JP2005180921A - ポリエチレングリコール修飾ナノ粒子を担持するバイオセンサーチップ表面 - Google Patents

ポリエチレングリコール修飾ナノ粒子を担持するバイオセンサーチップ表面 Download PDF

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武彦 石井
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Abstract

【課題】高感度かつ、夾雑物の非特異的吸着の低減したバイオセンサー系の提供。
【解決手段】バイオセンサー表面にポリエチレングリコール修飾ナノ粒子を固定化または固定化できるバイオアッセイ系。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイオアッセイの技術分野に関し、より具体的には、生物学的流体等に含まれる被検体以外の夾雑物による非特異吸着もしくは結合を低減もしくは防止するか、被検体の検出感度を高めることのできるバイオセンサー系、ならびに該バイオセンサー系を使用するアッセイ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生物学的試料中に存在する被検体を検出する方法として、多種多様な検出様式をもつバイオセンサーが提案されている。そのようなバイオセンサーの中で、表面プラズモン共鳴(以下、SPRともいう)を利用するセンサーは、金属薄膜の表面およびその近傍における屈折率変化に対して敏感である(例えば、非特許文献1参照)。SPRは、表面と複雑な生物学的溶液との間で生じる過程のインサイチュ(in situ)での観察が可能であり、そして例えば標識を使用することなくリアルタイムに被検体からのデータが入手できるので、動力学的および熱力学的なパラメーターを取得するのに適していることから注目を集めているセンサーの一つである。
【0003】
このような表面をもつバイオセンサーチップの典型的なものとしては、アマシャム ファルマシア バイオテク(株)から入手できるBIACORE(商標)がある。このBIACOREは、末端がカルボキシル化されたデキストランのマトリックスが半透明の状態で金の薄膜上に固定されている。より具体的には、式HS−R−Y(Rは10原子を越える鎖の長さを有し、ヘテロ原子で中断されていてもよい炭化水素鎖であり、Yはリガンド又は生適合性多孔質マトリックスを共有結合させるための活性基である)で表される有機分子を用いて、そのチオール(またはメルカプト)基を介して金、銀などの自由電子金属の薄膜表面へ結合させて密に詰め込まれた単層で該表面を被覆し、次いで、生適合性多孔質マトリックスとして、リガンドを結合させるための官能基を有していてもよいアガロース、デキストラン、ポリエチレングリコール等からなるヒドロゲルを共有結合した表面を有するバイオセンサーチップが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなバイオセンサーチップ上での生物学的物質、例えば、タンパク質の検出に際しては、SPRシグナルの一定の増幅および非特異吸着の防止が達成される。
【0004】
また、主として、目的とする被検体タンパク質等の測定に際して、生物学的流体中等に存在する夾雑物のセンサーチップ表面への非特異吸着を防止するものとして、支持体上へ硫黄原子(メルカプト基の)を介して結合したスペーサー分子(炭素原子数1〜30のアルキレン鎖)に親水性リンカー部(鎖長4から15原子の直鎖分子)と固相反応物質(ビオチン誘導体残基)が順に共有結合した表面を有するセンサーチップも提供されている(例えば、特許文献2参照。)。また、HS−スペーサー分子(炭素原子数11のアルキレン鎖)−親水性リンカー(エチレンオキシド単位3個または6個からなる鎖)−をベースとする化合物を用い、メルカプト基を介して金表面に自己集成した単層を有するセンサーチップも提供されている(例えば、非特許文献2参照。)。さらに、エチレンオキシド単位が5−10,000の範囲にあるヘテロテレケリックポリマーを担持する表面をもつセンサーチップを提案されている(特許文献3参照。)。
【0005】
上述のとおり、このような表面を有するセンサーチップはSPRシグナルの一定の増幅も達成される。しかしながら、さらなる検出感度を高め得るバイオセンサー系として、コロイド金(Au)を金薄膜表面(これらの表面には、上記の各文献に記載されているような、デキストラン層、ポリエチレングリコール層を担持しない。)を有するセンサーチップと組み合わせて使用するものも多数提供されている。一般に、かような系では、コロイド金を使用しない系に比べて、プラズモン角の大きなシフト、広幅なプラズモン共鳴および最低反射率の著しい増大がもたらされること等が、利点として挙げられている(例えば、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、特許文献4、特許文献5参照。)。これらの金コロイドまたは金ナノ粒子をSPRの増幅もしくは増強に用いる系のセンサーチップ表面は、共通して、金薄膜上をアルカンチオール(例えば、3−メルカプトプロピオン酸もしくは3−メルカプトエチルアミン)等で修飾し、次いでビオチンまたはアビジンもしくはストレプトアビジン、抗体、等を共有結合させている。金コロイドまたは金ナノ粒子は、上記のようなアルカンチオール類を用いるか、または用いることなく、タンパク質を結合(化学的吸着を含む。)して、ビオチン−ストレプトアビジン、抗原−抗体のごとき、生物学的な特異的結合対を形成することにより、上記のセンサーチップ表面に結合させている。また、上記の非特許文献5では、金または銀の支持体(センサーチップ)上に2−アミノエタンチオール(AET)または1,6−ヘキサンジチオール(HDT)を用いて、直接、金ナノ粒子を固定すると、Au/AET/Au系は増強されたSPR感度を示すが、Au/HDT/Au系は、金ナノ粒子の増幅効果が相当低くなることが示唆されている(その第11159頁、序の項参照。)。またさらに、上記のような金ナノ粒子を用いてガラス製センサーチップ上に自己集成単層を形成すると、可視−UVスペクトロフォトメーターで、チップ表面上で生物分子間の相互作用がリアルタイムに追跡できることも知られている(例えば、非特許文献6参照。)。
【0006】
なお、上記のようなバイオセンサー系を構成するものでないが、バイオアッセイにおける標識として用いる金属粒子の表面をポリエチレングリコール(またはポリエチレンオキシドともいう)のような水溶性で、かつ、水性媒体中でモビリティの高いポリマー鎖で修飾し、該粒子の分散安定性を改善する方法(非特許文献7参照。)や、金属粒子表面に結合したポリエチレングリコールの該結合部位の他の末端に機能性化合物の残基を有するポリエチレングリコール化[以下、PEG修飾(PEG modified)ともいう。]金属粒子、半導体粒子または磁性粒子も水性媒体中で分散安定性を示すものとして知られている(非特許文献8、特許文献6、特許文献7参照。)。また、半導体ナノ粒子をポリマー(例えば、ジアセチレン、スチレン等で取り囲むようにした粒子を生物学的な物質を検出するためのプローブとして用いることも提案されている(例えば、特許文献8参照。)。
【0007】
上述の金ナノ粒子をSPRの感度の向上に用いる系では、金ナノ粒子とバイオセンサーチップの金薄膜表面との間の距離または粒子と表面との結合様式によって増感効果が異なることが示唆されている(例えば、上記の非特許文献6参照。)。したがって、上述のような金ナノ粒子とバイオセンサーチップを用いる系を特許文献1に記載されるような表面に適用しても、感度が低下するか、または夾雑物の非特異吸着の防止ができない、可能性がある。
【0008】
[特許文献1]
特開平4−501605公報
[特許文献2]
米国特許第3071823号明細書
[特許文献3]
国際公開第01/86301号パンフレット
[特許文献4]
特開2002−267669公報
[特許文献5]
特開2000−55920号公報
[特許文献6]
特開2001−200050号公報
[特許文献7]
特開2002−80903号公報
[特許文献8]
米国特許第6207392号明細書
[非特許文献1]
A.Szabo et al.,Curr.Opin.Strnct.Biol.5(1995)699−705
[非特許文献2]
Roberts et al.,J.Am.Chem.Soc.1998,120,6548−6555
[非特許文献3]
L.A.Lyon et al.,Anal.Chem.1998,70,5177−5183、特に、5177頁の序の項
[非特許文献4]
L.He et al.,J.Am.Chem.Soc.2000,122,9071−9077
[非特許文献5]
E.Hutter et al.,J.Phys.Chem.B 2001,105,11159−11168
[非特許文献6]
N.Nath et al.,Anal.Chem.2002,74,504−509
[非特許文献7]
W. Pwuelfine et al., J. Am. Chem. Soc.120(48),12696−12697(1998)
[非特許文献8]
Otsuka et al.,J.Am.Chem.Soc.2001,123,8226−8230
なお、以上の文献は引用することにより、それらの内容はそっくり本明細書の内容となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、以上に述べたSPR等を利用するセンサーの感度をさらに高め、しかも、夾雑タンパク質等による非特異的吸着を抑制したセンサーチップ表面およびアッセイ系の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、BIACORE(R)のセンサーチップや、ポリエチレングリコール修飾表面をもつセンサーチップと、主として水性媒体中での分散安定性を改善するものとして提供されているポリエチレングリコール修飾金属粒子もしくは半導体粒子を組み合わせて用いると、対応するセンサーチップによるバイオアッセイの感度を高め得るとともに、夾雑物による非特異吸着を防止または抑制できることを見出した。本発明は、かような知見に基づき、完成されたものである。
【0011】
本発明によれば、(A) 構造式I:
【0012】
【化7】
Figure 2005180921
【0013】
式中、PCLは自由電子金属微粒子、金属酸化物微粒子または半導体微粒子を表し、
Xはバイオセンサーチップ表面に結合することのできる官能基もしくは機能性部分を表し、
YはC1−C6アルキル基、Xの官能基もしくは機能性部分を形成するのに使用できる保護されていてもよい官能基およびXと同一もしくは異なる機能性部分からなる群より選ばれる1種以上の基もしくは部分を表し、LはPCLに結合する基もしくは結合部分を表し、
1およびW2は、単結合または同一もしくは異なる連結基を表し、
PEGは、エチレンオキシド単位:(−CH2CH2O−)n(ここで、nは5−10,000のいずれかの整数である。)を表し、
ここで、(X−W2−PEG−W1−L)x と (L−W1−PEG−W2−Y)yにおけるW2−PEG−W1−Lは同一もしくは異なることができ、そして
xおよびyは、独立して1以上の整数であり、かつ、一緒になってPEG鎖が水性媒体中でPCLの表面を被覆するのに十分な整数を表す
のポリエチレングリコール修飾ナノ粒子と、(B) (A)の粒子がXを介して結合することができ、かつガラスなどの誘電体またはPCLの材料に担当する材料からなる表面を有するバイオセンサーチップとのセットを含んでなるバイオアッセイに用いるためのバイオセンサー系が提供される。
【0014】
別の態様の本発明として、前記の構造式IにおけるXが生物学的な特異的結合対を形成する一員の残基であり、Yが生物学的な特異的結合対を形成する残基以外の基であり、
Lは、式
【0015】
【化8】
Figure 2005180921
【0016】
(ここで、pは2−12のいずれかの整数を表し、R1、R2およびR3は独立してC1−C6アルキル基を表し、そしてmは2〜100のいずれかの整数を表す)の基を表し、そしてx+yはPCLの表面1nm2当たり0.1−0.5、好ましくは0.25−0.40に相当するいずれかの数であり、(x/x+y)×100が1−99、好ましくは20−65の整数であり、そしてPCLの横断面の平均寸法が1−500nm、好ましくは5−500nmであるポリエチレングリコール修飾ナノ粒子も提供される。
【0017】
さらに別の態様の発明として、(a) 前記ポリエチレングリコール修飾ナノ粒子を用意し、
(b) 該ナノ粒子のPCLの材料に対応する薄膜表面を有し、該ナノ粒子のXの生物学的な特異的結合対の一員に対する他の一員が直接または少なくともC1−C6アルキレン基もしくは(−CH2CH2O−)n(ここで、nは5−10,000のいずれかの整数である)を介して担持された表面を有するバイオセンサーチップを用意し、
(c) (a)の粒子および(b)のバイオセンサーチップを該生物学的な特異的結合を形成しうる構成員のいずれかの一員を被検体として含むことが疑われる生物学的流体と接触させ、
(d) 被検体の競合作用による(a)の粒子と(b)のバイオセンサーチップ表面との結合の程度の変化を決定し、
(e) 該変化を生物学的流体中の被検体濃度の指標とする、
ことを含んでなる生物学的流体中の被検体の検出方法も、提供される。
【0018】
本発明に従う、(A)の粒子と(B)のバイオセンサーチップとのセットは、それらが結合(共有結合または非共有結合(例えば、生物学的な特異的結合にみられる疎水結合、イオン結合、化学吸着、等))を形成すると、例えば共鳴ラマン散乱を表面増感効果により増大させる。
【0019】
特に、自由電子金属微粒子にあっては表面プラズモン共鳴シグナルの著しい変化(プラズモン角の大きなシフト、広幅なプラズモン共鳴および最低反射率の増大)がもたらされる。驚くべきことに、このような変化は、バイオセンサーチップ上にかなりの厚さをもつデキストラン層を担持するBIACORE(商標)センサーチップと該(A)の粒子が結合した場合にも認められる。
【0020】
さらに、本発明に従う、(A)の粒子で被覆された(B)のバイオセンサーチップ表面は、仮に該チップ表面が上記のようなデキストラン層やポリエチレングリコール修飾されていなくても、例えば、生物学的流体中に存在するタンパク質等の非特異的吸着を有意に抑制できる。
【0021】
以下、本発明をさらに具体的に述べる。
【0022】
本発明に従うバイオセンサー系の特に注視している使用は、表面プラズモン共鳴(SPR)を利用したバイオアッセイ(生物分子のアッセイ)に向けられているが、本発明にいうアッセイはSPR以外のトレースできるシグナル、放射能、各種電磁波の接触角、沈降、紫外分光、ラマン散乱、等の変化を利用するものも包含する。本発明にいうバイオアッセイが検出対象とする生物分子は、所謂、生物学的な特異的結合対(例えば、生物分子どうしが疎水結合、イオン結合、等によって形成する。)、より具体的には非共有結合対を形成する構成員、リガントとレセプター、例えば、抗原もしくはハプテンと抗体、糖とレクチン、基質と酵素、ホルモンとその受容体、オリゴヌクレオチドとそれの相補鎖、ビオチンとアビジンもしくはストレプトアビジン類のごとき結合対を形成するいずれかの構成員であることができるが、これらに限定されない。
【0023】
本発明にいう「バイオセンサー系」とは、上記のごときアッセイを行うのに用いることのできる各要素またはそれらの集成体もしくは組み合わせ物を意味する。さらに、本明細書では、「微粒子」および「ナノ粒子」は、互換可能に使用されており、特記されない限り、ナノオーダーのものに限定されることなく、サブナノまたは数マイクロメーターのものまで包含するものとして用いられている。
【0024】
以下、本発明の構成について詳述する。
(A) 構造式Iで表されるPEG修飾ナノ粒子に関して
PCLは、自由電子金属(例えば、金、銀、白金、アルミニウム、銅、等)、半導体(例えば、CdS、ZnS、CdSe、InAs等)および金属酸化物(例えば、TiO4、Cr23等)からなる群より選ばれる材料製の微粒子であることができる。限定されるものでないが、1〜500nmの平均横断面の寸法を有するものが都合よく利用できる。
【0025】
Lは、上記粒子表面に結合(化学結合もしくは化学吸着、金属酸化物にあっては、水酸化により生じる表面−OH基を介する共有結合等)しうる基もしくは部分を介する結合であり、本発明の目的に沿うものであれば、いかなるものであってもよい。しかし、好ましくは、次式(i)、(ii)および(iii)
【0026】
【化9】
Figure 2005180921
【0027】
からなる群より選ばれる基を介する結合を表す(ここで、pは2〜12のいずれかの整数を表し、R1、R2およびR3は独立してC1−C6アルキル基を表し、そしてmは2−500、好ましくは5〜100のいずれかの整数を表す。)。かような結合は、例えば(i)および(iii)の基または部分(もしくはセグメント)であるときは、上記の粒子表面との間で形成されるものであることができ、また、(ii)の基または部分であるときは、水酸化された金属酸化物表面の−OHとシラノール基との間の脱アルコール反応を伴って形成される結合であることもできる。
【0028】
PEGは、エチレンオキシド単位:(−CH2CH2O−)n(ここで、nは5−10,000、好ましくは10〜10,000、より好ましくは20〜2500のいずれかの整数である。)である。
【0029】
Xはバイオセンサーチップ表面に結合することのできる官能基もしくは機能性部分を表す。官能基もしくは機能性部分は、上記のLを形成しうるものとして例示した式(i)、(ii)および(iii)で示される基もしくは部分であることもでき、さらに、上記の生物学的な特異的結合対を形成しうる一構成員の残基、ならびにバイオアッセイに影響を及ぼさないタンパク質の残基であることもできる。
【0030】
該特異的結合対の構成員のうち、一般に分子量の小さいもの、例えば、ハプテン、糖、基質、ホルモン、オリゴヌクレオチド、ビオチン由来の残基が好ましい。
【0031】
YはC1−C6アルキル基、Xについて定義した基もしくは機能性部分またはその保護された形態にある部分またはXとは別の基もしくは機能性部分またはその保護された形態にある基もしくは部分であることができる。Xとは別の基もしくは部分の代表的なものとしては、次式(iv)、(v)および(vi)
【0032】
【化10】
Figure 2005180921
【0033】
(ここで、Raは独立して、水素原子またはC1−C6アルキルを表し、Rbは独立してC1−C6アルキルオキシまたは2つのRbが一緒になってオキシもしくはC1−C6アルキルで置換されていてもよいエチレン基を形成する原子団を表す。)で表される基から選ばれるものが挙げられる。Yの好ましいものとしては、上記式(iv)、(v)および(vi)、並びにXについて定義した、式(i)およびC1−C6アルキル基からなる群より選ばれる基もしくは部分を挙げることができる。
【0034】
1およびW2は独立して、連結基、例えば単結合、C1−C6アルキレン、−COO−(酸素原子を介してエチレンオキシド単位のメチレン基に結合する)、−O−、−S−、−(C1−C6アルキレン)−COO−、−(C1−C6アルキレン)−O−および−(C1−C6アルキレン)−S−からなる群より選ばれる基であることができる。
【0035】
以上の各基、部分および/またはセグメントから構成される式(II)および(III):
(II) X−W2−PEG−W1−L および
(III) L−W1−PEG−W2−Y
で表されるポリマーは、上記XおよびYの定義から理解できるように同一であることができるが、異なっていることが好ましい。また、これらの式中のW2−PEG−W1−Lは同一もしくは異なることができる。式(II)および式(III)で表されるポリマーは、それぞれ独立して1以上の整数個(それぞれ、xおよびyの整数に対応する。)が単一PCL表面上に結合する。これらのx+yは、PCL表面をPEG鎖が被覆するのに十分な整数で存在する。この数は、本発明に従う、ポリエチレングリコール化粒子表面(かような粒子でセンサーチップ表面が被覆された場合にはその被覆表面)に水性媒体中で非特異的なタンパク質等の吸着が抑制できる数であろう。抑制の程度については、後述する実施例を参考にできる。なお、非特異的なタンパク質等の吸着とは、例えば、Xが生物学的な特異的結合対を形成しうる一員、例えば、抗原である場合に、それに対する抗体が結合するような特異的結合を介するもの以外の吸着を意味する。限定されるものでないが、x+yの具体的な数は、PCL表面1nm2当たり0.1−0.5、好ましくは0.25−0.40となる数に相当するいずれかの数である。xとyの割合は、上述のとおり、式(II)と式(III)で表されるポリマーが同一であることができるように、任意であることができる。しかし、後述するような、バイオセンサー表面と該PEG修飾粒子との生物学的な特異的結合に対する被検体の競合作用を利用するようなアッセイにおいては、xとyの総数当たりのxの割合は、1−99、好ましくは20−65であることができる。このような割合で式(II)(Xが生物学的な特異的結合対を形成する一員である。)のポリマーと式(III)(YがXと異なり、Xと結合しない基もしくは部分である。)のポリマーをPCL上に配置できる。このような態様の粒子は、迅速かつ、高感度のアッセイを行うことに役立つ。
【0036】
以上のポリエチレングリコール化粒子の典型的なものは、上述の Otsuka et al.,J.Am.Chem.Soc.2001,123,8226−8230、特開2001−200050号公報、特開2002−80903号公報に記載されており、また、これらの記載に準じて製造できる。また、該粒子を形成するために利用できる。特に、ヘテロテレケリックポリマーは、本発明の一部が提案した、WO 96/32434、WO 96/33233、WO 97/06202に記載するブロックコポリマーのα,ω−末端の機能化を参考すれば、当業者にとって容易に製造できるであろう。
【0037】
なお、上記の定義中で用いた、C1−C6アルキル、C1−C6アルキルオキシ、C1−C6アルキレンが、異なる基または部分について用いられている場合であっても、それらは共通の意味を有する。例えば、C1−C6アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec.−ブチル、n−ヘキシル等を表し、C1−C6アルキルオキシとしては、上記C1−C6アルキルのそれぞれの対応するアルキルオキシが例示される。また、C1−C6−アルキレンは、メチレン、エチレン、プロピレン、1,3−トリメチレン、1,6−ヘキサメチレン等である。
(B) バイオセンサーチップに関して
バイオセンサーチップは、その表面が上記(A)で詳述したPEG修飾ナノ粒子のX基もしくは部分と結合でき、バイオアッセイに利用できるものであれば、その形状、寸法に制限はない。しかし、好ましくは、その表面はセットで用いられるPCLを形成する材料と同一もしくは同一のクラス(例えば、自由電子金属の場合、金と金、金と銀;半導体の場合、CdSとCdS、CdSとInAs)となるように選ぶのが、(A)の粒子と該センサーチップから得られる上述のごときシグナルを増強するのに好ましい。しかし、可視−UVスペクトロメーターを用いてシグナルを検出する場合には、これらの光を透過するクリスタルまたはガラスであることもできる。該表面は、通常、対応する材料を蒸着させた薄膜であることができる。
【0038】
このような表面は、上記(A)の粒子におけるXの基もしくは部分との結合形成が促進できるように修飾されているか、また、Xがタンパク質である場合には、材料それら自体であることができる。かような修飾は、式(I)におけるLについて記載したような、PCLとの結合性を示す基もしくは部分を少なくとも一片末端にもつ有機化合物で行うことができる。例えば、金、銀、半導体から形成された表面をもつチップでは、アルカンチオール(例えば、3−メルカプトプロピオン酸もしくは2−メルカプトアミン)を用いて表面を修飾した後、遊離のカルボキシル基もしくはアミノ基を利用して、生物学的な特異的結合対を形成しうる一員(Xの一員に対するもの)を共有結合して好ましい表面を完成することができる。このような表面をもつバイオセンサーチップとしては、上述の非特許文献3、非特許文献5、特許文献4、特許文献5に記載されたものが例示できる。
【0039】
また、表面にデキストラン層を担持したBIACORE(商標)センサーチップ、ポリ(オキシエチレン)鎖を中間に有するヘテロテレケリックポリマーで被覆された表面をもつセンサーチップ(例えば、特許文献3参照)をもつものも、本発明で使用できる。
【0040】
その他のセンサーチップも、当業者であれば、以上の従来技術を参照することにより作製できるであろう。
【0041】
以上のPCL表面およびセンサーチップ表面を修飾するのに用いることのできる典型的なヘテロテレケリップポリマーは、下記の反応スキームに従って製造できる。
反応スキームI:
【0042】
【化11】
Figure 2005180921
【0043】
反応スキームII−a:
【0044】
【化12】
Figure 2005180921
【0045】
反応スキームII−b:
【0046】
【化13】
Figure 2005180921
【0047】
(以上の各式中の略号は、Mはカリウム、ナトリウム、リチウムを表す。)
以上のリビング重合工程は、それ自体公知の反応条件の下で実施できる(例えば、上記のWO 96/32434、WO 97/06202、等を参照されたい。引用することにより、これらの文献の内容は本明細書の内容となる。)。その他は、後述する実施例に従い、または記載されている条件を改変して実施できる。
【0048】
また、式
【0049】
【化14】
Figure 2005180921
【0050】
は、本発明者らの一部による Kataoka et al., Macromolecules、1999、32、6892−6894(この文献の内容は、引用することにより本明細書の内容となる)に記載の方法に従って得ることができる。PEG Mw=5000g/mol、PAMA(ポリ[(2−N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート])の重合度m=68)を後述するPEG修飾微粒子の作成に用いる。
【0051】
これらのポリマーを用いるPCLのPEG修飾について、簡単に述べると、構造式IにおけるPCLを構成する自由電子金属微粒子、金属酸化物微粒子または半導体微粒子は、それぞれ、市販品を利用するか、それぞれ相当するコロイドを形成することにより得た微粒子を利用することができる。また、本発明に従うPEG修飾ナノ粒子は、例えば、それぞれ相当する微粒子(例えば、0.5nm〜1μm、好ましくは1nm〜200nmの平均粒径)を形成する工程中に上述の前駆体ポリマーを共存させて形成することにより、前駆体ポリマーが微粒子表面に結合した、構造式Iの表面またはその前駆表面を作成することもできる。(A)の粒子と(B)のセンサーチップのセットに関して
(B)のセンサーチップ表面がBIACORE(商標)のようなデキストラン層をもつものまたはWO 01/86301 A1に記載されているようにポリ(エチレンオキシド)鎖を中間に有するポリマーで修飾されたもの以外は、被検体を含むことが疑われる試料液と接触する表面が(A)の粒子で実質的に被覆されるように、(A)の粒子と(B)のセンサーチップは使用され、特に、これらは結合した状態で使用される。こうして、(A)の粒子が(B)のセンサーチップ表面を被覆した形態にある表面は、(A)の粒子表面上の式(II)および式(III)で表されるポリマーの作用により、表面へのタンパク質等の非特異的吸着を有意に抑制できる。勿論のこと、粒子による各種シグナルの増幅効果も得られる。
【0052】
また、(A)の粒子におけるXが生物学的な特異的結合対を形成する一員であり、(B)のセンサーチップ表面上に、該一員に対する他の一員が存在する場合には、アッセイの概念について略図的に示す図1に示すような態様で、(A)の粒子と(B)のセンサーチップとのセットを使用できる。図中の三角印は、例えば、糖、ビオチン、抗原もしくはハプテン、ホルモン、オリゴヌクレオチド等を表し、該三角が嵌合する印は、それぞれ、レクチン、アビジンもしくはストレプトアビジン、抗体、受容体タンパク質、相補性オリゴヌクレオチドもしくは該ヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチド、等を表す。また、これらの印に結合する波線はポリ(エチレンオキシド)セグメントであることができる。
【0053】
このような概念図で表されるバイオアッセイ方法も本発明の一態様である。
【0054】
一般的には、(a) 上記に従って製造されうる(A)の粒子を用意し、
(b) 該ナノ粒子のPCLの材料に対応する薄膜表面を有し、該ナノ粒子のXの生物学的な特異的結合対の一員に対する他の一員が直接または少なくともC1−C6アルキレン基もしくは(−CH2CH2O−)(ここで、nは5−10,000のいずれかの整数である)を介して担持され表面を有するバイオセンサーチップを用意し、
(c) (a)の粒子および(b)のバイオセンサーチップを該生物学的な特異的結合を形成しうる構成員のいずれかの一員を被検体として含むことが疑われる生物学的流体と接触させ、
(d) 被検体の競合作用による(a)の粒子と(b)のバイオセンサーチップ表面との結合の程度の変化を決定し、
(e) 該変化を生物学的流体中の被検体濃度の指標とする、
ことを含んでなる生物学的流体中の被検体の検出方法、が提供される。上記の段階(d)における、(a)の粒子と(b)のセンサーチップとの結合の程度の変化は表面プラズモン共鳴スペクトルの変化、例えばプラズモン角のシフト、最低反射率の増大、であることが好ましい。
【0055】
このようなアッセイ方法は、生物学的な特異的結合対を形成する一員(被検体)を含むことが疑われる水性液体試料のいかなるものにも、理論上、適用できるが、特に、生物学的流体、例えば、血清、血漿、尿、唾液、等、またはこれらの濃縮もしくは希釈液に適用することを意図している。
【0056】
かような方法によれば、迅速かつ高感度のアッセイができる。
【0057】
【実施例】
以下、具体例を挙げてさらに本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
製造例1:PEG修飾金微粒子の製造法(その1):
使用ポリマー:Acetal−PEG−SH(Mn=5000)
【0058】
【化15】
Figure 2005180921
【0059】
Acetal−PEG−SH:HAuCl4=1/6:1(モル比)の比で混合した水溶液にHAuCl4に対して10倍モル量のNaBH4を添加し、還元法により金コロイドを調整した。末端アセタール基をpH2塩酸で処理しアルデヒド基に返還後、p−アミノフェニル−β−D−ラクトピラノシドと反応し、ラクトース−PEG−SHで修飾した金コロイド水溶液(平均粒径:8.7nm)を得た。
【0060】
なお、アセタール−PEG−SHは、下記のとおりに製造した。
【0061】
アルゴン置換した受器中に蒸留テトラヒドロフラン(THF)20mlと開始剤3,3−ジエトキシ−1−プロパノール0.2mmol(0.032ml)を加え、さらに当量のカリウムナフタレンを加えて15分撹拌することでメタル化を行った。その後、エチレンオキシド22.7mmol(1,135ml)を加え、室温で2日間撹拌し重合させた。停止剤としてN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルチオ)プロピオネート(SPDP)0.4mmol(0.125g)を少量の蒸留THFに溶解させ、この溶液に対し前記の重合反応溶液を等圧滴下漏斗にて氷冷下で滴下した。一晩撹拌して停止反応を行った後に、飽和食塩水洗浄・クロロホルム抽出、エーテル再沈、ベンゼン凍結乾燥を経て、ポリマーを回収した。回収したポリマーは1H−NMRにて構造を確認し、末端に導入されたSPDP残基の量は、2−メルカプトエタノールと反応させることによって遊離した2−チオピリドンのUV吸収によっても確認した。
【0062】
PEG−SS−Py 2.0×10-2mmol(100mg)を蒸留水4mlに溶解させ、さらに5倍mol量のジチオトレイトール0.1mmol(15.42mg)を加え、室温で30分撹拌した。反応後、飽和食塩水洗浄・クロロホルム抽出・エーテル再沈を経てポリマー(以下、PEG5000と略記する)を回収した。回収したポリマーは1H−NMRによって構造を確認し、さらに2−ピリジルジスルフィド(2−PDS)との反応により、末端SH基の定量を行った。製造例2:PEG修飾金微粒子の製造法(その2):
使用ポリマー:Acetal−PEG−SH(Mn=3200)
【0063】
【化16】
Figure 2005180921
【0064】
(1) 使用ポリマーの製造
反応スキームIに従い、開始剤に3,3−ジエトキシ−1−プロパノール、停止剤にメチルスルフォニルクロライドを用いてアセタール基とメチルスルホニル基を有するヘテロ二官能性PEGをアニオン重合により合成した。さらに、テトラヒドロフラン(THF)中でカリウムオルトエチルジチオカルボネートと室温で3時間反応させることによって、メチルスルホニル基をエチルジチオカルボネート基に転化したポリマーを得た。
【0065】
その後、同じくTHF中でプロピルアミンとの反応によって上式で示されるα−末端にメルカプト基を有するヘテロ二官能性PEG(Acetal−PEG−SH)を得た。
(2) 金粒子のPEG修飾
Acetal−PEO−SH(Mn=3200)とアセタール−PEO−OH(比較例)(Mn=3000)を、それぞれポリマーと金粒子とのモル比が5.0×106:1になるように測りとり純水2.0mLに溶解させた。そして、NaOH溶液にてpH6.5に調製し、金コロイド1.0mL(2.58×10-13mol、pH6.5)を加え室温で3時間激しく撹拌させた。次いで、遠心分離[42,000g(gは重力加速度)、30分]後、溶液を取り除き、残渣にTHF3mLを加えて超音波をかけて再分散させた。これらのサンプルについてUVを用いて特性解析を行った。
【0066】
このポリマーを用いた金粒子の調製においては、遠心分離後、THF溶液に再分散させたときのUV−visスペクトルから、未修飾の金粒子のUVスペクトルは、粒子の凝集に基づく600nm以上に大きな吸収ピークを示していることが確認できた。Acetal−PEO−OH(比較例)で処理した金粒子は、未修飾の金粒子のUVスペクトルのように600nm以上に大きなピークを持たなかったものの、全体的にピークが高波長側へシフトし多少微粒子分散が不安定化していることが確認された。他方、遠心操作後、pH3の水溶液中に再分散させた時もAcetal−PEG−SHのみが非常に安定であり、ベンゼンを用いた凍結乾燥後の再分散性もよいことが確認できた。
(3) PEG修飾金微粒子の特性(ゼータ電位)
通常の金微粒子の水溶液分散系では粒子表面を負に荷電させることによりそのチャージ反発により分散安定化させているのに対し、PEG化金微粒子ではその表面に全くチャージがないことがゼータ電位測定(大塚電子:ELS8000)により確認された。すなわち、市販の金微粒子は−34.5mVであるのに対し、今回作成した金微粒子−ヘテロPEG複合体(Acetal−PEG−SH/Au)では−0.86mVとなっており、殆ど誤差の範囲で粒子表面にチャージがないといえ、表面がPEG鎖で覆われているものと推測される。
【0067】
測定データを表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 2005180921
【0069】
測定溶液:
緩衝剤NaH2PO4・2H2OとNa2HPO4・12H2Oを10mM(モル濃度)加え、そのイオン強度を0.015、pHを7.5に調整したリン酸緩衝溶液。
【0070】
測定機器:ELS−8000(大塚電子)
製造例3:PEG修飾金微粒子の製造法(その3):
この例では、使用ポリマー(Acetal−PEG−PAMA):
【0071】
【化17】
Figure 2005180921
【0072】
(上述の Kataoka et al.,Macromolecules、1999、32、6892−6894に記載の方法に従って得られた。PEG Mw=5000g/mol、PAMAブロック共重合体水溶液5mL(NH:Au=8:1)を混ぜ室温で24時間撹拌した。所定時間ごとにUV−visスペクトルを測定したところ、金微粒子に由来する540nmのピークが次第に上昇し、還元剤を加えない状態で金コロイド粒子(微粒子)分散体が生成していることが確認された。この溶液を光散乱により測定(DLS:動的光散乱)したところ、平均粒径12nmの単分散コロイド粒子が生成していることが確認された。
【0073】
さらに、透過型電子顕微鏡によって、完全に均一な粒子が生成していることが確認された。この溶液をpH=2〜10の範囲で変化させ、1日放置しても全くスペクトルに変化は見られず、この系で極めて安定な金コロイド粒子(微粒子)が得られたことが確認された。
【0074】
この溶液にブロック共重合体の10倍当量の1,2−ジアミノ−4,5−ジメトキシ2塩酸塩(DDB)を添加し、NaClによってpHを2.45に調整した。溶液を分画分子量500の透析膜にて透析し、励起波長269nmで蛍光測定した結果、410nmに強い蛍光を示した。この結果より、調整された金粒子表面に Acetal−PEG/PAMAブロック共重合体の末端アセタール基がアルデヒド基に変換され、DDBと効率的に反応していることが確認された。こうして形成したアルデヒド基を介して各種の機能性部分をもたらすことができる。
製造例4:PEG修飾半導体微粒子の製造:
蒸留水80mL中に上述の Acetal−PEG/PAMAブロック(4.19×10-7mol)、CdCl2(6×10-6mol)及びNa2S・9H2O(6×10-6mol)を加え、撹拌機(750rpm)で20分間撹拌した。得られたPEG修飾半導体(CdS)微粒子(粒径4nm)を励起波長300nmにて蛍光を測定したところCdS微粒子特有の強い蛍光が現れた。
実施例1:PEG修飾微粒子のセンサーチップ表面への固定化:
(1) センサ−チップ表面の調製
N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)とSPDPのジスルフィド結合還元剤であるジチオスレイトール(DTT)をそれぞれ1mM、2mMとなるように混合したエタノール溶液をセンサーチップの金表面に2時間反応させた。その後、洗浄した金表面をこの溶液に30分浸漬させ、さらに、0.1mg/mlストレプトアビジンPBS溶液(pH6.4)を20分間流すことで、金表面のストレプトアビジン化を行った。
(2) 製造例2に従って得られたPEG(Acetal−PEG−SH)修飾金微粒子を調製後、pH2に金微粒子溶液を調整し、2時間アセタール基の脱保護を行い、アルデヒド基に変換した。溶液をpH6に調整し、PEGに対して4倍量のビオシチンヒドラジドを添加し、6時間攪拌しながら反応させた(ここで、PEGに対して4倍量とは、金微粒子の表面積を粒径から算出し、PEGの表面密度を0.25〜0.40本/nm2と仮定した。この値は微粒子の個数からPEGの本数を算出した値である。通例表面密度は0.25を使っている。0.25の値はPEG化金微粒子のTgから算出したものである)。その後、NaBH4を加え3日間攪拌した。遠心精製後、10mM−PBS(pH6.4)を溶媒置換溶液を調製した。こうして得られたビオチニル化されたPEG修飾金微粒子溶液に(1)で調製した金表面を有するチップを浸漬することにより、該表面にPEG修飾金微粒子が固定された。
(3) 表面の特性
(2)で調製されたPEG修飾金微粒子固定化表面を0.1mg/mlウシ血清アルブミン(BSA)PBS溶液(pH6.4)に1時間浸漬させ、表面への吸着量をSPRにより測定した。その結果、未処理の金表面に対するBSA吸着はSPR角度変化より△θ=0.21°であったが、PEG修飾金微粒子固定化表面においては、△θ=0.02°であった。これらのデータは、PEG修飾金微粒子固定化表面は血液中のタンパク質BSAの、非特異的吸着を抑制することを示す。
実施例2:PEG修飾金ナノ粒子を利用したSPRによるアッセイ
以下常にSPRの流速は常に10μL/minであり、設定温度は25℃である。またバッファーはすべて0.22μmフィルターを通した後、脱気したものを用いた。また、別の流路はレクチンを固定化していないコントロールの流路とした。また、センサーチップ表面のレクチンに結合した金ナノ粒子をすべて解離させる再生溶液には、100mg/mLのガラクトースを含むバッファーを用いた。
A) センサーチップへのレクチンの固定化
実験方法と結果
SPRセンサーチップ(CM5:BIACOREより入手。)を挿入して、りん酸緩衝溶液(pH7.4,10.15)をSPRの流路に安定するまで流した。次にEDC(N−エチル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)とNHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)の1:1混合溶液を100μLインジェクトし、チップ上のカルボキシル基を活性化させた。続けてRCA120(50μg/mL、溶媒はpH5.0の酢酸緩衝溶液)をインジェクトして固定化させ、最後に1Mエタノールアミド塩酸塩)を70μLインジェクトして、残った活性化NHS基をブロッキングした。この時のRUと最初のRUの差により、レクチン固定量は5600RU(5.6ng/mm2=2.8×10-2レクチンnm2)となった。
B) lac65とレクチンの特異的結合の確認(lac65とは金ナノ粒子(PEG520本)上のPEGの末端の65%にラクトースを有するサンプル)
実験方法
40μg/mLのlac65を1800秒間(300μL)インジェクトすることで、センサーチップ表面のレクチンと金ナノ粒子の結合を測定した。その後バッファーを3000秒間流すことにより、金ナノ粒子の解離を測定し、最後に100mg/mLのガラクトースをインジェクトすることでセンサーチップを再生した。
結果と考察
図2にlac65のセンサーグラムを示す。同じ濃度のフリーのラクトース−PEG−S−S−PEG−ラクトースはほとんどRUの増加がなかったのに対して、lac65は5200RUの増加が得られた。また、ラクトースを表面に有するミセルの系と比較すると、7000RUのレクチンが結合しているセンサーチップ上に500μg/mLのミセルをインジェクトすると1400RUのレスポンスが得られているが、本実験で用いた金ナノ粒子の粒径はこのミセルと同じくらいであるが、10分の1濃度で4倍のレスポンスが得られたことから、金ナノ粒子によりレスポンスが大きく上昇したと言える。このように大きなレスポンスが得られた理由としては、一つは金ナノ粒子の比重が非常に大きいため、チップ表面の誘電率が大きく上昇したことと、チップの金基板と金ナノ粒子との表面プラズモンどうしの相互作用とが挙げられる。
【0075】
次にバッファーを流したときの解離についてであるが、バッファーを流してもほとんど解離しなかった。そのため、金ナノ粒子とレクチン結合は非常に強いものだと考えられる。
【0076】
また、lac0は結合が確認されなかったのに対して、lac65は結合が確認されたことと、ガラクトースを添加することにより、大きくレスポンスの減少、つまり金ナノ粒子の解離が確認されたことから、金ナノ粒子表層のラクトースとRCA120レクチンとの特異的結合が示唆された。
C) 結合におけるリガンド密度の効果
実験方法
ラクトース密度0〜65%の金ナノ粒子(lac0、lac10、lac20、lac30、lac40、lac50、lac65)をそれぞれ40、10、1、0.1μg/mLの濃度で300μLインジェクトし、その結合量を測定した。
結果と考察
まず、lac0−lac65における濃度とレスポンスの関係を図3(a)に示す。ここから、ラクトース密度が大きいほど、また濃度が大きいほどRUは増加するという結果が得られた。また、10μg/mLの濃度でインジェクトしたときのlac0−lac65までのセンサーグラムを図3(b)に、リガンド密度と結合量(RU)との関係を図3(c)に示す。これらの結果から、lac10はほとんどレクチンとラクトースは結合せず、lac20は少し結合が確認され、さらにそれ以上ではリガンド密度の増加に伴い、結合が促進するということになり、これはUVの結果とほぼ一致する。UVの実験の考察では、臨界値が20%の理由として、1)レクチンが過剰に溶液中に存在するために粒子がレクチンによりキャッピングされる、2)スペクトルの変化として表面プラズモンを検出するにはある程度以上の金ナノ粒子の凝集が必要である、3)多価結合の三つの理由を考えていたが、SPRではキャッピングは起こらないし、UVの時のように表面プラズモンのスペクトル変化を見ているわけでもないので臨界値の理由は多価結合が考えられる。具体的には、リガンド密度が大きいと多数のリガンドとレクチンが結合して、強固な結合を生じるが、小さいリガンド密度では、1対1のリガンドとレクチンの結合のように少数のリガンドしか結合に関与できないと考えられる。
D) 解離におけるリガンド密度の効果
実験方法
ラクトース密度30−65%の金ナノ粒子(lac30、lac40、lac50、lac65)40μg/mLをそれぞれ数10μLインジェクトし、約400RU金ナノ粒子を結合させた。その後、ガラクトース0.1、1μg/mLを含むバッファーをインジェクトし、各ガラクトース濃度での解離量を測定した。
結果と考察
図4(a)にガラクトース0.1μg/mLをインジェクトしたときのセンサーグラムを示す。ここではlac30、lac40は時間がたつにつれて徐々に解離していくのが確認されたが、lac65、lac50はほとんど解離が確認されなかったので、リガンド密度と解離量との関係を図4(b)に示した。ここから40%と50%の間に顕著な差が見られた。すなわち、lac30、lac40の解離量に比べて、lac50、lac65の解離量はかなり少なかった。これはUVの実験にいてもNIAの増加に40%と50%の間で大きな差があったことと関連があると考えられる。恐らく、このリガンド密度で多価結合の価数に変化があったのではないかと推測される。
【0077】
また、解離によって高感度に検出することを考えると、リガンド密度が30%以下ならば、0.1μg/mL以下まで検出できるということも示された。これに対して50%以上ならば、検出限界はそれ以上の濃度となり、解離においてはリガンド密度がある程度低い方がより高感度に検出できることになり、リガンド密度の効果を詳細に調べることによって、このような応用も考えることができる。
製造例5:非結合末端アミノ化粒子の製造
市販の金微粒子溶液(5nm)に対して5×104倍量の acetal−PEG−SHに還元剤としてNaBH4を加え、1時間反応させた後、金微粒子溶液と同じpH=6.5に調整したものを金微粒子溶液と混合し、1時間撹拌反応させた。HO−PEG−OHを1mg/ml加え、ウォーターバス75℃に保ち2時間反応させた。この安定化金コロイド溶液(金微粒子粒径:5nm、PEG4500)を遠心分離(4℃、350000×g、40分)することで余剰ポリマーを除去した後、HClを用いてpH2に調整し、アセタール基の脱保護を行った(2時間)。脱保護後、NaOHを用いてpH6に調整し、下記の表2に示すような条件で酢酸アンモニウムを加え3時間反応させた。3時間後PEGに対してそれぞれ還元剤を加え撹拌した。24時間後、遠心精製(4℃、350000×g、30分)を行い、超純水に再分散させた。末端アミノ化の確認としてζ電位の測定を行った。
【0078】
【表2】
Figure 2005180921
【0079】
測定結果を図5に示す。図から、低pHでのゼータ電位がプラスになり、アミノ化が確認された。
実施例3:金ナノ粒子をSPRチップ表面に直接固定化し、PEG末端をビオチン化する方法
オゾン洗浄した金チップ(オゾン洗浄機で15分)を用意した。これを、別に、用意したアミノ基を有するPEG化金ナノ粒子(PEG4500粒径5nm、0.76×10-10mol/mL)を含むPEG−OH(2000)1mg/mlに浸漬(一晩)した(サンプル1)。
【0080】
BiaCore3000に装着し、スルホスクシンイミジルD−ビオチン(0.1mg/ml流速20μl/分)を10分間流しPEG末端アミノ基のビオチン化を行った(サンプル2)。次いで、無水酢酸10%水溶液(流速10μl/分)を20分流し、未反応アミノ基のアセチル化を行った(サンプル3)。このようにして調製したSPRセンサーチップ表面に対してタンパク吸着試験を行った。
実施例4:SPRセンサーチップ表面にSPDPにて活性エステルを導入し、アミノ基を有するPEG化金ナノ粒子を固定化する方法
オゾン洗浄した金チップ(オゾン洗浄機で15分)を用意した。これを1mMSPDPおよび2mM DTT含有エタノール溶液に30分間浸漬した。
【0081】
さらに別に、用意したアミノ化金ナノ粒子(PEG4500粒径5nm、0.76×10-10mol/mL)を含むPEG−OH(2000)1mg/mlに浸漬(一晩)した(サンプル4)。
【0082】
BiaCore3000に装着し、スルホスクシンイミジルD−ビオチン(0.1mg/ml流速20ml/分)を10分間流しPEG末端アミノ基のビオチン化を行った(サンプル5)。次いで、無水酢酸10%水溶液(流速10μl/分)を20分流し、未反応アミノ基のアセチル化を行った(サンプル6)。このようにして調製したSPRセンサーチップ表面に対してタンパク吸着試験を行った。
【0083】
結果を図6に示す。図6中のRun1はサンプル1を用いた結果、Run2はサンプル1の代わりに acetal−PEG金ナノ粒子を用いた結果、Run3はサンプル4を用いた結果、Run4はサンプル4の代わりに acetal−PEG金ナノ粒子を用いた結果を示す。図6より、アミノ基を有するPEG化金ナノ粒子のSPRセンサーチップ表面への担持量が大きいことがわかる。
【0084】
また、各表面調製における各段階でのレスポンス変化の様子を下記の表3に示す。
【0085】
【表3】
Figure 2005180921
【0086】
金チップ表面に直接アミノ化金微粒子を浸漬させ調製した直接吸着による表面(1)において特異・非特異吸着を観察した結果を図7に示す。図7中、一番上の線はストレプトアビジン、中間の線はBSA(アミノ基残余状態)、一番下の線はBSAの吸着を、棒グラフは左から順にサンプル1にストレプトアビジンを、サンプル2にBSAを、そしてサンプル3にBSAを吸着させる試験の結果である。
【0087】
他方、金チップ表面にSPDPを利用してアミノ化金微粒子を固定化した表面(2)において特異・非特異吸着を観察した結果を図8に示す。
【0088】
図7および図8から、図8のSPDPで固定化した表面(2)においてストレプトアビジンとの特異的吸着がより多く観察されていることがわかる。これまで調製してきたビオチン化金微粒子を用いた表面ではストレプトアビジンとBSAの吸着を観察しても特異・非特異と言えるような大きな差異が観察されなかったのに対し、図8では2500(×10-40)と9(×10-40)という大きな差異を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うPEG修飾金ナノ粒子とセンサーチップ表面との関係を示す概念図である。a)は金属面上にPEG修飾金ナノ粒子が固定された高感度システムの略図であり、(i)は非特異的吸着を抑制するPEG鎖を表し、(ii)リガンド分子を表し、そして(iii)はSPR応答を強化する金粒子を表す。b)は、競合アッセイ系を構成する略図である。
【図2】lac65とレクチンの特異的結合を確認するために行った実験結果のセンサーグラムである。
【図3】PEG修飾金ナノ粒子表面上のラクトース密度とレクチン固定化表面とのレスポンスの関係を示すグラフである。
【図4】ラクトース−レクチンを介して結合したPEG修飾金ナノ粒子とセンサーチップとのガラクトースの競合による解離状態を示すセンサーグラムである。
【図5】非結合末端にアミノ基を有するPEG修飾金ナノ粒子のゼータ電位の測定結果を示すグラフ(●印の曲線)と非結合末端アセタール化ホルミル基を有する金ナノ粒子の同様な測定結果を示すグラフ(■印の曲線)である。
【図6】非結合末端にビオチン残基を有するPEG修飾金ナノ粒子へのタンパク質の担持量を測定した結果を示すグラフである。
【図7】金チップ表面に非結合末端にアミノ基を有するPEG修飾金ナノ粒子を直接吸着させた表面における各種タンパク質の吸着性を示すグラフである。
【図8】図7で用いた金ナノ粒子をSPDPを利用して金チップ表面に結合させた表面のタンパク質の吸着性を示すグラフである。

Claims (15)

  1. (A) 構造式I:
    Figure 2005180921
    式中、PCLは自由電子金属微粒子、金属酸化物微粒子または半導体微粒子を表し、
    Xはバイオセンサーチップ表面に結合することのできる官能基もしくは機能性部分を表し、
    YはC1−C6アルキル基、Xの官能基もしくは機能性部分を形成するのに使用できる保護されていてもよい官能基およびXと同一もしくは異なる機能性部分からなる群より選ばれる1種以上の基もしくは部分を表し、LはPCLに結合する基もしくは結合部分を表し、
    1およびW2は、単結合または同一もしくは異なる連結基を表し、
    PEGは、エチレンオキシド単位:(−CH2CH2O−)n(ここで、nは5−10,000のいずれかの整数である。)を表し、
    ここで、(X−W2−PEG−W1−L)x と (L−W1−PEG−W2−Y)yにおけるW2−PEG−W1−Lは同一もしくは異なることができ、そして
    xおよびyは、独立して1以上の整数であり、かつ、一緒になってPEG鎖が水性媒体中でPCLの表面を被覆するのに十分な整数を表す
    のポリエチレングリコール修飾ナノ粒子と、(B) (A)の粒子がXを介して結合することができ、かつガラスまたはPCLの材料に担当する材料からなる表面を有するバイオセンサーチップとのセットを含んでなるバイオアッセイに用いるためのバイオセンサー系。
  2. (A)の粒子と(B)のバイオセンサーチップ表面がXを介して結合することにより、(A)の粒子が(B)のバイオセンサーチップの一つの表面の一部領域もしくは全領域を実質的に被覆するように担持された請求項1記載のバイオセンサー系。
  3. (A)の粒子と(B)のバイオセンサーチップ表面が、相互に結合されうるか、または水性媒体中で被検体の競合作用により被検体により置換されるように結合した状態で使用されるものである請求項1記載のバイオセンサー系。
  4. 構造式Iにおける−L−が
    Figure 2005180921
    (ここで、pは独立して2−12のいずれかの整数を表し、R1、R2およびR3は独立してC1−C6アルキル基を表し、そしてmは2−100のいずれかの整数を表す)の基を表し、
    1およびW2が独立して、単結合、C1−C6アルキレン、−COO−(酸素原子を介してエチレンオキシド単位のメチレン基に結合する)、−O−、−S−、−(C1−C6アルキレン)−COO−、−(C1−C6アルキレン)−O−および−(C1−C6アルキレン)−S−からなる群より選ばれる基を表す、請求項1記載のバイオセンサー系。
  5. (A)の粒子における構造式IのXが生物学的な特異的結合対を形成する一員の残基であり、(B)のセンサーチップが構造式IのPCLを形成する材料に対応する材料製の薄膜表面を有しており、そして該表面にXの生物学的な特異的結合対を形成する一員に対する他の一員が直接または少なくともC1−C6アルキレン基もしくは(−CH2CH2O−)n(ここで、nは5−10,000のいずれかの整数である)を介して担持されている、請求項1記載のバイオセンサー系。
  6. (A)の粒子における構造式IのXが
    Figure 2005180921
    (ここで、pは独立して2−12のいずれかの整数を表し、R1、R2およびR3は独立してC1−C6アルキルを表す)の基を表し、(B)のセンサーチップが構造式IのPCLを形成する材料のいずれかから製造された薄膜表面か、またはガラス表面を有しており、そして、(A)の粒子と(B)の表面がXの官能基を介して結合しており、但し、(B)の表面がガラス製である場合にはXがトリアルコキシシリルを有する、請求項1記載のバイオセンサー系。
  7. (A)の粒子の構造式IにおけるYが式
    Figure 2005180921
    (ここで、Raは独立して、水素原子またはC1−C6アルキルを表し、Rbは独立してC1−C6アルキルオキシまたは2つのRbが一緒になってオキシもしくはC1−C6アルキルで置換されていてもよいエチレン基を形成する原子団を表す)の基である請求項5記載のバイオセンサー系。
  8. (A)の粒子の構造式(I)におけるx+yが1nm2当たり0.1−0.5に相当するいずれかの整数である請求項1記載バイオセンサー系。
  9. (A)の粒子中のPCLが5〜500nmの平均横断面の長さを有する請求項1記載のバイオセンサー系。
  10. 構造式I:
    Figure 2005180921
    式中、PCLは自由電子金属微粒子、金属酸化物微粒子または半導体微粒子を表し、
    Xはバイオセンサーチップ表面に結合することのできる官能基もしくは機能性部分を表し、
    YはC1−C6アルキル基、Xの官能基もしくは機能性部分を形成するのに使用できる保護されていてもよい官能基およびXと同一もしくは異なる機能性部分からなる群より選ばれる1種以上の基もしくは部分を表し、LはPCLに結合する基もしくは結合部分を表し、
    1およびW2は、単結合または同一もしくは異なる連結基を表し、
    PEGは、エチレンオキシド単位:(−CH2CH2O−)n(ここで、nは5−10,000のいずれかの整数である。)を表し、
    ここで、(X−W2−PEG−W1−L)x と (L−W1−PEG−W2−Y)におけるW2−PEG−W1−Lは同一もしくは異なることができ、Xが生物学的な特異的結合対を形成する一員の残基であり、Yが生物学的な特異的結合対を形成する残基以外の基であり、
    Lは、式
    Figure 2005180921
    (ここで、pは2−12のいずれかの整数を表し、R1、R2およびR3は独立してC1−C6アルキル基を表し、そしてmは2−100のいずれかの整数を表す)の基を表し、
    そしてx+yはPCLの表面1nm2当たり0.1−0.5に相当するいずれかの数であり、(x/x+y)×100が1−99の整数であり、そしてPCLの横断面の平均寸法が5−500nmであるポリエチレングリコール修飾ナノ粒子。
  11. Xの生物学的な特異的結合対を形成する一員が単糖もしくはオリゴ糖、抗原もしくはハプテン、基質、ホルモンおよびオリゴヌクレオチドからなる群より選ばれる物質由来の残基である請求項10記載のポリエチレングリコール化ナノ粒子。
  12. (a) 請求項10記載のポリエチレングリコール修飾ナノ粒子を用意し、
    (b) 該ナノ粒子のPCLの材料に対応する薄膜表面を有し、該ナノ粒子のXの生物学的な特異的結合対の一員に対する他の一員が直接または少なくともC1−C6アルキレン基もしくは(−CH2CH2O−)n(ここで、nは5−10,000のいずれかの整数である)を介して担持され表面を有するバイオセンサーチップを用意し、
    (c) (a)の粒子および(b)のバイオセンサーチップを該生物学的な特異的結合を形成しうる構成員のいずれかの一員を被検体として含むことが疑われる生物学的流体と接触させ、
    (d) 被検体の競合作用による(a)の粒子と(b)のバイオセンサーチップ表面との結合の程度の変化を決定し、
    (e) 該変化を生物学的流体中の被検体濃度の指標とする、
    ことを含んでなる生物学的流体中の被検体の検出方法。
  13. 段階(d)の(a)の粒子と(b)のバイオセンサーチップとの結合の程度の変化が、表面プラズモン共鳴スペクトルの変化により検出される請求項12記載の検出方法。
  14. 生物学的な特異的結合対を形成しうる構成員が糖とそれに対するレクチン、抗原もしくはハプテンとそれに対する抗体、基質とそれに対する酵素、ホルモンとそれに対する受容体タンパク質、オリゴヌクレオチドとそれの相補鎖配列を含むオリゴヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドからなる群より選ばれる請求項12記載の検出方法。
  15. (a)の粒子と(b)のバイオセンサーチップ表面とが生物学的な特異的結合対を形成して予め結合されている請求項12記載の検出方法。
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