JP2009218216A - 接着剤テープの圧着方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材9に接着剤11が塗布され、リール状に巻いた接着剤テープ1であって、接着剤テープ1の幅は回路基板21の一辺の長さと同じ以上であり、接着剤11がテープの幅方向に複数条配置されている接着剤テープ1を前記回路基板21上に配置し、接着剤テープ1を幅方向に沿って加熱加圧することにより前記回路基板21の一辺に一条の接着剤11を圧着することを特徴とする接着剤テープ1の圧着方法を提供する。
【選択図】図2
Description
特許文献1には、基材に接着剤が塗布された接着剤テープをリール状に巻き取ったものが開示されている。
この種の従来の接着剤テープは、幅が1〜3mm程度であり、リールに巻き取るテープの長さは50m程度である。そして、回路基板の四周に接着剤を圧着する場合には、接着剤テープを回路基板の一辺に沿って引き出して接着剤を圧着し、これを回路基板の四周に対して行って、回路基板の四周に接着剤を圧着している。
かかる問題に対して、リールに巻き取る接着剤テープの巻き数を多くすることで、1リール当りの接着剤量を増やし、リールの交換頻度を低減することが考えられるが、接着剤テープのテープ幅が1〜3mmと狭いため、巻き数を多くすると巻き崩れが生じるおそれがある。また、巻き数を多くするとテープ状に巻いた接着剤テープに作用する圧力が高くなり接着剤がテープの両幅から染み出してブロッキングの原因になるおそれがある。
そこで、本発明は、接着剤テープの巻き数を多くすることなく、接着剤量を増やすことができる接着剤テープ、接着剤テープの製造方法及び接着剤テープの圧着方法の提供を目的とする。
この発明[1]では、接着剤テープをその幅が回路基板の一辺に重なるように配置し、接着剤テープの幅方向に設けた接着剤の一条をそのまま回路基板の一辺に沿って加熱加圧する。
接着剤テープの幅は回路基板の一辺の長さと同じ以上であるから、接着剤テープは接着剤の条幅だけ引き出して用いればよい。
そして、回路基板の一辺に接着剤を圧着後、回路基板を回して、他辺を接着剤テープの幅方向に位置させ接着剤条を他辺に加熱加圧する。このようにして、順次回路基板の他辺にも接着剤を圧着すれば、回路基板の四周に容易に接着剤を圧着できる。
したがって、回路基板の一辺の長さ以上を有する接着剤を順次一条づつ使用するので、一回の使用量は接着剤条の幅寸法分だけであるから、接着剤テープの巻き数を増やすことなく、1リールで使用可能な接着剤量を大幅に増やすことができる。
しかも、接着剤テープの巻き数を増やすことがないから、巻き崩れを防止できるとともに、接着剤がテープの幅方向に染み出して巻かれているテープ同士が接着するブロッキングを防止でき、更に、基材が長くなることにより生じ易い基材の伸び等の弊害(基材の損傷や切断)を防止できる。
一方、電子部品の製造工場では、新しい接着剤テープの交換回数が少なくて済むので、製造効率が高まる。
また、接着剤テープの製造においては、1リール当りの接着剤量を多くできるので、リール材や湿気防止材の使用量を削減でき、製造コストを低減できる。
接着剤は、絶縁性接着剤中に導電粒子を分散した異方導電性接着剤であってもよいし、絶縁性接着剤のみであってもよいし、それらの接着剤中に絶縁性のスペーサ粒子を分散したものであってもよい。
接着剤テープの幅は、回路基板の一辺の寸法以上を有するから、例えば、5mm〜3000mmである。また、回路基板の一辺の寸法を有しない接着剤テープであっても接着剤テープの幅方向に複数条、隣接配置することで回路基板の一辺の寸法を有すればよい。この場合、異なる寸法の回路基板へも容易に適応できるため生産効率を向上できる。接着剤の一条の幅は、例えば0.5mm〜10.0mmである。
接着剤テープの幅を5mm〜3000mmとしているのは、回路基板の一辺の寸法が5mm未満である場合が少ないからであり、3000mmより大きくなるとリールの幅が広くなりすぎて、既存の接着装置への装着ができなくなるおそれがある為である。
この発明[2]によれば、発明[1]と同様な作用効果を奏するとともに、隣合う接着剤条同士が離れているので、接着剤を一条づつ容易に基材から引き離して圧着できる。
発明[3]によれば、発明[1]と同様な作用効果を奏するとともに、接着剤テープは基材の片面全面に接着剤を塗布して乾燥したものを用い、接着剤を回路基板に圧着する直前に、即ち、接着剤テープの使用直前に切刃等により接着剤に切れ目を入れてスリットを形成することが好ましい。
尚、スリットは、接着剤テープの製造時に、切刃等で接着剤に切れ目を入れてスリットを形成してもよいし、切刃のほか、レーザや電熱線等により形成するものであってもよい。
本発明によれば、基材上に配置する接着剤条の条数を多くすることができるとともに、テープの幅方向に接着剤を複数条配置する接着剤テープの製造が容易である。
この発明[4]によれば、既存設備を利用して発明[2]の接着剤テープを同時に2つ製造できるので、製造効率に優れる。
この発明[5]によれば、発明[1]〜[3]のいずれかの作用効果を得ることができるとともに、接着剤テープを接着装置に装着後、回路基板の一辺を接着剤テープの幅方向に配置して回路基板の一辺に接着剤を圧着し、次に、回路基板を例えば約90度回して回路基板の他の辺を接着剤テープの幅方向と平行に位置させ、回路基板の他辺に接着剤を圧着する。このように、回路基板を順次90度回して接着剤を圧着することにより、回路基板の四周に接着剤を簡単に圧着でき、電子部品の製造工場では作業効率を向上できる。
この発明[6]によれば、発明[1]〜[3]の作用効果を得ることができるとともに、回路基板を回転させることなく、一方の接着剤テープと他方の接着剤テープとの位置に移動して、それぞれの位置で幅方向に沿って加熱加圧することにより、回路基板の四周に容易に接着剤を圧着でき作業効率が良い。
この発明[7]によれば、回路基板の周囲に接着剤を圧着する場合には、接着装置に接着剤テープを装着し、幅方向に沿って接着剤テープを加熱加圧することにより、その部分の凝集力が低下し(以下「凝集力低下ライン」という)、凝集力低下ラインから加熱した部分の接着剤が基材から離れて回路基板に圧着される。次に、回路基板を約90度回転して、隣の辺を接着剤テープの幅方向に位置させ、幅方向に沿って次の接着剤条を加熱加圧して、接着剤条を隣の辺に接着剤を圧着する。このようにして、順次回路基板の四辺に接着剤を圧着することができ、作業効率が良い。
また、接着剤テープにはその全面に接着剤を塗布すればよいので、既存設備をそのまま用いて接着剤テープを製造できる。
更に、回路基板に圧着する接着剤の幅は、加熱加圧領域を変えることにより任意に設定でき、圧着する接着剤幅の自由度が高い。
また、発明[1]と同様に、巻き数を増加させることなく接着剤量を増加できるので、巻き崩れを防止できるとともに、接着剤の染み出しによるブロッキングの防止と基材の伸びによる弊害を防止できる等の効果を得ることができる。
接着剤テープの巻き数を増やすことなく、使用する接着剤量を大幅に増やすことができるから、巻き崩れを防止できるとともに、ブロッキングや基材の損傷や切断を防止できる。また、電子部品の製造工場では、新しい接着剤テープの交換回数が少なくて済むので、製造効率が高まる。
更に、接着剤テープの製造においては、1リール当りの接着剤量を多くできるので、リール材や湿気防止材の使用量を削減でき、製造コストを低減できる。
発明[2]によれば、発明[1]と同様な効果を奏するとともに、隣合う接着剤条同士が離れているので、接着剤を一条づつ容易に基材から引き離して圧着できる。
発明[3]によれば、発明[1]と同様な効果を奏するとともに、基材上に配置する接着剤条の条数を多くすることができるとともに、製造が容易である。
発明[4]によれば、既存設備を利用して発明[2]の接着剤テープを同時に2つ製造できるので、製造効率に優れる。
発明[5]によれば、[1]〜[3]のいずれかの効果を得ることができるとともに、回路基板の一辺に接着剤を簡単に圧着でき、電子部品の製造工場における作業効率を向上できる。
発明[6]によれば、発明[1]〜[3]の効果を得ることができるとともに、回路基板を回転させることなく、一方の接着剤テープと他方の接着剤テープとの位置に移動して、回路基板の四周に容易に接着剤を圧着でき、作業効率が良い。
発明[7]によれば、回路基板の周囲に接着剤を圧着する場合には、幅方向に沿って条状に接着剤テープを加熱加圧することにより、回路基板に接着剤の圧着が容易にでき、作業効率が良い。
また、接着剤テープにはその全面に接着剤を塗布すればよいので、既存設備をそのまま用いて接着剤テープを製造できる。
更に、回路基板に圧着する接着剤の幅は、加熱加圧領域を変えることにより任意に設定でき、圧着する接着剤幅の自由度が高い。
また、発明[1]と同様に、巻き数を増加させることなく接着剤量を増加できるので、巻き崩れを防止できるとともに、接着剤の染み出しによるブロッキングの防止と基材の伸びによる弊害を防止できる等の効果を得ることができる。
本実施の形態にかかる接着剤テープ1はリール3に巻かれたものであり、リール3には巻き芯5と接着剤テープ1の両側に配置した側板7とが設けられている。本実施の形態では、接着剤テープ1は長さが約50mであり、幅Wは回路基板の一辺と略同じ寸法の約1500mmである。
接着剤テープ1は、基材9と、基材9上に塗布された接着剤11とから構成されており、基材9上には一条の幅が0.5mmの接着剤11が等間隔をあけて且つテープの幅方向に設けられている。
基材9は、強度及び異方導電材を構成する接着剤の剥離性の面からOPP(延伸ポリプロピレン)、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン処理したPET(ポリエチレンテレフタレート)などを用いるが、これらに制限するものではない。
接着剤11は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、または熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合系、ホットメルト系が用いられている。かかる樹脂の代表的なものには熱可塑性樹脂系としてスチレン樹脂系、ポリエステル樹脂系があり、また熱硬化性樹脂系としてはエポキシ樹脂系、アクリル系、ビニルエステル系樹脂系、シリコーン樹脂系が用いられる。
次に、回路基板21を約90度回転させて、回路基板21の隣の辺を接着剤テープ1の幅方向に位置させ、加熱加圧ヘッド19により接着剤11を回路基板21の他の辺に圧着する。このように、回路基板21を約90度回転させては接着剤11を圧着させて、回路基板21の四周に亘って接着剤11を圧着する。
上記の圧着後(仮接続)、回路基板21の電極と配線回路(電子部品)23の電極を位置合わせして本接続する。本接続は、回路基板21の四周に接着剤11を圧着後、接着剤11に配線回路(又は電子部品)23を配置して、必要によりクッション材として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン材24を介して加熱加圧ヘッド19により配線回路23を回路基板21に加熱加圧する(図3参照)。これにより回路基板21の電極21aと配線回路23との電極23aを接続固定する。
ここで、図5及び図6を参照して本実施の形態にかかる接着剤テープ1の製造方法について説明する。
巻出機25から巻きだされた基材(セパレータ)にコーター27により、樹脂と導電粒子13が混合された接着剤11を塗布し、乾燥炉29で乾燥した後、巻取機31で原反を巻き取る。コーター27は、左右に移動して基材9に等間隔で条状の接着剤を塗布する。巻き取られた接着剤テープの原反は、スリッタ33により所定幅に切断されて巻き芯に巻き取れられた後、巻き芯に側板7,7が両側から装着されて、あるいは、側板付巻き芯に巻き取られ、除湿材とともに梱包され、好ましくは、低温(−5℃〜−10℃)に管理されて出荷される。
図6に示す第2実施の形態では、接着装置15において、接着剤テープ1を2箇所に装着しており、一方の接着剤テープ1及び他方の接着剤テープ1を互いに直交する方向に設けている。そして、一方の接着剤テープ1において回路基板21の対向する一対の縦辺Nに接着剤11を圧着し(第1工程)、他方の接着剤テープ1において対向する一対の横辺Mに接着剤11を圧着して(第2工程)、2つの工程で回路基板21の四周に接着剤を圧着するものである。この第2実施の形態では、第1工程と第2工程との間で回路基板21の向きを回転させることなく、第1工程で載置されている回路基板21をそのまま第2工程に移動させることにより接着剤の自動圧着が可能となり、さらに作業効率の向上を図ることができる。この場合、回路基板21を搬送ベルトに載せて自動搬送するものであってもよい。
尚、第3実施の形態にかかる接着剤テープ1を接着装置15で使用するときには、第1実施の形態と同様に、スリット35で分離された一条ずつの接着剤を基材9側から加熱加圧ヘッドで圧着して、先端側から順次使用していく。
この第3実施の形態では、従来と同様な工程により得られた基材上の接着剤にスリット35を形成するだけで幅方向に設けた複数条の接着剤11を得ることができるので、製造が容易である。
この場合、加熱加圧ヘッド19の周囲ラインに沿って凝集力低下ラインが形成され、加熱加圧された部分のほとんどは接着剤が軟化流動し、(1000ポイズ以下が目安)、接着剤の硬化反応が開始しないか低位の状態(反応率20%以下が目安)とすることが好ましく、加熱温度は使用する接着剤系に応じて選定する。
この第3実施の形態によれば、接着剤11は、使用時にのみ幅W方向に一条分ずつを軟化流動化させて基板回路に圧着することができる。
また、上述した実施の形態のように接着剤11にスリット35を形成したり、複数条分離して設ける必要がなく、幅広の基材の片面全面に接着剤11を塗布しておくだけなので、接着剤テープの製造が容易である。
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種種変形可能である。
例えば、上述した実施の形態において、接着剤11には導電粒子13を分散していない絶縁性接着剤であってもよい。
Claims (4)
- 基材に接着剤が塗布され、リール状に巻いた接着剤テープであって、接着剤テープの幅は回路基板の一辺の長さと同じ以上であり、接着剤がテープの幅方向に複数条配置されている接着剤テープを前記回路基板上に配置し、接着剤テープを幅方向に沿って加熱加圧することにより前記回路基板の一辺に一条の接着剤を圧着することを特徴とする接着剤テープの圧着方法。
- 基材に接着剤が塗布され、リール状に巻いた接着剤テープであって、接着剤テープの幅は回路基板の一辺の長さと同じ以上であり、接着剤がテープの幅方向に複数条配置されている接着剤テープを前記回路基板を移動する搬送路に少なくとも2つ配置し、一方の接着剤テープはその幅方向が搬送路に直交する方向に配置し、他方の接着剤テープはその幅方向を搬送路に沿う方向に配置し、一方の接着剤テープにおいて、前記回路基板の対向する2辺について接着剤テープを幅方向に沿って加熱加圧することにより前記回路基板の対向する2辺に接着剤を一条ずつ圧着し、次に前記回路基板を他方の接着剤テープへ移動し、前記回路基板の残りの2辺について基材側から接着剤テープを幅方向に沿って加熱加圧することにより、前記回路基板の四周に接着剤を一条ずつ圧着することを特徴とする接着剤テープの圧着方法。
- 前記接着剤は、互いに隣合う接着剤条が間隔をあけていることを特徴とする請求項1又は2に記載の接着剤テープの圧着方法。
- 接着剤は、テープの幅方向に形成したスリットにより複数条に分離されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の接着剤テープの圧着方法。
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