JP4162371B2 - 一軸型複合発電プラントの起動制御方法 - Google Patents

一軸型複合発電プラントの起動制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンと蒸気タービンとが直結され排熱回収ボイラを有した一軸型複合発電プラントの起動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の火力発電プラントは、コンベンショナル発電プラントと比較し、プラント熱効率が高い点および起動特性に優れている点等が評価されコンバインドサイクル発電プラントが主流を占めるようになってきている。このコンバインドサイクル発電プラントは、ガスタービンプラントに蒸気タービンプラントおよび排熱回収ボイラを組み合わせたもので、設置面積の縮小化を考慮して、ガスタービンと蒸気タービンとを直結させた一軸型複合発電プラントが多い。
【0003】
この一軸型複合発電プラントは、ガスタービン起動時には、ガスタービンから発生する動力を駆動源として、一軸に直結された発電機、空気圧縮機および蒸気タービンを回転駆動させている。その際、蒸気タービンは空回しとなるため、蒸気タービンの最終段および排気室に風損による異常加熱を生じさせる。この蒸気タービンの異常加熱を防止するため、ガスタービンの起動時は低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給するようにしている。
【0004】
図8は、従来の一軸型複合発電プラントの低圧蒸気タービン冷却蒸気供給系統の系統図である。ガスタービン18の起動により、直結配置された空気圧縮機19、低圧蒸気タービン14、中圧蒸気タービン15、高圧蒸気タービン16が回転する。ガスタービン18の回転数が上昇するに伴い、風損による低圧蒸気タービン14最終段および排気室の加熱が発生する。
【0005】
これを防止するため、ガスタービン18が予め設定した規定回転数に達した段階で、低圧蒸気タービン冷却蒸気供給弁25を開し、補助蒸気系統からの補助蒸気を低圧蒸気タービン冷却蒸気流量調整用オリフィス26を介して低圧蒸気タービン14に供給し低圧蒸気タービン14を冷却する。
【0006】
なお、低圧蒸気タービン冷却蒸気供給に先立ち、低圧主蒸気止め弁加減弁11は一次側圧力制御により開しており、また、低圧蒸気タービン冷却蒸気供給に伴う、低圧蒸気タービン14へのドレン持ち込みを防止するため、当該系統に設置される低圧蒸気タービン冷却蒸気供給弁前ドレン弁43、低圧主蒸気止め弁加減弁前ドレン弁44および低圧主蒸気リード管ドレン弁45を開している。なお、42は低圧過熱器出口弁前ドレン弁である。
【0007】
低圧蒸気タービン冷却蒸気は軸補助蒸気母管20より分岐されており、補助蒸気源は他の発電設備58から補助蒸気供給圧力調節弁59および補助蒸気供給弁60を介して賄われ、補助蒸気圧力伝送器61により補助蒸気供給圧力調節弁59を減圧調整し、軸補助蒸気温度調節弁22および軸補助蒸気減温器21により適正エンタルピに調整の上使用されている。軸補助蒸気温度調節弁22は軸補助蒸気温度検出器24からの温度により調整される。従って、他の発電設備58は軸起動の度に低圧蒸気タービン冷却蒸気用の補助蒸気供給を余儀なくされる。
【0008】
一方、ガスタービン18の起動の後、その排ガスを熱源とし排熱回収ボイラが蒸気を発生する。低圧系統においては、低圧過熱器出口弁6は閉止されており、低圧ドラム1にて発生した蒸気は低圧過熱器2を介して低圧タービンバイパス弁前弁8および低圧タービンバイパス弁9により、復水器17へ蒸気を排出しながら、低圧過熱器2にて過熱度を高めていく。低圧タービンバイパス弁9は低圧タービンバイパス弁前圧力伝送器10からの圧力により調整される。また、低圧過熱器2からの蒸気は、蒸気圧力は低圧過熱器出口圧力伝送器3で、蒸気温度は低圧過熱器出口温度検出器4で、蒸気流量は低圧過熱器出口流量伝送器5で検出され監視される。
【0009】
ここで、ガスタービン起動時の低圧タービンバイパス弁9の制御圧力設定値は、低圧主蒸気止め弁加減弁11の制御圧力設定値に所定値αを加算した値(制御圧力設定値+α)としている。これは、低圧過熱器出口弁6を開する時の低圧過熱器出口蒸気と、予め供給されている補助蒸気系統からの低圧蒸気タービン冷却蒸気との合流時の圧力差を最小限とするためである。
【0010】
なお、この低圧タービンバイパス弁9の圧力制御は、ガスタービン18の起動前に開始される。従って、ガスタービン起動時に低圧ドラム圧力が、低圧タービンバイパス弁9の制御圧力設定値である低圧主蒸気止め弁加減弁11の制御圧力設定値より所定値αだけ高い場合、設定値以上の蒸気は全て復水器17へ排出されることとなる。
【0011】
その後、低圧過熱器出口蒸気が規定の過熱度および流量を満足した時点で、低圧過熱器出口弁6を開し低圧過熱器出口逆止弁7および低圧主蒸気止め弁加減弁11を介して、自缶の蒸気を低圧蒸気タービン14へ通気し、補助蒸気による低圧タービン冷却蒸気との並行供給となる。低圧蒸気タービン14に供給される蒸気は、蒸気温度は低圧主蒸気止め弁加減弁前温度検出器12で、蒸気圧力は低圧主蒸気止め弁加減弁前圧力伝送器13で検出され監視される。低圧主蒸気止め弁加減弁11は、低圧主蒸気止め弁加減弁前圧力伝送器13で検出された圧力で調整される。
【0012】
また、中圧系統においては、中圧過熱器出口弁36は閉止されており、中圧ドラム29にて発生した蒸気は中圧過熱器30を介して、中圧タービンバイパス弁前弁33および中圧タービンバイパス弁34により、中圧タービン15のミスマッチ温度差から決まる規定圧力に制御され、復水器17へ蒸気を排出しながら、中圧過熱器30にて過熱度を高めていく。中圧タービンバイパス弁34は中圧タービンバイパス弁前圧力伝送器35からの圧力により調整される。また、低圧過熱器2からの蒸気は、蒸気圧力は低圧過熱器出口圧力伝送器31で、蒸気温度は低圧過熱器出口温度検出器32で検出され監視される。
【0013】
その後、中圧過熱器出口蒸気が規定の過熱度および流量を満足し、かつ高圧タービン16の排気蒸気が中圧過熱器出口蒸気の圧力に達した時点で、中圧過熱器出口弁36を開し中圧過熱器出口逆止弁37を介して、高圧タービン排気蒸気と合流させる。そして、再熱器38にてさらに過熱し、再熱蒸気止め弁加減弁39を介し中圧蒸気タービン15へ通気する。再熱器38からの蒸気は、蒸気圧力は再熱蒸気止め弁加減弁前圧力伝送器40で、蒸気温度は再熱蒸気止め弁加減弁前温度検出器41で検出され監視される。
【0014】
また、中圧蒸気系統からは、何等かの理由で他の発電設備58からの補助蒸気供給が断たれた場合の軸補助蒸気母管20へのバックアップ系統が設置されており、軸補助蒸気バックアップ圧力調節弁前弁28および軸補助蒸気バックアップ圧力調節弁27は軸補助蒸気母管20を補助蒸気供給圧力調節弁59の制御圧力より低い圧力にて制御している。従って、通常は軸補助蒸気バックアップ圧力調節弁27は閉止されている。
【0015】
なお、軸補助蒸気バックアップ圧力調節弁前弁28の開条件として中圧過熱器出口の圧力、温度を考慮しており、補助蒸気の中圧系統への逆流防止および過熱度の不十分な蒸気の補助蒸気系統への流入を防止している。また、軸補助蒸気バックアップ圧力調節弁27は軸補助蒸気バックアップ圧力伝送器23で検出された圧力で調整される。蒸気タービン通気後、中圧蒸気タービン入口蒸気流量が、低圧タービン冷却蒸気の必要流量を上回った時点で、低圧タービン冷却蒸気供給弁25が閉止される。
【0016】
次に、排熱回収ボイラの停止の際に、次回起動時間の短縮のために排熱回収ボイラに極力蒸気を残す排熱回収ボイラバンキング停止について説明する。図9は、低圧ドラム1、中圧ドラム29、高圧ドラム49を有する3圧式排熱回収ボイラの蒸気系統図である。
【0017】
起動特性に優れるコンバインドサイクル発電設備は、週末停止等、短期間の停止時においては、次回起動時間の短縮のために排熱回収ボイラに極力蒸気を残すべく、排熱回収ボイラバンキング停止を行なう。
【0018】
この場合、ガスタービン18の停止時には、高圧主蒸気止め弁加減弁51、中圧過熱器出口弁36および低圧過熱器出口弁6を閉止した後、即座に、高圧タービンバイパス弁前弁52、中圧タービンバイパス弁前弁33、低圧タービンバイパス弁前弁8を閉止するのではなく、高圧タービンバイパス弁53、中圧タービンバイパス弁34、低圧タービンバイパス弁9により、それぞれ、高圧ドラム49、中圧ドラム29および低圧ドラム1の圧力を下げる操作を行なう。
【0019】
これは、停止中に排熱回収ボイラ内の残熱平衡により、各ドラム圧力が異常昇圧し、安全弁動作圧力に達するのを防止するためである。特に、高圧系の残熱を低圧系が収熱することによる低圧系の異常昇圧を防止することが必要となる。
【0020】
これより、タービンバイパス弁による各ドラム減圧時の目安は、停止中に各ドラム圧力が安全弁動作圧力に達しないものとすることであり、結果的には、最も安全弁動作圧力の低い低圧ドラム1を保護するために、高圧ドラム49においては通常運転圧力の2分の1程度の圧力までの減圧を要する。
【0021】
各ドラム圧力が規定の圧力まで減圧された後、高圧タービンバイパス弁前弁52、中圧タービンバイパス弁前弁33および低圧タービンバイパス弁前弁8を閉止し、排熱回収ボイラバンキング停止が完了する。
【0022】
以上のとおり、次回起動時間の短縮のため、排熱回収ボイラに極力蒸気を残すべく、排熱回収ボイラバンキング停止を行なっているが、結果として最も重要な高圧蒸気は多大に排出されるかたちとなり、低圧蒸気については通常運転時圧力より高い圧力が確保されるかたちとなる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来例では、軸起動時の低圧蒸気タービン冷却蒸気は、他の発電設備58から補助蒸気供給により賄われることになるため、軸起動時には他の発電設備58の出力および効率低下を招く。また、他の発電設備58が運転されていない場合は、その他の発電設備58の起動しなければならない。これは発電所としての運用に多大な制約を伴わせることになる。
【0024】
また、起動特性に優れるコンバインドサイクル発電プラントは、電力供給の負荷調整用に用いられることから、頻繁な起動停止運用が行なわれる。これより、軸起動に伴う発電所に与える運用制約は頻繁なものとなる。また、設置面積縮小化を考慮した一軸型コンバインドサイクル発電プラントにおいても、さらなる設置面積の縮小化への対応として、パワートレインスパン短縮のため、蒸気タービンの長翼化が進んでいる。従って、軸起動に伴い必要となる蒸気タービン冷却蒸気は、さらに増加傾向となっている。
【0025】
また、コンバインドサイクル発電プラントはDSS運用を考慮したものであるので、次回起動時の起動時間短縮のため、排熱回収ボイラバンキング停止を行なっており、その結果、次回起動時の低圧ドラム1に関しては通常運転時圧力に対し高い圧力を保持可能であり、かつ、それが低圧蒸気タービン冷却蒸気として使用可能な蒸気である場合が多いにもかかわらず、起動過程には、これらの蒸気は低圧タービンバイパス弁9の圧力制御開始により、復水器17に排出される形となっている。
【0026】
また、中圧ドラム29に関しても排熱回収ボイラバンキング停止により、起動時に通常の中圧ドラム運転時圧力に対しては低い圧力ながらも、低圧蒸気タービン冷却蒸気として使用可能な蒸気である場合が多く、かつ、それを供給可能な軸補助蒸気バックアップ系統を有していながら、起動時積極的に使用する運用とされていない。
【0027】
以上より、起動軸が排熱回収ボイラ内に、低圧蒸気タービン冷却蒸気として使用可能な蒸気を確保している場合において、軸起動に伴いそれらを排出し、不要な補助蒸気を使用しているかたちとなる。
【0028】
本発明の目的は、排熱回収ボイラ内に低圧蒸気タービン冷却蒸気として使用可能な蒸気を確保している場合、その蒸気を有効利用するとともに、他の発電設備からの補助蒸気供給を最小限とすることができる一軸型複合発電プラントを提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法は、ガスタービンと蒸気タービンとが直結され前記蒸気タービンは排熱回収ボイラからの蒸気で駆動され、前記ガスタービン起動時に前記蒸気タービンのうちの低圧蒸気タービンに冷却蒸気を必要とする一軸型複合発電プラントの起動制御方法において、前記ガスタービン起動前に前記排熱回収ボイラの低圧ドラム圧力に基づいて前記低圧ドラムから前記低圧蒸気タービンの冷却蒸気を供給できるか否かを判定し、前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給できると判定したときは前記低圧ドラムから前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給し、前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給できないと判定したときは補助蒸気系統から前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給し、前記ガスタービンを起動することを特徴とする。
【0030】
請求項1の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法においては、ガスタービン起動前に自缶の低圧ドラム圧力を確認し、低圧蒸気タービン冷却蒸気として必要な過熱度を満たした蒸気を有している場合には、補助蒸気供給に先立ち低圧過熱器出口弁を開し、蒸気タービン冷却蒸気として自缶の低圧蒸気を供給する。これにより、他の発電設備からの補助蒸気供給を最小限とし、発電プラントの補助蒸気供給に伴う運用制約を最小限とできる。
【0031】
請求項2の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法は、請求項1の発明において、前記低圧ドラムの蒸気を前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気として供給するときは、前記低圧蒸気タービンをバイパスする低圧タービンバイパス弁の一次側制御圧力設定値を、実圧より所定値だけ大きな値とすることを特徴とする。
【0032】
請求項2の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法においては、ガスタービン起動前に、自缶の低圧ドラム圧力を確認し、低圧蒸気タービン冷却蒸気として必要な過熱度を満たした蒸気を有している場合、低圧タービンバイパス弁の一次側制御圧力設定値を、実圧+αとする。これにより、軸起動時に低圧ドラムが有している低圧系統蒸気の復水器への排出を防止でき、低圧系統蒸気の有効利用が可能となる。
【0033】
請求項3の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法は、請求項1または請求項2の発明において、前記低圧ドラムから前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給中に、前記低圧ドラムからの蒸気が冷却蒸気としての条件を満たさなくなったとき、前記低圧ドラムからの蒸気の供給を停止し、前記補助蒸気系統から前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給するようにしたことを特徴とする。
【0034】
請求項3の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法においては、自缶の低圧蒸気供給中に、自缶蒸気の過熱度もしくは圧力もしくは流量が、低圧蒸気タービン冷却蒸気としての必要な値を下回った場合、低圧過熱器出口弁を閉し、補助蒸気系統からの低圧蒸気タービン冷却蒸気供給弁を開し、バックアップ蒸気供給を行う。これにより、自缶が持てる蒸気を有効利用した上で、条件の悪化した蒸気の蒸気タービンへの流入を防止でき、かつ、低圧蒸気タービン冷却蒸気の供給継続が可能となり、蒸気タービンの保護および安定した起動継続が可能となる。
【0035】
請求項4の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法は、請求項1または請求項2の発明において、前記低圧ドラムから前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給中に、前記低圧ドラムからの蒸気が冷却蒸気としての条件を満たさなくなったとき、前記低圧ドラムからの蒸気に加え、前記補助蒸気系統から前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給するようにしたことを特徴とする。
【0036】
請求項4の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法においては、自缶の低圧蒸気供給中に、自缶蒸気の流量が低圧蒸気タービン冷却蒸気としての必要な値を下回った場合、補助蒸気系統に設置した低圧蒸気タービン冷却蒸気流量調節弁を開し、自缶蒸気流量と補助蒸気流量との和が、低圧蒸気タービン冷却蒸気の必要量となるように制御する。これにより、自缶蒸気流量が低下した場合においても、自缶蒸気の有効利用を継続しつつ、必要最小限の系外からの補助蒸気供給により、低圧蒸気タービン冷却蒸気の供給継続が可能となる。その結果、蒸気タービンの保護および安定した起動継続が可能となり、かつ、発電プラントの補助蒸気供給に伴う運用制約を最小限とできる。
【0037】
請求項5の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項の発明において、前記低圧ドラムから前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給する際に、逆止弁を介して冷却蒸気を供給するようにしたことを特徴とする。
【0038】
請求項5の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法においては、低圧蒸気タービン冷却蒸気供給系統に逆止弁を設置したことにより、低圧蒸気圧力が補助蒸気系統圧力より高い場合においても、低圧蒸気圧力から補助蒸気系統への逆流を防止し、低圧蒸気タービン冷却蒸気供給弁を開状態のまま待機可能となる。
【0039】
請求項6の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項の発明において、前記低圧ドラムから前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給中に、前記蒸気タービンのうちの中圧タービンの入口蒸気流量が前記低圧蒸気タービンの冷却蒸気の必要流量を上回ったときは、前記低圧蒸気タービンをバイパスする低圧タービンバイパス弁の一次側制御圧力設定値を低圧主蒸気止め弁加減弁の一次側制御圧力設定値より所定値だけ大きな値とすることを特徴とする。
【0040】
請求項6の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法においては、自缶の低圧蒸気供給の後、中圧蒸気タービン入口流量が低圧蒸気タービン冷却蒸気の必要流量を上回った時点で、低圧蒸気タービンバイパス弁の一次側制御圧力設定値を、低圧主蒸気止め弁加減弁一次側制御圧力設定値+αとする。これにより、低圧蒸気タービン冷却蒸気が不要となり次第、タービンバイパス弁を本来の保護装置としての制御設定値へ復帰させることが可能となる。
【0041】
請求項7の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法は、ガスタービンと蒸気タービンとが直結され前記蒸気タービンは排熱回収ボイラからの蒸気で駆動され、前記ガスタービン起動時に前記蒸気タービンのうちの低圧蒸気タービンに冷却蒸気を必要とする一軸型複合発電プラントの起動制御方法において、他の発電設備からの補助蒸気供給系統および自軸の中圧過熱器に接続される中圧蒸気供給系統から蒸気が供給される軸補助蒸気系統を有し、前記低圧蒸気タービンの冷却蒸気は前記軸補助蒸気系統より供給され、他の発電設備からの補助蒸気供給系統は自軸の中圧蒸気供給系統より高い圧力で制御されている場合、自軸の中圧過熱器の圧力および温度が軸補助蒸気系統以上の蒸気を有しているときは、他の発電設備からの補助蒸気供給系統と自軸の中圧蒸気供給系統の制御圧力設定値を入れ替え、補助蒸気源として自軸の中圧蒸気を供給することを特徴とする。
【0042】
請求項7の発明に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法においては、ガスタービン起動前に、自軸の中圧過熱器もしくはそれに接続される同圧力系統の圧力および温度を確認し、その圧力および温度が軸補助蒸気系統以上の蒸気を有している場合、他の発電設備からの補助蒸気供給系統と自軸の中圧蒸気供給系統の制御圧力設定値を入れ替え、補助蒸気源として、自缶の中圧蒸気を供給する。これにより、低圧自缶蒸気の有効利用法と合わせ、他の発電設備から補助蒸気供給の最小限化が可能となり、発電プラントの補助蒸気供給に伴う運用制約および蒸気損失を最小限とできる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法を示すフローチャートであり、図2は本発明の実施の形態に係わる一軸型複合発電プラントの低圧蒸気タービン冷却蒸気供給系統の系統図である。
【0044】
図2において、図8に示した従来例に対し、低圧蒸気タービン冷却蒸気流量調整用オリフィス26に代えて低圧蒸気タービン冷却蒸気供給逆止弁48を設け、また、低圧蒸気タービン冷却蒸気流量調節弁47を設け、この低圧蒸気タービン冷却蒸気流量調節弁47は、低圧過熱器出口流量伝送器5で検出された流量および低圧蒸気タービン冷却蒸気流量伝送器46で検出された流量に基づいて調整されるように構成されている。
【0045】
一軸型複合発電プラントの自軸の軸起動指令が入力されるガスタービンが起動される(S1)。この状態で、排熱回収ボイラの低圧ドラム1のドラム圧力が所定値以上であるか否かを判定する(S2)。低圧ドラム圧力が所定値以上であるときは、低圧蒸気タービン冷却蒸気として必要な過熱度を満たした蒸気であると判定し、補助蒸気供給に先立ち低圧過熱器出口弁6を開し、蒸気タービン冷却蒸気として自缶の低圧蒸気を低圧蒸気タービン14に供給する(S3)。この場合、低圧蒸気タービン14をバイパスする低圧タービンバイパス弁9の一次側制御圧力設定値を、実圧より所定値αだけ大きな値とする(S4)。これは、軸起動時に低圧ドラム1が有している低圧系統蒸気の復水器17への排出を防止し、低圧系統蒸気の有効利用を図るためである。
【0046】
そして、低圧ドラム1からの蒸気が冷却蒸気としての条件を満すか否かを判定し(S5)、低圧ドラム1からの蒸気が冷却蒸気としての条件を満たさなくたったときは、補助蒸気系統から低圧蒸気タービン14に蒸気を供給する(S6)。
【0047】
これは、ガスタービン18が起動しても即座に低圧ドラム1には蒸気が発生しないので、低圧ドラム1からの蒸気が冷却蒸気としての条件を満たさなくなることがあるからである。
【0048】
この場合、低圧ドラム1からの蒸気の供給を停止し、補助蒸気系統から低圧蒸気タービン14に冷却蒸気を供給する。または、低圧ドラム1からの蒸気に加え、補助蒸気系統から低圧蒸気タービン14に冷却蒸気を供給する。これにより、自缶蒸気流量が低下した場合においても、自缶蒸気の有効利用を継続しつつ、必要最小限の系外からの補助蒸気供給により、低圧蒸気タービン冷却蒸気の供給継続が可能となる。その結果、蒸気タービンの保護および安定した起動継続が可能となり、かつ、発電プラントの補助蒸気供給に伴う運用制約を最小限とできる。
【0049】
一方、ステップS2の判定で、低圧ドラム圧力が所定値以上でないときは、低圧蒸気タービン冷却蒸気として必要な過熱度を満たした蒸気ではないと判定し、補助蒸気系統から低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給する(S6)。自缶から冷却蒸気を供給できないときは、必要な冷却蒸気を系外の補助蒸気系統から供給する。
【0050】
そして、蒸気タービンのうちの中圧タービン15の入口蒸気流量が低圧蒸気タービン14の冷却蒸気の必要流量を上回ったか否かを判定し(S7)、上回ったことを確認すると、低圧蒸気タービン14をバイパスする低圧タービンバイパス弁9の一次側制御圧力設定値を低圧主蒸気止め弁加減弁11の一次側制御圧力設定値より所定値αだけ大きな値とする(S8)。これにより、低圧蒸気タービン冷却蒸気が不要となり次第、タービンバイパス弁9を本来の保護装置としての制御設定値へ復帰させることが可能となる。そして、補助蒸気系統からの蒸気供給を停止する(S9)。
【0051】
次に、図2を参照して、本発明の実施の形態における軸起動時の動作を説明する。まず、ガスタービン18の起動に先立ち、低圧過熱器出口圧力伝送器3により低圧系統の圧力を確認する。この圧力が低圧蒸気タービン冷却蒸気として必要な過熱度を有している場合には、ガスタービン18の起動の後に、ガスタービン18が予め設定した規定回転数に達した段階で、補助蒸気による低圧蒸気タービン冷却蒸気供給に先立ち、低圧過熱器出口弁6を開し、蒸気タービン冷却蒸気として自缶の低圧蒸気を供給する。
【0052】
ここで、低圧系統の圧力確認による過熱度の有無の判断は、例えば、低圧主蒸気止め弁加減弁11の一次側制御圧力が5ata、低圧主蒸気止め弁加減弁前における必要過熱度が+5℃の場合、以下となる。
【0053】
・低圧主蒸気止め弁加減弁前圧力:5ataにおける飽和温度+5℃
=151.11℃+5℃=156.11℃ …(1)
・5ata、156.11℃におけるエンタルピー
=658.792kcal/kg …(2)
・系統内に残存する蒸気は飽和蒸気と考えれば、(2)を満足する飽和圧力であれば良い。
・6.6ataの飽和エンタルピー
=658.901kcal/kg …(3)
・(3)>(2)より、低圧系統圧力が6.6ata以上あれば良い。これより、自缶の低圧蒸気の有効利用が可能となる。
【0054】
以上に関する制御ブロックを図3に示す。図3は、自缶の低圧ドラム1の蒸気条件の判定論理回路である。
【0055】
この判定論理回路のレベル判定器71は、ガスタービン18の起動前に低圧過熱器出口圧力伝送器3からの低圧過熱器出口圧力が所定値P1以上であるか否かを判定し、低圧過熱器出口圧力が所定値P1以上であるときはAND回路72に論理値「1」を出力する。一方、ガスタービンの回転数が規定回転数以上のときにはAND回路72に論理値「1」が出力される。
【0056】
AND回路72は、低圧過熱器出口圧力が所定値P1以上であり、ガスタービンの回転数が規定回転数以上のときに、低圧ドラム1は冷却蒸気として必要な過熱度を満たした蒸気を有しており、かつ、低圧蒸気タービン14が冷却蒸気を必要としていると判定し、低圧過熱器出力弁6に開指令を出力する。これにより、蒸気タービン冷却蒸気として自缶の低圧蒸気が低圧蒸気タービン14に供給される。
【0057】
また、この場合、低圧過熱器出力弁6の開指令により切替回路73は、低圧タービンバイパス弁9の一次側制御圧力設定値として実圧+αを選択する。これより、軸起動時に低圧タービンバイパス弁9が開することは無く、低圧ドラム1が有している低圧系統蒸気の復水器17への排出を防止でき、低圧系統蒸気の無駄無く使用することが可能となる。
【0058】
図4は、自缶の低圧ドラム1の蒸気条件が悪化し補助蒸気系統に切り替える場合の判定論理回路である。自缶蒸気供給の後に低圧ドラム1からの蒸気条件が悪化したときは、低圧過熱器出口弁6を閉止し、低圧蒸気タービン冷却蒸気供給弁25を開し、補助蒸気系統からのバックアップを行なう。
【0059】
レベル判定器71aは低圧過熱器出口圧力伝送器3により確認された蒸気圧力が所定値P1以下か否かを判定し、所定値P1以下である場合には論理値「1」をOR回路74に出力する。
【0060】
また、レベル判定器71bは低圧過熱器出口流量伝送器5により確認された蒸気流量が所定の蒸気流量Q1以下か否かを判定し、所定値Q1以下である場合には論理値「1」をOR回路74に出力する。
【0061】
さらに、演算回路75は低圧主蒸気止め弁加減弁前温度検出器12と低圧主蒸気止め弁加減弁前圧力伝送器13とから確認される過熱度を算出し、レベル判定器71cは、その過熱度が所定値H1以下か否かを判定し、所定値H1以下の場合には論理値「1」をOR回路74に出力する。
【0062】
OR回路74は、低圧過熱器出口圧力伝送器3により確認された蒸気圧力、低圧過熱器出口流量伝送器5により確認された蒸気流量、低圧主蒸気止め弁加減弁前温度検出器12と低圧主蒸気止め弁加減弁前圧力伝送器13とから確認される過熱度のいずれかが、低圧蒸気タービン冷却蒸気として必要値を下回った場合には、低圧過熱器出口弁6を閉止して低圧ドラム1からの蒸気の供給を停止すると共に、低圧蒸気タービン冷却蒸気供給弁25を開して補助蒸気系統から冷却蒸気のバックアップを行なう。
【0063】
これより、自缶の蒸気を有効利用した上で、自缶の蒸気条件が悪化した場合、悪化した条件の蒸気の蒸気タービンへの流入を防止でき、かつ、低圧蒸気タービン冷却蒸気の供給継続が可能となり、蒸気タービン保護および安定した起動が可能となる。
【0064】
図5は、自缶の低圧ドラム1の蒸気条件が悪化して一部の冷却蒸気を補助蒸気系統から受ける場合の判定論理回路である。
【0065】
低圧蒸気タービン冷却蒸気供給系統に低圧蒸気タービン冷却蒸気流量調節弁47を有している場合は、自缶蒸気供給の後に、低圧過熱器出口流量伝送器5により確認された流量が低圧蒸気タービン冷却蒸気として必要値を下回った場合は、不足分の冷却蒸気を補助蒸気系統から供給する。
【0066】
自缶蒸気供給の後に、低圧過熱器出口流量伝送器5により確認された流量が低圧蒸気タービン冷却蒸気として必要値を下回った場合には、低圧過熱器出口流量伝送器5により確認された流量と低圧蒸気タービン冷却蒸気流量伝送器46により確認された流量との和を加算器76aで演算し、その流量和と低圧蒸気タービン冷却蒸気必要流量との偏差を加算器76bで演算し、その偏差が零となるように低圧蒸気タービン冷却蒸気流量調節弁47を調節する。このようにして、低圧蒸気タービン冷却蒸気が必要値となるように補助蒸気系統からのバックアップを行なう。
【0067】
これより、自缶の蒸気の有効利用を継続しつつ、必要最小限の補助蒸気供給により、低圧蒸気タービン冷却蒸気の供給継続が可能となり、蒸気タービン保護および安定した起動継続が可能となる。
【0068】
ここで、図2に示すように、本発明の実施の形態では、低圧蒸気タービン冷却蒸気供給系統に逆止弁48を設置しており、低圧蒸気圧力が補助蒸気系統圧力より高い場合においても、低圧蒸気圧力から補助蒸気系統への逆流を防止するようにしている。従って、低圧蒸気タービン冷却蒸気供給弁25を開状態のまま、低圧蒸気タービン冷却蒸気流量調節弁47の自動待機が可能となる。
【0069】
次に、図6は自缶の低圧ドラム1からの冷却蒸気の供給を停止する場合の判定論理回路である。中圧蒸気タービン入口流量が低圧蒸気タービン冷却蒸気の必要流量を上回ったときは、タービンバイパス弁を本来の保護装置としての制御設定値へ復帰させる。
【0070】
図6において、自缶蒸気供給の後に、演算回路75は再熱蒸気止め弁加減弁前圧力伝送器40からの圧力および再熱蒸気止め弁加減弁前温度検出器41からの温度に基づいて、中圧蒸気タービン入口流量を求める。そして、中圧蒸気タービン入口流量と低圧蒸気タービン冷却蒸気の必要流量との偏差を加算器76で演算し、レベル判定器71はその偏差が正、つまり、中圧蒸気タービン入口流量が低圧蒸気タービン冷却蒸気の必要流量をを上回った時点で、切替器73に指令を出力して、低圧タービンバイパス弁9の一次側制御圧力設定値を低圧加減弁一次側制御圧力設定値+αとするとすると共に、低圧蒸気タービン冷却蒸気供給弁25を閉止する。
【0071】
これより、低圧蒸気タービン冷却蒸気が不要となり次第、補助蒸気系統からの補助蒸気の供給を停止すると共に、タービンバイパス弁9を本来の保護装置としての制御設定値へ復帰させることが可能となる。
【0072】
次に、図7は軸補助蒸気母管20の補助蒸気源として自缶の中圧蒸気を使用する場合の判定論理回路である。
【0073】
図2に示すように、本発明の実施の形態では、中圧蒸気系統においては軸補助蒸気母管20へ補助蒸気のバックアップ供給を行うようにしている。軸補助蒸気母管20は、他の発電設備58から補助蒸気供給圧力調節弁59により圧力制御されている。この場合、軸補助蒸気バックアップ圧力調節弁27により、より低い圧力にて軸補助蒸気母管20を制御し、補助蒸気のバックアップ供給を行う。
【0074】
ガスタービン18の起動に先立ち、加算器76aは、中圧過熱器出口圧力伝送器31からの中圧系統の圧力と、軸補助蒸気母管20の圧力補助蒸気圧力伝送器61の圧力の偏差を演算し、レベル判定器71aは中圧系統の圧力が軸補助蒸気母管20の圧力より大きいときに論理値「1」をAND回路72に出力する。
【0075】
同様に、加算器76bは、中圧過熱器出口温度検出器32からの中圧系統の温度と、軸補助蒸気母管20の軸補助蒸気温度検出器24の温度との偏差を演算し、レベル判定器71bは、中圧系統の温度が軸補助蒸気母管20の温度より大きいときに論理値「1」をAND回路72に出力する。
【0076】
そして、AND回路72は、中圧系統の蒸気の圧力および温度が軸補助蒸気母管20の圧力および温度より大きい場合に、切替回路73a、73bに指令を出力して、補助蒸気供給圧力調節弁59と軸補助蒸気バックアップ圧力調節弁27との圧力制御設定値を切り替えると共に、軸補助蒸気バックアップ圧力調節弁前弁28を開する。
【0077】
これより、軸補助蒸気母管20の補助蒸気源として自缶の中圧蒸気を使用することが可能となり、前述の低圧自缶蒸気の有効利用法と合わせ、他の発電設備58から補助蒸気供給の最小限化が可能となる。
【0078】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、軸起動時に自軸が排熱回収ボイラに保有する蒸気の無駄な排出を防止でき、その蒸気を自軸の起動用蒸気として有効利用することが可能となる。すなわち、自缶低圧蒸気を使用し、そのバックアップとして自缶中圧蒸気を使用し、それで賄えない場合に、最終的に補助蒸気使用へと至るので、補助蒸気の使用を最小限に抑制できる。
【0079】
従って、軸起動に伴う他の発電設備からの補助蒸気供給を最小限とすることができ、それに伴う発電プラントへ与える運用制約への影響および蒸気損失を最小限とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる一軸型複合発電プラントの起動制御方法を示すフローチャート。
【図2】本発明の実施の形態に係わる一軸型複合発電プラントの低圧蒸気タービン冷却蒸気供給系統の系統図。
【図3】本発明の実施の形態における自缶の低圧ドラムの蒸気条件の判定論理回路の回路図。
【図4】本発明の実施の形態における自缶の低圧ドラムの蒸気条件が悪化し補助蒸気系統に切り替える場合の判定論理回路の回路図。
【図5】本発明の実施の形態における自缶の低圧ドラムの蒸気条件が悪化して一部の冷却蒸気を補助蒸気系統から受ける場合の判定論理回路の回路図。
【図6】本発明の実施の形態における自缶の低圧ドラムからの冷却蒸気の供給を停止する場合の判定論理回路の回路図。
【図7】本発明の実施の形態における軸補助蒸気母管の補助蒸気源として自缶の中圧蒸気を使用する場合の判定論理回路の回路図。
【図8】従来の一軸型複合発電プラントの低圧蒸気タービン冷却蒸気供給系統の系統図。
【図9】低圧ドラム、中圧ドラム、高圧ドラムを有する3圧式排熱回収ボイラの蒸気系統図。
【符号の説明】
1…低圧ドラム、2…低圧過熱器、3…低圧過熱器出口圧力伝送器、4…低圧過熱器出口温度検出器、5…低圧過熱器出口流量伝送器、6…低圧過熱器出口弁、7…低圧過熱器出口逆止弁、8…低圧タービンバイパス弁前弁、9…低圧タービンバイパス弁、10…低圧タービンバイパス弁前圧力伝送器、11…低圧主蒸気止め弁加減弁、12…低圧主蒸気止め弁加減弁前温度検出器、13…低圧主蒸気止め弁加減弁前圧力伝送器、14…低圧蒸気タービン、15…中圧蒸気タービン、16…高圧蒸気タービン、17…復水器、18…ガスタービン、19…空気圧縮機、20…軸補助蒸気母管、21…軸補助蒸気減温器、22…軸補助蒸気温度調節弁、23…軸補助蒸気バックアップ圧力伝送器、24…軸補助蒸気温度検出器、25…低圧蒸気タービン冷却蒸気供給弁、26…低圧蒸気タービン冷却蒸気流量調整用オリフィス、27…軸補助蒸気バックアップ圧力調節弁、28…軸補助蒸気バックアップ圧力調節弁前弁、29…中圧ドラム、30…中圧過熱器、31…中圧過熱器出口圧力伝送器、32…中圧過熱器出口温度検出器、33…中圧タービンバイパス弁前弁、34…中圧タービンバイパス弁、35…中圧タービンバイパス弁前圧力伝送器、36…中圧過熱器出口弁、37…中圧過熱器出口逆止弁、38…再熱器、39…再熱蒸気止め弁加減弁、40…再熱蒸気止め弁加減弁前圧力伝送器、41…再熱蒸気止め弁加減弁前温度検出器、42…低圧過熱器出口弁前ドレン弁、43…低圧蒸気タービン冷却蒸気供給弁前ドレン弁、44…低圧主蒸気止め弁加減弁前ドレン弁、45…低圧主蒸気リード管ドレン弁、46…低圧蒸気タービン冷却蒸気流量伝送器、47…低圧蒸気タービン冷却蒸気流量調節弁、48…低圧蒸気タービン冷却蒸気供給逆止弁、49…高圧ドラム、50…高圧過熱器、51…高圧過熱器止め弁加減弁、52…高圧タービンバイパス弁前弁、53…高圧タービンバイパス弁、58…他の発電設備、59…補助蒸気供給圧力調節弁、60…補助蒸気供給弁、61…補助蒸気圧力伝送器、71…レベル判定器、72…AND回路 73…切替回路、74…OR回路、75…演算回路、76…加算器

Claims (7)

  1. ガスタービンと蒸気タービンとが直結され前記蒸気タービンは排熱回収ボイラからの蒸気で駆動され、前記ガスタービン起動時に前記蒸気タービンのうちの低圧蒸気タービンに冷却蒸気を必要とする一軸型複合発電プラントの起動制御方法において、前記ガスタービン起動前に前記排熱回収ボイラの低圧ドラム圧力に基づいて前記低圧ドラムから前記低圧蒸気タービンの冷却蒸気を供給できるか否かを判定し、前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給できると判定したときは前記低圧ドラムから前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給し、前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給できないと判定したときは補助蒸気系統から前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給し、前記ガスタービンを起動することを特徴とする一軸型複合発電プラントの起動制御方法。
  2. 前記低圧ドラムの蒸気を前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気として供給するときは、前記低圧蒸気タービンをバイパスする低圧タービンバイパス弁の一次側制御圧力設定値を、実圧より所定値だけ大きな値とすることを特徴とする請求項1に記載の一軸型複合発電プラントの起動制御方法。
  3. 前記低圧ドラムから前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給中に、前記低圧ドラムからの蒸気が冷却蒸気としての条件を満たさなくなったとき、前記低圧ドラムからの蒸気の供給を停止し、前記補助蒸気系統から前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の一軸型複合発電プラントの起動制御方法。
  4. 前記低圧ドラムから前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給中に、前記低圧ドラムからの蒸気が冷却蒸気としての条件を満たさなくなったとき、前記低圧ドラムからの蒸気に加え、前記補助蒸気系統から前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の一軸型複合発電プラントの起動制御方法。
  5. 前記低圧ドラムから前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給する際に、逆止弁を介して冷却蒸気を供給するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の一軸型複合発電プラントの起動制御方法。
  6. 前記低圧ドラムから前記低圧蒸気タービンに冷却蒸気を供給中に、前記蒸気タービンのうちの中圧タービンの入口蒸気流量が前記低圧蒸気タービンの冷却蒸気の必要流量を上回ったときは、前記低圧蒸気タービンをバイパスする低圧タービンバイパス弁の一次側制御圧力設定値を低圧主蒸気止め弁加減弁の一次側制御圧力設定値より所定値だけ大きな値とすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の一軸型複合発電プラントの起動制御方法。
  7. ガスタービンと蒸気タービンとが直結され前記蒸気タービンは排熱回収ボイラからの蒸気で駆動され、前記ガスタービン起動時に前記蒸気タービンのうちの低圧蒸気タービンに冷却蒸気を必要とする一軸型複合発電プラントの起動制御方法において、他の発電設備からの補助蒸気供給系統および自軸の中圧過熱器に接続される中圧蒸気供給系統から蒸気が供給される軸補助蒸気系統を有し、前記低圧蒸気タービンの冷却蒸気は前記軸補助蒸気系統より供給され、他の発電設備からの補助蒸気供給系統は自軸の中圧蒸気供給系統より高い圧力で制御されている場合、自軸の中圧過熱器の圧力および温度が軸補助蒸気系統以上の蒸気を有しているときは、他の発電設備からの補助蒸気供給系統と自軸の中圧蒸気供給系統の制御圧力設定値を入れ替え、補助蒸気源として自軸の中圧蒸気を供給することを特徴とする一軸型複合発電プラントの起動制御方法。
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