JPH07133703A - 発電プラントの制御方法 - Google Patents

発電プラントの制御方法

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JPH07133703A
JPH07133703A JP27949893A JP27949893A JPH07133703A JP H07133703 A JPH07133703 A JP H07133703A JP 27949893 A JP27949893 A JP 27949893A JP 27949893 A JP27949893 A JP 27949893A JP H07133703 A JPH07133703 A JP H07133703A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の背圧タービン(3a)、……、(3
n)の出入口にそれぞれ共通のコモンヘッダ(2)、
(4)を設けた発電プラントにおいて、背圧タービン
(3a)、……、(3n)の一部がトリップした時、各
コモンヘッダ(2)、(4)の圧力変動、排気コモンヘ
ッダ(4)からの抽気蒸気流量の変動を最小限に抑える
こと。 【構成】 一部の背圧タービンがトリップした時、その
背圧タービンのトリップ直前の排気流量を設定値として
タービンバイパス弁(5)の出口流量を制御するととも
に、排気コモンヘッダ(4)の圧力はトリップしていな
い背圧タービンにより制御する。こうすれば、背圧ター
ビン制御とタービンバイパス弁制御が全く別個の制御系
となり、相互の干渉が起きない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数の背圧タービンを備
え、更にそれら背圧タービンの入口と出口がそれぞれ共
通のコモンヘッダに接続されている発電プラントに適用
されるタービンバイパス制御に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の背圧タービンを備えた従来の発電
所で、それら背圧タービンがすべてコモンヘッダに接続
されて、一斉に排気圧力制御を行なう例は無かった。と
ころが近年、後流の蒸気利用設備で消費される全蒸気量
の変動が大きい時、1台の排圧タービンでは容量が小さ
くこの変化を吸収できないこと、複数台の排圧タービン
のうち1台が故障してトリップ状態となった時、ヘッダ
が共通ならばトリップした排気タービンによる供給不足
蒸気を他の排圧タービンにより自動制御で補わせること
が容易であること、更に排圧タービンの一部を定期点検
等のため停止しなければならなくなった時も、ヘッダが
共通なら点検対象でない他の排圧タービンに停止タービ
ン分の不足蒸気量を自動制御で補わせることが容易にで
きること等の理由により、複数の背圧タービンの出入口
にそれぞれ共通のコモンヘッダを用いることが計画され
ている。
【0003】図1はそのような発電プラントの一例を示
す概略系統図である。この図において、ボイラ(1
a)、……、(1m)は複数台であり、これらで発生し
た蒸気は主蒸気コモンヘッダ(2)へ供給される。主蒸
気コモンヘッダ(2)には圧力を検出する圧力発信器
(7A)が取り付けられており、この主蒸気コモンヘッ
ダ(2)の圧力を一定にするように、ボイラ出力の主蒸
気流量をボイラ制御により調整する。背圧タービン(3
a)、……、(3n)も複数台あり、主蒸気コモンヘッ
ダ(2)より主蒸気を取り込み、発電を行ないながら主
蒸気よりも減圧された排気蒸気を排気コモンヘッダ
(4)へ排出する。排気コモンヘッダ(4)には圧力を
検出する圧力発信器(7B)が取り付けられており、こ
の排気コモンヘッダ(4)の圧力を一定にするように、
図示しない各タービンガバナ弁を排気タービン制御によ
り調整する。排気コモンヘッダ(4)で集められた蒸気
は、図示しない後流の蒸気利用設備において各種目的に
使用される。
【0004】タービンバイパス弁(5)は、背圧タービ
ン(3a)、……、(3n)と並列し、主蒸気コモンヘ
ッダ(2)と排気コモンヘッダ(4)との間に1台また
は複数台設置されている。これは、主蒸気コモンヘッダ
(2)の蒸気を、背圧タービン(3a)、……、(3
n)を経由せずに、直接減圧して排気コモンヘッダ
(4)へ流すもので、複数の背圧タービン(3a)、…
…、(3n)のうち一部が事故その他等の理由により運
転できない場合に使用する。すなわち、一部の背圧ター
ビンが停止している時に、タービンバイパス弁(5)の
出口圧力を制御することにより、排気コモンヘッダ
(4)の圧力変動を吸収する。
【0005】タービンバイパス弁(5)には蒸気を冷却
する装置としてスプレー水制御弁(6)があり、タービ
ンバイパス弁(5)により減圧された蒸気の温度を温度
検出器(9)を用いて減温する。またタービンバイパス
弁(5)入口の蒸気流量を検出する流量発信器(8A)
とタービンバイパス蒸気を冷却するために供給される冷
却水(スプレー水)の流量を検出する流量発信器(8
B)が設置される。タービンバイパス系統の蒸気流量は
これらの流量発信器(8A)、(8B)で検出された値
の総和となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、複数
の背圧タービンがすべてコモンヘッダに接続されて一斉
に排気圧力制御を行なう例は従来無かったので、それら
の背圧タービンがトリップした場合の制御も確立してい
なかった。図2は、従来の考え方による制御方法を用い
て、背圧タービンおよびタービンバイパス弁を制御する
場合の制御系統の一例を示す図である。
【0007】通常運転時は、タービンバイパス弁(1
5)を用いずに背圧タービン(13a)、……、(13
n)のみにより、排気コモンヘッダの圧力(17B)を
減算器(11)で設定値と比較し、PI制御器(12)
を用いて制御する。排気コモンヘッダの圧力設定値は一
定である。
【0008】複数台の背圧タービン(13a)、……、
(13n)のうち、1台もしくはそれ以上のタービンが
使用できない場合(但し、1台以上の背圧タービンは運
転中とする。)には、背圧タービンは通常時と同じくプ
ロセス値として排気コモンヘッダ圧力(17B)を用い
て制御する。更に排気コモンヘッダへの蒸気供給を確保
するためにタービンバイパス弁(15)を開かなければ
ならないが、このタービンバイパス弁制御は排気タービ
ン制御と並列する別のPI制御系(19)、(20)を
用いて行なう。排気コモンヘッダ圧力の設定値は排気タ
ービン制御の場合と同じである。
【0009】このような制御方法では、排気コモンヘッ
ダの圧力(17B)という1つのプロセス値を並列した
2系列のPI制御系(11)、(12)と(19)、
(20)で制御することとなり、これら2系列の制御系
(背圧タービンの圧力制御とタービンバイパス弁の圧力
制御)が互いに干渉し合って適正に制御できない。すな
わち上記制御方法においては、排気コモンヘッダの圧力
制御として、トリップしなかった残りのタービンによる
排圧制御と並列してタービンバイパス弁の出口圧力制御
が行なわれてしまい、PIコントローラ相互の干渉が生
じるとともに、片一方のPIコントローラの出力が過大
となり、排気ヘッダ圧力の変動やタービン出力の変動が
生じ、望ましい状態ではない。また、各背圧タービンの
出力をトリップ前と大きく変化させず、更に排気コモン
ヘッダの圧力変化を最少限にするようなタービンバイパ
ス運用を行なうが、同一のプロセス値(排気コモンヘッ
ダ圧力)を同時に別々のコントローラ(PIコントロー
ラ)により制御するのは避けなければならない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の課
題を解決するために、入口が共通の主蒸気コモンヘッ
ダ、出口が共通の排気コモンヘッダにそれぞれ接続され
た複数の背圧タービンと、上記主蒸気コモンヘッダと上
記排気コモンヘッダの間に設けられたタービンバイパス
弁とを備え、上記排気コモンヘッダの蒸気が蒸気利用設
備へ供給される発電プラントにおいて、上記複数の背圧
タービンのうち一部がトリップした時、トリップした背
圧タービンがトリップ直前に出力していた発電量からそ
の背圧タービンの排気流量を演算し、その排気流量を設
定値として上記タービンバイパス弁の出口蒸気流量を制
御するとともに、トリップしていない背圧タービンによ
り上記排気コモンヘッダの圧力を制御することを特徴と
する発電プラントの制御方法;入口が共通の主蒸気コモ
ンヘッダ、出口が共通の排気コモンヘッダにそれぞれ接
続された複数の背圧タービンと、上記主蒸気コモンヘッ
ダと上記排気コモンヘッダの間に設けられたタービンバ
イパス弁とを備え、上記排気コモンヘッダの蒸気が蒸気
利用設備へ供給される発電プラントにおいて、上記複数
の背圧タービンのうち一部がトリップした時、背圧ター
ビン1台当りの定格排気流量にトリップした背圧タービ
ンの台数を乗じた排気流量を設定値として上記タービン
バイパス弁の出口蒸気流量を制御するとともに、トリッ
プしていない背圧タービンにより上記排気コモンヘッダ
の圧力を制御することを特徴とする発電プラントの制御
方法;ならびに入口が共通の主蒸気コモンヘッダ、出口
が共通の排気コモンヘッダにそれぞれ接続された複数の
背圧タービンと、上記主蒸気コモンヘッダと上記排気コ
モンヘッダの間に設けられたタービンバイパス弁とを備
え、上記排気コモンヘッダの蒸気が蒸気利用設備へ供給
される発電プラントにおいて、上記複数の背圧タービン
のうち一部がトリップした時、トリップした背圧タービ
ンのトリップ直前の排気流量を設定値として上記タービ
ンバイパス弁の出口蒸気流量を制御するとともに、トリ
ップしていない背圧タービンにより上記排気コモンヘッ
ダの圧力を制御することを特徴とする発電プラントの制
御方法を提案するものである。
【0011】
【作用】本発明によれば、複数の背圧タービンのうち一
部がトリップした時、前記解決手段のいずれにおいて
も、トリップした背圧タービンのトリップ直前(定格運
転の場合は常に一定)の排気流量を設定値としてタービ
ンバイパス弁の出口流量を制御するとともに、排気コモ
ンヘッダの圧力はトリップしていない背圧タービンによ
り制御することになるので、背圧タービン制御とタービ
ンバイパス弁制御が全く別個の制御系となり、相互の干
渉が起きることはなく、円滑な制御を行なうことができ
る。
【0012】
【実施例】図3は本発明方法の一実施例の制御系統を示
す図である。
【0013】本実施例においても、背圧タービン(23
a)、……、(23n)の制御は従来と同じ要領で行な
う。すなわち、排気コモンヘッダの圧力(27B)を減
算器(21)で排気コモンヘッダ圧力設定値と比較し、
PI制御器(22)を用いて制御する。
【0014】本実施例では、タービンバイパス弁(2
5)の制御方法として、プロセス値はタービンバイパス
弁入口蒸気流量(28A)とタービンバイパス系冷却ス
プレ水流量(28B)との和を加算器(26)で求めた
ものを用い、これをタービンバイパス弁出口蒸気流量設
定値と減算器(29)で比較し、PI制御器(30)に
より制御する。タービンバイパス弁出口蒸気流量設定値
としては3通りの規定方法があり、それぞれ次のように
して流量制御を行なう。
【0015】[方法1] トリップしたタービンがトリ
ップ直前に出力していた発電量を記憶しておき、この発
電量に相当する排気流量を演算する。更にこの排気流量
に対するタービンバイパス弁の開度を規定開度として、
その開度まで急速に弁を開く。その後、この排気流量値
を設定値としたタービンバイパス弁の出口蒸気流量制御
を行なう。
【0016】[方法2] タービンが常時定格で運転し
ている設備では、各タービンの排気流量は定格値として
判っている。そこで(トリップしたタービンの台数)×
(1台当りの定格排気流量)をタービンバイパスさせる
蒸気流量とする。この流量に基づきタービンバイパス弁
の規定開度を決めて、その開度まで弁を急速に開く。そ
の後は、この蒸気流量を設定値としたタービンバイパス
弁出口蒸気流量制御を行なう。
【0017】[方法3] 各タービン排気口に蒸気流量
計がある場合は、トリップしたタービンのトリップ直前
の排気流量を記憶しておき、この流量に基づく規定開度
までタービンバイパス弁を急速に開く。その後、記憶し
ている排気流量をタービンバイパス弁の流量設定値とし
て、タービンバイパス弁出口蒸気流量制御を行なう。
【0018】本実施例によれば、上記3方法のいずれに
おいても、背圧タービン制御とタービンバイパス弁制御
が全く異なるものとなり、同一のプロセス値を複数のコ
ントローラ(PIコントローラ)で制御することが無い
ので、相互の干渉は起きず、円滑な制御を行なうことが
できる。したがって、背圧タービンの一部がトリップし
た時、主蒸気コモンヘッダ、排気コモンヘッダの圧力変
動や排気コモンヘッダから抽出される蒸気流量の変動を
最小限に抑えることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、共通のコモンヘッダに
接続された複数の背圧タービンの一部がトリップした時
でも、背圧タービン制御とタービンバイパス制御が全く
異なる制御系で行なわれるので、相互の干渉が生じるこ
となく、タービン入口の主蒸気コモンヘッダ、タービン
出口の排気コモンヘッダの圧力変動や排気コモンヘッダ
から抽出される蒸気流量の変動を最小限に抑えることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は複数の背圧タービンの出入口にそれぞれ
共通のコモンヘッダを設けた発電プラントの一例を示す
概略系統図である。
【図2】図2は従来の制御方法によるタービンバイパス
制御系統の一例を示す図である。
【図3】図3は本発明の制御方法が実施されるタービン
バイパス制御系統の一例を示す図である。
【符号の説明】
(1a)、(1m) ボイラ (2) 主蒸気コモンヘッダ (3a)、(3n) 背圧タービン (4) 排気コモンヘッダ (5) タービンバイパス弁 (6) スプレー水制御弁 (7A)、(7B) 圧力発信器 (8A)、(8B) 流量発信器 (9) 温度検出器 (11)、(21) 減算器 (12)、(22) PI制御器 (13a)、(13n) 背圧タービン (23a)、(23n) 背圧タービン (15)、(25) タービンバイパス弁 (26) 加算器 (17B)、(27B) 排気コモンヘッダ圧力 (28A) タービンバイパス弁入口蒸気
流量 (28B) タービンバイパス系冷却スプ
レ水流量 (19)、(29) 減算器 (20)、(30) PI制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01D 21/14 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入口が共通の主蒸気コモンヘッダ、出口
    が共通の排気コモンヘッダにそれぞれ接続された複数の
    背圧タービンと、上記主蒸気コモンヘッダと上記排気コ
    モンヘッダの間に設けられたタービンバイパス弁とを備
    え、上記排気コモンヘッダの蒸気が蒸気利用設備へ供給
    される発電プラントにおいて、上記複数の背圧タービン
    のうち一部がトリップした時、トリップした背圧タービ
    ンがトリップ直前に出力していた発電量からその背圧タ
    ービンの排気流量を演算し、その排気流量を設定値とし
    て上記タービンバイパス弁の出口蒸気流量を制御すると
    ともに、トリップしていない背圧タービンにより上記排
    気コモンヘッダの圧力を制御することを特徴とする発電
    プラントの制御方法。
  2. 【請求項2】 入口が共通の主蒸気コモンヘッダ、出口
    が共通の排気コモンヘッダにそれぞれ接続された複数の
    背圧タービンと、上記主蒸気コモンヘッダと上記排気コ
    モンヘッダの間に設けられたタービンバイパス弁とを備
    え、上記排気コモンヘッダの蒸気が蒸気利用設備へ供給
    される発電プラントにおいて、上記複数の背圧タービン
    のうち一部がトリップした時、背圧タービン1台当りの
    定格排気流量にトリップした背圧タービンの台数を乗じ
    た排気流量を設定値として上記タービンバイパス弁の出
    口蒸気流量を制御するとともに、トリップしていない背
    圧タービンにより上記排気コモンヘッダの圧力を制御す
    ることを特徴とする発電プラントの制御方法。
  3. 【請求項3】 入口が共通の主蒸気コモンヘッダ、出口
    が共通の排気コモンヘッダにそれぞれ接続された複数の
    背圧タービンと、上記主蒸気コモンヘッダと上記排気コ
    モンヘッダの間に設けられたタービンバイパス弁とを備
    え、上記排気コモンヘッダの蒸気が蒸気利用設備へ供給
    される発電プラントにおいて、上記複数の背圧タービン
    のうち一部がトリップした時、トリップした背圧タービ
    ンのトリップ直前の排気流量を設定値として上記タービ
    ンバイパス弁の出口蒸気流量を制御するとともに、トリ
    ップしていない背圧タービンにより上記排気コモンヘッ
    ダの圧力を制御することを特徴とする発電プラントの制
    御方法。
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