JPH06212127A - 感圧接着剤組成物 - Google Patents

感圧接着剤組成物

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JPH06212127A
JPH06212127A JP27339493A JP27339493A JPH06212127A JP H06212127 A JPH06212127 A JP H06212127A JP 27339493 A JP27339493 A JP 27339493A JP 27339493 A JP27339493 A JP 27339493A JP H06212127 A JPH06212127 A JP H06212127A
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sheet
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英雄 黒田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】紫外線を照射しないときは強い接着力を有し、
これに紫外線を照射することにより、接着力を著しく低
減させることができる感圧接着剤を提供することにあ
る。 【構成】本発明による紫外線照射によつて接着力を低減
し得る感圧接着剤は、弾性重合体100重量部に対し
て、紫外線架橋性アクリル酸エステル15〜200重量
部とポリイソシアネート1〜100重量部とを重合開始
剤と共に含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感圧接着剤組成物に関
し、詳しくは、紫外線照射によつて接着力を低減させる
ことができる感圧接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、基材シート上に感圧接着剤を塗
布してなる感圧接着性シート又は粘着シートは、一般家
庭及び産業において種々の用途に使用されているが、近
年、感圧接着性シートの要求特性が多様且つ多岐にわた
り、用途に応じて種々の機能性が要求されるに至つてい
る。
【0003】例えば、集積回路の製作に際して、シリコ
ンウエハーを所定の寸法に裁断する、即ち、ダイシング
を行なつてダイスを得るためには、所謂ダイシングフイ
ルムと呼ばれる感圧接着性シート上にシリコンウエハー
を載置し、ダイシングフイルム上に感圧接着固定し、裁
断した後、これをダイシングフイルムからピツクアツ
プ、即ち、剥離して取り上げる。従つて、シリコンウエ
ハーを正確にダイシングするためには、ダイシング時に
はダイシングフイルムがシリコンウエハーに対して強い
接着力を有し、一方、得られたダイスをダイシングフイ
ルムからピツクアツプするに際しては、ダイシングフイ
ルムはその接着力が弱いことが必要である。何ら制限さ
れるものではないが、例えば、シリコンウエハーのダイ
シングに際しては、ダイシングフイルムは100〜80
0g/25mm程度の接着力を有し、一方、ダイスのピツ
クアツプに際しては、ダイシングフイルムは約20〜5
0g/25mm程度又はこれ以下の接着力を有することが
望ましいといわれている。
【0004】しかし、このように、被着面に適用後に、
必要に応じて、その接着力を低減させ得る感圧接着剤組
成物及びかかる特性を備えた感圧接着性シートは、未だ
知られていない。他方、例えば、一般に接着剤の分野に
おいて、光重合性オリゴマー、光重合性モノマー、光重
合開始剤及びその他の添加剤からなる紫外線架橋性接着
剤が既に知られており、これは無溶剤型、一液型の接着
剤であり、速硬化性であつて、加熱を要しない等の点で
すぐれているが、この接着剤においては、紫外線照射
は、本来、接着剤に所要の接着力を発現させるために行
なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、当初は
強い接着力を有し、必要に応じてその接着力を低減し得
る感圧接着剤を得るために鋭意研究した結果、予期しな
いことに、弾性重合体と紫外線架橋性アクリル酸エステ
ルとを主成分として含有する混合物からなる感圧接着剤
組成物が、これに紫外線を照射するとき、その接着力が
著しく低減することを見出した。
【0006】本発明者らは、更に研究した結果、かかる
感圧接着剤組成物に更にポリイソシアネートを成分とし
て含有させてなる感圧接着剤組成物は、これに紫外線を
照射するとき、接着力が一層顕著に低減することを見出
して、本発明に至つたものである。従つて、本発明は、
紫外線を照射しないときは強い接着力を有し、これに紫
外線を照射することにより、接着力を著しく低減させる
ことができる感圧接着剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の紫外線照射によ
つて接着力を低減し得る感圧接着剤は、弾性重合体10
0重量部に対して、紫外線架橋性アクリル酸エステル1
5〜200重量部とポリイソシアネート1〜100重量
部とを重合開始剤と共に含有することを特徴とする。
【0008】従来、種々の感圧接着剤組成物が、例えば
「接着ハンドブツク(第2版)」(日本接着協会編集、
日刊工業新聞社発行、1980年)第398〜414頁
に記載されているように知られているが、代表的な感圧
接着剤組成物は、弾性重合体を主成分とし、これに相溶
性の良好な粘着付与剤や可塑剤、更には、必要に応じて
充填剤、老化防止剤、着色剤等を均一に混合してなる混
合物である。本発明においては、かかる弾性重合体とし
て、特に、飽和共重合ポリエステル樹脂、ポリアクリル
酸エステル及びアクリル酸エステルの共重合体を好まし
く用いることができる。
【0009】先ず、飽和共重合ポリエステル樹脂は、例
えば、「工業材料」第25巻第11号第101〜106
頁に記載されているように、通常、異なる2種以上の飽
和2価カルボン酸と飽和2価アルコールとを重縮合させ
て得られるガラス転移点の比較的低い飽和共重合樹脂で
あり、通常、飽和2価カルボン酸として、芳香族2価カ
ルボン酸と脂肪族2価カルボン酸とが併用され、飽和2
価アルコールとして脂肪族又は脂環式2価アルコール、
即ち、グリコールが用いられる。特に、本発明において
は、芳香族2価カルボン酸/脂肪族2価カルボン酸モル
比が80/20乃至20/80、好ましくは70/30
乃至50/50である飽和2価カルボン酸混合物とグリ
コールとを等モルにて重縮合させて得られる飽和共重合
ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。本発明におい
ては、芳香族2価カルボン酸としてテレフタル酸、脂肪
族多価カルボン酸としてセバシン酸、アジピン酸、グリ
コールとしてエチレングリコール、1,4-ブタンジオー
ル、プロピレングリコール等を用いて得られる飽和共重
合ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。尚、必要に
応じて、飽和共重合ポリエステル樹脂の製造において
は、カルボン酸成分として3価以上の飽和多価カルボン
酸や、3価以上の多価アルコールが一部併用されてもよ
い。
【0010】また、ポリアクリル酸エステル又はアクリ
ル酸の共重合体としては、従来よりアクリル系粘着剤と
して知られている粘着剤において、主成分である弾性重
合体として用いられている任意のものを含む。アクリル
系粘着剤において弾性重合体として用いられている重合
体は、通常、実質的にアクリル酸エステル共重合体であ
る。この共重合体は、通常、粘着性を有せしめるために
低いガラス転移点を有する重合体を形成するアクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘ
キシル等のアクリル酸アルキルエステルを主モノマーと
し、凝集性を有せしめるために高いガラス転移点を有す
る硬い重合体を形成するコモノマー、例えば、酢酸ビニ
ル、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸メチル、
メタクリル酸メチル等、及び架橋性や接着性の改良のた
めにカルボン酸基、水酸基、アミド基、グリシジル基、
ヒドロキシルメチル基等の官能基を有する単量体、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ヒドロキ
シルエチルメタクリレート、ヒドロキシルプロピルメタ
クリレート、アクリルアミド、グリシジルメタクリレー
ト等のモノマーを共重合させてなる共重合体である。
【0011】本発明による感圧接着剤組成物において用
いる紫外線架橋性アクリル酸エステルは、紫外線の照射
によつて架橋するオリゴマー又はモノマーとしてのアク
リル酸エステル又はメタクリル酸エステルをいい、分子
内に少なくとも2つのアクリロイル基又はメタクリロイ
ル基を有する。具体的には、かかるオリゴマーとして
は、例えばオリゴエステルアクリレート等を、また、モ
ノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多価アルコ
ールとアクリル酸のエステル、或いは1,6−ヘキサンジ
オールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレー
ト等の多価アルコールとメタクリル酸のエステル等を挙
げることができる。
【0012】本発明による感圧接着剤組成物は、前記弾
性重合体100重量部について、上記紫外線架橋性アク
リル酸エステルを15〜200重量部、好ましくは50
〜150重量部の範囲にて含有する。弾性重合体100
重量部について、上記紫外線架橋性アクリル酸エステル
が15重量部よりも少ないときは、得られる接着剤組成
物に紫外線を照射しても、その接着力が実質的に変化せ
ず、一方、200重量部を越えるときは、紫外線照射に
よつて、その接着力を低減させることはできるが、例え
ば、シリコンウエハーのダイシング後のダイスのピツク
アツプ時に、ダイスに接着剤が残留することがあり、好
ましくないからである。
【0013】本発明による感圧接着剤組成物は、好まし
くは、更に粘着付与剤を含有する。特に、用いる弾性重
合体が飽和共重合ポリエステル樹脂である場合は、この
粘着付与剤を併用することが好ましい。用い得る粘着付
与剤は特に制限されず、従来より一般に粘着剤の製造に
おいて用いられているものが適宜に用いられる。このよ
うな粘着付与剤として、例えば、キシレン樹脂、ロジン
や重合ロジン、水添ロジン、ロジンエステル等の変性ロ
ジン系樹脂、テルペン樹脂、テルペンフエノール樹脂、
ロジンフエノール樹脂等のテルペン系樹脂、脂肪族系、
芳香族系及び脂環式系石油樹脂、クマロン樹脂、スチレ
ン系樹脂、アルキルフエノール樹脂等を挙げることがで
きる。粘着付与剤は、飽和共重合ポリエステル樹脂10
0重量部について、通常、10〜200重量部の範囲で
用いられる。粘着付与剤の配合量が余りに少ないとき
は、接着力又は粘着力が不十分であり、他方、多すぎる
ときは、得られる接着剤組成物に紫外線を照射した後の
接着力の低下幅が小さく、また、かかる接着剤組成物を
ダイシングフイルムに適用した場合、シリコンウエハー
のダイシング後のダイスのピツクアツプ時に、ダイスに
粘着付与剤が残留することがあり、好ましくないからで
ある。
【0014】本発明による感圧接着剤組成物は、更に重
合開始剤又は光増感剤を含有し、必要に応じて重合禁止
剤を含有する。重合開始剤は、上記紫外線架橋性アクリ
ル酸エステルの紫外線照射による架橋を促進するために
用いられる。このような重合開始剤は、一般に、紫外線
架橋重合の技術分野においてよく知られており、本発明
においては、従来より一般に知られている重合開始剤を
用いることができる。かかる重合開始剤の具体例とし
て、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類
や、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾフエノン等の芳香族
オキシケトン類や芳香族ケトン類を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。
【0015】熱重合禁止剤は、上記紫外線架橋性アクリ
ル酸エステルが紫外線照射によらず、例えば、熱によつ
て重合することを防止するために、必要に応じて添加さ
れるもので、かかる重合禁止剤としても、従来より知ら
れている通常の重合禁止剤を用いることができる。この
ような重合禁止剤としては、例えば、ピクリン酸、フエ
ノール、ハイドロキノン、ハイドルキノンモノメチルエ
ーテル等を用いることができる。
【0016】上記重合開始剤及び重合禁止剤の配合量
は、紫外線架橋重合の技術分野において一般に使用され
ているところに従えばよく、例えば、重合開始剤は、前
記紫外線架橋性アクリル酸エステル100重量部につい
て1〜20重量部、重合禁止剤は必要に応じて0.1〜1
重量部の範囲で用いられる。
【0017】本発明による感圧接着剤組成物は、更に、
弾性重合体100重量部について、ポリイソシアネート
1〜100重量部を含有する。ポリイソシアネートの存
在によつて、感圧接着剤組成物は、これを含まない以外
は同一の組成を有する感圧接着剤組成物に比較して、紫
外線照射後の接着力の低下幅が大きい。明確な理由は未
だ明らかでなく、また、本発明は理由によつて何ら制約
を受けるものではないが、ポリイソシアネートと弾性重
合体の有する官能基、例えば、飽和共重合ポリエステル
樹脂の場合であれば、カルボキシル基又は水酸基、との
反応が、感圧接着剤組成物の紫外線照射後の大幅な接着
力の低下に寄与しているものとみられる。しかし、ポリ
イソシアネートの配合量が弾性重合体100重量部につ
いて、1重量部よりも少ないときは、紫外線照射後の接
着力の低下効果が十分でなく、他方、100重量部より
も多いときは、得られる感圧接着剤組成物の紫外線照射
前の接着力が経時的に低下する。特に好ましい配合量の
範囲は、弾性重合体100重量部について、3〜40重
量部である。
【0018】上記ポリイソシアネートとしては、特に限
定されるものではないが、本発明においては、ジイソシ
アネート及びトリイソシアネートが好適である。ジイソ
シアネートとしては、例えば、2,4−トルエンジイソシ
アネート、m−フエニレンジイソシアネート、m−キシ
リレンジイソシアネート、4,4'−ジフエニルジイソシア
ネート、4,4'−ジフエニルメタンジイソシアネート、1,
5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ジアニシジンジイソシアネートヘキサメチレ
ンジイソシアネート等を例示することができる。また、
トリイソシアネートも種々のものが市販されており、例
えば、住友化学工業(株)より「スミジユールL」とし
て市販されているトリメチロールプロパントルエンジイ
ソシアネートは、本発明において、ポリイソシアネート
として好適に用いることができるトリイソシアネートの
一例である。
【0019】また、ジイソシアネートとポリオールとを
ジイソシアネートの過剰量の存在下に反応させて得られ
る末端イソシアネートの所謂ウレタンプレポリマーもポ
リイソシアネートとして用いることができる。
【0020】本発明による感圧接着剤組成物は、上記し
た配合量にて弾性重合体、紫外線架橋性アクリル酸エス
テル、重合開始剤及びポリイソシアネートを、必要に応
じて粘着付与剤、重合禁止剤、充填剤、老化防止剤、着
色剤等と共に、これらを溶解する適宜の有機溶剤、例え
ば、芳香族炭化水素、ケトン類、又はこれらの混合物に
溶解させることによつて均一な溶液状組成物として得る
ことができる。溶剤としては、例えば、具体的にはトル
エンとメチルエチルケトンとの混合溶剤が好ましく用い
られるが、しかし、これに限定されるものではない。ま
た、接着剤組成物における弾性重合体の含有量は、用途
等に応じて適宜に選ばれるが、通常、10〜50重量%
の範囲である。しかし、これに限定されるものではな
い。
【0021】上記のような感圧接着剤組成物の調製方法
は、何ら制限されるものではないが、通常、弾性重合体
および粘着付与剤は溶液の形態にて市販されており、こ
れらを使用することが便利であるので、例えば、これら
の溶液を混合し、これに紫外線架橋性アクリル酸エステ
ル、重合開始剤及びポリイソシアネート、更に必要に応
じて重合禁止剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等を添加
混合し、溶解すればよい。更に、本発明による感圧接着
剤組成物は、必要に応じて、液状ポリアクリル酸エステ
ル、液状ポリブテン、鉱油、ラノリン等の可塑剤や、ま
た、充填剤、老化防止剤等を適宜に含有していてもよ
い。
【0022】本発明による感圧接着剤組成物は、その層
を紫外線を透過させ得る基材シート上に形成して感圧接
着性シートとして、有利に用いられる。例えば、上述し
たような溶液状組成物としての感圧性接着剤組成物を基
材シート上に塗布し、乾燥することによつて、そのよう
な感圧接着性シートを得ることができる。このような感
圧接着性シートは、特に、被着面に適用後に、必要に応
じて、その接着力を低減させ得る用途に有利に用いられ
る。
【0023】上記基材シートとしては、紫外線を透過し
得る限りは、特に制限されることなく、種々のシートを
用いることができるが、通常は、透明乃至半透明の合成
樹脂シートが用いられる。例えば、塩化ビニル樹脂、塩
化ビニル−塩化ビニリデン共重合体樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオ
レフイン、アセチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート等か
らなる樹脂シートが好適に用いられる。
【0024】上記した種々の基材樹脂シートのなかで
も、可塑剤を含有するポリ塩化ビニル又は塩化ビニルの
共重合体からなる樹脂シートは、柔軟であり、更に、廉
価でもあるので、本発明において特に好適に用いること
ができる。また、塩化ビニル樹脂シート以外にも、可塑
剤を含有する基材シートとして、好適に用い得るものも
ある。例えば、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル
−アクリル酸エステル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン、アセチルセルロース等を挙げることができる。
【0025】ここに、可塑剤としては、特に制限される
ものではないが、例えば、ジブチルフタレート、ジオク
チルフタレート、ジデシルフタレート、ジトリデシルフ
タレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸ジエ
ステル、トリクレジルホスフエート、トリオクチルホス
フエート、トリフエニルホスフエート、2−エチルヘキ
シルジフエニルホスフエート、クレジルジフエニルホス
フエート等のリン酸エステル、ジオクチルアジペート、
ジオクチルセバケート、ジオクチルアゼレート、アセチ
ルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル等の脂肪酸ジエス
テル、ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバ
ケート等のポリエステル系可塑剤、エポキシ化大豆油等
のエポキシ系可塑剤、塩素化パラフイン、塩素化脂肪酸
エステル等の塩素系可塑剤等を挙げることができる。
【0026】しかしながら、このように、感圧接着性シ
ートの基材シートとして、可塑剤を含有する樹脂シート
を用いる場合は、この樹脂シートから可塑剤が感圧接着
剤組成物中に移行し、また、通常、可塑剤と紫外線架橋
性アクリル酸エステルとは相溶性がよいために、感圧接
着剤組成物に含まれる紫外線架橋性アクリル酸エステル
が樹脂シート中に移行し、このような相互移行によつ
て、感圧接着性シートの紫外線照射後の接着力の低減効
果が著しく減少する場合がある。
【0027】従つて、感圧接着性シートの基材シートと
して、可塑剤を含有する樹脂シートを用いる場合は、こ
の基材シートと感圧接着性シートとの間に可塑剤及び紫
外線架橋性アクリル酸エステルを透過させない樹脂層か
らなるバリヤー層を介在させることが好ましい。但し、
このバリヤー層は、紫外線の透過を妨げるものであつて
はならない。
【0028】即ち、このバリヤー層は、紫外線の透過は
何ら妨げないが、基材樹脂シートに含まれている可塑剤
が感圧接着剤組成物中に移行するのを阻止すると共に、
感圧接着剤組成物に含まれている紫外線架橋性アクリル
酸エステルが基材樹脂シートに移行するのを阻止し、こ
のようにして、基材樹脂シートに含まれている可塑剤を
この基材中に保持し、感圧接着剤組成物に含まれている
紫外線架橋性アクリル酸エステルを接着剤組成物中に保
持して、感圧接着性シートの紫外線照射による接着力の
経時的な低下を防止する。
【0029】前記バリヤー層としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリ−α−オレフイン、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレートの
フイルムや、樹脂塗膜、例えば、変性ポリアクリル樹脂
等の樹脂塗膜層が好適に用いられる。従つて、バリヤー
層は、基材樹脂シート上に前記例示した樹脂からなるフ
イルムを圧着し、又はこの樹脂の溶融液を塗布して冷却
し、若しくは上記樹脂の溶液を塗布し、乾燥することに
よつて、形成することができる。また、例えば、変性ポ
リアクリル樹脂溶液を塗布し、必要に応じて加熱乾燥さ
せて、塗膜を形成させることによつても、バリヤー層を
得ることができる。
【0030】上記変性ポリアクリル樹脂としては、従
来、種々のものが知られているが、一般に、耐溶剤性に
すぐれ、従つて、紫外線架橋性アクリル酸エステルや基
材樹脂シートに含まれる可塑剤に溶解、膨潤しないアル
キド変性ポリアクリル樹脂や、熱硬化型ポリアクリル樹
脂が好適である。熱硬化ポリアクリル樹脂としては、例
えば、酸型、水酸基型、エポキシ型、アミド型等が好適
に用いられる。
【0031】しかし、このバリヤー層は、前述したよう
に、感圧接着剤組成物に含まれる紫外線架橋性アクリル
酸エステル及び基材樹脂シートに含まれる可塑剤を実質
的に透過させない限りは、特に、その素材において制限
されるものではないことは容易に理解されるところであ
つて、個々の具体的な紫外線架橋性アクリル酸エステル
及び可塑剤に応じて選択される。
【0032】本発明による感圧接着剤組成物への紫外線
の照射手段及び照射方法は特に制限されず、紫外線硬化
性樹脂塗料や紫外線硬化性接着剤の技術分野において、
従来より通常に行なわれている手段及び方法によること
ができる。例えば、照射手段として、キセノンランプ、
低圧、中圧、高圧或いは超高圧水銀灯灯のような紫外線
源を使用し、数秒乃至数分、照射すればよい。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明による感圧接着剤
組成物は、弾性重合体と、これに対してそれぞれ所定量
の紫外線架橋性アクリル酸エステルとポリイソシアネー
トとを主成分とし、これらを重合開始剤と共に含有して
なり、その理由は必ずしも明らかではないが、紫外線の
照射によつてその接着力を著しく低減させることができ
る。
【0034】従つて、このような感圧接着剤組成物の層
を紫外線を透過させ得る適宜の基材シート上に形成し、
感圧接着性シートとすれば、これを被着面に適用した
後、上記基材シート側から紫外線を照射することによつ
て、この感圧接着性シートを被着面から容易に剥離する
ことができる。従つて、このような感圧接着性シート
は、例えば、前述したように、シリコンウエハーのダイ
シング用フイルムとして好適に用いることができる。
【0035】
【実施例】以下に、実施例を示すが、本発明はこの実施
例に限定されるものではない。また、実施例中、部とあ
るのは重量部を示す。
【0036】実施例1 離型紙上に表1に示す配合の感圧接着剤を塗布し、12
0℃で1分間乾燥し、感圧接着剤の層を固形分として1
0μm厚みに形成した。ここに、飽和共重合ポリエステ
ル樹脂としては、テレフタル酸/セバシン酸モル比70
/30の飽和2価カルボン酸混合物とエチレングリコー
ルとを等モルにて重縮合させて得られるガラス転移点約
10℃の樹脂を用いた。次に、平均重合度1300のポ
リ塩化ビニル100部、可塑剤としてジオクチルフタレ
ート又はポリエステル系可塑剤35部及び適宜量の安定
剤からなる塩化ビニル樹脂組成物から成形した厚み0.1
mmのシート上に、変性アクリル樹脂溶液を塗布し、乾燥
して、バリヤー層を形成した。この後、この基材樹脂シ
ートのバリヤー層の表面に上記感圧接着剤層を重ねて貼
り合わせて、感圧接着性シートを得た。また、比較のた
めに、ポリイソシアネートを含有しない感圧接着剤組成
物を調製し(比較例1及び2)、同様にして、感圧接着
性シートを得た。
【0037】このようにして得たそれぞれの感圧接着性
シートを所定の温度で所定の時間放置した後、離型紙を
剥離して、そのままにて接着力を測定し、また、別に塩
化ビニル樹脂シート側から主波長365mμ、120W
/cmにて紫外線を7秒間照射した後、接着力を測定し
た。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】本発明による感圧接着剤組成物を用いる感
圧接着性シートによれば、長期間後も紫外線照射による
接着力の低下が顕著であり、適当な配合設計によつて、
当初数百g/25mmの接着力を有せしめ、紫外線照射後
は数十g/25mm程度にまで接着力を減少させることが
できるので、前述したように、シリコンウエハーのダイ
シングに好適に用いることができる。しかし、比較例1
及び2の感圧接着性シートによれば、紫外線照射前の接
着力に比較して、紫外線照射後のそれの低減幅が小さ
い。
【0040】尚、接着力の測定方法は次のとおりであ
る。即ち、感圧接着性シートを幅25mm、長さ100mm
に裁断して試験片とし、これを被着体としてのステンレ
ス板上に重ね、3kgローラにて5回往復して押圧した
後、シヨツパーにて引張速度300mm/分にて180°
剥離試験を行なつた。
【0041】実施例2 弾性重合体としてポリアクリル酸エステル又はアクリル
酸エステルの共重合体を含むアクリル系粘着剤溶液(三
洋化成工業(株)製ポリシツク610SA、ポリアクリ
ル酸エステル又はアクリル酸エステル共重合体含有量4
0重量%)100重量部に表2に示す量にてジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート及びベンゾインイソプ
ロピルエーテルを溶解し、更に、実施例1において用い
たのと同じポリイソシアネートを添加混合して、感圧接
着剤組成物を調製した。
【0042】この感圧接着剤組成物を離型紙上に塗布
し、120℃で1分間乾燥し、感圧接着剤の層を固形分
として10μm厚みに形成した。次に、実施例1におけ
ると同じ厚み0.1mmのシート上に、実施例1と同じ変性
アクリル樹脂溶液を塗布し、乾燥して、バリヤー層を形
成した後、この基材樹脂シートのバリヤー層の表面に上
記感圧接着剤層を重ねて貼り合わせて、本発明による感
圧接着剤組成物を用いる感圧接着性シートを得た。この
ようにして得た感圧接着性シートについて、実施例1と
同様にして、紫外線照射後の接着力を測定した。結果を
表2に示す。
【0043】
【表2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性重合体100重量部に対して、紫外線
    架橋性アクリル酸エステル15〜200重量部とポリイ
    ソシアネート1〜100重量部とを重合開始剤と共に含
    有することを特徴とする紫外線照射によつて接着力を低
    減し得る感圧接着剤組成物。
  2. 【請求項2】弾性重合体が飽和共重合ポリエステル樹脂
    であることを特徴とする請求項1記載の感圧接着剤組成
    物。
  3. 【請求項3】弾性重合体がポリアクリル酸エステル又は
    アクリル酸エステルの共重合体であることを特徴とする
    請求項1記載の感圧接着剤組成物。
  4. 【請求項4】感圧接着剤が粘着付与剤を含有することを
    特徴とする請求項1記載の感圧接着剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009221249A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 剥離性粘着剤、剥離性粘着シート、剥離性粘着シートの剥離方法

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