JP2009228100A - アルミニウム基軸受合金 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なる耐疲労性を維持しながら非焼付性を向上させることができるアルミニウム基軸受合金を得る。
【解決手段】本発明は、Sn粒子2をある範囲で細かくすると、潤滑油に対する濡れ性が高まることに着目してなされたもので、Snを2〜20質量%含むアルミニウム基軸受合金において、摺動表面におけるSn粒子2の大きさは、領域分割法により測定したSn粒子2の領域分割面積が20μm以上50μm以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、摺動部材に好適なアルミニウム基軸受合金に関する。
自動車用エンジンの軸受としては、耐疲労性に優れたアルミニウム基軸受合金を内張りしたすべり軸受が良く用いられている。アルミニウム基軸受合金としては、Al‐Sn系軸受合金、Al‐Sn‐Si系軸受合金が広く使用されている。このように、アルミニウム基軸受合金は、軟質な低融点金属であるSnを含んでいる。Snは、軸受合金中に粒子となって点在し、摺動面が高温になると、溶融して相手軸とAlとの凝着を防止したり、溶融時の融解熱によって摺動面の温度を下げることで焼付きを防止したりするという役割を果たす。
このようなアルミニウム基軸受合金を内張りしたすべり軸受(以下、単に軸受)は、鋳造工程、圧延工程、圧接工程、熱処理工程、機械加工工程を順に経て製造される(例えば、特許文献1 段落0004参照)。即ち、鋳造工程では、アルミニウム基軸受合金を溶融して板状に鋳造する。鋳造された板状のアルミニウム基軸受合金は、圧延工程で圧延し、圧接工程で鋼板(裏金層)に薄いAl板またはAl合金板(接着層)を介して圧接して軸受形成用板材にする。その後、アルミニウム基軸受合金と鋼板との接着強度を高めるために軸受形成用板材を焼鈍し、最後に、軸受形成用板材を機械加工して半円筒状または円筒状の軸受に形成する。
ところで、最近の自動車用エンジンでは、軽量小型化、高出力化の傾向が益々強くなってきており、軸受には、高面圧での使用に対しても、優れた耐疲労性を発揮することが求められている。この耐疲労性向上の要求に対処するために、アルミニウム基軸受合金では、Cu、Mn、Vなどを添加してマトリックス強度を高めたり(例えば、特許文献2)、Cr、Zrを添加し溶体化処理をすることによってマトリックスの強度を高めたり(例えば、特許文献3)、Sn量を減らしたりする方法が採用されていた。なお、Sn量を減らして耐疲労性を高めることは通常の技術であるため、適当な公知文献を見付けることはできなかった。
特開2002−120047号公報 特開平6−136475号公報 特開2000−17363号公報
軸受をハウジングに組み付ける際のミスアライメントや、エンジンの軽量小型化に伴うハウジングの剛性不足などにより、軸受が変形を生ずると、特に初期運転時において、相手軸が軸受に対して局部的に強く接するという局部当り現象を生じ易くなる。この場合、従来のアルミニウム基軸受合金は、硬度が比較的低いため、局部当りが生じても、弾性的に変形して油膜切れを起こし難くなる。従って、局部当りを生じても、軽度な金属接触にて済み、しかも相手軸に早期になじむようになる。
ところが、上述のような方法によって耐疲労性を向上させたアルミニウム基軸受合金では、強度と共に硬度も高くなっているため、局部当りに対して変形し難く、油膜切れを起こし易くなり、金属接触が発生し易くなる。そして、金属接触を生ずると、局部当りした部分が高温となり、相手軸への凝着が起きて焼付きを生ずる。特に、Sn量を減少させた軸受では、凝着が起き易くなる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、良好なる耐疲労性を維持しながら非焼付性を向上させることができるアルミニウム基軸受合金を提供することにある。
軸受合金の表面である摺動面に対し相手軸が局部当りを生じた場合、油膜切れを起こさなければ焼付きは生じないし、摺動面が潤滑油に対する濡れ性に優れていれば、油膜切れは起きない。そこで、発明者は、濡れ性の良いアルミニウム基軸受合金を得るために鋭意実験を重ね、アルミニウム基軸受合金において、マトリックス中に存在するSn粒子をある範囲で細かくしてマトリックスとSn粒子との境界面積を増やすと、摺動面の濡れ性が高くなることを見出した。
つまり、濡れ性は、表面エネルギーの大小によって左右され、摺動面の表面エネルギーを高くすれば、潤滑油との濡れ性が高くなる。アルミニウム基軸受合金では、Sn粒子とマトリックスとの境界が存在し、界面エネルギーが発生している。そして、Sn粒子を小さくすると、Sn粒子とマトリックスとの境界面積が増加するので、界面エネルギーを大きくすることができ、この界面エネルギーの増大によって摺動面の表面エネルギーが増大して潤滑油との濡れ性が高くなるのである。また、本発明者は、同時に、Sn粒子を細かくし過ぎると、アルミニウム基軸受合金の硬度が増し、なじみ性を損なうことを見出した。
本発明は、以上のような実験結果に基づき、Snを2質量%以上20質量%以下含むアルミニウム基軸受合金において、摺動表面におけるSn粒子の大きさを、領域分割法により測定したSn粒子の領域分割面積の平均が20μm以上50μm以下としたものである(請求項1)。
ここで、領域分割法とは、図1で示すように、マトリックス1中に存在するSn粒子2のうち、互いに隣り合うSn粒子2の間に線(本発明においては、観察視野内のSn粒子をボロノイ多角形に変換し、そのときの互いの境界となる線)を引くことで、1個のSn粒子2が占有する領域(線引きした線で囲まれた領域)を確定し、その領域面積を統計計算することにより、領域分割面積を定量的に判断するものである。つまり、Sn含有量が同じであれば、Sn粒子の大きさとSn粒子の粒子数とは相関的関係を有し、Sn粒子が大きければ粒子数は少なく、領域分割面積(1個の粒子が占有する領域面積の平均)は大きくなる。逆にSn粒子が小さければ粒子数が多いので、領域分割面積は小さくなる。したがって、領域分割面積の大小によってSn粒子の大きさを定量的に把握することができる。
上記構成の本発明によれば、Sn粒子の領域分割面積の平均が、20μm以上50μm以下である。観察視野内におけるSn粒子の70%以上の領域分割面積が、20μm以上50μm以下であることが好ましい。Sn粒子の95%以上の領域分割面積が、30μm以上40μm以下であることが更に好ましい。Sn粒子は、その大きさの平均が所定の大きさ範囲の細粒となっており、マトリックスとの境界面積が広い状態にある。このため、摺動面の表面エネルギーは高く、潤滑油に対して良好なる濡れ性を示す。従って、耐疲労性を向上させたアルミニウム基軸受合金では、通常、マトリックスの硬度が高くなっているという事情があっても、相手材が局部的に強く当った場合には、良好なる濡れ性によって油膜切れに至り難くなる。従って、良好なる耐疲労性を維持しながら、非焼付性を向上させることができるものである。
Snの含有量が2質量%以上20質量%以下であることにより、なじみ性に優れ、また、高温時にSnが溶融することによる凝着防止や摺動面の温度低下に優れた効果を発揮し、しかも、強度が高く、高面圧に耐え得るものとなる。また、2質量%以上20質量%以下のSn量は、Sn粒子の領域分割面積を20μm以上50μm以下とすることが可能な適度な含有量で、Sn粒子とマトリックスとの間の境界面積を適度な広さにすることができるものである。なお、Sn粒子の領域分割面積のより好ましい範囲は、30μm以上40μm以下である。
Sn粒子の領域分割面積を20μm以上50μm以下の範囲で細粒化する一手段として、アルミニウム基軸受合金を鋳造する鋳造工程から或いは鋳造工程の直後に行う調質のための熱処理から軸受として加工する直前に行う熱処理工程までの間、加工歪を蓄積しておき、軸受に加工する前で初めて熱処理(焼鈍)を行う。すると、鋳造後に所定厚さの板材にするための圧延、板材を鋼板に圧接するための圧延などによってSn粒子が圧延方向に伸ばされる。そして、軸受として加工する前の熱処理時に、Snの融点以上に加熱することで、伸ばされていたSn粒子は、自らの表面張力によって丸く縮まろうとして細かく分かれる。このとき、圧延などの加工によって蓄積された歪の量が多い程、Sn粒子はより細かく分かれるようになる。
本発明では、マトリックス中に、Alと他の少なくとも2種の金属元素との金属間化合物であって大きさが1μm未満の金属間化合物を、20μm×15μmの観察視野内において300個以上含ませることができる(請求項2)。
上記金属間化合物は、アルミニウム基軸受合金の鋳造後に、調質のための熱処理を行うと、その熱処理時に析出し、Sn粒子を細かくするに役立つ。即ち、上記の金属間化合物は、圧延などの機械加工時においてマトリックスの転位の移動を阻止する。このような機能を有する金属間化合物の周辺では、歪が蓄積され易く、Sn粒子の再結晶に必要な歪エネルギーを蓄積するため、この金属間化合物の量を制御することによってSn粒子の微細分散に寄与させることができる。また、この金属間化合物は1μm未満の細粒子であるため、マトリックスの強度を高め、耐疲労性を向上させる。以上のような、金属間化合物の機能は、20μm×15μmの観察視野内において300個以上存在する場合に良好に発揮される。
本発明では、上記金属間化合物を構成するAl以外の元素を、Mn、V、Cr、Co、Fe、Ni、W,Ti,Zrのうちから選択された2種以上の元素とすることができる、この場合、それらの2種以上の元素は、総量で0.01質量%以上3質量%以下とすることが好ましい(請求項3)。
これらMn、V、Cr、Co、Fe、Ni、Wは、遷移元素であり、Alと金属間化合物を形成して上述の転位移動阻止機能を発揮する外、元素単体でマトリックス中に分散する。これらの遷移元素はAlにほとんど固溶しないため、固溶によるマトリックスの強化は期待できない。しかし、マトリックス中に分散したこれらの元素は、当該元素を含む上記金属間化合物との親和力によってその金属間化合物をマトリックスに強く固定する機能を発揮する。このため、金属間化合物により大きな転位移動阻止機能を発揮させて大きな歪エネルギーを蓄積させる効果が得られる。
また、本発明のアルミニウム基軸受合金では、Siを2質量%以上6質量%以下含ませることができる(請求項4)。Siは、相手軸に対してラッピング作用を発揮して耐焼付性を高めたり、マトリックス中に微細粒子となって分散し、強度を高め、耐疲労性を向上させたりする。
更に、本発明のアルミニウム基軸受合金では、Cu、Zn、Mgのうちから選択された1種以上の元素を総量で0.1質量%以上7質量%以下含むことができる(請求項5)。
上記Cu、Zn、Mgは、固溶元素で、マトリックス中に固溶し、マトリックスの強度を高める。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。前記特許文献1に示されたベルト鋳造機を用いて、次の表1に示す成分のアルミニウム軸受合金を板状に鋳造し、鋳造後にこのアルミニウム軸受合金を調質するために焼鈍(例えば350℃程度で5時間)を行った。この焼鈍により、遷移元素を含むアルミニウム軸受合金板中には、細かい金属間化合物が晶出される。なお、この鋳造されたアルミニウム軸受合金の厚さは18mmとした。
Figure 2009228100
次に、鋳造され調質されたアルミニウム軸受合金板をロール圧延機により圧延し、次いで、薄いAl板またはAl合金板と圧接して複層アルミニウム合金板を製造し、この複層アルミニウム合金板を裏金用鋼板に圧接した。これにより鋼板(裏金層)、接着用のAl板またはAl合金板(中間層)、アルミニウム軸受合金板(軸受合金層)の3層からなる軸受形成用板材(バイメタル)が製造される。このときの軸受合金層は0.45mmであった。このようにして軸受形成用板材を製造した後、マトリックスの再結晶温度以上の温度に加熱する焼鈍を行った。なお、以上の圧延は全て冷間で行った。
以上の調質のための焼鈍から軸受形成用板材製造後の再結晶のための焼鈍までのアルミニウム軸受合金板に加えられた機械加工(主として冷間圧延)の程度を伸び率で示すと、表1に示すようなものであった。ここで、伸び率とは、機械加工後の長さを機械加工前の長さで除した値を百分率で表したものである。そして、この機械加工によりアルミニウム軸受合金板中に蓄積された歪エネルギーは、Snの再結晶に必要なエネルギーとなる。
参考のために、特許文献1では、アルミニウム軸受合金の厚さは、鋳造直後で15mmであり、これを0.45mmまで圧延したとしたときの伸び率は3300%程度であって、発明品の伸び率とは大きく異なっている。
鋳造後の調質のための熱処理によって金属間化合物を生成したアルミニウム軸受合金板では、1μm未満の微細粒子となってマトリックス中に分散するようになる。そして、この微細な金属間化合物は、マトリックスの転位の移動を阻止するように機能して周辺に歪を蓄積し、Snの微細化を促進する再結晶に必要な歪エネルギーをより多く蓄積する。
そして、再結晶のための焼鈍により、マトリックス中のSn粒子は微細となる。この焼鈍後の軸受合金層を電子顕微鏡により撮影し、その撮影画像により、金属間化合物の大きさと個数、および領域分割法によってSn粒子に係る領域分割面積を計測した。その結果を表1に示した。
上記のように製造した軸受形成用板材を加工して半割軸受を得た。この半割軸受について、表2に示す条件にて焼付試験を行い、その結果を表3に示した。
Figure 2009228100
Figure 2009228100
表1の測定結果を分析すると、発明品1〜7におけるSnの領域分割面積は、20μm以上50μm以下で、適度な値となっている。発明品1と発明品2〜7とを対比すると、Snの領域分割面積を小さくするには、1μm未満の微細な金属間化合物が存在していた方が有利であることが理解される。
一方、金属間化合物の存在しない発明品1と従来品1とを比較すると、従来品1は、加工による伸び率が発明品1に比べて小さく、これがSnの領域分割面積が大きくなる理由と考えられる。従って、金属間化合物が存在しない場合、Sn粒子を微細化するには、伸び率を大きく(例えば、5100%)する必要があることが解る。また、従来品2〜4は金属間化合物が存在しているが、伸び率が低いため、Snの領域分割面積が50μmを超えている。金属間化合物が存在する従来品5では、伸び率が高過ぎるため、Snの領域分割面積が15μmと小さ過ぎる結果となっている。従って、金属間化合物が存在する場合、その量にもよるが、伸び率は、3900%以上4400%以下が妥当な値と考えられる。なお、特許文献1に示された製造方法では、鋳造後のアルミニウム軸受合金板の厚さは15mm(段落「0030」)で、0.45mmとなるまで圧延した場合の伸び率は3300%程度である。
金属間化合物が存在する発明品2〜6から、Sn粒子の微細化のためには、1μm未満の金属間化合物が多く存在する方が有利である。更に、発明品2,3と発明品5,6との比較から、1μm未満の金属間化合物の量は多い方がSn粒子を微細化するのに役立つ。発明品2,3から、少ない伸び率(加工程度が少ない)でSn粒子を小さくするには、1μm未満の金属間化合物が20μm×15μmの観察視野内において300個以上存在することが更に有利である。
次に焼付試験の結果を分析してみる。まず、焼付試験は、潤滑油の供給量を少なくした潤滑油不足の状態で行われるため、軸受表面(アルミニウム軸受合金の表面)の濡れ性が良い程、非焼付性が向上する。従って、焼付試験は、アルミニウム軸受合金の濡れ性をも試験することとなる。
表3によれば、Snの分割面積が20μm以上50μm以下である発明品1〜6は、非焼付性に優れている。これに対し、従来品1〜5は、発明品1〜6に比べ、焼付かない最大面圧が低く、非焼付性の点で劣ることが理解される。これは、発明品1〜6では、Sn粒子が細かく、このため、潤滑油に対するアルミニウム軸受合金の濡れ性が高くなり、相手軸の局部当りが生じても、良好なる濡れ性により、潤滑油がその局部当りを生じた部分に引き込まれ、その結果、油膜切れになり難く、非焼付性が向上したと考えられる。従って、本発明によれば、CuやSi、或いは溶体化処理を行ってアルミニウム軸受合金の耐疲労性を向上させても、その良好なる耐疲労性を維持しながら非焼付性を向上させることができるものである。
領域分割法を説明するための概念図
符号の説明
図面中、1はAlマトリックス、2はSn粒子を示す。

Claims (5)

  1. Snを2質量%以上20質量%以下含むアルミニウム基軸受合金において、
    摺動表面におけるSn粒子の大きさは、領域分割法により測定したSn粒子の領域分割面積の平均が20μm以上50μm以下であることを特徴とするアルミニウム基軸受合金。
  2. Alと他の2種以上の元素との金属間化合物であって、大きさが1μm未満の金属間化合物を20μm×15μmの観察視野内において300個以上含むことを特徴とする請求項1記載のアルミニウム基軸受合金。
  3. 請求項2記載のアルミニウム基軸受合金において、
    前記Alと前記金属間化合物を構成する前記他の2種以上の元素は、Mn、V、Cr、Co、Fe、Ni、W、Ti、Zrのうちから選択された元素で、総量で0.01質量%以上3質量%以下であることを特徴とするアルミニウム基軸受合金。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のアルミニウム基軸受合金において、
    Siを2質量%以上6質量%以下含むことを特徴とするアルミニウム基軸受合金。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のアルミニウム基軸受合金において、
    Cu、Zn、Mgのうちから選択された1種以上の元素を総量で0.1質量%以上7質量%以下含むことを特徴とするアルミニウム基軸受合金。
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