JP2009228682A - 転がり軸受用分割型保持器および分割型保持器付き転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 新たな設計が不要で、負荷能力の低下を招くことなく、既存の円環状の保持器から容易に加工できる分割型保持器を提供する。
【解決手段】 この転がり軸受用分割型保持器は、半円状に2分割されそれぞれ円周方向の複数箇所に転動体収容用のポケット2を有する一対の保持器分割体1,1を、それらの割り口部1aが相互に向き合うように円環状に組み合わせてなる。各保持器分割体1の割り口部1aは、保持器分割体1におけるポケット形成部を2分割して得られる片側部分の形状とされ、相互に向き合う前記両保持器分割体1の割り口部1aでポケット2の1つが構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】 この転がり軸受用分割型保持器は、半円状に2分割されそれぞれ円周方向の複数箇所に転動体収容用のポケット2を有する一対の保持器分割体1,1を、それらの割り口部1aが相互に向き合うように円環状に組み合わせてなる。各保持器分割体1の割り口部1aは、保持器分割体1におけるポケット形成部を2分割して得られる片側部分の形状とされ、相互に向き合う前記両保持器分割体1の割り口部1aでポケット2の1つが構成される。
【選択図】 図1
Description
この発明は、半円状に分割した2つの保持器分割体を1つの円環状に組み合わせてなる転がり軸受用分割型保持器、および分割型保持器付き転がり軸受に関する。
例えば、クランク軸や長軸、あるいはスクリュー軸の支持に用いられる軸受を設置する場合に、軸方向から軸受を差し込むことができない条件下や、組付けが困難な箇所では、分割型軸受が使用されることが多い。この場合の分割型軸受は、内輪、外輪、保持器といった環状の軸受部品をすべて2分割構造とし、組付けた後に、分割した軸受部品をそれぞれ相互に連結して環状に一体化するものである。
分割型軸受の一部品である分割型保持器として、周方向に分割され複数の転動体収容用ポケットを有する例えば2つの保持器分割体を、それらの割り口部で相互に突き合わせ、その突き合わせ部とその上に重ねた連結板とをねじで連結して、1つの円環状の保持器を構成するようにしたものが提案されている(特許文献1)。
保持器分割体の割り口部を連結する構造の他の分割型保持器として、円周方向に延びる2条の帯部と、これら両帯部間に架け渡される複数の柱部とでポケットを形成し、その保持器器分割体の各割り口部を、前記柱部の幅の中央で分割した柱部半部としたものも提案されている(特許文献2)。この分割型保持器では、例えば一方の保持器分割体の割り口部の近傍のポケットから前記割り口部(柱部半部)を周方向に貫通する貫通孔を設け、この貫通孔に挿通したボルトを他方の保持器分割体の割り口部(柱部半部)に設けたねじ孔に螺合することにより、両割り口部を連結している。
実開平6−73443号公報
特開2000−32557号公報
特許文献1に開示の分割型保持器では、保持器分割体を相互に連結する連結代を確保するために、転動体の個数を減らす必要が生じるなど、負荷能力の低下を招く場合がある。この場合には、ポケットを不等配または不当ピッチにする必要がある。
特許文献2に開示の分割型保持器は、柱部半部からなる割り口部同士を連結するので、連結部は1つ分の柱部を構成することになり、転動体の数を減らす必要がない。しかし、連結部では1つの柱部が分割されているため、柱部の強度低下が懸念される。このため、既存の円環状の保持器を2分割して、上記構成の分割型保持器を形成するのは強度上から難しく、新たな設計が必要で、加工にも特殊な治具などを必要とする場合がある。
また、使用時には、回転に伴う遠心力や転動体の進み遅れ等により、円周方向の引張力が発生するが、その引張力はねじやピンなどの連結部品にせん断力として直接作用するため、振れ回りが生じるような場合には、連結部品の強度確保が必要となる。
さらに、柱部が中央で分割されていると、柱部強度が低下して、2つの保持器分割体同士が接触するので、衝突音が発生するという問題もある。
また、使用時には、回転に伴う遠心力や転動体の進み遅れ等により、円周方向の引張力が発生するが、その引張力はねじやピンなどの連結部品にせん断力として直接作用するため、振れ回りが生じるような場合には、連結部品の強度確保が必要となる。
さらに、柱部が中央で分割されていると、柱部強度が低下して、2つの保持器分割体同士が接触するので、衝突音が発生するという問題もある。
この発明の目的は、新たな設計が不要で、負荷能力の低下を招くことなく、既存の円環状の保持器から容易に加工できる分割型保持器、および分割型保持器付き転がり軸受を提供することである。
この発明の分割型保持器は、半円状に2分割されそれぞれ円周方向の複数箇所に転動体収容用のポケットを有する一対の保持器分割体を、それらの割り口部が相互に向き合うように円環状に組み合わせてなる転がり軸受用分割型保持器であって、前記各保持器分割体の割り口部は、保持器分割体におけるポケット形成部を2分割して得られる片側部分の形状とされ、相互に向き合う前記両保持器分割体の割り口部でポケットの1つを構成するようにしたものである。
この構成によると、既存の円環状の保持器をポケット形成部で分割することで前記一対の保持器分割体を形成しても、負荷能力を低下させることなく両保持器分割体を連結しない構造の分割型保持器とすることができる。これにより、新たな設計が不要で、負荷能力の低下を招くことなく、既存の円環状の保持器から容易に加工できる。
この構成によると、既存の円環状の保持器をポケット形成部で分割することで前記一対の保持器分割体を形成しても、負荷能力を低下させることなく両保持器分割体を連結しない構造の分割型保持器とすることができる。これにより、新たな設計が不要で、負荷能力の低下を招くことなく、既存の円環状の保持器から容易に加工できる。
この発明において、前記保持器分割体のポケットにおける外径側開口の円周方向寸法、および内径側開口の円周方向寸法を、ポケットに収容される転動体の直径よりも小さくしても良い。この構成の場合、転動体拘束型の保持器となるため、クランク軸(偏心軸)や長軸、あるいはスクリュー軸などを支持する軸受の保持器として用いた場合、設置時に軸方向から差し込むことができない条件下や困難な箇所への組付けが容易になる。
この発明において、前記保持器分割体のポケットにおける外径側開口の円周方向寸法は、保持器分割体の外径側からポケットへ転動体を挿入可能な寸法としても良い。この構成の場合、保持器を組付けた後に転動体をポケットに容易に挿入でき、組付け時の作業性および組込性が向上する。
この発明において、前記一対の保持器分割体を円環状に組み合わせた状態で、相互に向き合う前記両保持器分割体の割り口部間の円周方向隙間寸法を、前記ポケットとこのポケットに収容される転動体との間の円周方向隙間(いわゆるポケット隙間)よりも大きくしても良い。この構成の場合、一対の保持器分割体の割り口部同士が干渉することがなく、干渉による摩耗や衝突音を防止できる。
この発明において、前記ポケットは、円環状に組み合わせた前記両保持器分割体にわたって円周方向に等間隔に並ぶ奇数個からなり、ポケット数の多い方の保持器分割体の割り口部の内径面に、先端に向けて外径側に偏って傾斜する内輪干渉防止用テーパ面を設けても良い。
等間隔に並ぶポケットが奇数個である場合、一対の保持器分割体を略半円状に2分割しても、一方の保持器分割体はポケット数が多く半円を超える円周長さとなる。このため、そのままでは、ポケット数の多い保持器分割体を組付けるとき、その一端の割り口部先端の内径側が内輪に接触して、内輪や保持器分割体を傷付けるおそれがある。この保持器分割体の一端の割り口部の内径面に、先端に向けて外径側に偏って傾斜する内輪干渉防止用テーパ面を設けると、干渉により内輪や保持器分割体が傷付くことを防止できる。
等間隔に並ぶポケットが奇数個である場合、一対の保持器分割体を略半円状に2分割しても、一方の保持器分割体はポケット数が多く半円を超える円周長さとなる。このため、そのままでは、ポケット数の多い保持器分割体を組付けるとき、その一端の割り口部先端の内径側が内輪に接触して、内輪や保持器分割体を傷付けるおそれがある。この保持器分割体の一端の割り口部の内径面に、先端に向けて外径側に偏って傾斜する内輪干渉防止用テーパ面を設けると、干渉により内輪や保持器分割体が傷付くことを防止できる。
この発明において、前記ポケットは、前記保持器分割体の両側部において円周方向に延びる2条の帯部と、これら両帯部間に架け渡される柱部とで囲まれてなるころ収容用ポケットであり、前記割り口部における前記帯部の内側面に、先端に向けて外側面側に偏って傾斜するころ端面逃がし用テーパ面を設けても良い。
相互に向き合う一対の保持器分割体の割り口部で構成されるポケットでは、その端面と挿入されるころの端面との間でカジリが生じる場合がある。保持器分割体の割り口部における前記帯部の内面側に、先端に向けて外側面側に偏って傾斜するころ端面逃がし用テーパ面を設けることにより、前記カジリの発生を防止できる。
相互に向き合う一対の保持器分割体の割り口部で構成されるポケットでは、その端面と挿入されるころの端面との間でカジリが生じる場合がある。保持器分割体の割り口部における前記帯部の内面側に、先端に向けて外側面側に偏って傾斜するころ端面逃がし用テーパ面を設けることにより、前記カジリの発生を防止できる。
この発明の分割型保持器付き転がり軸受は、この発明の上記いずれかの構成の転がり軸受用分割型保持器の各ポケットに転動体を保持させたものである。上記転動体は、保持器分割体の割り口部で構成されるポケットに保持されたものを含む。
この構成の分割型保持器付き転がり軸受によると、この発明の転がり軸受用分割型保持器につき前述したと同様に、既存の円環状の保持器をポケット形成部で分割することで前記一対の保持器分割体を形成しても、負荷能力を低下させることなく両保持器分割体を連結しない構造の分割型保持器とすることができる。これにより、新たな設計が不要で、負荷能力の低下を招くことなく、既存の円環状の保持器から容易に加工できる。
この構成の分割型保持器付き転がり軸受によると、この発明の転がり軸受用分割型保持器につき前述したと同様に、既存の円環状の保持器をポケット形成部で分割することで前記一対の保持器分割体を形成しても、負荷能力を低下させることなく両保持器分割体を連結しない構造の分割型保持器とすることができる。これにより、新たな設計が不要で、負荷能力の低下を招くことなく、既存の円環状の保持器から容易に加工できる。
この発明の転がり軸受用分割型保持器は、半円状に2分割されそれぞれ円周方向の複数箇所に転動体収容用のポケットを有する一対の保持器分割体を、それらの割り口部が相互に向き合うように円環状に組み合わせてなる転がり軸受用分割型保持器であって、前記各保持器分割体の割り口部は、保持器分割体におけるポケット形成部を2分割して得られる片側部分の形状とされ、相互に向き合う前記両保持器分割体の割り口部でポケットの1つを構成するようにしたため、新たな設計が不要で、負荷能力の低下を招くことなく、既存の円環状の保持器から容易に加工できる。
この発明の分割型保持器付き転がり軸受は、この発明の転がり軸受用分割型保持器の各ポケットに転動体を保持させたものであるため、新たな設計が不要で、保持器につき、負荷能力の低下を招くことなく、既存の円環状の保持器から容易に加工することができる。
この発明の一実施形態を図1ないし図7と共に説明する。図1(A),(B)は、この実施形態の転がり軸受用分割型保持器の組み合わせ状態および分解状態の斜視図をそれぞれ示す。この分割型保持器は円筒ころ軸受用の保持器であって、図1(B)のように半円状に2分割された一対の保持器分割体1,1を、図1(A)のように、それらの割り口部1aが相互に向き合うように円環状に組み合わせて構成される。組込み時および使用時共に、両保持器分割体1は連結しない。各保持器分割体1は、それぞれ円周方向の複数箇所に転動体収容用のポケット2を有する。ここでは、ポケット2に収容される転動体が円筒ころ3(図6)である。この一対の保持器分割体1,1からなる保持器と、この保持器の各ポケット2に保持された複数のころ3とで、分割型の保持器付きころである分割型保持器付き転がり軸受10が構成される。ポケット2は、保持器分割体1の両側部において円周方向に延びる2条の帯部4と、これら両帯部4間に架け渡される柱部5とで囲まれて形成される。
各保持器分割体1の割り口部1aは、保持器分割体1におけるポケット形成部を軸方向に沿う分割面で2分割して得られる片側部分の形状とされ、これら両保持器分割体1の相互に向き合う割り口部1aでポケット2の1つを構成するようにされている。この分割型保持器におけるポケット2は、相互に向き合う前記両割り口部1aで構成されるポケット2を含めて、円環状に組み合わせた両保持器分割体1にわたって円周方向に等間隔に並ぶ偶数個からなる。そこで、この場合の両保持器分割体1は、割り口部1aを除くポケット2の数が共に同数となる丁度半円状に2分割されている。
この分割型保持器の製作においては、各保持器分割体1を個別に形成する場合のほか、図2(A)に斜視図で示すように既存の円環状保持器(ポケット数が偶数)11を、図2(B)に断面図で示すように180度の位相差で対向する2つのポケット2の各中央位置L近傍で軸方向に分割することで、一対の保持器分割体1,1を得るようにしても良い。この場合の分割位置は、ポケット形成部であれば任意の位置でよいが、加工の容易さを考えるとポケット2の中央位置L近傍で分割するのが好ましい。また、ポケット2の中央位置L近傍で分割すると、保持器分割体1の割り口部1aに、円筒ころ3の端面と接触するポケット端面(帯部4)を確保できるので、円筒ころ3のスキュー等を抑制する効果も得られる。
このように、この分割型保持器では、既存の円環状保持器11を2分割するだけで一対の保持器分割体1,1を得ることができるので、新たな設計を行うことなく容易に製作できる。
このように、この分割型保持器では、既存の円環状保持器11を2分割するだけで一対の保持器分割体1,1を得ることができるので、新たな設計を行うことなく容易に製作できる。
この分割型保持器はころ挿入タイプであり、図3に拡大断面図で示すように、ポケット2における外径側開口の円周方向寸法A、および内径側開口の円周方向寸法Bを、ポケット2に収容される転動体である円筒ころ3の直径Cよりも小さく(A<C,B<C)して、ポケット2からの円筒ころ3の抜け止めが図られている。すなわち、この分割型保持器はころ拘束型の保持器とされている。これにより、この分割型保持器を、クランク軸(偏心軸)や長軸、あるいはスクリュー軸などを支持する軸受の保持器として用いた場合、設置時に軸方向から差し込むことができない条件下や困難な箇所への組付けが容易になる。 また、ポケット2における外径側開口の円周方向寸法Aは、保持器分割体1の外径側からポケット2へ円筒ころ3を挿入可能な寸法とされている。これにより、保持器を組付けた後に転動体である円筒ころ3をポケット2に容易に挿入でき、組付け時の作業性および組込性が向上する。
また、この場合、分割型保持器は転動体案内となることから、この保持器を組み込んだ軸受を回転させたとき、遠心力により保持器が径方向外側へ寄せられ、ポケット内径拘束となる。保持器外径案内とすることも可能であるが、この場合には、保持器外径面が外輪案内面に摺動するため、分割型保持器の分割部による外輪案内面での油膜切れなどが懸念される。転動体案内としたこの分割型保持器では、前記油膜切れなどを回避できる。
また、この分割型保持器では、図4に拡大断面図で示すように、一対の保持器分割体1,1を円環状に組み合わせた状態で、相互に向き合う両保持器分割体1の割り口部1a間の円周方向隙間寸法(分割幅)Δdを、ポケット2とこのポケット2に収容される円筒ころ3との間の円周方向隙間(ポケット隙間)δよりも大きく(Δd>δ)している。これにより、両保持器分割体1同士が最も接近した時でも、保持器分割体1同士の干渉を防ぐことができる。保持器分割体1同士が干渉すると、分割型保持器の分割部で摩耗などが発生し、摩耗粉が転動面などに入り込み噛み込んでしまう。また、保持器分割体1同士の接触・衝突により異音等が発生する。この分割型保持器では前記干渉を防ぐことにより、前記噛み込みや異音の発生を回避できる。
図2のように既存の円環状保持器11を2つに分割して、一対の保持器分割体1を製作する場合には、円環状保持器11を切断するための工具の幅が、分割型保持器の分割部の幅となるので、この場合の切断工具として、前記ポケット隙間δ以上の幅の工具を選定すれば、両保持器分割体1の割り口部1a間の円周方向隙間寸法(分割幅)Δdを、ポケット隙間δより大きくすることができる。
図2のように既存の円環状保持器11を2つに分割して、一対の保持器分割体1を製作する場合には、円環状保持器11を切断するための工具の幅が、分割型保持器の分割部の幅となるので、この場合の切断工具として、前記ポケット隙間δ以上の幅の工具を選定すれば、両保持器分割体1の割り口部1a間の円周方向隙間寸法(分割幅)Δdを、ポケット隙間δより大きくすることができる。
図5は、この分割型保持器を、軸20に嵌合した内輪12に組み込んだ状態を示し、図6は、その組込み途中の状態を示す。この場合の分割型保持器の組込手順では、先ず組込み前の各保持器分割体1のポケット2に、予め円筒ころ3を組み付けておく。次に、図7のように、円筒ころ3を組み付けた一方の保持器分割体1を内輪12に組み込み、その両端の割り口部1aのポケット分割形状部位にそれぞれ円筒ころ3を組む。この後、円筒ころ3を組み付けたもう一方の保持器分割体1を内輪12に組み込む。
このように、この分割型保持器によると、半円状に2分割されそれぞれ円周方向の複数箇所に転動体収容用のポケット2を有する一対の保持器分割体1,1を、それらの割り口部1aが相互に向き合うように円環状に組み合わせ、相互に向き合う前記両保持器分割体1の割り口部1aでポケット2の1つを構成するようにしているので、既存の円環状の保持器をポケット形成部で分割することで前記一対の保持器分割体1,1を形成して、負荷能力を低下させることなく両保持器分割体を連結しない構造の分割型保持器とすることができる。これにより、新たな設計が不要で、負荷能力の低下を招くことなく、既存の円環状の保持器から容易に加工できる。
図8ないし図15は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態では、先の実施形態における分割型保持器において、ポケット2が、相互に向き合う前記両割り口部1aで構成されるポケット2を含めて、円環状に組み合わせた一対の保持器分割体1A,1Bにわたって円周方向に等間隔に並ぶ奇数個からなる場合を示している。そこで、この場合は、図8に組付け状態の正面図を示すように、一対の保持器分割体1A,1Bを略半円状に2分割しても、一方の保持器分割体1Bはポケット数が多く半円を超える円周長さとなる。このため、そのままでは、ポケット数の多い保持器分割体1Bを図9,図10のように組付けるとき、その一端の割り口部1a先端の内径側が、図14(A)に部分拡大断面図で示すように内輪12の外径面に接触して、内輪12や保持器分割体1Bを傷付けるおそれがある。
そこで、この実施形態では、図11や図12に示すように、ポケット数が多く半円を超える円周長さとなる一方の保持器分割体1Bの一端の割り口部1aの内径面に、先端に向けて外径側に偏って傾斜する内輪干渉防止用テーパ面6を設けている。なお、図12(B)は、前記保持器分割状態1Bの斜視図を示す図12(A)におけるB部の拡大図を示す。
このように、保持器分割体1Bの一端の割り口部1aの内径面に内輪干渉防止用テーパ面6を設けると、図13のように保持器分割体1Bを組付けるとき、割り口部1aのテーパ面6が内輪12の外径面の通過軌跡Kの外側に外れて、図14(B)に部分拡大断面図で示すように割り口部1aの内径面が内輪12の外径面に接触せず、干渉により内輪12や保持器分割体1Bが傷付くのを防止できる。
このように、保持器分割体1Bの一端の割り口部1aの内径面に内輪干渉防止用テーパ面6を設けると、図13のように保持器分割体1Bを組付けるとき、割り口部1aのテーパ面6が内輪12の外径面の通過軌跡Kの外側に外れて、図14(B)に部分拡大断面図で示すように割り口部1aの内径面が内輪12の外径面に接触せず、干渉により内輪12や保持器分割体1Bが傷付くのを防止できる。
また、この実施形態では、図15に拡大図で示すように、保持器分割体1A,1Bの
割り口部1aにおける帯部4の内側面に、先端に向けて外側面側に偏って傾斜するころ端面逃がし用テーパ面7を設けている。同図において、角度θは前記テーパ面7の傾斜角度を、寸法eは前記テーパ面7の前記帯部4の先端までの距離をそれぞれ示す。
相互に向き合う一対の保持器分割体1A,1Bの割り口部1a,1aで構成されるポケット2では、その端面と挿入される円筒ころ3の端面との間でカジリが生じる場合がある。図15のように割り口部1aにおける前記帯部4の内面側に、先端に向けて外側面側に偏って傾斜するころ端面逃がし用テーパ面7を設けたこの実施形態の場合、前記カジリの発生を防止できる。このテーパ面7は、先の実施形態の場合にも同様に適用できる。
割り口部1aにおける帯部4の内側面に、先端に向けて外側面側に偏って傾斜するころ端面逃がし用テーパ面7を設けている。同図において、角度θは前記テーパ面7の傾斜角度を、寸法eは前記テーパ面7の前記帯部4の先端までの距離をそれぞれ示す。
相互に向き合う一対の保持器分割体1A,1Bの割り口部1a,1aで構成されるポケット2では、その端面と挿入される円筒ころ3の端面との間でカジリが生じる場合がある。図15のように割り口部1aにおける前記帯部4の内面側に、先端に向けて外側面側に偏って傾斜するころ端面逃がし用テーパ面7を設けたこの実施形態の場合、前記カジリの発生を防止できる。このテーパ面7は、先の実施形態の場合にも同様に適用できる。
1,1A,1B…保持器分割体
1a…割り口部
2…ポケット
3…円筒ころ(転動体)
4…帯部
5…柱部
6…内輪干渉防止用テーパ面
7…ころ端面逃がし用テーパ面
10…分割型保持器付き転がり軸受
1a…割り口部
2…ポケット
3…円筒ころ(転動体)
4…帯部
5…柱部
6…内輪干渉防止用テーパ面
7…ころ端面逃がし用テーパ面
10…分割型保持器付き転がり軸受
Claims (7)
- 半円状に2分割されそれぞれ円周方向の複数箇所に転動体収容用のポケットを有する一対の保持器分割体を、それらの割り口部が相互に向き合うように円環状に組み合わせてなる転がり軸受用分割型保持器であって、
前記各保持器分割体の両端の割り口部は、保持器分割体におけるポケット形成部を2分割して得られる片側部分の形状とされ、相互に向き合う前記両保持器分割体の割り口部でポケットの1つを構成するようにしたことを特徴とする転がり軸受用分割型保持器。 - 請求項1において、前記保持器分割体のポケットにおける外径側開口の円周方向寸法、および内径側開口の円周方向寸法を、ポケットに収容される転動体の直径よりも小さくした転がり軸受用分割型保持器。
- 請求項2において、前記保持器分割体のポケットにおける外径側開口の円周方向寸法は、保持器分割体の外径側からポケットへ転動体を挿入可能な寸法とした転がり軸受用分割型保持器。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記一対の保持器分割体を円環状に組み合わせた状態で、相互に向き合う前記両保持器分割体の割り口部間の円周方向隙間寸法を、前記ポケットとこのポケットに収容される転動体との間の円周方向隙間よりも大きくした転がり軸受用分割型保持器。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記ポケットは、円環状に組み合わせた前記両保持器分割体にわたって円周方向に等間隔に並ぶ奇数個からなり、ポケット数の多い方の保持器分割体の割り口部の内径面に、先端に向けて外径側に偏って傾斜する内輪干渉防止用テーパ面を設けた転がり軸受用分割型保持器。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記ポケットは、前記保持器分割体の両側部において円周方向に延びる2条の帯部と、これら両帯部間に架け渡される柱部とで囲まれてなるころ収容用ポケットであり、前記割り口部における前記帯部の内側面に、先端に向けて外側面側に偏って傾斜するころ端面逃がし用テーパ面を設けた転がり軸受用分割型保持器。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の転がり軸受用分割型保持器の各ポケットに転動体を保持させた分割型保持器付き転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008070972A JP2009228682A (ja) | 2008-03-19 | 2008-03-19 | 転がり軸受用分割型保持器および分割型保持器付き転がり軸受 |
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