JP2010261389A - 一軸型複合サイクル発電プラントの起動方法および一軸型複合サイクル発電プラント - Google Patents

一軸型複合サイクル発電プラントの起動方法および一軸型複合サイクル発電プラント Download PDF

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Abstract

【課題】高圧蒸気タービンに補助蒸気を導入して軸を起動する起動方法では、より高圧高温の補助蒸気が必要となり、その結果、その他の使用先で使用する場合、補助蒸気を減圧減温することが必要となり、減圧装置、減温装置を発電所に設置するということは設備費の高騰を招くことになり、経済的に見合わない。
【解決手段】一軸型複合サイクル発電プラントを補助蒸気を導入して蒸気起動する方法において、ガスタービン1が起動開始時点から燃焼ガスによる自立運転ができる回転数に到達する迄の間、補助蒸気量調節弁25の弁開度および低圧主蒸気加減弁18の弁開度をそれぞれ調節して起動用ボイラ22からの補助蒸気を低圧タービン蒸気供給系統を経て低圧蒸気タービン3Lに供給することにより当該低圧蒸気タービン3Lに駆動力を発生させ、ガスタービン、高圧蒸気タービン、低圧蒸気タービンおよび発電機を一体的に昇速制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一軸型複合サイクル発電プラントの起動方法に係り、特に、排熱回収ボイラとは別の蒸気源から供給される蒸気で蒸気タービンに回転トルクを発生させて起動を行うようにした一軸型複合サイクル発電プラントの起動方法および一軸型複合サイクル発電プラントに関する。
複合発電プラントは、ガスタービンの排熱ガスを排熱回収ボイラに導入して高温高圧蒸気を発生させ、この蒸気を蒸気タービンの駆動源とした発電プラントである。ガスタービンは燃焼ガスにより駆動されるものであるが、ガスタービン圧縮機を同軸上に設けたガスタービンにおいては、ガスタービン自体がガスタービン圧縮機の駆動に必要なトルクを上回るトルクを発生する回転数に到達して自立運転が可能な回転数になるまで、すなわち、ターニング運転に始まり、パージ運転およびガスタービン点火後の所定回転数までの間は、補助的な起動装置によって駆動する必要がある。
ところで、ガスタービン、ガスタービン圧縮機、蒸気タービンおよび発電機を軸継手により一軸上に連結してなる一軸型複合発電プラントにおいて、軸(ガスタービン、ガスタービン圧縮機、蒸気タービンおよび発電機を総称して「軸」という)の起動方式には、従来よりクランキング電動機およびトルクコンバータによって駆動する方式、発電機を同期電動機としてサイリスタ等の半導体素子で構成した静止型起動装置(Load Commuted Inverterとも言う)により起動する方式、さらには、発電所内の補助蒸気ボイラから供給される蒸気で蒸気タービンを駆動する方式等が採用されてきた(例えば、特許文献1参照)。
そして、発電所内の補助蒸気ボイラから供給される蒸気で蒸気タービンを駆動する方式の一例として、最近ではパッケージボイラから供給される蒸気を高圧蒸気タービンに供給してガスタービンの自立運転が可能な回転数まで起動・昇速する起動方式も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−86227号公報 特開平11−336510号公報
ところで、発明者らは上記特許文献2に記載されている一軸型複合発電プラントの高圧蒸気タービン起動方式を検討した結果、以下述べるような課題が新たに生ずることがわかった。
まず第1の課題は、発電所の設備費が高騰して経済的に見合わないということである。
一般的に、一軸型複合サイクル発電プラントにおける補助蒸気の使用先は、蒸気タービングランドシール用、復水脱気用あるいは低圧蒸気タービンクーリング用であり、また、これらの使用先での適正エンタルピー並びに制御性等を考慮して、補助蒸気の圧力および温度を0.7[Mpa]、220[℃]程度とするのが一般的である。
プラントの経済性の観点から言えばパッケージボイラ蒸気の圧力および温度を低くすることが望ましいが、特許文献2のように高圧蒸気タービンへ補助蒸気を導入して一軸型複合サイクル発電プラントを起動しようとする場合、より高圧高温の補助蒸気が必要となりその結果、その他の使用先で使用する場合、補助蒸気を減圧減温することが必要となり、減圧装置、減温装置を発電所に設置するということは設備費の高騰を招くことになり、経済的に見合わない。
また、高圧蒸気タービンの入口にはプラント定格運転時に全開となる高圧主蒸気加減弁を装備しているが、この弁は高温高圧で大流量の蒸気を制御する設計仕様となっているため、一軸型複合サイクル発電プラントを起動する際の小流量蒸気を制御するには適さない。このため、特許文献2記載の起動方式を一軸型複合サイクル発電プラントで実現するためには、プラント定格運転時に使用される高圧主蒸気加減弁とは別に起動時専用の圧力調節弁を追加する必要があり、この点から言っても経済的に見合わない。
また、第2の課題は、ガスタービン高温部の冷却方式に蒸気冷却方式を適用することが困難になるということである。
最新のガスタービンでは、入口温度を高温化してプラント熱効率向上を図るために、ガスタービンの高温部である静翼や動翼を冷却する媒体として空気を使用する空気冷却方式に代って熱伝達率に優れた蒸気を使用する蒸気冷却方式が採用されるようになってきた。この蒸気冷却方式のガスタービンを一軸型複合サイクル発電プラントの構成機器とした場合、上記特許文献2の起動方式で起動することは非常に困難を極めることがわかった。
すなわち、蒸気冷却方式を採用した一軸型複合サイクル発電プラントの場合、高圧蒸気タービンの排気蒸気が冷却媒体としてガスタービン冷却ユニットに送られ、ここからさらにガスタービンの高温部に送られるように系統構成がなされる。プラントの起動初期段階(起動、昇速を含む)では、ガスタービンの冷却方式は未だ高圧蒸気タービンに蒸気が通気されていないため空気冷却モードになっており、このためガスタービン冷却ユニットにはガスタービン圧縮機からの吐出空気が供給され、これによってガスタービンの冷却を行うことになる。なお、その後、プラントの起動過程の進行に伴って排熱回収ボイラに発生した蒸気が高圧蒸気タービンに通気されて高圧蒸気タービンの排気蒸気が発生するようになると、冷却ユニットの冷却媒体は圧縮機の吐出空気から高圧蒸気タービンの排気蒸気に置換されて蒸気冷却が実現する。
しかし、空気冷却モードであるプラント起動初期の段階では、ガスタービン圧縮機の吐出空気圧力は0.7[Mpa]〜0.9[Mpa]程度の圧力を有しており、一方、補助蒸気の圧力蒸気条件は経済性等の観点から0.7[Mpa]程度で使用される場合がほとんどである。
もし仮に蒸気冷却方式を採用した一軸型複合サイクル発電プラントの起動方式に、特許文献2に記載されているような高圧蒸気タービン起動方法を適用した場合、高圧蒸気タービンの排気部は、ガスタービン圧縮機の吐出空気によって0.7[Mpa]〜0.9[Mpa]程度の圧力に保持されているため、0.7[Mpa]の圧力に保持された補助蒸気を高圧主蒸気加減弁14の上流に供給しても圧力関係が逆転した状態では補助蒸気は高圧蒸気タービン3Hに流入させること(すなわち、通気させること)ができず、したがって起動装置として機能することは不可能である。
むろん、補助蒸気の圧力を高圧にすれば問題は緩和されるが、前述したように、一般に高圧の蒸気を供給する補助ボイラは高価であり、また高圧化は必然的に蒸気温度の高温化を招来することから、多目的に利用される補助蒸気のその他使用先(例えば、前述したグランド蒸気や、脱気蒸気等)に減圧装置、減温装置の設置が必要になること等を考慮すると0.7[Mpa]を大きく上回る高圧の補助蒸気を採用することは非現実的である。
さらに、第3の課題は、DSS(Daily Start & Stop)運用時のホット起動の場合に、高圧蒸気タービンのメタル温度と補助蒸気温度との間に逆ミスマッチ現象が起こるということである。
蒸気冷却方式の一軸型複合サイクル発電プラントだけでなく空気冷却方式を採用した一軸型複合サイクル発電プラントにも共通することではあるが、一軸型複合サイクル発電プラントは、短時間での起動・停止が可能であるため1日単位で運転の停止と再開を行うDSS対応を特徴としている。ホット起動すなわち、タービン停止後の比較的短時間内に再起動する場合、メタル温度は約400[℃]〜500[℃]まで低下しているが、0.7[Mpa]の圧力に保持されている補助蒸気の温度は約230[℃]程度しかない。
したがって、この状態では流入する補助蒸気温度よりもメタル温度の方が高い、いわゆる逆ミスマッチ状態となっている。もし、この逆ミスマッチ状態でホット起動を実施すれば蒸気タービンを破損する虞がある。したがって、ホット起動には高圧蒸気タービン起動方法は不向きである。これは容易なDSS対応を特長とする一軸型複合サイクル発電プラントにとっては致命的ともいえる運用制限を負うことになる。
そこで本発明は、上記の課題に鑑みて、高圧蒸気タービンに替わり、補助蒸気を低圧加減弁を経由して低圧蒸気タービンに供給して駆動することにより、ガスタービンが自立運転できる回転数まで昇速制御するようにした一軸型複合サイクル発電プラントの起動方法および一軸型複合サイクル発電プラントを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、燃焼ガスにより駆動され、排気ガスを排出するガスタービンと、前記ガスタービンからの排気ガスを熱源として、高圧蒸気を発生させる高圧ドラムおよび前記高圧蒸気よりも低い圧力の低圧蒸気を発生させる低圧ドラムを含む排熱回収ボイラと、前記ガスタービンと同軸に配置されるとともに、前記高圧ドラムから送気され高圧蒸気加減弁を通過する高圧蒸気によって駆動される高圧蒸気タービンと、前記高圧蒸気タービンと同軸に配置された低圧蒸気タービンと、前記低圧蒸気タービン同軸に配置された発電機と、低圧主蒸気加減弁を備えるとともに前記低圧ドラムからの前記低圧蒸気を、低圧主蒸気加減弁を介して前記低圧蒸気タービンに供給する低圧タービン蒸気供給配管と、補助蒸気を発生する起動用ボイラと、前記起動用ボイラと前記低圧タービン蒸気供給配管の前記低圧主蒸気加減弁の上流部との間を接続するとともに、起動時に補助蒸気を供給する起動時補助蒸気供給配管と、前記起動時補助蒸気供給配管から前記低圧タービン蒸気供給配管に供給される蒸気量を調節する補助蒸気量調節弁と、を備えた一軸型複合サイクル発電プラントの起動方法において、前記ガスタービンが起動開始時点から燃焼ガスによる自立運転ができる回転数に到達する迄の間、前記補助蒸気量調節弁の弁開度を調節して前記起動用ボイラからの補助蒸気を、前記低圧タービン蒸気供給系統を経て前記低圧蒸気タービンに供給することにより当該低圧蒸気タービンに駆動力を発生させ、前記ガスタービン、高圧蒸気タービン、低圧蒸気タービンおよび発電機を一体的に昇速制御するようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、燃焼ガスにより駆動され、排気ガスを排出するガスタービンと、前記ガスタービンからの排気ガスを熱源として、高圧蒸気を発生させる高圧ドラムおよび前記高圧蒸気よりも低い圧力の低圧蒸気を発生させる低圧ドラムを含む排熱回収ボイラと、前記ガスタービンと同軸に配置されるとともに、前記高圧ドラムから送気され高圧蒸気加減弁を通過する高圧蒸気によって駆動される高圧蒸気タービンと、前記高圧蒸気タービンと同軸に配置された低圧蒸気タービンと、前記低圧蒸気タービン同軸に配置された発電機と、低圧主蒸気加減弁を備えるとともに前記低圧ドラムからの前記低圧蒸気を、低圧主蒸気加減弁を介して前記低圧蒸気タービンに供給する低圧タービン蒸気供給配管と、補助蒸気を発生する起動用ボイラと、前記起動用ボイラと前記低圧タービン蒸気供給配管の前記低圧主蒸気加減弁の上流部との間を接続するとともに、起動時に補助蒸気を供給する起動時補助蒸気供給配管と、前記起動時補助蒸気供給配管から前記低圧タービン蒸気供給配管に供給される蒸気量を調節する補助蒸気量調節弁と、前記ガスタービンが起動開始時点から燃焼ガスによる自立運転ができる回転数に到達する迄の間、前記補助蒸気量調節弁の弁開度を調節して前記起動用ボイラからの補助蒸気を、前記低圧タービン蒸気供給配管を経て前記低圧蒸気タービンに供給することにより当該低圧蒸気タービンに駆動力を発生させ、前記ガスタービン、高圧蒸気タービン、低圧蒸気タービンおよび発電機を一体的に昇速制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ガスタービンの空気冷却方式あるいは蒸気冷却方式に係わりなく、全ての一軸型複合サイクル発電プラントにおいて好適な蒸気起動方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態1に係る一軸型複合サイクル発電プラントの主要部を示す系統図。 本発明の実施形態1の起動制御装置に設けられた低圧主蒸気加減弁用制御回路の一例を示す構成図。 本発明の実施形態1の起動制御装置に設けられた補助蒸気量調節弁用制御回路の一例を示す構成図。 ガスタービンの起動昇速過程における軸回転数に対する燃料流量および軸トルクの関係を示す特性図。 図2の低圧主蒸気加減弁用制御回路の変形例を示す構成図。 本発明の実施形態2に係る一軸型複合サイクル発電プラントの主要部を示す系統図。 本発明の実施形態3に係る一軸型複合サイクル発電プラントの主要部を示す系統図。 本発明の実施形態4に係る一軸型複合サイクル発電プラントの主要部を示す系統図。 本発明の実施形態4および5の起動制御装置に設けられた低圧主蒸気加減弁および補助蒸気量調節弁の制御回路の一例を示す図。 本発明の実施形態5に係る一軸型複合サイクル発電プラントの主要部を示す系統図。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
なお、各実施形態の図において共通する要素には同一符号を付け、重複する説明は適宜省くものとする。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る一軸型複合サイクル発電プラントの主要部を示す系統図であり、図2および図3は、それぞれ本実施形態1に係る一軸型複合サイクル発電プラントの起動制御装置(図示せず)に設けられた低圧主蒸気加減弁用制御回路構成図および補助蒸気量調節弁用制御回路構成図である。図4は、ガスタービン1の起動昇速における燃料流量と回転数の関係を示す特性図である。
まず、図1を参照して本実施形態1に係る一軸型複合サイクル発電プラントの系統構成について説明する。
1はガスタービン(GTと表記)、2はガスタービン圧縮機(COMPと表記)、3は高圧蒸気タービン3Hと低圧蒸気タービン3Lとから構成された蒸気タービン、4は発電機であり、それぞれの回転軸が軸継手により一軸上に結合されている。ここで、一軸上に結合されたガスタービン1、ガスタービン圧縮機2、高圧蒸気タービン3H、低圧蒸気タービン3Lおよび発電機4の回転部分を、「軸」5と称する。したがって、軸5の回転数は、同軸上に連結されているガスタービン1の回転数、あるいは蒸気タービン3の回転数と同じ意味である。
前記ガスタービン圧縮機2から吐出された高圧高温の圧縮空気は燃焼器6に送られ、ここで燃料を燃焼させて燃焼ガスを発生させる。発生した燃焼ガスはガスタービン1に導入されて断熱膨張することによってガスタービン1を回転駆動する。なお、燃焼器6に供給される圧縮空気の量はガスタービン圧縮機2の入口側に設けた入口案内弁(いわゆる、IGV)7の弁開度を調節することによって制御されるようになっている。
そして、前記ガスタービン1から排気された排気ガスEGは、2圧式に構成された排熱回収ボイラ(HRSGと表記)8Aに導入されて、高圧ドラム9に接続された高圧過熱器10、低圧ドラム11に接続された低圧過熱器12および図示していないが、これら高圧ドラム9、低圧ドラム11にそれぞれ接続された蒸発器、節炭器等の熱交換器で給水や蒸気と熱交換した後に煙突を経て大気中に放散されるようになっている。
排熱回収ボイラ8Aの高圧ドラム9で発生した高圧蒸気は、高圧過熱器10で過熱された後、高圧主蒸気管13を通って高圧主蒸気加減弁14に至り、この高圧主蒸気加減弁14で圧力を調整された後、高圧主蒸気加減弁リード管14Lを経て高圧蒸気タービン3Hに導入される。そして、ここで断熱膨張により動翼を回転駆動した後排気され、低圧蒸気配管15を経て低圧蒸気タービン3Lに導入される。
一方、低圧ドラム11で発生した低圧蒸気は、低圧過熱器12で過熱された後、低圧主蒸気管16およびその途中に設けられている低圧蒸気アイソレーション弁17を経て低圧主蒸気加減弁18に至り、この低圧主蒸気加減弁18で圧力を制御された後、低圧主蒸気加減弁リード管18Lを経て前記低圧蒸気タービン3Lに導入されるようになっている。
前記低圧蒸気アイソレーション弁17は、低圧過熱器12で過熱された低圧蒸気の温度および圧力が所定の条件になると開弁するように機能するもので、例えば電動弁で構成されている。
図1では、低圧主蒸気加減弁18を通過した低圧蒸気を低圧主蒸気加減弁リード管18Lにより直接低圧蒸気タービン3Lに導入するように配管構成したが、低圧主蒸気加減弁18を通過した低圧蒸気を、破線で示す低圧主蒸気加減弁リード管18Laによって高圧蒸気タービン3Hの途中段(排気部の近傍)に導入するように配管構成を変更してもよい。このように変更した場合でも、低圧主蒸気加減弁18を通過する蒸気量は高圧蒸気タービン3Hではほとんどトルクを発生することはない。
なお、低圧過熱器12で過熱された低圧蒸気が、低圧主蒸気管16、低圧主蒸気加減弁18、低圧主蒸気加減弁リード管18L等を経て低圧蒸気タービン3Lに至る蒸気系統、または、低圧過熱器12で過熱された低圧蒸気が、低圧主蒸気管16、低圧主蒸気加減弁18、破線で示した低圧主蒸気加減弁リード管18La、高圧蒸気タービン3Hのケーシングおよび低圧蒸気配管15を経て低圧蒸気タービン3Lに至る蒸気系統を、本発明では便宜上低圧タービン蒸気供給系統と称する。
そして、低圧蒸気タービン3Lの内部では、高圧タービン3Hで膨張仕事を終えて低圧蒸気配管15を経て導入された蒸気と、低圧主蒸気管16から低圧主蒸気加減弁18、低圧主蒸気加減弁リード管18Lを経て低圧蒸気タービン3Lに導入された蒸気とが合流し、合流した蒸気の断熱膨張により動翼を回転駆動したあと復水器19内に排気され、ここで循環水ポンプ20によって送り込まれた冷却水と熱交換し、凝縮して復水となる。
復水は、図示しない復水ポンプによって給水ポンプ21に送られ、給水ポンプ21で加圧されて前記排熱回収ボイラ8A内の低圧ドラム11に送られる。
このようにして、一軸型複合サイクル発電プラントではガスタービン1が燃焼ガスの断熱膨張により軸5に駆動力を与え、高圧蒸気タービン3Hおよび低圧蒸気タービン3Lが蒸気の断熱膨張により軸5に駆動力を与え、共に発電機4を駆動して電力を発生させる。
22は起動用ボイラであり、一軸型複合サイクル発電プラントの起動時には、蒸気圧力が約0.7[Mpa]の補助蒸気を発生するように構成されている。この起動用ボイラ22は補助蒸気供給主管23および同管23から分岐した補助蒸気供給分岐管24からなる「補助蒸気供給配管」を介して、前記低圧蒸気アイソレーション弁17および低圧主蒸気加減弁18間の部位の低圧主蒸気管16に接続されている。
25は補助蒸気供給分岐管24の途中に設けられた補助蒸気量調節弁であり、一軸型複合サイクル発電プラントの起動時に補助蒸気量を調節して低圧主蒸気加減弁18に供給するように機能する。
上記のように一軸型複合サイクル発電プラントの蒸気配管が接続されていることで、起動用ボイラ22から出力される約0.7[Mpa]の補助蒸気は、低圧主蒸気加減弁18の上流部側で低圧蒸気アイソレーション弁17を通過した低圧蒸気と合流する。
ここで、起動用ボイラ22、補助蒸気供給主管23、補助蒸気供給分岐管24および同分岐管24に接続された補助蒸気量調節弁25によって構成され、起動用ボイラ22からの補助蒸気を低圧主蒸気加減弁18の上流部に供給する蒸気系統を便宜上、起動時補助蒸気供給配管26と称する。
前記起動用ボイラ22は、燃焼設備を有する通常の汽缶型ボイラを想定したものであるが、これ以外に蒸気を発生させ得る手段として運転中の既設発電ユニットが発電のために発生させる蒸気の一部を流用するプラント形態もあり、本発明は何れの形態でも適用可能である。また、補助蒸気量調節弁25は空気を駆動源とし、補助蒸気の圧力を調節する調節弁を想定しているが、圧力の調整と補助蒸気遮断の両機能を備えた電動弁で構成してもよい。
なお、図中27は軸5の軸回転数、すなわちガスタービン1の軸回転数を検出する回転数検出器であり、発電機4の近傍に設置されている。また、28は低圧ドラム11の蒸気圧力を検出する圧力検出器である。29は低圧主蒸気加減弁18を通過する蒸気流量を検出する流量検出器(流量トランスミッタ)であり、低圧主蒸気加減弁18の上流部側で、かつ、補助蒸気との合流点よりも下流に設置されている。30は起動時補助蒸気供給配管26の補助蒸気供給分岐管24に設けられ、補助蒸気量調節弁25を通過する補助蒸気の圧力を検出する補助蒸気圧力検出器である。
次に、図2を参照して一軸型複合サイクル発電プラントの起動制御装置(図示せず)に設けられた低圧主蒸気加減弁用制御回路の構成について説明する。
図2において、101はガスタービン1の通常起動用の回転数設定器であり、同設定器中に概略特性を示しているようにガスタービン1の回転数が、起動開始時点(0)からパージ回転数、着火回転数を経てガスタービン自立回転数に到達するまでの昇速過程において、経過時間ごとに要求される回転数設定値101sとなるように予めプログラムされている。
102は減算器であり、回転数設定値101sと回転数検出器27により検出された軸5、すなわちガスタービン1の軸回転数27sとを入力し、回転数設定値101sからガスタービン1の軸回転数27sを減算して偏差102sを出力する。
103はPIコントローラであり、減算器102から出力された偏差102sを入力して軸5、すなわちガスタービン1の軸回転数27sが回転数設定値101sと等しくなるように比例積分演算(PI演算)し、その演算結果を指令103sとして出力する。
104は2つの入力端子(イ)、(ロ)に印加される信号のいずれかを選択して出力端子(ハ)から出力する第1の切替器であり、PIコントローラ103からの指令103sを第1の入力端子(イ)に入力し、後述するPIコントローラ116からの指令116sを第2の入力端子(ロ)に入力する。そして、軸5に起動開始指令が出されると、実線のように端子(イ)−(ハ)を接続してPIコントローラ103からの指令103sを指令104sとして出力し、後述する比較器108から切替指令108sが出されているときは破線のように入力端子の切替えを行って端子(ロ)−(ハ)を接続してPIコントローラ116の指令116sを指令104sとして出力する。
105は変化率リミッタであり、第1の切替器104から出力された指令104s、すなわち指令103sあるいは指令116sが急激に変化したとしても、予め設定してある変化率118s以上の早い変化レートにならないように制限して変化率制限信号105sとして出力する。
106は上限リミッタであり、前段に設けられた変化率リミッタ105から出力された変化率制限信号105sの大きさが後述する比較器119から出された増加停止指令119sよりも小さいときは入力した変化率制限信号105sの大きさのまま低圧主蒸気加減弁18の弁開度指令106sとして出力し、入力した変化率制限信号105sの大きさが制限値(後述するように、増加停止指令と同意)119s以上のときは出力する弁開度指令106sの大きさを制限値119sに制限し、低圧主蒸気加減弁18の弁開度指令106sとして出力する。
なお、以上述べた変化率リミッタ105および上限リミッタ106のより具体的な説明については、後で改めて述べる。
107はガスタービン1の自立回転数を設定する自立回転数設定器である。108は比較器であり、ガスタービン1の自立回転数設定器107に設定された設定値107sとガスタービン1の回転数検出器27で検出された軸回転数27sとを比較し、軸回転数27sが自立回転数設定値107s以上になったときに、前記第1の切替器104に対して切替指令108sを出すことによって、前述したように端子(イ)−(ハ)の接続を端子(ロ)−(ハ)の接続に切替える。
一方、113は冷却蒸気流量設定器であり、ガスタービン1が自立回転数設定値107s以上で回転している「流量制御運転時」に低圧蒸気タービン3Lの冷却蒸気として必要な蒸気流量を設定している。115は減算器であり、冷却蒸気流量設定器113に設定されている冷却蒸気流量設定値113sと前記蒸気流量検出器29で検出された低圧主蒸気加減弁18を通過する蒸気流量29sとを入力し、冷却蒸気流量設定値113sから蒸気流量29sを減算して偏差115sを出力する。
116はPIコントローラであり、減算器115から出力された偏差115sを比例積分演算(PI演算)して指令116sとして前記第1の切替器104の第2の入力端子(ロ)に出力する。118は前記変化率リミッタ105の変化率設定値118sを設定する変化率設定器である。
119は比較器であり、低圧主蒸気加減弁18を通過する蒸気流量の検出信号29sと、後述する必要流量設定値120sとを比較し、検出信号29sが必要流量設定値120s以上になると、低圧主蒸気加減弁18の弁開度がこれまでの弁開度よりも増加しないように停止指令119sを出力する。120は補助蒸気流量設定器であり、ガスタービン1の昇速運転過程で必要となる低圧蒸気タービン3Lの駆動トルクのうち、最大の駆動トルクを発生させるために必要な補助蒸気流量を設定値120sとして設定してある。
次に、図3を参照して一軸型複合サイクル発電プラントの起動制御装置(図示せず)に設けられた補助蒸気量調節弁用制御回路の構成について説明する。
図3において、201は圧力設定値201s(以下、第1の圧力指令201sという)を設定した蒸気圧力設定器であり、この第1の圧力指令201sを出力して後述する第2の切替器203の一方の入力端子(イ)に入力する。
207はバイアス圧力設定値を設定したバイアス圧力設定器であり、そのバイアス圧力設定値207sを加算器208の一方の入力端子に出力する。
加算器208はこのバイアス圧力設定値207sと圧力検出器28で検出された低圧ドラム11の圧力28sとを加算し、その加算結果208sを出力する。202は加算器208の出力208sを常時入力するように構成され、ガスタービン1が着火した瞬間に入力した前記加算結果208sを記憶する記憶器であり、この記憶している圧力値202s(以下、第2の圧力指令という)を前記第2の切替器203の他方の入力端子(ロ)に出力する。
なお、第1の圧力指令値201sおよび第2の圧力指令値202sの詳細については、後に改めて説明することとし、ここでは概念説明にとどめる。
第1の圧力指令201sの値とは、ガスタービン1の昇速に際し必要となる低圧蒸気タービン3Lの最大駆動トルクを発生させるための補助蒸気流量が低圧主蒸気加減弁18に流入しても当該低圧主蒸気加減弁が全開しないような圧力であり、また、第2の圧力指令202sの値とは、低圧蒸気と補助蒸気の両方が低圧主蒸気加減弁18を介して低圧蒸気タービン3Lに供給できる圧力である。
210は、例えばガスタービン1の回転数が低圧蒸気タービン3Lに最大の駆動トルクが必要となる回転数、例えば定格速度の55%速度よりも高く、かつ、ガスタービン1の自立回転数よりも低い値を有する切替回転数設定値210sを有する設定器であり、その設定値210sを比較器211に入力する。比較器211は回転数検出器27で検出された軸5(ガスタービン1)の軸回転数27sが切替回転数設定値210sになったとき、前記第2の切替器203に対して切替指令211sを出力する。
203は、前述した第1の切替器104と同様に2つの入力端子(イ)または(ロ)に印加される信号のいずれか一方を選択して出力端子(ハ)から出力するように構成された第2の切替器であり、軸5(ガスタービン1)が起動開始するときは第1の切替器104と同様に実線のように端子(イ)−(ハ)を接続して蒸気圧力設定器201の第1の圧力指令201sを出力指令203sとして端子(ハ)から出力し、後述する比較器211からの切替指令211sが出されているときは入力端子の切替えを行って端子(ロ)−(ハ)を接続して記憶器202に記憶されている第2の圧力指令202sを出力指令203sとして端子(ハ)から出力する。
204は第2の切替器203によって選択出力された圧力指令203sと、起動時補助蒸気供給配管26の補助蒸気供給分岐管24に設けられた蒸気圧力検出器30で検出された補助蒸気圧力値30sとを入力し、圧力指令203sから圧力検出値30sを減算してその偏差204sを出力する減算器である。
205は偏差204sを入力して補助蒸気圧力値30sが圧力指令203sと等しくなるように比例積分演算(PI演算)し、その演算結果を補助蒸気量調節弁25の弁開度指令205sとして出力するPIコントローラである。
以上で本実施形態1に係る一軸型複合サイクル発電プラントの系統構成、および起動制御装置の制御回路構成について説明したので、次に、一軸型複合サイクル発電プラントの起動時における低圧主蒸気加減弁18および補助蒸気量調節弁25の開弁制御について説明する。
図1乃至図4において、一軸型複合サイクル発電プラントに起動指令が出力された時点では第1の切替器104および第2の切替器203は実線のように端子(イ)−(ハ)を接続した状態になっている。また、補助蒸気量調節弁25および低圧主蒸気加減弁18は全閉状態になっており、軸5(ガスタービン1)は回転していない。
このとき、図3の補助蒸気量調節弁制御回路において、第2の切替器203は蒸気圧力設定器201の第1の圧力指令201sを指令203sとして出力する。減算器204は、第1の圧力指令203sから補助蒸気の圧力検出値30sを減算して偏差204sを出力するのであるが、一軸型複合サイクル発電プラントに起動指令が出た時点では、補助蒸気量調節弁25の下流で検出される補助蒸気圧力30sはゼロなので、PIコントローラ205には蒸気圧力設定器201からの第1の設定値201sが入力される。そして、PIコントローラ205は、補助蒸気が補助蒸気量調節弁25を通過したときの圧力30sと第1の設定値201sとが等しくなるように補助蒸気量調節弁25に弁開度指令205sを出力する。これにより、補助蒸気量調節弁25は例えば油圧などによって駆動される図示しない駆動装置によって開弁される。
PIコントローラ205は、その後もガスタービン1の軸回転数27sが、例えば55%速度より高く、ガスタービン1の自立回転数よりも低い値に設定された切替回転数210sに到達するまでの間、減算器204から出力される偏差204sに応じてPI演算を継続し、補助蒸気量調節弁25に対して引き続き弁開度指令205sを出力する。
このように、一軸型複合サイクル発電プラントに起動指令が出力されると、まず補助蒸気量調節弁25が開弁して起動用ボイラ22の補助蒸気が、補助蒸気供給主管23、補助蒸気供給分岐管24、補助蒸気量調節弁25を通って低圧主蒸気加減弁18の上流側の低圧主蒸気管16に供給される。
一方、図2の低圧主蒸気加減弁制御回路において、一軸型複合サイクル発電プラントに起動指令が出た時点は、前述したように軸回転数27sはゼロなので、減算器102からは回転数設定値101sが偏差102sとして出力され、これがPIコントローラ103に入力される。PIコントローラ103は、軸5(ガスタービン1)の軸回転数27sが回転数設定値101sに等しくなるように偏差102sを比例積分演算(PI演算)して演算結果103sを出力する。
なお、起動指令が出た時点では比較器108から切替信号108sは出ていないので、PIコントローラ103の演算結果103sがそのまま、第1の切替器104から指令104sとして出力される。第1の切替器104から出力される指令104sは変化率リミッタ105によって変化レートの制限を受けて105sとなり、さらに上限リミッタ106によって上限値の制限を受けて弁開度指令106sとなって図示しない油圧駆動装置に与えられ、低圧主蒸気加減弁18の開弁を開始する。
この低圧主蒸気加減弁18の開弁によって、起動用ボイラ22からの補助蒸気は、起動時補助蒸気供給配管26の補助蒸気供給主管23、補助蒸気供給分岐管24、補助蒸気量調節弁25を経て低圧蒸気アイソレーション弁17下流の低圧主蒸気管16に供給され、さらに、低圧主蒸気加減弁18、低圧主蒸気加減弁リード管18Lを通って低圧蒸気タービン3Lに供給されるようになる。
前述したように、図2で示す低圧主蒸気加減弁用制御回路に設けられた回転数設定器101から出力される回転数設定値101sは、起動開始時点前はゼロであるが、起動が開始されると時間の経過と共にパージ回転数に向けて比較的ゆっくりしたレートで上昇する。なお、このとき、ガスタービン1はまだ着火運転には至っていないので昇速のレートは遅くても許容される。
PIコントローラ103は、軸回転数27sが回転数設定値101sと等しくなるまで比例積分演算(PI演算)して指令103sを出力するので、変化率リミッタ105、上限リミッタ106を経て出力される弁開度指令106sは、回転数設定値101sに追従するように増加する。
これにより、低圧主蒸気加減弁18は弁開度を制御されながら低圧蒸気タービン3Lに補助蒸気を供給し、低圧蒸気タービン3Lを回転し始める。すなわち、軸5(ガスタービン1)が回転を始める。
低圧主蒸気加減弁18は回転数設定値101sに追従して弁開度を増加させてガスタービン1をパージ回転数まで昇速させる。これによりガスタービン1の燃料パージ運転が開始され、ガスタービン1を着火する前に排気ダクト中の未燃焼燃料を大気に放出する。この燃料パージ運転中は、軸受の振動発生を抑止する目的で回転数設定値101sを鋸歯状に設定しているため、低圧主蒸気加減弁18もそれに追従するように弁開度を鋸歯状に増減させる運転、いわゆるウォービュレーション(Wobulation)運転を行う。
この燃料パージ運転が所定時間行われた後、回転数設定器101はガスタービン1の着火のために、回転数設定値101sを一旦低下させて、低圧主蒸気加減弁18の弁開度を減じて全閉にする。そして、ガスタービン1の軸回転数27sが着火回転数まで低下したところでガスタービン1を着火させる。
回転数設定器101は、ガスタービン1が着火した後、回転数設定値101sをガスタービン自立回転数に向けてステップ状に増加させるので、PIコントローラ103は指令103sを急速に増加させて、低圧主蒸気加減弁18の弁開度を急激に増加させ、最終的に軸5をガスタービン1が自立運転できる回転数まで昇速させる。これを昇速制御と呼ぶ。
ガスタービン1が自立運転を開始した後は、もはや昇速制御の必要性はないが、低圧蒸気タービン3Lの動翼が風損で加熱されて静止部に接触することを防止するために低圧タービン3Lに冷却蒸気を供給する必要がある。
ガスタービン1が自立運転を開始すると、軸回転数27sは自立回転数設定器の設定値107s以上の大きさになるので、比較器108から切替指令108sが第1の切替器104に対し出力される。
切替指令108sを受けた第1の切替器104は、実線で示す端子(イ)−(ハ)の接続状態を破線で示す端子(ロ)−(ハ)の接続状態に切替える。これにより、入力指令をPIコントローラ103の指令103sに替えてPIコントローラ116の指令116sを選択し、指令104sとして出力する。
この結果、低圧主蒸気加減弁18の制御は、これまでの昇速制御から以下に説明する流量制御に切り替えられる。
冷却蒸気流量設定器113に設定されている冷却蒸気流量設定値113sは、低圧タービン3Lの冷却蒸気として必要な流量に設定されている。
減算器115は、低圧タービン3Lの冷却蒸気として必要な流量に設定されている冷却蒸気流量設定値113sから、低圧主蒸気加減弁18を通過する補助蒸気流量29sを減算し、その偏差115sをPIコントローラ116に入力する。
PIコントローラ116は、低圧主蒸気加減弁18を通過する補助蒸気流量29sが低圧タービン3Lの冷却蒸気として必要な冷却蒸気流量設定値113sと等しくなるように偏差115sを比例積分演算(PI演算)し、その演算結果を冷却蒸気流量指令116sとして出力する。この結果、低圧主蒸気加減弁18を通過する補助蒸気流量29sは低圧タービン3Lの冷却蒸気として必要な流量に制御される。
そして、ガスタービン1の運転が「昇速制御」から「流量制御」の運転に移行した後、排熱回収ボイラ8Aの低圧ドラム11で発生して低圧過熱器12で過熱された低圧蒸気が所定の蒸気圧力に到達し飽和蒸気温度以上に十分に過熱され適切な流量および温度になると、低圧蒸気アイソレーション弁17が図示していない駆動装置により開弁される。この結果、低圧主蒸気加減弁18上流側の低圧主蒸気管16の部位で起動用ボイラ22からの補助蒸気と、低圧過熱器12からの低圧蒸気との両蒸気が合流して低圧蒸気タービン3Lに流入する。
なお、変化率リミッタ105と上限リミッタ106については、既に図2の構成を説明する際に概念について説明したが、以下で具体的に説明する。
ガスタービン1の着火以後、回転数設定値101sがステップ状に上昇するのに対して軸5は大きな慣性を有しているため軸回転数27sを急速に上昇させることはできない。このため、減算器102では回転数設定値101sと軸回転数27sとの偏差102sは、軸回転数27sがガスタービン自立回転数設定値107sに到達するまで零ではなく、特に回転数設定値101sがステップ状に上昇した直後が一番大きく、それから時間の経過とともに減少していく。
このため、偏差102sを比例積分演算するPIコントローラ103から出力される指令103sは回転数設定値101sがステップ状に上昇した直後に急激に大きな値となって第1の切替器を経て変化率リミッタ105に入力される。一方、変化率設定器118には上記の変化率よりも小さな変化率118sが設定値として設定されている。したがって、PIコントローラ103から出力される指令103sが大きな値で急激に増加しても、変化率リミッタ105は変化率制限出力105sが変化率設定値118s以上の早い変化レートとならないように制限して指令105sを出力する。
この結果、ガスタービン1の着火以後、軸回転数27sがガスタービンの自立回転数設定値107sに到達するまでの期間中、低圧主蒸気加減弁18は変化率設定値118sに基づいて開弁されることになる。
そして上限リミッタ106により低圧主蒸気加減弁18の弁開度が必要な蒸気流量を確保できる弁開度に到達したとき、低圧主蒸気加減弁18の開弁は止まり、それ以上開弁しないように維持される。
低圧主蒸気加減弁18を通過する蒸気流量の流量は検出器29により流量29sとして検知され、比較器119に入力される。
一方、補助蒸気流量設定器120にはガスタービン1の昇速に際し必要となる低圧蒸気タービン3Lによる駆動トルクのうち、最大の駆動トルクを発生させるために必要な補助蒸気流量が設定されている。低圧主蒸気加減弁18の弁開度が増加するにつれて流れる補助蒸気流量29sも増加する。補助蒸気流量29sが必要流量設定値120s以上になったとき、比較器119から停止指令119sが出力されて上限リミッタ106の上限値119sとして入力される。
上限リミッタ106は弁開度指令106sの増加を上限値119sで停止するように作用する。これより、低圧主蒸気加減弁18は上述した必要流量120sを確保する弁開度になったとき、開弁を止めてその弁開度を保持する。
なお、前述した変化率設定値118sは、ガスタービン1の着火後、ガスタービン1が保炎を保つうえで最低必要量の燃料流量から上昇を開始する時点よりも前に、低圧主蒸気加減弁18が低圧蒸気タービン3Lに必要な補助蒸気量を確保できる弁開度に到達するような値に設定されている。これを以下に説明する。
図4は、ガスタービン1の起動昇速における燃料流量と回転数の関係を示す図である。
ガスタービン1の起動昇速の過程では、その燃料流量は、燃焼を維持し「保炎を保つ最低必要流量」aと、「必要な加速率を確保するのに要求される流量」bとのうち、いずれか高い方の値を選択(すなわち、高値選択)するように構成されている。
ガスタービン1の着火直後から低い軸回転数27sの領域では、前者の燃焼を維持し「保炎を保つ最低必要流量」aが選択され、その運転がある程度継続した後、昇速過程途中の所定回転数(図4では説明の便宜上、定格速度の「55%速度」として表示してある)から、今度は「必要な加速率を確保するのに要求される流量」bが選択され、「燃料流量」は上昇を開始する。
しかし、仮に変化率設定値118sの値が不適切に小さいために低圧主蒸気加減弁18の開弁が遅くなり、55%速度になってもまだ低圧蒸気タービン3Lに期待される駆動トルクを発生できない場合、必要な加速率を確保するための燃料流量の上昇が55%速度以下の回転数領域から開始されることになる。
燃料流量の上昇が、55%速度以上の高回転領域(高風量)で行われる場合は問題ないが、上記の如く55%未満の低回転領域(低風量領域)で開始されると、排ガス温度が高くなりガスタービン1を損傷する等の虞が生じる。
従って、低圧主蒸気加減弁18は適切な迅速さで開弁させ、低圧蒸気タービン3Lに期待される(必要な)駆動トルクが55%速度に到達する前に発生させるようにすることが求められる。換言すれば、低圧主蒸気加減弁18の変化率118sはガスタービン1の燃料流量が「保炎を保つ最低必要量の燃料流量」から上昇を開始する時点よりも前に、低圧主蒸気加減弁18が低圧蒸気タービン3Lに必要な補助蒸気の必要流量を確保できる弁開度に到達するような値とすることが要求される。
次に、変化率設定値118sと必要流量設定値120sの具体的な算出例を以下に説明する。
ガスタービン1の起動昇速における軸トルクと回転数の関係を再び図4を参照して説明する。
ここで言う軸トルクとは、ガスタービン1の外部から供給されることが必要なトルクのことであり、本実施形態1では、起動時に低圧蒸気タービン3Lに要求されるトルクを意味する。
ガスタービン圧縮機2は回転数が高いほど吸い込む空気量が大きく、その駆動にはトルクを要するので、図4で示すように、軸トルクは回転数が上昇するにつれて大きくなり、図4の例では55%速度のときに最大値(説明の便宜上、これを30[KN−m]とする)に到達する。この55%速度以後の軸回転数では、ガスタービン1の燃料が増加してガスタービン1自体に発生するトルクが大きくなるので、軸5に外部から供給する軸トルクは徐々に低下していき、ガスタービン1が自立回転数設定値107sに到達すると軸トルクは零になる。
低圧蒸気タービン3Lに期待される最大の駆動トルク(30[KN−m])を発生するための補助蒸気流量は次のようにして算出できる。すなわち、熱力学上、蒸気タービンとは蒸気が高圧段から低圧段に膨張しながら熱エネルギーをトルクに変換する原理に基づくので、単位流量当りの補助蒸気が復水器の圧力(一般に−96[kPa]程度)まで膨張するとき発生するトルク値が求まり、最大の駆動トルクを前記トルク値で除することによって補助蒸気流量が算出される。
説明の便宜上、この補助蒸気流量を100[t/h]とし、本実施形態1では必要流量設定値120sを100[t/h]に設定する。なお、この変形例として、必要流量設定値120sを100[t/h]の固定値とする替わりに、図4に示す各回転数で低圧蒸気タービン3Lに必要とされる駆動トルクを発生するための補助蒸気量を必要流量設定値120sとして設定する(回転数による変数とする)方法もある。本実施形態1ではこれら補助蒸気量のうち最大値となる100[t/h]を設定することで、制御回路の簡素化と合わせて極力早い昇速を実現するようにしたものである。
前記の如く、ガスタービン1の燃料が「保炎を保つ最低必要量」から上昇して「加速率に必要な流量」が高値選択される回転数は55%速度である。ガスタービン1の着火時には低圧主蒸気加減弁18は一旦全閉し(補助蒸気流量も零)、着火後の55%速度に到達した時点で補助蒸気流量(100[t/h])を確保するための低圧主蒸気加減弁18の開弁レートを算出する。その具体的算出は低圧蒸気タービン3Lの駆動トルク(0[N−m]〜30[KN−m]までランプ状に上昇)と、ガスタービン1が発生させるトルクとを加算し、これによるガスタービン1の加速率を求める収束演算プログラムを使用して求めることができるが、詳細は省略する(なお、補助蒸気圧力は第1の圧力として算出する)。
説明の便宜上、この開弁レートを20[%/分]とする。この20[%/分]が許容される最も遅い開弁レートであり、実際の変化率設定値118sは余裕をみてこれより早い(大きい)値に設定する。但し、あまりに早い値では前述の如く補助蒸気供給源である起動用ボイラ22や他設備にとって追従できないことに留意して設定する。
次に、既に概要を説明した第1の圧力指令値201sおよび第2の圧力指令値202sついて図3および図4を参照して詳細に説明する。
前述したように、図3に示す補助蒸気量調節弁25用制御回路は、第2の切替器203により2つの蒸気圧力設定値を切替えることができるようになっていることから、第2の切替器203を蒸気圧力切替器と称することができる。
また、前述したが、第1の圧力設定値201sとは、ガスタービン1の昇速に際し必要となる低圧蒸気タービン3Lの最大駆動トルクを発生させるための補助蒸気の流量が、前記低圧主蒸気加減弁18に流入しても当該低圧主蒸気加減弁18が全開しないような圧力のことであり、具体的には100[t/h]の補助蒸気流量が補助蒸気量調節弁25に流入しても、低圧主蒸気加減弁18が全開に至らない比較的高い圧力を選定する。第2の圧力指令202sの値とは、低圧蒸気と補助蒸気の両方が低圧主蒸気加減弁18を介して低圧蒸気タービン3Lに供給できる圧力のことである。
図4において、低圧蒸気タービン3Lの最大の駆動トルクは30[KN−m]であり、この駆動トルクを発生するための補助蒸気流量は100[t/h]とする。
これは第1の圧力設定値201sを不適切に低い値に設定した場合、100[t/h]を確保するための補助蒸気のボリュームフロー(体積流量)は大きくなり100[t/h]を確保する以前に低圧主蒸気加減弁18が全開し、その結果トルク不足となる不都合を排除するためである。
具体的な算出は蒸気弁の製造者が提供する特性カーブにより低圧主蒸気加減弁18の弁開度、弁差圧および流量の関係が提示されるので、これに起動用ボイラ22が発生する補助蒸気圧力(弁一次圧力:0.7[Mpa])を当てはめれば低圧主蒸気加減弁18が全開したときに100[t/h]の流量が確保できる弁二次圧力、すなわち、第1の圧力設定値201sが求まる。実際の第1の圧力設定値201sはこれに余裕をみて低圧主蒸気加減弁18が約70%〜80%弁開度にて100[t/h]の流量が確保できる圧力を選定する。ここでは、説明の便宜上、第1の圧力設定値201sを0.6[Mpa]と設定する。
このような比較的高圧の圧力を採用することで、ガスタービン1の燃料パージ運転(このときの補助蒸気量は、軸回転数27sが低いので、当然100[t/h]より小さな流量となる)時の低圧主蒸気加減弁18の弁開度は約20%〜30%程度の良好な制御性を確保しながら前述したウォービュレーション運転を行う。
第2の圧力設定値202sは、前述したように低圧蒸気と補助蒸気の両方が低圧主蒸気加減弁18を介して低圧蒸気タービン3Lに供給できる圧力としたが、その理由を説明する。
前記のようにガスタービン1が自立運転を開始した後は、低圧主蒸気加減弁18は低圧タービン冷却蒸気の供給を目的とした流量制御に移行する。そしてその後、低圧ドラム11から発生する低圧蒸気が適切な流量と温度になった時点で低圧蒸気アイソレーション弁17が開弁される。そのとき比較的圧力の低い低圧蒸気(約0.3[Mpa]程度)に対して0.6[Mpa](第1の圧力設定値201s)の補助蒸気が流入すると、低圧蒸気は低圧主蒸気加減弁18に流入しない(または計画されたヒートバランスより極端に低圧ドラム11の圧力が上昇する)という不都合を生じる。従って補助蒸気を第2の圧力設定値202sに切り替えることで減圧し併行供給に支障ないようにする。
前述したが、本実施形態1では第2の圧力設定値202sを次のようにして算出する。検出器28により検知された低圧ドラム11の圧力28sと、バイアス圧力設定器207に設定されたバイアス値208sとの加算値208sを記憶器202に入力すると、記憶器202はガスタービン1が着火した瞬間に算出した加算値208sを記憶し、これを第2の圧力設定値202sとして出力する。
以後、低圧ドラム11の圧力28sが起動過程の進捗により増加しても第2の圧力設定値202sはガスタービン1が着火した瞬間の低圧ドラム11の圧力28sとバイアス圧力207sとから算出された値を保持する。
なお、バイアス値208sの値は些少であり、これは補助蒸気と低圧蒸気の両蒸気が全く等しい圧力を長時間維持する場合の弊害(補助蒸気量調節弁25が全閉する等)を回避するために設けたものであるため、記憶されている第2の圧力設定値202sは、低圧ドラム11の低圧蒸気とほぼ等しい低い値と考えてよい。
このように、記憶器202から出力される第2の圧力設定値202sを低圧ドラム11の低圧蒸気にほぼ等しい低い値としたので、起動用ボイラ22からの補助蒸気と、低圧ドラム11からの低圧蒸気の両蒸気を併行して低圧主蒸気加減弁18に流入することが可能となる。
なお、これ以後、起動の進行に伴う入熱の蓄積により、低圧ドラム11の圧力28s(低圧蒸気の圧力)は除々に上昇して第2の圧力設定値202sを上回るようになる。これに伴い補助蒸気量調節弁25は除々に閉弁し、最終的には低圧タービン3Lの冷却蒸気の全てが低圧蒸気により賄われる運転となる。
第2の切替器203による第1の圧力設定値201sから第2の圧力設定値202sへの切替は、ガスタービン1の燃料パージ運転および着火操作を行う時点においては第1の圧力設定値201sとし、ガスタービンの回転数がガスタービン1の昇速のために低圧蒸気タービン3Lに最大の駆動トルクが必要となる回転数より高く、かつガスタービン1が自立運転ができる回転数より低い回転数においては第2の圧力設定値202sに切替える。
比較器211は、軸回転数27sが切替回転数設定値210sに到達したとき、切替指令211sを第2の切替器203に対し出力して、それまでの第1の圧力設定値201sから第2の圧力設定値202sに切り替え、補助蒸気と低圧ドラム11からの低圧蒸気の併行供給に備える。
低圧主蒸気加減弁18は、第1の圧力設定値201sにより100[t/h]の補助蒸気を確保する運転の場合、その弁開度を70%〜80%とするが、第2の圧力設定値202sは、第1の圧力設定値201sより低い値なので、補助蒸気の体積流量(ボリューム流量)が増大し、低圧主蒸気加減弁18の弁開度は増加し(図2の制御回路では、比較器119より出力される停止指令119sがオフして上限リミッタ106の上限制限が外れることで、弁開度指令106sが増加し、低圧主蒸気加減弁18の弁開度も増加)、場合によっては全開する可能性がある。
しかしながら、本実施形態1では、55%速度より高い回転数領域で第2の圧力設定値202sへの切替を行うようにしたので、図4に示すとおりこの高回転数領域においてはガスタービン1の燃焼ガスによるトルクが除々に大きくなるので、それに呼応するように低圧蒸気タービン3Lに要求されるトルクは低下していき、もはや100[t/h]の補助蒸気流量は必要ではない。第2の圧力設定値202sに切替えた結果、最悪のケースとして低圧主蒸気加減弁18が全開してそのために100[t/h]以下の補助蒸気流量になったとしても、昇速完了に要する時間が長くなるだけで、大きな問題はない。
図4に示すとおり高回転数ほど低圧蒸気タービン3Lに要求されるトルクは低下するので、切替回転数設定値210sをより高い回転数に設定し、そこで第2の圧力設定値202sへの切替を行うほうが得策であるが、補助蒸気と低圧蒸気の併行供給はガスタービン1の自立回転数から開始されるので、これより低い回転数に設定する必要がある。
(実施形態1の変形例)
以上説明した本実施形態1では、流量検出器(流量トランスミッタ)29を使用して低圧主蒸気加減弁18を通過する蒸気流量を直接検出するようにしたが、本発明はこれに限定されものではなく、図5で示すように、低圧主蒸気加減弁18の弁開度を弁開度検出器(弁開度センサ)43で検出し、検出した弁開度信号43sを、予め弁開度43sと流量44sとの関係を定めてある関数発生器44に入力して低圧主蒸気加減弁18を通過する蒸気流量を間接的に求めるようにしても良い。
(実施形態2)
図6は本発明の実施形態2に係る一軸型複合サイクル発電プラントの主要部を示す系統図である。
本実施形態2が前述した実施形態1と異なる主な点は、実施形態1が高圧と低圧の二圧から成る蒸気システムで構成した一軸型複合サイクル発電プラントであるのに対し、本実施形態2では高圧、中圧および低圧の三圧から成る蒸気システムで構成した一軸型複合サイクル発電プラントとした点である。
図6において、本実施形態2の排熱回収ボイラ(HRSG)8Bは、図1の排熱回収ボイラ(HRSG)8Aに対して高圧蒸気よりも低く低圧蒸気よりも高い圧力の中圧蒸気を発生させる中圧ドラム31と、この中圧ドラム31で発生した中圧蒸気を過熱する中圧過熱器32と、高温再熱蒸気を発生させる再熱器33とを更に備えている。
蒸気タービン3は、前記高圧蒸気タービン3Hおよび前記低圧蒸気タービン3Lと同軸に配置されて、再熱器33からの高温再熱蒸気により駆動される中圧蒸気タービン3Iをさらに備えている。
そして、前記高圧蒸気タービン3Hからの排気蒸気を前記中圧蒸気と合流させて再熱器33に供給する低温再熱蒸気管34と、再熱器33で再熱された高温再熱蒸気を中圧蒸気タービン3Iに導く高温再熱蒸気管35と、この高温再熱蒸気管35の途中に設けられ再熱蒸気量を制御する再熱加減弁36と、中圧蒸気タービン3Iの排気蒸気を低圧蒸気タービン3Lに導くクロスオーバ管37を備え、さらに、前記低圧主蒸気加減弁18を通過した低圧蒸気を、実線で示すように前記中圧蒸気タービン3Iの最終段に導入する低圧主蒸気加減弁リード管18Lまたは破線で示すように前記中圧蒸気タービン3Iの出口に近い中間段に導入する低圧主蒸気加減弁リード管18Laを備えている。
低圧主蒸気加減弁リード管18Lまたは18Laにより中圧蒸気タービン3Iの最終段または出口に近い中間段に導入された低圧蒸気は、中圧蒸気タービン3Iのケーシング内で断熱膨張して減圧された蒸気と合流して低圧タービン蒸気とするよう構成されている。
なお、本実施形態2において、低圧過熱器12で過熱された低圧蒸気が、低圧主蒸気管16、低圧主蒸気加減弁18、低圧主蒸気加減弁リード管18Lまたは18Laを経て中圧タービンの最終段または出口近傍の中間段に至り、この中圧タービン3Iからクロスオーバ管を経て低圧蒸気タービン3Lに至る蒸気系統を低圧タービン蒸気供給系統と称する。その他、図1と同じ機器、配管には同じ符号を付けて重複する説明は省略する。
このように、三圧の蒸気システムで構成される本実施形態2の一軸型複合サイクル発電プラントにおいても、低圧蒸気タービン3Lによりガスタービン1が自立運転できる回転数まで昇速する起動方法は適用できる。
(実施形態3)
図7は本発明の実施形態3に係る一軸型複合サイクル発電プラントの主要部を示す系統図である。
本実施形態3が前述した実施形態2と異なる点は、実施形態2の場合、図6で示したようにガスタービン1の静翼や動翼等の高温部は特に冷却媒体で冷却するようにしていないが、本実施形態3ではガスタービン1の静翼や動翼等の高温部を蒸気によって冷却する、所謂蒸気冷却方式を採用している点である。
図7で示す一軸型複合サイクル発電プラントの主要系統図において、低温再熱系統34と再熱器33の間には、ガスタービン1の静翼や動翼等の高温部を冷却するためのガスタービン冷却ユニット38を設けている。このガスタービン冷却ユニット38の蒸気は蒸気往路配管39によりガスタービン1の動翼または静翼等の高温部に導かれ、その高温部を冷却した後、蒸気帰路配管40によりガスタービン冷却ユニット38に戻るように構成されている。
そして、ガスタービン圧縮機2の吐出空気は、中間部に逆止弁41を備えた空気配管42によって前記低温再熱蒸気系統34に接続されるようになっている。その他、図6と同じ機器、配管には同じ符号を付けて説明を省略する。
本実施形態3では、ガスタービン1の起動および昇速の段階では、ガスタービン冷却ユニット38に対して逆止弁41を備えた空気配管42からガスタービン圧縮機2の吐出空気を供給することによりガスタービン1の高温部を空気冷却運転(空気冷却モード運転)を行い、その後起動過程が進行して排熱回収ボイラ8Bから高圧蒸気タービン3Hに蒸気が通気されて排気蒸気が発生する過程になると、高圧蒸気タービン3Hの排気蒸気の圧力がガスタービン圧縮機2の吐出空気の圧力よりも高くなった時点で逆止弁41が閉止されて吐出空気が止まり、この吐出空気と入れ替わって高圧蒸気タービン3Hの排気蒸気が冷却蒸気系統38に流入するようになり、ガスタービン1高温部の蒸気冷却運転(蒸気冷却モード運転)が実現する。
このように、本実施形態3によれば、ガスタービン1の高温部に蒸気冷却方式を採用した一軸型複合サイクル発電プラントにおいて、低圧蒸気タービン3Lによりガスタービン1が自立運転ができる回転数まで昇速するようにした起動方法を採用できる。
(実施形態4)
図面の説明に入る前に、まず本実施形態4が解決すべき課題について説明する。
一軸型複合サイクル発電プラントの起動過程では、前述したようにガスタービンの着火直前にパージ運転の回転数から着火回転に向けて速度を降下させるため、一旦低圧主蒸気加減弁を全閉し、ガスタービン着火後は、ガスタービンの適切な燃焼を保持するために大きな加速率で軸5を駆動・昇速する必要がある。このため、低圧主蒸気加減弁は発電プラントの起動過程において全閉状態から大きな弁開度まで急速に開弁操作される。
起動用ボイラは、低圧主蒸気加減弁の弁開度に追従させるために着火前の最低発生蒸気量運転の状態から短時間(約2分から3分程度の間)で最大蒸気量相当の蒸気を発生させるように急速な負荷上昇を強いられることになる。しかし、一般に起動用ボイラはそのような急速な負荷上昇に対応できるように設計されておらず、低圧主蒸気加減弁の早い開弁操作に追従するように制御することは難しい。
そこで、本実施形態4では、上記の課題を解決するために、一軸型複合サイクル発電プラントの起動前にガスタービン自立運転に必要とされる発生蒸気量を起動前に発生させておき、軸の昇速開始後は起動用ボイラの負荷を一定のまま、すなわち、負荷上昇や負荷降下をしないで蒸気起動が行えるようにした一軸型複合サイクル発電プラントの起動方法および一軸型複合サイクル発電プラントを提供するものである。
以下、図面を参照して本実施形態4について詳細に説明する。
図8は本発明の実施形態4に係る一軸型複合サイクル発電プラントの主要部を示す系統図であり、図9は図示しない起動制御装置に設けられた低圧主蒸気加減弁および補助蒸気量調節弁の制御回路図である。
なお、図8の一軸型複合サイクル発電プラントは、前述した実施形態2および3と同様に、排熱回収ボイラ8Cは高圧、中圧および低圧の三圧から成る蒸気システムを構成しているが、実施形態1のように、高圧および低圧の二圧から成る蒸気システムで構成してもよいことはもちろんである。
図8および図9において、既に説明した図と重複する部分については重複する説明は適宜省略し、新たに付加された部分について重点的に説明する。
本実施形態4では、上記の課題に対応するために排熱回収ボイラ8Cおよび起動時補助蒸気供給配管26の構成が実施形態2および3とは異なっている。
本実施形態4の排熱回収ボイラ8Cは、高圧過熱器10を高圧第一過熱器10aおよび高圧第二過熱器10bに分離し、高圧ドラム9で発生した蒸気が高圧第一過熱器10aで過熱され、さらに高圧第二過熱器10bで過熱されたのち、高圧主蒸気管13から導出されるように構成されている。
また、起動時補助蒸気供給配管26は、次にように構成されている。
すなわち、起動用ボイラ22と、補助蒸気供給主管23と、一端を補助蒸気供給主管23に接続され、他端を前記低圧主蒸気加減弁18の上流側に接続され、かつ、途中に逆止弁45および冷却蒸気止め弁46を有する補助蒸気供給分岐管24と、この分岐管24の逆止弁45上流側に一端を接続され、他端を復水器19に接続され、かつ、途中に起動時の補助蒸気量を調節する補助蒸気量調節弁25を有するバイパス管47とから構成されている。
なお、本実施形態4では、上記のほか低圧主蒸気管16の補助蒸気供給分岐管24との合流点よりも上流部に、前記低圧蒸気アイソレーション弁17に替えて逆止弁48を設けている点が異なる。
本実施形態4は、これまで述べた実施形態1乃至3と同様に、起動用ボイラ22から発生する蒸気を低圧主蒸気加減弁18を経由して低圧タービン3Lに供給してこれを駆動して軸5を昇速する起動形態を採用している。
この起動形態において、起動用ボイラ22は、軸5の昇速が開始される前にガスタービン1が自立運転できる回転数まで軸5を昇速するのに必要な蒸気量を発生させておき、その蒸気を前記バイパス管47と補助蒸気量調節弁25を介して復水器19に流入させておく。そして、昇速の過程で補助蒸気が低圧主蒸気加減弁18に供給されるときは、前記補助蒸気量調節弁25は低圧主蒸気加減弁18と同補助蒸気量調節弁25の両弁を通過する蒸気量の和が前記回転数まで軸5を昇速するのに必要な蒸気量と等しくなるように流量制御を行うようにしている。
次に、図9を参照して図示しない起動制御装置に設けられている低圧主蒸気加減弁および補助蒸気量調節弁用制御回路図について説明する。
101は、ガスタービン1を通常起動運転する場合の回転数設定器であり、図2に示したガスタービン1の通常起動用の回転数設定器と同じものであり、起動開始時点からの時間(横軸)に対するガスタービンの通常起動で要求される軸回転数設定値101sが予め設定されている。
301は、水洗運転回転数設定器であり、起動開始時点からの時間(横軸)に対するガスタービン圧縮機水洗運転で要求される軸回転数が予め設定値301sとして設定されている。なお、ガスタービン圧縮機水洗運転とは、ガスタービンの着火を伴わず軸を所定の回転数に昇速する非着火昇速運転の一例である。
302は、ガスタービン1が「通常起動運転」か「ガスタービン圧縮機水洗運転」かのいずれかが選択されたとき連動して入力端子の切替えを行う第3の切替器であり、「通常起動運転」の場合は、実線のように端子(イ)−(ハ)を接続して通常起動運転時の軸回転数設定値101sを出力指令302sとして出力するが、「ガスタービン圧縮機水洗運転」の指令が出ると端子(ロ)−(ハ)を接続するように切替えて「ガスタービン圧縮機水洗運転」時の軸回転数設定値301sを出力指令302sとして出力する。
303は減算器であり、第3の切替器302の出力指令302sと回転数検出器27の軸回転数27sとを入力し、出力指令302sから回転数検出器27の軸回転数27sを減算して偏差303sを出力する。304はPIコントローラであり、偏差303sを入力してガスタービン1の軸回転数27sが出力指令302sと等しくなるように比例積分演算(PI演算)し、その演算結果を低圧主蒸気加減弁18の弁開度指令304sとして出力する。
43および44は、それぞれ図5で既に説明した弁開度センサおよび関数発生器と同じものであり、それぞれ弁開度信号43s、流量信号44sを出力する。
一方、305はガスタービン1の自立回転蒸気量設定器であり、通常起動運転の起動時に自立回転するうえで必要な蒸気流量指令305sを出力する。
306はガスタービン圧縮機水洗運転するときの蒸気流量を設定する設定器である。307は前述した第3の切替器302と同様に、ガスタービン1が通常起動運転かタービン圧縮機水洗運転かによって入力を切替えて出力するように構成された第4の切替器であり、第3の切替器302と連動して軸5が通常起動運転するときは実線のように端子(イ)−(ハ)を接続してガスタービン自立回転蒸気量設定値305sを出力指令307sとして出力するが、ガスタービン圧縮機水洗運転指令が出ると端子(ロ)−(ハ)を接続して水洗時の蒸気流量設定値306sを出力指令307sとして出力する。
308は減算器であり、第4の切替器307の出力指令307sと前記関数発生器44の出力44sとを入力し、出力指令307sから低圧主加減弁に流れる蒸気量に相当する出力44sを減算して偏差を蒸気流量指令308sとして出力する。
309は入力した蒸気流量指令と出力される弁開度指令との関係を予め関数として設定してある関数器発生器であり、減算器308から入力された偏差308sに対応した弁開度指令309sを補助蒸気量調節弁25の図示しない駆動装置に出力する。
次に、図8および図9を参照して、本実施形態4における低圧主蒸気加減弁18および補助蒸気量調節弁25の制御について説明する。
[1]通常起動運転時
起動用ボイラ22は、複合サイクル発電プラントに起動指令が出力される前から運転しておき、必要な蒸気量を発生させておく。このため、ガスタービン自立回転蒸気量設定器305からガスタービン1が自立回転するうえで必要な蒸気流量指令305sが出力されている。起動指令が出力される前では、低圧主蒸気加減弁18はまだ全閉しているので、弁開度センサ43で検出された低圧主蒸気加減弁18の弁開度信号43sは零であり、関数発生器44から出力される低圧主蒸気加減弁通過蒸気量44sも当然零である。
まず、補助蒸気量調節弁25に注目して説明すると、ガスタービン1が自立回転するうえで必要な蒸気流量指令305sは第4の切替器307を経て減算器308に入力される。減算器308のもう1つの入力信号である低圧主蒸気加減弁通過蒸気量44sは、まだ零であるため、この減算器308から出力される偏差すなわち、補助蒸気量調節弁流量設定指令308sはガスタービン自立回転蒸気流量設定値305sと等しい、最も大きな値である。
関数発生器309は入力した補助蒸気量調節弁流量設定指令308sに対応した弁開度指令309sを出力するので、補助蒸気量調節弁25は弁開度指令309sに応じた最大の弁開度になるように開弁され始める。このように、起動指令が出た時点では、起動用ボイラ22から補助蒸気供給主管23に供給される補助蒸気は、全てバイパス管47に設けられている補助蒸気量調節弁25を通過して復水器19に流入する。
一方、第3の切替器302は、通常起動運転を選択すると端子(イ)−(ハ)を接続するので、ガスタービン自立回転速度設定指令値101sは減算器303の一方の入力端子に入力されるが、このとき軸5はまだ始動していないので軸回転数27sは零であり、減算器303から出力される偏差303s、すなわちガスタービン自立回転速度設定指令値101sはPIコントローラ304に入力される。PIコントローラ304は、この偏差303sを比例積分演算(PI演算)して軸5の回転数信号27sがガスタービン自立回転速度設定指令値101sに等しくなるように低圧主蒸気加減弁18の図示しない駆動装置に対して弁開度指令304sを与える。これにより、低圧主蒸気加減弁18の開弁を始める。この低圧主蒸気加減弁18の開弁により、起動用ボイラ22から発生する補助蒸気の一部は低圧タービン3Lに供給されるようになり、その分、復水器19に流入する補助蒸気の量は減少する。
起動開始時点から時間が経過し、回転速度設定値101sは徐々に大きくなって軸5の昇速が開始されると、低圧主蒸気加減弁通過蒸気量43sが増加し、信号44sも増加するため、減算器308の偏差308sすなわち補助蒸気量調節弁流量指令308sが減少する。補助蒸気量調節弁流量指令308sの減少により、補助蒸気量調節弁25の弁開度は絞られるようになり、その絞られた分だけバイパス管47の補助蒸気量調節弁25を通って復水器19に供給される補助蒸気量が減少する。
その後、軸5はガスタービン自立回転速度設定指令値101sに追従してやがてパージ回転数まで昇速される。そして、所定のパージ時間が終了したあと、ガスタービン通常起動回転数設定器101はガスタービン1を着火するために軸回転数設定値101sを一旦低下させた後にガスタービン自立回転数に向けて急激なレートで上昇する。
これに伴いPIコントローラ304は軸回転数27sが軸回転数設定値101sと等しくなるように弁開度指令304sを増加させて、低圧主蒸気加減弁18の弁開度を増していくので、低圧タービン3Lには、多量の補助蒸気が供給されるようになり、最終的に軸5はガスタービン1が自立運転できる回転数まで昇速される。
一方、低圧主蒸気加減弁18を通過する補助蒸気量が増加すると、信号44sが増加するため、減算器308の偏差308sはますます減少し、軸5がガスタービン1の最大駆動トルクが要求される回転数まで昇速されると補助蒸気量調節弁25は全閉され、補助蒸気は全て低圧蒸気タービン3Lに供給される。
一般に、ガスタービン1は着火したあと、ガスタービン自立回転数に向けて急激なレートで昇速するとき、低圧主蒸気加減弁18も急激に弁開度を増加させて起動用ボイラ22からの供給される蒸気も急激に消費するが、起動用ボイラ22はそのような急速な負荷上昇は非常に困難で追従できないため、蒸気量不足となり必要な加速率が達成できないという問題が発生する。
しかしながら、本実施形態4では、起動用ボイラ22は起動前に必要な負荷上昇を終わらせて充分な蒸気を発生させておき、低圧蒸気タービン3Lが必要とする蒸気量だけ低圧主蒸気加減弁18を通過させて、低圧蒸気タービン3Lが必要としない余剰の蒸気量は補助蒸気量調節弁25を通じて復水器19に流入するようにし、両弁を通過する蒸気量の和を一定にしたので上述した弊害を伴わずに一軸型複合サイクル発電プラントの起動を行うことが可能となる。
なお、本実施形態4は、低圧主蒸気加減弁18の急激な開弁に伴う蒸気流量の変動が時間遅れを伴うため制御作用に遅れが発生することに配慮して、低圧主蒸気加減弁18の弁開度検出器43からの弁開度検出値43sを関数発生器44および減算器308を経て関数発生器309に入力することにより、補助蒸気量調節弁25を通過する補助蒸気の流量が補助蒸気量調節弁25の流量設定指令308sと等しくなるような弁開度指令309sを算出して弁開度と蒸気流量を直接変換する方式を採用したが、この方法に替わり実施形態1の図2のように、流量計(流量トランスミッタ)を使用することで低圧主蒸気加減弁18を通過する蒸気流量を検知することも可能である。
[2]ガスタービン圧縮機水洗運転時
ガスタービン圧縮機水洗運転の場合も、前述した通常起動運転の場合と同様に起動用ボイラ22は起動前から蒸気を発生させておく。また、水洗運転蒸気流量設定器306にはガスタービン1が水洗運転できる回転数まで軸5を昇速するのに必要な蒸気量、すなわち水洗運転蒸気流量設定値306sが設定されているものとする。
この状態において、「ガスタービン圧縮機水洗運転」指令を出力すると、まず、第3の切替器302および第4の切替器307は、破線のように端子(ロ)−(ハ)を接続する。これより第3の切替器302から水洗運転回転数設定値301sが選択出力されるとともに、第4の切替器307から水洗運転蒸気流量設定値306sが減算器308を経て関数発生器309に入力され、関数発生器309から水洗運転蒸気流量設定値306sに対応した弁開度指令309が出力される。
このガスタービン圧縮機水洗運転が選択された時点では、低圧主蒸気加減弁18は全閉しているので、低圧主蒸気加減弁の弁開度検出器43の検出信号43sは零であり、関数発生器44から出力される低圧主蒸気加減弁通過蒸気量44sも零である。
このため、減算器308の偏差308sすなわち、水洗運転蒸気流量設定値306sを入力した関数発生器309は、補助蒸気量調節弁25を通過する蒸気流量が水洗運転蒸気流量設定値306sと等しくなるような最も大きな弁開度指令309sを出力する。
これより、ガスタービン圧縮機水洗運転選択時点では、補助蒸気量調節弁25は最大の弁開度指令309sによって開弁され、起動用ボイラ22から発生する全ての蒸気は補助蒸気量調節弁25を通過して復水器19に流入する。
一方、水洗運転回転数設定器301には起動開始時点からの時間(横軸)に対するガスタービン圧縮機水洗運転で要求される軸回転数設定値301sが予め設定されているので、ガスタービン1が起動される前は水洗運転軸回転数設定値301sは零であるが、起動が開始され時間の経過と共に水洗運転軸回転数設定値301sは水洗回転数に向けて急激に上昇するようになる。
減算器303は水洗運転軸回転数設定値301sから回転数検出器27により検出された軸回転数27sを減算することにより偏差303sを算出する。
PIコントローラ304は偏差304sを入力して軸回転数27sが水洗運転軸回転数設定値301sと等しくなるように低圧主蒸気加減弁18の弁開度指令304sを算出する。
このようにして起動用ボイラ22から発生する蒸気は、水洗運転軸回転数設定値301sに基づいて低圧タービン3Lに供給され、軸5は水洗回転数まで昇速される。
このように図9で示した制御回路は、通常起動運転と同様に、ガスタービン圧縮機水洗運転の場合も、起動用ボイラ22から発生する蒸気の総量を変えずに、低圧主蒸気加減弁18を通過する蒸気量が増えるに連れ、補助蒸気量調節弁25を通過する蒸気量は減少させるようにしたので、起動用ボイラ22の急激な負荷上昇を伴わずにガスタービン圧縮機水洗運転を行うことが可能となる。
一般的には水洗運転蒸気流量設定値305sはガスタービン自立回転蒸気流量設定値107sに比較して小さい値であり、起動用ボイラ22の負荷も小さくてよいので同ボイラ22が消費する燃料や水の量も小量である。すなわち本実施形態4は起動用ボイラの急激な負荷上昇問題の解消と共に、経済的なガスタービン圧縮機水洗運転方法を提供することができる。
なお、ガスタービンの着火を伴わず軸を所定の回転数に昇速するガスタービン非着火昇速運転の例としてガスタービン圧縮機水洗運転を説明したが、非着火昇速運転のこの他の例であるガスタービン冷却運転等にも本実施形態を適用することが可能である。
(実施形態5)
図10は本発明の実施形態5に係る一軸型複合サイクル発電プラントの主要部を示す系統図である。
図10において、既に説明した図と重複する部分については重複する説明は適宜省略し、新たに付加された部分について重点的に説明する。
前述した実施形態4では、冷却蒸気供給管23には起動用ボイラ22から発生する蒸気を低圧主蒸気加減弁18を経ることなく復水器19に直接流入させるバイパス管47が接続され、同配管には補助蒸気量調節弁25を備える構成であった。
これに対して本実施形態5では図10で示すように、補助蒸気供給主管23にはバイパス管47を接続する替わりに、起動用ボイラ22からから発生する蒸気を低圧主蒸気加減弁18を経ることなく直接大気に放出する起動蒸気大気放出管49を接続し、同配管49には補助蒸気量調節弁25とサイレンサ50を備えるように構成している。
起動用ボイラ22は、軸5の昇速が開始される前にガスタービン1が自立運転できる回転数まで昇速するのに必要な蒸気量を発生させておき、その蒸気を前記起動蒸気大気放出管49に設けられた補助蒸気量調節弁25およびサイレンサ50を通じて大気に放出させておく。
本実施形態5の低圧主蒸気加減弁18および補助蒸気量調節弁25用制御回路は図9を共用する。
したがって、ガスタービン冷却運転の場合、実施形態4と同様に昇速の過程で蒸気が低圧主蒸気加減弁18に供給されるときは、低圧主蒸気加減弁18と補助蒸気量調節弁25の両弁を通過する蒸気量の和が前記回転数まで軸5を昇速するのに必要な蒸気量と等しくなるように補助蒸気量調節弁25の流量制御を行う。
一方、タービン圧縮機水洗運転の場合、実施形態4と同様に起動用ボイラ22は、ガスタービン圧縮機水洗運転の起動前(軸5の昇速が開始される前)に水洗運転に必要な蒸気流量を発生させ、その蒸気を起動蒸気大気放出管49と補助蒸気量調節弁25とサイレンサ50を通じて大気に放出させておく。
タービン圧縮機水洗運転の場合も、低圧主蒸気加減弁18と補助蒸気量調節弁25の制御回路も図9を共用する。すなわち、昇速の過程で蒸気が低圧主蒸気加減弁18に供給されるときは、低圧主蒸気加減弁18と補助蒸気量調節弁25の両弁を通過する蒸気量の和が水洗運転を行うに必要な蒸気量と等しくなるように補助蒸気量調節弁25の流量制御を行う。
以上のように、本実施形態5によれば、ガスタービン通常起動時と同様に、ガスタービン圧縮機水洗運転の場合も、起動用ボイラ22から発生する蒸気の総量を変えずに低圧主蒸気加減弁18を通過する蒸気量が増えるにつれ、補助蒸気量調節弁25を通過する蒸気量を減少させるようにしたので、起動用ボイラ22の急激な負荷上昇を伴わずにガスタービン圧縮機水洗運転を行うことが可能となる。
なお、実施形態4と同様にガスタービンの着火を伴わず軸を所定の回転数に昇速するガスタービンの非着火昇速運転の例としてガスタービン圧縮機水洗運転を説明したが、非着火昇速運転のこのほかの例であるガスタービン冷却運転等にも本実施形態を適用することが可能である。
1…ガスタービン(GT)、2…圧縮機(COMP)、3…蒸気タービン、3H…高圧蒸気タービン、3I…中圧蒸気タービン、3L…低圧蒸気タービン、4…発電機、5…軸、6…燃焼器、7…入口案内翼(IGV)、8A,8B,8C…排熱回収ボイラ、9…高圧ドラム、10…高圧過熱器、10a…高圧第一過熱器、10b…高圧第二過熱器、11…低圧ドラム、12…低圧過熱器、13…高圧主蒸気管、14…高圧主蒸気加減弁、15…低圧蒸気配管、16…低圧主蒸気管、17…低圧蒸気アイソレーション弁、18…低圧主蒸気加減弁、19…復水器、20…循環水ポンプ、21…給水ポンプ、22…起動用ボイラ、23…補助蒸気供給主管、24…補助蒸気供給分岐管、25…補助蒸気量調節弁、26…起動時補助蒸気供給配管、27…回転数検出器、28…検出器、29…検出器、30…検出器、31…中圧ドラム、32…中圧過熱器、33…再熱器、34…低温再熱系統、35…高温再熱系統、36…再熱加減弁、37…クロスオーバ管、38…蒸気冷却ユニット、39…蒸気往路配管、40…蒸気帰路配管、41…逆止弁、42…空気配管、43…低圧主蒸気加減弁の弁開度検出器(弁開度センサ)、44…関数発生器、45…逆止弁、46…冷却蒸気止め弁、47…バイパス管、48…逆止弁、49…起動蒸気大気放出管、50…サイレンサ、101…設定器、102…減算器、103…PIコントローラ、104…第1の切替器、105…変化率リミッタ、106…上限リミッタ、107…設定器、108…比較器、113…設定器、115…減算器、116…PIコントローラ、118…設定器、119…比較器、120…設定器、201…設定器、202…記憶器、203… 第2の切替器、204…減算器、205…PIコントローラ、207…設定器、208…加算器、210…設定器、211…比較器、301…水洗起動回転数設定器、302…第3の切替器、303…減算器、304…PIコントローラ、305…設定器、306…設定器、307…第4の切替器、308…減算器、309…関数発生器。

Claims (13)

  1. 燃焼ガスにより駆動され、排気ガスを排出するガスタービンと、
    前記ガスタービンからの排気ガスを熱源として、高圧蒸気を発生させる高圧ドラムおよび前記高圧蒸気よりも低い圧力の低圧蒸気を発生させる低圧ドラムを含む排熱回収ボイラと、
    前記ガスタービンと同軸に配置されるとともに、前記高圧ドラムから送気され高圧蒸気加減弁を通過する高圧蒸気によって駆動される高圧蒸気タービンと、
    前記高圧蒸気タービンと同軸に配置された低圧蒸気タービンと、
    前記低圧蒸気タービン同軸に配置された発電機と、
    低圧主蒸気加減弁を備えるとともに、前記低圧ドラムからの前記低圧蒸気を、前記低圧主蒸気加減弁を介して前記低圧蒸気タービンに供給する低圧タービン蒸気供給配管と、
    補助蒸気を発生する起動用ボイラと、
    前記起動用ボイラと前記低圧タービン蒸気供給配管の前記低圧主蒸気加減弁の上流部との間を接続するとともに、起動時に補助蒸気を供給する起動時補助蒸気供給配管と、
    前記起動時補助蒸気供給配管から前記低圧タービン蒸気供給配管に供給される蒸気量を調節する補助蒸気量調節弁と、
    を備えた一軸型複合サイクル発電プラントの起動方法において、
    前記ガスタービンが起動開始時点から燃焼ガスによる自立運転ができる回転数に到達する迄の間、前記補助蒸気量調節弁の弁開度を調節して前記起動用ボイラからの補助蒸気を、前記低圧タービン蒸気供給配管を経て前記低圧蒸気タービンに供給することにより当該低圧蒸気タービンに駆動力を発生させ、前記ガスタービン、高圧蒸気タービン、低圧蒸気タービンおよび発電機を一体的に昇速制御するようにしたことを特徴とする一軸型複合サイクル発電プラントの起動方法。
  2. 燃焼ガスにより駆動され、排気ガスを排出するガスタービンと、
    前記ガスタービンからの排気ガスを熱源として、高圧蒸気を発生させる高圧ドラムおよび前記高圧蒸気よりも低い圧力の低圧蒸気を発生させる低圧ドラムを含む排熱回収ボイラと、
    前記ガスタービンと同軸に配置されるとともに、前記高圧ドラムから送気され高圧蒸気加減弁を通過する高圧蒸気によって駆動される高圧蒸気タービンと、
    前記高圧蒸気タービンと同軸に配置された低圧蒸気タービンと、
    前記低圧蒸気タービン同軸に配置された発電機と、
    低圧主蒸気加減弁を備えるとともに、前記低圧ドラムからの前記低圧蒸気を、前記低圧主蒸気加減弁を介して前記低圧蒸気タービンに供給する低圧タービン蒸気供給配管と、
    補助蒸気を発生する起動用ボイラと、
    前記起動用ボイラと前記低圧タービン蒸気供給配管の前記低圧主蒸気加減弁の上流部との間を接続するとともに、起動時に補助蒸気を供給する起動時補助蒸気供給配管と、
    前記起動時補助蒸気供給配管から前記低圧タービン蒸気供給配管に供給される蒸気量を調節する補助蒸気量調節弁と、
    前記ガスタービンが起動開始時点から燃焼ガスによる自立運転ができる回転数に到達する迄の間、前記補助蒸気量調節弁の弁開度を調節して前記起動用ボイラからの補助蒸気を、前記低圧タービン蒸気供給配管を経て前記低圧蒸気タービンに供給することにより当該低圧蒸気タービンに駆動力を発生させ、前記ガスタービン、高圧蒸気タービン、低圧蒸気タービンおよび発電機を一体的に昇速制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする一軸型複合サイクル発電プラント。
  3. 前記補助蒸気量調節弁は、前記起動時補助蒸気供給配管の途中に設けられるとともに、
    前記制御装置は、前記ガスタービンが起動開始時点から燃焼ガスによる自立運転ができる回転数に到達する迄の間、前記補助蒸気量調節弁の弁開度および前記低圧主蒸気加減弁の弁開度をそれぞれ調節して前記起動用ボイラからの補助蒸気を、前記低圧タービン蒸気供給配管を経て前記低圧蒸気タービンに供給することにより当該低圧蒸気タービンに駆動力を発生させ、前記ガスタービン、高圧蒸気タービン、低圧蒸気タービンおよび発電機を一体的に昇速制御するようにしたことを特徴とする請求項2記載の一軸型複合サイクル発電プラント。
  4. 前記低圧蒸気タービンからの排気蒸気を凝縮させる復水器と、
    前記起動時補助蒸気供給配管と前記復水器とを接続するバイパス管をさらに備え、
    前記補助蒸気量調節弁は当該バイパス配管の途中に設けられるとともに、
    前記制御装置は、前記ガスタービンの昇速が開始される前に当該ガスタービンが自立運転できる回転数まで軸を昇速するために前記低圧蒸気タービンに必要な蒸気量を前記起動用ボイラに発生させ、かつ当該起動用ボイラが発生させた蒸気を前記バイパス管および補助蒸気量調節弁を介して復水器に流入させておき、昇速の過程で前記低圧主蒸気加減弁を介して前記低圧蒸気タービンに供給される蒸気量が前記回転数まで軸を昇速するのに必要な前記蒸気量と等しくなるように前記補助蒸気流量調節弁の流量制御を行うことを特徴とする請求項2記載の一軸型複合サイクル発電プラント。
  5. 前記起動時補助蒸気供給配管に接続され、蒸気を直接大気に放出させる起動蒸気大気放出管と、
    前記起動蒸気大気放出管に設けられた補助蒸気量調節弁およびサイレンサとをさらに備え、
    前記制御装置は、ガスタービンの昇速が開始される前に当該ガスタービンが自立運転できる回転数まで軸を昇速するために前記低圧蒸気タービンに必要な蒸気量を前記起動用ボイラに発生させ、かつ当該起動用ボイラが発生させた蒸気を前記大気放出管および補助蒸気量調節弁を介して大気に放出させておき、昇速の過程で前記低圧主蒸気加減弁を介して前記低圧蒸気タービンに供給される蒸気量が前記回転数まで軸を昇速するのに必要な前記蒸気量と等しくなるように前記補助蒸気量調節弁の流量制御を行うことを特徴とする請求項2記載の一軸型複合サイクル発電プラント。
  6. 前記排熱回収ボイラは、前記高圧蒸気よりも低く前記低圧蒸気よりも高い圧力の中圧蒸気を発生させる中圧ドラムおよび高温再熱蒸気を発生させる再熱器をさらに備えるとともに、前記高圧蒸気タービンからの排気蒸気を前記中圧蒸気と合流させて前記再熱器に供給する低温再熱配管と、前記高圧蒸気タービンおよび前記低圧蒸気タービンと同軸に配置され、前記再熱器からの高温再熱蒸気により駆動される中圧蒸気タービンと、をさらに備え、前記中圧蒸気タービン内で仕事をして圧力の低下した前記高温再熱蒸気が前記低圧蒸気と前記低圧主蒸気加減弁の上流側で前記低圧タービン蒸気供給配管に合流するよう構成されたことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の一軸型複合サイクル発電プラント。
  7. 前記低温再熱蒸気系統には、前記ガスタービンの高温部を冷却するための冷却蒸気系統が設けられることを特徴とする請求項6に記載の一軸型複合サイクル発電プラント。
  8. 前記ガスタービンの着火後、当該ガスタービンの燃料流量が保炎を保つ最低必要量の燃料流量から上昇を開始する時点よりも前に、前記低圧蒸気タービンに必要な補助蒸気量が確保できる弁開度に到達するように前記低圧主蒸気加減弁を開弁させることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の一軸型複合サイクル発電プラント。
  9. 前記低圧蒸気タービンに必要な補助蒸気の流量は、前記ガスタービンの昇速に際し必要となる低圧蒸気タービンの駆動トルクのうち、最大の駆動トルクを発生させるために必要な流量であることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載の一軸型複合サイクル発電プラント。
  10. 起動時に前記ガスタービンが前記燃焼ガスによる自立運転ができる回転数までガスタービンを昇速させる際に、前記制御手段は、前記起動時補助蒸気供給配管から前記低圧タービン蒸気供給配管へ供給する前記補助蒸気の圧力を、予め定めた第1の圧力と当該第1の圧力より低い第2の圧力の少なくとも2つの圧力に切替える補助蒸気圧力切替制御手段を備えることを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載の一軸型複合サイクル発電プラント。
  11. 前記第1の圧力は、前記ガスタービンの昇速に際し必要となる低圧蒸気タービンの最大駆動トルクを発生させるための補助蒸気の流量が前記低圧主蒸気加減弁に流入しても当該低圧主蒸気加減弁が全開しないような圧力とし、前記第2の圧力は、前記低圧蒸気と前記補助蒸気の両方が低圧主蒸気加減弁を介して低圧蒸気タービンに供給できる圧力としたことを特徴とする請求項10記載の一軸型複合サイクル発電プラント。
  12. 前記補助蒸気圧力切替制御手段は、前記ガスタービンの燃料パージ運転および着火操作を行うとき前記補助蒸気の圧力を前記第1の圧力に調整し、前記ガスタービンの回転数を当該ガスタービンの昇速のために前記低圧蒸気タービンに最大の駆動トルクが必要となる回転数より高く、かつ、前記ガスタービンが燃焼ガスによる自立運転ができる回転数より低い回転数のとき前記補助蒸気の圧力を前記第1の圧力から前記第2の圧力に切替えることを特徴とする請求項10または11記載の一軸型複合サイクル発電プラント。
  13. ガスタービンの着火を伴わず軸を所定の回転数に昇速する非着火昇速運転を選択するための切替手段を備えたことを特徴とする請求項3または4記載の一軸型複合サイクル発電プラント。
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