JP2009218402A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】IPA液などの低表面張力液体および時間の無駄を生じることなく、基板の表面から純水を良好に除去することができる、基板処理装置および基板処理方法を提供する
【解決手段】純水ノズル3によって、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面に純水を供給することができる。一方、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面には、IPAノズル4によって、純水よりも表面張力の低いIPA液を供給することができる。このIPA液の供給時には、測定装置5によって、ウエハWの表面上の液中における水分濃度が検出される。そして、この水分濃度に基づいて、制御部21により、IPA液の供給が終了されるべきであるか否かが判定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板に対するリンス処理および乾燥処理のための基板処理装置および基板処理方法に関する。基板には、たとえば、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等が含まれる。
たとえば、半導体装置の製造工程では、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)の表面に対して処理液を用いた処理が行われる。この処理液を用いた処理の後には、ウエハの表面に付着している処理液を純水で洗い流すリンス処理が行われる。そして、リンス処理後には、ウエハの表面を乾燥させる乾燥処理が行われる。乾燥処理では、リンス処理後のウエハが高速回転されることにより、ウエハに付着している純水が振り切られて除去(乾燥)される。
ところが、この乾燥処理の手法では、ウエハの表面に形成されている微細なトレンチや微細なパターン間に入り込んだ純水が振り切られず、そのトレンチやパターン間の底部に純水が残留するおそれがある。純水の残留は、乾燥処理後のウエハの表面にウォータマーク(純水の乾燥跡)やパターン倒壊などの欠陥を生じる原因となる。
そのため、従来の基板処理装置の中には、リンス処理後のウエハの表面に付着している純水をIPA(イソプロピルアルコール)液と置換することにより、その純水をウエハの表面から除去する手法(IPA乾燥法)を採用したものがある。この基板処理装置では、リンス処理後のウエハの表面にIPA液が供給される。IPA液の供給は、予め定める時間にわたって続けられる。この間に、ウエハの表面に付着している純水がIPA液に置換される。その後、ウエハが高速回転され、ウエハからIPA液が振り切られて除去されることにより、乾燥処理が達成される。
特開平9−38595号公報
IPA液の供給時間は、所定のパターンが形成されたダミーウエハ(半導体装置の製造に用いられない試験用のウエハ)に対するリンス処理および乾燥処理の試行により設定される。すなわち、複数枚のダミーウエハが用意され、各ダミーウエハに対し、一連のリンス処理および乾燥処理がIPA液の供給時間を異ならせて行われる。そして、乾燥処理後のダミーウエハの表面における欠陥の有無が調べられ、この結果に基づいて、IPA液の供給時間がダミーウエハの表面に欠陥が発生しないような時間に設定される。
しかしながら、ウエハの表面に形成されるパターンは一定ではない。そのため、IPA液の供給時間がダミーウエハの表面に欠陥が発生しないような時間に設定されても、そのIPA液の供給時間は、半導体装置の製造に用いられる実際のウエハに対して、必ずしも適当な時間ではない場合がある。たとえば、ウエハの表面に形成されたパターンが、ダミーウエハの表面に形成されたパターンよりも複雑である場合には、純水とIPA液との置換が十分に行われず、ウエハの表面に形成されたパターン間などに純水が残留するおそれがある。一方、ウエハの表面に形成されたパターンが、ダミーウエハの表面に形成されたパターンよりも単純である場合には、ウエハの表面上の純水がIPA液により完全に置換された後もウエハの表面へのIPA液の供給が継続されることによるIPA液および時間の無駄が生じる。
そこで、本発明の目的は、IPA液などの低表面張力液体および時間の無駄を生じることなく、基板の表面から純水を良好に除去することができる、基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板を保持する基板保持手段と、前記基板保持手段に保持された基板の表面に純水を供給するための純水供給手段と、前記基板保持手段に保持された基板の表面に純水よりも表面張力の低い低表面張力液体を供給し、当該表面に付着している純水を低表面張力液体で置換して除去するための低表面張力液体供給手段と、前記基板の前記表面上の液中における水分濃度を検出する水分濃度検出手段と、前記低表面張力液体供給手段による低表面張力液体の供給時に、前記水分濃度検出手段により検出された水分濃度に基づいて、前記低表面張力液体供給手段による低表面張力液体の供給が終了されるべきであるか否かを判定する判定手段とを含む、基板処理装置である。
この構成によれば、純水供給手段によって、基板保持手段に保持された基板の表面に純水を供給することができる。たとえば、基板の表面に薬液が付着している場合には、純水の供給により、基板の表面から薬液を洗い流すことができる。一方、基板保持手段に保持された基板の表面には、低表面張力液体供給手段によって、純水よりも表面張力の低い低表面張力液体を供給することができる。純水供給後の基板の表面に低表面張力液体を供給することにより、基板の表面に付着している純水を、低表面張力液体に置換して、基板の表面から除去することができる。この低表面張力液体の供給時には、水分濃度検出手段によって、基板の表面上の液中における水分濃度が検出される。そして、この水分濃度に基づいて、判定手段により、低表面張力液体の供給が終了されるべきであるか否かが判定される。
たとえば、基板の表面上の液中における水分濃度が所定濃度(零を含む。)以下になれば、基板の表面に付着している純水と低表面張力液体との置換が完了したとみなして、基板の表面への低表面張力液体の供給を終了することができる。これにより、基板の表面に対して純水の置換に必要十分な量の低表面張力液体を供給することができる。言い換えれば、基板の表面から純水を除去するために、基板の表面に低表面張力液体を過不足なく供給することができる。そのため、基板の表面に形成されたパターンの構造にかかわらず、低表面張力液体および時間の無駄を生じることなく、基板の表面から純水を良好に除去することができる。
また、請求項2に記載の発明は、前記水分濃度検出手段は、前記基板の前記表面上の前記液に向けて光を照射する発光部と、前記液中を通過した光を受光する受光部と、前記受光部に受光された光に基づいて、前記基板の前記表面上の前記液中における水分濃度を検出する検出部とを含む、請求項1に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、発光部からの光が基板の表面上の液に照射され、液中を通過した光が受光部により受光される。そして、受光部により受光した光に基づいて、液中における水分濃度が検出される。
また、請求項3に記載の発明は、前記基板を回転させるための回転手段をさらに含み、前記低表面張力液体供給手段は、前記基板の表面の中央部に前記低表面張力液体を供給するためのノズルを含み、前記発光部は、前記基板の周縁部に向けて光を照射する、請求項2に記載の基板処理装置である。
基板の表面の中央部に供給された低表面張力液体は、基板の回転による遠心力を受けて、基板の表面上を中央部から周縁部に向けて流れる。そのため、基板の表面上での純水と低表面張力液体との置換は、基板の表面の中央部から進行する。したがって、基板の周縁部上の液中における水分濃度が所定濃度以下になれば、基板の中央部上の液中における水分濃度も所定濃度以下になっているとみなすことができる。よって、発光部からの光が基板の周縁部上の液に照射され、その液中における水分濃度が検出されることにより、低表面張力液体の供給が終了されるべきであるか否かを適切に判定することができる。
また、請求項4に記載の発明は、前記水分濃度測定手段は、前記基板の前記表面に近接して配置され、前記光照射手段から前記基板に向けて照射された光を透過させ、当該光を当該基板との間で多重反射させた後、当該光を透過させて前記受光手段に受光させる多重反射部材を含む、請求項2または3に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、多重反射部材が、基板の表面に近接して配置される。そして、発光部からの光は、多重反射部材を透過し、基板と多重反射部材との間で多重反射(2回以上の反射をいう。)された後、多重反射部材を透過して、受光部に受光される。これにより、基板の表面上の液中を光が複数回通過し、その光に含まれる特定波長の光を液中の水分(または低表面張力液体)により良好に減衰させることができる。その結果、受光部に受光された光に基づいて、基板の表面上の液中における水分濃度を精度よく検出することができる。
請求項5に記載の発明は、基板の表面に純水を供給する純水供給工程と、前記純水供給工程後、前記基板の前記表面に前記純水よりも表面張力の低い低表面張力液体を供給する低表面張力液体供給工程と、前記低表面張力液体供給工程と並行して、前記基板の前記表面上の液成分中における水分濃度を測定する水分濃度測定手段により測定された水分濃度に基づいて当該低表面張力液体供給工程の終点を判断する終点判断工程とを含む、基板処理方法である。
この方法によれば、請求項1に関連して述べた効果と同様の効果を得ることができる。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す断面図である。
基板処理装置1は、基板の一例としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wを1枚ずつ処理する枚葉型の装置である。基板処理装置1は、ウエハWをほぼ水平に保持するスピンチャック2と、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面に純水を供給するための純水ノズル3と、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面に低表面張力液体の一例としてのIPA(イソプロピルアルコール)液を供給するためのIPAノズル4と、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面に薬液を供給するための薬液ノズル27と、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面上の液中における水分濃度を測定するための測定装置5とを備えている。
スピンチャック2は、ほぼ鉛直に延びるスピン軸6の上端に、円板状のスピンベース7がほぼ水平に取り付けられた構成を有している。スピンベース7の上面には、複数個の挟持部材8がスピン軸6の中心軸線を中心とする円周にほぼ等間隔で配置されている。複数個の挟持部材8は、ウエハWの端面を互いに異なる複数の位置で挟持することにより、そのウエハWをほぼ水平な姿勢で保持することができる。
スピン軸6には、モータ9が結合されている。モータ9が発生する回転力により、スピン軸6をその中心軸線まわりに回転させることができる。そして、複数の挟持部材8によってウエハWを保持した状態で、スピン軸6を回転させることにより、ウエハWをスピンベース7とともに回転させることができる。
なお、スピンチャック2としては、このような構成のものに限らず、たとえば、ウエハWの裏面(非デバイス面)を真空吸着することにより、ウエハWを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な軸線まわりに回転することにより、その保持したウエハWを回転させることができる真空吸着式のバキュームチャックが採用されてもよい。
純水ノズル3は、スピンチャック2の上方で、吐出口をウエハWの回転中心付近に向けて配置されている。この純水ノズル3には、純水供給管10が接続されている。純水供給管10の途中部には、純水バルブ11が介装されている。純水バルブ11が開かれると、純水供給管10から純水ノズル3に純水が供給され、純水ノズル3からウエハWの表面の回転中心付近(中央部)に向けて純水が吐出される。
IPAノズル4は、スピンチャック2の上方で、吐出口をウエハWの回転中心に向けて配置されている。このIPAノズル4には、IPA供給管12が接続されている。IPA供給管12の途中部には、IPAバルブ13が介装されている。IPAバルブ13が開かれると、IPA供給管12からIPAノズル4にIPA液が供給され、IPAノズル4からウエハWの表面の回転中心付近(中央部)に向けてIPA液が吐出される。
薬液ノズル27は、スピンチャック2の上方で、吐出口をウエハWの回転中心付近に向けて配置されている。この薬液ノズル27には、薬液供給管28が接続されている。薬液供給管28の途中部には、薬液バルブ29が介装されている。薬液バルブ29が開かれると、薬液供給管28から薬液ノズル27に薬液が供給され、薬液ノズル27からウエハWの表面の回転中心付近(中央部)に向けて薬液が吐出される。
測定装置5は、スピンチャック2の上方でほぼ水平に延びて設けられたアーム14と、アーム14の先端付近から垂下した状態に取り付けられた筒状の支持部15と、支持部15の下端に支持されたプリズム16と、発光部17と、発光部17からの光をプリズム16へと導くための発光側光ファイバーケーブル(以下、単に「発光側ケーブル」という。)18と、プリズム16から放出される光を導くための受光側光ファイバーケーブル(以下、単に「受光側ケーブル」という。)19と、受光側ケーブル19によって導かれた光を受光する受光部20とを備えている。
プリズム16は、たとえば、略四角形板状に形成され、その側面が下側ほど広がるテーパ状に傾斜している。そして、プリズム16は、その下面が支持部15の下端面とほぼ面一をなすように配置されている。また、プリズム16の上面には、プリズム16内に入射した光を反射するための反射板(図示せず)が設けられている。
発光部17は、たとえば、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などの発光素子を備え、後述する制御部21からの電気信号を受けて、この電気信号を光に変換する。なお、発光部17から発せられる光としては、可視光線から赤外線までの波長領域の光が用いられる。
発光側ケーブル18の一端は、発光部17に接続されている。発光側ケーブル18の他端は、プリズム16の第1の側面16aに向けられている。これにより、発光部17から発せられた光は、発光側ケーブル18を介して、プリズム16の側面に入射する。
受光側ケーブル19の一端は、受光部20に接続されている。受光側ケーブル19の他端は、プリズム16の第2の側面16bに向けられている。第2の側面16bは、第1の側面16aに対向する側面である。
受光部20は、たとえば、フォトトランジスタなどの受光素子を備えている。受光部20には、受光側ケーブル19により、プリズム16の側面から放出される光が導かれる。そして、受光部20は、受光側ケーブル19により導かれる光を電気信号に変換する。
また、測定装置5は、受光部20からの電気信号に基づいて、ウエハWの表面上の液中における水分濃度を算出する濃度算出部26を備えている。
アーム14には、アーム14を昇降させるための昇降駆動機構22と、アーム14をスピンチャック2の側方に設定された鉛直軸線まわりに所定角度範囲内で揺動させるための揺動駆動機構23とが結合されている。
また、スピンチャック2は、有底円筒容器状のカップ24に収容されている。カップ24の底部には、廃液ライン25が接続されている。この廃液ライン25を介して、カップ24の底部に集められた液体(薬液、純水およびIPA液)を廃棄することができる。
図2は、基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
基板処理装置1は、たとえば、マイクロコンピュータで構成される制御部21を備えている。マイクロコンピュータには、CPU、RAMおよびROMなどが含まれる。
制御部21には、モータ9、純水バルブ11、IPAバルブ13、薬液バルブ27、発光部17、昇降駆動機構22および揺動駆動機構23が制御対象として接続されている。また、制御部21には、濃度算出部26により算出される水分濃度を表すデータ信号が入力されるようになっている。
まず、図示しない搬送ハンドにより、基板処理装置1内に未処理のウエハWが搬入され、スピンチャック2に受け渡される。このとき、プリズム16(アーム14)は、ウエハWの搬入の妨げにならないように、スピンチャック2の上方から退避されている。
スピンチャック2にウエハWが保持されると、モータ9が駆動されて、ウエハWの回転が開始される。ウエハWの回転速度は、たとえば、1000rpmである。そして、薬液バルブ29が開かれ、所定時間にわたって、薬液ノズル27から回転中のウエハWの表面に薬液が供給される。薬液としては、たとえば、ふっ酸が供給される。これにより、ウエハWの表面が薬液によって処理(ふっ酸によって洗浄)される。薬液バルブ29が閉じられた後、純水バルブ11が開かれ、所定時間にわたって、純水ノズル3から回転中のウエハWの表面に純水が供給される。これにより、ウエハWの表面に付着している薬液が純水で洗い流される(リンス処理)。
その後、ウエハWを乾燥させるための乾燥処理が行われる。
図3は、基板処理装置における乾燥処理を説明するためのフローチャートである。
乾燥処理では、IPAバルブ13が開かれて、IPAノズル4からウエハWの表面の中央部にIPA液が供給される(ステップS1)。ウエハWは、リンス処理時から引き続いて回転されている。ウエハWの表面に供給されたIPA液は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、中央部から周縁部へ向けて流れることにより、ウエハWの表面上に液膜状態の液流を形成する。これにより、IPA液がウエハWの表面の全域にむらなく行き渡り、ウエハWの表面に付着している純水がIPA液に置換されていく。
その一方で、揺動駆動機構23が駆動されて、プリズム16がウエハWの上方に配置される。その後、昇降駆動機構22が駆動されて、プリズム16が下降され、プリズム16の下面がウエハWの表面上のIPA液の液面に接液される。
その後、発光部17が制御されて、発光部17から光が発生する。発光部17からの光は、発光側ケーブル18を介して、プリズム16の第1の側面16aに入射する。プリズム16に入射した光は、プリズム16の下面に向かって進み、プリズム16の下面から出射する。そして、プリズム16の下面および上面とIPA液の下面(ウエハWの表面)との間で多重反射された後、プリズム16の下面に入射し、プリズム16を通過して、プリズム16の第2の側面16bから出射する。
具体的には、プリズム16の下面から出射する光は、IPA液(純水とIPA液との混合液)中を進み、ウエハWの表面で反射される。そして、その反射された光は、IPA液中をプリズム16に向けて進み、その一部がプリズム16の下面で反射される。残りの光は、プリズム16内に入射し、プリズム16の上面に向けて進み、プリズム16の上面で反射された後、プリズム16の下面に向けて進み、プリズム16の下面からIPA液中に再び入射する。このような多重反射を繰り返しながらIPA液中を通過した光は、プリズム16の第2の側面16bから出射する。IPA液中を光が通過することにより、その光は、IPA液に含まれる純水の割合(水分濃度)に応じた波長成分が減衰される。
プリズム16の第2の側面16bから出射する光は、受光側ケーブル19を介して、受光部20へと導かれ、受光部20により電気信号に変換される。そして、濃度算出部26において、受光部20からの電気信号に基づいて、ウエハWの表面上の液中における水分濃度が算出され、濃度算出部26から制御部21に、その水分濃度を表すデータ信号が入力される(ステップS2:モニタリング)。
制御部21は、IPA液中に含まれる水分濃度が100ppm以下であるか否かを判断する(ステップS3)。この判断が否定された場合(ステップS3でNO)は、濃度算出部26から制御部21に入力される新たなデータ信号に基づいて、IPA液中に含まれる水分濃度が100ppm以下であるか否かが再び判断される(ステップS2,S3)。
そして、ウエハWの表面へのIPA液の供給(ウエハWの表面上での純水とIPA液との置換)が進み、IPA液中に含まれる水分濃度が100ppm以下であるか否かの判断が肯定されると(ステップS3でYES)、IPAバルブ13が閉じられ、ウエハWの表面へのIPA液の供給が停止される(ステップS4)。
IPA液の供給が停止されると、昇降駆動機構22および揺動駆動機構23が駆動されて、プリズム16がスピンチャック2の上方から退避される。そして、モータ9が制御されて、ウエハWが高速回転(たとえば、3000rpm)される。これにより、ウエハWの表面に付着しているIPA液が遠心力により振り切られて除去される(ステップS5:スピンドライ)。ウエハWの高速回転が所定時間にわたって継続されると、モータ9の駆動が停止されて、ウエハWの回転が停止され、乾燥処理が終了する。乾燥処理の終了後、ウエハWは、図示しない搬送ハンドによって、基板処理装置1から搬出される。
以上のように、純水ノズル3によって、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面に純水を供給することができる。これにより、ウエハWの表面から薬液を洗い流すことができる。一方、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面には、IPAノズル4によって、純水よりも表面張力の低いIPA液を供給することができる。純水供給後のウエハWの表面にIPA液を供給することにより、ウエハWの表面に付着している純水を、IPA液に置換して、ウエハWの表面から除去することができる。このIPA液の供給時には、測定装置5によって、ウエハWの表面上の液中における水分濃度が検出される。そして、この水分濃度に基づいて、制御部21により、IPA液の供給が終了されるべきであるか否かが判定される。
たとえば、ウエハWの表面上の液中における水分濃度が100ppm以下になれば、ウエハWの表面に付着している純水とIPA液との置換が完了したとみなして、ウエハWの表面へのIPA液の供給を終了することができる。これにより、ウエハWの表面に対して純水の置換に必要十分な量のIPA液を供給することができる。言い換えれば、ウエハWの表面から純水を除去するために、ウエハWの表面にIPA液を過不足なく供給することができる。そのため、ウエハWの表面に形成されたパターンの構造にかかわらず、IPA液および時間の無駄を生じることなく、ウエハWの表面から純水を良好に除去することができる。
また、発光部17からの光がウエハWの表面上の液に照射され、液中を通過した光が受光部20により受光される。そして、受光部20により受光した光に基づいて、液中における水分濃度が検出される。
ウエハWの表面の中央部に供給されたIPA液は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面上を中央部から周縁部に向けて流れる。そのため、ウエハWの表面上での純水とIPA液との置換は、ウエハWの表面の中央部から進行する。したがって、ウエハWの周縁部上の液中における水分濃度が100ppm以下になれば、ウエハWの中央部上の液中における水分濃度も100ppm以下になっているとみなすことができる。よって、発光部17からの光がウエハWの周縁部上の液に照射され、その液中における水分濃度が検出されることにより、IPA液の供給が終了されるべきであるか否かを適切に判定することができる。
また、プリズム16は、ウエハWの表面に近接して配置される。そして、発光部17からの光は、プリズム16を透過し、ウエハWとプリズム16との間で多重反射された後、プリズム16を透過して、受光部20に受光される。これにより、ウエハWの表面上の液中を光が複数回通過し、その光に含まれる特定波長の光を液中の水分(またはIPA液)により良好に減衰させることができる。その結果、受光部20に受光された光に基づいて、ウエハWの表面上の液中における水分濃度を精度よく検出することができる。
なお、上記の実施形態において、低表面張力液体の一例として、IPA液を例示したが、低表面張力液体としては、IPA、HFE(ハイドロフロロエーテル)、メタノール、エタノール、アセトンおよびTrans-1,2ジクロロエチレンのうちの少なくとも1つを含む液を用いることができる。また、低表面張力液体としては、単体成分のみであってもよいが、他の成分を混合したものであってもよく、たとえば、IPAとHFEとの混合液であってもよい。
また、IPAノズル4は、スピンチャック2の上方において水平面内で揺動可能なアームに取り付けられて、このアームの揺動によりウエハWの表面におけるIPA液の入射位置がスキャンされる、いわゆるスキャンノズルであってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す断面図である。 基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。 基板処理装置における乾燥処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
2 スピンチャック(基板保持手段)
3 純水ノズル(純水供給手段)
4 IPAノズル(低表面張力液体供給手段)
5 測定装置(水分濃度検出手段)
9 モータ(回転手段)
16 プリズム(多重反射部材)
17 発光部
20 受光部
21 制御装置(判定手段)
26 濃度算出部(検出部)
W ウエハ(基板)

Claims (5)

  1. 基板を保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持された基板の表面に純水を供給するための純水供給手段と、
    前記基板保持手段に保持された基板の表面に純水よりも表面張力の低い低表面張力液体を供給し、当該表面に付着している純水を低表面張力液体で置換して除去するための低表面張力液体供給手段と、
    前記基板の前記表面上の液中における水分濃度を検出する水分濃度検出手段と、
    前記低表面張力液体供給手段による低表面張力液体の供給時に、前記水分濃度検出手段により検出された水分濃度に基づいて、前記低表面張力液体供給手段による低表面張力液体の供給が終了されるべきであるか否かを判定する判定手段とを含む、基板処理装置。
  2. 前記水分濃度検出手段は、前記基板の前記表面上の前記液に向けて光を照射する発光部と、前記液中を通過した光を受光する受光部と、前記受光部に受光された光に基づいて、前記基板の前記表面上の前記液中における水分濃度を検出する検出部とを含む、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記基板を回転させるための回転手段をさらに含み、
    前記低表面張力液体供給手段は、前記基板の表面の中央部に前記低表面張力液体を供給するためのノズルを含み、
    前記発光部は、前記基板の周縁部に向けて光を照射する、請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 前記水分濃度測定手段は、前記基板の前記表面に近接して配置され、前記発光部から前記基板の前記表面上の前記液に向けて照射された光を透過させ、当該光を当該基板との間で多重反射させた後、当該光を透過させて前記受光部に受光させる多重反射部材を含む、請求項2または3に記載の基板処理装置。
  5. 基板の表面に純水を供給する純水供給工程と、
    前記純水供給工程後、前記基板の前記表面に前記純水よりも表面張力の低い低表面張力液体を供給する低表面張力液体供給工程と、
    前記低表面張力液体供給工程と並行して、前記基板の前記表面上の液中における水分濃度を検出する水分濃度検出工程と、
    前記水分濃度検出工程によって検出された水分濃度に基づいて、前記低表面張力液体供給工程の終了を判定する終了判定工程とを含む、基板処理方法。
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