JP2009221284A - 高分子化合物、感光性樹脂組成物、液体及びゲル形成方法 - Google Patents

高分子化合物、感光性樹脂組成物、液体及びゲル形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活性エネルギー線の照射により、迅速に反応(硬化)する新規な感光性高分子化合物、該化合物を含む感光性樹脂組成物、該組成物を含む液体、および該液体を用いたゲル形成方法を提供する。
【解決手段】主鎖に沿って複数の1,2−または1,3−ジオール基を有し、かつ、下記一般式(1)で表される構成単位を有高分子化合物、感光性樹脂組成物、液体及びゲル形成方法。
Figure 2009221284

【選択図】なし

Description

本発明は、新規な活性エネルギー線硬化型の高分子化合物、該化合物を含む感光性樹脂組成物、および該組成物を用いたゲル形成方法に関するものである。
近年、側鎖に重合性基もしくは光二量化型の反応性基を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で反応して三次元的な架橋構造を形成する高分子化合物が知られて(例えば、特許文献1〜3および5参照)いる。更に、これらの高分子化合物を水や親水性溶媒に含有させ、光照射することによりゲルを形成する技術が開示されて(例えば、特許文献4、5参照)いる。
このような高分子化合物は、三次元架橋構造を形成した後の不溶性を活かして、フォトレジストに適用されたり、あるいは溶媒存在下でのゲル化特性を活かして酵素や菌体の固定や廃水処理に応用されている。
しかしながら、より広範な用途に適用するために、ゲル化特性、増粘特性をより一層高めた高分子化合物の開発が求められている。
特開昭60−129742号公報 特開2000−181062号公報 特開2002−341530号公報 特公平8−23545号公報 特開2004−189841号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、活性エネルギー線の照射により、迅速に反応(硬化)する新規な感光性高分子化合物、該化合物を含む感光性樹脂組成物、該組成物を含む液体、および該液体を用いたゲル形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.主鎖に沿って複数の1,2−または1,3−ジオール基を有し、かつ、下記一般式(1)で表される構成単位を有することを特徴とする高分子化合物。
Figure 2009221284
〔式中、Xは炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐アルキレン基を表し、nは1〜10を表す。Yは下記一般式(2)から選択される基であり、mは0または1を表す。Aは無置換もしくは置換された芳香族環を表し、jは1〜3を表し、kは0または1を表す。〕
Figure 2009221284
2.前記高分子化合物が、前記一般式(1)で表される構成単位を有するポリ酢酸ビニルのケン化物であることを特徴とする前記1に記載の高分子化合物。
3.前記高分子化合物の1,2−または1,3−ジオール基の水酸基の総数と、前記一般式(1)で表される構成単位の総数の比率が、8:1〜200:1であることを特徴とする前記1又は2に記載の高分子化合物。
4.前記高分子化合物の重量平均分子量が、8000以上100000以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の高分子化合物。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の高分子化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
6.光重合開始剤を含むことを特徴とする前記5に記載の感光性樹脂組成物。
7.前記1〜4のいずれか1項に記載の高分子化合物を含むことを特徴とする液体。
8.前記7に記載の液体に、活性エネルギー線を照射してゲルを形成することを特徴とするゲル形成方法。
本発明により、活性エネルギー線の照射により、迅速に反応(硬化)する新規な感光性高分子化合物、該化合物を含む感光性樹脂組成物、該組成物を含む液体、および該液体を用いたゲル形成方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行い、主鎖に沿って複数の1,2−または1,3−ジオール基を有し、上記一般式(1)で表される構成単位を有する高分子化合物が、迅速な反応性、硬化性を示すことを見出した。
このような化合物が迅速な反応性を示す理由については定かではないが、側鎖末端の重合性基が重合速度の速いアクリルアミドであること、側鎖の根元が芳香族環であるためπ−π相互作用により側鎖同士が接近しやすくなっていること、の2つの要因の相乗効果によるものではないかと考えられる。
一般式(1)について詳細に説明する。Xは炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐アルキレン基を表し、炭素数2〜6の直鎖もしくは分岐アルキレン基であることがより好ましい。Yは下記一般式(2)から選択される基であり、mは0または1を表す。後述するアセタール化反応により一般式(1)の構造を合成する場合、反応効率が高くなりやすくなることから、mが1であって、Yが下記のいずれかの構造であることが好ましい。
Figure 2009221284
jは1〜3を表すが、より好ましくは1である。
jは1〜3を表すが、より好ましくは1である。
一般式(1)の構造の具体例を以下に示す。
Figure 2009221284
Figure 2009221284
高分子化合物の1,2−または1,3−ジオール基の水酸基の総数と、一般式(1)で表される構成単位の総数の比率は、8:1〜200:1であることが好ましい。水酸基の総数と、一般式(1)で表される構成単位の総数の比率が8:1以上であると、高分子化合物を硬化させた時に柔軟な膜が得られやすくなり、200:1以下とすることにより硬化特性が良好になりやすい。高分子化合物の重量平均分子量は、8000以上100000以下であることが好ましい。重量平均分子量を8000以上とすることにより十分な硬化特性が得られやすくなり、100000以下とすることにより高分子化合物を含む液体の粘度が適度なものとなり、その取扱いが容易になりやすい。
<合成方法>
本発明の高分子化合物を合成する方法としては、一般式(1)の部分構造を有するアルデヒド化合物、もしくはそのアセタール誘導体を、アセタール化反応により、主鎖に沿って複数の1,2−または1,3−ジオール基を有する高分子化合物に導入する方法が挙げられる。その具体的な合成スキームを以下に示す。
合成例1
Figure 2009221284
合成例2
Figure 2009221284
合成例3
Figure 2009221284
合成例4
Figure 2009221284
合成例5
Figure 2009221284
合成例6
Figure 2009221284
上記以外の方法としては、アルデヒド化合物、もしくはそのアセタール誘導体を、主鎖に沿って複数の1,2−または1,3−ジオール基を有する高分子化合物にアセタール化反応により導入した後、さらなる高分子反応によって一般式(1)の構造を構築する方法等が挙げられる。
アセタール化反応により一般式(1)で示される構成単位を有する高分子化合物を得る合成方法としては、溶液中で加熱する方法、または酸触媒を使用する方法、もしくはそれらを併用する方法等が挙げられる。反応時に末端のアクリルアミド基の重合を抑制するために、重合禁止剤を加えても良い。反応溶液に用いる溶媒の制限は特にないが、アルデヒド化合物やそのアセタール誘導体、及び主鎖に沿って複数の1,2−または1,3−ジオール基を有する高分子化合物を溶解可能な組成であることが好ましい。
反応溶液に用いることができる溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のエチレングリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート類、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエーテルアセテート類、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、水、およびそれらの混合物が挙げられる。
反応に使用する酸触媒に制限はないが、一例として、硫酸、リン酸、硝酸、過塩素酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等の有機カルボン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸が挙げられる。
反応後、これらの酸は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン等のアルカリ化合物もしくはその溶液で中和するか、あるいは塩基性イオン交換樹脂を用いて取り除くことが好ましい。
反応温度はアルデヒド化合物の種類、および酸触媒の種類、濃度に依存するが、通常、0℃から100℃の範囲が好適に用いられる。
主鎖に沿って複数の1,2−または1,3−ジオール基を有する高分子化合物をもとに、アセタール化反応によって一般式(1)の構造を構築する際に、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド酸、ベンズアルデヒドスルホン酸又はその塩等のアルデヒド類もしくはこれらのアセタール誘導体を同時に反応させることも出来る。
<主鎖に沿って複数の1,2−または1,3−ジオール基を有する高分子化合物>
主鎖に沿って複数の1,2−または1,3−ジオール基を有する高分子化合物としては、1,2−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の1,2−または1,3−ジオール基を有するモノマーを構成成分とするポリ(メタ)アクリレートや、ポリ酢酸ビニルのケン化物等が挙げられる。硬化特性の点から、本発明においてはポリ酢酸ビニルのケン化物であることが好ましい。
1,2−または1,3−ジオール基を有するモノマーを構成成分とするポリ(メタ)アクリレートは、1,2−または1,3−ジオール基を有するモノマーのみからなる重合物でも、他のモノマーとの共重合物であっても良い。1,2−または1,3−ジオール基を有するモノマーと共重合するモノマーの例としては、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
1,2−または1,3−ジオール基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合物における、1,2−または1,3−ジオール基を有するモノマーの構成比率としては、一般式(1)の導入効率の点から20mol%以上100mol%未満であることが好ましい。
主鎖に沿って複数の1,2−または1,3−ジオール基を有する高分子化合物として、ポリ酢酸ビニルのケン化物を用いる場合、特に制限はないが、その重合度は200以上2000以下であることが好ましい。重合度を200以上とすることにより十分な硬化特性が得られやすくなり、2000以下とすることにより高分子化合物を含む液体の粘度が適度なものとなり、その取扱いが容易になりやすい。また、水を主成分とする液体に本発明の高分子化合物を含有させる場合、ポリ酢酸ビニルのケン化物のケン化度は50%以上が好ましく、さらには70%以上であることが好ましい。ケン化度を50%以上とすることにより、十分な水溶性が得られやすくなる。
前記のポリ酢酸ビニルのケン化物として、硬化特性、硬化膜物性を調節するために他のビニルモノマーを共重合した化合物や、親水性基変性、親油性基変性、末端変性、カチオン変性、アニオン変性等、変性されたポリ酢酸ビニルケン化物を適用してもよい。
<感光性樹脂組成物>
本発明の高分子化合物を用いて、感光性樹脂組成物を得ることができる。
〔光開始剤、増感剤〕
本発明の高分子化合物を用いて本発明の感光性樹脂組成物を構成する場合、光重合開始剤を混合することが好ましい。光重合開始剤を混合することにより、感光性樹脂組成物の光架橋反応が促進され、望ましい硬化特性が得られやすくなる。また、光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いても良い。これらの化合物は、溶媒に溶解、あるいは分散した状態のいずれで添加してもよい。また、光重合開始剤もしくは光増感剤が本発明の高分子化合物、もしくは従来公知の高分子化合物に対して化学的に結合していても良い。適用される光開始剤、増感剤について特に制限はないが、水系の感光性樹脂組成物とする場合は、水溶性の光開始剤、増感剤が混合性、反応効率の点から好ましく、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
その他の光開始剤、増感剤の具体例としては、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、等を用いることができる。
〔モノマー〕
また、本発明の高分子化合物に加え、感度、コントラストの増加、硬化物の物性向上を目的として、従来公知の重合性モノマーを併用することも可能である。一例として、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリメタクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジメタクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジアクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジメタクリレート、多価カルボン酸(無水フタル酸等)と水酸基及びエチレン性不飽和基を有する化合物(β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート等)とのエステル化物、アクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステル(アクリル酸メチルエステル、メタクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル等)などが挙げられる。
〔他の添加剤〕
本発明の高分子化合物に対し、重合禁止剤、可塑剤、顔料、染料、消泡剤、カップリング剤等、従来公知の材料を必要に応じて配合し、感光性樹脂組成物としても良い。
〔溶媒〕
本発明の感光性樹脂組成物には、様々な溶媒を制限なく使用することができる。主に高分子化合物の主鎖が溶媒への溶解性に影響するため、主鎖に応じて使用する溶媒を選択すると良い。なお、主鎖としてポリ酢酸ビニルのケン化物を用いる場合、主として水、水溶性の有機溶媒を含有することが好ましい。好ましい水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環化合物(例えば、2−ピロリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。
〔用途〕
本発明の感光性樹脂組成物には、機能を形成する各種の薬効成分、酵素、菌体等を混合することができる。この場合は、各種の薬効成分、酵素、菌体等を含有する感光性樹脂組成物を光硬化させることにより、各種の薬効成分、酵素、菌体等を包含したゲルを形成することができる。勿論、本発明の感光性樹脂組成物からゲルを形成した後に、各種の薬効成分、酵素、菌体等を含浸させてもよい。
なお、本発明の感光性樹脂組成物は、通常のレジスト組成物と同様にパターニングすることができるため、機能を形成する各種の薬効成分、酵素、菌体等をフォトリソグラフィーによりパターニングすることも可能である。その高いゲル化特性、増粘特性を活かし、優れたフォトレジストとして使用することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物をフォトパターニングに用いる場合、現像方法は、スプレー式、パドル式、浸漬式等、いずれも可能であるが、残渣の少ないスプレー式が好ましい。必要に応じて、超音波等を照射することもできる。現像液は中性の水が好ましいが、弱酸性、弱アルカリ性であってもかまわない。現像性補助の目的で有機溶剤、界面活性剤、消泡剤等を添加することも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《高分子化合物の合成》
〔修飾化合物の合成〕
(修飾化合物2の合成)
前記合成例2に従って、修飾化合物2を合成した。
1Lの三口フラスコに、テレフタルアルデヒド酸を80g、4−ヒドロキシブチルアクリルアミドを70g、4−ジメチルアミノピリジンを45g、ジクロロメタン500mlを入れ、室温でしばらく撹拌した後、反応容器を氷冷しながら、ジシクロヘキシルカルボジイミド110gを10分間かけて添加した。反応容器を氷冷したまま10分間撹拌を続け、室温に戻してさらに10時間撹拌した。反応により生じたジシクロヘキシルウレアをろ過により除去し、ろ液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルを加えて有機層を抽出し、硫酸マグネシウムにより一晩脱水した。減圧蒸留により溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルカラムにより精製して、目的とする修飾化合物2を得た。
(修飾化合物3の合成)
前記合成例3に従い、修飾化合物2と同様の方法により修飾化合物3を合成した。
(修飾化合物R1の合成)
下記反応式に従って、修飾化合物R1を合成した。
Figure 2009221284
500mlの三口フラスコに、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成社製)を60g、テレフタルアルデヒド酸を60g、4−ジメチルアミノピリジンを1.8g、重合禁止剤としてp−メトキシフェノールを0.4g入れ、85℃で8時間撹拌した。反応溶液に5質量%の炭酸ナトリウム水溶液を250g入れて1時間撹拌し、酢酸エチルを加えて有機層を抽出した後、有機層に硫酸マグネシウムを加えて脱水した。減圧蒸留により溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルカラムにより精製して、目的とする側鎖修飾化合物R1を得た。
(修飾化合物R2の合成)
下記反応式に従い、修飾化合物R1と同様の手法により修飾化合物R2を合成した。
Figure 2009221284
(側鎖の修飾化合物R3の合成)
下記反応式に従って、修飾化合物R3を合成した。
Figure 2009221284
1L三口フラスコに、ジクロロメタンを300ml、アクリロイルクロライドを100g、トリエチルアミン120gを入れ、反応容器を氷冷しながらアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール120gを4時間かけて滴下した。さらに室温で2時間撹拌した後、反応溶液に1N塩酸を200ml加え、有機層を抽出した後、これをさらに純水200mlで洗浄した。再度有機層を抽出して、これに硫酸マグネシウムを加えて脱水した。減圧蒸留により溶媒を除去した後、重合禁止剤であるp−メトキシフェノールを1g添加し、減圧蒸留によって目的とする修飾化合物R3を得た。
〔高分子化合物P1の合成〕
1Lのセパラブルフラスコに、けん化率98%、重合度500のポリ酢酸ビニルのケン化物を60g、イオン交換水を360g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを120g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルを50mg、修飾化合物2を24.7g、リン酸を4.2g加え、8時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)50gを加え、18時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を主鎖とする高分子化合物P1の15質量%溶液を得た。高分子化合物P1の重量平均分子量を測定したところ、32500であった。
〔高分子化合物P2の合成〕
1Lのセパラブルフラスコに、けん化率88%、重合度2000のポリ酢酸ビニルのケン化物を78g、イオン交換水を575g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを190g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルを70mg、修飾化合物3を7g、リン酸を7g加え、15時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)80gを加え、24時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を主鎖とする高分子化合物P2の10質量%溶液を得た。高分子化合物P2の重量平均分子量を測定したところ、95000であった。
〔高分子化合物P3の合成〕
1Lのセパラブルフラスコに、けん化率98%、重合度2200のポリ酢酸ビニルのケン化物を40g、イオン交換水を380g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを120g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルを50mg、修飾化合物2を3.5g、リン酸を4.2g加え、8時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)50gを加え、18時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を主鎖とする高分子化合物P3の8質量%溶液を得た。高分子化合物P3の重量平均分子量を測定したところ、105000であった。
〔高分子化合物P4の合成〕
窒素気流下で、1Lのセパラブルフラスコにグリセリンモノメタクリレートを55g、メチルアクリレートを10g、イオン交換水を40g、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを20g入れ、80℃に加熱した。アゾビスイソブチロニトリル2gを1時間かけて添加し、さらに5時間加熱撹拌を続けた。その後、アゾビスイソブチロニトリル0.2gをさらに加え、85℃に昇温して1時間加熱した。
得られた高分子化合物の溶液を60℃まで冷却し、イオン交換水を320g、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを100g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルを50mg、修飾化合物3を19.7g、リン酸を4.2g加え、15時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)50gを加え、24時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、主鎖に沿って1,2−ジオール基を複数有したアクリル共重合体である高分子化合物P4の15質量%溶液を得た。高分子化合物P4の重量平均分子量を測定したところ、60000であった。
〔高分子化合物P5の合成〕
1Lのセパラブルフラスコに、けん化率98%、重合度150のポリ酢酸ビニルのケン化物を72g、イオン交換水を360g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを120g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルを50mg、修飾化合物2を12.7g、リン酸を4.2g加え、8時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)50gを加え、18時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を主鎖とする高分子化合物P1の15質量%溶液を得た。高分子化合物P1の重量平均分子量を測定したところ、7800であった。
〔高分子化合物P6の合成〕
窒素気流下で、1Lのセパラブルフラスコにグリセリンモノメタクリレートを60g、メチルアクリレートを15g、イオン交換水を300g、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを100g入れ、80℃に加熱した。アゾビスイソブチロニトリル2gを1時間かけて添加し、さらに5時間加熱撹拌を続けた。その後、アゾビスイソブチロニトリル0.2gをさらに加え、85℃に昇温して1時間加熱した。
得られた高分子化合物の溶液を60℃まで冷却し、イオン交換水を60g、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを20g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルを50mg、修飾化合物2を9.7g、リン酸を4.2g加え、15時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)50gを加え、24時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、主鎖に沿って1,2−ジオール基を複数有したアクリル共重合体である高分子化合物P6の15質量%溶液を得た。高分子化合物P6の重量平均分子量を測定したところ、8300であった。
〔高分子化合物P7の合成〕
1Lのセパラブルフラスコに、けん化率98%、重合度500のポリ酢酸ビニルのケン化物を82.2g、イオン交換水を420g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを60g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルを50mg、修飾化合物2を2.5g、リン酸を4.2g加え、8時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)50gを加え、18時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を主鎖とする高分子化合物P1の15質量%溶液を得た。高分子化合物P7の重量平均分子量を測定したところ、22500であった。
1Lのセパラブルフラスコに、けん化率98%、重合度800のポリ酢酸ビニルのケン化物を52g、イオン交換水を300g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを180g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルを50mg、修飾化合物2を32.7g、リン酸を4.2g加え、8時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)50gを加え、18時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を主鎖とする高分子化合物P1の15質量%溶液を得た。高分子化合物P7の重量平均分子量を測定したところ、64500であった。
〔高分子化合物P9の合成〕
1Lのセパラブルフラスコに、けん化率98%、重合度1000のポリ酢酸ビニルのケン化物を50g、イオン交換水を350g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを105g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルを50mg、修飾化合物3を30g、リン酸を4.2g加え、8時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)50gを加え、18時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を主鎖とする高分子化合物P9の15質量%溶液を得た。高分子化合物P9の重量平均分子量を測定したところ、75500であった。
〔高分子化合物P10の合成〕
1Lのセパラブルフラスコに、けん化率98%、重合度180のポリ酢酸ビニルのケン化物を78g、イオン交換水を360g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを120g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルを50mg、修飾化合物3を6.7g、リン酸を4.2g加え、8時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)50gを加え、18時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を主鎖とする高分子化合物P10の15質量%溶液を得た。高分子化合物P10の重量平均分子量を測定したところ、8500であった。
〔高分子化合物P11の合成〕
1Lのセパラブルフラスコに、けん化率98%、重合度500のポリ酢酸ビニルのケン化物を82g、イオン交換水を360g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを120g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシルを50mg、修飾化合物3を2.7g、リン酸を4.2g加え、8時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)50gを加え、18時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を主鎖とする高分子化合物P11の15質量%溶液を得た。高分子化合物P11の重量平均分子量を測定したところ、23000であった。
〔高分子化合物R1の合成〕
1Lセパラブルフラスコに、けん化率98%、重合度500のポリ酢酸ビニルのケン化物を100g、イオン交換水を530g入れ、90℃で加熱撹拌し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を溶解させた。この溶液を60℃まで冷却した後、イソプロピルアルコールを175g、修飾化合物R1を24.4g、リン酸を6.5g加え、10時間撹拌した。反応溶液を45℃まで冷却し、イオン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学社製)100gを加え、12時間撹拌した。その後、イオン交換樹脂をろ過し、ポリ酢酸ビニルのケン化物を主鎖とする高分子化合物R1の15質量%溶液を得た。高分子化合物R1の重量平均分子量を測定したところ、28000であった。
〔高分子化合物R2の合成〕
ポリ酢酸ビニルのケン化物の重合度を500から1000に、修飾化合物R1を修飾化合物R2に変更した以外は、高分子化合物R1と同様の方法により、高分子化合物R2の15質量%溶液を得た。高分子化合物R2の重量平均分子量を測定したところ、56500であった。
〔高分子化合物R3の合成〕
ポリ酢酸ビニルのケン化物の重合度を500から2200に、修飾化合物R1を修飾化合物R3に変更した以外は、高分子化合物R1と同様の方法により、高分子化合物R3の15質量%溶液を得た。高分子化合物R2の重量平均分子量を測定したところ、125000であった。
《感光性樹脂組成物の調製》
上記調製した各高分子化合物を用いて、下記の方法に従って感光性樹脂1〜8、R1〜3を調製した。
〔感光性樹脂組成物1の調製〕
高分子化合物P1 固形分として5部
溶媒:エチレングリコール 20部
溶媒:2−ピロリドン 15部
光重合開始剤:
Irgacure2959(チバスペシャルティケミカルズ社製) 1部
さらに全体が100部となるようにイオン交換水を添加して、本発明の高分子化合物P1を含有した感光性樹脂組成物1を調製した。
〔感光性樹脂組成物2〜8の調製〕
上記の感光性樹脂組成物1の調製において、高分子化合物P1を高分子化合物P2〜P8に変更した以外は同様にして、本発明の感光性樹脂組成物2〜8を調製した。
〔感光性樹脂組成物R1〜3の調製〕
上記の感光性樹脂組成物1の調製において、高分子化合物P1を高分子化合物R1〜R3に変更した以外は同様にして、比較例の感光性樹脂組成物R1〜3を調製した。
Figure 2009221284
なお、表1に略称で記載のPVAとは、ポリ酢酸ビニルのケン化物を指す。
《評価》
上記調製した各感光性樹脂組成物について、下記の評価を行った。
(取り扱い性評価)
各感光性樹脂組成物を容量3mlのスポイトで取り、液の取り扱い性を下記の基準により目視評価した。△以上を許容とした。
○:液の取り扱い性は非常に良好であり、スポイトで容易に吸引、滴下することができる
△:液の取り扱い性は良好であり、スポイトで吸引、滴下ができるが粘性が高い
×:液の取り扱い性は不良であり、スポイトでの吸引、滴下が困難である
(ゲル化特性評価)
スポット光源SP−7(ウシオ電機社製)を用意し、照射部の照度が200mW/cm2(測定波長:365nm)となるように調整した。カバーガラスの上に各感光性樹脂組成物を100μL滴下し、スポット光源により活性エネルギー線を0.2秒間照射し、各感光性樹脂組成物の変化を指触により評価した。評価基準は下記の通りであり、△以上を許容とした。
○:弾力があるゲルが形成されており、指で押してもほぼ元の形状に戻る
△:ゲルが形成されているが、指で押すと形状が変形する
×:ゲルが形成されておらず、指で押すと流れてしまう
(低照度特性評価)
ゲル化特性評価において△以上の評価結果を示した水準について、以下の評価を実施した。照度を20mW/cm2(測定波長:365nm)、照射時間を2秒間とした以外はゲル化特性評価と同様の方法により、低照度におけるゲル化特性を評価した。評価は、下記の基準に従ってゲル化特性評価との相対評価とし、△以上を許容とした。
○:ゲル化特性評価における結果とほぼ同等の特性を示した
△:ゲル化特性評価における結果に対して、やや劣位の特性を示した
×:ゲル化特性評価における結果に対して、大幅に劣位の特性を示した
−:ゲル化特性評価の結果が×であったため、評価を実施しなかった。
(低エネルギー特性評価)
ゲル化特性評価において△以上の評価結果を示した水準について、以下の評価を実施した。照射時間を0.1秒間とした以外はゲル化特性評価と同様の方法により、低照射エネルギーにおけるゲル化特性を評価した。評価は、下記の基準に従ってゲル化特性評価との相対評価とし、△以上を許容とした。
○:ゲル化特性評価における結果とほぼ同等の特性を示した
△:ゲル化特性評価における結果に対して、やや劣位の特性を示した
×:ゲル化特性評価における結果に対して、大幅に劣位の特性を示した
−:ゲル化特性評価の結果が×であったため、評価を実施しなかった。
(柔軟性評価)
ゲル化特性評価で得られたゲルをガラス棒で強く押し、ゲルの柔軟性を下記の基準により目視評価した。△以上を許容とした。
○:ガラス棒で押してもゲルはくずれず、非常に柔軟なゲルが形成されている
△:ガラス棒で押すとゲルはややくずれ、若干柔軟性に欠けるゲルが形成されている
×:ガラス棒で押すとゲルが割れてしまい、柔軟性に欠けるゲルが形成されている
−:ゲルがうまく形成できておらず、評価ができない
以上の結果を表2に示す。
Figure 2009221284
表2から明らかなように、本発明の高分子化合物P1〜P8をもとに調製した本発明の感光性樹脂組成物1〜8は、短時間の活性エネルギー線の照射においても良好なゲル化特性を示していることがわかる。また主鎖をポリ酢酸ビニルのケン化物とすることにより、ゲル化特性がさらに良好なものとなり、重量平均分子量を100000以下とすることにより、液の取り扱い性が特に良好になっていることがわかる。また、高分子化合物の1,2−または1,3−ジオール基の水酸基の総数と一般式(1)で表される構成単位の総数の比率が200:1以下であると、低照度においてもゲル化特性の低下が見られず、8:1以上であると生成するゲルの柔軟性が良好であることがわかる。さらに、高分子化合物の重量平均分子量を8000以上とすることにより、低照射エネルギー条件でもゲル化特性の低下が生じないことがわかる。

Claims (8)

  1. 主鎖に沿って複数の1,2−または1,3−ジオール基を有し、かつ、下記一般式(1)で表される構成単位を有することを特徴とする高分子化合物。
    Figure 2009221284
    〔式中、Xは炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐アルキレン基を表し、nは1〜10を表す。Yは下記一般式(2)から選択される基であり、mは0または1を表す。Aは無置換もしくは置換された芳香族環を表し、jは1〜3を表し、kは0または1を表す。〕
    Figure 2009221284
  2. 前記高分子化合物が、前記一般式(1)で表される構成単位を有するポリ酢酸ビニルのケン化物であることを特徴とする請求項1に記載の高分子化合物。
  3. 前記高分子化合物の1,2−または1,3−ジオール基の水酸基の総数と、前記一般式(1)で表される構成単位の総数の比率が、8:1〜200:1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高分子化合物。
  4. 前記高分子化合物の重量平均分子量が、8000以上100000以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子化合物を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
  6. 光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子化合物を含むことを特徴とする液体。
  8. 請求項7に記載の液体に、活性エネルギー線を照射してゲルを形成することを特徴とするゲル形成方法。
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