JP2009226662A - 液滴吐出ヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル保護が可能で、ノズルを精度良く加工可能とし、ワイピング動作を適切に行えるようにする。
【解決手段】まず、ノズルプレート38となるべき未加工の基板61の液滴噴射面となる側と反対の面61bに、熱収縮体63を接着する。その後、基板61を加熱して熱収縮体63を収縮させ、基板61の熱収縮体63との接着部分周辺が変形してなる突条部67を形成する。その後、基板61にノズル38aを形成する。
【選択図】図9
【解決手段】まず、ノズルプレート38となるべき未加工の基板61の液滴噴射面となる側と反対の面61bに、熱収縮体63を接着する。その後、基板61を加熱して熱収縮体63を収縮させ、基板61の熱収縮体63との接着部分周辺が変形してなる突条部67を形成する。その後、基板61にノズル38aを形成する。
【選択図】図9
Description
本発明は、例えばインクジェットヘッド等の液滴吐出ヘッドとその製造方法に関し、特にノズルの噴射口周辺に凸部を有した液滴吐出ヘッドに関するものである。
液滴吐出装置の一例としてのインクジェットプリンタは、インクをノズルから噴射するインクジェットヘッドを備えている。インクジェットヘッドは、ノズルに連通するインク流路を形成するキャビティユニットと、インク流路内のインクに吐出圧を付与するアクチュエータとを備えている。インクジェットプリンタは、このアクチュエータの駆動により吐出圧が付与されたインクをノズルの噴射口より記録用紙に向けて吐出することによって記録用紙に画像を形成する。
インクジェットヘッドは、ノズルの噴射口が配されたインク滴噴射面を有するノズルプレートを備えている。このインク滴噴射面の噴射口周囲にインクが付着していると、このインクの表面張力によってノズルから噴射されるインク滴が噴射口の径方向に引っ張られ、インク滴の飛翔方向が正規のノズル軸線方向から傾いてしまう。そこで、一般的なインクジェットヘッドのインク滴噴射面には、噴射口の周囲にインクが付着するのを防止するため、撥インク層が膜状に形成されている。
記録用紙はインク滴噴射面から所定距離(例えば、1〜2mm)離れた位置で搬送されており、通常は記録用紙がインク滴噴射面に接触することはない。ただし、例えば印刷中に紙ジャム等によって記録用紙が撓んだ場合、その記録用紙自身や外部からの異物がインク滴噴射面と接触して撥インク層に傷がつく虞がある。そこで、ノズルの噴射口やその周辺に形成された撥インク層を記録用紙などから保護するため、インク滴噴射面から突出する凸部を有したノズルプレートが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2006−256165号公報
特許文献1によれば、樹脂製のノズルプレートに熱プレス処理を行うことによってノズルの噴射口周辺に凸部を形成している。具体的には、300度の高温加熱されたプレス用金型をノズルプレートに押し当ててノズルプレートを軟化させ、軟化した周辺の肉を集めるようにしてノズルプレートと一体の凸部が形成されている。
このようにノズルプレート自身の塑性変形によって凸部を形成する場合、凸部に隣接するノズルの形成箇所周辺の厚みがばらつきやすい。すなわち、ノズルプレートの厚みに個体差が生じやすくなり、所望のノズル形成することが難しくなる。例えば、凸部形成後に、レーザ加工によりノズルを形成する場合、ノズルプレートの厚みに応じてノズルの噴射口の径が変化するため、ノズルの噴射口を精度良く形成することが難しくなり、インクの吐出性能に影響を及ぼすおそれがある。また、ノズルの噴射口を形成してから凸部を形成する場合にも、ノズルの形成箇所周辺の厚みがばらつきやすく、ノズルの形成箇所が所望の位置からずれることもある。
また、一般にインクジェットプリンタは、画像形成時やメンテナンス動作時に、インク滴噴射面上に付着したインクを拭き取るワイピング動作を適宜のタイミングで行うようになっており、これによりプリンタの印字性能が維持されている。
特許文献1の場合、凸部に対してこのノズルの形成箇所と反対側が薄肉となって凹部をなしているため、たとえノズルの形成箇所周辺の厚さがプレス処理の前後で変化しないように配慮しても、インク滴噴射面に対して凹凸が大きいため、ワイピング動作時にワイパーの円滑な動作の妨げとなったり、凸部の周囲(例えば、噴射面と凸部との境界周辺など)にインクが残り易くなる。このため、前述したようにインク滴の飛翔方向が正規の方向からずれて印字性能に影響を及ぼすおそれがある。
そこで、本発明は、ノズル保護が可能で、ノズルを精度良く加工することができ、且つワイピング動作を適切に行えるように構成された液滴吐出ヘッドとその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、ノズルプレートを含む複数の流路部材を有してなるキャビティユニットを備えた液滴吐出ヘッドの製造方法であって、前記ノズルプレートは、液滴を噴射する複数のノズルの噴射口が一方向に配列された液滴噴射面を有するものであり、前記ノズルプレートとなるべき未加工の樹脂基板における前記液滴噴射面と反対側の面に、前記ノズルの列を形成する位置近傍にてその列に沿う熱収縮体を接着する工程と、該熱収縮体を加熱して収縮させることにより、前記樹脂基板の前記熱収縮体との接着部分周辺が変形して前記液滴噴射面となるべき側の面から隆起してなる突条部を前記ノズルの列に沿って形成する工程と、前記樹脂基板にノズルを形成する工程とを有していることを特徴としている。
かかる構成によれば、熱収縮体を加熱すると、樹脂基板における熱収縮体の接着部分の周辺が熱収縮体の収縮方向に引き寄せられて撓み変形し、液滴噴射面から隆起する突条部が形成される。このようにして突条部が形成されるため、突条部が設けられない平坦面と突条部とが滑らかに繋がる。このため、ワイピング時に、ワイパーがこのなだらかな突条部に沿ってインクを拭き取っていくため、突条部の周囲に液体が溜まり易くなることもなく、また、突条部によってワイパーの動作を阻害することもない。また、形成される突条部は、隆起によりなだらかに連続した曲面を有するため、ジャム等で記録用紙が撓んでその端部や一部が、突条部に接触したとしても、角がないためノズルプレートを傷つけにくい。また、樹脂基板を局所的に撓み変形させることによって突条部を形成しているため、樹脂基板の特に平坦部分の厚さは突条部の形成前後で大きく変わることはない。このため、突条部の形成後であってもノズルを精度良く加工することができる。
前記熱収縮体は、少なくとも前記ノズルが配列する一方向に対して直角方向に収縮し、前記未加工の樹脂基板は、前記樹脂基板を変形させる工程の後に他の前記流路部材と接合できる外形寸法となるように、少なくとも前記直角方向において該外形寸法よりも大きく形成されていてもよい。かかる構成によれば、樹脂基板を熱収縮体の収縮に伴う変形させることによって突条部を形成するようにしても、この樹脂基板を流路ユニットと積層接着させてキャビティユニットを構成することができる。
前記熱収縮体を接着する工程に先立ち、前記樹脂基板の前記反対側の面に前記熱収縮体を接着する位置にて前記ノズルの列に沿って延びる反対側溝を形成する工程を更に有し、前記熱収縮体を接着する工程において、前記熱収縮体により該反対側溝が覆われていてもよい。かかる構成によれば、樹脂基板の反対側の面側が反対側溝を埋めるようにして引き寄せられるようになる。このように、樹脂基板が熱収縮体の収縮方向に変形し易くなり、突条部の幅を小さくすることが可能となる。また、反対側溝の深さや幅を適切に設定することによって突条部の高さや幅を調整可能となる。
前記樹脂基板を変形させる工程に先立ち、前記樹脂基板の前記液滴噴射面となるべき面に、前記熱収縮体との接着部分に対応して一対の噴射側溝を形成する工程を更に有していてもよい。かかる構成によっても、樹脂基板の液滴噴射面側にも噴射側溝を埋めるように引き寄せられるようになり、樹脂基板を変形させ易くなる。
前記樹脂基板の前記反対側の面と接合される前記他の流路部材の接合面に、前記熱収縮体との接着部分に対応する位置に凹部を形成する工程と、前記樹脂基板を変形させる工程よりも後に、該凹部内に前記熱収縮体を受容させて前記接合面と前記樹脂基板の前記反対側の面とを接合する工程とを更に有していてもよい。かかる構成によれば、樹脂基板を流路ユニットに積層接合するときに、熱収縮体が積層を阻害することがないため、樹脂基板の反対側の面を流路ユニットに密接させて積層接合することができる。
前記熱収縮体を接着する工程に先立ち、前記樹脂基板の前記反対側の面に凹部を形成する工程を更に有し、前記熱収縮体を接着する工程において、該凹部内に前記熱収縮体を受容させてもよい。かかる構成においても、熱収縮体の露出面を樹脂基板の反対側の面と略同一平面とすることができ、樹脂基板を流路ユニットに積層接着するときに、熱収縮体が積層を阻害することがないため、樹脂基板の反対側の面を該流路ユニットに密接させて積層接合することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは上述の方法によって製造されることを特徴とし、上述と同様の作用を生じる液滴吐出ヘッドを提供することができる。
以上のように、本発明に係る液滴吐出ヘッド及びその製造方法よれば、ノズル保護が可能で、ノズルを精度良く加工することができ、ワイピング動作を適正に実行させることができるようになる。
以下、本発明に係る液滴吐出ヘッドとその製造方法の実施の形態について、インクジェットプリンタに搭載されるインクジェットヘッドを例にして説明する。この説明における方向の概念は、インクの吐出方向を下方、その反対側を上方とし、その他の場合は適宜説明するものとする。
[インクジェットプリンタの概要構成]
まず、図1及び図2を参照して本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の概要構成について説明する。図1はインクジェットプリンタ1の概要構成を示す側面図、図2はインクジェットプリンタ1の概要構成を示す平面図である。
まず、図1及び図2を参照して本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の概要構成について説明する。図1はインクジェットプリンタ1の概要構成を示す側面図、図2はインクジェットプリンタ1の概要構成を示す平面図である。
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、本体底部に記録媒体としての記録用紙2を貯留可能な給紙トレイ3を有し、この給紙トレイ3からは記録用紙2を搬送するための搬送路4が延びている。搬送路4は、給紙トレイ3の背面側(図1の左側)から上方へ向かった後に正面側(図1の右側)へ向けてUターンし、給紙トレイ3の上方に配置されたプラテン5の上面を通過して排紙トレイ6へと導かれている。給紙トレイ3内の記録用紙2は、給紙ローラ7aや搬送ローラ対7bや排紙ローラ対7c等の搬送機構7により搬送路4に沿って1枚ずつ搬送され、プラテン5上を通過して排紙トレイ6へと排出される。
図1及び図2に示すように、プラテン5の上方には、一対のガイドレール8,9が記録用紙2の搬送方向と直交する走査方向に延在している。ガイドレール8,9にはキャリッジ10が摺動可能に支持されており、ベルト伝動等を利用した走査機構11の動作に応じてキャリッジ10が走査方向に往復移動するようになっている。キャリッジ10の下部には、インクジェットヘッド20(液滴吐出ヘッド)が一対のガイドレール8,9の間に配置されるように搭載されている。
図2に示すように、本体内部には、互いに異なる色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のインクを貯留した4つのインクカートリッジ12が着脱可能に装着されている。各インクカートリッジ12内のインクは、チューブやサブタンク等を有してなるインク供給部13を介し、インクジェットヘッド20に互いに独立して供給される。インクジェットヘッド20の下面には複数列のノズルの噴射口46が色ごとに露出して形成され、インクジェットヘッド20は、各列のノズルの噴射口46より互いに異なる色のインクを独立して下方に吐出可能な構成となっている。
上記構成のインクジェットプリンタ1によれば、搬送機構7により給紙トレイ3内の記録用紙2を搬送すると共に、走査機構11によりキャリッジ10を走査方向に往復移動させつつインクジェットヘッド20よりプラテン5上に搬送されてきた記録用紙2に向けて複数種のインクを選択的に吐出することにより、記録用紙2に画像を形成することができる。
また、ガイドレール8,9の一端部(図2中右端部)の下方には、インクジェットヘッド20のメンテナンスを行うためのメンテナンス部14が配置されている。このメンテナンス部14にはワイパー15やキャップ16等が設けられている。
キャップ16はゴム等の弾性材から形成され、上方を開放された略箱状で、仕切りリブ16cを挟んで夫々走査方向に並ぶ2つの凹部16a,16bを有している。キャップ16は上下動可能に設けられており、キャリッジ10をキャップ16の上方で停止させてキャップ16を上動させると、2つの凹部16a,16bを区画するキャップ16の上面がインクジェットヘッド20のノズル面に密着する。このとき、例えば、凹部16a内にはブラックインクを吐出するためのノズルの噴射口が、凹部16b内には他のインクを吐出するためのノズルの噴射口が封止される。キャップ16は、メンテナンス動作や印字を行わない待機時には、このように噴射口を封止することにより噴射口周辺のインクの乾燥が防止される。また、メンテナンス動作を行うときには、キャップ16で噴射口46を封止後、キャップに連通する図示しない吸引ポンプを駆動させることで、噴射口からインクを吸引する吸引パージを行う。パージ終了後は、キャップ16を下降させる。
ワイパー15はゴム等の弾性材で、搬送方向に延在する平板状で、本体側に固定されている。キャリッジ10がワイパー15の上方に移動するとワイパー15の上端縁がインクジェットヘッド20の下面に当接するとともに、キャリッジ10がワイパー15の上方を走査方向に通過するため、ワイパー15によってインクジェットヘッド20の下面に付着したインクを拭い取るワイピング動作が行われる。このワイピング動作は、印字終了後や、メンテナンス動作終了後などに行われる。
[第1実施形態]
次に、図3乃至図17を参照して第1実施形態に係るインクジェットヘッド20とその製造方法について説明する。
次に、図3乃至図17を参照して第1実施形態に係るインクジェットヘッド20とその製造方法について説明する。
図3は第1実施形態に係るインクジェットヘッド20の分解斜視図である。図3に示すように、このインクジェットヘッド20は、複数枚のプレートが積層されたキャビティユニット21と、このキャビティユニット21に対して上方から重ねられて接着される圧電式のアクチュエータ22とを備え、このアクチュエータ22には外部機器との電気的接続を行うためのフレキシブル配線材23が上方から重ねられて接着される。アクチュエータ22の上面には複数の表面電極60が形成され、これにフレキシブル配線材23の下面に露出して形成された図示しない端子が接続されることにより両者が電気的に導通される。
図4はキャビティユニット21の分解斜視図である。図4に示すように、キャビティユニット21は複数種類の流路部材たるキャビティプレート31〜38が積層接着された構成となっている。具体的には、圧力室プレート31、第1接続流路プレート32、第2接続流路プレート33、第1マニホールドプレート34、第2マニホールドプレート35、ダンパープレート36、カバープレート37、及びノズルプレート38が上方からこの順に積層されている。
本実施形態のキャビティプレート31〜38は互いに同一の外形寸法である平面視矩形状に形成されており、その短辺方向(走査方向)の寸法がx、長辺方向(搬送方向)の寸法がyとなっている。
これら各キャビティユニット31〜38は開孔や溝を有し、各キャビティユニット31〜38が積層されるとこれら開孔又は溝が連通してキャビティユニット21のインク流路が形成されるようになっている。
圧力室プレート31には、短辺方向に長寸矩形状の多数の圧力室孔31aが貫通形成され、複数の圧力室孔31aが長辺方向に配列してなる圧力室孔列40a〜40eが、短辺方向に5列並んでいる。そのうち図4中左側2列の圧力室孔列40d,40eがブラックインク用となっており、他の圧力室孔列40a〜40cはそれぞれカラーインク用となっている。また、圧力室プレート31の長辺方向の一端部には、短辺方向に並ぶ4つのインク供給口31bが貫通形成されている。各インク供給口31bにはインク供給部13(図1参照)からの各インクがそれぞれ供給され、そのうち図4中左上端のものがブラックインク用となっていて、他のインク供給口31bには、他のカラーインクがそれぞれ供給される。インク供給口31bには供給されるインクに混入している塵などを除去するためのフィルタ39が被せられている。
第1接続流路プレート32には、各圧力室孔31aの一端部に連通する多数の連通孔32aと、各圧力室孔31aの他端部に連通する多数の流出用貫通孔32bと、各インク供給口31bに連通する4つのインク供給口32cとが貫通形成されている。第2接続流路プレート33は、一端部が各連通孔32aに連通する多数の凹溝33aを有している。該凹溝33aは各圧力室孔31aの下方に配され、凹溝33aの他端部には連通孔33b(図5参照)が貫通形成されている。また、第2接続流路プレート33には、流出用貫通孔32bに連通する流出用貫通孔33cと、インク供給口32cに連通するインク供給口33dとが貫通形成されている。
第1マニホールドプレート34には、各圧力室孔列40a〜40eの下方で長辺方向(圧力室孔列の配列方向)に延在する5つの第1マニホールド孔34aと、流出用貫通孔33cにそれぞれ連通する流出用貫通孔34bとが貫通形成されており、第2マニホールドプレート35には、各第1マニホールド孔34aと重なる位置に連通する5つの第2マニホールド孔35aと、各流出用貫通孔34bに連通する多数の流出用貫通孔35bとが貫通形成されている。
ダンパープレート36には、各流出用貫通孔35bに連通する多数の流出用貫通孔36aが貫通形成されており、平面視で第1、第2マニホールド孔34a、34bと対応する箇所を下方から窪ませて薄肉に形成したダンパ壁36bを有している。カバープレート37には、各流出用貫通孔36aに連通する多数の流出用貫通孔37aが貫通形成される。
ノズルプレート38には、各流出用貫通孔37aに連通する多数のノズル38aが貫通形成される。これらノズル38aは、長辺方向に配列された5列のノズル列41a〜41eをなしている。図4にはそのうちカラーインク用の3列41a,41b,41cを示しており、他の2列41d,41e(図5参照)はブラック用となっている。
図5は図3に示すキャビティユニット21及びアクチュエータ22を接着してなるインクジェットヘッド20を図3のV−V線に沿って切断して示す断面図である。図5に示すように、各キャビティプレート31〜38が積層されると、上下に開口された第1及び第2マニホールド孔34a,35aが第2接続流路プレート33及びダンパープレート36で閉鎖され、5つの共通インク室42が短辺方向に5列並んで形成される。この共通インク室42の長辺方向の一端部は、図4に示すようにインク供給口31b,32c,33dと連通する。図4中左端に配置されたブラック用のインク供給口31b,32c,33dからは図5中左側2列の共通インク室42に供給されている。他のインク供給口31b,32c,33dからのインクは、それぞれの色ごとに共通インク室42に供給される。また、ダンパ壁36bの下方の開口は、ダンパープレート36がカバープレート37の上面で閉鎖されることによりダンパ室36cを形成し、共通インク室42と対応して、短辺方向に5列並んで形成される。
また、各共通インク室42は長辺方向(図5紙面直交方向)に延在し、該長辺方向に配列された多数の接続流路43を介し、その上方にて長辺方向に配列された圧力室44の一端部に連通している。接続流路43は、第1接続流路プレート32の連通孔32a、第2接続流路プレート33の凹溝33a及び連通孔33bによりクランク状に形成されている。圧力室44は、圧力室孔31aの上下開口がアクチュエータ22の下面及び第1接続流路プレート32の上面で閉鎖されることによって形成されている。
圧力室44の他端部は、流出用貫通孔32b,33c,34b,35b,36a,37aが連通してなる流出路45を介し、ノズル38aに連通している。
ノズルプレート38の下面には各ノズル38aの下端が開口し、該開口がインクを噴射するための噴射口46をなしている。このようにノズルプレート38の下面はノズル38aの噴射口46が配列されるインク滴噴射面38b(液滴噴射面)をなしており、また、インクジェットヘッド20の下面をなしている。本キャビティユニット21では、図5中右側から数えて奇数列目の圧力室44a,44c,44eが、短辺方向における図5中右側の端部にて流出通路43に連通し、同じく偶数列目の圧力室44b,44dが、その反対側の端部にて流出通路43に連通している。このため、図5中右側から1列目及び2列目のノズル列41a,41bと、3列目及び4列目のノズル列41c,41dとはそれぞれ、短辺方向に互いに離れて配置される。これに対し、2列目及び3列目のノズル列41b,41cと、4列目及び5列目のノズル列41d,41eとはそれぞれ短辺方向に近接配置される。このノズルプレート38の下面には、後述する方法により、ノズル列の配列方向(すなわち、長辺方向、図5紙面直交方向)に沿って延在する複数の突条部が形成されている。本実施形態では6つの突条部67a〜67fが形成されており、図5中右側2列の突条部67a,67bは1列目のノズル列41aの両側に、中央2列の突条部67c,67dは近接配置された2列目及び3列目のノズル列41b,41cの両側に、図5中左側2列の突条部67e,67fは近接配置された4列目及び5列目のノズル列41d,41eの両側にそれぞれ配置されている。
なお、この突条部の配置は一例を示すものであり、例えば近接配置されるノズル列間に突条部を設けてもよい。また、ノズル列の配置も一例を示すものであって、このノズル列の配置が変更されると突条部の配置も適宜変更され得るものである。
また、アクチュエータ22は、多数枚の圧電シート51〜56と絶縁性を有するトップシート57とが積層されて構成されている。圧電シート51〜56は、それぞれ厚みが30μm程度のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のセラミックス材料からなる。圧電シート51〜56のうち最下層の圧電シート51から上方へ数えて奇数番目の圧電シート51,53,55の上面には、キャビティユニット21の各圧力室孔31aの全てに対応するように配置された共通電極58が印刷形成されている。同じく偶数番目の圧電シート52,54の上面には、各圧力室孔31aに対し個別に対応するよう配置された多数の個別電極59が5列に印刷形成されている。共通電極58及び個別電極59は、各圧電シート51〜56及びトップシート57の側端面またはスルーホール(図示せず)に設けた中継配線(図示せず)を介し、最上層のトップシート57の上面に形成された表面電極60(図3参照)に導通され、共通電極58は定電位(例えばグランド電位)に接続されている。表面電極60は、アクチュエータ22の上面に積層されるフレキシブル配線材23と導電材を介して電気的に接続されている。
このようなインクジェットヘッド20においては、インク供給部13(図1及び図2参照)からフィルタ39(図3及び図4参照)を介して供給されるインクが、インク供給口31b,32c,33d(図4参照)、共通インク室42、接続流路43、圧力室44及び流出路45からなるキャビティユニット21のインク流路内に充填される。この状態で、フレキシブル配線材23(図3参照)及び表面電極60(図3参照)を介して個別電極59に選択的に電圧を印加すると、印加された個別電極58と共通電極59との間の活性部に電位差が生じ、該活性部に電界が作用して積層方向の歪み変形が発生する。このように活性部が変形すると、最下層の圧電シート51が圧力室44内に突出して圧力室44の内圧が上昇し、昇圧したインクが流出路45を通じてノズル38aの噴射口46から下方へ吐出される。電圧印加が解除されて活性部が元の形に戻ると、圧力室44内が負圧となり、共通インク室42から接続流路43を通じて圧力室44内にインクが充填される。
以下、上記インクジェットヘッド20の製造方法と共に突条部に係るノズルプレートの構成について説明する。図6はインクジェットヘッド20の製造方法を示すフローチャートである。図6に示すように、インクジェットヘッド20の製造にあたり、まず各キャビティプレート31〜38となるべき未加工の基板をそれぞれ形成して該基板からキャビティプレート31〜37を形成し(S1)、ノズルプレート38を形成する(S2)。
図4を併せて参照すると、ノズルプレート38を除く各キャビティプレート31〜37の基板は、42%ニッケル合金鋼等から、互いに同一の外形寸法をなす平面視矩形状に形成された金属板であり、50〜150μm程度の厚みを有している。この基板に電解エッチングやレーザ加工やプラズマジェット加工等を用いて前述したインク流路となる所定の開孔や溝を形成することにより、キャビティプレート31〜37が形成される。
図7はこのように形成されたカバープレート37の底面図である。図7に示すように、カバープレート37には、ノズル列と対応する5列の流出用貫通孔37aが長辺方向に配列されている。カバープレート37の下面37bはノズルプレート38の上面38c(図13参照)との接着面となるが、この下面37bには、流出用貫通孔37aの配列方向(長辺方向)に沿って延在する長尺矩形状のシート受容凹部37cが形成されている。このシート受容凹部37cは、ノズルプレート38の上面38cに設けられた後述する熱収縮シート63a〜63f(図13参照)を受容するための非貫通の凹部であり、ノズルプレート38との積層時にこの熱収縮シートと対向する部分に配置されている。シート受容凹部37cの形成方法は特に限定されず、例えば電解エッチング等が用いられる。
本実施形態ではシート受容凹部37cが合計6列形成され、1列目のノズル列41a(図5参照)に対応する流出用貫通孔37aの列の両側と、2列目及び3列目のノズル列40b,40c(図5参照)に対応する2列の流出用貫通孔37a,37aの両側と、4列目及び5列目のノズル列40d,40e(図5参照)に対応する2列の流出用貫通孔37a,37aの両側とにそれぞれ配置されている。
図8は工程S1にて作成されるノズルプレートの未加工基板61を示す斜視図である。図8に示すように、この基板61は、例えばポリイミド系樹脂等の合成樹脂材から形成された樹脂シートであり、50〜150μm程度の均一な厚みdを有し、可撓性を有している。また、基板61は、約300℃程度の高温に加熱されると軟化して塑性変形し得るが、逆にこれよりも十分に低い温度下ではこのような塑性変形をほとんど生じない。この基板61は平面視矩形状に形成され、後述する方法でノズルプレートが形成されるため、その外形寸法を完成品たるノズルプレート38の外形寸法よりも大きい。本実施形態では基板61の短辺方向の寸法x′がノズルプレートの短辺方向の寸法x(図4参照)よりも大きい。
図9は図6に示すノズルプレートの形成工程S2の詳細を示すフローチャートである。図10乃至図13は図9に示す各工程S21〜S24の説明図であり、以下、適宜図10乃至図13を参照しながら図9の流れに沿ってノズルプレートの形成工程を説明する。
ノズルプレートの形成にあたり、まず基板61の下面に撥インク層を形成する(S21)。図10は該工程S21の説明図であって基板61の断面図である。図10に示す基板61の下面61aは、その後ノズルプレート38(図4参照)のインク滴噴射面38bをなす面であり、撥インク層62はインクに対する濡れ性の低い材料をこの基板61の下面61aに塗布することにより形成される。この工程は公知のため詳細説明を省略するが、撥インク層62は基板61の下面61aの全領域に亘って形成される。
次に、この基板61の上面に熱収縮シート(熱収縮体)を接着する(S22)。図11は該工程S22の説明図であり、(a)が基板61の上面図、(b)が(a)のb−b線に沿って示す断面図である。図11に示すように、基板61の上面61bにはエポキシ系やシアノ系等の所定の接着材を介して帯状の6本の熱収縮シート63a〜63f(総括するときは63と示す。)が接着されている。各熱収縮シート63a〜63fは、例えばゴムからなり、約90〜200℃程度に加熱されると、矢印に示すように外側から対応する中心線65a〜65fに向けて幅方向に収縮し、該収縮後に硬化する性質を有している。6本の熱収縮シート63a〜63fはそれぞれ、後で形成されるノズル列41a〜41eの配列方向たる長辺方向に延在している。ここではノズル列41a〜41eは仮想線で示してある。図11(a)下側の2つの熱収縮シート63a,63bは、1列目のノズル列41aを形成すべき位置の近傍にて該ノズル列41aを短辺方向両側から挟むように配置され、中央2つの熱収縮シート63c,63dは、2列目及び3列目のノズル列41b,41cを形成すべき位置の近傍にて該ノズル列41b,41cを短辺方向両側から挟むように配置され、図中上側の2つの熱収縮シート63e,63fは、4列目及び5列目のノズル列41d,41eを形成すべき位置の近傍にて該ノズル列41d,41eを短辺方向両側から挟むように配置されている。
次に、この熱収縮シート63を加熱して突条部を形成する(S23)。図12は該工程S23の説明図であり、(a)が基板61の下面図、(b)が(a)のb−b線に沿って示す基板61の断面図である。図12に示すように、所定温度(例えば90〜200℃程度)に熱せられたヒートパネル66を基板61に対して上面側から接触させることによって熱収縮シート63a〜63fを幅方向(短辺方向)に収縮させる。このとき、基板61は、約300℃程度の高温に加熱されると軟化して塑性変形し得るが、これ以下の温度では、塑性変形がおこらないため、基板61は、自身は塑性変形せずに、熱収縮シート63a〜63fの接着個所及びその周辺がこの幅方向への収縮に伴って各熱収縮シート63a〜63fの中心線65a〜65f側へと引き寄せられ、下面側へ逃げるようにして撓み変形し始める。この後、熱収縮シート63a〜63fに硬化が生じるため、基板61の熱収縮シート63a〜63fの接着部分周辺は下面側へ撓み変形した状態で保持されることになる。したがって、基板61の下面61aには、各熱収縮シート63a〜63fの対応する位置にこの下面61aから隆起してなる突条部67a〜67fが形成される。6列の突条部67a〜67fは、それぞれ各熱収縮シート63a〜63fの中心線65a〜65fに沿って長辺方向に延在している。平坦部61cの下面から突条部67a〜67fの突出端までの距離となる突出高さΔdは数10μm程度となっており、材料に応じて定まる熱収縮シート63a〜63fの熱収縮性、材料に応じて定まる基板61の弾性、又は熱収縮シート63a〜63fの幅方向の寸法等に基づき適宜高さに設計することができる。
このとき6本の熱収縮シート63a〜63fにより基板61が短辺方向に引き寄せられるため、基板61の外形寸法は、長辺方向においてほとんど変化しないが、短辺方向には縮小することとなる。このため、該工程S23を行う前における基板61の短辺方向の寸法x′は、完成品であるノズルプレート38の短辺方向の寸法xから、この撓み変形によって縮小する寸法Δx分だけ大きく形成されている。
熱収縮シート63a〜63fが収縮作用を発揮する温度は、基板61の軟化が生じる温度に比べて低く、また、熱収縮シート63a〜63fを加熱するにあたっては熱プレス処理を行うときほどヒートパネル66を基板61に強く押圧する必要もないため、この加熱工程を経ても基板61の厚みd自体の変化は小さい。特に、熱収縮シート63a〜63fが接着されていない基板61の大部分の領域は、基板61の形成工程S1(図5参照)後と同様の均一の厚みdを有する平坦部61cをなしている。突条部67a〜67fは、基板61がこのように撓むことにより形成されるため、その表面は曲面をなして平坦部61cと滑らかに連続している。
次に、基板にノズルを形成する(S24)。図13は該工程S24の説明図であり、ノズルプレート38の断面図である。ここでは、図13に示すように、基板61の上面側からレーザ光68によって基板61の平坦部61cにノズル38aが貫通形成される。これにより基板61の下面61aは、撥インク層62を有すると共にノズル38aの噴射口46が形成されたインク滴噴射面38bをなし、完成品たるノズルプレート38が形成される。ノズル38aは、1列目及び2列目の突条部67a,67bの間に1列のノズル列41aが長辺方向に配列され、3列目及び4列目の突条部67c,67dの間に2列のノズル列41b,41cが長辺方向に配列され、5列目及び6列目の突条部67e,67fの間に2列のノズル列41d,41eが長辺方向に配列される。ノズル38aは、レーザ加工により形成されるため、その性質上下方に縮径したノズル38aが形成されるようになっている。この加工法によれば、基板61の平坦部61dの厚みに応じてノズル38aの噴射口46の径が変化する(分厚いほど径が小さくなる)。但し、本実施形態においては、前述したように基板61に突条部67a〜67fを形成する工程S23の前後で平坦部61cの厚みdはほとんど変更しないため、基板61を形成する工程S1(図6参照)において基板61の厚みを管理しておけばノズル38aの噴射口46の径の個体差を小さくすることができ、インクジェットヘッド20の歩留まりが向上する。
図6に戻り、工程S1及びS2に次いで、各キャビティプレート31〜38を下方から順に積層接着してキャビティユニット21を形成する(S3)。プレート31〜38間の接着にはエポキシ系やシアノ系等の所定の接着剤が用いられる。
図14は該工程S3のうちカバープレート37及びノズルプレート38の接着を説明する図であり、カバープレート37及びノズルプレート38を接着した状態の断面図である。図14に示すように、両プレート37,38の接着にあたり、ノズルプレート37の上面に予めエポキシ系やシアノ系の接着材を塗布しておき、このノズルプレート38の上方からカバープレート37を重ねるようにしてノズルプレート38の上面38aとカバープレート37の下面37bとを接着する。このとき、ノズルプレート38の上面に接着されている各熱収縮シート63a〜63fは、カバープレート37の下面37bに形成されているシート受容凹部37c内に受容される。このため、ノズルプレート38の上面38cがカバープレート37の下面37bと密接し、熱収縮シート63があることによる浮き上がりを生じさせることなくノズルプレート38とカバープレート37とが接着される。なお、シート受容凹部37c内には熱収縮シート63a〜63fとシート受容凹部37cの内面との間に空隙が形成され得るが、予め接着剤をシート受容凹部37c内に充填しておく等すればこの空隙を埋めることも可能である。
再び図6に戻り、圧力室プレート31の上面にフィルタ39を接着し(S4)(図3及び図4参照)、キャビティユニット21に対して上方からアクチュエータ22を重ねるように接着する(S5)(図3及び図5参照)。これにより圧電式のインクジェットヘッド20が構成される。
なお、図6及び図9に示す工程S1〜S4,S21〜S24には順序を入れ替えてもよく、例えば撥インク層を形成する工程S21は必ずしもノズルプレートを形成する工程の最初に行わなくてもよい。また、ノズルプレートとカバープレートをそれぞれ形成した上で両プレートを接着するとしているが、シート受容凹部37やインク流出口が形成されたカバープレートと、突条部形成後の基板61とを接着し、その後カバープレートの上面側から貫通孔を通じてレーザ光にてノズルを形成するようにしてもよい。また、便宜上ノズルプレートを形成する工程に先立ってキャビティプレートを形成するとしているが、各キャビティプレートは互いに独立して形成され得るものであり、各プレートの形成順序は特に限定されない。
以下、このように製造されたインクジェットヘッド20が図1及び図2に示すインクジェットプリンタ1に搭載された場合の作用について説明する。
図15は図6に示す方法によって製造されたインクジェットヘッド20の底面図である。インクジェットヘッド20の下面のノズル列41a〜41eは、図15中左側2列がブラックインク用のノズル列41d,41eで、図15中左側3列がカラーインク用のノズル列41a〜41cである。
メンテナンス時や、待機中においては、図2に示すキャップ16が複数のノズルの噴射口46を封止する際、インクジェットヘッド20のインク滴噴射面38bに対してキャップ16の上面が密着する。キャップ16の上面がインク滴噴射面38bに密着すると、仕切りリブ16cの上面が平坦部に密着し、第1凹部16a内にブラック用のノズル列41d,41eが封止されると共に該ノズル列41d,41eに隣接する突条部67e,67fが収容される。また、第2凹部16b内にカラー用のノズル列41a〜41cが封止されると共に該ノズル列41a〜41cに隣接する突条部67a〜67dが収容される。このようにキャップ16の上面が突条部67a〜67fに当接しないようになっており、これにより第1及び第2凹部16a,16b内にノズルの噴射口46が密閉されるようになっている。
図16は図1に示すインクジェットプリンタ1の記録用紙2の搬送動作の説明図であり、インクジェットヘッド20の周辺を側面視で示す模式図である。図16に示すように、画像形成時に、搬送ローラ7bよりプラテン5上に搬送されてきた記録用紙2がジャミング等によって上下に撓んでも、上方に撓んだ記録用紙2は、インク噴射面38bから下方に突出した突条部67にまず接触するようになるため、ノズルが開口している平坦部61cに記録用紙2が接触するおそれが低減される。このような突条部67がノズル列に沿って設けられているため、各噴射口が記録用紙2と接触して損傷するのを防止することができる。さらに、これによりインク滴噴射面38bをプラテン5側に近付けるようインクジェットヘッド20を配置し、インクジェットプリンタ1の印字性能の向上を図ることができる。
図17は図2に示すインクジェットプリンタ1のワイピング動作の説明図であり、ワイパー15周辺を正面視で示す模式図である。なお、図17では、撥インク層は省略して示してある。図2に示すキャリッジ10が走査方向におけるプラテン5側からメンテナンス部14側へと移動している場合を想定する。
キャリッジ10がワイパー15の上方まで移動すると、まず、図17(a)に示すように、ワイパー15の上端縁がインクジェットヘッド20のインク滴噴射面38aのノズル列46a側の端部の平坦部61c(図15の右側端の平端部61c)に当接し、その上端縁が弾性変形して密着する。この状態でキャリッジ10が移動することによって、インク滴噴射面38bに付着しているインク100がワイパー15のこの移動方向(図17の左側方向)へと拭い取られる。
そして、図17(b)に示すように、ワイパー15は平坦部61cから突条部67aへと連続するなだらかな面上に沿って接触した状態を維持しながらに弾性変形する。該連続面70は平坦部61cと突条部67aの表面との間を滑らかに繋ぐ曲面をなしているため、ワイパー15の相対移動に過大な抵抗が加わらず、またワイパー15の上端縁がインク滴噴射面38bから離間するようなこともなく、ワイパー15の相対移動をスムーズに行わせることができる。さらにキャリッジ10が移動しても、図17(c)に示すように、ワイパー15は突条部67の表面に接触した状態を維持しながら弾性変形する。このため、平坦部61cから運ばれたインク100は、このワイパー15の動作に基づいて突条部67の表面に沿って運ばれ、該インクが突条部67と平坦部61cの境界部分に溜まるおそれが低減されている。
次いで、図17(d)に示すように、ワイパー15は突条部67の突出端を乗り越え、突条部67の表面に接触した状態をさらに維持する。このとき、ワイパー15は突条部67の突出端に接触する際にその弾性変形量が最も大きくなるが、この突出端を通過するとワイパー15はその弾性変形している状態から復動し、突条部67の表面に直ぐに接触する。このため、平坦部61cから突条部67の表面まで運ばれたインク100は、このワイパー15の動作に基づいて突条部67の突出端を乗り超えるように運ばれる。
さらに、図17(e)に示すように、ワイパー15は突条部67から平坦部61cへと連続する面70上に接触した状態を維持しながらに弾性変形する。該連続面70は平坦部61cの下面と突条部67の表面との間を滑らかに繋ぐ曲面をなしているため、ワイパー15の相対移動をスムーズに行わせることができる。このため、突出端を乗り越えたインク100は、このワイパー15の動作に基づいて突条部67から平坦部61cへと運ばれ、該インクが突条部67と平坦部61cの境界部分に溜まるおそれが低減されている。
このように本実施形態に係る方法により製造されたインクジェットヘッド20によれば、ノズル保護のために設けた突条部67が平坦部61cと滑らかな曲面で連続しており、また、インク滴噴射面38bは突条部67を除く大部分の領域が平坦になっているため、このインク滴噴射面38bに付着しているインクを良好に拭き取ることができる。また、記録用紙2が上方に撓んで搬送されてきたときに、その記録用紙2の端部や一部分が、突条部67に接触した時、突条部67がなだらかな曲面を有し、角を有しないため、突条部67(撥インク層を含む)が欠けたり破損するなど、ノズルプレートの撥インク層を傷つけることが少ない。
[第2実施形態]
次に、図18乃至図22を参照しながら、第2実施形態に係るインクジェットヘッド120とその製造方法について説明する。本実施形態の第1実施形態との主な相違点は、熱収縮シートの接着工程に先立って基板下面に溝(反対側溝)を形成する工程を追加している点である。以降の各実施形態の説明では、その実施形態と前述した実施形態との相違点を主に説明し、前述した実施形態との共通点については同一符号を付すなどして詳細な説明を省略している。
次に、図18乃至図22を参照しながら、第2実施形態に係るインクジェットヘッド120とその製造方法について説明する。本実施形態の第1実施形態との主な相違点は、熱収縮シートの接着工程に先立って基板下面に溝(反対側溝)を形成する工程を追加している点である。以降の各実施形態の説明では、その実施形態と前述した実施形態との相違点を主に説明し、前述した実施形態との共通点については同一符号を付すなどして詳細な説明を省略している。
図18は第2実施形態に係るインクジェットヘッド120の分解斜視図である。図17に示すように、インクジェットヘッド120はキャビティユニット121の上面に圧電式のアクチュエータ22を接合してなる。キャビティユニット121をなすキャビティプレートはノズルプレート138を除き第1実施形態と同様のものである。
図19は第2実施形態に係るノズルプレートの形成工程を説明するフローチャートであり、図20乃至図22は図19に示す工程S122〜S124の説明図である。
ノズルプレート138の形成にあたっては、第1実施形態の工程S21と同様にして基板61に撥インク層を形成し(S121)、次に基板61の上面61bに上側溝161dを形成する(S122)。図20は該工程S122の説明図であり、(a)が基板61の上面図、(b)が(a)のb−b線に沿って示す断面図である。図20に示すように、基板61の上面61bには、複数の上側溝161dが長辺方向に平行に延在するよう形成されている。この上側溝161dは所定開口幅w1及び所定深さh1(h1<a)を有した断面V字状となっており、例えばエッチングやダイサーカッター等の加工法を用いて容易に形成され得る。
次に、基板61の上面61bに熱収縮シート63を接着する(S123)。図21は該工程S123の説明図であり、(a)が基板61の上面図、(b)が(a)のb−b線に沿って示す断面図である。図21に示すように、熱収縮シート63a〜63fは、第1実施形態と同様の材料から同様の形状に形成されており、その幅方向の寸法w1′が上側溝161dの開口幅w1よりも長く、この上側溝161dを上方から覆うように基板61の上面61bに接着される。
次に、熱収縮シート63を加熱する(S124)。図22は該工程S124の説明図であり、(a)が基板61の下面図、(b)が(a)のb−b線に沿って示す断面図である。図22に示すように、ヒートパネル66を用いて熱収縮シート63a〜63fを幅方向に収縮させると、基板61における熱収縮シート63a〜63fが接着個所及びその周辺が、この収縮に伴って中心線65a〜65f側に引き寄せられ、上側溝161dを収縮方向に押し潰すようにして撓み変形する。これにより、基板61の下面側が下方に隆起するようになり、基板61の下面61aに突条部167a〜167fが形成される。このとき、熱収縮シート63は、溝161dの上側に覆うように接着されているため、熱収縮シート63が、溝161dの深さ方向に対して撓むことで、基板61は、その変形力により溝161dの互いに相対する斜傾面が引き合うようにして、溝161dが押し潰され、溝161dの周囲の基板61が下面側に隆起させやすくなっている。そのため、第1実施形態と比べ、突条部167a〜167fの突出高さΔd′を容易に高くすることができ、ノズルの保護性をより高めることができる。また、突条部167a〜167fの表面は曲面であって平坦部61cの下面と滑らかに連続するが、その曲率が第1実施形態と比べて大きくなる。このため、第1実施形態と比べて、熱収縮シートの中心線65a〜65f、すなわち突条部167a〜167fの中心線からノズルの噴射口までの距離を短くすることができ、インクジェットヘッドの小型化に資する。
このように突条部167a〜167fを形成した後は、第1実施形態の工程S24と同様の工程S125が行われ、これによりノズルプレート138(図15参照)が形成される。
[第3実施形態]
次に、図23乃至図26を参照しながら、第3実施形態に係るインクジェットヘッド220について説明する。本実施形態と前述した実施形態との主な相違点は、熱収縮シートの加熱工程に先立って基板下面に溝(噴射側溝)を形成する工程を追加した点である。ここでは便宜的に第2実施形態に係る方法に該工程を追加したものを例示するが、第1実施形態に係る方法に該工程を追加してもよい。
次に、図23乃至図26を参照しながら、第3実施形態に係るインクジェットヘッド220について説明する。本実施形態と前述した実施形態との主な相違点は、熱収縮シートの加熱工程に先立って基板下面に溝(噴射側溝)を形成する工程を追加した点である。ここでは便宜的に第2実施形態に係る方法に該工程を追加したものを例示するが、第1実施形態に係る方法に該工程を追加してもよい。
図23は第3実施形態に係るインクジェットヘッド220の分解斜視図である。図23に示すように、インクジェットヘッド220はキャビティユニット221の上面に圧電式のアクチュエータ22を接合してなる。キャビティユニット221をなすキャビティプレートはノズルプレート238を除き前述した実施形態と同様のものである。
図24は第3実施形態に係るノズルプレート238の形成工程を説明するフローチャートであり、図25及び図26は図24に示す工程S224,S225の説明図である。
ノズルプレート238の形成にあたっては、まず第2実施形態の工程S121〜S123と同様に、撥インク層の形成(S221)、上側溝の形成(S222)、熱収縮シートの接着(S223)を行う。
次に、基板61の下面61aに下側溝261eを形成する(S224)。図25は該工程S224の説明図であり、(a)が基板の下面図、(b)が(a)のb−b線に沿って示す断面図である。図25に示すように、この下側溝261eは、各熱収縮シート63a〜63fの接着部分に対応してそれぞれ2列形成されている。各一対の下側溝261eは、基板61の下面61aにおいて熱収縮シート63a〜63fの中心線65a〜65fを挟んで長辺方向に平行に延在している。下側溝261eはエッチングやカッター等によって容易に形成されるものであり、断面V字状に形成されている。
次に、熱収縮シートを加熱する(S225)。図26は該工程S225の説明図であり、(a)が基板の下面図、(b)が(a)のb−b線に沿って示す断面図である。図26に示すように、ヒートパネル66を用いて熱収縮シート63a〜63fを幅方向に収縮させると、基板61における熱収縮シート63a〜63fとの接着部分周辺が、第2実施形態のようにこの収縮に伴って中心線65a〜65f側に引き寄せられて上側溝161dを押し潰すようにして撓み変形し、下方へ逃げるようにして隆起する。さらに、隆起した基板61の下面側は、一対の下側溝261eをそれぞれ押し潰すようにして撓み変形し、突条部267a〜267fが形成される。
このように形成された突条部267a〜267fは、下側溝261eを押し潰すように撓んだために平坦部の下面と滑らかに繋がらないが、突条部267a〜267fの幅方向の寸法は短くなっている。このため、インクジェットヘッドを短辺方向にコンパクトに構成することができる。
このように突条部267a〜267fを形成した後は、第2実施形態の工程S125と同様の工程S226が行われ、これによりノズルプレート238(図23参照)が形成される。
なお、上側溝を形成する工程S224は、熱収縮シートの加熱工程S225に先立って行われるのであればいつ行われてもよい。
[第4実施形態]
次に、図27乃至図33を参照しながら、第4実施形態に係るインクジェットヘッド320について説明する。本実施形態と前述した実施形態との主な相違点は、熱収縮シートの接着工程に先立って基板上面に熱収縮シートを受容するための凹部を形成する工程を追加した点である。ここでは便宜的に第2実施形態に係る方法に該工程を追加したものを例示するが、他の前述した実施形態にも同様にして該工程を追加することができる。
次に、図27乃至図33を参照しながら、第4実施形態に係るインクジェットヘッド320について説明する。本実施形態と前述した実施形態との主な相違点は、熱収縮シートの接着工程に先立って基板上面に熱収縮シートを受容するための凹部を形成する工程を追加した点である。ここでは便宜的に第2実施形態に係る方法に該工程を追加したものを例示するが、他の前述した実施形態にも同様にして該工程を追加することができる。
図27は第4実施形態に係るインクジェットヘッド320の分解斜視図である。図27に示すように、インクジェットヘッド320は、キャビティユニット321の上面に圧電式のアクチュエータを接合してなる。キャビティユニット321をなすキャビティプレートは、ノズルプレート338及びカバープレート337を除いて前述した実施形態と同様のものとなっている。
図28は図27に示すカバープレート337の底面図である。図7と比較してわかるように、図28に示すカバープレート337は、流出用貫通孔37aが前述した実施形態と同様にして形成されているが、その下面337bにはシート受容凹部が形成されていない。
図29は第4実施形態に係るノズルプレートの形成工程を説明するフローチャートであり、図30乃至図32は図29に示す各工程S323〜S325の説明図である。
ノズルプレートの形成にあたり、まず第2実施形態と同様に、撥インク層の形成(S321)、上側溝の形成(S322)を行う。
次に、基板61の上面61bにシート受容凹部361fを形成する(S323)。図30は該工程S323の説明図であり、(a)が基板61の上面図、(b)が(a)のb−b線に沿って示す断面図である。図30に示すように、シート受容凹部361fは、各上側溝161dと重なるように形成されて長辺方向に延在している。シート受容凹部361fの開口幅w2′は熱収縮シート63の幅と同様となっており、上側溝161dの開口幅w1よりも大きい。また、シート受容凹部361fの開口深さは、熱収縮シート63が後で受容されて同一平面をなすように、熱収縮シート63の厚みとほぼ同様になっている。このため、シート受容凹部361fと上側溝161dとの間には段差が形成され、この段差部において長辺方向に延在する一対の接着面361gが形成される。
次に、熱収縮シート63を接着する(S324)。図31は該工程S324の説明図であり、(a)が基板61の上面図、(b)が(a)のb−b線に沿って示す断面図である。図31に示すように、熱収縮シート63a〜63fは、シート受容凹部361f内に受容され、その幅方向両端縁が一対の接着面361gに接着されるようになっている。このようにシート受容凹部361f内に受容された熱収縮シート63の上側の露出面は、基板61の上面61bと略同一平面を形成する。
次に、熱収縮シート63を加熱する(S325)。図32は該工程S325の説明図であり、(a)が基板61の上面図、(b)が(a)のb−b線に沿って示す断面図である。図32に示すように、ヒートパネル66を用いて熱収縮シート63a〜63fを幅方向に収縮させると、基板61における熱収縮シート63a〜63fが接着個所及びその周辺が、この収縮に伴って中心線65a〜65f側に引き寄せられ、上側溝161dを埋めるようにして撓み、基板61の下面側が下方に隆起して突条部367a〜367fが形成される。このように引き寄せられても、熱収縮シート63a〜63fはシート受容凹部内に受容された状態を維持し、該工程S325後にも熱収縮シート63a〜63fの露出面は平坦部61cの上面と略同一平面を形成する。
次に、第2実施形態の工程S125と同様にして基板にノズルを形成する(S326)。これによりノズルプレート338が形成される(図27参照)。
このようにノズルプレートを形成した後には、第1実施形態の工程S3と同様にして各キャビティプレートが積層接着される。図33は該工程のうち図28に示すカバープレート337と図29に示す工程を経て製造されたノズルプレート338との接着を説明する図であり、カバープレート337及びノズルプレート338を接着した状態の断面図である。図33に示すように、予め接着材が塗布されたノズルプレート338の上面338cに、カバープレート337の下面337bが重ねられるよう接着される。ノズルプレート338の平坦部61cの上面は、略同一平面をなす熱収縮シート63a〜63fの露出面と共に、カバープレート337の下面337bと密接するようになっている。このように、熱収縮シート63a〜63fを受容するための凹部はノズルプレート側に形成されてもよく、前述した実施形態と同様にして浮き上がりを生じさせずにノズルプレートとカバープレートとの接着を行うことができる。
上記実施形態は本発明の範囲を逸脱しない限り適宜変更可能である。例えば、上記実施形態では、複数枚のキャビティプレートを積層してキャビティユニットを形成する積層体のインクジェットヘッドを説明したが、これに限定されるものではない。上記圧力室プレート31からカバープレート37までの各プレートは部分的に又は全体として一体形成されていてもよい。
また、液滴吐出ヘッドがインクジェットプリンタに設けられるインクジェットヘッドである場合について説明したが本発明はこれに限定されるものではなく、着色液を微小液滴として塗布する装置や、導電液を吐出して配線パターンを形成するための装置など、他の液滴吐出装置の液滴吐出ヘッドにも適用可能である。
20 インクジェットヘッド
21 キャビティユニット
31〜38 キャビティプレート
37 カバープレート
37c シート受容凹部
38 ノズルプレート
38a ノズル
38b インク滴噴射面
38c 上面
41a〜41e ノズル列
46 噴射口
61 基板
63a〜63f 熱収縮シート
67a〜67f 突条部
120 インクジェットヘッド
121 キャビティユニット
138 ノズルプレート
161d 上側溝
167a〜167f 突条部
220 インクジェットヘッド
221 キャビティユニット
238 ノズルプレート
261e 下側溝
267a〜267f 突条部
320 インクジェットヘッド
321 キャビティユニット
337 カバープレート
338 ノズルプレート
361f シート受容凹部
367a〜367f 突条部
21 キャビティユニット
31〜38 キャビティプレート
37 カバープレート
37c シート受容凹部
38 ノズルプレート
38a ノズル
38b インク滴噴射面
38c 上面
41a〜41e ノズル列
46 噴射口
61 基板
63a〜63f 熱収縮シート
67a〜67f 突条部
120 インクジェットヘッド
121 キャビティユニット
138 ノズルプレート
161d 上側溝
167a〜167f 突条部
220 インクジェットヘッド
221 キャビティユニット
238 ノズルプレート
261e 下側溝
267a〜267f 突条部
320 インクジェットヘッド
321 キャビティユニット
337 カバープレート
338 ノズルプレート
361f シート受容凹部
367a〜367f 突条部
Claims (7)
- ノズルプレートを含む複数の流路部材を有してなるキャビティユニットを備えた液滴吐出ヘッドの製造方法であって、前記ノズルプレートは、液滴を噴射する複数のノズルの噴射口が一方向に配列された液滴噴射面を有するものであり、
前記ノズルプレートとなるべき未加工の樹脂基板における前記液滴噴射面と反対側の面に、前記ノズルの列を形成する位置近傍にてその列に沿う熱収縮体を接着する工程と、
該熱収縮体を加熱して収縮させることにより、前記樹脂基板の前記熱収縮体との接着部分周辺が変形して前記液滴噴射面となるべき側の面から隆起してなる突条部を前記ノズルの列に沿って形成する工程と、
前記樹脂基板にノズルを形成する工程と
を有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記熱収縮体は、少なくとも前記ノズルが配列する一方向に対して直角方向に収縮し、
前記未加工の樹脂基板は、前記樹脂基板を変形させる工程の後に他の前記流路部材と接合できる外形寸法となるように、少なくとも前記直角方向において該外形寸法よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記熱収縮体を接着する工程に先立ち、前記樹脂基板の前記反対側の面に前記熱収縮体を接着する位置にて前記ノズルの列に沿って延びる反対側溝を形成する工程を更に有し、
前記熱収縮体を接着する工程において、前記熱収縮体により該反対側溝が覆われることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記樹脂基板を変形させる工程に先立ち、前記樹脂基板の前記液滴噴射面となるべき面に、前記熱収縮体との接着部分に対応して一対の噴射側溝を形成する工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記樹脂基板の前記反対側の面と接合される前記他の流路部材の接合面に、前記熱収縮体との接着部分に対応する位置に凹部を形成する工程と、
前記樹脂基板を変形させる工程よりも後に、該凹部内に前記熱収縮体を受容させて前記接合面と前記樹脂基板の前記反対側の面とを接合する工程と
を更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記熱収縮体を接着する工程に先立ち、前記樹脂基板の前記反対側の面に凹部を形成する工程を更に有し、
前記熱収縮体を接着する工程において、該凹部内に前記熱収縮体を受容させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法によって製造されることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008072833A JP2009226662A (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 液滴吐出ヘッド及びその製造方法 |
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JP2009226662A true JP2009226662A (ja) | 2009-10-08 |
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ID=41242668
Family Applications (1)
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JP2008072833A Pending JP2009226662A (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 液滴吐出ヘッド及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009226662A (ja) |
-
2008
- 2008-03-21 JP JP2008072833A patent/JP2009226662A/ja active Pending
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