JP2009222159A - 潤滑液供給機構 - Google Patents

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弘一 奥田
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Abstract

【課題】電動モータが正回転または逆回転する場合のいずれにおいても、潤滑液を潤滑油必要部に供給することの可能な潤滑液供給機構を提供する。
【解決手段】回転部材10,16の動力により回転されて潤滑液溜まりD1の潤滑液を吸入し、かつ、吸入した潤滑液を吐出するポンプ17と、ポンプ17から吐出された潤滑液が供給される潤滑液必要部2,4,11,13,14,15,21,23とを有する潤滑液供給機構において、ポンプ17が正方向に回転して潤滑液を吸入および吐出するときは、ポンプ17から吐出された潤滑液を潤滑液必要部2,4,11,13,14,15に供給する一方、ポンプ17が逆方向に回転してそのポンプ17で潤滑液の吸入および吐出がおこなわれないときは、回転部材10,16の回転により潤滑液溜まりD1から掻き上げられた潤滑液を、潤滑液必要部2,4,11,13,14,15,21,23に供給する切替機構16,17,18,20を備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、ポンプから吐出された潤滑液を、潤滑液必要部に供給する構成を有する潤滑液供給機構に関するものである。
一般に、車両、産業機械などの摺動部分および発熱部分に潤滑油を供給して、その対象部位を冷却および潤滑する潤滑装置が知られており、潤滑油をオイルポンプにより吸入および吐出する構成の潤滑装置の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された電動車両は、駆動装置ケース内に、走行用モータ、デファレンシャル装置、減速機などを収容しており、この駆動装置ケース内には潤滑油溜まりが設けられている。そして、走行用モータのトルクが、デファレンシャル装置のデファレンシャルケースおよびピニオンギヤを経由して第1駆動軸および第2駆動軸に伝達され、その第1駆動軸および第2駆動軸のトルクが減速機を経由して、伝動軸に伝達される構成となっている。
さらに、駆動装置ケース内には機械式オイルポンプが設けられており、走行用モータの動力により機械式オイルポンプが駆動されて、潤滑油溜まりの潤滑油が吸入および吐出され、その潤滑油が潤滑油必要部、つまり、デファレンシャル装置、減速機を構成するギヤ同士の噛み合い部分に供給される構成である。機械式オイルポンプの駆動系を説明すると、デファレンシャル装置のデファレンシャルケースには、走行用モータのロータが動力伝達可能に接続されており、そのデファレンシャルケースと一体的に回転するポンプドライブギヤが設けられている。また、このポンプドライブギヤに噛合されたポンプドリブンギヤが設けられており、そのポンプドリブンギヤを介して回転体が回転されて、機械式オイルポンプが作動される構成である。
特開平6−98417号公報
しかしながら、特許文献1に記載された電動車両では、機械式オイルポンプが走行用モータにより駆動される構成であるため、走行用モータが一方向に回転するときには機械式オイルポンプが駆動されてオイルの吸入および吐出がおこなわれるが、走行用モータが逆回転すると機械式オイルポンプではオイルの吸入および吐出がおこなわれなくなり、潤滑油を充分に供給できなくなる虞があった。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、電動モータが正回転してポンプが駆動されて潤滑液を供給できるとともに、電動モータが逆回転する場合も潤滑液を潤滑油必要部に供給することの可能な潤滑液供給機構を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転部材の動力により回転されて潤滑液溜まりの潤滑液を吸入し、かつ、吸入した潤滑液を吐出するポンプと、このポンプから吐出された潤滑液が供給される潤滑液必要部とを有する潤滑液供給機構において、前記ポンプが正方向に回転して前記潤滑液を吸入および吐出するときは、そのポンプから吐出された潤滑液を前記潤滑液必要部に供給する一方、前記ポンプが逆方向に回転してそのポンプで前記潤滑液の吸入および吐出がおこなわれないときは、前記回転部材の回転により前記潤滑液溜まりから掻き上げられた潤滑液を、前記潤滑液必要部に供給する切替機構を備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記潤滑液溜まりの液面を、前記ポンプが正回転して前記潤滑液を吸入および吐出する場合の液面よりも、前記ポンプが逆回転して前記回転部材により前記潤滑液溜まりから潤滑液を掻き上げる場合の液面を高くする液面調整機構を有することを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記液面調整機構は、前記ポンプが正回転して前記潤滑液を吸入および吐出する場合の液面を、前記回転部材が前記潤滑液に接触しない高さに設定するとともに、前記ポンプが逆回転して前記回転部材により前記潤滑液溜まりから潤滑液を掻き上げる場合の液面を、前記回転部材が前記潤滑液に接触する高さに設定する構成であることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項2または3の構成に加えて、前記液面調整機構は、前記潤滑液溜まりに浸漬される体積変化部を有しており、この体積変化部は、前記ポンプの回転方向の切替に連動して体積が拡大されて前記潤滑液の液面を上昇させ、かつ、体積が縮小されて前記液面を下降させる構成であることを特徴とするものである。
請求項5の発明は請求項4の構成に加えて、前記体積変化部は、前記ポンプが正回転するときの吸入圧で体積が縮小され、かつ、前記ポンプが逆回転するときの吐出圧で体積が拡大する構成であることを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの構成に加えて、車体に懸架装置を介して取り付けられた車輪と、この車輪の一部を構成するホイールの内側に設けられたケーシングと、このケーシングの内部に設けられ、かつ、前記車輪と動力伝達可能に接続された電動モータとを有し、前記ケーシングの内部に前記潤滑液溜まりが設けられ、前記電動モータと前記回転部材とが動力伝達可能に接続されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、回転部材の動力でポンプが正方向に回転し、潤滑液溜まりの潤滑液を吸入および吐出すると、そのポンプから吐出された潤滑液が潤滑液必要部に供給される。一方、ポンプが逆方向に回転してそのポンプで潤滑液の吸入および吐出がおこなわれないときは、回転部材の回転により潤滑液溜まりから掻き上げられた潤滑液が、潤滑液必要部に供給される。したがって、ポンプが正回転する場合または逆回転する場合のいずれにもおいても、潤滑液溜まりの潤滑液を潤滑油必要部に供給することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、回転部材の動力でオイルポンプが正回転し、オイルポンプが潤滑液を吸入および吐出する場合に、回転部材が潤滑液を撹拌することによる動力損失を低減できる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、オイルポンプが正回転して潤滑液を吸入および吐出する場合は、回転部材が潤滑液に接触しないから、回転部材の動力損失を確実に低減できる。これに対して、オイルポンプが逆回転する場合は、回転部材により潤滑液を確実に掻き上げることができる。
請求項4の発明によれば、請求項2または3の発明と同様の効果を得られる他に、潤滑液溜まりに浸漬された体積変化部の体積が拡大されて潤滑液の液面が上昇する一方、体積変化部の体積が縮小されて潤滑液の液面が下降する。
請求項5の発明によれば、請求項4の発明と同様の効果を得られる他に、オイルポンプが正回転するときの吸入圧で体積が縮小され、かつ、オイルポンプが逆回転するときの吐出圧で体積が拡大する。
請求項6の発明によれば、請求項1ないし5のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、電動モータの動力が回転部材を経由して車輪に伝達されるとともに、電動モータの動力で回転部材が正回転するとポンプが駆動される。これに対して、電動モータの動力で回転部材が逆回転すると、回転部材により潤滑液が掻き上げられる。
この発明におけるポンプは、回転部材に入力される動力、または回転部材から出力される動力のいずれにより駆動される構成でもよい。この発明において、潤滑液必要部には、発熱、摺動、焼き付き、摩耗などが生じる対象部位の他に、これらの対象部位に潤滑液を供給するための油路、さらには、前記対象部位に潤滑液を供給する過程で一時的に潤滑液を溜めるタンクなどが含まれる。発熱、摺動、焼き付き、摩耗などが生じる部位としては、歯車同士の噛み合い部分、ベルトとプーリとの接触部分、ディスクとローラとの接触部分、スプロケットとチェーンとの接触部分、電動機の通電部分などが挙げられる。この発明における回転部材は動力を伝達する場合に、略水平な回転軸線を中心として回転する回転要素であり、回転部材には、回転軸、歯車、プーリ、スプロケット、コネクティングドラムなどが含まれる。この発明における液面調整機構は、潤滑液溜まりの液面を、上昇、下降、維持させる機構であり、特に、電動モータの回転方向に基づいて、液面の高さを変更できる。この発明で体積変化部の体積が変化するとは、潤滑液中における体積が変化することである。この発明における潤滑には、対象部位を潤滑することの他、対象部位を冷却することが含まれる。つまり、この発明における潤滑には、部材同士の間における摩擦係数を小さくすること、部材同士の摩耗を抑制すること、部材の焼き付きを防止すること、部材から熱を奪うことにより、その部材の温度上昇を抑制もしくは温度を低下させること、などの意味が含まれる。この発明における潤滑液には、対象部位を潤滑および冷却する液体、例えば、作動油、ギヤ油などのオイルの他、エマルション系潤滑液、水などが含まれる。
(第1実施例)
つぎに、この発明を車両のインホイールモータに用いた場合の第1実施例を、図1および図2に基づいて説明する。この第1実施例は、請求項1および請求項6の発明に対応する。図1は潤滑液供給機構の正面図、図2は潤滑液供給機構の平面図である。まず、車両の車体(図示せず)には懸架装置(図示せず)を介在させてケーシング1が取り付けられている。この懸架装置は、ストラット形式またはダブルウィッシュボーン形式またはスイングアーム形式またはマルチリンク形式のいずれでもよい。ケーシング1は中空に構成された箱であり、ケーシング1の内部に電動モータ2が設けられており、その電動モータ2はロータ(図示せず)およびステータ(図示せず)を有する。ステータはケーシング1に固定されており、車体には電源(図示せず)が設けられている。その電源とステータとが電気回路により接続されている。
このように構成された電動モータ2に電力が供給されると、電動モータ2は正回転または逆回転が可能である。電動モータ2の正回転および逆回転は、車体に設けられた電子制御装置(図示せず)により制御される。また、ロータには出力軸3が接続されており、その出力軸3にはギヤ4が形成されている。出力軸3は回転軸線A1を中心として回転可能である。一方、ケーシング1の外部には車輪5が設けられている。この車輪5は、金属材料により構成されたホイール6と、ゴム材料により構成されたタイヤ7とを有する。ホイール6は、円板形状部8と、その円板形状部8の外周に連続された円筒部9とを有しており、その円筒部9の内側空間にケーシング1が配置されている。前記ホイール6には回転軸10が動力伝達可能に、具体的には一体回転するように接続されている。この回転軸10は前記ケーシング1の内部に配置されており、軸受11により回転可能に支持されている。
前記電動モータ2の動力を前記回転軸10に伝達する経路の構成を説明すると、ケーシング1の内部にはカウンタ軸12が設けられており、そのカウンタ軸12は軸受13により回転可能に支持されている。前記回転軸10は回転軸線B1を中心として回転可能であり、カウンタ軸12は回転軸線C1を中心として回転可能である。各回転軸線はいずれも略水平であり、かつ、相互に平行に配置されている。カウンタ軸12には2個のギヤ14,15が形成されており、前記回転軸10にはギヤ16が形成されている。そして、ギヤ14とギヤ4とが噛合され、ギヤ15とギヤ16とが噛合されている。これらのギヤは、電動モータ2のトルクを回転軸10に伝達するときに、回転数を低下させる減速機として機能する。
さらに、ケーシング1の内部には電動モータ2の動力で駆動されるオイルポンプ17が設けられている。このオイルポンプ17は、回転式のオイルポンプであり、例えば、歯車ポンプ、ベーンポンプ、ねじポンプなどにより構成されている。このオイルポンプ17は、ケーシング1に固定されたボデー(図示せず)と、回転軸10と共に回転するロータ(図示せず)とを有しており、そのロータは回転軸10と同軸上に配置されている。このオイルポンプ17は、ロータが正回転すると吸入管18からオイルを吸入し、かつ、吐出管20からオイルを吐出する構成であり、ロータが逆回転した場合は吸入管18からのオイル吸入および吐出管20へのオイルの吐出はおこなわれない構成である。
一方、ケーシング1内にはオイルが溜められてオイル溜まりD1が形成されており、前記オイルポンプ17の吸入管18に接続されたストレーナ19がオイル溜まりD1内に浸漬されている。このオイルは対処部位を冷却および潤滑する機能を有する。このストレーナ19はメッシュ状に構成されており、オイルを吸入するときにオイル中の異物を除去できる。さらに、オイル溜まりD1にはギヤ16の一部が浸漬されている。つまり、オイルの液面D2が、ギヤ16の歯先の下端よりも高い位置となるように、ケーシング1の内部に封入されるオイル量が決定されている。また、各ギヤ同士の噛み合い部分は、液面D1よりも上方に位置している。
また、前記オイルポンプ17には吐出管20が接続されており、その吐出管20はキャッチタンク21に接続されている。このキャッチタンク21は、オイル必要部に供給されるオイルを一時的に保持する機構である。このキャッチタンク21は、ケーシング1の内部、より具体的には、前記回転軸10およびカウンタ軸12の上方に配置されている。このキャッチタンク21は、上方に開口部22を有するトレー形状または箱形状を有している。さらに、前記回転軸線B1に沿った方向で、回転軸10のギヤ16の位置と同じ位置に、キャッチタンク21の開口部22が配置されている。さらに、キャッチタンク21内のオイルをキャッチタンク21の外部に排出する排出管23が設けられている。この排出管23は、オイル必要部、例えば、電動モータ2のステータが配置された空間もしくは箇所、各ギヤが配置された空間もしくは箇所、軸受が配置された空間もしくは箇所に、オイルを供給する油路を形成する。
上記の構成において、車両が前進する条件が成立すると、電動モータ2に電力が供給されて出力軸3が正回転、つまり、図1で反時計方向に回転ですると、その出力軸3のトルクがカウンタ軸12を経由して回転軸10に伝達され、車輪で駆動力が発生する。ここで、電動モータ2が正回転するとき、回転軸10の回転方向も正回転である。回転軸10が正回転するとオイルポンプ17のロータが回転軸10の動力で回転し、オイルポンプ17でオイルの吸入および吐出がおこなわれる。具体的には、オイル溜まりD1のオイルが吸入管18を経由してオイルポンプ17に吸入され、オイルポンプ17から吐出管20に吐出されたオイルがキャッチタンク21に供給される。このキャッチタンク21のオイルは、排出管23を経由してオイル必要部に供給されて、オイル必要部が潤滑または冷却される。なお、オイル必要部に供給されたオイルは、ケーシング1の内面に沿って流れるか、または油路を経由して流れオイル溜まりD1に戻る。なお、回転軸10が正回転するとき、ギヤ16の回転によりオイルが掻き上げられるが、回転軸10およびカウンタ軸12の上方にキャッチタンク21が配置されているため、ギヤ16により掻き上げられたオイルは開口部22には届かない。
一方、車両が後退する条件が成立すると、電動モータ2に電力が供給されて出力軸3が逆回転、つまり、図1で時計方向に回転する。すると、その出力軸3のトルクがカウンタ軸12を経由して回転軸10に伝達され、車輪で駆動力が発生する。ここで、電動モータ2が逆回転すると、回転軸10の回転方向も逆回転である。回転軸10が逆回転すると、前記オイルポンプ17はその機構上、吸入管18からオイルの吸入をおこなわず、かつ、吐出管20にオイルの吐出をおこなわない。この実施例では、回転軸10が逆回転するとオイル溜まりD1に浸漬されているギヤ16の回転によりオイルが掻き上げられ、そのオイルの一部が開口部22を通りキャッチタンク21の内部に供給される。
このように、オイル溜まりD1のオイルをキャッチタンク21内に供給するにあたり、オイルポンプ17を経由する第1のオイル供給経路と、ギヤ16により掻き上げられてオイルが空中を通る第2のオイル供給経路とを切り替えることができる。したがって、電動モータ2の出力軸3が正回転する場合、または逆回転する場合の何れにおいても、オイルをオイル必要部に供給することができる。さらに、電動モータ2が逆回転するときに、オイル溜まりD1のオイルをオイル必要部に供給するにあたり、既存のギヤ16を利用してオイルを供給している。このため、専用の部品または専用のデバイスを設けずに済み、潤滑液供給装置の小型化および軽量化が可能であり、かつ、車両への搭載性が良好であり、かつ、コストの上昇を抑制できる。
ここで、図1および図2に示された構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、回転軸10およびギヤ16が、この発明の回転部材に相当し、オイルがこの発明の潤滑液に相当し、オイル溜まりD1が、この発明の潤滑液溜まりに相当し、オイルポンプ17が、この発明のポンプに相当し、キャッチタンク21、排出管21、各ギヤ同士の噛み合い部分、電動モータ2のステータ、軸受11,13などが、この発明の潤滑液必要部に相当し、吸入管18およびオイルポンプ17および吐出管20およびオイルポンプ17およびオイルが飛ばされる空間およびギヤ16が、この発明の切替機構に相当する。
(第2実施例)
つぎに、この発明の第2実施例を、図3に基づいて説明する。この第2実施例は、請求項1ないし6の発明に相当する。この第2実施例において、第1実施例の構成と同じ構成部分については第1実施例と同じ符号を付してある。第2実施例では、ストレーナ19に蛇腹24が取り付けられている。この蛇腹24は、オイル溜まりD1内に浸漬して設けられており、その蛇腹24の内部空間は、前記ストレーナ19の内部空間につながっている。この蛇腹24は内部の圧力変化により、略水平方向に伸縮する構成である。つまり、蛇腹24はオイル溜まりD1内における体積が可変である。この蛇腹24は、耐油性のあるゴム材料により構成されている。また、第2実施例では吐出管20から分岐する供給管25が設けられている。この供給管25は吐出管20のオイルの一部を、カウンタ軸12に形成された油路(図示せず)、あるいは、軸受13に供給する油路である。さらに、吐出管20において、吐出管20と供給管25との接続部分よりもキャッチタンク21に近い箇所には逆止弁26が設けられている。この逆止弁26はオイルポンプ17から吐出されたオイルがキャッチタンク21に流れる向きで開放され、キャッチタンク21のオイルが、オイルポンプ17または供給管25に戻る向きで閉じられる構成である。
この第2実施例で、車両を前進させる条件が成立して電動モータ2が正回転する場合、第1実施例と同じ原理によりオイルポンプ17が駆動されてオイル溜まりD1のオイルがオイルポンプ17により吸入、かつ、吐出されるとともに、逆止弁26が開放されてオイルがキャッチタンク21に供給される。また、吐出管20に吐出されたオイルの一部は、供給管25を経由してカウンタ軸12の油路および軸受13に供給される。また、第2実施例では、オイルポンプ17が駆動されてオイル溜まりD1のオイルが吸入管18から吸入されるときに、前記蛇腹24の内部が負圧となって蛇腹24が収縮し、その蛇腹24の体積が縮小する。このため、オイル溜まりD1の液面D2が一点鎖線で示すように下降して、ギヤ16の下端よりも液面D2の方が低くなる。したがって、オイル溜まりD1のオイルにギヤ16が接触しなくなり、ギヤ16によりオイルが撹拌されることを回避でき、回転軸10の動力損失を抑制できる。また、ケーシング1の上部に通気口(ブリーザ)が設けられている場合に、ギヤ16により掻き上げられたオイルが、そのブリーザからケーシング1の外部に排出されることを回避できる。
これに対して、車両を後退させる条件が成立して、電動モータ2が逆回転してオイルポンプ17が駆動されると、逆止弁26が閉じられるとともに、供給管25のオイルまたは空気が、吐出管20を経由してオイルポンプ17に吸入され、かつ、吸入管18からストレーナ19内に吐出(圧送)される。このため、蛇腹24の内圧が上昇して、蛇腹24が伸張(膨張)して体積が拡大する。すると、オイル溜まりD1の液面D2が実線で示すように上昇し、ギヤ16の一部がオイル溜まりD1に浸漬される。したがって、ギヤ16の回転によりオイル溜まりD1のオイルが掻き上げられて、キャッチタンク21に供給される。より具体的には、ギヤ16の単位回転数あたりにおけるオイルの掻き上げ量が増加する。このように、第2実施例においても、電動モータ2の正回転時および逆回転時の何れにおいても、オイル溜まりD1のオイルをオイル必要部に供給できる。この第2実施例の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、供給管25および吐出管20および吸入管18およびオイルポンプ17および蛇腹24が、この発明の液面調整機構に相当し、蛇腹24が、この発明の体積変化部に相当する。なお、第2実施例のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、第1実施例の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。
(第3実施例)
つぎに、潤滑液供給機構の第3実施例を図4に基づいて説明する。この第3実施例は、請求項1ないし6の発明に相当する。この第3実施例において、第1実施例および第2実施例の構成と同じ構成部分については、第1実施例および第2実施例と同じ符号を付してある。この第3実施例でも、前記供給管25および逆止弁26が設けられている。第3実施例では、ストレーナ19が吸入管18に対して上下方向に作動可能に取り付けられている。このストレーナ19と吸入管18との間を液密にシールするシールリング(図示せず)が設けられている。また、オイルポンプ17のボデーには上下方向に延ばされた棒状のガイド部材(図示せず)が取り付けられており、ストレーナ19はガイド部材に沿って上下方向に動作(スライド)する構成となっている。さらに、ストレーナ19の上下方向の作動範囲を規制するストッパ(図示せず)が設けられている。
この第3実施例で車両を前進させる条件が成立して、前記電動モータ2が正回転した場合、第1実施例と同じ原理によりオイルポンプ17が駆動されてオイル溜まりD1のオイルがオイルポンプ17により吸入、かつ、吐出されるとともに、逆止弁26が開放されてオイルがキャッチタンク21に供給される。また、吐出管20に吐出されたオイルの一部は、供給管25を経由してカウンタ軸12の油路および軸受13に供給される。また、第3実施例では、オイルポンプ17が駆動されてオイル溜まりD1のオイルが吸入管18から吸入されるときに、ストレーナ19内が負圧となってストレーナ19が上昇する。このため、第3実施例でも第2実施例と同様の効果を得られる。
これに対して、車両を後退させる条件が成立して、電動モータ2が逆回転してオイルポンプ17が駆動されると、逆止弁26が閉じられるとともに、供給管25のオイルおよび空気が吐出管20を経由してオイルポンプ17に吸入され、かつ、吸入管18からストレーナ19内に吐出される。すると、ストレーナ19の内圧が上昇してガイド部材に沿って下降し、オイル溜まりD1の液面D2が実線で示すように上昇する。この第3実施例の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、供給管25および吐出管20および吸入管18およびオイルポンプ17およびストレーナ19が、この発明の液面調整機構に相当し、ストレーナ19が、この発明の体積変化部に相当する。なお、第3実施例のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、第1実施例の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。なお、第1実施例ないし第3実施例では、電動モータ2の回転軸線A1とオイルポンプ17の回転軸線B1とが平行に配置されているが、電動モータ2の回転軸線とオイルポンプ17の回転軸線とが同軸上に配置されたレイアウトでも、この発明を実施可能である。
この発明の潤滑液供給機構の第1実施例を示す正面図である。 この発明の潤滑液供給機構の第1実施例を示す平面図である。 この発明の潤滑液供給機構の第2実施例を示す正面図である。 この発明の潤滑液供給機構の第2実施例を示す正面図である。
符号の説明
1…ケーシング、 2…電動モータ、 4,14,15,16…ギヤ、 5…車輪、 6…ホイール、 10…回転軸、 11,13…軸受、 17…オイルポンプ、 18…吸入管、 19…ストレーナ、 20…吐出管、 21…キャッチタンク、 23…排出管、 24…蛇腹、 D1…オイル溜まり、 D2…液面。

Claims (6)

  1. 回転部材の動力により回転されて潤滑液溜まりの潤滑液を吸入し、かつ、吸入した潤滑液を吐出するポンプと、このポンプから吐出された潤滑液が供給される潤滑液必要部とを有する潤滑液供給機構において、
    前記ポンプが正方向に回転して前記潤滑液を吸入および吐出するときは、そのポンプから吐出された潤滑液を前記潤滑液必要部に供給する一方、前記ポンプが逆方向に回転してそのポンプで前記潤滑液の吸入および吐出がおこなわれないときは、前記回転部材の回転により前記潤滑液溜まりから掻き上げられた潤滑液を、前記潤滑液必要部に供給する切替機構を備えていることを特徴とする潤滑液供給機構。
  2. 前記潤滑液溜まりの液面を、前記ポンプが正回転して前記潤滑液を吸入および吐出する場合の液面よりも、前記ポンプが逆回転して前記回転部材により前記潤滑液溜まりから潤滑液を掻き上げる場合の液面を高くする液面調整機構を有することを特徴とする請求項1に記載の潤滑液供給機構。
  3. 前記液面調整機構は、前記ポンプが正回転して前記潤滑液を吸入および吐出する場合の液面を、前記回転部材が前記潤滑液に接触しない高さに設定するとともに、前記ポンプが逆回転して前記回転部材により前記潤滑液溜まりから潤滑液を掻き上げる場合の液面を、前記回転部材が前記潤滑液に接触する高さに設定する構成であることを特徴とする請求項2に記載の潤滑液供給機構。
  4. 前記液面調整機構は、前記潤滑液溜まりに浸漬される体積変化部を有しており、この体積変化部は、前記ポンプの回転方向の切替に連動して体積が拡大されて前記潤滑液の液面を上昇させ、かつ、体積が縮小されて前記液面を下降させる構成であることを特徴とする請求項2または3に記載の潤滑液供給機構。
  5. 前記体積変化部は、前記ポンプが正回転するときの吸入圧で体積が縮小され、かつ、前記ポンプが逆回転するときの吐出圧で体積が拡大する構成であることを特徴とする請求項4に記載の潤滑液供給機構。
  6. 車体に懸架装置を介して取り付けられた車輪と、この車輪の一部を構成するホイールの内側に設けられたケーシングと、このケーシングの内部に設けられ、かつ、前記車輪と動力伝達可能に接続された電動モータとを有し、前記ケーシングの内部に前記潤滑液溜まりが設けられ、前記電動モータと前記回転部材とが動力伝達可能に接続されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の潤滑液供給機構。
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