JP2009219236A - 小型モータ及びブラシアームの製造方法 - Google Patents

小型モータ及びブラシアームの製造方法

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JP2009219236A JP2008059841A JP2008059841A JP2009219236A JP 2009219236 A JP2009219236 A JP 2009219236A JP 2008059841 A JP2008059841 A JP 2008059841A JP 2008059841 A JP2008059841 A JP 2008059841A JP 2009219236 A JP2009219236 A JP 2009219236A
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Akihisa Matsushita
晃久 松下
Tokio Inoue
時雄 井上
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Abstract

【課題】グリース等の基油のブラシや整流子への付着を低減することにより、ブラシの摩耗を低減する小型モータ及びブラシアームの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】永久磁石を内周面に取り付けた金属製の有底中空筒状のケースと、該ケースの開口部を閉じるように嵌着される金属製のケース蓋と、前記ケースと前記ケース蓋とにそれぞれ設けられた軸受けによって回転可能に支持されるシャフト、該シャフト上に取り付けられる積層コア、該積層コアに巻いた巻線及び整流子により構成される回転子と、前記整流子に摺接するブラシと、前記ブラシを支持するブラシアームと、を有する小型モータであって、前記ブラシアームの両側面には、当該ブラシアームを内包するように所定の多孔質材料が結合して取り付けられることを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、小型モータ及びブラシアームの製造方法に関する。
従来、自動車等の車両や各種装置における駆動源として様々なシステムを作動させる減速機付きモータ等の種々の小型モータが知られている。
このような小型モータでは、その寿命拡大等を目的に各種発明がなされてきた。
例えば特許文献1には、ケーシング内部の整流子とブラシとの摺動部の接触抵抗を低減してモータ性能を安定化させるとともに、摺動部の摩耗を抑制してモータ寿命を延ばす小型モータに係る技術が開示されている。また、特許文献2及び3には、整流子の摺動面に発生する異常摩耗やポリマーを防止し、安定した性能を発揮し得る小型モータに係る技術が開示されている。
さらに、特許文献4には、モータブラシで生じる振動を従来以上に低減することで、モータノイズを効果的に低減することができる構成を備えたモータブラシの制振部材に係る技術が開示されている。特許文献5には、モータの小型化・極小径及び小尺化に対し必要不可欠な重要部品として、潤滑油切れを起こさない焼結含油軸受の構造を提供し、軸受の長期間にわたる摩耗を最小限に抑え、小型モータの寿命拡大を実現する技術が開示されている。
特開平09−107660号公報 特開平07−39125号公報 特開平06−78500号公報 特開2006−174666号公報 特開2000−139055号公報
ところで、従来の減速機付きモータでは、モータの出力軸(シャフト)と減速機ギヤ部が構造上近い場合、ギヤの劣化を防ぐためのグリース等の基油がモータ内部へ浸入し、ブラシや整流子(コンミテータ)に付着してブラシの摩耗を促進させる状況が起こってしまうという問題があった。
このような状況は、当該モータが自動車等の車両において用いられる場合には、当該モータの出力軸が車両横向きである横置き姿勢や車両上向きである縦置き姿勢の場合に発生する。
本発明は、上記の点に鑑みて、この問題を解消するために発明されたものであり、グリース等の基油のブラシや整流子への付着を低減することにより、ブラシの摩耗を低減する小型モータ及びブラシアームの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明における小型モータは、永久磁石を内周面に取り付けた金属製の有底中空筒状のケースと、該ケースの開口部を閉じるように嵌着される金属製のケース蓋と、前記ケースと前記ケース蓋とにそれぞれ設けられた軸受けによって回転可能に支持されるシャフト、該シャフト上に取り付けられる積層コア、該積層コアに巻いた巻線及び整流子により構成される回転子と、前記整流子に摺接するブラシと、前記ブラシを支持するブラシアームと、を有する小型モータであって、前記ブラシアームの両側面には、当該ブラシアームを内包するように所定の多孔質材料が結合して取り付けられるように構成することができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明における前記ブラシアームは、前記所定の多孔質材料との結合のためのバーリング加工が施された結合用開口部を少なくとも一つ有する形状であり、前記所定の多孔質材料は、前記ブラシアームの一方の側面に取り付けられる前記ブラシアームと略同一の第一の形状と、前記第一の形状と一体化された第二の形状であって当該第二の形状が前記第一の形状との境界において折曲されることにより前記ブラシアームの他の側面に取り付けられる第二の形状と、を含む形状であり、前記ブラシアームは、前記結合用開口部に該結合用開口部に対応して前記第二の形状に設けられた開口部を嵌め込み後、前記結合用開口部において前記所定の多孔質材料をかしめ固定することにより前記所定の多孔質材料が結合して取り付けられる構造であるように構成することができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明における前記所定の多孔質材料は、フェルト材であるように構成することができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明におけるブラシアームの製造方法は、所定の多孔質材料との結合のためのバーリング加工が施された結合用開口部を少なくとも一つ有する形状のブラシアームと、前記ブラシアームの一方の側面に取り付けられる前記ブラシアームと略同一の第一の形状と前記第一の形状と一体化された第二の形状であって当該第二の形状が前記第一の形状との境界において折曲されることにより前記ブラシアームの他の側面に取り付けられる第二の形状とを含む形状の所定の多孔質材料と、を用いたブラシアームの製造方法であって、前記ブラシアームの結合用開口部に該結合用開口部に対応して前記所定の多孔質材料の前記第二の形状に設けられた開口部を嵌め込み後、前記結合用開口部において前記所定の多孔質材料をかしめ固定する工程を有するように構成することができる。
本発明によれば、グリース等の基油のブラシや整流子への付着を低減することにより、ブラシの摩耗を低減する小型モータ及びブラシアームの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき説明する。
[実施の形態]
(小型モータの構造)
図1は、本実施形態における小型モータの構造を説明するための断面図である。図1において、小型モータ1は、ヨーク11、エンドフレーム12、マグネット13、シャフト14、アーマチャ15、コンミテータ16、ブラシ17、ブラシホルダ18、多孔質材料19等を有する構成である。このような小型モータ1は、自動車等の車両においてはパワーウインド等の各種装置における駆動源として配設される。
ヨーク11は、後述のマグネット13を内周面に取り付けた金属製の有底中空筒状のケースである。エンドフレーム12は、ヨーク11の開口部を閉じるように嵌着される金属製のケース蓋である。
マグネット13は、ヨーク11の内周面に取り付けられる永久磁石であり、当該小型モータ1内部で基本磁界(界磁磁束)を生成するために配設されている。シャフト14は、ヨーク11とエンドフレーム12とにそれぞれ設けられた軸受けによって回転可能に支持される回転軸である。
アーマチャ15は、シャフト14と、シャフト14上に取り付けられる積層コア(積層鉄心)、該積層コアに巻いた巻線(電機子コイル)及び後述のコンミテータ(整流子)16により構成される回転子である。コンミテータ16は、アーマチャ15の構成要素でもあり、後述するブラシ17と摺接(接触)して整流を行う整流子である。
ブラシ17は、コンミテータ16に摺接して、電流を取り出し或いは供給するものである。黒鉛等が材料として用いられる。ブラシホルダ18は、ブラシ17の振動をエンドフレーム12等に伝えないようにするために設けられる樹脂等で成型されたブラシの支持部品である。具体的には、ブラシ17を支持する非図示のブラシアーム及びブラシアームに接続される電気入力端子(ターミナル)を支持する(このようなブラシホルダ18の詳細例については、後述の「ブラシホルダの構造」において説明する)。
多孔質材料19は、脱脂綿、フェルト材、スポンジのような内部に無数の微小な空孔をもつ材料である。本実施形態によれば、この多孔質材料19がブラシホルダ18の内部に設けられることにより、以下に掲げる利点を奏する。その利点とは、グリース等の基油が当該小型モータ1の内部へ浸入、或いは、もとから当該小型モータ1の内部にグリース等の基油が存在する場合であっても、基油が多孔質材料19により吸収されることによりブラシ17及びコンミテータ16に付着することを防ぎ、その結果、当該小型モータ1の接触抵抗・アーク摩耗を低減し、また、ブラシ17の摩耗を低減させることができることである。なお、本実施形態では、多孔質材料19の一例としてフェルト材(以降、「フェルト材19」とする)を用いて以降の説明を行う。
(ブラシホルダの構造)
図2は、本実施形態におけるブラシホルダの構造を説明するための図である。図2では、図1のブラシホルダ18をシャフト14の軸方向から見た構造を示している。ここでは、図1のブラシホルダ18についてより詳細に説明を行う。
図2において、ブラシホルダ18は、前述のブラシ17、ブラシ17を支持するブラシアーム20、ブラシアーム20の両側面に当該ブラシアーム20を内包するように結合して取り付けられるフェルト材19、ブラシアーム20に接続される電気入力端子であるターミナル21を備えた構成である。また、図2では、グリース等の基油が当該小型モータ1の内部へ浸入した場合の浸入経路の一例について矢印を用いて図示している。
図2を参照すると、矢印のようにグリース等の基油が当該小型モータ1の内部へ浸入した場合であっても、この基油はブラシアーム20の両側面に取り付けられたフェルト材19により吸収される。その結果、ブラシ17及びブラシ17に摺接するコンミテータ16(非図示)に対する基油の付着を防ぐことができるようになる。そのため、当該小型モータ1の接触抵抗・アーク摩耗を低減し、又、ブラシ17の摩耗を低減させることができる。
このようなブラシアーム20及びブラシアーム20に取り付けられるフェルト材19のより詳細な構造について具体的に後述する。
(ブラシアームの構造)
図3は、本実施形態におけるブラシアームの構造を説明するための図である。図3では、フェルト材19が取り付けられる前のブラシアーム20の構造を示している。
ここでのブラシアーム20は、平面型の直方体形状であり、ブラシ17との結合のための開口部CC(図3では断面CC上の開口部)と、フェルト材19との結合のための結合用開口部AA、BB(図3では断面AA上及びBB上の2つの開口部)を少なくとも一つ有している構造である。なお、フェルト材19との結合のための結合用開口部AA、BBはバーリング加工が施されている。
(フェルト材の構造)
図4は、本実施形態におけるフェルト材の構造を説明するための図である。図4では、ブラシアーム20に取り付けられる前のフェルト材19の構造を示している。
ここでのフェルト材19は、図4に示されるように第一の形状と第二の形状とを含む構造である。第一の形状及び第二の形状について詳細に後述する。
第一の形状とは、ブラシアーム20の一方の側面(図3に示すブラシアーム20の奥行き方向の面(下面))に取り付けられるブラシアーム20と略同一の形状である。また、第一の形状にはブラシ17を通すための開口部Cが図3の開口部CCに対応して設けられている。
第二の形状とは、第一の形状と一体化される形状であって当該第二の形状が第一の形状との境界(図4の破線部)において折曲されることにより、ブラシアーム20の他の側面(図3に示すブラシアーム20の手前方向の面(上面))に取り付けられる形状である。また、第二の形状には、ブラシアーム20との結合のための開口部A、Bがそれぞれ図3の結合用開口部AA、BBに対応して設けられている。
以上、図3及び図4を用いてブラシアーム20及びブラシアーム20に取り付けられるフェルト材19の詳細な構造について説明を行ってきたが、各々の形状及び各々が有する開口部の数量、形状等は、上記の場合に限らないものとする。
(ブラシアームの製造例)
続いて、以上説明を行ってきたブラシアーム20及びフェルト材19を用いて本実施形態におけるブラシアーム20の構造を製造するための各工程について、図面を参照しながら説明する。
まず、図3に示されるブラシアーム20の一方の側面(下面)に図4に示されるフェルト材19が置かれるように配置される。このとき、ブラシアーム20の開口部CCとフェルト材の開口部Cとが重なる位置関係になる。
次に、図4のフェルト材19の第二の形状が第一の形状との境界(図4の破線部)において折曲される。そうすると、第二の形状は、ブラシアーム20の他方の側面(上面)に被される。このとき、ブラシアーム20の結合用開口部AA、BBと第二の形状に設けられた開口部A、Bとがそれぞれ重なる位置関係になる。
続いて、ブラシアーム20の結合用開口部AA、BBに、それぞれ対応するフェルト材19の開口部A、Bを嵌め込む(図5(a)参照)。嵌め込み後、ブラシアーム20の結合用開口部AA、BBにおいてフェルト材19をかしめ固定する(図5(b)参照)。
同様に、図3における開口部CCについてもバーリング加工を施しておき、バーリング加工が施された開口部CCに、対応するフェルト材19の開口部Cを嵌め込み後、開口部CCにおいてフェルト材19をかしめ固定するように構成することもできる(図5(c)参照)。
以上に示される工程を経ることにより、フェルト材19は、ブラシアーム20の両側面に、当該ブラシアーム20を内包するように結合して取り付けられる(図5(d)及び図6参照)。
これにより、グリース等の基油がブラシアーム20の両側面から浸入した場合であってもブラシ17に付着することを遮断することができる。なお、前述の「フェルト材の構造」において、第一の形状はブラシアーム20と略同一の形状であるようにすると説明を行ったが、このようにフェルト材19をブラシアーム20と近い形状にすることによりフェルト材19の体積を大きくしてグリース等の基油の吸収量を大きくすることができる。
また、本実施形態におけるブラシアーム20とフェルト材19とは、ブラシアーム20に設けられる結合用開口部AA、BB、CCにバーリング加工を施し、当該開口部AA、BB、CCにおいてかしめ固定するだけなので、組み付け性が良いという別の利点も奏する。さらに、フェルト材19が緩衝材としての役割を果たすため、当該小型モータ1の作動音を低減することができるという別の利点も奏する。
以上、実施の形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態にあげたその他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
本実施形態における小型モータの構造を説明するための断面図である。 本実施形態におけるブラシホルダの構造を説明するための図である。 本実施形態におけるブラシアームの構造を説明するための図である。 本実施形態におけるフェルト材の構造を説明するための図である。 本実施形態におけるブラシアームの組立について説明するための図である。 本実施形態における成形後のブラシアームの構造を説明するための図である。
符号の説明
1 小型モータ
11 ヨーク
12 エンドフレーム
13 マグネット
14 シャフト
15 アーマチャ
16 コンミテータ
17 ブラシ
18 ブラシホルダ
19 多孔質材料(フェルト材)
20 ブラシアーム
21 ターミナル

Claims (4)

  1. 永久磁石を内周面に取り付けた金属製の有底中空筒状のケースと、
    該ケースの開口部を閉じるように嵌着される金属製のケース蓋と、
    前記ケースと前記ケース蓋とにそれぞれ設けられた軸受けによって回転可能に支持されるシャフト、該シャフト上に取り付けられる積層コア、該積層コアに巻いた巻線及び整流子により構成される回転子と、前記整流子に摺接するブラシと、前記ブラシを支持するブラシアームと、を有する小型モータであって、
    前記ブラシアームの両側面には、当該ブラシアームを内包するように所定の多孔質材料が結合して取り付けられることを特徴とする小型モータ。
  2. 前記ブラシアームは、前記所定の多孔質材料との結合のためのバーリング加工が施された結合用開口部を少なくとも一つ有する形状であり、
    前記所定の多孔質材料は、前記ブラシアームの一方の側面に取り付けられる前記ブラシアームと略同一の第一の形状と、前記第一の形状と一体化された第二の形状であって当該第二の形状が前記第一の形状との境界において折曲されることにより前記ブラシアームの他の側面に取り付けられる第二の形状と、を含む形状であり、
    前記ブラシアームは、前記結合用開口部に該結合用開口部に対応して前記第二の形状に設けられた開口部を嵌め込み後、前記結合用開口部において前記所定の多孔質材料をかしめ固定することにより前記所定の多孔質材料が結合して取り付けられる構造であることを特徴とする請求項1に記載の小型モータ。
  3. 前記所定の多孔質材料は、フェルト材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の小型モータ。
  4. 所定の多孔質材料との結合のためのバーリング加工が施された結合用開口部を少なくとも一つ有する形状のブラシアームと、前記ブラシアームの一方の側面に取り付けられる前記ブラシアームと略同一の第一の形状と前記第一の形状と一体化された第二の形状であって当該第二の形状が前記第一の形状との境界において折曲されることにより前記ブラシアームの他の側面に取り付けられる第二の形状とを含む形状の所定の多孔質材料と、を用いたブラシアームの製造方法であって、
    前記ブラシアームの結合用開口部に該結合用開口部に対応して前記所定の多孔質材料の前記第二の形状に設けられた開口部を嵌め込み後、前記結合用開口部において前記所定の多孔質材料をかしめ固定する工程を有することを特徴とするブラシアームの製造方法。
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