貯留空間310内にスパイラルフィーダ等の搬送手段を設け、この搬送手段の駆動で回収トナー貯留空間310内に溜まった回収トナーを所定の廃トナー用のホッパーに運び込ませるようにしてもよい。
(3)上記の実施形態においては、補助クリーニング部材50は、自重によって転写ベルト125に押圧当接されているが、こうする代わりに所定の付勢部材の付勢力により転写ベルト125の像担持面を押圧させてもよい。こうすることで、転写ベルト125が例えば縦方向に向けて周回するように構成され、これにより補助クリーニング部材50を転写ベルト125へ押圧当接させるために当該補助クリーニング部材50の重量を利用することができないような場合であっても、付勢部材の付勢力で補助クリーニング部材50を転写ベルト125に押圧当接させることが可能になり、補助クリーニング部材50設置のレイアウト上の汎用性を向上させることができる。
(4)上記の実施形態においては、転写ベルト125として静電気的な負の帯電極性を有するPTFE製のものが採用されているため、ブラシ毛532は、これと同一の帯電極性のものを採用するべく、ポリエステル製のものが採用されているが、転写ベルト125として正の帯電極性を有する、例えばポリアミド製のものが採用されているような場合には、ブラシ毛532もそれと同一の帯電極性を有する材料であるポリアミド製やレイヨン製のもの等が採用される。
(5)上記の実施形態においては、補助クリーニング部材50のブラシ毛532が転写ベルト125の表面に当接されるようにしているが、ブラシ毛532に代えて、転写ベルト125上の残留トナーを掻き落とすことが可能な各種の部材(例えばブレード等)を採用してもよい。