JP2009227165A - エアバッグ - Google Patents

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Osamu Hirose
修 広瀬
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Abstract

【課題】ベントホールの開口前における膨張用ガスの流出を防止して、初期拘束力を高めることができるエアバッグを提供すること。
【解決手段】エアバッグ10は、可撓性を有した周壁11が、熱可塑性樹脂材料から形成されるとともに、膨張用ガスの排気用のベントホールを備えて構成される。ベントホール36は、線状の破断予定部22を破断させることにより、周壁11における表裏を貫通する開口部位を設けられていないエリアに、排気用の開口を形成する構成としている。破断予定部22は、周壁11の表面側若しくは裏面側の少なくとも一方側において、厚さ方向の残部29を残して凹む凹溝27を設けて、形成されるとともに、破断時に厚さ方向の残部29を破断させる構成としている。凹溝27は、周壁11の一部を溶融させて形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の衝突時等の乗員や歩行者等を保護するために、膨張用ガスを流入させ、膨らませた状態で乗員や歩行者等を受け止めるエアバッグに関する。
従来、エアバッグは、可撓性を有した周壁が、ポリアミドやポリエステル等の熱可塑性樹脂材料からなるマルチフィラメントを平織り等で織った布から形成されるとともに、膨張用ガスの排気用のベントホールを備えて構成されていた(例えば、特許文献1,2参照)。これらのエアバッグのベントホールは、エアバッグの内圧上昇時に、フラップを開かせて形成させる構成とし、その開いたベントホールの開口を、膨張用ガスの排気用の開口としていた。
そして、このフラップは、開き時のヒンジ部の周囲の外周縁に、周壁の表裏を貫通する小さな帯状のスリットを断続的に設けて、形成され、フラップの開き時には、スリット間の部位を破断させて、開いていた。このようなエアバッグは、加熱したトムソン刃やレーザカッタを周壁に押し付けて、スリットを形成しており、排気用の開口を形成するベントホールを、簡便に形成することができた。
特開2003−200803号公報 特開2003−312421号公報
しかし、従来のエアバッグでは、周壁の表裏を貫通するように、小さな帯状のスリットが開口されていたことから、ベントホールの開口前に、スリットから膨張用ガスが流出することが避けられず、膨張用ガスを有効利用する点で改善の余地があった。換言すれば、従来のエアバッグでは、ベントホールを開口させつつ乗員等の保護対象者の受け止める際の、その保護対象者を受け止める初期拘束力を高める点に、課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、ベントホールの開口前における膨張用ガスの流出を防止して、初期拘束力を高めることができるエアバッグを提供することを目的とする。
本発明に係るエアバッグは、可撓性を有した周壁が、熱可塑性樹脂材料から形成されるとともに、膨張用ガスの排気用のベントホールを備えて構成されるエアバッグであって、
ベントホールが、線状の破断予定部を破断させることにより、周壁における表裏を貫通する開口部位を設けられていないエリアに、排気用の開口を形成する構成とし、
破断予定部が、周壁の表面側若しくは裏面側の少なくとも一方側において、厚さ方向の残部を残して凹む凹溝を設けて、形成されるとともに、破断時に厚さ方向の残部を破断させる構成とし、
凹溝が、周壁の一部を溶融させて形成されていることを特徴とする。
本発明に係るエアバッグでは、膨張用ガスが流入されてベントホールが開口する際には、破断予定部における凹溝の底部、すなわち、周壁における凹溝の厚さ方向の残部が、破断して、ベントホールが開口されて、その開口から膨張用ガスが排気されることとなる。そして、凹溝の厚さ方向の残部が破断するまでは、破断予定部自体が、周壁における表裏を貫通する開口部位を設けられていないエリアに、配設されており、スリット等の膨張用ガスが抜けるような開口が、エアバッグに配設されてはいない。すなわち、ベントホールが開口するまでは、膨張用ガスの排気が防止されて、エアバッグ内の内圧を高く維持できるため、初期拘束力を高めることができる。
したがって、本発明に係るエアバッグでは、ベントホールの開口前における膨張用ガスの流出を防止して、初期拘束力を高めることができる。
そして、ベントホールの排気用の開口は、フラップを開かせて形成される構成として、破断予定部は、フラップの開き時のヒンジ部を除く外周縁に沿う全域の線状に、形成することが望ましい。このような構成では、破断予定部を一文字状に形成して、排気時のベントホールの開口を、略楕円形の開口とするような構成でなく、フラップを開かせて、フラップの平面形状に対応した四角形や円形等の大きな開口を形成できるため、開口時の膨張用ガスの排気量を多く確保できて、膨張用ガスを円滑に排気することができる。
また、本発明に係るエアバッグの製造方法は、可撓性を有して熱可塑性樹脂材料から形成される周壁に、膨張用ガスの排気用のベントホールを形成するエアバッグの製造方法であって、
ベントホールが、線状の破断予定部を破断させることにより、排気用の開口を形成する構成とし、
破断予定部が、厚さ方向の残部を残して凹む凹溝を周壁に設けて、形成されるとともに、破断時に厚さ方向の残部を破断させる構成とし、
周壁を溶融可能なカッタを、周壁のベントホール形成部位に押し付けつつ、厚さ方向の残部を残して、溶融させて凹ませる凹溝を周壁に設けて、破断予定部を形成していることを特徴とする。
本発明に係るエアバッグの製造方法では、周壁を溶融可能なカッタを使用して、このカッタを周壁のベントホール形成部位に押し付けて、周壁の一部を溶融させることにより、ベントホールの開口を形成する破断予定部の凹溝を、形成できて、カッタ等を利用して一旦開口させた部位を、縫製や接着等で塞ぐように加工しなくともよく、製造工程を複雑にせずに簡便に、膨張用ガスを排気可能なベントホールを形成することができる。
したがって、本発明に係るエアバッグの製造方法では、ベントホールの形成部位からの膨張用ガスの漏れを防止できて初期拘束力を高めることができるベントホールを備えたエアバッグを、簡便に製造することができる。
そして、周壁を溶融させるカッタとして、凹溝の底部に沿って往復移動させるように振動させて、周壁との摩擦熱で周壁を溶融させる超音波カッタを使用すれば、加熱したトムソン刃等のカッタを押し付けて形成する場合に比べて、凹溝における厚さ方向の残部の肉厚管理が容易となる。すなわち、この超音波カッタでは、凹溝の底部に沿って往復移動させるように振動させるカッタの刃先付近と周壁との摩擦熱により、周壁を溶融させて凹溝を形成することとなり、超音波カッタの振動時の振幅や振動数によって、摩擦熱の増減、すなわち、周壁の溶融量の増減を容易に調整でき、そして、振動させている超音波カッタの周壁への押し付け深さを調整すれば、凹溝における厚さ方向の残部の肉厚の調整を、容易に行えることとなる。これに対し、加熱したトムソン刃等を押し付ける際には、押し付け途中のカッタの温度低下や接触時間、雰囲気温度にバラツキがあれば、凹溝の溶融量が増幅されるようにバラツキ易く、超音波カッタを使用する場合に比べて、凹溝における厚さ方向の残部の肉厚を安定化させ難い。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1,2に示す実施形態のエアバッグ10は、ステアリングホイールに搭載されるステアリングホイールW用のエアバッグ装置Mに使用されるものであり、図2に示すように、膨張完了時に、周壁11を略楕円球状に膨張させるものである。
周壁11は、運転者を受け止める拘束側壁部12と、ステアリングホイールWに取り付けられる車体側壁部13と、を備えて構成され、これらの拘束側壁部12と車体側壁部13とは、外形形状を同一とした略円形板状として構成されて、外周縁相互を縫製等により結合されて、周壁11を形成している。そして、これらの拘束側壁部12と車体側壁部13とは、可撓性を有した基布17から形成され(図4参照)、この基布17は、ポリアミドやポリエステル等の溶融されて固化可能な熱可塑性樹脂性のフィラメント(糸)を多数集めたマルチフィラメントを、経糸18と緯糸19とに使用して、平織り等で織って形成されている。
また、車体側壁部13は、膨張用ガスを流入させるための円形に開口した流入用開口14を中央に備えるとともに(図1参照)、二箇所にベントホール形成部位21を備えている。流入用開口14には、図2に示すように、エアバッグ10内に膨張用ガスを供給するためのインフレーター3のガス吐出口3a側が挿入されることとなる。流入用開口14の周囲には、エアバッグ10をバッグホルダ1に取り付けるための複数の取付孔15が、形成されている。なお、インフレーター3は、フランジ部3bが、バッグホルダ1に取り付けられ、その際、リテーナ2により、取付孔15を利用して、エアバッグ10もバッグホルダ1に共締めされることとなる。
車体側壁部13の各ベントホール形成部位21は、図3のAに示すように、それぞれ、平面視の状態で、横向きH字状の破断予定部22が配設されている。すなわち、破断予定部22は、相互に対向するように平行として横向きに配設される二本の端線部23,24と、これらの端線部23,24の中央相互を連結する連結線部25と、備えて構成され、これらの端線部23,24と連結線部25とは、凹溝27から形成されている。凹溝27は、図4のCに示すように、周壁11の表面側若しくは裏面側の少なくとも一方側において、厚さ方向の残部29を残すように、凹んで形成されている。
実施形態の場合には、エアバッグ10の外周面側に、内周面側に凹むように凹溝27が形成されている(図1、図4のC参照)。そして、この凹溝27は、エアバッグ10を形成する前の周壁11における車体側壁部13のベントホール形成部位21の基布17に対し、図4のA,Bに示すように、超音波カッタ40を、周壁11(基布17)の表面に沿い、かつ、形成する凹溝27の底部27aに沿って、往復移動させるように、振動させつつ押し付け、基布17(周壁11)の一部を溶融させることにより、形成している。そのため、凹溝27の底部27aや底部27aの両側の側面部27bには、溶融されて固化されて溶融固化部位28が形成されている。
これらのベントホール形成部位21やその周囲には、基布17の表裏を貫通する開口が形成されておらず、最も薄肉として破断し易い箇所が、破断予定部22の破断時に破断する部位とした残部29の部位としている。そのため、残部29が破断すれば(図4のD参照)、横向きH字状の破断予定部22が破断して、連結線部25の両側に配置されて、端線部23,24の両端部23a,24a相互を連結する部位をヒンジ部32,34とした長方形板状のフラップ31,33が、それらのヒンジ部32,34を回転中心として、開き、ベントホール形成部位21に長方形状の開口のベントホール36を開口させることとなる(図3のA参照)。
なお、図4のDに示した破断部位は、フラップ31,33の端線部23,24の部位であり、フラップ31,33側が、周囲の基布17側から移動している。
また、残部29の厚さ寸法T1、凹溝27の幅寸法B1、溶融固化部位28の残部29での厚さの割合等は(図4のC参照)、エアバッグ10が所定内圧値に達した際に、確実に、破断予定部22が破断するように、トライアンドエラーによって、適宜、設定されている。
さらに、実施形態の場合、ベントホール形成部位21の厚さ寸法T0は0.23〜0.25mmとしており、超音波カッタ40の刃先40aの押し付け量Yは、0.12〜0.18mmの範囲(平均の厚さ寸法T0(実施形態では0.24m)の約50〜75%の範囲)として設定され、実施形態の場合には、約0.15mmとして、溶融固化部位28を形成している。
実施形態のエアバッグ10の製造工程について述べれば、長尺状の基布17から、拘束側壁部12と車体側壁部13とを裁断し、車体側壁部13に流入用開口14や取付孔15を設けるとともに、各ベントホール形成部位21に、超音波カッタ40を利用して、凹溝27を設けて破断予定部22を形成する。なお、流入用開口14や取付孔15を設ける際には、トムソン刃やレーザカッタを利用したり、超音波カッタを利用してもよい。その後、外表面側相互を接触させて、拘束側壁部12と車体側壁部13とを重ねて、外周縁相互を縫合等して結合させ、流入用開口14を利用して、反転させれば、エアバッグ10を製造することができる。
さらに、エアバッグ装置Mの組立時には、まず、エアバッグ10の内周面側の流入用開口14の周縁に、円環状のリテーナ2(図2参照)を配置させるとともに、リテーナ2に固着された図示しない複数のボルトを、エアバッグ10の各取付孔15から突出させ、その状態で、エアバッグ10を折り畳む。そして、エアバッグ10を折り畳んだ後には、リテーナ2に固着された図示しない複数のボルトを、インフレーター3のフランジ部3bやバッグホルダ1のそれぞれ図示しない取付孔に、貫通させて、ナット止めして、バッグホルダ1にエアバッグ10やインフレーター3を取り付け、バッグホルダ1に、折り畳まれたエアバッグ10の周囲を覆う図示しない蓋材を取り付ければ、エアバッグ装置Mの組立を完了させることができる。そして、組み立てたエアバッグ装置Mは、バッグホルダ1を利用して、ステアリングホイールWの所定部位に取り付ければ、エアバッグ装置MをステアリングホイールWに搭載させることができる。
車両搭載後、インフレーター3のガス吐出口3aから膨張用ガスが吐出されれば、図示しない蓋材を破断させて、エアバッグ10は急激に膨らむこととなる。そして、エアバッグ10の内圧が所定値以上に上昇した際には、各ベントホール形成部位21では、それぞれ、破断予定部22の凹溝27における厚さ方向の残部29が破断して(図4のD参照)、図3のA,Bに示すように、フラップ31,33が、それらのヒンジ部32,34を回転中心として、開き、長方形状の開口のベントホール36を開口させる。そのため、ベントホール36の開口からエアバッグ10内の膨張用ガスが排気されることとなる。
そして、実施形態のエアバッグ10では、凹溝27の厚さ方向の残部29が破断するまでは、破断予定部22自体が、周壁11における表裏を貫通する開口部位を設けられていないエリアに、配設されており、スリット等の膨張用ガスが抜けるような開口が、エアバッグ10に配設されてはいない。すなわち、ベントホール36が開口するまでは、膨張用ガスの排気が防止されて、エアバッグ10内の内圧を高く維持できるため、初期拘束力を高めることができる。
したがって、実施形態のエアバッグ10では、ベントホール36の開口前における膨張用ガスの流出を防止して、初期拘束力を高めることができる。
そして、実施形態のエアバッグ10では、ベントホール36の排気用の開口は、フラップ31,33を開かせて形成される構成として、破断予定部22は、フラップ31,33の開き時のヒンジ部32,34を除く外周縁に沿う全域の線状に、形成されている。そのため、実施形態のエアバッグ10では、破断予定部を一文字状に形成して、排気時のベントホールの開口を、略楕円形の開口とするような構成でなく、フラップ31,33を開かせて、フラップ31,33の平面形状に対応した四角形の大きな開口を形成できるため、開口時の膨張用ガスの排気量を多く確保できて、膨張用ガスを円滑に排気することができる。勿論、この点を考慮しなければ、破断予定部は、一文字状の線状に形成してもよい。さらに、線状の形態は、直線、曲線、屈曲点や変曲点を持った折曲線等としてもよい。
そしてまた、実施形態のエアバッグ10の製造方法では、周壁11(基布17)を溶融可能なカッタ(超音波カッタ)40を使用して、この超音波カッタ40を基布17のベントホール形成部位21に押し付けて、基布17の一部を溶融させることにより、ベントホール36の開口を形成する破断予定部22の凹溝27を、形成できて、カッタ等を利用して一旦開口させた部位を、縫製や接着等で塞ぐように加工しなくともよく、製造工程を複雑にせずに簡便に、膨張用ガスを排気可能なベントホール36を形成することができる。
したがって、実施形態のエアバッグ10の製造方法では、ベントホール形成部位21からの膨張用ガスの漏れを防止できて初期拘束力を高めることができるベントホール36を備えたエアバッグ10を、簡便に製造することができる。
さらに、実施形態の場合、基布17を溶融させるカッタとして、凹溝27の底部27aに沿って往復移動させるように振動させて、基布17との摩擦熱で基布17の一部を溶融させる超音波カッタ40を使用している。そのため、加熱したトムソン刃等のカッタを基布17に押し付けて凹溝27を形成する場合に比べて、凹溝27における厚さ方向の残部29の肉厚管理が容易となる。すなわち、この超音波カッタ40では、凹溝27の底部27aに沿って往復移動させるように振動させる超音波カッタ40の刃先40a付近と基布17との摩擦熱により、基布17を溶融させて凹溝27を形成することとなり、超音波カッタ40の振動時の振幅や振動数によって、摩擦熱の増減、すなわち、基布17の溶融量の増減を容易に調整でき、そして、振動させている超音波カッタ40の基布17への押し付け深さ(押し付け量Y)を調整すれば、凹溝27における厚さ方向の残部29の肉厚の調整を、容易に行えることとなる。これに対し、加熱したトムソン刃等を押し付ける際には、押し付け途中のカッタの温度低下や接触時間、雰囲気温度にバラツキがあれば、凹溝の溶融量が増幅されるようにバラツキ易く、超音波カッタ40を使用する場合に比べて、凹溝における厚さ方向の残部の肉厚を安定化させ難い。勿論、この点を考慮しなければ、加熱したトムソン刃等を利用して、凹溝27を形成してもよい。
なお、実施形態の場合では、二枚のフラップ31,33を利用したが、破断予定部をU字状として、一枚の長方形板状のフラップを開かせたり、破断予定部を円形状として、一枚の円板状のフラップを開かせたり、あるいは、破断予定部をV字状として、一枚の三角板状のフラップを開かせて、ベントホールを開口させるように構成してもよい。さらに、中心から放射状に線状の破断予定部を設けて、花びら状にフラップを開かせて、ベントホールを開口させるように構成してもよい。
また、比較例として、図3のBに示すように、従来タイプのスリット42,43を設けて、実施形態のベントホール36と略同形状の開口を二個形成するエアバッグ10Aと、直径40mmの円形のベントホールを常時二個開口させたエアバッグ10Bと、を使用して、実施形態のエアバッグ10との比較試験を行った(図5のグラフ図参照)。この比較試験では、各エアバッグ10,10A,10Bは、ベントホールの構造を相違させているだけで、実施形態と同一の拘束側壁部12と車体側壁部13とを使用して、エアバッグ装置Mに搭載し、そして、インフレーター3を作動させるとともに、各エアバッグ10,10A,10Bの拘束側壁部12の中央付近に、所定の形状のインパクターを当て、そのインパクターに作用する反力と時間とを計測した。
このグラフ図から解るように、実施形態のエアバッグ10では、比較例のエアバッグ10A,10Bに比べて、反力を大きく確保できて、初期拘束力を向上させていることが分かる。さらに、実施形態のエアバッグ10では、反力が落ち込み、その後に、インパクターが底着きして反力を上昇させるタイミングを、他の比較例のエアバッグ10A,10Bに比べて、遅らせている。すなわち、この反力上昇時までの時間は、エアバッグの乗員の運動エネルギー吸収量に比例するため、実施形態のエアバッグ10が、比較例のエアバッグ10A,10Bに比べて、乗員の運動エネルギー吸収量を多く確保できていることが分かる。
なお、実施形態のエアバッグ10では、ポリアミド糸のマルチフィラメントからなる経糸18と緯糸19とを織って、周壁11を構成する基布17を形成しているが、この基布17には、適宜、シリコンゴムやポリアミドエマルジョン等の耐熱性を向上させるコーティング層を設けてもよい。
また、実施形態のエアバッグ10では、ポリアミド糸を覆った織布から周壁11を形成したが、周壁は、溶融して固化可能な熱可塑性樹脂材料から形成することができ、ポリアミド等の熱可塑性樹脂材料からなるシート材から、周壁を構成してもよい。
さらに、実施形態のエアバッグでは、破断予定部22の凹溝27を、断面V字状としたが、断面U字状等としてもよく、さらに、凹溝27が表裏を貫通せずに、厚さ方向の残部29であって、破断予定部22の破断時に破断可能な残部29が残れば、基布17(周壁11)の表面側だけでなく、裏面側からも凹溝を設けてもよい。
本発明の一実施形態のエアバッグを示す平面図である。 実施形態のエアバッグの膨張完了時を示す断面図である。 実施形態のベントホール形成部位と従来例のベントホール形成部位とを比較して示す図であり、併せて、それぞれのベントホールの開口状態を示している。 実施形態のエアバッグの凹溝の形成工程を示す図であり、さらに、破断予定部の破断時における凹溝の残部の破断状態も併せて図示している。 実施形態と比較例とのエアバッグにおける初期拘束力を示すグラフ図である。
符号の説明
10…エアバッグ、
21…ベントホール形成部位、
22…破断予定部、
27…凹溝、
28…溶融固化部位、
29…残部、
31,33…フラップ、
32,34…ヒンジ部、
36…ベントホール、
40…超音波カッタ。

Claims (4)

  1. 可撓性を有した周壁が、熱可塑性樹脂材料から形成されるとともに、膨張用ガスの排気用のベントホールを備えて構成されるエアバッグであって、
    前記ベントホールが、線状の破断予定部を破断させることにより、前記周壁における表裏を貫通する開口部位を設けられていないエリアに、排気用の開口を形成する構成とし、
    前記破断予定部が、前記周壁の表面側若しくは裏面側の少なくとも一方側において、厚さ方向の残部を残して凹む凹溝を設けて、形成されるとともに、破断時に厚さ方向の前記残部を破断させる構成とし、
    前記凹溝が、前記周壁の一部を溶融させて形成されていることを特徴とするエアバッグ。
  2. 前記ベントホールの排気用の開口が、フラップを開かせて形成される構成として、
    前記破断予定部が、前記フラップの開き時のヒンジ部を除く外周縁に沿う全域の線状に、形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  3. 可撓性を有して熱可塑性樹脂材料から形成される周壁に、膨張用ガスの排気用のベントホールを形成するエアバッグの製造方法であって、
    前記ベントホールが、線状の破断予定部を破断させることにより、排気用の開口を形成する構成とし、
    前記破断予定部が、厚さ方向の残部を残して凹む凹溝を前記周壁に設けて、形成されるとともに、破断時に厚さ方向の前記残部を破断させる構成とし、
    前記周壁を溶融可能なカッタを、前記周壁のベントホール形成部位に押し付けつつ、厚さ方向の残部を残して、溶融させて凹ませる凹溝を前記周壁に設けて、前記破断予定部を形成していることを特徴とするエアバッグの製造方法。
  4. 前記カッタが、前記凹溝の底部に沿って往復移動させるように振動させて、前記周壁との摩擦熱で前記周壁を溶融させる超音波カッタとしていることを特徴とする請求項3に記載のエアバッグの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013030995A1 (ja) * 2011-08-31 2013-03-07 トヨタ自動車株式会社 自動車用サイドエアバッグ装置

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