JP2009229209A - 表面改質方法、表面改質材料及び分析方法 - Google Patents

表面改質方法、表面改質材料及び分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金基材にホスホリルコリン類似基を均一に導入することが可能な表面改質方法を提供する。
【解決手段】表面改質方法は、金基材の表面に、金−チオール結合を介して、反応性官能基を有するチオールの自己組織化単分子膜を形成する工程と、金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜と、一般式
Figure 2009229209

で表される官能基を有する表面改質剤を反応させて、金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜に表面改質剤を結合させる工程を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面改質方法、表面改質材料及び分析方法に関する。
従来、金薄膜の表面を改質する方法としては、16−ヘキサデカンチオール、18−オクタデカンチオール等のメルカプト基を有する直線状疎水性分子を用いて、自己組織化単分子膜を形成する方法が知られている。また、自己組織化単分子膜の表面に、リン脂質からなる平面単分子膜が形成されているバイオセンサーチップ、さらに、バイオセンサーチップのリン脂質にリガンドが化学結合されているバイオセンサーが知られている(特許文献1参照)。このようなバイオセンサーは、リガンドと特異的に結合する目的物質を選択的に捕捉することができるが、目的物質以外の物質が吸着されて、感度が低下するという問題がある。
そこで、表面にシラノール基を有するガラス基板と、ガラス基板の表面の一部に形成され金電極を備え、金電極の表面に、ホスホリルコリン類似基、チオール基及び活性エステル基を有する共重合体(A)が吸着しており、ガラス基板の表面に、ホスホリルコリン類似基及び有機ケイ素基を有する共重合体(B)が結合しているセンサーチップが知られている。しかしながら、金電極の表面に共重合体(A)が吸着しているため、ホスホリルコリン類似基を均一に導入することが困難になるという問題がある。
特開平11−6834号公報 特開2006−322717号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、金基材にホスホリルコリン類似基を均一に導入することが可能な表面改質方法、該表面改質方法を用いて表面が改質されている表面改質材料及び該表面改質材料を用いる分析方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、表面改質方法において、金基材の表面に、金−チオール結合を介して、反応性官能基を有するチオールの自己組織化単分子膜を形成する工程と、該金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜と、一般式
Figure 2009229209

(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキル基であり、mは、2以上6以下の整数、nは、1又は2である。)
で表される官能基及び該反応性官能基に対して反応性を有する官能基を有する表面改質剤を反応させて、該金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜に該表面改質剤を結合させる工程を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表面改質方法において、前記反応性官能基は、アミノ基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基又は一般式
Figure 2009229209
(式中、Rは、メトキシ基、エトキシ基又はハロゲン基であり、R及びRは、それぞれ独立に、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はイソブチル基である。)
で表される官能基であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の表面改質方法において、前記自己組織化単分子膜を、ジスルフィドを還元して形成することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表面改質方法において、前記金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜と、前記反応性官能基に対して反応性を有する官能基を有するリガンドを反応させて、前記金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜に該リガンドを結合させる工程をさらに有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、表面改質材料において、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表面改質方法を用いて製造されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、分析方法において、請求項5に記載の表面改質材料を用いて分析することを特徴とする。
本発明によれば、金基材にホスホリルコリン類似基を均一に導入することが可能な表面改質方法、該表面改質方法を用いて表面が改質されている表面改質材料及び該表面改質材料を用いる分析方法を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
本発明の表面改質方法は、金基材の表面に、金−チオール結合を介して、反応性官能基を有するチオールの自己組織化単分子膜を形成する工程と、金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜と、一般式(1)
Figure 2009229209
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜6のアルキル基であり、mは、2〜6の整数、nは、1又は2である。)
で表される官能基及び反応性官能基に対して反応性を有する官能基を有する表面改質剤を反応させて、金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜に表面改質剤を結合させる工程を有する。これにより、金基材にホスホリルコリン類似基を均一に導入することができる。
本発明において、金基材としては、表面に金を有するものであれば、特に限定されないが、金粒子、金基板、金膜が形成された粒子、基板等が挙げられる。また、金膜が形成される粒子、基板を構成する材料としては、特に限定されないが、ガラス、金属、樹脂等が挙げられる。
本発明において、反応性官能基を有するチオールは、金−チオール結合を介して、金基材の表面に自己組織化単分子膜を形成することが可能であれば、特に限定されないが、直鎖状であることが好ましい。また、チオールの炭素数(反応性官能基を除く)が3〜30であることが好ましく、11〜18が特に好ましい。このようなチオール(反応性官能基を除く)としては、1−デカンチオール、1−ウンデカンチオール、1−ヘキサデカンチオール、1−オクタデカンチオール等が挙げられる。
チオールが有する反応性官能基としては、特に限定されないが、アミノ基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、一般式(2)
Figure 2009229209
(式中、Rは、メトキシ基、エトキシ基又はハロゲン基であり、R及びRは、それぞれ独立に、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はイソブチル基である。)
で表される官能基等が挙げられ、異なる反応性官能基を有するチオールを二種以上併用してもよい。
例えば、反応性官能基を除く炭素数が10のチオールとしては、10−アミノ−1−デカンチオール、10−ヒドロキシ−1−デカンチオール、11−メルカプト−1−ウンデカナール、11−メルカプト−1−ウンデカン酸、10−トリメトキシシリル−1−デカンチオール等が挙げられる。
なお、自己組織化単分子膜は、ジスルフィドを還元することにより形成してもよい。
本発明において、表面改質剤は、分子量が255〜549であることが好ましく、255〜283がさらに好ましい。これにより、金基材にホスホリルコリン類似基を高密度で表面に導入することができる。
また、表面改質剤が有する反応性官能基に対して反応性を有する官能基としては、特に限定されない。具体的には、アミノ基、ヒドロキシル基に対して反応性を有する官能基としては、カルボキシル基、アルデヒド基等が挙げられるが、反応性が高いことから、カルボキシル基が好ましい。また、アルデヒド基、カルボキシル基に対して反応性を有する官能基としては、アミノ基、ヒドロキシル基等が挙げられるが、反応性が高いことから、アミノ基が好ましい。さらに、一般式(2)で表される官能基に対して反応性を有する官能基としては、一般式(2)で表される官能基等が挙げられる。
また、表面改質剤は、反応性官能基がスペーサーを介してホスホリルコリン類似基に結合されていることが好ましい。スペーサーとしては、特に限定されないが、メチレン基、オキシエチレン基、アミノ基を1個以上有するアルキレン基等が挙げられる。
以下、表面改質剤について具体的に説明する。
(アミノ基を有する表面改質剤)
アミノ基を有する表面改質剤としては、特に限定されないが、例えば、特開2006−7203号公報、特開2006−7204号公報に開示されている化合物等が挙げられるが、中でも、一般式(3)
Figure 2009229209
(式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜6のアルキル基であり、Aは、イミノ基、エステル結合又はアミド結合であり、Bは、炭素数が1〜3のアルキレン基、炭素数が1〜3のポリオキシエチレン基又はアリーレン基であり、mは、2〜6の整数、nは、1又は2である。)
で表される化合物が好ましい。
Aがイミノ基である場合、一般式(3)で表される化合物は、例えば、グリセロホスホリルコリンを過ヨウ素酸により酸化させて、アルデヒド基を有するホスホリルコリン誘導体を合成した後、アミノ基を有する化合物と縮合させることにより、合成することができる。また、Aがアミド結合又はエステル結合である場合、一般式(3)で表される化合物は、例えば、グリセロホスホリルコリンを過ヨウ素酸及び三塩化ルテニウムにより酸化させる方法でカルボキシル基を有するホスホリルコリン誘導体を合成した後、アミノ基又はヒドロキシル基を有する化合物と縮合させることにより、合成することができる。
Aがアミド結合又はエステル結合である場合、一般式(3)で表される化合物は、例えば、グリセロホスホリルコリンを過マンガン酸及び塩酸により酸化させて、カルボキシル基を有するホスホリルコリン誘導体を合成した後、アミノ基又はヒドロキシル基を有する化合物と縮合させることにより、合成することができる。
次に、一般式(3)で表される化合物の製造方法を具体的に説明する。
(表面改質剤Aの製造例)
まず、構造式(1)
Figure 2009229209
で表されるL−α−グリセロホスホリルコリン(市販品)を蒸留水に溶解させ、氷水浴中で冷却した後、過ヨウ素酸ナトリウムを添加し、5時間攪拌する。さらに、減圧濃縮及び減圧乾燥を行った後、メタノールで抽出することにより、構造式(2)
Figure 2009229209
で表されるホスホリルコリン誘導体が得られる。
次に、構造式(2)で表されるホスホリルコリン誘導体をメタノールに溶解させた後、エチレンジアミンを添加し、室温で撹拌する。さらに、氷水浴中で冷却した後、シアノヒドロホウ素化ナトリウムを添加し、室温に戻して16時間撹拌する。なお、反応容器には乾燥窒素を流し続ける。次に、ろ過により沈殿を除去した後、減圧濃縮及び減圧乾燥を行うことにより、構造式(3)
Figure 2009229209
で表される表面改質剤Aが得られる。
(表面改質剤Bの製造例1)
まず、L−α−グリセロホスホリルコリンの水溶液を氷水浴中で冷却した後、過ヨウ素酸ナトリウム及び三塩化ルテニウムを添加し、3時間攪拌する。次に、メタノールを添加して、さらに30分間攪拌した後、ろ過により沈殿を除去し、減圧濃縮及び減圧乾燥を行うことにより、構造式(4)
Figure 2009229209
で表されるホスホリルコリン誘導体が得られる。
次に、構造式(4)で表されるホスホリルコリン誘導体のメタノール溶液に、エチレンジアミンを添加した後、トリアジン型脱水縮合剤(DMT−MM)を添加し、3時間撹拌する。さらに、ろ過により沈殿を除去し、減圧濃縮及び減圧乾燥を行うことにより、構造式(5)
Figure 2009229209
で表される表面改質剤Bが得られる。
(表面改質剤Bの製造例2)
まず、L−α−グリセロホスホリルコリンを氷水浴中で冷却しながら、塩酸に溶解させた後、過マンガン酸カリウムを添加し、3時間攪拌する。次に、メタノールを添加して、さらに30分間攪拌した後、ろ過により沈殿を除去し、減圧濃縮及び減圧乾燥を行うことにより、構造式(4)で表されるホスホリルコリン誘導体が得られる。
次に、構造式(4)で表されるホスホリルコリン誘導体のメタノール溶液に、エチレンジアミンを添加した後、トリアジン型脱水縮合剤(DMT−MM)を添加し、3時間撹拌する。さらに、ろ過により沈殿を除去し、減圧濃縮及び減圧乾燥を行うことにより、構造式(5)で表される表面改質剤Bが得られる。
カルボキシル基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、アミノ基を有する表面改質剤は、一般的な反応により縮合させることで、アミド結合を形成する。具体的には、自己組織化単分子膜が形成された金基材をN−ヒドロキシスクシンイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドの溶液に浸漬して、カルボキシル基を活性エステル化させた後、表面改質剤を加える。
アルデヒド基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、アミノ基を有する表面改質剤は、一般的な反応により縮合させることで、イミノ結合を形成する。具体的には、自己組織化単分子膜が形成された金基材及び表面改質剤をメタノール中、室温で6時間放置した後、シアノトリヒドロホウ素酸ナトリウムを0℃で添加して、一晩加熱攪拌する。なお、反応溶媒としては、メタノール以外にも、水、エタノール、2−プロパノール等のプロトン性溶媒を使用することができるが、メタノールを用いた場合の導入率が高い傾向にある。
(ヒドロキシル基を有する表面改質剤)
ヒドロキシル基を有する表面改質剤としては、特に限定されないが、例えば、L−α−グリセロホスホリルコリン等が挙げられる。ヒドロキシル基を有する表面改質剤の製造方法としては、例えば、構造式(2)で表されるホスホリルコリン誘導体又は構造式(4)で表されるホスホリルコリン誘導体を水素化ホウ素ナトリウム等により還元する方法が挙げられる。
カルボキシル基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、ヒドロキシル基を有する表面改質剤は、一般的な反応により縮合させることで、エステル結合を形成する。具体的には、臭化シアンを用いて、表面改質剤のヒドロキシル基を活性化させた後、自己組織化単分子膜が形成された金基材を浸漬する。
アルデヒド基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、ヒドロキシル基を有する表面改質剤は、一般的な反応により付加させることで、アセタール結合を形成する。具体的には、自己組織化単分子膜が形成された金基材及び表面改質剤をメタノール中、室温で6時間放置した後、シアノトリヒドロホウ素酸ナトリウムを0℃で添加して、一晩加熱攪拌する。なお、反応溶媒としては、メタノール以外にも、水、エタノール、2−プロパノール等のプロトン性溶媒を使用することができるが、メタノールを用いた場合の導入率が高い傾向にある。
(アルデヒド基を有する表面改質剤)
アルデヒド基を有する表面改質剤としては、特に限定されないが、例えば、特開2006−11383号公報に開示されている化合物等が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、アルデヒド基を有する表面改質剤は、一般的な反応により付加させることで、アセタール結合を形成する。具体的には、自己組織化単分子膜が形成された金基材及び表面改質剤をメタノール中、室温で6時間放置した後、シアノトリヒドロホウ素酸ナトリウムを0℃で添加して、一晩加熱攪拌する。なお、反応溶媒としては、メタノール以外にも、水、エタノール、2−プロパノール等のプロトン性溶媒を使用することができるが、メタノールを用いた場合の導入率が高い傾向にある。
アミノ基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、アルデヒド基を有する表面改質剤は、一般的な反応により縮合させることで、イミノ結合を形成する。具体的には、自己組織化単分子膜が形成された金基材及び表面改質剤をメタノール中、室温で6時間放置した後、シアノトリヒドロホウ素酸ナトリウムを0℃で添加して、一晩加熱攪拌する。なお、反応溶媒としては、メタノール以外にも、水、エタノール、2−プロパノール等のプロトン性溶媒を使用することができるが、メタノールを用いた場合の導入率が高い傾向にある。
(カルボキシル基を有する表面改質剤)
カルボキシル基を有する表面改質剤としては、特に限定されないが、例えば、特開2006−11381号公報に開示されている化合物等が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、カルボキシル基を有する表面改質剤は、一般的な反応により縮合させることで、エステル結合を形成する。具体的には、臭化シアンを用いて、表面改質剤のヒドロキシル基を活性化させた後、自己組織化単分子膜が形成された金基材を浸漬する。
アミノ基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、カルボキシル基を有する表面改質剤は、一般的な反応によりアミノ基とカルボキシル基を縮合させることで、アミド結合を形成する。具体的には、表面改質剤をN−ヒドロキシスクシンイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドの溶液に加えて、カルボキシル基を活性エステル化させた後、自己組織化単分子膜が形成された金基材を浸漬する。
(一般式(2)で表される官能基を有する表面改質剤)
一般式(2)で表される官能基を有する表面改質剤としては、特に限定されないが、例えば、特開2006−11380号公報に開示されている化合物等が挙げられる。
一般式(2)で表される官能基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、一般式(2)で表される官能基を有する表面改質剤は、一般的な反応により一般式(2)で表される官能基を縮合させることで、シロキサン結合を形成する。具体的には、自己組織化単分子膜が形成された金基材を表面改質剤の溶液に浸漬する。なお、表面改質剤の溶液に浸漬する際は、水、酸、アルカリ等を添加してもよいし、加熱してもよい。
本発明の表面改質方法は、金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜と、反応性官能基に対して反応性を有する官能基を有するリガンドを反応させて、金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜にリガンドを結合させる工程をさらに有してもよい。
リガンドが有する反応性官能基に対して反応性を有する官能基としては、特に限定されない。具体的には、アミノ基、ヒドロキシル基に対して反応性を有する官能基としては、カルボキシル基、アルデヒド基等が挙げられるが、反応性が高いことから、カルボキシル基が好ましい。また、アルデヒド基、カルボキシル基に対して反応性を有する官能基としては、アミノ基、ヒドロキシル基等が挙げられるが、反応性が高いことから、アミノ基が好ましい。
また、リガンドと反応性官能基は、スペーサーを介して結合されていることが好ましい。スペーサーとしては、特に限定されないが、メチレン基、オキシエチレン基、アミノ基を1個以上有するアルキレン基等が挙げられる。
なお、リガンド及び表面改質剤が有する反応性官能基に対して反応性を有する官能基は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
リガンドとしては、特に限定されないが、IgG、IgM、IgA、IgD、IgE、IgY等の各種抗体;蛋白質、多糖類等の抗原;グルタチオン−S−トランスフェラーゼ等の酵素;グルタチオン等の基質;ホルモンレセプター、サイトカインレセプター等のレセプター;ペプチド、DNA、RNA、アプタマー、プロテインA、プロテインG、アビジン、ビオチン;ニトリロ三酢酸等のキレート化合物;Ni2+、Co2+、Cu2+、Zn2+、Fe3+等の各種金属イオン等が挙げられる。
リガンドが蛋白質である場合、アルデヒド基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、蛋白質のアミノ基は、一般的な反応により縮合させることで、イミノ結合を形成する。具体的には、自己組織化単分子膜が形成された金基材及び表面改質剤をメタノール中、室温で6時間放置した後、シアノトリヒドロホウ素酸ナトリウムを0℃で添加して、一晩加熱攪拌する。なお、反応溶媒としては、メタノール以外にも、水、エタノール、2−プロパノール等のプロトン性溶媒を使用することができるが、メタノールを用いた場合の導入率が高い傾向にある。
また、カルボキシル基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、蛋白質のアミノ基は、一般的な反応により縮合させることで、アミド結合を形成する。具体的には、自己組織化単分子膜が形成された金基材をN−ヒドロキシスクシンイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドの溶液に浸漬して、カルボキシル基を活性エステル化させた後、蛋白質を加える。
また、アミノ基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、蛋白質のアミノ基は、一般的な反応により、グルタルアルデヒドを介して縮合させることで、イミノ結合を形成する。具体的には、自己組織化単分子膜が形成された金基材(又は蛋白質)にグルタルアルデヒドを反応させた後、蛋白質(又は自己組織化単分子膜が形成された金基材)と反応させる。
また、ヒドロキシル基を有する自己組織化単分子膜が形成された金基材と、蛋白質のカルボキシル基は、一般的な反応により縮合させることで、エステル結合を形成する。具体的には、臭化シアンを用いて、自己組織化単分子膜が形成された金基材のヒドロキシル基を活性化させた後、蛋白質を加える。
本発明の表面改質材料は、以上のようにして製造することができるが、その用途としては、酵素センサー、免疫センサー、表面プラズモン共鳴バイオセンサー、水晶振動子マイクロバランスバイオセンサー等のバイオセンサー、バイオセンサー用のセンサーチップ、DNAチップ、分子プローブ、金コロイド等が挙げられる。
バイオセンサー及びバイオセンサー用のセンサーチップとしては、特に限定されないが、光透過性の光学ガラス上に形成されている金膜を、本発明の表面改質方法を用いて、表面改質したもの等が挙げられる。このとき、光学ガラスは、一般式(2)で表される官能基を有する表面改質剤を用いて、表面改質したものであることが好ましい。これにより、目的物質以外の物質の吸着を抑制し、バイオセンサーの感度を向上させることができる。
本発明の分析方法としては、本発明の表面改質材料を用いて分析する方法であれば、特に限定されないが、表面プラズモン共鳴法、水晶振動子マイクロバランス法、DNAチップを用いた遺伝子解析、薬剤のスクリーニング等が挙げられる。
[実施例1]
2mMの11−メルカプトウンデカン酸のエタノール溶液に、金チップを16時間浸漬し、自己組織化膜を形成した後、エタノールで洗浄し、乾燥させた。次に、得られた金チップを、表面プラズモン共鳴測定装置ビアコアJ(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)にセットした後、PBS(Phosphate buffered saline)を流して安定化させた。さらに、アミンカップリングキット溶液(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)を6分間流してカルボンキシル基を活性化させた。次に、2mg/mLのアミノ基を有する表面改質剤(表面改質剤B)の水溶液を6分間流して、自己組織化膜にホスホリルコリン基を結合させ、センサーチップを得た後、PBSを流して安定化させた。
[比較例1]
表面プラズモン共鳴測定装置ビアコアJ(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)に金チップ(センサーチップ)をセットした後、PBSを流して安定化させた。
[評価方法及び評価結果]
センサーチップの温度を25℃とし、移動相として、PBSを用いて、1mMのアルブミンの水溶液を1500秒間流した後、PBSを流して安定化させた。図1に、表面プラズモン共鳴の測定結果を示す。なお、1000RU(レゾナンスユニット)は、1ng/mmのアルブミンが吸着していることを意味する。図1より、実施例1のセンサーチップは、アルブミンの吸着を抑制していることがわかる。
実施例1及び比較例1の表面プラズモン共鳴の測定結果を示す図である。

Claims (6)

  1. 金基材の表面に、金−チオール結合を介して、反応性官能基を有するチオールの自己組織化単分子膜を形成する工程と、
    該金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜と、一般式
    Figure 2009229209

    (式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1以上6以下のアルキル基であり、mは、2以上6以下の整数、nは、1又は2である。)
    で表される官能基及び該反応性官能基に対して反応性を有する官能基を有する表面改質剤を反応させて、該金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜に該表面改質剤を結合させる工程を有することを特徴とする表面改質方法。
  2. 前記反応性官能基は、アミノ基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基又は一般式
    Figure 2009229209
    (式中、Rは、メトキシ基、エトキシ基又はハロゲン基であり、R及びRは、それぞれ独立に、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基又はイソブチル基である。)
    で表される官能基であることを特徴とする請求項1に記載の表面改質方法。
  3. 前記自己組織化単分子膜を、ジスルフィドを還元して形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の表面改質方法。
  4. 前記金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜と、前記反応性官能基に対して反応性を有する官能基を有するリガンドを反応させて、前記金基材の表面に結合された自己組織化単分子膜に該リガンドを結合させる工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表面改質方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表面改質方法を用いて製造されていることを特徴とする表面改質材料。
  6. 請求項5に記載の表面改質材料を用いて分析することを特徴とする分析方法。
JP2008074287A 2008-03-21 2008-03-21 表面改質方法、表面改質材料及び分析方法 Withdrawn JP2009229209A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015159534A1 (ja) * 2014-04-16 2015-10-22 富士フイルム株式会社 検出液及びそれを用いたバイオセンシング方法
CN105044359A (zh) * 2015-07-14 2015-11-11 天津大学 基于多巴胺辅助透明质酸修饰表面的等离子共振仪芯片及其制备方法

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