JP2009222072A - 車両用差動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】差動機構を構成する遊星歯車機構をオイルポンプとして使用することで、部品点数を増加させることなく、且つ有効な差動制限力を得ることができる差動制限装置を備えた車両用差動装置を提供する。
【解決手段】遊星歯車機構28のアウターギア30に入力された駆動力を、プラネタリキャリア42及びサンギア32に出力する車両用差動装置に於いて、遊星歯車機構28の歯車噛合部を密閉してプラネタリキャリア42及びサンギア32の回転速度差に応じてオイルを吐出するオイルポンプを複数個所に構成し、オイルポンプの吐出路62、64とドレンポートを連通する連通路66、68にスプールバルブ80を設置し、連通路66、68の流路面積を可変して油圧を発生させ差動制限力を得る。
【選択図】図1
【解決手段】遊星歯車機構28のアウターギア30に入力された駆動力を、プラネタリキャリア42及びサンギア32に出力する車両用差動装置に於いて、遊星歯車機構28の歯車噛合部を密閉してプラネタリキャリア42及びサンギア32の回転速度差に応じてオイルを吐出するオイルポンプを複数個所に構成し、オイルポンプの吐出路62、64とドレンポートを連通する連通路66、68にスプールバルブ80を設置し、連通路66、68の流路面積を可変して油圧を発生させ差動制限力を得る。
【選択図】図1
Description
本発明は、左右駆動軸又は前後駆動軸を回転駆動する遊星歯車式の車両用差動装置に関し、特に、左右又は前後の一対の出力軸の差動を油圧を使用して制限する差動制限機構を備えた車両用差動装置に関する。
従来、自動車はコーナリング時の左右駆動輪間に生じる回転速度差を吸収するために、差動装置を介して左右駆動軸に駆動力を伝達している。更に四輪駆動車では、前後駆動輪間に生じる回転速度差を吸収するために、差動装置を介して前後駆動軸に駆動力を伝達している。
ところが、左右何れかの駆動輪がぬかるみや悪路にはまったり氷雪面に乗り上げたり等の理由でグリップを失い空転すると、左右駆動輪の両方に駆動力を伝達できなくなる。四輪駆動車では、前後何れかの左右両駆動輪が空転すると前後駆動輪の両方に駆動力を伝達できなくなる。
そのため、左右又は前後の一対の出力軸の差動を制限する差動制限機構を備えた差動装置が各種提案されており、差動制限力を回転速度差に応じて差動装置内で発生させるものでは、例えば差動制限機構として、回転速度差に応じて油圧を発生させるオイルポンプを使用したもの(特開平01−249530号公報)、差動ポンプと多板クラッチを使用したもの(特開平04−154431号公報)、ビスカスカップリングとコーンクラッチを使用したもの(特開平10−184849号公報)等がある。
また、差動制限力としての油圧の供給と制御を差動装置の外部で行うもの(特開昭60−2566644号公報、特開昭61−082048号公報、特開昭63−195449号公報)も提案されている。
特開平01−249530号公報
特開平04−154431号公報
特開平10−184849号公報
特開昭60−2566644号公報
特開昭61−082048号公報
特開昭63−195449号公報
しかしながら、このような差動制限機構を備えた差動装置において、例えば差動制限力を回転速度差に応じて差動装置内で発生させるものでは、差動機構以外に差動制限機構、すなわち差動機構を構成する各ギアの回転を拘束する機構部品が必要で、差動装置のサイズと重量が大きいだけではなく、コストも高いものになってしまう。
また、差動制限力の供給と制御を差動装置の外部で行うものでは、差動制限機構に加えて差動制限力を発生させるための油圧ポンプ等の差動制限力発生源及びそれを駆動するモータ等の駆動源の追加が必要で、更なる重量とコストの上昇を招く問題がある。
本発明は、差動機構を構成する遊星歯車機構をオイルポンプとして使用することで、部品点数を増加させることなく、且つ有効な差動制限力を得ることができる車両用差動装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。まず本発明は、遊星歯車機構の入力要素に入力された駆動力を、遊星歯車機構の第1出力要素及び第2出力要素に出力する車両用差動装置に於いて、遊星歯車機構の歯車噛合部を密閉して構成し、第1出力要素及び第2出力要素の回転速度差に応じてオイルを吐出するオイルポンプと、オイルポンプの吐出流路とドレン流路を連通する連通路に設けられ、オイルの流動抵抗を制御して油圧を発生させ差動制限力を得る流動制御部とを備えたことを特徴とする。
ここで、オイルポンプは、第1出力要素の回転速度が第2出力要素の回転速度より大きい第1差動方向の場合にオイルを吐出する第1オイルポンプと、第2出力要素の回転速度が第1出力要素の回転速度より大きい第2差動方向の場合にオイルを吐出する第2オイルポンプとを有し、第1差動方向と第2差動方向とに係わらず差動制限力を得る。
また、流動制御部は、流路面積を連続的に変化させるバルブ機構を備え、差動制限力を連続的に変更可能とし、更に、連通路の油圧を検出する油圧センサと、油圧センサが検出した油圧に基づきバルブ機構を制御する油圧制御部とを備え、所定の差動制限力を得る。
また、バルブ機構は、第1オイルポンプの流路面積を変化させる第1可変オリフィスと、第1可変オリフィスに連動し第2オイルポンプの流路面積を変化させる第2可変オリフィスとを備え、第1差動方向の場合は第1可変オリフィスの流路面積を制限すると共に第2可変オリフィスを全開し、第2差動方向の場合は第2可変オリフィスの流路面積を制限すると共に前記第1可変オリフィスを全開し、前記第1差動方向と第2差動方向の何れであっても差動制限力を必要としない場合は前記第1可変オリフィスと第2可変オリフィスを全開する。
また、連通路は、第1オイルポンプとドレン流路を連通する第1連通路と、第2オイルポンプとドレン流路を連通する第2連通路とを備え、油圧センサは、第1連通路と第2連通路を繋ぐ油圧センサ設置通路に1つ備え、バルブ機構は、更に、油圧センサ設置通路と第1連通路及び第2連通路との連通を開閉する流路切替部と、流路切替部と第1可変オリフィス及び第2可変オリフィスとを一体に駆動するバルブ駆動部とを備え、第1差動方向の場合は油圧センサ設置通路と第1連通路の連通を開くと共に第2連通路との連通を閉じ、更に第1可変オリフィスの流路面積を制限すると共に第2可変オリフィスを全開して第2連通路を大気側に開放し、第2差動方向の場合は油圧センサ設置通路と第2連通路の連通を開くと共に第1連通路との連通を閉じ、更に第2可変オリフィスの流路面積を制限すると共に第1可変オリフィスを全開して第1連通路を大気側に開放し、第1差動方向と第2差動方向の何れであっても差動制限力を必要としない場合は油圧センサ設置通路と第1連通路及び第2連通路との連通を閉じると共に第1可変オリフィスと第2可変オリフィスを全開して第1連通路と第2連通路を大気側に開放する。
あるいは、流動制御部は、連通路の流路面積を制限する固定オリフィスを備え、回転速度差に応じた差動制限力を得る。
あるいは、流動制御部は、連通路の流路面積を全開と制限とに切り替える可変オリフィスを備え、全開時は差動を制限せず、制限時は回転速度差に応じた差動制限力を得ることを特徴とする。
あるいは、流動制御部は、連通路の流路面積を全開と全閉とに切り替える可変オリフィスを備え、全開時は差動を制限せず、全閉時はデフロック状態とすることを特徴とする。
また、オイルポンプは、遊星歯車機構を構成するサンギアとプラネタリギア又はプラネタリギアとアウターギア又は第1プラネタリギアと第2プラネタリギアにより構成する。
本発明によれば、差動機構を構成する遊星歯車機構をオイルポンプとして使用して油圧を発生させることで、遊星歯車機構内で有効な差動制限力を得ることができ、遊星歯車機構以外の差動制限力供給源や差動制限機構を必要としないため、差動装置に差動制限機構を付加する際に、部品点数や重量及びコストの増加を抑制することができる。
また、オイルポンプの吐出流路に流路面積を連続的に変化させるバルブ機構と圧力センサを備えることで、差動制限力を連続的に且つ正確に制御できる上に、両差動方向に対応するための2組のオイルポンプに対し、1組のバルブ機構と圧力センサにより両方向の差動制限力を制御できるので、部品点数や重量及びコストの増加を抑制することができる。
更に、流路面積を2段に切り替えることで、差動制限置をオフとスリップ又はオフとロックの簡易制御ができる。
図1及び2は、本発明による車両用差動装置の実施形態を示した断面図である。図1は、後輪駆動車や四輪駆動車のリヤデファレンシャルに適用した場合であり、図2は前輪駆動車のフロントデファレンシャルに適用した場合である。
図1及び2において、本実施形態の車両用差動装置10は、動力源と左右後輪又は左右前輪との間のトルク伝達、すなわちドライブピニオン12からの駆動力を左ドライブシャフト14と右ドライブシャフト16に左右の回転速度差を吸収しつつ等しいトルクを伝達する。
車両用差動装置10は、左側ハウジング18a、右側ハウジング18b及びバルブハウジング18cによりハウジング18が構成され、その内部にデファレンシャルケース20が、ハウジング18に対しテーパーローラーベアリング22a及び22bにより回転自在に支持されている。また、ハウジング18内にはオイルが満たされている。
デァレンシャルケース20は左側ケース20a及び右側ケース20bで構成され、外周部にリングギア24を設け、ドライブピニオン12は図1においてはプロペラシャフトに、図2においては変速機に連結され、ハウジング18に対しテーパーローラーベアリング26により回転自在に支持される。
リングギア24はドライブピニオン12に噛み合い、エンジンからの駆動力をデファレンシャルケース20に伝達し、デファレンシャルケース20内には差動装置として遊星歯車機構28が備わる。
遊星歯車機構28は、アウターギア30、サンギア32、第1プラネタリギア34及び第2プラネタリギア36(図3で図示)のセット、プラネタリキャリア42、キャリアカバー44及びキャリアケース46で構成される。
アウターギア30は左側ケース20aの内周部に形成された内歯からなり、サンギア32は外歯からなりスプライン結合した右ドライブシャフト16に駆動力を出力し、第1プラネタリギア34はアウターギア30と第2プラネタリギア36に噛み合い、第2プラネタリギア36はサンギア32と第1プラネタリギア34に噛み合う。
プラネタリキャリア42は、第1プラネタリギア34と第2プラネタリギア36を各々ギア軸38、40(図3で図示)にて自転自在に保持すると共にスプライン結合した左ドライブシャフト14に駆動力を出力する。
キャリアカバー44はプラネタリキャリア42と共にギア軸38、40を支承し、キャリアケース46はプラネタリキャリア42とキャリアカバー44の間で第1プラネタリギア34と第2プラネタリギア36以外のスペースを埋めるように位置し、第1プラネタリギア34と第2プラネタリギア36が自在に回転できる間隔を確保する。プラネタリキャリア42、キャリアカバー44及びキャリアケース46は、ボルト48で固定され一体となって回転する。
図3は、本実施形態の遊星歯車機構を示す説明図であり、図1及び2の遊星歯車機構28のA−A断面である。図3において、互いに噛み合う第1プラネタリギア34及び第2プラネタリギア36は各々アウターギア30とサンギア32に噛み合い、アウターギア30とサンギア32の回転速度差に応じて自転及び公転する。
本実施形態においては、アウターギア30に噛み合う第1プラネタリギア34とサンギア32に噛み合う第2プラネタリギア36の2個をセットにして使用するダブルピニオン方式としているが、これはリングギア24を介してドライブピニオン12からの駆動力が入力されるアウターギア30と、左右ドライブシャフト14、16に各々駆動力を出力するプラネタリキャリア42及びサンギア32との駆動力方向を一致させるためである。
本実施形態と異なり、駆動力がアウターギアやサンギアではなくプラネタリキャリアに入力される場合、例えば本発明を四輪駆動車のセンターデファレンシャル等に使用する場合では、アウターギアとサンギアの両方に噛み合うプラネタリギアを使用するシングルピニオン方式でよい。なお、アウターギアに替えて第2サンギアを備える構成であっても同様である。
また、本実施形態においては、第1プラネタリギア34と第2プラネタリギア36のセット3個を等間隔で配置しているが、これは3セット以上でも以下でも構わない。プラネタリギアをダブルピニオン方式にするか否か、プラネタリギアを何セット配置するか、あるいは各ギアの歯数は各種設計条件に応じて適宜選択可能である。
但し、本実施形態では第1オイルポンプ52と第2オイルポンプ58の吐出量を一致させるために、第1プラネタリギア34と第2プラネタリギア36とは同一歯数として構成している。
図3において、遊星歯車機構28は、アウターギア30とこれに噛み合う3個の第1プラネタリギア34による3箇所及びサンギア32とこれに噛み合う3個の第2プラネタリギア36による3箇所の合計六箇所を密閉しオイルポンプ52、58を構成している。
図4は、図3の遊星歯車機構28が構成するオイルポンプを示す説明図であり、右後輪又は右前輪が空転するような状態、すなわちキャリアケース46よりもサンギア32の回転数が大きい場合を想定し、キャリアケース46を固定すると仮定した状態である。
図4において、アウターギア30と3個の第1プラネタリギア34との噛合部50には、ハッチングで示すように3箇所に第1オイルポンプ52が形成される。第1オイルポンプ52は、アウターギア30が反時計回り30aに回転したときの第1プラネタリギア34の反時計回り34aの回転に伴う噛合部50の容積減少がオイルポンプとしての機能を作り出す。
アウターギア30及び第1プラネタリギア34の密閉されていない各々の歯間に満たされているオイルは、各ギアの回転に伴い第1オイルポンプ52に導かれ、油圧を得て吐出口54に吐出される。
図5は、図3の遊星歯車機構28が構成するオイルポンプを示す説明図であり、左後輪又は左前輪が空転するような状態、すなわちサンギア32よりもキャリアケース46の回転数が大きい場合を想定し、サンギア32を固定すると仮定した状態である。
図5においては、サンギア32と3個の第2プラネタリギア36との噛合部56に、ハッチングで示すように3箇所に第2オイルポンプ58が形成される。第2オイルポンプ58は、アウターギア30が反時計回り30aに回転してキャリアケース46が反時計回り46aに回転したときの第2プラネタリギア36の反時計回り36aの回転に伴うサンギア32との噛合部56の容積減少がオイルポンプとしての機能を作り出す。
サンギア32及び第2プラネタリギア36の密閉されていない各々の歯間に満たされているオイルは、各ギアの回転に伴い第2オイルポンプ58に導かれ、油圧を得て吐出口60に吐出される。
図6は、図1及び2の遊星歯車機構に構成されたオイルラインを示す説明図であり、キャリアカバー44のB−B断面である。図6において、キャリアカバー44には互いに連通した3本の吐出路62と、吐出路62に交差しない互いに連通した3本の吐出路64が形成される。
吐出路62は、図3及び4に示す第1オイルポンプ52の吐出口54から流入するオイルを連通路66に吐出し、吐出路64は、図3及び5に示す第2オイルポンプ58の吐出口60から流入するオイルを連通路68に吐出する。
再び図1及び2を参照するに、キャリアカバー44は、ギア軸38、40を支承するフランジ部44aと、サンギア32の軸部32aが回転自在に貫通する内径部をキャリアケース46の反対側に延在した円筒部44bを有する。円筒部44bには、フランジ部44aに設けた吐出路62、64と、外周に設けた4本の連通溝70とを連通する連通路66、68を通す。
デファレンシャルケース20は、右側ケース20bの遊星歯車機構28収納部とテーパーローラーベアリング22bの間に円筒部20cを有する。円筒部20cの内周は、円筒部44bの外周が回転自在に接し、外周には4本の連通溝72が設けられ、バルブハウジング18cの内周部に回転自在に接する。
連通溝72の各々には対応する連通溝70と連通する複数の連通路74が貫通し、連通溝70、72の各々は両側をシールリング76、78でシールされている。第1オイルポンプ52及び第2オイルポンプ58から吐出されたオイルは、吐出路62、64、連通路66、68、連通溝70、連通路74を経由して連通溝72に供給される。
バルブハウジング18cはスプールバルブ80、サーボモータ82、ロータリエンコーダ84、圧力センサ86を備え、第1オイルポンプ52及び第2オイルポンプ58から吐出されたオイルの流動を制御する。
図7は、図3の遊星歯車機構の差動制限力を制御する油圧回路を示す説明図であり、差動制限を行なっていないオープンデフの場合に関してプラネタリキャリアを固定した状態で示している。図7において、スプールバルブ80はシリンダ88とスプール90で構成され、シリンダ88には流動制御ポート92a、92b、ドレンポート94a、94b、圧力検出ポート96a〜96dを備え、圧力検出ポート96c、96dには圧力センサ86が設置されている。
スプール90は、オリフィス部90a、仕切部90b、流路切替部90cを備え、シリンダ88の中をスライドし各ポートを開閉する。スプール90のシリンダ88の外側に露出した一端にはラック90dが形成され、サーボモータ82の駆動ギア82aにより駆動される。また、サーボモータ82は、スプール90の位置検出を行うロータリエンコーダ84を備える。
図7においては、サンギア32とプラネタリキャリア42の回転速度差が発生しても差動制限力を必要としない状態を示し、流動制御ポート92a、92bは開放されて、第1オイルポンプ52及び第2オイルポンプ58から連通路66、68に吐出されたオイルは流動抑制されずドレンポート94a、94bからハウジング18内に排出され、差動制限力は発生しない。
この状態で走行中に、サンギア32とプラネタリキャリア42の回転速度差が発生して差動制限力を必要とする状態では、油圧制御部98は連通路66又は連通路68の流路面積を減少させ差動制限力を発生させるためにサーボモータ82を駆動し、サンギア32の回転がプラネタリキャリア42より速い場合はスプールを左方向に移動し、プラネタリキャリア42の回転がサンギア32より速い場合はスプールを右方向に移動する。
図8は、図3の遊星歯車機構の差動制限力を制御する油圧回路を示す説明図であり、図8(A)は右後輪又は右前輪が空転するような状態、すなわちサンギア32の回転がプラネタリキャリア42よりも速い場合、図8(B)は左後輪又は左前輪が空転するような状態、すなわちプラネタリキャリア42の回転がサンギア32よりも速い場合に関しプラネタリキャリア42を固定した状態で示している。
図8(A)において、サーボモータ82がスプール90を矢印で示すように左方向に移動させ、流動制御ポート92aの流路面積がオリフィス部90aにより制限されることで、第1オイルポンプ52までの油圧回路に油圧を発生する。発生した油圧は、第1オイルポンプ52を構成するアウターギア30と第1プラネタリギア34の回転を抑制することで差動制限力となる。
また、スプール80が左方向に移動することで流路切替部90cが圧力検出ポート96bを開放し、油圧が圧力検出ポート96dに伝達されることで、油圧センサ86は連通路66側の油圧を検出する。油圧制御部98は、油圧センサ86から入力する油圧情報とロータリエンコーダ84から入力する位置情報に基づきサーボモータ82を制御すことで、適切な差動制限力を高精度に得ることが可能である。
図8(B)においては、サーボモータ82がスプール90を矢印で示すように右方向に移動させ、流動制御ポート92bの流路面積がオリフィス部90aにより制限されることで、第2オイルポンプ58までの油圧回路に油圧を発生する。発生した油圧は、第2オイルポンプ58を構成するサンギア32と第2プラネタリギア36の回転を抑制することで差動制限力となる。
また、スプール80が右方向に移動することで流路切替部90cが圧力検出ポート96aを開放し、油圧が圧力検出ポート96cに伝達されることで、油圧センサ86は連通路68側の油圧を検出する。油圧制御部98は、油圧センサ86から入力する油圧情報とロータリエンコーダ84から入力する位置情報に基づきサーボモータ82を制御すことで、適切な差動制限力を高精度に得ることが可能である。
ここで、第1オイルポンプ52及び第2オイルポンプ58における差動制限力の算出方法を示す。プラネタリキャリア42を固定すると両差動方向はサンギア32の時計方向あるいは反時計方向の回転として視ることができ、また第1プラネタリギア34及び第2プラネタリギア36の歯数が同じであるため、アウターギア30と第1プラネタリギア34で構成される第1オイルポンプ52も第2オイルポンプ58と同様にサンギア32の回転に換算できる。
オイルポンプの吐出流量Qは次式で与えられる。
Vth:理論吐出量(cm3/rev)
V:1歯吐出量(cm3/teeth)
n:ポンプ数
Zs:サンギア歯数:
Zo:アウターギア歯数:
Q:吐出流量(cm3/min)
ΔN:左右ドライブシャフト間の差動回転数
ηv:容積効率
とする。
また、オイルポンプに発生する圧力ΔPは次式で与えられる。
更に、オイルポンプに発生する差動制限トルクΔTは次式で与えられる。
ΔT:差動制限トルク(Nm)
ηm:トルク効率
従って、スプール90の位置に応じてオリフィス面積A(流動制御ポート92b及びオリフィス部90aにより形成される流路面積)が変化することで、オイルポンプ36に発生する圧力ΔP(油圧)が増減し、適切な差動制限トルクΔT(差動制限力)を得ることが可能となる。
なお、本実施形態においては、スプール90の位置制御をサーボモータ82とロータリエンコーダ84を用いて行っているが、これは他のアクチュエータと位置検知手段でも構わない。また、ステッピングモータ等を用いて位置検知手段を省略することも可能である。
また、図1及び2に示すようにスプールバルブ80、サーボモータ82、圧力センサ86を車両用差動装置10に一体に設置しているが、これらは車両用差動装置10に内蔵せず、配管により離れた位置に設置することも可能であり、更に、スプールバルブではなく同様の作用が可能な他の形式のバルブ機構を用いても良い。
図9は、本発明による車両用差動装置の他の実施形態を示す断面図であり、後輪駆動車や四輪駆動車のリヤデファレンシャルに適用し差動制限を2段制御とする方式である。図9において、本実施形態の車両用差動装置100は、図1の実施形態の車両用差動装置10に対しスプールバルブ80、サーボモータ82、ロータリエンコーダ84、圧力センサ86に替えスプールバルブ180、ソレノイド182が備わり、それに伴い円筒部20cの連通溝72、連通路74、シールリング78及び円筒部44bの連通溝70、シールリング76の数が変更される点以外は同じである。
図9において、スプールバルブ180はシリンダ188とスプール190で構成され、シリンダ188には流動制御ポート192a、192b、ドレンポート194a、194bを備える。
スプール190は、オリフィス部190a及び開放部190b備え、シリンダ188の中をソレノイド182により左右の2位置にスライドされ、流動制御ポート192a、192bを開放と制限の2段に切り替える。
図9においては、流動制御ポート192a、192bは開放されており、第1オイルポンプ52及び第2オイルポンプ58から連通路66、68に吐出されたオイルは流動抑制されずドレンポート194a、194bからハウジング18内に排出され、差動制限力は発生しない。
図10は、図9の実施形態において差動制限をオフ又はスリップの2段制御とする方式を示す説明図である。図9(A)は、右後輪が空転するような状態、すなわちサンギア32の回転がプラネタリキャリア42よりも速い場合に関してプラネタリキャリア42を固定した状態で油圧回路を示し、図9(B)はその差動特性をグラフで示している。
図10(A)において、スプール190はオリフィス部190aが各々流動制御ポート192a及び192bの位置に在り、第1オイルポンプ52から吐出されるオイルが通過する流動制御ポート192bの流路面積が制限されることで、第1オイルポンプ52までの油圧回路に油圧を発生する。発生した油圧は、第1オイルポンプ52を構成するアウターギア30と第1プラネタリギア34の回転を抑制することで差動制限力となる。
図10(B)において、縦軸を差動制限トルクΔT、横軸を差動回転数ΔNとし、差動回転数ΔNの増加に伴い差動制限トルクΔTが増加する差動特性196を示している。ここで、差動制限トルクΔTと差動回転数ΔNは次式で与えられる。
ソレノイド182によりスプール190を右に移動し、開放部190bを各々流動制御ポート192a及び192bに位置させることで、第1オイルポンプ52あるいは第2オイルポンプ58から連通路66、68に吐出されたオイルは流動抑制されずドレンポート194a、194bからハウジング18内に排出され、差動制限力は発生しない。
図11は、図9の実施形態において差動制限をオフ又はロックの2段制御する方法を示す説明図である。図11(A)は左後輪が空転するような状態、すなわちプラネタリキャリア42の回転がサンギア32よりも速い場合に関してプラネタリキャリア42を固定した状態で油圧回路を示し、図10のスプール190に対しオリフィス部190aに替えて閉鎖部190cが備わり、図11(B)はその差動特性をグラフで示している。
図11(A)において、スプール190は閉鎖部190cが各々流動制御ポート192a及び192bの位置に在り、第2オイルポンプ52から吐出されるオイルが通過する流動制御ポート192aの流路面積が閉鎖されることで、第2オイルポンプ58までの油圧回路に油圧を発生する。発生した油圧は、第2オイルポンプ58を構成するサンギア32と第2プラネタリギア36の回転を抑制することで差動制限力となる。
図11(B)において、縦軸を差動制限トルクΔT、横軸を差動回転数ΔNとし、差動回転数ΔNの発生に伴い差動制限トルクΔTが急激に増加する差動特性198を示している。発生した油圧は、オイルが殆ど流動しないため高圧になり、ほぼデフロックの状態となる。
図10及び11に示すように、ソレノイド182をオンオフするだけでオープンデフとリミテッドスリップデフ、あるいはオープンデフとデフロックを切り替えることができ、簡易的な制御を可能にする。
なお、本実施形態においては、スプール190の位置切り替えをソレノイド182を用いて直接行っているが、これは他の方法、例えばワイヤやリンク機構を用いて他の方式のアクチュエータに連結するように構成することも可能である。
図12は、本発明による車両用差動装置を後輪駆動車や四輪駆動車のリヤデファレンシャルに適用し、差動制限を2段制御とする方式の他の実施形態を示す断面図である。図12において、本実施形態の車両用差動装置200は、図9の実施形態の車両用差動装置100に対し1つのスプールバルブ180に替えオイルポンプの個数分のスプールバルブ280が備わり、それに伴い連通溝70、72、連通路74、シールリング78、76に替りスプールバルブ作動機構202が備わる点以外は同じである。
図12において、スプールバルブ280はシリンダ288、スプール290及びスプールばね298で構成され、シリンダ288には流動制御ポート292、ドレンポート294を備える。
スプール290は、オリフィス部290a及び開放部290bを備え、シリンダ288の中をスプールバルブ作動機構202を介してソレノイド282により左右の2位置にスライドされ、流動制御ポート292を開放と制限の2段に切り替える。また、スプール290は、スプールばね298により流動制御ポート192を開放する方向に付勢されている。
スプールバルブ作動機構202は、キャリアカバー44に嵌合する第1スリーブ204、右側ケース20bに嵌合する第2スリーブ206、第1スリーブ204と第2スリーブ206を連結する連結ピン208及びフォーク210で構成され、第1スリーブ204、第2スリーブ206及び連結ピン208は各々軸方向に移動可能である。
スプール290は、第1スリーブ204により軸方向に移動可能に配置され、第1スリーブは連結ピン208を介して第2スリーブにより軸方向に移動可能に配置される。
図13は、図12のスプールバルブ作動機構202を示す側面図であり、図12のC−C断面を示し、スプールバルブ作動機構202に直接関係しない部位は省略してある。
図13において、フォーク210は右側ケース20b及び第2スリーブ206を避けて二股に延在して先端部210aを形成し、フォーク軸212を支点にして前後に揺動可能である。
フォーク210はソレノイド282がオンするとプランジャ282aに押され、左右の先端部210aが第2スリーブ206のフランジ部206aの略回転軸の高さの左右を均等に押すことで第2スリーブ206を奥の方向に移動可能である。
図12においては、流動制御ポート292は開放されており、第1オイルポンプ52及び第2オイルポンプ58から油路296に吐出されたオイルは流動抑制されずドレンポート294からハウジング18内に排出され、差動制限力は発生しない。
ここで、ソレノイド282をオンすると、プランジャ282aがフォーク210を左方に押し、フォーク210はフォーク軸212を支点として反時計回りに回転して先端部210aが第2スリーブ206を押し左方向に移動させ、更に、第2スリーブ206は連結ピン208を介して第1スリーブ204を押し左方向に移動させる。
第1スリーブ204はスプールばね298の付勢力に抗してスプール290を左方向に移動させ、オリフィス部290aが流動制御ポート192に位置すると、第1オイルポンプ52及び第2オイルポンプ58をオープンデフの状態からリミテッドスリップデフの状態に切り替えることができる。
ソレノイド282をオフすると、スプールばね298の付勢力によりスプール290は右方向に移動し、開放部290bが流動制御ポート292の位置に復帰することで、オープンデフの状態に戻る。
図12においては、スプール290は、オリフィス部290a及び開放部290bを備えているが、図11と同様にオリフィス部290aに替えて閉鎖部にした場合は、オープンデフとデフロックを切り替えることができる。
このように、ソレノイド282をオンオフするだけでオープンデフとリミテッドスリップデフ、あるいはオープンデフとデフロックを切り替えることができ、簡易的な制御を可能にする。また、ソレノイド282に替えてワイヤやリンク機構を用いて他の方式のアクチュエータに連結するように構成することも可能である。
なお図12の実施形態において、スプールバルブ280は第1プラネタリギア34及び第2プラネタリギア36のギア軸38、40と同軸に設置されているが、第1オイルポンプ52及び第2オイルポンプ58の各ギアの噛合部近傍であれば他の場所でも構わない。
図14は、図12の遊星歯車機構の差動制限力を制御する油圧回路を示す説明図であり、右後輪が空転するような状態、すなわちサンギア32の回転がプラネタリキャリア42よりも速い場合に関してプラネタリキャリア42を固定した状態で示している。
図14において、スプール290は第1スリーブ204、連結ピン208、第2スリーブ206及びフォーク210を介しオンしたソレノイド282に押され、オリフィス部290aが各々流動制御ポート292の位置に在る。
この状態では、第1オイルポンプ52から吐出されるオイルが通過する流動制御ポート292の流路面積が制限されることで、第1オイルポンプ52までの油圧回路に油圧を発生する。発生した油圧は、第1オイルポンプ52を構成するアウターギア30と第1プラネタリギア34の回転を抑制することで差動制限力となる。
図15は、本発明による車両用差動装置のオイルポンプ構成の他の実施形態を示す説明図である。図15(A)は第1プラネタリギア34と第2プラネタリギア36の噛合部の両側を第1オイルポンプ52と第2オイルポンプ58として構成している。
図15(B)は、アウターギア30と第1プラネタリギア34の噛合部の両側を第1オイルポンプ52と第2オイルポンプ58として構成し、図15(C)は、サンギア32と第2プラネタリギア36の噛合部の両側を第1オイルポンプ52と第2オイルポンプ58として構成している。
また、発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10、100:車両用差動装置
12:ドライブピニオン
14:左ドライブシャフト
16:右ドライブシャフト
18:ハウジング
20:デァレンシャルケース
22、26:テーパーローラーベアリング
24:リングギア
28:遊星歯車機構
30:アウターギア
32:サンギア
34:第1プラネタリギア
36:第2プラネタリギア
38、40:ギア軸
42:プラネタリキャリア
44:キャリアカバー
46:キャリアケース
48:ボルト
50、56:噛合部
52:第1オイルポンプ
54、60:吐出口
58:第2オイルポンプ
62、64:吐出路
66、68:連通路
70、72:連通溝
74:連通路
76、78:シールリング
80、180、280:スプールバルブ
82:サーボモータ
84:ロータリエンコーダ
86:圧力センサ
88、188:シリンダ
90、190、290:スプール
92、192、292:流動制御ポート
94、194、294:ドレンポート
96:圧力検出ポート
98:油圧制御部
182、282:ソレノイド
202:スプールバルブ作動機構
204:第1スリーブ
206:第2スリーブ
208:連結ピン
210:フォーク
212:フォーク軸
296:油路
298:スプールばね
12:ドライブピニオン
14:左ドライブシャフト
16:右ドライブシャフト
18:ハウジング
20:デァレンシャルケース
22、26:テーパーローラーベアリング
24:リングギア
28:遊星歯車機構
30:アウターギア
32:サンギア
34:第1プラネタリギア
36:第2プラネタリギア
38、40:ギア軸
42:プラネタリキャリア
44:キャリアカバー
46:キャリアケース
48:ボルト
50、56:噛合部
52:第1オイルポンプ
54、60:吐出口
58:第2オイルポンプ
62、64:吐出路
66、68:連通路
70、72:連通溝
74:連通路
76、78:シールリング
80、180、280:スプールバルブ
82:サーボモータ
84:ロータリエンコーダ
86:圧力センサ
88、188:シリンダ
90、190、290:スプール
92、192、292:流動制御ポート
94、194、294:ドレンポート
96:圧力検出ポート
98:油圧制御部
182、282:ソレノイド
202:スプールバルブ作動機構
204:第1スリーブ
206:第2スリーブ
208:連結ピン
210:フォーク
212:フォーク軸
296:油路
298:スプールばね
Claims (10)
- 遊星歯車機構の入力要素に入力された駆動力を、前記遊星歯車機構の第1出力要素及び第2出力要素に出力する車両用差動装置に於いて、
前記遊星歯車機構の歯車噛合部を密閉して構成し、前記第1出力要素及び第2出力要素の回転速度差に応じてオイルを吐出するオイルポンプと、
前記オイルポンプの吐出流路とドレン流路を連通する連通路に設けられ、オイルの流動抵抗を制御して油圧を発生させ差動制限力を得る流動制御部と、
を備えたことを特徴とする車両用差動装置。
- 請求項1記載の車両用差動装置に於いて、前記オイルポンプは、
前記第1出力要素の回転速度が前記第2出力要素の回転速度より大きい第1差動方向の場合にオイルを吐出する第1オイルポンプと、
前記第2出力要素の回転速度が前記第1出力要素の回転速度より大きい第2差動方向の場合にオイルを吐出する第2オイルポンプと、
を有し、前記第1差動方向と第2差動方向とに係わらず差動制限力を得ることを特徴とする車両用差動装置。
- 請求項1又は2記載の車両用差動装置に於いて、前記流動制御部は、
流路面積を連続的に変化させるバルブ機構を備え、差動制限力を連続的に変更可能とすることを特徴とする車両用差動装置。
- 請求項3記載の車両用差動装置に於いて、前記流動制御部は、
前記連通路の油圧を検出する油圧センサと、
前記油圧センサが検出した油圧に基づき前記バルブ機構を制御する油圧制御部と、
を備え、所定の差動制限力を得ることを特徴とする車両用差動装置。
- 請求項3又は4記載の車両用差動装置に於いて、前記バルブ機構は、
前記第1オイルポンプの流路面積を変化させる第1可変オリフィスと、
前記第1可変オリフィスに連動し前記第2オイルポンプの流路面積を変化させる第2可変オリフィスと、
を備え、
前記第1差動方向の場合は前記第1可変オリフィスの流路面積を制限すると共に前記第2可変オリフィスを全開し、
前記第2差動方向の場合は前記第2可変オリフィスの流路面積を制限すると共に前記第1可変オリフィスを全開し、
前記第1差動方向と第2差動方向の何れであっても差動制限力を必要としない場合は前記第1可変オリフィスと第2可変オリフィスを全開することを特徴とする車両用差動装置。
- 請求項5記載の車両用差動装置に於いて、前記連通路は、
前記第1オイルポンプとドレン流路を連通する第1連通路と、前記第2オイルポンプとドレン流路を連通する第2連通路とを備え、前記油圧センサは、
前記第1連通路と前記第2連通路を繋ぐ油圧センサ設置通路に1つ備え、前記バルブ機構は、更に、
前記油圧センサ設置通路と前記第1連通路及び前記第2連通路との連通を開閉する流路切替部と、前記流路切替部と前記第1可変オリフィス及び前記第2可変オリフィスとを一体に駆動するバルブ駆動部とを備え、
前記第1差動方向の場合は前記油圧センサ設置通路と前記第1連通路の連通を開くと共に前記第2連通路との連通を閉じ、更に前記第1可変オリフィスの流路面積を制限すると共に前記第2可変オリフィスを全開して前記第2連通路を大気側に開放し、
前記第2差動方向の場合は前記油圧センサ設置通路と前記第2連通路の連通を開くと共に前記第1連通路との連通を閉じ、更に前記第2可変オリフィスの流路面積を制限すると共に前記第1可変オリフィスを全開して前記第1連通路を大気側に開放し、
前記第1差動方向と第2差動方向の何れであっても差動制限力を必要としない場合は前記油圧センサ設置通路と前記第1連通路及び前記第2連通路との連通を閉じると共に前記第1可変オリフィスと第2可変オリフィスを全開して前記第1連通路と第2連通路を大気側に開放することを特徴とする車両用差動装置。
- 請求項1記載の車両用差動装置に於いて、前記流動制御部は、
前記連通路の流路面積を制限する固定オリフィスを備え、前記回転速度差に応じた差動制限力を得ることを特徴とする車両用差動装置。
- 請求項1記載の車両用差動装置に於いて、前記流動制御部は、
前記連通路の流路面積を全開と制限とに切り替える可変オリフィスを備え、前記全開時は差動を制限せず、前記制限時は前記回転速度差に応じた差動制限力を得ることを特徴とする車両用差動装置。
- 請求項1記載の車両用差動装置に於いて、前記流動制御部は、
前記連通路の流路面積を全開と全閉とに切り替える可変オリフィスを備え、前記全開時は差動を制限せず、前記全閉時はデフロック状態とすることを特徴とする車両用差動装置。
- 請求項1記載の車両用差動装置に於いて、前記オイルポンプは、
遊星歯車機構を構成するサンギアとプラネタリギア又はプラネタリギアとアウターギア又は第1プラネタリギアと第2プラネタリギアにより構成することを特徴とする車両用差動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008063901A JP2009222072A (ja) | 2008-03-13 | 2008-03-13 | 車両用差動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008063901A JP2009222072A (ja) | 2008-03-13 | 2008-03-13 | 車両用差動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009222072A true JP2009222072A (ja) | 2009-10-01 |
Family
ID=41239075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008063901A Pending JP2009222072A (ja) | 2008-03-13 | 2008-03-13 | 車両用差動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009222072A (ja) |
-
2008
- 2008-03-13 JP JP2008063901A patent/JP2009222072A/ja active Pending
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