JP2009227767A - 蛍光体 - Google Patents

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康博 山田
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雅史 松井
Nobuaki Nagao
宣明 長尾
Hidetaka Tono
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Abstract

【課題】発光輝度を向上させた蛍光体を提供する。
【解決手段】硫化亜鉛を母体とし、少なくとも銅を含有する蛍光体において、イリジウムを含有することを特徴とする蛍光体。
【選択図】図3

Description

本発明は、光、電子線、X線などの電磁波や、電場、熱などにより励起され発光する硫化物系蛍光体である。特に、蛍光ランプ等の一般照明、車載照明、液晶用バックライト、ディスプレイ等の発光装置に使用される硫化物系蛍光体に関するものである。
蛍光体は外部エネルギーに励起されることにより電磁波を放出する材料である。通常、蛍光体は励起するエネルギーの種類により命名される。例えば、光ルミネセンス蛍光体は蛍光体より短い波長の光により励起されて発光し、電子線ルミネセンス蛍光体は電子又は陰極線の励起により、X線蛍光体はX線の励起により、及びエレクトロルミネセンス蛍光体は電場(通常は交流により供給される)の作用により発光する。
このような発光機能を有する蛍光体は発熱が少ないなど数多くの利点を有するため、照明、液晶ディスプレイ等のバックライト、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用発光素子としての用途がある。
このような蛍光体を用いる発光素子は、プラスチックを基板としたフレキシブルな素子の形成が可能であること、真空装置を使用することなく比較的簡便な工程により低コストで製造が可能であること、また発光色の異なる複数の蛍光体を組み合わせることで素子の発光色の調節が容易であること、という特長を有し、液晶などのバックライト、表示素子へ応用されている。
しかしながら、発光輝度が低いことから、応用範囲が限られており、更なる発光輝度の向上が望まれている。
蛍光体としては、硫化亜鉛を母体として、銅等の付活剤(発光中心としての金属イオン) 及び塩素等の共付活剤を添加されたものが広く知られている。しかし、発光輝度が低いという欠点があり、この為従来から種々の改良が試みられてきた。例えば特許文献1及び2に記載されている。
特開2006−233147号公報 国際公開第2007/043676号パンフレット
しかしながら、従来の硫化亜鉛を母体とし少なくとも銅を含有する蛍光体の構成では、輝度が不十分であるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、発光輝度を向上させた蛍光体を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の蛍光体は、硫化亜鉛を母体とし、少なくとも銅を含有する蛍光体において、イリジウムを含有する構成とする。
好ましくは、本発明の蛍光体は、亜鉛1モルに対してイリジウムを3.9×10-5モル以上3.9×10-4モル以下含有する構成とする。
本構成によって、発光輝度を増大させた蛍光体を作製することができる。
本発明の蛍光体によれば、蛍光体の発光輝度を従来よりも増大させることができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明は、硫化亜鉛を母体とし、付活剤として銅を含み、共付活剤として塩素またはフッ素を含む構成において、イリジウムを含有することを特徴とする蛍光体である。
イリジウムを含有させる蛍光体の原料として酸化物、塩化物、硫化物及び水酸化物から選ばれる少なくとも一種のイリジウム化合物を用いることができる。
硫化亜鉛を母体とする蛍光体は銅の他、付活剤としてマンガン、銀、金及び希土類元素から選ばれる金属イオンを含有することも好ましい。さらに、共付活剤として塩素またはフッ素、ヨウ素、アルミニウム、ガリウム及びインジウムから選ばれるイオンを含むことも好ましい。
本発明の蛍光体は焼成法で形成することができる。例えば、母体材料として硫化亜鉛粉末に前述の付活剤、融剤をそれぞれ秤量して加えて原料粉末を作る。原料粉末を混合し混合粉末を作り、坩堝に入れて、非酸化性雰囲気中(1×10-2Torr以下の真空中、アルゴン雰囲気中、窒素雰囲気中など)で900℃以上1300℃以下の温度で30分以上10時間以下の時間範囲で第1の焼成を行い、冷却して得られた試料を粉砕することで1次中間体を作る。ここで、融剤には、アルカリ金属ないしアルカリ土類金属を含む塩化物ないしフッ化物などを用いる。第1の焼成によって得られる1次中間体を酸(塩酸、酢酸など)とイオン交換水(比抵抗1MΩ・cm以上)で繰り返し洗浄して乾燥させ、融剤に含まれるアルカリ金属ないしアルカリ土類金属及び過剰の付活剤、共付活剤を除去することで2次中間体を作る。次いで得られた2次中間体に第2の焼成を施す。第2の焼成は、第1の焼成より低温の500℃以上800℃以下の範囲で、30分以上3時間以下の範囲の加熱を行い、冷却して得られた試料を粉砕することで蛍光体を得る。これらの焼成により付活剤、共付活剤が母体に含まれるように、第1の焼成と第2の焼成の条件を適宜選択することが好ましい。
(実施例1)
母体として硫化亜鉛(ZnS:高純度化学研究所 純度:5N)粉末を10g秤量した。これに、付活剤としての硫酸銅(CuSO4:高純度化学研究所 純度:3N)粉末を0.027gと、共付活剤・融剤としてのフッ化バリウム(BaF2:高純度化学研究所 純度:2Nup)粉末を0.3g、塩化マグネシウム(MgCl2:高純度化学研究所 純度:3N)粉末を0.3g、及び塩化ナトリウム(NaCl:高純度化学研究所 純度:3N)粉末を0.2gとをそれぞれ秤量して加えて原料粉末を準備した。原料粉末を窒素雰囲気、湿度20%以下の環境でアルミナ乳鉢を用いて混合し、混合粉末を作製した。混合粉末をアルミナボートに入れて、窒素雰囲気中約1000℃の温度で約1時間、第1の焼成を行い、冷却して得られた試料を粉砕することで1次中間体を作製した。その後、1次中間体を酢酸で洗浄した後、イオン交換水で十分水洗して乾燥させ2次中間体を作製した。2次中間体を窒素雰囲気中約700℃の温度で約1時間焼成を行い、冷却して得られた試料を粉砕することで蛍光体を得た。
発光特性は焼成時に残留した融剤や第2の焼成工程の有無に大きく影響されないことを確認したので、以降の実施例、比較例の説明においては1次中間体を蛍光体試料と呼び、評価を行った。
得られた蛍光体試料のX線回折測定の結果、閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造のZnSに帰属されるピークが得られた。したがって、得られた蛍光体試料は閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造からなる混合相のZnSであることがわかった。
蛍光体試料の光励起発光スペクトル、励起スペクトルを分光蛍光光度計(日立F−4500)で測定した。波長350nmで励起したときの発光スペクトルを図1中のIr/Zn=0のスペクトル曲線で示す。発光スペクトルから得られた発光は445nmにピーク波長を持つことがわかった。ここでは、発光スペクトルのピーク発光強度を1としてある。また、発光波長450nmでモニタしたときの励起スペクトルを図2中のIr/Zn=0のスペクトル曲線で示す。ここでは、励起スペクトルの350nmの強度を1としてある。励起スペクトルから335nm、360nmに2つのピークを持つことがわかった。
(実施例2)
以下に、実施例1の試料にイリジウムを含有させた実施例2の試料の作製方法を示す。
実施例1の原料粉末に硫化亜鉛粉末10gに対して塩化イリジウム(IrCl3:高純度化学研究所 純度:2Nup)粉末を1.2×10-3gから0.012gまで(亜鉛1モルに対してイリジウムを3.9×10-5モルから3.9×10-4モルまで)変化させ、イリジウムを含有させた原料粉末を準備した。イリジウムを含有させた原料粉末を窒素雰囲気、湿度20%以下の環境でアルミナ乳鉢を用いて混合し、イリジウムを含有させた混合粉末を作製した。イリジウムを含有させた混合粉末をアルミナボートに入れて、窒素雰囲気中約1000℃の温度で約1時間、第1の焼成を行い、冷却して得られた試料を粉砕することでイリジウムを含有させた蛍光体試料を作製した。
イリジウムを含有させた蛍光体試料のX線回折測定の結果、閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造のZnSに帰属されるピークが得られた。また、イリジウムに帰属される不純物ピークは見られなかった。したがって、イリジウムを含有させた蛍光体試料は閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造からなる混合相のZnSであり、イリジウムが亜鉛1モルに対して3.9×10-4モルまで固溶していることがわかった。
図1は、本発明の実施例1及び実施例2におけるイリジウムを含有させた蛍光体試料の波長350nmで励起した発光スペクトルである。ここでは、実施例1の発光スペクトルのピーク発光強度を1としてイリジウムを含有させた蛍光体試料の発光スペクトル強度を規格化している。図1から発光波長440nmから450nmの青色発光が得られていることがわかる。イリジウムを含有させることによりピーク発光波長の大きな変化を伴わずに発光強度が増大していることがわかった。したがって、蛍光体試料の光ルミネセンス発光輝度は発光ピーク強度に比例するとみなせるので、以降、発光輝度を発光ピーク強度で評価した。
図2は、本発明の実施例1及び実施例2におけるイリジウムを含有させた蛍光体試料の発光波長450nmでモニタした励起スペクトルである。ここでは、実施例1の励起スペクトルの350nmの発光強度を1としてイリジウムを含有させた蛍光体試料の励起スペクトル強度を規格化している。図2の励起スペクトルから333−342nm領域、355−363nm領域に2つのピークを持つことがわかり、イリジウムに帰属されるピークは見られなかった。
図3は、本発明の実施例1の蛍光体試料のピーク発光強度に対する本発明の実施例2のイリジウムを含有させた蛍光体試料のピーク発光強度の比とイリジウム濃度との関係を示す図である。ここでは、実施例1の発光スペクトルのピーク発光強度を1としてイリジウムを含有させた蛍光体試料のピーク発光強度を規格化している。発光強度は亜鉛1モルに対してイリジウムを3.9×10-5モル以上3.9×10-4モル以下含有させたとき特に大きくなり、実施例1の蛍光体試料に比べ約1.5倍発光強度が向上することがわかった。
(比較例1)
以下に、実施例1の試料にニオブを含有させた比較例1の試料の作製方法を示す。
実施例1の原料粉末に硫化亜鉛粉末10gに対して塩化ニオブ(NbCl5:高純度化学研究所 純度:3N)を1.2×10-3gから0.12gまで(亜鉛1モルに対してニオブを4.3×10-5モルから4.3×10-3モルまで)変化させ、ニオブを含有させた原料粉末を準備した。ニオブを含有させた原料粉末を窒素雰囲気、湿度20%以下の環境でアルミナ乳鉢を用いて混合し、ニオブを含有させた混合粉末を作製した。ニオブを含有させた混合粉末をアルミナボートに入れて、窒素雰囲気中約1000℃の温度で約1時間、第1の焼成を行い、冷却して得られた試料を粉砕することでニオブを含有させた蛍光体試料を作製した。
ニオブを含有させた蛍光体試料のX線回折測定の結果、閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造のZnSに帰属されるピークが得られた。また、ニオブに帰属される不純物ピークは見られなかった。したがって、ニオブを含有させた蛍光体試料は閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造からなる混合相のZnSであり、ニオブが亜鉛1モルに対して4.3×10-2モルまで固溶していることがわかった。
ニオブを含有させた蛍光体試料の波長350nmで励起した発光スペクトルから亜鉛1モルに対してニオブを4.3×10-5モル以上4.3×10-3モル以下含有させたとき、実施例1の蛍光体試料に比べ発光強度が低下することがわかった。
(比較例2)
以下に、実施例1の試料にモリブデンを含有させた比較例2の試料の作製方法を示す。
実施例1の原料粉末に硫化亜鉛粉末10gに対して塩化モリブデン(MoCl5:高純度化学研究所 純度:5N)を1.2×10-3gから0.12gまで(亜鉛1モルに対してモリブデンを4.2×10-5モルから4.2×10-3モルまで)変化させ、モリブデンを含有させた原料粉末を準備した。モリブデンを含有させた原料粉末を窒素雰囲気、湿度20%以下の環境でアルミナ乳鉢を用いて混合し、モリブデンを含有させた混合粉末を作製した。モリブデンを含有させた混合粉末をアルミナボートに入れて、窒素雰囲気中約1000℃の温度で約1時間、第1の焼成を行い、冷却して得られた試料を粉砕することでモリブデンを含有させた蛍光体試料を作製した。
モリブデンを含有させた蛍光体試料のX線回折測定の結果、閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造のZnSに帰属されるピークが得られた。また、モリブデンに帰属される不純物ピークは見られなかった。したがって、モリブデンを含有させた蛍光体試料は閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造からなる混合相のZnSであり、モリブデンが亜鉛1モルに対して4.2×10-3モルまで固溶していることがわかった。
モリブデンを含有させた蛍光体試料の波長350nmで励起した発光スペクトルから亜鉛1モルに対してモリブデンを4.2×10-5モル以上4.2×10-3モル以下含有させたとき、実施例1の蛍光体試料に比べ発光強度が低下することがわかった。
(比較例3)
以下に、実施例1の試料にルテニウムを含有させた比較例3の試料の作製方法を示す。
実施例1の原料粉末に硫化亜鉛粉末10gに対して塩化ルテニウム(RuCl3・H2O:高純度化学研究所 純度:2N)を1.2×10-3gから0.12gまで(亜鉛1モルに対してルテニウムを5.3×10-5モルから5.3×10-3モルまで)変化させ、ルテニウムを含有させた原料粉末を準備した。ルテニウムを含有させた原料粉末を窒素雰囲気、湿度20%以下の環境でアルミナ乳鉢を用いて混合し、ルテニウムを含有させた混合粉末を作製した。ルテニウムを含有させた混合粉末をアルミナボートに入れて、窒素雰囲気中約1000℃の温度で約1時間、第1の焼成を行い、冷却して得られた試料を粉砕することでルテニウムを含有させた蛍光体試料を作製した。
ルテニウムを含有させた蛍光体試料のX線回折測定の結果、閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造のZnSに帰属されるピークが得られた。また、ルテニウムに帰属される不純物ピークは見られなかった。したがって、ルテニウムを含有させた蛍光体試料は閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造からなる混合相のZnSであり、ルテニウムが亜鉛1モルに対して5.3×10-3モルまで固溶していることがわかった。
ルテニウムを含有させた蛍光体試料の波長350nmで励起した発光スペクトルから亜鉛1モルに対してルテニウムを5.3×10-4モル以上5.3×10-3モル以下含有させたとき、実施例1の蛍光体試料に比べ発光強度が低下することがわかった。
(比較例4)
以下に、実施例1の試料にパラジウムを含有させた比較例4の試料の作製方法を示す。
実施例1の原料粉末に硫化亜鉛粉末10gに対して塩化パラジウム(PdCl2・2(H2O):高純度化学研究所 純度:3N)を2.4×10-3gから0.24gまで(亜鉛1モルに対してパラジウムを1.2×10-4モルから1.2×10-2モルまで)変化させ、パラジウムを含有させた原料粉末を準備した。パラジウムを含有させた原料粉末を窒素雰囲気、湿度20%以下の環境でアルミナ乳鉢を用いて混合し、パラジウムを含有させた混合粉末を作製した。パラジウムを含有させた混合粉末をアルミナボートに入れて、窒素雰囲気中約1000℃の温度で約1時間、第1の焼成を行い、冷却して得られた試料を粉砕することでパラジウムを含有させた蛍光体試料を作製した。
パラジウムを含有させた蛍光体試料のX線回折測定の結果、閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造のZnSに帰属されるピークが得られた。また、パラジウムに帰属される不純物ピークは見られなかった。したがって、パラジウムを含有させた蛍光体試料は閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造からなる混合相のZnSであり、パラジウムが亜鉛1モルに対して1.2×10-2モルまで固溶していることがわかった。
パラジウムを含有させた蛍光体試料の波長350nmで励起した発光スペクトルから亜鉛1モルに対してパラジウムを1.2×10-4モル以上1.2×10-2モル以下含有させたとき、実施例1の蛍光体試料に比べ発光強度が低下することがわかった。
図4は、本発明の実施例1の蛍光体試料のピーク発光強度に対する本発明の比較例1から比較例4の添加物(M1=Nb、Mo、Ru、Pd)を含有させた蛍光体試料のピーク発光強度の比と添加物濃度との関係を示す図である。ここでは、実施例1の発光スペクトルのピーク発光強度を1として添加物を含有させた蛍光体試料のピーク発光強度を規格化している。
(比較例5)
以下に、実施例1の試料にタングステンを含有させた比較例5の試料の作製方法を示す。
実施例1の原料粉末に硫化亜鉛粉末10gに対して硫化タングステン(WS2:高純度化学研究所 純度:2N)を1.2×10-3gから0.12gまで(亜鉛1モルに対してタングステンを1.2×10-5モルから1.2×10-3モルまで)変化させ、タングステンを含有させた原料粉末を準備した。タングステンを含有させた原料粉末を窒素雰囲気、湿度20%以下の環境でアルミナ乳鉢を用いて混合し、タングステンを含有させた混合粉末を作製した。タングステンを含有させた混合粉末をアルミナボートに入れて、窒素雰囲気中約1000℃の温度で約1時間、第1の焼成を行い、冷却して得られた試料を粉砕することでタングステンを含有させた蛍光体試料を作製した。
タングステンを含有させた蛍光体試料のX線回折測定の結果、閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造のZnSに帰属されるピークが得られた。また、タングステンに帰属される不純物ピークは見られなかった。したがって、タングステンを含有させた蛍光体試料は閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造からなる混合相のZnSであり、タングステンが亜鉛1モルに対して1.2×10-3モルまで固溶していることがわかった。
タングステンを含有させた蛍光体試料の波長350nmで励起した発光スペクトルから亜鉛1モルに対してタングステンを1.2×10-5モル以上1.2×10-3モル以下含有させたとき、実施例1の蛍光体試料に比べ発光強度が低下することがわかった。
(比較例6)
以下に、実施例1の試料に白金を含有させた比較例6の試料の作製方法を示す。
実施例1の原料粉末に硫化亜鉛粉末10gに対して塩化白金(PtCl2:高純度化学研究所 純度:3N)を亜鉛1モルに対して白金を1.2×10-3gから0.12gまで(4.4×10-5モルから4.4×10-3モルまで)変化させ、白金を含有させた原料粉末を準備した。白金を含有させた原料粉末を窒素雰囲気、湿度20%以下の環境でアルミナ乳鉢を用いて混合し、白金を含有させた混合粉末を作製した。白金を含有させた混合粉末をアルミナボートに入れて、窒素雰囲気中約1000℃の温度で約1時間、第1の焼成を行い、冷却して得られた試料を粉砕することで白金を含有させた蛍光体試料を作製した。
白金を含有させた蛍光体試料のX線回折測定の結果、閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造のZnSに帰属されるピークが得られた。また、白金に帰属される不純物ピークは見られなかった。したがって、白金を含有させた蛍光体試料は閃亜鉛鉱構造及びウルツ鉱構造からなる混合相のZnSであり、白金が亜鉛1モルに対して4.4×10-3モルまで固溶していることがわかった。
白金を含有させた蛍光体試料の波長350nmで励起した発光スペクトルから亜鉛1モルに対して白金を4.4×10-5モル以上4.4×10-4以下含有させたとき特に大きくなり、実施例1の蛍光体試料に比べ約1.1倍発光強度が向上することがわかった。
図5は、本発明の実施例1の蛍光体試料のピーク発光強度に対する本発明の比較例5から比較例6の添加物(M2=W、Pt)を含有させた蛍光体試料のピーク発光強度の比と添加物濃度との関係を示す図である。ここでは、実施例1の発光スペクトルのピーク発光強度を1として添加物を含有させた蛍光体試料のピーク発光強度を規格化している。
本発明にかかる蛍光体は、高発光輝度を有し、液晶用バックライト等として有用である。また蛍光ランプ等の一般照明、車載照明、ディスプレイ等の発光装置等の用途にも応用できる。
本発明の実施例1の蛍光体試料及び実施例2のイリジウムを含有させた蛍光体試料に対して、波長350nmで励起したときの発光スペクトルを示すグラフ 本発明の実施例1の蛍光体試料及び実施例2のイリジウムを含有させた蛍光体試料に対して、発光波長450nmでモニタしたときの励起スペクトルを示すグラフ 本発明の実施例1の蛍光体試料のピーク発光強度に対する本発明の実施例2のイリジウムを含有させた蛍光体試料のピーク発光強度の比とイリジウム濃度との関係を示すグラフ 本発明の実施例1の蛍光体試料のピーク発光強度に対する本発明の比較例1から比較例4の添加物(M1=Nb、Mo、Ru、Pd)を含有させた蛍光体試料のピーク発光強度の比と添加物濃度との関係を示すグラフ 本発明の実施例1の蛍光体試料のピーク発光強度に対する本発明の比較例5から比較例6の添加物(M2=W、Pt)を含有させた蛍光体試料のピーク発光強度の比と添加物濃度との関係を示すグラフ

Claims (2)

  1. 硫化亜鉛を母体とし、少なくとも銅を含有する蛍光体において、イリジウムを含有することを特徴とする蛍光体。
  2. 亜鉛1モルに対してイリジウムを3.9×10-5モル以上3.9×10-4モル以下含有することを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。
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