JP2009226720A - 流体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャップ装置におけるインク吸収体内の水分の蒸発を抑制することで良好なキャッピング動作を可能にする、流体噴射装置を提供する。
【解決手段】噴射面に流体を噴射する複数のノズル47が設けられたノズル群Lを有する噴射ヘッドと、噴射面に当接することで噴射ヘッドに対するメンテナンス処理を行うキャップ装置50と、を備える流体噴射装置である。キャップ装置50は、キャップ本体52と、キャップ本体52内に設けられてメンテナンス処理時にノズル47から排出された流体を吸収するとともに、キャップ本体52内の雰囲気を保湿する流体吸収体54と、流体吸収体54の上面を保持する吸収体保持部材55と、を含む。吸収体保持部材55は、噴射ヘッドのノズル群Lに対応して形成されるノズル開口部56と、流体を流体吸収体54に流入可能とする流体流入部Sと、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、流体噴射装置に関するものである。
流体噴射装置は、流体を噴射可能な噴射ヘッドを備え、この噴射ヘッドから各種の液体を被記録材等に向けて噴射する装置である。流体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルからインク(流体)をインク滴として記録紙等の被記録材に向けて吐出・着弾させてドットを形成することで記録を行うインクジェット式記録装置がある。
このインクジェット式記録装置には、ノズル内が乾燥したりノズル内に埃が入ったりするのを防止するキャップ装置が設けられている。キャップ装置は、記録ヘッドに対して着脱可能に設けられ、ノズルの設けられた領域を含む空間を密閉する壁状のシール部材と、インク吸収体とを有している。インク吸収体はインクを吸収することで膨潤するため、ノズル形成面に接触することでインクがノズルに付着するおそれがある。そこで、インク吸収部材を押さえる押え部材をインク吸収体の上面に配置することで、インク吸収体の盛り上がりを防止したインクジェット式記録装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−62202号公報
しかしながら、インクジェット式記録装置は、印刷中はキャップ装置のインク吸収体が外気と接しているため、インク吸収体内の水分が蒸発することでインク内に含まれるグリセリン等の保湿成分の割合が高くなってしまう。保湿成分は水分を吸収する性質があるため、このような状態でキャップ装置を用いると、ノズル内のインクから水分が吸収されて吐出不良を招き、ドット抜けを生じさせる可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、キャップ装置におけるインク吸収体内の水分の蒸発を抑制することで良好なキャッピング動作を可能にする、流体噴射装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の流体噴射装置は、噴射面に流体を噴射する複数のノズルが設けられたノズル群を有する噴射ヘッドと、前記噴射面に当接することで前記噴射ヘッドに対するメンテナンス処理を行うキャップ装置と、を備える流体噴射装置において、前記キャップ装置は、キャップ本体と、該キャップ本体内に設けられて前記メンテナンス処理時に前記ノズルから排出された前記流体を吸収するとともに、前記キャップ本体内の雰囲気を保湿する流体吸収体と、該流体吸収体の上面を保持する吸収体保持部材と、を含み、前記吸収体保持部材は、前記噴射ヘッドの前記ノズル群に対応して形成されるノズル開口部と、前記流体を前記流体吸収体に流入可能とする流体流入部と、を含むことを特徴とする。
本発明の流体噴射装置によれば、吸収体保持部がノズル開口部及び流体流入部を備えることで、メンテナンス時にキャップ本体内に排出された流体を良好に吸収することができる。また、非メンテナンス処理時においては、ノズル開口部及び流体流入部における流体吸収体のみが外気に曝されることとなり、流体吸収体が外気に接する面積を極力小さくできる。これにより、非メンテナンス処理時における流体吸収体内から蒸発される水分量を抑えることができ、流体の水分蒸発に起因する噴射不良を防止することができる。よって、噴射不良を解消すべく実行される、例えばフラッシング処理等のメンテナンス処理の回数を低減することでメンテナンス処理時の流体使用量を低減できる。
また、上記流体噴射装置においては、前記ノズル群は、複数のノズルが一の方向に配置されてなる少なくとも一つのノズル列を含むのが好ましい。
この構成によれば、ノズル開口部がノズル列に対応して形成されるので、ノズル開口部の製造プロセスを簡略化できる。
また、上記流体噴射装置においては、前記ノズル開口部は、前記各ノズルに対応して形成されるのが好ましい。
この構成によれば、ノズル開口部の面積が小さくなるため、外気に接する流体吸収体の面積を極力小さくできる。よって、非メンテナンス処理時における流体吸収体内から蒸発される水分量をより低減することができる。
また、上記流体噴射装置においては、前記吸収体保持部材は、前記流体吸収体の上面における外周部を露出させるとともに前記流体流入部をなす隙間を生じさせるように前記流体吸収材を保持する形状からなるのが好ましい。
この構成によれば、メンテナンス処理時に吸収体保持部材の上面に流体が排出された場合においても、隙間を介して流体を流体吸収体側に流入させることで吸収できる。よって、吸収体保持部材に流体残渣が付着するのを防止できる。
また、上記流体噴射装置においては、前記流体流入部は、前記吸収体保持部材に形成された前記ノズル開口部とは異なる他の開口部から構成されるのが好ましい。
この構成によれば、メンテナンス処理時に吸収体保持部材の上面に流体が排出された場合においても、開口部を介して流体を流体吸収体側に流入させることで吸収できる。よって、吸収体保持部材に流体残渣が付着するのを防止できる。
また、上記流体噴射装置においては、前記吸収体保持部材は、網目構造を有し、該網目構造が前記流体流入部をなすのが好ましい。
この構成によれば、メンテナンス処理時に吸収体保持部材の上面に流体が排出された場合においても、網目構造を介して流体を流体吸収体側に流入させることで吸収できる。よって、吸収体保持部材に流体残渣が付着するのを防止することができる。
以下、本発明に係る流体噴射装置の実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態に係るプリンタ1の概略構成を示す一部分解図である。
プリンタ1は、プリンタ本体5と、サブタンク2及び記録ヘッド3を搭載したキャリッジ4とを有している。
プリンタ本体5には、キャリッジ4を往復移動させるキャリッジ移動機構65と、本実施形態における特徴的構成要素であり記録ヘッド3の各ノズルから増粘したインクを吸引するクリーニング動作等に用いられるキャップ装置50と、インク供給チューブ34を介して記録ヘッド3に供給するインクを貯留したインクカートリッジ6とが設けられている。このプリンタ本体5には、記録紙を搬送する不図示の紙送り機構が設けられており、この紙送り機構は紙送りモータやこの紙送りモータによって回転駆動される紙送りローラ(いずれ不図示)等から構成され、記録紙を記録(印字・印刷)動作に連動させてプラテン13の上に順次送り出すようになっている。
キャリッジ移動機構65は、プリンタ本体5の幅方向に架設されたガイド軸8と、パルスモータ9と、パルスモータ9の回転軸に接続されてこのパルスモータ9によって回転駆動される駆動プーリー10と、駆動プーリー10とはプリンタ本体5の幅方向の反対側に設けられた遊転プーリー11と、駆動プーリー10と遊転プーリー11との間に掛け渡されてキャリッジ4に接続されたタイミングベルト12を有しており、パルスモータ9を駆動することによってキャリッジ4がガイド軸8に沿って主走査方向に往復移動するようになっている。
キャップ装置50は、プリンタ本体5内のホームポジションに配置されている。このホームポジションは、キャリッジ4の移動範囲内のうち記録領域よりも外側の端部領域であって電源オフ時や長時間に亘って記録(液体噴射処理)が行われなかった場合にキャリッジ4が位置する場所に設定されている。
図2は記録ヘッド3の構成を説明する断面図、図3は記録ヘッド3の要部断面図である。
記録ヘッド3は、導入針ユニット17、ヘッドケース18、流路ユニット19及びアクチュエータユニット20を主な構成要素としている。
導入針ユニット17の上面にはフィルタ21を介在させた状態で2本のインク導入針22が横並びで取り付けられている。これらのインク導入針22には、サブタンク2がそれぞれ装着される。導入針ユニット17の内部には、各インク導入針22に対応したインク導入路23が形成されている。
このインク導入路23の上端はフィルタ21を介してインク導入針22に連通し、下端はパッキン24を介してヘッドケース18内部に形成されたケース流路25と連通する。
本実施形態では2種類のインクを使用する構成であるためサブタンク2が2つ配置されているが、3種類以上のインクを使用する構成であっても勿論構わない。
サブタンク2は、ポリプロピレン等の樹脂製材料によって成型されている。このサブタンク2には、インク室27となる凹部が形成され、この凹部の開口面に透明な弾性シート26を貼設してインク室27が区画されている。
サブタンク2の下部にはインク導入針22が挿入される針接続部28が下方に向けて突設されている。サブタンク2におけるインク室27は断面視で擂り鉢形状になっている。
インク室27の側面のうち上下方向中央部よりも少し下の位置には、針接続部28との間を連通する接続流路29の上流側開口が配置されている。この上流側開口には、インクを濾過するタンク部フィルタ30が取り付けられている。
針接続部28の内部空間にはインク導入針22が液密に嵌入されるシール部材31が嵌め込まれている。このサブタンク2には、インク室27に連通する延出部32が形成されており、この延出部32の上面にはインク流入口33が突設されている。
インク流入口33には、インクカートリッジ6に貯留されたインクを供給するインク供給チューブ34が接続されており、インク供給チューブ34を通ってきたインクが当該インク流入口33から延出部32を通ってインク室27に流入するようになっている。
上記の弾性シート26は、インク室27を収縮させる方向及びインク室27膨張させる方向の両方向に変形可能である。弾性シート26の変形によってインクの圧力変動が吸収され、インクがサブタンク2内で圧力変動が吸収された状態で記録ヘッド3側に供給されるようになっている。このようにサブタンク2は圧力ダンパとして機能するようになっている。
ヘッドケース18は、合成樹脂製の中空箱体状部材である。ヘッドケース18の下端面には流路ユニット19が接合されており、内部に形成された収容空部37内にアクチュエータユニット20が収容され、流路ユニット19側とは反対側の上端面にパッキン24を介在した状態で導入針ユニット17が取り付けられている。ヘッドケース18の内部には、高さ方向を貫通してケース流路25が設けられている。ケース流路25の上端は、パッキン24を介して導入針ユニット17のインク導入路23と連通されている。
ケース流路25の下端は、流路ユニット19内の共通インク室44に連通されており、インク導入針22から導入されたインクがインク導入路23及びケース流路25を通じて共通インク室44側に供給されるようになっている。
ヘッドケース18の収容空部37内に収容されるアクチュエータユニット20は、櫛歯状に配列された複数の圧電振動子38と、この圧電振動子38が接合される固定板39と、プリンタ本体側からの駆動信号を圧電振動子38に供給する配線部材としてのフレキシブルケーブル40とから構成される。各圧電振動子38は固定端部側が固定板39上に接合され自由端部側が固定板39の先端面よりも外側に突出しており、所謂片持ち梁の状態で固定板39上に取り付けられている。
各圧電振動子38を支持する固定板39は、例えば厚さ1mm程度のステンレス鋼によって構成されている。アクチュエータユニット20は、収容空部37を区画するケース内壁面に固定板39の背面を接着することで収容空部37内に収納・固定されている。
流路ユニット19は、振動板(封止板)41、流路基板42及びノズル基板43を有している。これら振動板41、流路基板42及びノズル基板43が積層された状態になっており、不図示の接着剤で接合され一体化されている。振動板41、流路基板42及びノズル基板43は、共通インク室44からインク供給口45及び圧力室46を通りノズル47に至るまでの一連のインク流路(液体流路)を形成する部材である。圧力室46は、ノズル47の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。共通インク室44は、ケース流路25と連通されており、インク導入針22側からのインクが導入される室である。共通インク室44に導入されたインクは、インク供給口45を通じて各圧力室46に分配供給されるようになっている。
流路ユニット19の底部に配置されるノズル基板43は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル47を列状に開設した金属製の薄い板材である。本実施形態のノズル基板43は、ステンレス鋼の板材によって作製され、例えばノズル47の列(即ち、ノズル列)が、各サブタンク2に対応して合計22列設けられた状態になっている。1つのノズル列は、例えば、180個のノズル47によって構成されている。このノズル47が配列されているノズル基板43の表面がノズル形成面である。
ノズル基板43と振動板41との間に配置される流路基板42は、インク流路となる流路部、具体的には、共通インク室44、インク供給口45及び圧力室46となる空部が区画形成された板状の部材である。
流路基板42は例えば結晶性を有する基材であるシリコンウェハーを異方性エッチング処理することによって作製されている。振動板41は、ステンレス鋼等の金属製の支持板上に弾性フィルムをラミネート加工した二重構造の複合板材である。この振動板41の圧力室46に対応する部分には、エッチングなどによって支持板を環状に除去することで、圧電振動子38の先端面が接合される島部48が形成されている。この島部48は、ダイヤフラム部として機能する。振動板41は、圧電振動子38の作動に応じて島部48の周囲の弾性フィルムが弾性変形するように構成されており、流路基板42の一方の開口面を封止し、コンプライアンス部49として機能するようにもなっている。このコンプライアンス部49に相当する部分についてはダイヤフラム部と同様にエッチングなどにより支持板が除去され弾性フィルムだけが残った状態になっている。
上記の記録ヘッド3において、フレキシブルケーブル40を通じて駆動信号が圧電振動子38に供給されると、この圧電振動子38が素子長手方向に伸縮し、これに伴い島部48が圧力室46に近接する方向或いは離隔する方向に移動するようになっている。島部48の移動によって圧力室46の容積が変化し、圧力室46内のインクに圧力変動が生じ、この圧力変動によってノズル47からインク滴Dが吐出されるようになっている。
図4はキャップ装置50の構成を示す平面図であり、図5は図4におけるA−A´線矢視による断面構造を示す図である。これらの図に示すように、キャップ装置50は、エラストマー等の弾性部材からなるシール部材51と、キャップ本体52と、吸引機構53とを有しており、キャップ本体52に吸引機構53が接続された構成となっている。
キャップ本体52は、インク吸収体54とこれを保持するための保持プレート(吸収体保持部材)55とを備えている。保持プレート55は、キャップ本体52から延びるピンをカシメたカシメ部59によりインク吸収体54の上面を保持するとともにキャップ本体52内に収容可能とする。これにより、インク吸収時に膨潤した場合においてもインク吸収体54がキャップ本体52内から浮き上がるのを防止することができる。
インク吸収体54は、インクを保持可能(吸収可能)なスポンジ状部材、あるいは多孔部材等から構成される。
保持プレート55は、例えばSUS等の板状部材から構成されており、この保持プレート55には、記録ヘッド3のノズル列L(ノズル群)に対応して形成されるノズル開口部56を備えている。ここで、ノズル列Lに対応する開口とは、その領域内に、ノズル列Lを構成する全てのノズル47の最外周辺を結んで形成される領域を平面視した状態で含むことができるものを意味する。
また、保持プレート55は、インク吸収体54の上面における外周部を露出させる隙間Sを生じさせるようにインク吸収体54を保持可能な形状を有している。本実施形態においては、保持プレート55はインク吸収体54に比べて外径が小さく構成されている。この隙間Sはインクをインク吸収体54に流入可能とするインク流入部(流体流入部)を構成するものであり、メンテナンス処理時(例えば、フラッシング動作)に保持プレート55上に着弾したインク滴を、上記隙間Sを介してインク吸収体54に吸収可能とするものである。
以下、上述の構成を有するプリンタ1の動作について説明する。ここでは、保存動作、吸引動作、及びフラッシング動作を含むメンテナンス動作を中心に説明する。
外部から印刷データが送信されると、制御装置は、この印刷データをドットパターンに対応した噴射データに展開し、記録ヘッド3に送信する。記録ヘッド3では、受信した噴射データに基づき、記録(印字・印刷)処理、すなわち記録紙に対するインクの噴射を実行する。
プリンタ1は、印刷処理を休止する場合、記録ヘッド3のノズル47へのゴミの付着や乾燥を防止すべく、上記キャップ装置50を用いることで噴射面43aを保湿し、記録ヘッド3のインク噴射特性を保存する(保存動作)。
この場合、不図示の制御装置は、記録ヘッド3をメンテナンス位置まで移動させ、記録ヘッド3とキャップ装置50とを対向させる。このとき、保持プレート55に形成されたノズル開口部56とノズル列Lとが対応するようにキャップ装置50を配置させる。このような状態でキャップ本体52を上昇させてシール部材51の上端部を記録ヘッド3の噴射面43aに当接させる。このとき、シール部材51、記録ヘッド3の噴射面43a、キャップ本体52によって囲まれた領域が密閉される。なお、キャップ本体52内のインク吸収体54には、後述のフラッシング動作によってノズル47から吐出されたインクが予め吸収されたものとなっている。
ところで、キャップ装置50は、印刷処理時においては、外気に曝された状態となっている。そのため、インク吸収体54内に吸収されているインクの水分が蒸発する可能性がある。このようにインク中の水分が蒸発すると、インク中に含まれる例えばグリセリン等の保湿成分の割合が高くなってしまう。このような保湿成分は、水分を吸収する性質があるため、このような状態でキャッピングが行われるとノズル内のインクからも水分を吸収してしまい、その結果、インクの噴射不良によりドット抜けが生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態に係るキャップ装置50は、上述した保持プレート55によりキャップ本体52に保持されたものとなっているので、印刷処理時において、ノズル開口部56及び隙間Sに露出するインク吸収体54のみが外気に曝されることとなる。このように本実施形態によれば、インク吸収体54が外気と接触する面積を極力小さくすることができる。
これにより、印字処理時においても、インク吸収体54内に吸収されているインクから水分を蒸発させ難くすることができ、湿度が一定に保たれることでインク内に含まれる保湿成分の割合を良好な状態とすることができる。
よって、キャッピング動作時において、キャップ装置50を噴射面43aに当接させた場合、シール部材51、噴射面43a、及びキャップ本体52により囲まれた密閉空間は、上述したようにインク内の保湿成分の割合が良好となっているため、ノズル47内のインク中から水分が吸収されることが無く、インクの吐出不良の発生を防止することができる。
したがって、吐出不良を解消すべく、後述するようなフラッシング動作や吸引動作等を行う回数を減らすことができ、結果的にメンテナンス処理において使用されるインク量を低減することが可能となる。また、例えばインクとして顔料インクを用いた場合には、上述のようにインク内に水分の蒸発が防止されるため、インク吸収体54における目詰まりを防止できる。
印字処理を再開する際には、制御部は、キャップ装置50を記録ヘッド3の噴射面43aから離間し、記録ヘッド3を印字処理位置まで移動させる。
次に、メンテナンス処理として、フラッシング動作、吸引動作について説明する。このようなフラッシング動作および吸引動作は、予め設定されている時間が経過すると自動的に行われるものであってもよいし、ユーザの指定により所望のタイミングで実行されるものであってもよい。
例えば、フラッシング動作処理を行う場合、不図示の制御装置は、記録ヘッド3をメンテナンス位置まで移動させ、記録ヘッド3とキャップ装置50とを対向させる。このとき、保持プレート55に形成されたノズル開口部56とノズル列Lとが対応するようにキャップ装置50を配置させる。そして、キャップ本体52を上昇させてシール部材51の上端部を記録ヘッド3の噴射面43aに当接させる。このとき、シール部材51、記録ヘッド3の噴射面43a、キャップ本体52によって囲まれた領域が密閉される。なお、上述の休止状態から印字処理を行うに先立ち、フラッシング動作を行う場合には、キャップ装置50は記録ヘッド3に当接されているので、記録ヘッド3を移動させる必要が無い。
そして、ノズル47からインクをキャップ装置50内にインクを噴射させる。このとき、キャップ装置50は、保持プレート55に形成されたノズル開口部56が記録ヘッド3のノズル列Lに対応しているので、ノズル47から噴射されたインクはノズル開口部56を介してインク吸収体54上に着弾させることができる。よって、フラッシング動作により噴射されたインク滴が噴射面43aに付着するといった不具合の発生が防止されたものとなる。また、保持プレート55は、インク吸収体54の外周部を露出させる隙間Sを生じさせるものとなっているので、仮に、フラッシング動作時に保持プレート55上にインク滴が着弾した場合でも、上記隙間Sを介してインク滴をインク吸収体54内に吸収することができる。
また、本実施形態によれば、上述したように保存処理時におけるノズル47内のインクの水分吸収に起因するインク噴射不良の発生が防止されたものとなるので、このような噴射不良を解消するためのフラッシング動作を無くすことができる。
続いて、メンテナンス処理として吸引動作を行う場合について説明する。フラッシング動作処理を行う場合、制御装置は、同様に、記録ヘッド3をメンテナンス位置まで移動させ、キャップ本体52を上昇させてシール部材51の上端部を記録ヘッド3の噴射面43aに当接させる。このとき、シール部材51、記録ヘッド3の噴射面43a、キャップ本体52によって囲まれた領域が密閉される。
そして、この状態で吸引機構53を駆動させて密閉空間を吸引し、この密閉空間を負圧状態にする。密閉空間を負圧状態にすることにより、ノズル47から負圧状態になったこの密閉空間に向けてインクが一定量吐出される。このとき、インクは、噴射面43aに対向配置される保持プレート55に形成されたノズル開口部56及び隙間Sを介してインク吸収体54に一部が吸収されるとともに、キャップ本体52の貫通孔60及び接続管57を介して吸引機構53によって吸引されることでキャップ装置50の外部に排出される。よって、上記保持プレート55はキャップ吸引動作を妨げることなく、良好にインクを排出することができる。
また、本実施形態によれば、上述したように保存処理時におけるノズル47内のインクの水分吸収に起因するインク噴射不良の発生が防止されたものとなるので、このような噴射不良を解消するための吸引動作を無くすことができる。
(変形例)
次に、図6、図7を参照して、上記キャップ装置50の変形例に係る構成について説明する。図6は第一の変形例に係るキャップ装置の構成を示す平面図であり、図7は第二の変形例に係るキャップ装置の構成を示す平面図である。
第一の変形例に係るキャップ装置150は、図6に示されるように、保持プレート55が上記ノズル開口部56とは異なる複数の開口部65をさらに有している。これら開口部65はノズル開口部56の延在方向に沿って形成されている。なお、キャップ装置150は上述した実施形態に係るキャップ装置50との違いは、上記開口部65を備えている点のみであり、それ以外の構成については同一である。
この開口部65はインクをインク吸収体54に流入可能とするインク流入部(流体流入部)を構成するものであり、メンテナンス処理時(例えば、フラッシング動作、吸引動作時)に保持プレート55上に着弾したインク滴を、上記開口部65を介してインク吸収体54に吸収可能とするものである。
よって、第一の変形例に係るキャップ装置150を備えたプリンタによれば、上述の実施形態同様にインク吸収体54が外気と接触する面積を極力小さくするとともに、保持プレート55に形成された開口部65を介してインクをインク吸収体54側により良好に流入させることが可能となり、保持プレート55にインク残渣が付着するのを防止できる。
また、第ニの変形例に係るキャップ装置250は、図7に示されるように、保持プレート155が、例えばSUS等のメッシュパターンが非常に密とされるメッシュ構造(網目構造)からなる基材155Aを主体に構成されており、記録ヘッド3のノズル列Lに対応する部分にノズル開口部156が形成されている。なお、基材155Aのメッシュパターンはインク滴を透過可能とする大きさに形成される。
すなわち、本変形例に係る保持プレート155は、メッシュ構造(基材155A)を主体として構成されることからメンテナンス処理時において保持プレート155上にインク滴が着弾した場合でもメッシュ構造を介してインク滴を良好にインク吸収体54側に導くことができる。すなわち、本変形例においては、基材155A自体がインクをインク吸収体54に流入可能とするインク流入部を構成している。
本変形例においては、基材155Aのメッシュパターンの大きさを適宜設定することで、上述した実施形態と同様にインク吸収体54が外気と接触する面積を極力抑えるとともに、基材155Aを構成するメッシュ構造を介してインクをインク吸収体54側に流入させることで保持プレート155上にインク残渣が付着するのを防止することができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記変形例では、保持プレート155の全体がメッシュ構造から構成されたものを例示したが、上記メッシュ構造を一部に設けるようにしてもよい。この場合において、保持プレートが上記開口部65及び上記メッシュ構造の双方を形成するようにしてもよい。
また、上記実施形態及び上記変形例に係るキャップ装置50,150においては、ノズル開口部がノズル列Lに対応するように形成されていたが、図8に示されるようにノズル開口部が各ノズル47に対応して形成される複数の開口350を有する構成を採用してもよい。この構成によれば、ノズル開口部の面積が小さくなるため、外気に接するインク吸収体54の面積を極力小さくできる。よって、非メンテナンス処理時(すなわち、印字処理時)におけるインク吸収体54内から蒸発される水分量をより低減できる。
上記実施形態では、流体噴射装置として、インクジェット式プリンタに具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の流体(機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を噴射したり吐出したりする流体噴射装置に具体化することもできる。
例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる流体を噴射する流体噴射装置であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置であってもよい。
そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置において、噴射される流体(液状体、流状体)が、例えば乾燥等により増粘し吐出不良を引き起こす可能性があれば、本発明を適用することができる。
プリンタの概略構成を示す一部分解図である。 記録ヘッドの構成を説明する断面図である。 記録ヘッドの要部断面図である。 キャップ装置の構成を示す平面図である。 図4におけるA−A´線矢視による断面構造を示す図である。 第一の変形例に係るキャップ装置の構成を示す平面図である。 第二の変形例に係るキャップ装置の構成を示す平面図である。 ノズル開口部の他の構造を示す図である。
符号の説明
1…プリンタ(流体噴射装置)、4…記録ヘッド(噴射ヘッド)、43a…噴射面、50…キャップ装置、52…キャップ本体、54…インク吸収体(流体吸収体)、55…吸収体保持部材(保持プレート)、56…ノズル開口部、65…開口部、150…キャップ装置、156…ノズル開口部、250…キャップ装置、350…開口、L…ノズル群、S…隙間

Claims (6)

  1. 噴射面に流体を噴射する複数のノズルが設けられたノズル群を有する噴射ヘッドと、
    前記噴射面に当接することで前記噴射ヘッドに対するメンテナンス処理を行うキャップ装置と、を備える流体噴射装置において、
    前記キャップ装置は、キャップ本体と、該キャップ本体内に設けられて前記メンテナンス処理時に前記ノズルから排出された前記流体を吸収するとともに、前記キャップ本体内の雰囲気を保湿する流体吸収体と、該流体吸収体の上面を保持する吸収体保持部材と、を含み、
    前記吸収体保持部材は、前記噴射ヘッドの前記ノズル群に対応して形成されるノズル開口部と、前記流体を前記流体吸収体に流入可能とする流体流入部と、を含むことを特徴とする流体噴射装置。
  2. 前記ノズル群は、複数の前記ノズルが一の方向に配置されてなる少なくとも一つのノズル列を含むことを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。
  3. 前記ノズル開口部は、前記各ノズルに対応して形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の流体噴射装置。
  4. 前記吸収体保持部材は、前記流体吸収体の上面における外周部を露出させるとともに前記流体流入部をなす隙間を生じさせるように前記流体吸収材を保持する形状からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  5. 前記流体流入部は、前記吸収体保持部材に形成された前記ノズル開口部とは異なる他の開口部から構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  6. 前記吸収体保持部材は、網目構造を有し、該網目構造が前記流体流入部をなすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
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