JP2009223206A - レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像装置の性能(ズーム倍率、フレアやゴーストの発生防止等)を落とすことなく、より一層の小型化を実現できるようにする。
【解決手段】光軸20の中心と主鏡筒11bの内面との距離をHとし、前玉レンズとズームレンズ14とが最も離れたときのレンズ面の間隔をLとし、被写体側から前玉レンズに入射した入射光21の入射角をθとしたとき、H<tanθ×(L/2)の関係式を満たすとともに、主鏡筒11bの内面の光軸20方向に、入射光21を反射させる反射溝18が設けられ、反射溝18は、ズームレンズ14の直径Dに対して0.6D以上の開口幅Wを有し、幅方向中央に位置する谷部18aと、谷部18aの両側に対称に形成され、下に凸の円弧面で構成された側面傾斜部18bとを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、被写体側に固定して配置される前方レンズと、前方レンズの後方に配置され、光軸方向に移動させて変倍操作を可能とする変倍レンズと、前方レンズ及び変倍レンズを内面側に収納する鏡筒とを備えるレンズ鏡筒及び撮像装置に係るものである。そして、詳しくは、被写体側から前方レンズに入射した入射光が鏡筒の内面で反射して不要光となった際に、その不要光による悪影響を防止するとともに、鏡筒の小型化を可能とした技術に関するものである。
従来から、ビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮像装置には、ズーム機能(変倍機能)を有するレンズ鏡筒が装着されたものがある。このレンズ鏡筒は、被写体側に固定して配置される前方レンズと、前方レンズの後方に配置され、光軸方向に移動可能なズームレンズ(変倍レンズ)とを備えており、ズームレンズを移動させて焦点距離を変化させるようになっている。
図8は、このような従来のレンズ鏡筒110を示す縦断面図である。
図8に示すように、レンズ鏡筒110は、前鏡筒111aと、前鏡筒111aの後方に設けられた主鏡筒111bと、主鏡筒111bの後方に設けられた後鏡筒111cとから構成された円筒状の鏡筒111を備えている。そして、前鏡筒111aに前玉レンズ112が固定され、主鏡筒111bの後部には、前玉レンズ112の光軸120と一致するようにして、後玉レンズ113が固定されている。
また、前玉レンズ112と後玉レンズ113との間にズームレンズ114が配置され、このズームレンズ114は、ズーム枠115に保持されて光軸120上を移動可能となっている。そのため、ズーム枠115を移動させることにより、焦点距離を変化させることができる。さらにまた、後鏡筒111c内にフォーカスレンズ116が配置され、このフォーカスレンズ116は、フォーカス枠117に保持されて光軸120上を移動可能となっている。そのため、フォーカス枠117を移動させることにより、フォーカスレンズ116の後方に配置された撮像素子(図示せず)に被写体像を合焦させることができる。
ところで、光軸120に対して被写体側から入射角θで前玉レンズ112に入射した入射光121は、入射角θの角度が比較的大きく、ズームレンズ114が前玉レンズ112から比較的離れた位置にある場合には、図8に示すように、入射光121がズームレンズ114に直接入ることなく主鏡筒111bの内面に到達し、そこで反射する不要光122となる。そして、この不要光122がズームレンズ114を通過し、最終的に撮像素子(図示せず)に到達すると、フレアやゴーストが発生する原因となる。そのため、主鏡筒111bの内面には、フレア等の原因となる入射光121の反射(不要光122)を抑制するため、遮光溝118が形成されている。
図9は、図8に示すレンズ鏡筒110の遮光溝118を示す縦断面図である。
図9に示すように、遮光溝118は、主鏡筒111bの内面に形成された縦断面が鋸刃状のものである。そのため、入射光121aが主鏡筒111bの内面に直接到達しても、その入射光121aは、遮光溝118の前壁面118aによって反射され、前玉レンズ112(図8参照)側に戻る反射光123となる。そして、この反射光123は、ズームレンズ114(図8参照)を通過することがないので、フレア等の発生が防止される。
しかしながら、主鏡筒111bは、樹脂成型によって形成されるものなので、遮光溝118の鋸刃状の頂点部118bは、完全な鋭角となっていない。そのため、この頂点部118bに到達した入射光121bは、頂点部118bによってズームレンズ114(図8参照)側に反射される不要光122となってしまう。そして、この不要光122がズームレンズ114を通過すると、フレア等が発生する原因となる。
ここで、フレア等の発生は、主鏡筒111bの内面と光軸120(図8参照)との距離が短いほど顕著なものとなる。逆に言えば、フレア等が発生しない条件は、図8に示すように、光軸120の中心と主鏡筒111bの内面との距離をHとし、前玉レンズ112とズームレンズ114とが最も離れたときのレンズ面の間隔をLとし、入射光121の入射角をθとしたとき、H≧tanθ×(L/2)の関係式を満たすことである。具体的に言うと、例えば、L=17mm、θ=55°の場合にフレア等の発生を防止するには、H≧12.1mmとしなければならない。
ところが、レンズ鏡筒110の小型化(主鏡筒111bの直径の縮小)を図ろうとすると、光軸120の中心と主鏡筒111bの内面との距離Hを短くする必要がある。すなわち、上記の例で言えば、レンズ鏡筒110を小型化するためには、H<12.1mm(例えば、9.3mm)としたい。
また、入射角θは、入射光121が前玉レンズ112を通過し、主鏡筒111bの内面で反射してズームレンズ114を通過し得る角度を表しており、入射角θが小さいと、主鏡筒111bの内面では反射せず、逆に大きすぎると、前玉レンズ112での屈折によって主鏡筒111bの内面に対する角度が垂直に近くなる。すると、フレア等の問題がなくなるが、この入射角θは、前玉レンズ121の光学設計によって決定されるものであり、通常は、45°〜60°の範囲とされている(上記の例では、55°)。
さらにまた、ズームレンズ114が前玉レンズ112から離れるほど、不要光122がズームレンズ114を通過しやすくなることから、前玉レンズ112とズームレンズ114とのレンズ面の間隔Lは、ズームレンズ114の移動範囲内で最も大きな値とされる。そして、間隔Lを短くすることは、ズーム倍率を小さくすることとなるので、ビデオカメラ等の性能に影響を及ぼす。
したがって、ズーム倍率を小さくすることなく、前玉レンズ121の通常の光学設計を維持したまま、レンズ鏡筒110の小型化(主鏡筒111bの直径の縮小)を実現するには、H<tanθ×(L/2)の関係式の下で、フレア等の発生を防止することが要求される。また、ビデオカメラ等にレンズ鏡筒110を搭載するに際して、レンズ鏡筒110の周辺に他の構成部材を配置する必要が生じる場合があり、この場合には、主鏡筒111bの外周に凹状部を設けて対応することとなる。すると、主鏡筒111bの内面には逆に凸状部が生じ、光軸120の中心と主鏡筒111bの内面との距離Hが小さくなってしまうことからも、距離Hが小さくてもフレア等を発生させないようにすることが求められている。
そこで、距離Hを小さくしてもフレア等の発生を防止できるようにした技術が知られている。すなわち、この技術は、入射光121がズームレンズ114に直接入ることなく主鏡筒111bの内面に到達し、そこで反射する不要光122となっても、この不要光122がズームレンズ114の外側を通過するようにすることで、フレア等の発生を防止するものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−181771号公報
図10は、上記の特許文献1に開示されたもう1つの従来のレンズ鏡筒210の主要部を示す横断面図である。
図10に示すように、レンズ鏡筒210には、主鏡筒211bの内面の光軸220方向(紙面の垂直方向)に、V字溝218が形成されている。このV字溝218は、幅方向中央に位置する谷部218aの両側に、傾斜角が小さい第1傾斜面218bと傾斜角が大きい第2傾斜面218cとを形成した略V字状のものとなっている。
このようなV字溝218であれば、入射光221が第1傾斜面218bや第2傾斜面218c等によって反射され、不要光222となっても、その不要光222は、図10に示すように、ズームレンズ214の外側に向かう。そのため、光軸220の中心と主鏡筒211bの内面との距離Hを小さくしても、光軸220の方向に沿う略V字状のV字溝218によってフレア等の発生を防止できる。したがって、図10に示すようなレンズ鏡筒210であれば、距離Hを小さくできるので、図8及び図9に示すレンズ鏡筒110よりも小型化(主鏡筒211bの直径の縮小)を図ることができる。
しかし、ビデオカメラや電子スチルカメラ等の撮像装置に対する小型化への要望は大きく、さらなる小型化が求められている。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、撮像装置の性能(ズーム倍率、フレアやゴーストの発生防止等)を落とすことなく、より一層の小型化を実現できるようにすることである。
本発明は、以下の解決手段により、上述の課題を解決する。
本発明の請求項1に記載の発明は、被写体側に固定して配置される前方レンズと、前記前方レンズの後方に配置され、光軸方向に移動させて変倍操作を可能とする変倍レンズと、前記前方レンズ及び前記変倍レンズを内面側に収納する鏡筒とを備えるレンズ鏡筒であって、光軸の中心と前記鏡筒の内面との距離をHとし、前記前方レンズと前記変倍レンズとが最も離れたときのレンズ面の間隔をLとし、被写体側から前記前方レンズに入射した入射光の入射角をθとしたとき、H<tanθ×(L/2)の関係式を満たすとともに、前記鏡筒の内面の光軸方向に、入射光を反射させる反射溝が設けられ、前記反射溝は、前記変倍レンズの直径Dに対して0.6D以上の開口幅Wを有し、幅方向中央に位置する谷部と、前記谷部の両側に対称に形成され、下に凸の円弧面で構成された側面傾斜部とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の発明は、被写体像を撮像する撮像素子と、被写体側に固定して配置され、被写体像を前記撮像素子に導く前方レンズと、前記前方レンズと前記撮像素子との間に配置され、光軸方向に移動させて変倍操作を可能とする変倍レンズと、前記前方レンズ及び前記変倍レンズを内面側に収納する鏡筒とを備える撮像装置であって、光軸の中心と前記鏡筒の内面との距離をHとし、前記前方レンズと前記変倍レンズとが最も離れたときのレンズ面の間隔をLとし、被写体側から前記前方レンズに入射した入射光の入射角をθとしたとき、H<tanθ×(L/2)の関係式を満たすとともに、前記鏡筒の内面の光軸方向に、入射光を反射させる反射溝が設けられ、前記反射溝は、前記変倍レンズの直径Dに対して0.6D以上の開口幅Wを有し、幅方向中央に位置する谷部と、前記谷部の両側に対称に形成され、下に凸の円弧面で構成された側面傾斜部とを備えることを特徴とする。
(作用)
上記の請求項1及び請求項3に記載の発明は、光軸の中心と鏡筒の内面との距離をHとし、前方レンズと変倍レンズとが最も離れたときのレンズ面の間隔をLとし、被写体側から前方レンズに入射した入射光の入射角をθとしたとき、H<tanθ×(L/2)の関係式を満たす。そのため、変倍率に関係する間隔Lと、光学設計によって通常の範囲とされる入射角θとを維持したまま、距離Hが小さくなる。
また、上記の請求項1及び請求項3に記載の発明は、鏡筒の内面の光軸方向に、入射光を反射させる反射溝が設けられている。そして、反射溝は、変倍レンズの直径Dに対して0.6D以上の開口幅Wを有し、幅方向中央に位置する谷部と、谷部の両側に対称に形成された側面傾斜部とを備えている。そのため、入射光が反射溝で反射されて不要光となっても、その不要光は、側面傾斜部によって変倍レンズの外側に反射されるようになる。
さらにまた、上記の請求項1及び請求項3に記載の発明は、反射溝の側面傾斜部が下に凸の円弧面で構成されている。そのため、従来の平面状の側面傾斜部(例えば、図10に示す第1傾斜面218b及び第2傾斜面218c)と比較して、反射溝の起点部における側面傾斜部の傾斜角(円弧面では、起点部の接線がなす角、図10に示す従来例では、第2傾斜面218cがなす角)が同じであっても、谷部の深さが浅くなる。
上記の発明によれば、変倍率や前方レンズの通常の光学設計を維持したまま、光軸の中心と鏡筒の内面との距離Hが小さくなるので、鏡筒を小型化(直径を縮小)することができる。また、距離Hが小さくても、反射溝により、不要光が変倍レンズの外側に反射されるようになるので、フレアやゴーストの発生を防止できる。さらにまた、反射溝は、側面傾斜部が下に凸の円弧面で構成されており、平面状の側面傾斜部に比べて谷部の深さが浅くなるので、鏡筒をさらに小型化することができる。その結果、フレア等の発生を防止しつつ、レンズ鏡筒や撮像装置のより一層の小型化が実現できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)について説明する。
図1は、本実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)のビデオカメラ1(本発明における撮像装置に相当するもの)の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ビデオカメラ1は、レンズ鏡筒10、撮像素子30、画像処理部40、記録再生部50、表示処理部60、ディスプレイ61、ビューファインダ62、制御部70、操作スイッチ71、及び設定スイッチ72によって構成されている。
ここで、レンズ鏡筒10は、鏡筒11と、鏡筒11前方の被写体側に固定して配置された前玉レンズ12(本発明における前方レンズに相当するもの)と、前玉レンズ12の後方に配置され、鏡筒11に固定された後玉レンズ13と、前玉レンズ12と後玉レンズ13との間に配置され、光軸方向に移動させてズーム操作(変倍操作)を可能とするズームレンズ14(本発明における変倍レンズに相当するもの)と、後玉レンズ13の後方に配置され、光軸方向に移動させてフォーカス操作(合焦操作)を可能とするフォーカスレンズ16とを備えている。すなわち、レンズ鏡筒10は、鏡筒11の内面側に前玉レンズ12及び後玉レンズ13を収納固定し、ズームレンズ14及びフォーカスレンズ16を移動可能に収納したものである。なお、前玉レンズ12等は、1枚ではなく、複数のレンズから構成されるレンズ群であっても良い。
また、撮像素子30は、鏡筒11の後方に配置されたCCD(Charge Coupled Device )イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )イメージセンサ等で構成され、前玉レンズ12、後玉レンズ13、ズームレンズ14、及びフォーカスレンズ16によって結像された被写体像を撮像するものである。
撮像素子30で撮像された被写体像は、撮像信号として画像処理部40に出力される。そして、画像処理部40は、この撮像信号に基づいて、動画や静止画の画像データを生成する。
画像処理部40には、記録再生部50、表示処理部60、及び制御部70が接続されており、画像処理部40で生成された画像データは、記録再生部50により、記録媒体(例えば、磁気テープ、光ディスク、磁気ディスク、不揮発性で書き換え可能な半導体メモリ等)に記録される。なお、記録再生部50は、記録媒体に記録されている画像データの再生も行う。
また、画像処理部40で生成された画像データは、表示処理部60により、ディスプレイ61及びビューファインダ62に表示される。すなわち、撮像素子30によって撮像された被写体像は、画像処理部40及び表示処理部60を介してディスプレイ61等に表示され、視認できるようになる。
このような画像処理部40及び表示処理部60は、制御部70によって制御される。すなわち、制御部70は、CPU(Central Processing Unit )等を含むものであり、操作スイッチ71及び設定スイッチ72が接続されている。そのため、操作スイッチ71等の操作に応じて画像処理部40及び表示処理部60が制御され、ビデオカメラ1による撮像、記録、再生等が実行される。なお、設定スイッチ72は、ビデオカメラ1に対する種々の設定を行うためのものである。
図2は、第1実施形態のレンズ鏡筒10を示す縦断面図である。
図2に示すように、第1実施形態のレンズ鏡筒10は、前鏡筒11aと、前鏡筒11aの後方に設けられた主鏡筒11bと、主鏡筒11bの後方に設けられた後鏡筒11cとから構成された円筒状の鏡筒11を備えている。そして、前鏡筒11aに前玉レンズ12が固定され、主鏡筒11bの後部には、前玉レンズ12の光軸20と一致するようにして、後玉レンズ13が固定されている。
また、前玉レンズ12と後玉レンズ13との間にズームレンズ14が配置され、このズームレンズ14は、ズーム枠15に保持されて光軸20上を移動可能となっている。そのため、ズーム枠15を移動させることにより、焦点距離を変化させることができる。さらにまた、後鏡筒11c内にフォーカスレンズ16が配置され、このフォーカスレンズ16は、フォーカス枠17に保持されて光軸20上を移動可能となっている。そのため、フォーカス枠17を移動させることにより、フォーカスレンズ16の後方に配置された撮像素子30(図1参照)に被写体像を合焦させることができる。
ところで、光軸20に対して被写体側から入射角θで前玉レンズ12に入射した入射光21は、入射角θの角度が比較的大きく、ズームレンズ14が前玉レンズ12から比較的離れた位置にある場合には、図2に示すように、入射光21がズームレンズ14に直接入ることなく主鏡筒11bの内面に到達し、そこで反射する不要光22となる。そして、この不要光22がズームレンズ14を通過し、最終的に撮像素子30(図1参照)に到達すると、フレアやゴーストが発生する原因となる。
ここで、第1実施形態のレンズ鏡筒10において、光軸20の中心と主鏡筒11bの内面との距離Hと、前玉レンズ12とズームレンズ14とが最も離れたときのレンズ面の間隔Lと、入射光21の入射角θとの関係について説明すると、レンズ鏡筒10は、H<tanθ×(L/2)の関係式を満たすようになっている。具体的には、距離Hが7.3mm、間隔Lが14.5mm、入射角θが55°である。すなわち、フレア等が発生しない条件である、H’≧tanθ×(L/2)を満たす距離H’(間隔Lが14.5mm、入射角θが55°の場合は、距離H’≧10.3mm)に対し、第1実施形態のレンズ鏡筒10では、距離Hが小さくなっている。
このように、第1実施形態のレンズ鏡筒10で距離Hを小さく設定したのは、主鏡筒11bの直径を縮小するためである。そのため、レンズ鏡筒10の小型化はできるが、このままでは、フレア等の発生を防止できないこととなる。
そこで、第1実施形態のレンズ鏡筒10では、主鏡筒11bの内面側の水平面であって、光軸20の直下の中央部に反射溝18を形成し、フレア等の原因となる不要光22のズームレンズ14への入射を防止している。そして、この反射溝18は、少なくともズームレンズ14の移動範囲(間隔Lの範囲)に形成されている。
図3は、第1実施形態のレンズ鏡筒10の主要部(反射溝18の周辺部)を示す横断面図である。
図3に示すように、レンズ鏡筒10には、主鏡筒11bの内面の光軸20方向(紙面の垂直方向)に、反射溝18が形成されている。この反射溝18は、幅方向中央に位置する谷部18aの両側に、側面傾斜部18bを形成したものである。
この側面傾斜部18bは、谷部18aの両側に対称に形成され、下に凸の円弧面で構成されている。そして、左右の側面傾斜部18bによって形成される反射溝18の開口幅Wは、ズームレンズ14の直径(有効径)Dに対し、0.6D以上(例えば、0.7D)となっている。また、側面傾斜部18bは、円弧面で構成されているが、左右の側面傾斜部18b同士が交差する谷部18a、側面傾斜部18bと主鏡筒11bの水平な内面との接線(側面傾斜部18bの起点部18c)は、丸みのない角部で構成されている。
このような反射溝18を備える第1実施形態のレンズ鏡筒10では、光軸20の中心と主鏡筒11bの内面との距離Hが小さくても、フレア等の発生が効果的に防止される。すなわち、図2に示すように、光軸20の方向をX軸、その垂直方向をY軸とすると、X−Y平面では、不要光22がズームレンズ14を通過するように見える。しかし、図3に示すように、光軸20の水平方向をZ軸とするY−Z平面で見ると、不要光22(図2参照)がズームレンズ14の外側に向かい、ズームレンズ14に入射しないので、フレア等が発生しない。
図4は、第1実施形態のレンズ鏡筒10における反射溝18の作用効果を示す横断面図である。
図4に示すように、前鏡筒11a(図2参照)側(紙面の手前側)からの入射光21が主鏡筒11bの内面に到達すると、それが反射されて不要光22(22a,22b,22c)となる。そして、主鏡筒11bの水平な内面で反射された不要光22aは、前鏡筒11a側から見てズームレンズ14の右外側に向かうので、ズームレンズ14に入射することはない。
また、入射光21が反射溝18に入り、側面傾斜部18bの比較的浅い部分で反射された不要光22bは、ズームレンズ14の左外側に向かうので、これもズームレンズ14に入射することはない。さらにまた、入射光21が側面傾斜部18bの比較的深い部分で反射された場合には、反対側の側面傾斜部18bで再び反射されて不要光22cとなるが、この不要光22cもズームレンズ14の左外側に向かうので、ズームレンズ14に入射することはない。
このように、側面傾斜部18b等によって反射された不要光22(22a,22b,22c)は、ズームレンズ14の外側を通過する。そして、側面傾斜部18bは、谷部18aの両側に対称に形成されているので、図4に示す場合と反対側の側面傾斜部18bで反射された不要光も、ズームレンズ14の外側を通過することとなる。すなわち、どの方向からの入射光21に対しても、その不要光22は、ズームレンズ14の外側を通過し、ズームレンズ14に入射しないので、フレア等の発生が防止されるのである。なお、谷部18a及び起点部18cは、丸みのない角部で構成されているので、谷部18a及び起点部18cでの反射によるズームレンズ14への入射は、極力抑えられている。
また、図4では、光軸20付近を通って来る入射光21を図示しているが、実際の入射光は、前玉レンズ12(図2参照)の全面を通過する。そのため、側面傾斜部18bは、不要光22の通過経路とズームレンズ14の直径(有効径)Dとの間に、距離的な余裕が十分できるような円弧面で構成している。さらにまた、側面傾斜部18bを下に凸の円弧面で構成することにより、レンズ鏡筒10が小型化されている。
図5は、第1実施形態のレンズ鏡筒10における反射溝18とレンズ鏡筒10の小型化との関係を示す横断面図である。
ここで、図5では、小型化されることを明確にするため、第1実施形態のレンズ鏡筒10における反射溝18と、図10に示す従来のレンズ鏡筒210におけるV字溝218とを重ねて図示している。
図5に示すように、第1実施形態のレンズ鏡筒10において、入射光21は、反射溝18の側面傾斜部18bで反射され、その不要光22は、ズームレンズ14の外側を通過する。一方、従来のレンズ鏡筒210における入射光221(入射光21と同じ通過経路)は、V字溝218の第1傾斜面218bで反射され、その不要光222は、ズームレンズ214の外側を通過する。そのため、通過経路が同じ入射光21及び入射光221は、同じ大きさのズームレンズ14及びズームレンズ214の外側をどちらも通過するので、フレア等の発生防止効果に変わりはない。
しかし、下に凸の円弧面で構成された側面傾斜部18bを備える反射溝18であれば、平面状の第1傾斜面218b及び第2傾斜面218cを備えるV字溝218よりも小型化が可能となる。すなわち、主鏡筒11b(211b)と反射溝18又はV字溝218との傾斜角(反射溝18の起点部18cにおける側面傾斜部18bの接線がなす角、第2傾斜面218cがなす角)θ’が同じであっても、反射溝18の谷部18aの深さd1は、V字溝218の谷部218aの深さd2よりも浅くなる。そのため、主鏡筒11bは、主鏡筒211bに対し、同じ肉厚であっても、その直径を小さくできる。その結果、第1実施形態のレンズ鏡筒10は、従来のレンズ鏡筒210よりも外径が小さくなり、小型化されたものとなる。
図6は、第2実施形態のレンズ鏡筒80を示す縦断面図である。
また、図7は、第2実施形態のレンズ鏡筒80の主要部(反射溝88の周辺部)を示す斜視図である。
図6に示すように、第2実施形態のレンズ鏡筒80は、前鏡筒81aと、前鏡筒81aの後方に設けられた主鏡筒81bと、主鏡筒81bの後方に設けられた後鏡筒81cとから構成された円筒状の鏡筒81を備えている。そして、前鏡筒81aに第1実施形態のレンズ鏡筒10(図2参照)と同じ前玉レンズ12が固定され、主鏡筒81bの後部には、前玉レンズ12の光軸20と一致するようにして、後玉レンズ13が固定されている。
また、前玉レンズ12と後玉レンズ13との間にズームレンズ14が配置され、このズームレンズ14は、ズーム枠15に保持されて光軸20上を移動可能となっている。さらにまた、後鏡筒81c内にフォーカスレンズ16が配置され、このフォーカスレンズ16は、フォーカス枠17に保持されて光軸20上を移動可能となっている。
ここで、第2実施形態のレンズ鏡筒80は、主鏡筒81bの内面側の水平面であって、光軸20の直下の中央部に反射溝88が形成されており、フレア等の原因となる不要光22(22d,22e)のズームレンズ14への入射を防止している。この反射溝88は、図7に示すように、幅方向中央に位置する谷部88aの両側に、側面傾斜部88bを対称に形成したものである。そして、この側面傾斜部18bは、下に凸の円弧面で構成されている。また、反射溝88は、主鏡筒81bの後部に、後面傾斜部89を備えたものとなっている。
ここで、後面傾斜部89は、図6に示すように、ズームレンズ14側に位置して前玉レンズ12に向かって傾斜している。そのため、前鏡筒81a側からの入射光21が後面傾斜部89に到達すると、それが反射されて不要光22dとなるが、X−Y平面で見て、ズームレンズ14の上方に向かい、ズームレンズ14に入射しないので、フレア等が発生しない。
また、入射光21が反射溝88に入り、側面傾斜部88b(図7参照)で反射された不要光22eは、X−Y平面では、ズームレンズ14を通過するように見えるが、光軸20の水平方向をZ軸とするY−Z平面で見ると、ズームレンズ14の外側を通過する。すなわち、側面傾斜部88bは、図4に示す第1実施形態のレンズ鏡筒10における反射溝18の側面傾斜部18bと同様に、下に凸の円弧面で構成されているので、Y−Z平面でズームレンズ14の外側に向かい、ズームレンズ14に入射することはない。
このように、後面傾斜部89や側面傾斜部88bによって反射された不要光22(22d,22e)は、ズームレンズ14に入射しない。すなわち、第2実施形態のレンズ鏡筒80は、どの方向からの入射光21に対しても、その不要光22がズームレンズ14に入射しないので、フレア等の発生が防止される。そして、フレア等の発生を防止しつつ、光軸20の中心と主鏡筒81bの内面との距離Hを小さくできるとともに、反射溝88の谷部88a(図7参照)の深さd3を浅くできる。その結果、第2実施形態のレンズ鏡筒80は、主鏡筒81bの外径が小さく、小型化されたものとなる。
本実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)のビデオカメラの構成を示すブロック図である。 第1実施形態のレンズ鏡筒を示す縦断面図である。 第1実施形態のレンズ鏡筒の主要部(反射溝の周辺部)を示す横断面図である。 第1実施形態のレンズ鏡筒における反射溝の作用効果を示す横断面図である。 第1実施形態のレンズ鏡筒における反射溝とレンズ鏡筒の小型化との関係を示す横断面図である。 第2実施形態のレンズ鏡筒を示す縦断面図である。 第2実施形態のレンズ鏡筒の主要部(反射溝の周辺部)を示す斜視図である。 従来のレンズ鏡筒を示す縦断面図である。 図8に示すレンズ鏡筒の遮光溝を示す縦断面図である。 もう1つの従来のレンズ鏡筒の主要部を示す横断面図である。
符号の説明
1 ビデオカメラ(撮像装置)
10 レンズ鏡筒
11 鏡筒
12 前玉レンズ(前方レンズ)
14 ズームレンズ(変倍レンズ)
18 反射溝
18a 谷部
18b 側面傾斜部
20 光軸
21 入射光
30 撮像素子
80 レンズ鏡筒
81 鏡筒
88 反射溝
88a 谷部
88b 側面傾斜部
89 後面傾斜部

Claims (3)

  1. 被写体側に固定して配置される前方レンズと、
    前記前方レンズの後方に配置され、光軸方向に移動させて変倍操作を可能とする変倍レンズと、
    前記前方レンズ及び前記変倍レンズを内面側に収納する鏡筒と
    を備えるレンズ鏡筒であって、
    光軸の中心と前記鏡筒の内面との距離をHとし、
    前記前方レンズと前記変倍レンズとが最も離れたときのレンズ面の間隔をLとし、
    被写体側から前記前方レンズに入射した入射光の入射角をθとしたとき、
    H<tanθ×(L/2)の関係式を満たすとともに、
    前記鏡筒の内面の光軸方向に、入射光を反射させる反射溝が設けられ、
    前記反射溝は、
    前記変倍レンズの直径Dに対して0.6D以上の開口幅Wを有し、
    幅方向中央に位置する谷部と、
    前記谷部の両側に対称に形成され、下に凸の円弧面で構成された側面傾斜部と
    を備えることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
    前記反射溝は、前記変倍レンズ側に、前記前方レンズに向かって傾斜する後面傾斜部を備える
    ことを特徴とするレンズ鏡筒。
  3. 被写体像を撮像する撮像素子と、
    被写体側に固定して配置され、被写体像を前記撮像素子に導く前方レンズと、
    前記前方レンズと前記撮像素子との間に配置され、光軸方向に移動させて変倍操作を可能とする変倍レンズと、
    前記前方レンズ及び前記変倍レンズを内面側に収納する鏡筒と
    を備える撮像装置であって、
    光軸の中心と前記鏡筒の内面との距離をHとし、
    前記前方レンズと前記変倍レンズとが最も離れたときのレンズ面の間隔をLとし、
    被写体側から前記前方レンズに入射した入射光の入射角をθとしたとき、
    H<tanθ×(L/2)の関係式を満たすとともに、
    前記鏡筒の内面の光軸方向に、入射光を反射させる反射溝が設けられ、
    前記反射溝は、
    前記変倍レンズの直径Dに対して0.6D以上の開口幅Wを有し、
    幅方向中央に位置する谷部と、
    前記谷部の両側に対称に形成され、下に凸の円弧面で構成された側面傾斜部と
    を備えることを特徴とする撮像装置。
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