JP2009223360A - 感知器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポッティング材を加熱硬化する際の内部空間の膨張空気による製造上の悪影響をなくすようにする。
【解決手段】感知器1は、開口部に密閉固定されて監視領域の異常を検出するシート状の熱感知ユニット30と、熱感知ユニット30に対し内部空間70を介して配置された回路基板30とを収容した感知器本体10と、感知器本体10の回路基板側にポッティング材を充填した後に加熱処理により硬化されて内部空間を封止する封止層50とを備える。感知器本体10に、内部空間70を外部に連通して封止層50を過熱処理により硬化させる際の膨張空気をリーク孔85から外部に排出すると共に硬化後にリーク孔を密閉させたリーク構造部80を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、監視領域における火災発生等の各種の異常を感知して警報等を行う感知器に関する。
従来、監視領域における火災発生等の各種の異常を感知して警報等が提案されている。例えば、火災の発生を、火災により発生する熱で感知する熱感知器が提案されている(特許文献1)。
このような感知器は、監視領域における異常を感知する薄いセラミックシートを用いた感知素子と、制御回路等の電気素子を実装した回路基板と、感知素子や回路基板を収容する感知器本体とを備える。
感熱素子は感知器本体の開口部に密閉固定され、その内側に内部空間を介して回路基板を配置し、回路基板の裏側には、硬化樹脂であるポッティング材が注入されて封止層が形成されている。
封止層は、天井等の設置面において生じる結露水等が感知器本体の内部に浸入することで、回路基板に実装した電気素子にショート等の不具合が生じることを防止する。
特開2006−323576号公報
しかしながら、このような内部空間を封止層により密閉する構造の感知器にあっては、次の問題がある。
感知器本体の内部空間を密閉するために注入するポッティング材は、例えば約70℃の温度下において約40分で概ね硬化する材料を使用している。しかしながら、硬化炉の温度を約70℃とした硬化工程における温度上昇により、内部空間の空気が膨張して圧力が高まり、薄いセラミックシートを用いた感熱素子が外側に膨らみ、感熱素子に機械的な負荷がかかる。
また、硬化中のポッティング材に空気が押し出されて気泡が発生し、気泡が抜けた後にクレータが形成され、不良品となって歩留まりが低下する。
この問題を解決するため、従来は回路基板にリーク孔を形成した空気抜き部材を取り付け、空気抜き部材によりポッティング材の注入により封止された内部空間から硬化工程で過熱膨張した空気を抜いて感熱素子に負荷が加わったり、気泡によりポッティング材にクレータができないようにしている。
回路基板に空気抜き部材を取り付けた場合には、硬化工程によりポッティング材を硬化させた後に、空気抜き部材のリーク孔を密閉する必要があり、リーク孔の密閉は空気抜き部材の熱溶着や接着剤の使用などにより行う。
しかし、熱溶着や接着剤によるリーク孔の密閉は、硬化したポッティング材から飛び出している空気抜き部材の先端を加熱して熱溶着したり、接着剤を付けて密閉するため、空気抜き部材を埋設している部分のポッティング材が過熱されたり、接着剤が付着するなどし、封止層に悪影響を与える。また、別部品として空気抜き部材を必要とする分、部品点数が増加し組立製造にも手間がかかることになる。
本発明は、ポッティング材を加熱硬化する際の内部空間の膨張空気による製造上の悪影響を解消するようにした感知器を提供することを目的とする。
本発明は、開口部に密閉固定されて監視領域の異常を検出するシート状の感知素子と、感熱素子に対し内部空間を介して配置された回路基板とを収容した感知器本体と、
感知器本体の回路基板側にポッティング材を充填した後に加熱処理により硬化されて内部空間を封止する封止層と、
を備えた感知器に於いて、
感知器本体に、内部空間を外部に連通して封止層を過熱処理により硬化させる際の膨張空気をリーク孔から外部に排出すると共に硬化後にリーク孔を密閉させたリーク構造を設けたことを特徴とする。
ここで、リーク構造として、感知器本体は、径の大きい回路基板収納部に続いて径の小さい感熱素子収納部を形成した段部をもった円筒形状であり、その段部から外周方向に張出し凹部を形成すると共に張出し凹部の底面から外部軸方向にリーク孔を貫通したリーク部材を突出し、回路基板から延在した張出し片が位置する張出し凹部の底面に、内部空間からリーク孔の開口に至るリーク溝を形成する。
リーク部材は、感知器本体を樹脂により射出成型する金型の抜き方向に突出する。
リーク構造の別の形態として、感知器本体は、径の大きい回路基板収納部に続いて径の小さい感熱素子収納部を形成した段部をもった円筒形状であり、感熱素子収納部から外周方向に向けてリーク孔を形成したリーク部材を突出する。
リーク部材の先端の熱溶着、接着剤の充填、または別部材の固着により、リーク孔を密閉する。
本発明によれば、感知器本体の内部空間を密閉するために注入したポッティング材を加熱硬化させて封止層とする際に、過熱膨張した内部空間の空気は感知器本体に一体に形成したリーク部材のリーク孔から逃げるため、内部空間の圧力は上昇することがなく、感熱素子に機械的な負荷が加わることを防止すると共に、気泡によりポッティング材にクレータが生じて不良品となることを防止することができ、加熱による硬化工程とすることで、硬化時間を短縮して生産効率と歩留りを向上することができる。
またリーク孔を形成したリーク部材を感知器本体の金型抜き方向に突出することで、リーク構造部を感知器本体の成型と同時に実現でき、別の空気抜き部材を使用する場合に比べ、部品点数を低減し、また生産工程を簡単にすることができる。
また加熱処理による硬化工程が終了して封止層を形成した後に、リーク孔を熱溶着や接着剤の使用により密閉する場合、リーク部材は感知器本体から直接外部に突出して封止層を貫通しておらず、このため熱溶着や接着剤によりリーク孔を密閉しても、封止層に悪影響を及ぼすことがなく、封止層により内部空間を確実に密閉することができる。
図1は本発明による感知器の実施形態を示した説明図であり、図1(A)に取付け状態で天井面側となる裏面側の平面図を示し、図1(B)に正面図、図1(C)に取付け状態で下側となる表側の平面図を示している。
図1において、本実施形態の感知器1は、本体カバー20の内部に感知器本体10を収納しており、図1(C)に示すように、本体カバー20の下側となる表面側には熱感知ユニット30が露出しており、図1(A)に示す裏面側には感知器本体10が組み込まれ、感知器本体10の中央部分は内部空間を密閉するためにポッティング材の注入による熱硬化処理で形成された封止層50が露出している。
封止層50の中央部からはガイドプレート60が露出しており、ガイドプレート60の中央に設けた6つの通し穴の内、この実施形態にあっては4つの通し穴に、封止層50の下側に配置している回路基板にハンダ接続したリード線41を引き出している。また、感知器本体10の外周側に形成されたベース部11の2箇所には取付け穴11aが形成され、この取付け穴11aに対し取付けネジを使用することで、感知器1を天井面などに取付けできるようにしている。
図2は図1(A)におけるX−X断面及びY−Y断面を示した断面図である。即ち、図2(A)は図1(A)のX−X断面を示し、図2(B)にそのリーク構造部について拡大した断面を示している。
図2(A)において、感知器1は本体カバー20の内部に感知器本体10を収納している。感知器本体10の下側となる表面側には熱感知ユニット30が、その周囲を接着または超音波溶着などにより固着されて取り付けられている。
感知器本体10の内部の段部に対しては回路基板40が配置されている。熱感知ユニット30と回路基板40との間には内部空間70が形成される。回路基板40の裏面側には、ポッティング材を注入した後に硬化炉において加熱硬化された封止層50が設けられ、内部空間70を密閉構造としている。
感知器本体10の内部空間70に対しては、その左側にリーク構造部80が設けられている。リーク構造部80の詳細は図2(B)の拡大断面図に示される。
感知器本体10は、裏面側の外周に位置する円環状のベース部11の内側に、軸方向に開口して段付きの円筒形状をもっている。この段付きの円筒形状は、裏面側に開口した径の大きな回路基板収納部81と、下側となる表面側に開口した径の小さな感熱素子収納部82を連接しており、その境界部分に段部83が形成され、段部83の部分に回路基板40を裏面側から嵌め入れて位置決めしている。
感知器本体10のリーク構造部80は、回路基板収納部81の段部の部分を更に外側に広げて、図1(A)に示すような張出し凹部87を形成している。張出し凹部87は、回路基板収納部81と感熱素子収納部82の連接部分となる段部から外側方向に延在した窪み部分である。
張出し凹部87の底面から表側となる軸方向に向けてリーク部材84が一体に突出されており、リーク部材84には軸方向にリーク孔85が貫通されている。張出し凹部87の部分には段部83に配置する回路基板40から延在した張出し片が位置するため、張出し凹部87の底面に開口したリーク孔85から内部空間70に向けてリーク溝86が形成されている。
このようなリーク構造部80により、回路基板収納部81と感熱素子収納部82の間の段部83に回路基板40を配置した状態で裏面側からポッティング材を注入し、熱硬化により封止層50を形成する際に、内部空間70はリーク溝86及びリーク孔85を通って外部に連通している。
このため、ポッティング材を注入した後に硬化炉に入れて、例えば70℃とする加熱処理により硬化させる際、内部空間70の空気が加熱により膨張しても、膨張した空気はリーク溝86からリーク孔85を通って外部に排出され、内部空間70の空気の膨張によりシート状の感熱素子である熱感知ユニット30が膨らんで変形したり、充填したポッティング材を通して圧縮した空気が抜けたりすることで、気泡が発生し、気泡によりポッティング材が硬化して封止層50を形成した際に、クレータが残って不良品となってしまうことを防止できる。
図2(C)は図1(A)のガイドプレート60を通るY−Y断面であり、ガイドプレート60は、回路基板40にハンダ付けしているリード線41を封止層50から外部に露出した中央部分で支持している。
このようなガイドプレート60を用いたリード線41の固定により、リード線41に力が加えられたり振動が加わったような場合にあっても、リード線41の動きを直接、封止層50に伝えることを防止でき、封止層50に対するリード線41の埋め込み部分に亀裂が生じたり、リード線41が封止層50と擦れて損傷することを防止できる。
図3は本実施形態におけるリーク構造部を取り出して斜視図として示した断面説明図である。図3のリーク構造部81を見ると、感知器本体10の内側に形成した段付き円筒形状となる回路基板収納部81と、これに続く径の小さい感熱素子収納部82との間の段部83に回路基板40が配置されており、その段部83から外側に向かって形成した張出し凹部87の下側にリーク孔85を備えたリーク部材84が一体に形成され、更にリーク孔85の内側の開口に対しリーク溝86が形成されて、内部空間に連通している。
ここで感知器本体10の内部から外側に形成した張出し凹部87に対して設けたリーク孔85を備えたリーク部材84は、感知器本体10の軸方向に形成されている。感知器本体10の軸方向は、感知器本体10を形成する材料である合成樹脂を用いた射出成型を行う金型の抜き方向となっている。
このため感知器本体10にリーク孔85を備えたリーク部材84を一体に形成する場合、感知器本体10を射出成型により作り出す金型の形状として準備しておけばよく、感知器本体10の金型によりリーク構造部80が実現できるため、リーク構造部80の形成が別部品を使用する場合に比べて簡単にでき、また金型自体も簡単に作ることができる。
図4は本実施形態における感知器本体を示した説明図である。即ち図4(A)は感知器本体を裏面側から見た平面図、図4(B)はリーク構造部を通る断面図、図4(C)は表面側から見た平面図である。
図4において、感知器本体10は、ほぼ円環状のベース部11を裏面側に形成すると共に、表面側に向けて内側に回路基板収納部81と感熱素子収納部82となる径の異なる段付き円筒部を形成した立上げ部12を一体に備えている。
また感熱素子収納部82側の開口部12aの端面より僅かに内側に入った部分に、ほぼ十字状のフレーム形状を持つ支持フレーム13を一体に形成し、支持フレーム13の外側部分、即ち開口部12a側に、図2に示した熱感知ユニット30を配置し、その周囲を接着あるいは超音波溶着などにより密閉状態で固着できるようにしている。
感知器本体10における回路基板収納部81と感熱素子収納部82の間の段部83に続いて、図4にあっては、右側に張出し凹部87を形成し、張出し凹部87の底面位置から軸方向の外部に向けてリーク孔85を備えたリーク部材84を突出している。また張出し凹部87の底面に開口したリーク孔85に対しては、内側の内部空間に至る周縁部から三角溝を用いたリーク溝86が形成されている。
また図4(C)の表面側の平面図に示すように、内側に張出し凹部87を形成したことに伴い、表面側の外側には張出し部88が形成され、張出し部88から軸方向にリーク孔85を備えたリーク部材84が突出している。
図5は図4におけるリーク構造部80側を拡大して示した断面図である。図5から明らかなように、感知器本体10の内側に形成した径の大きな回路基板収納部81と径の小さな感熱素子収納部82の間の段部83の位置から外側に張出し凹部87が形成され、張出し凹部87の底部から下側となる表面側に向けて、リーク孔85を形成したリーク部材84が突出されている。また張出し凹部87の底部に開口したリーク孔85に対してはリーク溝86が形成され、内部空間に連通させている。
ここでリーク孔85を備えたリーク部材84を軸方向に突出している理由は、ポッティング材を注入して熱硬化させた後、内部空間を密閉するために、リーク孔85を密閉させるためである。
封止層50の形成が済んだならば、突出しているリーク部材84の先端をハンダ鏝などの冶具を使用して熱溶着させることでリーク孔85を閉鎖する。このときリーク孔85の熱溶着による密閉を適切にできるようにリーク部材84を突出させている。即ち、突出したリーク部材84の部分をハンダ鏝などにより溶かして押し潰すことでリーク孔85を確実に密閉し、内部空間を密閉構造とすることができる。
またリーク孔85の密封には、熱溶着以外に接着剤を付けることによっても行うことができる。接着剤によるリーク孔85の密閉についても、リーク部材84が突出していることで十分な長さのリーク孔85が形成されており、この十分な長さを持つリーク孔85の中に接着剤を注入することで、接着剤が注入される穴の長さを十分に確保し、確実に、接着剤によってもリーク孔85を密閉することが可能である。
図6は本実施形態における感知器本体の裏面側と表面側について、その斜視図を示している。図6(A)は取付け状態で上側となる裏面側の斜視図であり、図4(A)の裏面側の平面図に対応しており、斜視図として表現することで、リーク構造部80における段部83から外側に延在して形成した張出し凹部87の形状が明確に分る。
張出し凹部87の底部にはリーク孔85が軸方向に向けて形成され、リーク孔85の開口に対し内側の段部83からリーク溝86が形成されている。また感知器本体10の表面側の開口端の少し入った位置には、ほぼ十字状のフレーム部材を一体に形成した支持フレーム13が形成され、この支持フレーム13の下側、即ち開口側に円盤シート状の熱感知ユニットが配置されて、その周囲を接着や超音波溶着によって感知器本体10側に密着固定することになる。
図6(B)は下側となる表面側から見た斜視図であり、図4(C)に対応している。この感知器本体10の表面側にあっては、ベース部11の裏側となる立上げ部12より外側に張出し部88が形成され、張出し部88の下側にリーク部材84が突出し、そこにリーク孔85が開口している。
ここでリーク構造部80を構成している張出し部88及びリーク孔85を備えたリーク部材84は、図2(B)に示したように、本体カバー20に収納した場合に、内部に完全に隠れるように形成しており、したがってリーク構造部80を感知器本体10に設けたとしても、図1に示すように感知器1の外観にはその形状が現れず、リーク構造を備えたことにより感知器美観を損なうことはない。
図7は本実施形態における回路基板を示した説明図である。図7において、回路基板40は図4(B)に示す回路基板収納部81に収納されて、段部83に位置する円盤形状を持ち、リーク構造部80を実現するために張出し凹部87を設けたことに伴い、張出し凹部87に入り込む張出し片42を一体に形成している。この回路基板40には、熱感知ユニット30からの電気信号に基づいて火災を検出するための処理を行う回路の回路素子が実装されている。
図8は本実施形態における熱感知ユニットを示した説明図であり、図8(A)に熱感知ユニット30の平面図と縦断面図を相互に関連させて示し、図8(B)に熱感知ユニット30に収納されるセラミック素子などの平面図と縦断面図を相互に関連させて示している。
図8において、熱感知ユニット30は、その基本的素子構造として、図8(B)に示すように、薄膜円盤状に形成されたセラミック素子31と、セラミック素子31の外側と内側に設けた一対の電極32,33で構成される。ここで電極33、セラミック素子31及び電極32の順に、径を段階的に大きくしており、これは電極32,33からリード端子を取り出すためである。
この図8(B)に示すようなセラミック素子31及び電極32,33からなる感熱素子は、図8(A)に示すように、その表側と裏側にラミネートフィルム34,35を配置して周囲を密着させることで密閉構造としている。ラミネートフィルム34,35としては、例えばポリカーボネートを使用する。更に、必要に応じて、外部に露出する表面側にフッ素樹脂フィルムなどを配置し、外部から湿気が侵入しないようにしてもよい。
熱感知ユニット30は、監視領域の温度が変化すると、焦電効果によって焦電電流を出力する強誘電性物質を薄膜状に焼結して形成しており、このような薄型のセラミック素子31を熱感知素子として用いることで、感知器1全体を薄型化することができる。
電極32,33は、セラミック素子31から出力された焦電電流を回路基板40にリード線を介して出力する。熱感知ユニット30は、図8(A)に示すように、ラミネートフィルム35に対し切欠部36を形成して電極32,33を露出しており、この電極露出部分にリード線を溶着して回路基板40に接続する。
図9は本実施形態における感知器本体の生産工程を示した説明図である。図9(A)は組立前の感知器本体10であり、金型による樹脂の射出成型により形成され、リーク孔を備えたリーク構造部80が一体に形成されている。
図9(B)は感知器本体10の下側となる表面側に、図8(A)に示した熱感知ユニット30を配置し、その周囲を接着または超音波溶着により密閉固着した後、感知器本体10の裏面側よりリード線41をハンダ付けした回路基板40を収納して配置した状態であり、回路基板40は図7に示すような張出し片42を備えた円盤形状を持ち、張出し片42がリーク構造部80における感知器本体10の内側の張出し凹部87の底部に位置している。そして、熱感知ユニット30と回路基板40との間に内部空間70が形成される。
図9(C)は、回路基板40の後ろ側にポッティング材を注入し、注入後に硬化炉に入れて、例えば70℃に加熱した温度下で約40分、加熱処理を行って、ポッティング材を熱硬化させた封止層50を形成する。
この封止層50を形成するためのポッティング材を注入した状態での加熱処理において、内部空間70が加熱されて空気膨張により内部圧力が高まるが、リーク構造部80を設けたことで、内部空間70の空気はリーク孔85から外部に流出し、内部空間70の圧力は上昇することがない。
このため、内部空間70の圧力上昇による熱感知ユニット30が膨らんで外観不良を起こしたり、注入したポッティング材を通って気泡が外部に出たりすることで、固着過程にある封止層50の表面に気泡が抜けたことによるクレータが発生して、そのまま硬化して仕上がり形状を悪化させるといった問題を確実に防止できる。
またリーク構造部80を設けていない場合には、例えば70℃よりも低い、例えば約10℃低い60℃で熱硬化させており、このため、硬化するまでに約60分程度の長い時間が掛かっていたが、本実施形態にあってはリーク構造部80を設けたことで、この問題が解消され、70℃の温度下において約40分、概ね熱硬化させた封止層50を形成でき、生産性を大幅に高めることができる。
図9(D)は熱硬化処理により封止層50を形成した後の処理であり、ハンダ鏝などの熱溶着冶具90を使用し、下側に突出しているリーク部材84のリーク孔85を溶着により密閉する。リーク孔85の密閉は熱溶着冶具90による溶着密閉以外に、接着剤を充填して密閉してもよい。
このときリーク部材84が下側に突出しているため、このリーク部材84の突出部分を溶着により溶かして押し潰すことで、リーク孔85を確実に密閉することができる。なおリーク孔85の熱溶着による密閉は、ハンダ鏝などの熱溶着冶具90による人為的な処理のみならず、適宜の熱溶着冶具を用いた自動機械による熱溶着による密閉であってもよい。
なお、図9(D)の溶着による密閉作業は、図9(C)のポッティング注入前に行っても問題ない。これはポッティング剤の変更などにより熱硬化を必要としない場合などである。
図10は本発明における感知器本体の他の実施形態を示した説明図であり、図10(A)にその断面図を、図10(B)にリーク構造部80の拡大断面図を示している。
図10の実施形態の感知器本体10にあっては、そのリーク構造部80として、感知器本体10に固着した熱感知ユニット30と内部に配置した回路基板40との間に形成される内部空間70に対し、立上げ部12から外周方向にリーク部材84を突出し、そこに横方向にリーク孔85を設けるようにしたことを特徴とする。
この実施形態におけるリーク孔85を開口したリーク部材84にあっては、感知器本体10の金型の抜き方向となる軸方向に対し直交する方向に、リーク孔85を備えたリーク部材84を形成しているため、金型としては分割金型などを使用する必要がある。この金型構造という点では、図10の実施形態に比べ、金型抜き方向にリーク部材84を突出して形成している図4〜図6に示した実施形態の感知器本体10の方が、その点では有利である。
図10の実施形態の感知器本体10についても、それ以外の本体カバー20、熱感知ユニット30、回路基板40については、図4〜図6の実施形態の場合と基本的に同じである。
なお、上記の実施形態は、薄膜のセラミック素子を備えた熱感知ユニット30と回路基板40の間に内部空間が形成され、回路基板40側にポッティング材を充填して、熱硬化処理により封止層を形成して内部空間を密閉する場合のリーク構造部を例に取るものであったが、ポッティング材の注入により内部空間を熱硬化処理により密閉する構造の感知器であれば、適宜の感知器につき同様なリーク構造をそのまま適用することができる。
またリーク構造としては、リーク孔を備えたリーク部材を感知器本体と一体に形成する構造であれば、感知器内部における密閉する内部空間の位置や形状に応じ、この内部空間にリーク孔が連通するようにリーク部材を適宜に配置して外部に連通する適宜の形状を対応させることができる。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含む。
本発明による感知器の実施形態を示した説明図 図1のX−X断面及びY−Y断面を示した断面図 本実施形態におけるリーク構造部を取り出して示した断面説明図 本実施形態における感知器本体を示した説明図 図4におけるリーク構造部側を拡大して示した断面図 本実施形態における感知器本体の裏面側と表面側について示した斜視図 本実施形態における回路基板を示した説明図 本実施形態における熱感知ユニットを示した説明図 本実施形態における感知器本体の組立工程を示した説明図 本発明における感知器本体の他の実施形態を示した説明図
符号の説明
1:感知器
10:感知器本体
11:ベース部
11a:取付孔
12:上げ部
12a 開口部
13 支持フレーム
20:本体カバー
30:熱感知ユニット
31:セラミック素子
32、33:電極
34、35:ラミネートフィルム
40:回路基板
41:リード線
42:張出し片
50:封止層
60:ガイドプレート
70:内部空間
80:リーク構造部
81:回路基板収納部
82:感知素子収納部
83:段部
84:リーク部材
85:リーク孔
86:リーク溝
87:張出し凹部
88:張出し部

Claims (5)

  1. 開口部に密閉固定されて監視領域の異常を検出するシート状の感知素子と、前記感熱素子に対し内部空間を介して配置された回路基板とを収容した感知器本体と、
    前記感知器本体の回路基板側に充填された後に加熱処理により硬化されて前記内部空間を封止する封止層と、
    を備えた感知器に於いて、
    前記感知器本体に、前記内部空間を外部に連通して前記封止層を過熱処理により硬化させる際の膨張空気をリーク孔から外部に排出させると共に硬化後に前記リーク孔を密閉させたリーク構造部を設けたことを特徴とする感知器。
  2. 請求項1記載の感知器に於いて、前記リーク構造部として、
    前記感知器本体は、径の大きい回路基板収納部に続いて径の小さい感熱素子収納部を形成した段部をもった円筒形状であり、前記段部から外周方向に張出し凹部を形成すると共に前記張出し凹部の底面から外部軸方向にリーク孔を貫通したリーク部材を突出し、前記回路基板から延在した張出し片が位置する前記張出し凹部の底面に、前記内部空間から前記リーク孔の開口に至るリーク溝を形成したことを特徴とする感知器。
  3. 請求項1記載の感知器に於いて、前記リーク部材は、前記感知器本体を樹脂により射出成型する金型の抜き方向に突出したことを特徴とする感知器。
  4. 請求項1記載の感知器に於いて、前記リーク構造として、
    前記感知器本体は、径の大きい回路基板収納部に続いて径の小さい感熱素子収納部を形成した段部をもった円筒形状であり、前記感熱素子収納部から外周方向に向けてリーク孔を形成したリーク部材を突出したことを特徴とする感知器。
  5. 請求項2又は4記載の感知器に於いて、前記リーク部材の先端の熱溶着、接着剤の充填、または別部材の固着により、前記リーク孔を密閉したことを特徴とする感知器。
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