JP2009221863A - 複合発電プラントの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御を保ちつつ発生蒸気量と消費蒸気量とのバランスを保つことができる複合発電プラントの制御装置を提供することである。
【解決手段】ガスタービンの排ガスを用いて排熱回収ボイラで蒸気を発生させ蒸気タービンを駆動し前記ガスタービン及び蒸気タービンで発電機を駆動する多軸型コンバインドサイクル発電設備と、蒸気タービンの排気またはタービンバイパス弁を介して排熱回収ボイラからの蒸気を使用する付帯設備とから構成された複合発電プラントの制御装置において、稼働しているすべてのダクトバーナ負荷が最大に到達した場合に蒸気タービンを前圧制御させて排気圧力制御から蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御に切り替える蒸気タービン制御装置と、蒸気タービンが前圧制御となった後に付帯設備に供給する蒸気をタービンバイパス弁を介して供給するダクトバーナ制御系とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多軸型コンバインドサイクル発電設備と蒸気を使用する付帯設備とを備えた複合発電プラントを制御する複合発電プラントの制御装置に関する。
複合発電プラントとして、多軸型コンバインドサイクル発電設備と蒸気を使用する付帯設備とから構成されたものがある。多軸型コンバインドサイクル発電設備は、例えば、2台のガスタービンと1台の蒸気タービンとで1台の発電機を駆動するコンバインドサイクル発電システムである。このようなコンバインドサイクル発電システムでは、ガスタービンの排ガスを用いて排熱回収ボイラで蒸気を発生させ、その蒸気で蒸気タービンを駆動し、ガスタービン及び蒸気タービンで発電機を駆動する。一方、付帯設備は、多軸形コンバインドサイクル発電設備の排熱回収ボイラからの蒸気を使用する設備であり、例えば、蒸気で海水を蒸発させて水を生産する造水プラントや蒸気で温熱を蓄熱する設備等がある。
図8は、従来の複合発電プラントの一例を示した構成図である。発電設備200は、複数台のガスタービン発電設備201a〜201mと、複数台の蒸気タービン発電設備301a〜301nとで構成されたいわゆる多軸型コンバインドサイクル発電設備である。また、発電設備200からの蒸気を使用する複数台の付帯設備501a〜501pと複数台の復水器設備601a〜601qとが接続されている。復水器設備601a〜601qは、余剰となった発電設備200からの蒸気を回収する目的で設置される。この復水器設備601a〜601qの代わりに、蒸気タービン入口側及び蒸気タービン排気側の双方またはいずれか一方に図示省略の蒸気逃がし弁を設置し、余剰となった蒸気を回収せずに大気に放出する場合もある。
ガスタービン発電設備201a〜201mは同一構成であるのでガスタービン発電設備201aについて説明する。蒸気タービン発電設備301a〜301n、付帯設備501a〜501p、復水器設備601a〜601qについても同様である。
ガスタービン202aの燃焼器203aには燃料弁204aを介して燃料が投入され、燃焼ガスによりガスタービン202aを駆動し、ガスタービン202aと同一軸上に接続された発電機205aを駆動して電力を得る。ガスタービン負荷は負荷検出手段206aで検出され、燃料弁204aを操作することにより制御される。
一方、ガスタービン202aからの高温の燃焼ガスは、排熱回収ボイラ211aに導入される。排熱回収ボイラ211aでは付帯設備501a〜501p、復水設備601a〜601qからの復水が脱気器212aに供給される。脱気器212aでは、蒸発器213aでガスタービン202aの燃焼ガスにより発生した蒸気により復水が脱気され、脱気された給水は給水ポンプ214aで昇圧され、節炭器215aでガスタービン202aの排気により昇温される。昇温された給水は、蒸気ドラム216aに供給される。蒸気ドラム216aからの給水は、蒸発器217aでガスタービン202aの燃焼ガスにより蒸発し、蒸気となる。蒸気ドラム216aからの蒸気は、過熱器218aでガスタービン202aの燃焼ガスにより過熱され、圧力検出手段221aで圧力が、流量検出手段222aで流量が検出され、蒸気タービン発電設備301a〜301nに供給される。
一方、排熱回収ボイラ211aには、ダクトバーナ219aが設置されている。排熱回収ボイラ211aは、ガスタービン202aの燃焼ガスにより復水から蒸気を生成するが、要求される蒸気量がガスタービン202aからの燃焼ガスにより生成される蒸気量よりも多い場合には、これを補うために燃料弁220aを開弁し、ダクトバーナ219aの負荷を増加させ、排熱回収ボイラ211aへの入熱を増加させる。これにより、より多くの蒸気量を生成させる。また、排熱回収ボイラ211aの起動/停止時、蒸気タービン発電設備301a〜301nを使用しない場合などのために、タービンバイパス弁223aが設置されている。
排熱回収ボイラ211aで生成された高温高圧の蒸気は、タービンバイパス弁223aにより減圧・減温され、蒸気タービン302aの排気と合流し、付帯設備501a〜501pまたは復水設備601a〜601qに供給される。図示した一例では、タービンバイパス弁223aの1次側は排熱回収ボイラ211aの出口に接続されているが、各ガスタービン発電設備201a〜201mからの蒸気が合流した後に接続される場合もある。
各ガスタービン発電設備201a〜201mより供給された蒸気は合流し、圧力検出手段401で圧力が検出され、蒸気タービン発電設備301aの加減弁303aを介して蒸気タービン302aに導入される。蒸気タービン302aで発生した駆動力により、同一軸上に接続された発電機304aを駆動して電力を得る。蒸気タービンの負荷は負荷検出手段305aで検出され、蒸気タービン302aの負荷は、加減弁303aを操作することにより調整される。蒸気タービン302aで仕事をした蒸気は、圧力検出手段306aで圧力が検出される。また、蒸気タービン202の回転数が、回転数検出手段307aにより検出される。
各蒸気タービン設備301a〜301nで使用された蒸気と、タービンバイパス弁223aからの蒸気は合流し、圧力検出手段402で圧力を検出され、付帯設備501a〜501p、または復水器設備601a〜601qに供給される。付帯設備501aでは、供給された蒸気が使用され、一部が復水となってガスタービン発電設備201a〜201mに戻される。以下、付帯設備501a〜501pの一例として造水プラントである場合について説明する。
熱交換器502aで海水供給系統511からの海水を蒸気タービン発電設備301a〜301nより供給される蒸気により蒸発させ生産水を得る。各付帯設備501a〜501pで生成された生産水は生産水系統513により供給される。使用する蒸気は、流量検出手段504aで流量が検出され、熱交換器502aで海水と熱交換を終えた蒸気は復水となり、復水ポンプ503aを介して、ガスタービン発電設備201a〜201mに供給される。また、余剰な海水は海水戻り系統512を介して排水される。
蒸気タービン発電設備301a〜301nまたはガスタービン発電設備201a〜201mからの蒸気が付帯設備501a〜501pで消費される蒸気よりも多い場合に、この余剰蒸気を復水に戻すために、復水器設備601a〜601qが設置されている。復水器設備601aでは、蒸気タービン発電設備301a〜301nまたはガスタービン発電設備201a〜201mからの蒸気の流量が流量検出手段605aにより検出され、調節弁603a(以下復水器の調節弁と称す)を介して復水器602aに導入され、復水器602aでは、海水供給系統511から供給された海水により、蒸気を冷却し復水とし、復水ポンプ604aを介して、ガスタービン設備発電設備201a〜201mに供給される。なお、ガスタービン発電設備201a〜201m、蒸気タービン発電設備301a〜301n、付帯設備501a〜501p、復水器設備601a〜601qの台数は、そのプラント規模により任意の数の組合せとなる。
図9ないし図14は、このような複合発電プラント構成に対する従来の制御装置のシステム構成図である。図9は、ガスタービン出力制御系、蒸気タービン出力制御系及びダクトバーナ制御系の構成図である。図9において、各ガスタービンの発電機205a〜205mの負荷検出手段206a〜206mからの各負荷信号を加算器1で合計し、ガスタービン合計負荷を得る。また各蒸気タービンの発電機304a〜304nの負荷検出手段305a〜305nからの各負荷信号を加算器2で合計し、蒸気タービン合計負荷を得る。加算器3では、加算器1からのガスタービン合計負荷と、加算器2からの蒸気タービン合計負荷の加算を行いプラント合計負荷を得る。設定器4には、中給または運転員により発電設備全体に対する負荷指令が設定されており、この発電設備全体負荷指令値とプラント合計負荷との偏差を減算器5で計算し、PID制御器6では、減算器5からの偏差を少なくするようにガスタービン負荷指令値の出力を信号保持器8に対して行う。
PID制御器6からのガスタービン負荷指令値は、蒸気タービン負荷制御モード7がオンした場合(以下蒸気タービン負荷制御モードとする)は信号保持器8で保持されるが、蒸気タービン負荷制御モード7がオフ(以下ガスタービン負荷制御モードとする)している場合は、そのまま按分器9に出力される。按分器9では、稼動しているガスタービン台数で信号保持器8からのガスタービン負荷指令値の按分を行い、切替器10a〜10mに出力する。設定器11a〜11mには、中給からの信号または運転員により各ガスタービンの発電機205a〜205mに対する個別負荷設定値が設定されており、切替器10a〜10mに出力される。
切替器10a〜10mでは、中給からの信号または運転員により設定される発電機個別負荷制御モード12がオンした場合は、設定器11a〜11mからの個別負荷設定値を選択し、発電機個別負荷制御モード12がオフした場合は、按分器9からの発電設備全体負荷制御指令値を選択し、各ガスタービン制御装置13a〜13mに対して出力を行う。各ガスタービン制御装置13a〜13mでは、ガスタービンの燃料弁204a〜204mを操作することによりガスタービン202a〜202mの負荷が制御される。蒸気タービン負荷制御モード7は、基本的にはガスタービンの負荷が最大負荷または最小負荷となった場合にオンする。これについては図14に基づいて後述する。
一方、蒸気タービンの負荷制御においては、設定器4からの発電設備全体に対する負荷指令値とガスタービン合計発電量との偏差が減算器15で計算され、蒸気タービン負荷制御モードの場合に、スイッチ14により蒸気タービン負荷指令値として按分器16に対して出力されるようになっている。按分器16では、稼動している蒸気タービン台数により、蒸気タービン負荷指令値の按分を行い切替器17a〜17nに出力する。
設定器18a〜18nには、中給からの信号または運転員により各蒸気タービンの発電機304a〜304nに対する、個別負荷設定値が設定されており、切替器17a〜17nに出力される。切替器17a〜17nでは、発電機個別負荷制御モード12がオンした場合は、設定器18a〜18nからの個別負荷設定値を選択し、発電機個別負荷制御モード12がオフした場合は、按分器16からの発電設備全体負荷制御指令値を選択し、各蒸気タービン制御装置20a〜20nに対して出力を行う。
図10は蒸気タービン制御装置20aの構成図である。図10において、負荷指令値19aは変化率制限器41aに入力される。変化率制限器41aでは、蒸気タービン302aにより制約される蒸気タービンの負荷変化率が設定されており、滑らかな負荷指令値が減算器42aに対して出力される。減算器42aでは、蒸気タービンの発電機304aの負荷検出手段305aからの負荷信号と負荷指令値の偏差が求められ、PID制御器43aに出力される。PID制御器43aでは、減算器42aからの偏差に見合った制御出力を計算し切替器47aに出力を行う。
一方、設定器44aには蒸気タービン制御装置20aが排気圧力制御を行う場合の排気圧力設定値が設定されており、圧力検出手段306aからの蒸気タービンの排気圧力が減算器45aに入力され、排気圧力設定値との偏差が求められPID制御器46aに対して出力を行う。PID制御器46aでは、減算器45aからの偏差に見合った制御出力を切替器47aに対して出力を行う。切替器47aでは、蒸気タービン負荷制御モード(蒸気タービン負荷制御モード7がオン)の場合はPID制御器43aからの制御出力を選択し、ガスタービン負荷制御モード(蒸気タービン負荷制御モード7がオフ)の場合はPID制御器46aからの制御出力を選択し、加算器48aに出力する。
設定器49aには、蒸気タービン302aの回転数設定値が設定されており、減算器50aに対して回転数設定値が出力される。減算器50aには回転数検出手段307aより、蒸気タービン302aの回転数が入力され、回転数設定値との偏差が求められ、P制御器51aに対して偏差の出力を行う)。P制御器51aでは偏差に見合った周波数補正制御出力を計算し、スイッチ52aに対して出力を行う。バイアス設定モード53aは、蒸気タービンで周波数変動の補正を行う場合にオンする信号であり、プラントの状態や運転員の設定によりオンする。バイアス設定モード53aがオンした場合に、スイッチ52aはP制御器51aからの周波数補正制御出力を加算器48aに対して出力を行う。加算器48aでは切替器47aからの制御指令値に、スイッチ52aからの周波数補正制御出力を加算し、加減弁303aに対する制御指令値の出力を行い、加減弁303aの操作を行う。
以上により、発電設備全体負荷指令値に対して、通常時の制御モードであるガスタービン負荷制御モードの場合は、ガスタービンは負荷制御を行い、蒸気タービンは排気圧力の制御を行う。蒸気タービン負荷制御モードの場合は、ガスタービンはその負荷指令を保持させ、蒸気タービンで負荷制御を行うこととなる。また、バイアス設定モード53aがオンの場合は、蒸気タービン制御装置20aで周波数変動を抑えるべく蒸気タービンの回転数制御を加えることにより、蒸気タービンにより系統周波数変動を吸収し制御を行う。
次に、ダクトバーナ219aの制御について図9を参照して説明する。ダクトバーナ219aの制御においては、蒸気タービンの負荷指令値19a〜19nが、各関数発生器21a〜21nに入力され、各関数発生器21a〜21nでは各蒸気タービン負荷指令値に基づいたダクトバーナ219aの制御設定値、すなわち蒸気タービン入口側圧力の設定値が設定されている。この蒸気タービン入口側圧力設定値は、各負荷で各蒸気タービンを最も効率良く運転することができる圧力、すなわち中負荷〜高負荷において加減弁303aを全開させる圧力であり、その一例を図11に示す。図11は、蒸気タービン負荷指令値に対するダクトバーナ219aの設定値を示したグラフであり、ダクトバーナ219aの設定値は、各蒸気タービン負荷に対して蒸気タービンの効率を最大とする蒸気タービン入口の圧力としたものである。
図9において、関数発生器21a〜21nの出力は高値選択器22に入力され、高値選択器22では入力された関数発生器21a〜21nの出力の中で最も高い値を選択し、加算器23に出力する。加算器23では、高値選択器22からの圧力設定値に、設定器24からのバイアス値の加算を行い切替器25に出力を行う。一方、負荷検出手段305a〜305nより各蒸気タービンの発電機304a〜304nの負荷が関数発生器26a〜26nに各々入力される。関数発生器26a〜26nには、各蒸気タービン負荷指令値に基づいた、ダクトバーナ219aの制御設定値、すなわち蒸気タービン入口側圧力設定値が設定されている。この蒸気タービン入口側圧力設定値は、各負荷で蒸気タービンを最も効率良く運転することができる圧力にバイアスを加算した圧力が設定されている。関数発生器26a〜26nの設定値の一例を図12に示す。
図12は、蒸気タービン負荷に対するダクトバーナ219aの設定値を示したグラフであり、ダクトバーナ219aの設定値は、各負荷に対して各蒸気タービンの効率を最大とする蒸気タービンの入口の圧力(破線で示す)にバイアスを加算したものである。破線で示された蒸気タービンを最も効率良く運転することができる蒸気タービンの入口側圧力とは、加減弁303aを全開させる圧力であり、これにバイアスを加算した圧力でダクトバーナ219aの制御を行うことにより、加減弁303aを絞り運用とし、各蒸気タービン制御装置20a〜20nの排気圧力制御において、排気圧力が低下した場合にこれを補うように加減弁303aを開弁させることが可能となる。なお、ダクトバーナ219aが最大負荷あるいは最小負荷になった際に、蒸気タービンの入口の圧力は制御不能になってしまう。
図9において、関数発生器26a〜26nの出力は、高値選択器27に入力され、高値選択器27では入力された関数発生器26a〜26nの出力の中で最も高い値を選択し加算器28に出力する。設定器29には、高値選択器27からの圧力設定値に対する任意のバイアス値が設定されており、加算器28では、高値選択器27からの圧力設定値に、設定器29からのバイアス値の加算を行い切替器25に出力を行う構成とする。切替器25では、蒸気タービン負荷制御モードの場合は加算器23からの制御設定値を選択し、またガスタービン負荷制御モードの場合は加算器28からの制御設定値を選択して、減算器30へ出力を行う。減算器30には、圧力検出手段401により検出された蒸気タービン入口側の圧力が入力されており、切替器25からの制御設定値との偏差が求められ、PID制御器31に出力される。
PID制御器31では偏差信号を少なくするように制御指令値が計算され、加算器32に出力する。流量検出手段222a〜222mからの各排熱回収ボイラ出口蒸気流量を加算器33へ入力し、加算器33ではこれらの加算を行い、発電設備発生合計蒸気流量を求め減算器37への出力を行う。また、流量検出手段504a〜504pからの各付帯設備501a〜501pに流入する蒸気流量が加算器34に入力され、加算器34ではこれらの加算を行い、付帯設備合計蒸気流量が求められ、加算器36に出力される。流量検出手段605a〜605qからの各復水器設備601a〜601qに流入する蒸気流量が加算器35に入力される。加算器35ではこれらの加算を行い、復水器設備合計蒸気流量が計算され加算器36に入力される。加算器36では、2つの蒸気流量の加算を行い、使用合計蒸気流量として減算器37に出力される。減算器37では、発生合計蒸気流量と使用合計蒸気流量との偏差を求め、PID制御器38へ出力を行う。PID制御器38では、偏差が少なくなるように制御指令値の計算を行い、フィードフォワード制御信号として加算器32に出力を行う。加算器32では、PID制御器31との出力にフィードフォワード制御信号を加算し、按分器39へ制御指令値を出力される。
なお、PID制御器38は、P制御分のみで制御を行うことも可能である。按分器39では、稼動しているダクトバーナ219aの台数により按分を行い、ダクトバーナ制御装置40a〜40nのうち稼動しているダクトバーナ219aの制御装置に対して、制御指令値の出力を行う。各ダクトバーナ制御装置40a〜40nでは、制御指令値に基づいてダクトバーナ219aの燃料弁220a〜220mの制御を行う。
以上により、発電設備200で発生する蒸気流量と、付帯設備501a〜501p及び復水器設備601a〜601qで使用される蒸気流量とを一致させるように、またはその偏差に見合ったフィードフォワード制御信号をダクトバーナの制御指令値に加算させ、先行的にダクトバーナを制御する。
図13はタービンバイパス弁制御系及び復水器の調節弁の制御系の構成図である。図13において、タービンバイパス弁223aの制御は以下のように行われる。設定器55には、タービンバイパス弁223a〜223mのタービン排気側圧力の設定値が設定されており、この圧力設定値は、蒸気タービン制御装置20aの設定器44aに設定されている圧力より低い値が設定されている。この低くする値(幅)は、圧力検出手段306aから圧力検出手段402までの配管圧損分と、蒸気タービン制御装置20aでの排気圧力制御との干渉を回避できる圧力を見込んだ値である。減算器56では、設定器55からの圧力設定値と、圧力検出手段402からの蒸気タービン排気側圧力の偏差が計算され、PID制御器57へ出力を行う。PID制御器57では、減算器56からの偏差を少なくするように、制御指令値の計算を行い、按分器58への出力を行う。按分器58では、稼動しているタービンバイパス弁の台数により制御指令値の按分を行い、タービンバイパス制御装置54a〜54mのうち稼動しているタービンバイパス弁の制御装置に対して、蒸気タービン排気側圧力制御指令値として出力を行う。
タービンバイパス制御装置54aでは、圧力検出手段221aより排熱回収ボイラ出口蒸気圧力が、減算器62a、変化率制限器59a、減算器65aに入力される。変化率制限器59aには、排熱回収ボイラ211aの蒸気ドラム216a等の構成機器により制約される圧力変化率より若干低い値が設定されており、滑らかになった蒸気圧力信号が低値選択器61aに入力される。また、設定器60aには排熱回収ボイラ211aの構成機器等により制約される最大圧力設定値より若干低い値が設定されており、低値選択器61aに入力される。低値選択器61aでは、2つの圧力の低い方が選択され、減算器62aに設定値として出力される。減算器62aでは、圧力検出手段221aからの圧力と、低値選択器61aからの設定値の偏差が求められ、PID制御器63aに出力を行う。PID制御器63aでは偏差が少なくなるように制御指令値の計算を行い、制限制御指令値として高値選択器69aへ出力を行う。
一方、設定器64aには排熱回収ボイラ211aが起動、停止する際の圧力設定値が設定されており、減算器65aに対して出力を行う。減算器65aにおいて、圧力検出手段221aからの圧力と設定器64aからの設定値の偏差が求められ、PID制御器66aに出力される。PID制御器66aでは、偏差を少なくするように、起動停止時制御指令値が計算され切替器67aに出力される。切替器67aでは、排熱回収ボイラ起動停止モード68aがオンした場合は、PID制御器66aからの起動停止時制御指令値が選択され、排熱回収ボイラ起動停止モード68aがオフした場合は、按分器58からの蒸気タービン排気側圧力制御指令値が選択され高値選択器69aに制御指令値として出力される。高値選択器69aでは、PID制御器63aからの制限制御指令値と、切替器67aからの制御指令値との高い方が選択され、タービンバイパス弁223aへ出力を行いタービンバイパス弁223aの操作を行う。
以上により、タービンバイパス弁223aは、排熱回収ボイラ211aが起動停止過程にある場合は、排熱回収ボイラ211aの出口蒸気圧力を設定器64aで設定される起動停止時の圧力設定値で制御を行う。起動停止過程にない場合は、蒸気タービン排気側圧力を各蒸気タービン制御装置20a〜20nで行われる排気圧力制御の設定値より低い圧力で制御することにより、各蒸気タービン制御装置20a〜20nで排気圧力が制御されている場合は、タービンバイパス弁212aは全閉している。付帯設備での蒸気使用量が増加し加減弁303aが全開し、蒸気タービンの排気圧力制御範囲を逸脱した場合は、タービンバイパス弁223aが開弁し圧力を制御することにより、付帯設備への蒸気がタービンバイパス弁223aで制御される。また、排熱回収ボイラ211aの出口蒸気圧力がプラント機器により制約される変化率及び最大圧力を超えないようにタービンバイパス弁223aが開弁する。
次に、図13を参照して復水器圧力制御について説明する。設定器70には、復水器圧力設定値が設定されており、蒸気タービン制御装置20aの設定器44a(図10)で設定される排気圧力設定値に圧力検出手段306aから圧力検出手段402までの配管圧損分を見込んだ値が設定される。設定器71には、設定器70で設定される圧力設定値に対するバイアス値が設定されており、このバイアス値は、蒸気夕一ビン制御装置20aで行われる排気圧力制御と干渉を考慮した値が設定される。
加算器72では、設定器70に設定されている圧力設定値に、設定器71で設定されるバイアス値を加算し、切替器73に対して圧力設定値の出力を行う。切替器73では、蒸気タービン負荷制御モードの場合は設定器70からの圧力設定値を選択し、ガスタービン負荷制御モードの場合は加算器72からの圧力設定値を選択し減算器74に出力する。減算器74では、圧力検出手段402からの蒸気タービン排気側圧力と切替器73からの圧力設定値の偏差が求められPID制御器75へ出力される。PID制御器75では偏差少なくなるように制御指令値が計算され、按分器76に出力を行う。按分器76では、稼動中の復水器の調節弁の台数により制御指令値の按分を行い、稼動中の復水器の調節弁603a〜603qに対して制御指令値の出力を行う。
図14は、蒸気タービン負荷制御モード演算部の判定ロジックの一例を示す構成図である。図14において、入力条件は、稼動中全ガスタービン最小負荷到達条件77、発電設備全休負荷降下中条件78、発電機個別負荷制御モード12、発電設備全体負荷上昇中条件79、稼動中全蒸気タービン最大負荷到達条件80、稼動中全ダクトバーナ最大負荷到達条件81、稼動中全タービンバイパス弁全閉条件82、蒸気タービン側排気側圧力が高圧力以上条件83、稼動中全ガスタービン最大負荷到達条件84、稼動中全蒸気タービン最小負荷到達条件85、稼動中全ダクトバーナ最小負荷到達条件86、稼動中全復水器の調節弁全閉条件87、蒸気タービン側排気側圧力が低圧力以下条件88で構成され、各入力条件はプラント内にある諸量により計算される。
蒸気タービン負荷制御モード7をオンさせ、蒸気タービン負荷制御モードとするのは、稼動中全ガスタービン最小負荷到達条件77がオンかつ発電設備全体負荷降下中条件78がオン、あるいは発電機個別負荷制御モード12がオン、あるいは稼動中全ガスタービン最大負荷到達条件84がオンかつ発電設備全体負荷上昇中条件79がオンである。また、蒸気タービン負荷制御モード7をオフさせ、ガスタービン負荷制御モードとするのは、稼動中全ガスタービン最小負荷到達条件77がオンの場合、稼動中全蒸気タービン最大負荷到達条件80がオンあるいは稼動中全ダクトバーナ最大負荷到達条件81がオン、かつ発電設備全体負荷上昇中条件79がオンである。
これらの条件にて蒸気タービン負荷制御モードからガスタービン負荷制御モードに移行するのは、稼動中の全蒸気タービンが最大負荷に到達した際負荷が上昇すると、負荷が制御不能になるためである。また、稼動中の全ダクトバーナが最大負荷に到達した際に負荷が上昇すると、蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御が制御不能になるためである。発電機個別負荷制御モード12がオンにて蒸気タービン負荷制御モード7をオンしている際に、蒸気タービン負荷制御モード7をオフするには、発電機個別負荷制御モード12をオフする。
稼動中全ガスタービン最大負荷到達条件84がオンにて蒸気タービン負荷制御モード7をオンしている際、蒸気タービン負荷制御モード7をオフするには、稼動中全蒸気タービン最小負荷到達条件85がオンあるいは稼動中全ダクトバーナ最小負荷到達条件86がオン、かつ発電設備全体負荷降下中条件78がオンである。あるいは、稼動中全復水器の調節弁全閉条件87がオン、かつ蒸気タービン側排気側圧力が低圧力以下条件88がオンの場合である。前者の条件にて蒸気タービン負荷制御モードからガスタービン負荷制御モードに移行するのは、稼動中の全蒸気タービンが最小負荷に到達した際負荷が降下すると、負荷が制御不能になるためである。また、稼動中の全ダクトバーナが最小負荷に到達した際負荷が降下すると、蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御が制御不能になるためである。後者の条件にて蒸気タービン負荷制御モードからガスタービン負荷制御モードに移行するのは、発電設備全体の負荷が下がり始めたことにより、蒸気タービン側排気圧力が低下し、それに伴い稼動中の全復水器の調節弁が閉まり、稼動中の全ガスタービンが最大負荷から外れるためである。以上の内容をまとめると表1のようになる。
Figure 2009221863
ここで、発電造水複合プラントが電気需要や淡水需要に合わせた部分負荷運転を実施する際、コンバインドサイクルの発電効率を向上させ、年間トータルの燃料消費量を低減するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−266258号公報
このように、複合発電プラントでは、発電設備200で生成され発電に使用された蒸気を付帯設備501aで使用するが、発電設備200に対する発電負荷指令と付帯設備501aに対する負荷指令がその蒸気量においてバランスしている場合は問題がないが、一般的には、2つの指令値は個別に設定される。例えば、付帯設備501aが造水設備である場合には、水の需要の高い夏場は、通常と比較して過大に造水設備への蒸気量が要求され蒸気量のバランスが崩れてしまう。この場合は、加減弁303aまたはタービンバイパス弁223aを開けて付帯設備501aへの蒸気量を確保することになる。このとき蒸気タービン入口側の蒸気圧力が低下するため、ダクトバーナ219aは負荷上昇を開始する。
しかし、ダクトバーナ219aの負荷が最大負荷に到達すると蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御が制御不能になるため、自動運転が継続できなくなるという問題があった。また、水の需要の低い冬場は、通常と比較して過小に造水設備への蒸気量が要求され、蒸気量のバランスが崩れてしまう。この場合は、加減弁303aを閉じて付帯設備501aへの蒸気量を減らす。このとき蒸気タービン入口側の蒸気圧力が上昇するため、ダクトバーナ219aが負荷降下を開始する。ダクトバーナ219aの負荷が最低負荷に到達すると蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御が制御不能になるため、自動運転が継続できなくなるという問題があった。
本発明の目的は、蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御を保ちつつ発生蒸気量と消費蒸気量とのバランスを保つことができる複合発電プラントの制御装置を提供することである。
本発明に係わる複合発電プラントの制御装置は、ガスタービンの排ガスを用いて排熱回収ボイラで蒸気を発生させ蒸気タービンを駆動し前記ガスタービン及び前記蒸気タービンで発電機を駆動する多軸型コンバインドサイクル発電設備と、前記蒸気タービンの排気またはタービンバイパス弁を介して前記排熱回収ボイラからの蒸気を使用する付帯設備とから構成され、前記ガスタービンを負荷制御とし、前記蒸気タービンを排気圧力制御とし、排熱回収ボイラに設置されたダクトバーナを蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御とし、前記発電設備を前記発電設備に対する負荷指令で制御し、前記付帯設備を蒸気圧力制御する複合発電プラントの制御装置において、稼働しているすべてのダクトバーナ負荷が最大に到達した場合に前記蒸気タービンを前圧制御させて排気圧力制御から蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御に切り替える蒸気タービン制御装置と、前記蒸気タービンが前圧制御となった後に付帯設備に供給する蒸気を前記タービンバイパス弁を介して供給するダクトバーナ制御系とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御を保ちつつ発生蒸気量と消費蒸気量とのバランスを保つことができる複合発電プラントの制御装置を提供できる。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる複合発電プラントの制御装置における蒸気タービン制御装置20aの構成図、図2は本発明の第1の実施の形態に係わる複合発電プラントの制御装置におけるダクトバーナ制御系の構成図、図3は本発明の第1の実施の形態に係わる複合発電プラントの制御装置における前圧制御部の構成図である。図1では図10に示した従来例の複合発電プラントの制御装置に対し追加した部分を鎖線で明示し、図2では図9に示した従来例の複合発電プラントの制御装置に対し追加した部分を鎖線で明示している。
図1において、図10に示した従来例に対して切替器47aの下流側に切替器97aを設置している。そして、負荷設定値94aは、蒸気タービン入口側圧力制御の設定値と等しく、図2の切替器25の出力と同じものである。減算器95aには、圧力検出手段401aより、排熱回収ボイラ出口の蒸気圧力が入力され、圧力設定値との偏差が求められPID制御器96aに出力される。PID制御器96aでは、偏差信号を少なくするように制御指令値が計算され切替器97aに出力される。切替器97aでは、加減弁303aが前圧制御98を行っていない場合は切替器47aからの制御出力を選択し、加減弁303aが前圧制御98を行っている場合はPID制御器96aからの制御出力を選択し、加算器48aへの出力を行う。
図2において、図9に示した従来例に対して加算器32の下流側に信号保持器99を設置している。加算器32では、PID制御器31からの制御出力に、PID制御器38からのフィードフォワード制御信号の加算を行い信号保持器99に出力される。加算器32からの制御出力は、加減弁303aが前圧制御98を行っている場合は信号保持器99で保持されるが、加減弁303aが前圧制御98を行っていない場合は、そのまま按分器39に出力される。
図3において、加減弁303aの前圧制御の演算について説明する。稼動中全ダクトバーナ最小負荷到達条件100とNOTロジック104を介した復水器の調節弁全閉条件101をANDロジック105に出力する。ANDロジック105は入力信号がすべてオンした場合、ORロジック107にオンを出力する。稼動中全ダクトバーナ最大負荷到達条件102をフリップフロップロジック106のSET側に出力する。一方、稼動中全タービンバイパス弁全閉条件103をRESET側に出力する。フリップフロップロジック106はSET側の信号がオンした場合、ORロジック107にオンを出力する。ORロジック107は入力信号のいずれかがオンした場合、加減弁303aは前圧制御98に投入する。
付帯設備501aへの蒸気量が過大に要求された場合、蒸気タービン排気圧力が低下し、加減弁303aを開けて付帯設備501aへの蒸気量を確保する。このとき蒸気タービン入口側の蒸気圧力が低下するため、ダクトバーナ219aは負荷上昇を開始する。ダクトバーナ219aは最大負荷に到達すると加減弁303aを前圧制御98させることにより、加減弁303aを絞ることで蒸気タービン入口側の蒸気圧力を保持する。加減弁303aを前圧制御98させると、加減弁303aは排気圧力制御から蒸気タービン入口側の蒸気圧力に移行するため、排気圧力制御は加減弁303aからタービンバイパス弁223aへ引継がれる。
そのとき、排気圧力制御が加減弁303aの制御対象から外れることで圧力が下がり、排気圧力はタービンバイパス弁223aの設定値を下回り、タービンバイパス弁223aが開けられる。この一連の動作により、蒸気タービン302aから付帯設備501aへ供給されている蒸気はタービンバイパス弁223a側から供給されるようになり、タービンバイパススプレー分の蒸気が加算され、付帯設備501aへの蒸気量をさらに増やすことが可能になる。逆に、付帯設備501aの負荷が上昇し排気圧力が回復する場合、排気圧力制御を行っているタービンバイパス弁223aは閉動作し、全閉することで加減弁303aは前圧制御98から解除される。
付帯設備501aへの蒸気量が過小に要求された場合、蒸気タービン排気圧力が上昇し、加減弁303aを閉じて付帯設備501aへの蒸気量を減らす。このとき蒸気タービン入口側の蒸気圧力が上昇するため、ダクトバーナ219aは負荷降下を開始する。ダクトバーナ219aは最低負荷に到達すると加減弁303aを前圧制御98させることにより、加減弁303aの閉動作を止める。この一連の動作により、ダクトバーナ219aが最低負荷到達後に蒸気タービン入口側の蒸気圧力は上昇を続けて、蒸気タービン入口側の余剰蒸気を逃がすため、タービンバイパス弁223aが開けられる。それにより排気圧力は上昇し、更に加減弁303aが閉じられることを防止する。最終的に蒸気タービン302aは最低負荷まで到達してしまう。
加減弁303aを前圧制御98させることで、蒸気タービン排気圧力は上昇するが、蒸気タービン排気側に設置された復水器の調節弁603aを開けることで、蒸気タービン排気圧力の上昇を防止する。逆に、付帯設備501aの負荷が下降し排気圧力が下がる場合、蒸気タービン排気側に設置された復水器の調節弁603aは閉動作し、全閉することで加減弁303aは前圧制御98から解除される。
第1の実施の形態によれば、ダクトバーナ219aが最大/最低負荷に到達した場合、加減弁303aを前圧制御98に投入することにより、蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御を引継ぎ、自動運転を継続する。また、付帯設備501aへの蒸気量が過大に要求された場合、蒸気タービン302aから付帯設備501aへ供給されている蒸気はタービンバイパス弁223a側から供給され、付帯設備へ供給される蒸気はタービンバイパススプレー分の蒸気が加算され、自動運転範囲を広げることが可能となる。
(第2の実施の形態)
図4は本発明の第2の実施の形態に関わる複合発電プラントの制御装置における前制御部の構成図である。図1に示した第1の実施の形態に対し、追加した部分を鎖線で明示している。第1の実施の形態では、加減弁303aは通常排気圧力制御をしているため、付帯設備501aへの蒸気量が過小に要求された場合、加減弁303aは絞り制御を行い排気圧力は正常値のため、復水器の調節弁603aが開く条件が成立せず、図3の前圧制御演算条件を満たさないことがある。
そこで、図4の前圧制御98の演算において、ANDロジック105の入力信号として(ガスタービン負荷<ガスタービン最大負荷条件108)と(ガスタービン負荷>ガスタービン最小負荷条件109)とワンショットタイマー110とORロジック111を追加する。ORロジック111の入力信号として、先に述べたNOTロジック104を介した復水器の調節弁全閉条件101と新たに設置したワンショットタイマー110を介して稼動中全ダクトバーナ最小負荷到達条件100を入力する。
前圧制御98に投入する前は、通常加減弁303aは排気圧力制御をしているため、復水器の調節弁603aは全閉しており、ダクトバーナ219aが最低負荷に到達しても図3の前圧制御演算では復水器の調節弁603aが開く条件が成立するまで、前圧制御98に投入されない。そこで、本回路を追加することによりワンショットタイマー110がオンし、一時的に加減弁303aを前圧制御98させる。ワンショットタイマー110がオンしている間に復水器の調節弁603aが開く条件が成立するのを待ち、復水器の調節弁603aが開くことで、ワンショットタイマー110がオフしても加減弁303aは前圧制御98を継続することが可能になる。タイマー設定時間内に復水器の調節弁603aが開かなかった場合は、蒸気タービン負荷制御モードに移行する。また、カスタービンが最大負荷に到達した状態では、前圧制御98に投入することを禁止する。同様に、ガスタービンが最低負荷に到達した状態では、前圧制御98に投入することを禁止する。
第2の実施の形態によれば、ダクトバーナ219aが最低負荷に達した場合、復水器の調節弁603aが全閉でも、復水器の調節弁603aが開くまで、復水器の調節弁全閉条件101の代用として稼動中全ダクトバーナ最小負荷到達条件100のワンショット信号を用いて前圧制御98に投入することを可能とする。また、ガスタービン最大負荷到達/最小負荷到達し、ダクトバーナが最小負荷到達した状態で加減弁303aを前弁制御に投入すると、負荷制御を行う装置が不在になり、負荷は制御不能になるため、加減弁303aを前弁制御させることを禁止する。
(第3の実施の形態)
図5は本発明の第3の実施の形態に関わる複合発電プラントの制御装置における前圧制御部の構成図である。図5では、図4に示した第2の実施の形態から追加した部分を鎖線で明示している。第1の実施の形態及び第2の実施の形態での前圧制御演算では、加減弁303aを前圧制御させた場合、タービンバイパス弁223aが開き発電効率が下がることがあった。
そこで、図5において、ANDロジック105の上流側にORロジック122とORロジック123を追加する。ORロジック122の入力信号として、ANDロジック120と先に述べた(ガスタービン負荷<ガスタービン最大負荷条件108)を追加する。ANDロジック120の入力信号として、NOTロジック117とワンショットタイマー116を介した稼動中全ガスタービン最大負荷到達条件による蒸気タービン負荷制御モードオフ112と発電設備全体負荷降下中条件113を追加する。また、ORロジック123の入力信号として、ANDロジック121と先に述べた(ガスタービン負荷>ガスタービン最小負荷条件109)を追加する。ANDロジック121の入力信号として、NOTロジック119とワンショットタイマー118を介した稼動中全ガスタービン最小負荷到達条件による蒸気タービン負荷制御モードオン114と発電設備全体負荷上昇中条件115を追加する。
ガスタービンが最大負荷に到達にしたことにより蒸気タービン負荷制御モード7に投入し、発電負荷の降下指令により加減弁303aを閉める。それに伴い蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御を行っているダクトバーナ219aが最低負荷に到達した場合、蒸気タービン負荷制御モードからガスタービン負荷制御モードに移行する。その際、ガスタービン負荷が最大負荷から降下し始めるまで蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御が不能になる。そこで、到達直後に発電設備全体負荷降下中条件113がオンかつNOTロジック117とワンショットタイマー116を介した蒸気タービン負荷制御モードオフ112がオンしたところで、瞬時に前圧制御98させることにより、加減弁303aが蒸気タービン入口側の蒸気圧力を制御することで、タービンバイバス弁223aが開くのを防ぐ。
同様に、ガスタービンが最低負荷に到達したことにより蒸気タービン負荷制御モード7に投入し、発電負荷の上昇指令により加減弁303aを開ける。それに伴いタービンバイパス弁223aが全閉し、蒸気タービン負荷制御モード7からガスタービン負荷制御モードに移行する。このとき蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御はガスタービン負荷が最低負荷から上昇するまで不能になる。そこで到達直後に、発電設備全体負荷上昇中条件115がオンかつNOTロジック119とワンショットタイマー118を介した蒸気タービン負荷制御モードオン114がオンしたところで、瞬時に前圧制御98させることにより、加減弁303aが蒸気タービン入口側の蒸気圧力を制御することで、タービンバイパス弁223aが開くことを防ぐ。
第3の実施の形態によれば、蒸気タービン負荷制御モード7が外れた場合、加減弁303aを瞬時に前圧制御98に投入することにより、蒸気タービン入口側の蒸気圧力の制御が不能な状態であることを解消し、タービンバイパス弁223aを開けないことにより発電効率を下げないことを可能にする。
(第4の実施の形態)
図6は本発明の第4の実施の形態に関わる複合発電プラントの制御装置における前圧制御部の構成図である。図6では、図5に示した第3の実施の形態から追加した部分を鎖線で明示している。
図6において、フリップフロップロジック106の上流側にANDロジック133を追加する。ANDロジック133の入力信号として、ORロジック131とORロジック132を追加する。ORロジック131の入力信号として、NOTロジック129を介した稼動中全タービンバイパス弁全閉条件124とNOTロジック130を介した稼動中全ガスタービン最大負荷到達条件による蒸気タービン負荷制御モードオン125を追加する。ORロジック132の入力信号として、稼動中全ダクトバーナ最大負荷到達条件102と稼動中の全ダクトバーナ排気温度が最高温度到達条件126と稼動中の全給水ポンプ流量が過流量到達条件127と稼動中の全過熱器蒸気流量が過流量到達条件128を追加する。
ダクトバーナ219aが最大負荷に到達する前に、タービンバイパス弁223aが開くか、ガスタービンが最大負荷に到達したことによる蒸気タービン負荷制御モード7から外れ、かつ稼動中全ダクトバーナ最大負荷到達条件102か、稼動中の全ダクトバーナ排気温度が最高温度到達条件126か、稼動中の全給水ポンプ流量が過流量到達条件127か、稼動中の全過熱器蒸気流量が過流量到達条件128のいずれかがオンした場合、加減弁303aを前圧制御98させる。このときダクトバーナ219aの負荷は保持し、排熱回収ボイラ211a内の温度や圧力や流量が上昇することを防止する。
第4の実施の形態によれば、稼動中全ダクトバーナ最大負荷到達条件102か稼動中の全ダクトバーナ排気温度が最高温度到達条件126か、稼動中の全給水ポンプ流量が過流量到達条件127か、稼動中の全過熱器蒸気流量が過流量到達条件128のいずれかがオンした場合、加減弁303aを前圧制御98させることで、蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御が制御不能になることを防止する。
(第5の実施の形態)
図7は本発明の第5の実施の形態に関わる複合発電プラントの制御装置における前圧制御部の構成図である。図7では、図6に示した第4の実施の形態から追加した部分を鎖線で明示している。
図7において、フリップフロップロジック106の上流側にORロジック136を追加する。ORロジック136の入力信号として、稼動中全タービンバイパス弁全閉条件103と稼動中全蒸気タービン最大負荷到達条件134と稼動中全ガスタービン最小負荷到達条件135を追加する。
蒸気タービン302aが最大負荷に到達した場合、これ以上蒸気タービンに蒸気を送ることができなくなるため、前圧制御98を外す。また、ガスタービン202aが最低負荷に到達した場合、蒸気タービン302aに蒸気を送るとガスタービン202aが最低負荷に到達したにもかかわらず、蒸気タービンの負荷が上昇し、発電負荷を一定に保てなくなるため前圧制御98を外す。
第5の実施の形態によれば、付帯設備501aの負荷が降下した場合、タービンバイパス弁223aが閉まる。それに伴い蒸気タービン入口側の蒸気圧力は上昇するため加減弁303aを開け、蒸気タービンの負荷が上昇し、蒸気タービンが最大負荷に到達する。その際、前圧制御98を外すことで、蒸気タービンの許容量以上に蒸気が流れることを防止する。また、付帯設備501aへの蒸気量の要求が減少した場合、タービンバイパス弁223aは閉まる。それに伴い蒸気タービン入口側の蒸気圧力が上昇するため加減弁303aを開け、蒸気タービンの負荷は上昇し、発電負荷を一定に保つためガスタービンの負荷は減少し、最終的にガスタービンは最低負荷に到達する。その際、前圧制御98を外し、蒸気タービン負荷制御モード7に移行することで、負荷が制御不能な状態に陥ることを防止する。
本発明の第1の実施の形態に係わる複合発電プラントの制御装置における蒸気タービン制御装置の構成図。 本発明の第1の実施の形態に係わる複合発電プラントの制御装置におけるダクトバーナ制御系の構成図。 本発明の第1の実施の形態に係わる複合発電プラントの制御装置における前圧制御部の構成図。 本発明の第2の実施の形態に関わる複合発電プラントの制御装置における前制御部の構成図。 本発明の第3の実施の形態に関わる複合発電プラントの制御装置における前圧制御部の構成図。 本発明の第4の実施の形態に関わる複合発電プラントの制御装置における前圧制御部の構成図。 本発明の第5の実施の形態に関わる複合発電プラントの制御装置における前圧制御部の構成図。 従来の複合発電プラントの一例を示した構成図。 従来のガスタービン出力制御系、蒸気タービン出力制御系及びダクトバーナ制御系の構成図。 従来の蒸気タービン制御装置の構成図。 従来例における蒸気タービン負荷指令値に対するダクトバーナの設定値を示したグラフ。 従来例における蒸気タービン負荷に対するダクトバーナの設定値を示したグラフ。 従来のタービンバイパス弁制御系及び復水器の調節弁の制御系の構成図。 従来の蒸気タービン負荷制御モード演算部の判定ロジックの一例を示す構成図。
符号の説明
1…加算器、2…加算器、3…加算器、4…設定器、5…減算器、6…PID制御器、7…蒸気タービン負荷制御モード、8…信号保持器、9…按分器、10a〜10m…切替器、11a〜11m…設定器、12…発電機個別負荷制御モード、13a〜13m…各ガスタービン制御装置、14…スイッチ、15…減算器、16…按分器、17a〜17n…切替器、18a〜18n1設定器、19a〜19n…負荷指令値、20a〜20n…蒸気タービン制御装置、21a〜21n…関数発生器、22…高値選択器、23…加算器、24…設定器、25…切替器、26a〜26n…関数発生器、27…高値選択器、28…加算器、29…設定器、30…減算器、31…PID制御器、32…加算器、33…加算器、34…加算器、35…加算器、36…加算器、37…減算器、38…PID制御器38、39…按分器、40a〜40n…ダクトバーナ制御装置、41a…変化率制限器、42a…減算器、43a…PID制御器、44a…設定器、45a…減算器、46a…PID制御器、47a…切替器、48a…加算器、49a…設定器、50a…減算器、51a…P制御器、52a…スイッチ、53a…バイアス設定モード、54a〜54m…タービンバイパス制御装置、55…設定器、56…減算器、57…PID制御器、58…按分器、59a…変化率制限器59a、60a…設定器、61a…低値選択器、62a…減算器、63a…PID制御器、64a…設定器、65a…減算器、66a…PID制御器、67a…切替器、68a…排熱回収ボイラ起動停止モード、69a…高値選択器、70…設定器、71…設定器、72…加算器、73…切替器、74…減算器、75…PID制御器、76…按分器、77…稼動中全ガスタービン最小負荷到達条件、78…発電設備全体負荷降下中条件、79…発電設備全体負荷上昇中条件、80…稼動中全蒸気タービン最大負荷到達条件、81…稼動中全ダクトバーナ最大負荷到達条件、82…稼動中全タービンバイパス弁全閉条件、83…蒸気タービン側排気側圧力が高圧力以上条件、84…稼動中全ガスタービン最大負荷到達条件、85…稼動中全蒸気タービン最小負荷到達条件、86…稼動中全ダクトバーナ最小負荷到達条件、87…稼動中全復水器の調節弁全閉条件、88…蒸気タービン側排気側圧力が低圧力以下条件、89…ANDロジック、90…ORロジック
、91…NOTロジック91、92…ワンショットタイマー、93…フリップフロップロジック、94a…負荷設定値、95a…減算器、96a…PID制御器、97a…切替器、98…前圧制御、99…信号保持器、100…稼動中全ダクトバーナ最小負荷到達条件、101…復水器の調節弁全閉条件、102…稼動中全ダクトバーナ最大負荷到達条件、103…稼動中全タービンバイパス弁全閉条件、104…NOTロジック、105…ANDロジック、106…フリップフロップロジック、107…ORロジック、108…ガスタービン負荷<ガスタービン最大負荷条件、109…ガスタービン負荷>ガスタービン最小負荷条件、110…ワンショットタイマー、111…ORロジック、112…稼動中全ガスタービン最大負荷到達条件による蒸気タービン負荷制御モードオフ、113…発電設備全体負荷降下中条件、114…稼動中全ガスタービン最小負荷到達条件による蒸気タービン負荷制御モードオン114、115…発電設備全体負荷上昇中条件、116…ワンショットタイマー、117…NOTロジック、118…ワンショットタイマー、119…NOTロジック、120…ANDロジック、121…ANDロジック、122…ORロジック、123…ORロジック、124…稼動中全タービンバイパス弁全閉条件、125…稼動中全ガスタービン最大負荷到達条件による蒸気タービン負荷制御モードオン、126…稼動中の全ダクトバーナ排気温度が最高温度到達条件、127…稼動中の全給水ポンプ流量が過流量到達条件、128…稼動中の全過熱器蒸気流量が過流量到達条件、129…NOTロジック、130…NOTロジック、131…ORロジック、132…ORロジック、133…ANDロジック、134…稼動中全蒸気タービン最大負荷到達条件、135…稼動中全ガスタービン最小負荷到達条件、136…ORロジック、200…発電設備、201a〜201m…ガスタービン発電設備、202a…ガスタービン、203a…燃焼器、204a…燃料弁、205a…発電機、206a…負荷検出手段、211a…排熱回収ボイラ、212a…脱気器、213a…蒸発器、214a…給水ポンプ、215a…節炭器、216a…蒸気ドラム、217a…蒸発器、218a…過熱器、219a…ダクトバーナ219a、220a…燃料弁、221a…圧力検出手段、222a…流量検出手段、
223a…タービンバイパス弁、301a〜301n…蒸気タービン発電設備、302a…蒸気タービン、303a…加減弁、304a…発電機304a、305a…負荷検出手段、306a…圧力検出手段、307a…回転数検出手段、401…圧力検出手段、402…圧力検出手段、501a〜501p…付帯設備、502a…熱交換器、503a…復水ポンプ、504a…流量検出手段、511…海水供給系統、512…海水戻り系統、513…生産水系統、601a〜601q…復水器設備、602a…復水器、603a…復水器の調節弁、604a…復水ポンプ、605a…流量検出手段

Claims (11)

  1. ガスタービンの排ガスを用いて排熱回収ボイラで蒸気を発生させ蒸気タービンを駆動し前記ガスタービン及び前記蒸気タービンで発電機を駆動する多軸型コンバインドサイクル発電設備と、前記蒸気タービンの排気またはタービンバイパス弁を介して前記排熱回収ボイラからの蒸気を使用する付帯設備とから構成され、前記ガスタービンを負荷制御とし、前記蒸気タービンを排気圧力制御とし、排熱回収ボイラに設置されたダクトバーナを蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御とし、前記発電設備を前記発電設備に対する負荷指令で制御し、前記付帯設備を蒸気圧力制御する複合発電プラントの制御装置において、稼働しているすべてのダクトバーナ負荷が最大に到達した場合に前記蒸気タービンを前圧制御させて排気圧力制御から蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御に切り替える蒸気タービン制御装置と、前記蒸気タービンが前圧制御となった後に付帯設備に供給する蒸気を前記タービンバイパス弁を介して供給するダクトバーナ制御系とを備えたことを特徴とする複合発電プラントの制御装置。
  2. 稼働しているすべてのダクトバーナ負荷が最小に到達した場合に、前記蒸気タービン制御装置により蒸気タービンを前圧制御させ、ダクトバーナ制御系から前記蒸気タービン制御装置に蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御を引き継がせる前圧制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載の複合発電プラントの制御装置。
  3. 稼働しているすべてのダクトバーナが最大負荷に到達し、前記蒸気タービン制御装置により蒸気タービンを前圧制御させた後、前記蒸気タービン制御装置による前圧制御を解除する場合に、前記タービンバイパス弁の開度をリセット条件とする前圧制御部を備えたことことを特徴とする請求項1記載の複合発電プラントの制御装置。
  4. 前記前圧制御部は、稼働しているすべてのダクトバーナが最小負荷に到達し、前記蒸気タービン制御装置により蒸気タービンを前圧制御させた後、前記蒸気タービン制御装置による前圧制御を解除する場合に、蒸気タービンの排気側に接続された復水器に蒸気を供給する弁が全閉ではないことをリセット条件とすることを特徴とする請求項2記載の複合発電プラントの制御装置。
  5. 前記前圧制御部は、稼働しているすべてのダクトバーナが最小負荷に達し、かつ復水器の調節弁が全閉であり、蒸気タービンは前圧制御にさせることができないときは、復水器の調節弁が開くまで代用として稼動中の全ダクトバーナ最小負荷到達条件を前圧制御演算成立条件として用い蒸気タービンを前圧制御させることを特徴とする請求項2または4記載の複合発電プラントの制御装置。
  6. 前記前圧制御部は、すべてのガスタービンが最大負荷に到達して負荷制御不能になったときは、蒸気タービン制御装置による前圧制御を解除し、蒸気タービン負荷制御モードに移行することを特徴とする請求項2または4または5記載の複合発電プラントの制御装置。
  7. 前記前圧制御部は、すべてのガスタービンが最大負荷に到達して負荷制御不能になったときは、蒸気タービン制御装置による前圧制御を解除し、蒸気タービン負荷制御モードに移行することを特徴とする請求項2または4または5記載の複合発電プラントの制御装置。
  8. 前記前圧制御部は、すべてのガスタービンが最大負荷に到達し、蒸気タービン負荷制御モードに投入し、発電負荷の降下指令により蒸気タービン加減弁を閉め、それに伴い蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御を行っているダクトバーナが最小負荷に到達して、蒸気タービンは蒸気タービン負荷制御モードからガスタービン負荷制御モードに移行し、蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御が制御不能になったときは、蒸気タービンを瞬時に前圧制御に投入し、タービンバイパス弁が開くのを防止することを特徴とする請求項6記載の複合発電プラントの制御装置。
  9. 前記前圧制御部は、すべてのガスタービンが最小負荷に到達し、蒸気タービン負荷制御モードに投入し、発電負荷の上昇指令により蒸気タービン加減弁を開け、それに伴いタービンバイパス弁が全閉し、蒸気タービン負荷制御モードからガスタービン負荷制御モードに移行し、蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御が制御不能になったときは、蒸気タービンを瞬時に前圧制御に投入し、タービンバイパス弁が開くのを防止することを特徴とする請求項7記載の複合発電プラントの制御装置。
  10. 前記前圧制御部は、蒸気タービンを前圧制御に投入する条件として、排熱回収ボイラの機械的制約条件であるダクトバーナの排気温度、給水ポンプの給水流量、過熱器の蒸気流量を有し、これらのいずれかが成立してタービンバイパス弁の負荷が保持されたとき、蒸気タービンを前圧制御させて蒸気タービン入口側の蒸気圧力制御が制御不能になるのを防止することを特徴とする請求項1または3記載の複合発電プラントの制御装置。
  11. 前記前圧制御部は、稼働しているすべてのダクトバーナが最大負荷に到達し、蒸気タービンを前圧制御させた後、前圧制御から解除する場合に、蒸気タービンが最大負荷に到達及びガスタービンが最低負荷に到達したことをリセット条件として前圧制御を解除し、蒸気タービンの許容量異常に蒸気が流れる事態や負荷が制御不能な状態に陥る自体を防止することを特徴とする請求項1または3または10記載の複合発電プラントの制御装置。
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