JP2009221249A - 剥離性粘着剤、剥離性粘着シート、剥離性粘着シートの剥離方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリエステル系樹脂(A)及び不飽和基含有化合物(B)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物[I]が、架橋剤(C)により架橋されてなる剥離性粘着剤。
【選択図】なし
Description
また、ガラス、石英、水晶、サファイア、レンズなどの半導体製品または光関連製品は、様々な回路形成または表面処理等が施されたガラス基板を、小片に切断分離(ダイシング)して、個別の素子または部品とすることにより製造されるが、前記製造工程では、ガラス基板には粘着シートが貼付された状態で、ダイシング工程、洗浄工程、乾燥工程、ピックアップ工程の各工程が行われ、その後、次工程に移送される。このようなガラス基板のダイシング工程乃至ピックアップ工程では、ダイシング工程から乾燥工程までは切断小片に対して十分な接着力を有しており、かつピックアップ工程では切断小片に粘着剤が付着しない程度の接着力を有している粘着シートが用いられている。
更に特許文献2においては、官能基含有のアクリル系樹脂、特定構造を有するウレタンアクリレート系オリゴマー、光重合開始剤、架橋剤を含有する再剥離型粘着剤組成物が開示されており、粘着性、再剥離性、耐汚染性、柔軟性等が良好で、上記の半導体ウエハのダイシング工程の一時的接着用途においてもダイシング適性に優れ、紫外線あるいは放射線照射による硬化後の硬化物の伸度が優れるためエキスパンド適性もよく、更には硬化性にも優れるためピックアップ効率等に優れるものであることが記載されている。
そのため、ポリエステル系樹脂を粘着剤として用いた場合には、架橋剤との反応点が少ないために、架橋剤による架橋は起こるものの分子の分岐が少なく分子鎖のからまりが少ない傾向にあった。また、該粘着剤中に不飽和基含有化合物を含有させ重合させた場合でも、かかる化合物の重合物と主剤のポリエステル系樹脂との物理的相互作用(物理架橋によるネットワークの形成)が起こりづらいものであると考えられていた。
従って、通常は、ポリエステル系樹脂からなる粘着剤を使用し、アクリル系樹脂からなる粘着剤と同程度の剥離性が得られるものとは考えづらいところ、今回の発明では、驚くべきことに、ポリエステル系樹脂を主剤とした粘着剤が、アクリル系樹脂を主剤とする粘着剤と遜色が無いほどの優れた剥離性が得られ、更に、被着体への腐食の問題などもなく、粘着物性にも優れることを見出したのである。
本発明の剥離性粘着剤は、ポリエステル系樹脂(A)および不飽和基含有化合物(B)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物[I]が、架橋剤(C)により架橋されて得られるものである。
これらの中でも、芳香族ジカルボン酸、脂肪族非環式ジカルボン酸を用いることが好ましく、特に耐久性と柔軟性の両立が可能となる点から、芳香族シジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸を併用することが更に好ましく、殊にはイソフタル酸とセバシン酸を併用して用いることが好ましい。
これらの中でも、結晶化をおこさないようにガラス転移温度を制御できる点で直鎖脂肪族ジオールと側鎖に炭化水素基を有する脂肪族ジオールを併用することが好ましく、特には、直鎖脂肪族ジオールとしてエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールから選ばれる少なくとも1種と、側鎖に炭化水素基を有する脂肪族ジオールとしてネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる少なくとも1種とを併用することが殊に好ましい。
これらの中でも、分散度を適切にコントロールする観点から、3価のカルボン酸を用いることが好ましく、特には3価の芳香族カルボン酸が、殊にはトリメット酸を用いることが好ましい。
これらの中でも、分散度を適切にコントロールする観点から、3価の脂肪族アルコールを用いることが好ましく、特にはトリメチロールプロパンを用いることが好ましい。
かかるエステル化反応においては、触媒が用いられ、具体的には、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン系、三酸化アンチモン等のアンチモン系、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム系などの触媒や酢酸亜鉛、酢酸マンガン、ジブチル錫オキサイドなどをあげることができ、これらの1種あるいは2種以上が用いられる。これらのなかでも、触媒の活性が高い点から、三酸化アンチモン、テトラブチルチタネートが好ましい。
かかる含有量が少なすぎると結晶化がおこり、タックが消失する傾向があり、多すぎると高分子量のポリエステル系樹脂を得ることが難しくなる傾向がある。
かかる含有量が少なすぎると耐熱性が低下する傾向があり、多すぎるとゲル化がおこり、粘着力が低下する傾向がある。
かかる芳香族ジカルボン酸の仕込み量が少なすぎると耐熱性や機械的強度が低下する傾向があり、多すぎると柔軟性が失われ初期粘着性が低下し、指圧程度の圧力で十分な接着力を発揮できなくなる傾向がある。
なお、酸成分全体とは、3価以上の多価カルボン酸成分を用いる場合においては、3価以上の多価カルボン成分も含めたものである。
なお、多価アルコール成分全体とは、3価以上の多価アルコール成分を用いる場合においては、3価以上の多価アルコール成分も含めたものである。
その場合、ポリエステル系樹脂の構造中に重合性不飽和基を含有するものであればよく、好ましくはポリエステル系樹脂の主鎖の末端あるいは側鎖の末端に重合性不飽和基を含有するものが好ましい。
上記ポリエステル系樹脂は、酸成分として脂肪族多価カルボン酸を、アルコール成分として脂肪族多価アルコールを含有し、これらを重縮合してなるものである。そして、不飽和基含有ポリエステル系樹脂は、ポリエステル系樹脂に、例えば下記[1]〜[4]の方法により不飽和基を導入して得ることができる。
[2]ポリエステル系樹脂の主鎖末端及び/又は側鎖末端のカルボキシル基と、不飽和基含有アルコールの水酸基を反応させる。
[3]ポリエステル系樹脂の主鎖末端及び/又は側鎖末端の水酸基及び/又はカルボキシル基と、ポリイソシアネート系化合物の一部のイソシアネート基を反応させた後、更に、残りのイソシアネート基と、不飽和基含有カルボン酸のカルボキシル基又は不飽和基含有アルコールの水酸基を反応させる。
[4]ポリエステル系樹脂の主鎖末端及び/又は側鎖末端の水酸基及び/又はカルボキシル基と、イソシアネート基と不飽和基を併せ持つイソシアネート基含有不飽和化合物のイソシアネート基を反応させる。
なお、不飽和基含有ポリエステル系樹脂(A)の不飽和基が(メタ)アクリロイル基であることが、紫外線による硬化が起こりやすい点で好ましい。
これらの中でも、粘着剤の架橋密度を高めるために、多官能のウレタン(メタ)アクリレート系化合物や多官能のエチレン性不飽和モノマーを用いることが好ましく、特には不飽和基を3個以上有する化合物を用いることが好ましい。また、基材や被着体との密着を高めるために、極性の高いウレタン(メタ)アクリレート系化合物や極性部位を持ったエチレン性不飽和モノマーを用いることも好ましい。
また、これらの架橋剤(C)は、単独で使用しても良いし、2種以上併用してもよい。
即ち、後述の如く得られる粘着シート(セパレーターを設けていないもの)を200メッシュのSUS製金網で包み、トルエン中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率(%)とする。但し、基材の重量は差し引いておく。
該用途においては、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物[I]が基材に塗工された粘着シートまたは粘着テープ等に半導体ウエハ(シリコンウエハ)を貼り付けて固定した後、回転丸刃で半導体ウエハをチップに切断する。その後、粘着シートまたは粘着テープ等の基材側から遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等の活性エネルギー線を照射して硬化させる。
かかる活性エネルギー線照射を行う時の光源としては、高圧水銀灯、無電極ランプ、超高圧水銀灯カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライトなどが用いられる。
高圧水銀ランプの場合は5〜3000mJ/cm2、好ましくは10〜1000mJ/cm2、更に好ましくは50〜500mJ/cm2の条件で行われる。無電極ランプの場合は、例えば2〜1500mJ/cm2、好ましくは5〜500mJ/cm2の条件で行われる。照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、塗工厚、その他の条件によっても異なるが、通常は数秒、場合によっては数分の1秒でもよい。電子線照射の場合には、例えば、50〜1000Kevの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2〜50Mradの照射量とするのがよい。
かかる活性エネルギー線照射により粘着力が低下し、被着体から容易に剥離することができる。
なお、粘着力の測定にあたっては下記条件(1)および(2)に従うものとし、それ以外の測定条件については、JIS Z0237(10.粘着力)に準じて行なうこととする。
(1)被着体として鏡面処理されたSUS板(SUS304BA鏡面板:厚さ0.5mm×長さ150mm×幅70mm)に、23℃×相対湿度50%雰囲気下、粘着シートを重さ2kgのローラーを用いて2往復することにより加圧貼付した後、60℃雰囲気下で24時間放置し、その後、23℃×相対湿度50%雰囲気下で3時間放置した後、剥離速度300mm/分にて180°引きはがし粘着力(N/25mm)を測定する。
(2)被着体として鏡面処理されたSUS板(SUS304BA鏡面板:厚さ0.5mm×長さ150mm×幅70mm)に、23℃×相対湿度50%雰囲気下、粘着シートを重さ2kgのローラーを用いて2往復することにより加圧貼付し、60℃雰囲気下で24時間放置した後、光及び/又は熱エネルギーを与え、その後、剥離速度300mm/分にて180°引きはがし粘着力(N/25mm)を測定する。
(3)50<Y≦100
但し、低下率Y(%)は(1−(X2/X1))×100で表される。
また、かかるポリエステル系樹脂(A)は、上記にて説明したポリエステル系樹脂が用いられる。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、ネオペンチルグリコール108.4g(0.9モル)、1,4−ブタンジオール52g(0.5モル)、1,6−ヘキサンジオール12g(0.087モル)、トリメチロールプロパン2.0g(0.013モル)、イソフタル酸38.4g(0.2モル)、セバシン酸187.2g(0.8モル)およびテトラブチルチタネート0.18gを仕込み、150〜260℃で210分間加熱してエステル化反応を行い、ついで反応系の圧力を徐々に減じて30分後に133Paとし、さらに減圧を続けながら270分間反応を行った。得られたポリエステル樹脂の諸物性は表1に通りである。
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、ネオペンチルグリコール86.4g(0.7モル)、1,4−ブタンジオール53.2g(0.5モル)、1,6−ヘキサンジオール40g(0.287モル)、トリメチロールプロパン2.0g(0.013モル)、イソフタル酸98.4g(0.5モル)、セバシン酸119.6g(0.5モル)およびテトラブチルチタネート0.18gを仕込み、150〜260℃で210分間加熱してエステル化反応を行い、ついで反応系の圧力を徐々に減じて30分後に133Paとし、さらに減圧を続けながら270分間反応を行った。得られたポリエステル樹脂の諸物性は表1に通りである。
重量平均分子量および数平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本ウォーターズ(株)製、「Waters 2695(セパレーションモジュール)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列)を用いて測定した。
重量平均分子量と数平均分子量から計算して求めた。
試験片を室温から10℃/分の割合で昇温および冷却を行い、示差走査熱量計にて発熱量を測定し、吸熱曲線または発熱曲線に2本の延長線を引き、延長線間の1/2直線と吸熱曲線または発熱曲線の交点の温度をガラス転移温度とした。
試験片を室温から10℃/分の割合で昇温および冷却を行い、示差走査熱量計にて発熱量を測定し、発熱ピークのトップを結晶化温度とした。
試験片を室温から10℃/分の割合で昇温および冷却を行い、示差走査熱量計にて発熱量を測定し、発熱ピークより求めた。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、酢酸エチル140部を仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.03部を加え、攪拌しながら昇温し、78℃で、ブチルアクリレート95部、アクリル酸5部の混合物を2時間にわたって滴下した。重合途中に酢酸エチル10部にAIBN0.03部を溶解させた重合開始剤液を逐次追加しながら、酢酸エチル還流温度で5時間重合させた後、希釈してアクリル系樹脂溶液(ア−1)(重量平均分子量(Mw)60万、固形分40%、粘度10,000mPa・s(25℃))を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、酢酸エチル140部を仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.03部を加え、攪拌しながら昇温し、78℃で、ブチルアクリレート95部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5部の混合物を2時間にわたって滴下した。重合途中に酢酸エチル10部にAIBN0.03部を溶解させた重合開始剤液を逐次追加しながら、酢酸エチル還流温度で5時間重合させた後、希釈してアクリル系樹脂溶液(ア−2)(重量平均分子量(Mw)60万、固形分40%、粘度10,000mPa・s(25℃))を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)6.6部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート93.4部、ジ−t−ブチルヒドロキシフェノール0.03部、ジブチルスズジラウレート0.02部を仕込み、50℃で反応を継続し、不飽和基含有化合物(B−1)を得た。不飽和基含有化合物(B−1)の重量平均分子量は1500であった。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)19.2部、ジ−t−ブチルヒドロキシフェノール0.05部、ジブチルスズジラウレート0.02部を仕込み、50℃以下で、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(共栄社化学社製ライトアクリレートPE−3A、水酸基価120mgKOH/g)80.8部を、70℃で反応を継続し、不飽和基含有化合物(B−2)を得た。不飽和基含有化合物(B−2)の重量平均分子量は3500であった。
架橋剤(C−1)として、以下のものを用意した。
・トリレンジイソシアネート3量体の50%酢酸ブチル溶液(日本ポリウレタン社製、「コロネート2030」)
架橋剤(C−2)として、以下のものを用意した。
・トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物の55%酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン社製、「コロネートL−55E」)
光重合開始剤(D−1)として、以下のものを用意した。
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、「イルガキュア184」)
[表2]に示す通りに、酢酸エチルにて塗工できる粘度(1000−5000mPa・s/25℃)に希釈した樹脂組成物を調製した。かかる樹脂組成物を用いて、以下の方法により剥離性粘着剤付き粘着シートを作製した。
基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み38μm)を準備し、紫外線の遮断された状態で、上記PETフィルム面に、上記粘着剤組成物を乾燥後の厚みが25μmになるように塗布した後、100℃で2分間乾燥させた。その後、粘着剤組成物表面に離型処理されたPETフィルムを貼付して保護し、剥離性粘着剤付き粘着シートを得た。
23℃×相対湿度50%雰囲気下、被着体として鏡面処理されたSUS板(SUS304BA鏡面板:厚さ0.5mm×長さ150mm×幅70mm)に、上記粘着シートを重さ2kgのローラーを用いて40秒間で2往復することにより加圧貼付した後、60℃雰囲気下で24時間放置した。引き続き、23℃×相対湿度50%雰囲気下で3時間放置した後、剥離速度300mm/分にて180°引きはがし粘着力(N/25mm)を測定した。かかる180°引きはがし粘着力を到達粘着力(X1)とする。
23℃×相対湿度50%雰囲気下、被着体として鏡面処理されたSUS板(SUS304BA鏡面板:厚さ0.5mm×長さ150mm×幅70mm)に、上記粘着シートを重さ2kgのローラーを用いて40秒間で2往復することにより加圧貼付した後、60℃雰囲気下で24時間放置した。次いで、紫外線照射(高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから4.6m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量420mJ/cm2))を行ない、23℃×相対湿度50%雰囲気下で3時間放置した後、剥離速度300mm/分にて180°引きはがし粘着力(N/25mm)を測定した。かかる180°引きはがし粘着力をUV照射後粘着力(X2)とする。
式:(1−(X2/X1))×100で計算される値をUV照射後粘着力低下率(Y(%))とした。
上記粘着シートを銅板に貼着して、60℃×相対湿度90%雰囲気下の暗室に1週間放置後、23℃相対湿度50%雰囲気下で1時間放置し、紫外線を照射して、銅版から粘着シートを剥離して、銅板の剥離面をブランクの銅板と目視比較して、以下の通りの評価をした。
○:ブランクの銅板表面と代わらない。
×:銅板表面が変色して腐食が認められる。
一方、アクリル系樹脂(ア−1)および(ア−2)を用いた粘着剤からなる比較例1および2の粘着シートは、共にUV照射後の粘着力の低下は充分なものではあるが、酸系のアクリル系樹脂を用いた比較例1では、金属に対して腐食性を示してしまい、非酸系のアクリル系樹脂を用いた比較例2では腐食性は示さないものの到達粘着力が低く、固定時の安定した接着が困難なものであることがわかる。
更に、不飽和基含有化合物を含まないポリエステル系樹脂からなる粘着剤を用いた比較例3および4の粘着シートでは、UV照射による粘着力の低下がおこらず、剥離を前提とした剥離性粘着剤用途には使用できないものであることがわかる。
以上より、本発明の剥離性粘着剤は、活性エネルギー線を照射する前後の粘着力の低下率が大きく、剥離性に優れるだけでなく、更に活性エネルギー線照射前前における被着体との粘着力に優れ、照射後は容易に剥離可能となり、基材および被着体に対しても腐食性を示さない非常に有用な剥離性粘着剤である。
従って、ラベル・シート用、テープ用、建材用、包装材料用、エレクトロニクス用として金属板、ガラス板、合成樹脂板、ラミネート鋼板などに使用される剥離性粘着剤として非常に有用である。
Claims (10)
- ポリエステル系樹脂(A)および不飽和基含有化合物(B)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物[I]が、架橋剤(C)により架橋されてなることを特徴とする剥離性粘着剤。
- ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が、−100〜−10℃であることを特徴とする請求項1記載の剥離性粘着剤。
- 不飽和基含有化合物(B)が、不飽和基を3個以上有する化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の剥離性粘着剤。
- 不飽和基含有化合物(B)の含有量が、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、3〜100重量部であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の剥離性粘着剤。
- 架橋剤(C)の使用量が、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の剥離性粘着剤。
- 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物[I]が、さらに重合開始剤(D)を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の剥離性粘着剤。
- 請求項1〜6いずれか記載の剥離性粘着剤が基材上に積層されてなることを特徴とする剥離性粘着シート。
- 請求項7記載の剥離性粘着シートを被着体に貼り合せた後、活性エネルギー線を照射することにより、粘着シートと被着体とを剥離することを特徴とする剥離性粘着シートの剥離方法。
- ポリエステル系樹脂(A)を主成分とする樹脂組成物からなる粘着剤層を有する粘着シートで、下記条件(1)で測定される粘着力(X1)に対する下記条件(2)で測定される粘着力(X2)の低下率Y(%)が下記式(3)を満たすことを特徴とする剥離性粘着シート。
(1)被着体として鏡面処理されたSUS板(SUS304BA鏡面板:厚さ0.5mm×長さ150mm×幅70mm)に、23℃×相対湿度50%雰囲気下、粘着シートを重さ2kgのローラーを用いて2往復することにより加圧貼付した後、60℃雰囲気下で24時間放置し、その後、23℃×相対湿度50%雰囲気下で3時間放置した後、剥離速度300mm/分にて180°引きはがし粘着力(N/25mm)を測定する。
(2)被着体として鏡面処理されたSUS板(SUS304BA鏡面板:厚さ0.5mm×長さ150mm×幅70mm)に、23℃×相対湿度50%雰囲気下、粘着シートを重さ2kgのローラーを用いて2往復することにより加圧貼付し、60℃雰囲気下で24時間放置した後、光及び/又は熱エネルギーを与え、その後、剥離速度300mm/分にて180°引きはがし粘着力(N/25mm)を測定する。
(3)50<Y≦100
但し、低下率Y(%)は(1−(X2/X1))×100で表される。 - ポリエステル系樹脂(A)および不飽和基含有化合物(B)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化型剥離性粘着剤組成物。
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