JP2009218165A - 低発熱性樹脂被覆導線及びその製造方法 - Google Patents

低発熱性樹脂被覆導線及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低発熱性樹脂被覆導線の耐屈曲性及び耐衝撃性を向上して、使用中及び取り扱い中の低発熱性樹脂被覆導線の断線故障を防止することを課題とするものである。
【解決手段】発熱複合導電線の外面を樹脂被覆した被覆導線であって、発熱複合導電線の外周面の周りに分布し、発熱複合導電線の長手方向に平行に複数の細長形状の細孔が形成されてなることを特徴とする低発熱性樹脂被覆導線及びその製造方法。
【選択図】図1(a)

Description

本発明は、発熱複合導電線を樹脂被覆した耐衝撃性に優れた低発熱性樹脂被覆導線に関する。さらに詳しくは、芯材、スパイラル状の発熱素線、温度検知導線などの線材又は絶縁層若しくは断熱層などの被覆層が複合した複数の断面構造を有する複合導電線の外側表面を押出成形によって樹脂被覆した耐屈曲性及び耐衝撃性に優れた軽量の低発熱性樹脂被覆導線及びその製造方法に関する。
従来より、電気毛布、電気絨毯等の低温発熱電線は広く使用されている。
例えば、特許文献1には、巻芯の外周に第1の発熱素線をスパイラル状に巻き回し、その周りに、第1の溶断層を設け、その第1の溶断層の外周に第2の発熱素線をスパイラル状に巻き回し、その周りに絶縁シースを形成した発熱電線が開示されている。
特許文献2には、巻芯に第1発熱素線をスパイラル状に巻き回し、その上に耐熱絶縁体層を被覆し、その耐熱絶縁体層の表面に第2発熱素線をスパイラル状に巻き回し、その上に融解樹脂層を被覆し、その融解樹脂層の表面に検知線をスパイラル状に巻き回し、その外側に、絶縁用外被を被覆した発熱電線が開示されている。
特許文献3には、発熱線と戻り線及び検知線からなる3本の被覆電線を束ねて撚合わせた電線束を熱可塑性樹脂(絶縁シース)で被覆した発熱電線が開示されている。
このように、発熱電線は、発熱素線をスパイラル状に巻き回したり、発熱素線を、断面構造で2重同心2層に分離して配置したり、発熱素線の温度を感知する検知線または信号線とともに配置したり、径の小さい発熱電線又は検知線が複雑な断面構造で形成されている。そして、これらの複合導電線を被覆する樹脂は熱伝導及び屈曲性の観点から厚くすることができない。そのため、これらの発熱素線及び検知線は、直径が細く(0.2mm以下)、低発熱性樹脂被覆導線の繰り返し屈折において及び線材上に重量物が落下したときの衝撃において、細径の発熱素線又は該発熱素線の温度検知線が断線するおそれがある。また、電線の側面からの衝撃によって、細い発熱素線又は検知線の導線が断線するおそれがある。特に、発熱複合導電線の外側にある導線が衝撃によって断線する可能性が大きい。
一方、従来から電線の絶縁層の樹脂被覆には押出成型により製造されている。押出成型では、ペレット状の樹脂を押出機のホッパーに投入し、溶融樹脂が押出機内部のスクリューによって押し出される。押し出された樹脂はクロスヘッドに入り、クロスヘッドの内面とニップルの外面の間隙を流れ、ニップルの内部孔の先端から高速で吐出される電線と合流して溶融樹脂が電線の外周表面に隙間なく密着して電線の流れとともにダイスから押し出されて、均一な樹脂厚さの円形樹脂被覆電線を製造することができる。
特開平10−335046号公報 特開平10−340778号公報 特開2006−261084号公報
本発明は、低発熱性樹脂被覆導線の耐屈曲性及び耐衝撃性を向上して、使用中及び取り扱い中の低発熱性樹脂被覆導線の断線故障を防止することを課題とするものである。
第2の課題として、被覆樹脂の使用量を節約するとともに、低発熱性樹脂被覆導線の軽量化を目的としている。
本発明は、低発熱性樹脂被覆導線の発熱複合導電線に被覆する被覆樹脂層の内周面に発熱複合導電線の長手方向に沿って形成される空間溝を形成することによって、低発熱性樹脂被覆導線の耐衝撃性を向上させることを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1)発熱複合導電線の外面を樹脂被覆した被覆導線であって、発熱複合導電線の外周面の周りに分布し、発熱複合導電線の長手方向に平行に複数の細長形状の細孔が形成されてなることを特徴とする低発熱性樹脂被覆導線、
(2)発熱複合導電線が、発熱導線、絶縁層及び検知導線を複合したものである第1項記載の低発熱性樹脂被覆導線、
(3)樹脂押出成形機の押出口に外周面に複数の凹溝を有するニップルを設けた電線製造装置のニップルの中に、発熱複合導電線を連続的に挿通させるとともに溶融樹脂をニップルの外周面から口金に押し出すことを特徴とする第1又は2項記載の低発熱性樹脂被覆導線の製造方法、
(4)発熱複合導電線が絶縁中芯の外周にスパイラル状の内部発熱導線を巻き、当該内部発熱導線の外側に内部絶縁層を設け、当該内部絶縁層の外周にスパイラル状の検知導線を巻いた発熱複合導電線である第3項記載の低発熱性樹脂被覆導線の製造方法、及び、
(5)発熱複合導電線が中芯の外周にスパイラル状の内部発熱導線を巻き、当該内部発熱導線の外側に内部絶縁層を設け、当該内部絶縁層の外周にスパイラル状の検知導線を巻き、当該検知導線の外側に表面絶縁層を設けた発熱複合導電線である第3項記載の低発熱性樹脂被覆導線の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、屈曲に対する耐久性及び電線の長手方向に垂直な方向からの衝撃に対する耐久性が向上し、電線の単位長さあたりの表面絶縁層の樹脂材料使用量が減り、軽量化された低発熱性樹脂被覆導線を供給することができる。
本発明の実施の形態を図面によって説明する。この実施の形態は、本発明を制限するものではない。
本発明低発熱性樹脂被覆導線の発熱複合導電線は、発熱導線に所望によって、芯材、検知導線、断熱層、絶縁層、保護テープ等を複合して形成した低温発熱導線用の長尺の導線である。
本発明低発熱性樹脂被覆導線は、発熱複合導電線を熱可塑性樹脂によって被覆したものであり、低発熱性樹脂被覆導線の断面構造が、図1に示す通り、発熱複合導電線6の外周面に細孔hが分布している点に特徴がある。そして、この細孔hは、幅に比べると縦の長さが大巾に長い縦長の細孔であり、発熱複合導電線の長手方向に沿って配置されている。
この縦長形状の細孔hは、大別して、発熱複合導電線の外周面に分布した断面山型細孔となるもの(図1(a))又は外周面の周りに発熱複合導電線の外周面に接する管状の細孔になる態様(図1(b))がある。
本発明低発熱性樹脂被覆導線は、慣用の連続式樹脂被覆電線製造装置のニップルの形状を変更して製造することができる。そして、発熱複合導電線の外周面に分布させる細孔の数、細孔の配置分布、寸法は、ニップルの形状及び装置の操作条件を選択することによって、適宜調整することができる。
図1では、低発熱性樹脂被覆導線が被服樹脂層5に覆われており、細孔の数が12個となっている。該細孔の数は、好ましくは6個以上とすることができる。6個未満の場合は、耐屈曲性及び耐衝撃性が低くなるおそれが生じるためである。
本発明低発熱性樹脂被覆導線は、発熱複合導電線の周囲の細孔の存在によって、この細孔内の空気の弾力による衝撃緩和によって、発熱複合導電線が衝撃を受けたとき、又は急激に屈曲を受けたときに、発熱複合導電線を構成する極細の発熱導線、検知導線の断線及び極薄の絶縁層、耐熱層が破れることを防止することができる。
本発明に用いる発熱複合導電線は、公知の低発熱性樹脂被覆導線に用いる発熱複合導電線を特に制限無く使用することができ、例えば、図7の斜視図で示す絶縁中芯1、発熱導線2、内部絶縁層3、温度を検知する検知導線4を複合したものを使用することができる。
発熱導線及び検知導線は、極細の銅線、ニッケル線を使用するので、屈曲及び衝撃に対して断線しやすい。特に、発熱導線の温度を制御するために必要な検知導線の断線は安全上重要な問題となる。
本発明低発熱性樹脂被覆導線は、公知の電線樹脂被覆装置のクロスヘッドのニップルの外周面の形状に、複数の凹溝形状を設ける改造を行うことによって製造することができる。
図2は、公知の連続式電線被覆装置の樹脂の押出機部分と電線が通過するクロスヘッド部分の配置関係を示す説明断面図である。
押出機の円筒形シリンダー内の溶融樹脂は、スクリューSの回転によって、円筒形シリンダーの先端からクロスヘッド内部に圧入される。クロスヘッドは、円筒形シリンダーの方向に対して発熱複合導電線の供給方向が垂直方向になるように設置されていて、複合導電線がニップルNの内部の筒管内を通過する。圧入された溶融樹脂は、クロスヘッドCの内面とニップルNの外周面との隙間を流れてニップルNの内部から吐出する複合導電線の流れと合流して、ダイスDから吐出され、その直後に水槽の中に潜らせて冷却して巻き取られる。
本願発明低発熱性樹脂被覆導線の製造方法に用いられる連続式電線被覆装置は、クロスヘッドのニップルの形状を改造している。
通常、連続式導線被覆装置は、図3に示す態様のクロスヘッドの構造を有している。
このクロスヘッドの電線導入口Aに電線が連続的に供給されて、ニップルNの内部円筒空間Bを通って、クロスヘッドの先端からダイスDを通って吐出される。一方、被覆樹脂は押出機で溶融混練されて、押出機からクロスヘッドに射出ゲートGを経由して、クロスヘッドの内面とニップルNの外面の間の間隙を通過する溶融樹脂流となって、ニップルNの先端から吐出される電線の表面に合流して、電線とともに、ノズルから吐出され、水槽の中に潜らせて冷却後巻き取られる。
本発明に用いる連続式導線被覆装置は、公知の導線被覆装置とは、ニップルNの外面の形状が相違する。
図3は、本発明に用いる一態様の連続式導線被覆装置のクロスヘッド部のニップルとダイスの配置状態を示す断面図である。
図3のクロスヘッドは、市販されている電線被覆装置のクロスヘッドであり、被覆すべき導線径は0.3〜5.0mm程度、樹脂被覆後の径は0.5〜7.0mm程度の樹脂被覆導線の製造に使用できる。樹脂被覆導線の被覆装置としては、25mm程度の導線まで使用可能な電線被覆装置も市販されている。
本発明に用いる被覆樹脂は公知の被覆樹脂であれば特に制限なく使用することができ、例えば塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、フッ素樹脂等を使用することができる。
図3のニップルNは、ニップルN全長の75%程度までは、導線の直径よりは広い均一直径の円筒通路を有していて、この円筒通路の先端部で、導線の外径よりやや大きい径にまで縮径されて、先端部には、導線がちょうど通過する程度の通路が数mmの長さで設けられている。この数mmの通路で導線の円滑な吐出が達成できる。
ニップルNの外周は、長さの75%程度まで、外径は導線供給口から出口方向に向かって次第に増大しているが出口部は、溶融樹脂の射出ゲートGの位置から先端部までは、先端角度約60度の円錐形状を形成しながら縮径して円錐形状を形成している。図3のクロスヘッドには、この縮径する円錐形状のニップルNの外面に対向する形の円錐コーン状の内面を有するダイスDが設置されていて、円錐コーンの先端から溶融樹脂で被覆された導線が通過する狭いダイス口通路が繋がっている。
溶融樹脂は、押出機から射出ゲートGを経由して、ニップルNの外周面とダイスDの対向する二つの円錐面の間隙を通過し、ニップルNの内部から吐出される複合導線と合流して、ダイスDの先端通路を通過する。
本発明の樹脂被覆導線の製造方法に用いるニップルNは、外周面に先端方向に向けて平行な複数の凹溝Uを有している。
本発明ニップルN表面の凹溝Uの形状及び実施態様は使用するニップルNの構造によって異なる。
図4のようなニップルNとダイスDの組み合わせの場合は、凹溝の形状は、ニップルNの外周円錐形状に平行に設けることができる。そして、ダイスDの孔の入口に溶融樹脂の流れを閉塞させない限りできるだけ、ニップルNの先端をダイスDに近付けるのが望ましい。
また、図5のようなニップルNとダイスDの組み合わせでは、ニップルNの先端に溶融樹脂を内部の導線の流れ方向に合わせて誘導する長い誘導通路Lを有する形状の公知のニップルNの形状を使用することができる。
このニップルNにおいては、ニップルN外周面の複数の凹溝とは、ニップルNの円錐形状の表面ではなく、先端の誘導通路L上の表面に設けたものとなる。
誘導通路Lを有するニップルNを、通常の単に吐出孔があるダイスと組み合わせて、ダイスの出口にニップルNの先端を可能な限り接近させても導電線表面に溶融樹脂の細孔空間を維持することができる。
また、直径の小さい誘導通路Lの先端をダイスDの先端の狭い通路の直前又は内部に挿入することができる。
図6は、本発明低発熱性樹脂被覆導線の製造中のニップルNの先端での断面図である。図6に示すように、本発明の導線被覆装置のニップルNの凹溝内部に圧入されて、溝内底を流動する溶融樹脂aは、ニップルNの先端部で吐出される導電線の表面に近いので、導電線面に密着して流動する。そして、ニップルNの溝底でなく、ニップルNの外周表面を流動してくる溶融樹脂bは、導線の表面から距離があるので遊離した状態で導線に合流する。この合流点でニップルNの外周面の高さ(ニップルN表面の溝の深さ)が突然無くなるので、溶融樹脂流は導線の表面の間に図6で示される断面形状の溶融樹脂層の空間Mの空間が瞬間的に形成される。この瞬間にニップルNの内部の空気が導線とニップルNの内面の隙間から断面形状の溶融樹脂層の空間Mの空間に引き込まれて、導電線体がニップルNの先端から吐出するとともに、導電線体の流れとともに上記図6で示される断面空間に空気を含んだままダイスの口金から吐出される。ダイスから吐出されるまでに、最初の断面形状は溶融樹脂の流動によって大きく変化するが細長形状の空気を含む細孔は、ダイスから吐出された後も、導線の外周の近辺に縦長に平行に維持される。
ダイスから吐出された樹脂被覆導線を水槽で冷却すると、樹脂が固化するとともに被覆樹脂層内部の細長細孔空間も被覆樹脂層内部又は被覆樹脂層と被覆導線表面の境界に固定される。
連続空気溝空間の形状は、ニップルN表面の凹溝の形状、寸法及び隣接する凹溝との間隔並びに被覆溶融樹脂の溶融粘度、導線の引き出し速度、ニップルNの内部円筒の空気圧力の数値によって、相当の範囲に変更させることができる。
本発明に用いる発熱複合導電線としては、発熱導線を含み、絶縁層又は耐熱層や検知導線等を含有する複合導電線であれば特に制限なく使用することができ、例えば公知の複合導電線、特に、図7に示すような絶縁中芯1の外周にスパイラル状の発熱導線2を巻き、当該発熱導線2の外側に内部絶縁層3を設け、当該内部絶縁層3の外周にスパイラル状の検知導線4を設けた発熱複合導電線を使用することができ、さらに、発熱複合導電線が中芯の外周にスパイラル状の内部発熱導線を巻き、当該内部発熱導線の外側に内部絶縁層を設け、当該内部絶縁層の外周にスパイラル状の検知導線を巻き、当該検知導線の外側に表面絶縁層を設けたものも好適に使用することができる。
実施例
図5のタイプのニップルとダイスの組み合わせを有する電線の樹脂被覆装置[ユニテック社製]のニップルの誘導通路Lに、図8の断面の凹溝Uを設けたものを使用した。
実施例に用いた図5のタイプのニップルの長さは、全長65mmであり、誘導通路Lの外径は3.5mmであり、内径は1.6mmである。
この誘導通路Lの外周に図8の断面図に示す幅0.3mmで深さ0.6mmの凹溝Uを12本設けた。このニップルの導入通路の先端の一部を図7のダイスの先端孔に挿入して、図4のクロスヘッドの構造にして、これに発熱複合導電線と樹脂を供給して、低発熱性樹脂被覆導線を製造することができる。
本実施例は、図7の斜視図に示す構造の低発熱性樹脂被覆導線を製造した。発熱複合導電線は、絶縁中芯1の外周にスパイラル状の発熱導線2を巻き、当該発熱導線2の外側に内部絶縁層3を設け、当該内部絶縁層3の外周にスパイラル状の検知導線4を設けた外径1.31mmの発熱複合導電線をニップルの入口に1.94m/秒の速度で供給して、低発熱性樹脂被覆導線を製造した。発熱複合導電線の絶縁中芯1は、直径0.5mmのポリエステル線状体を用いて、発熱導線2は、直径0.124mmの銅線を3本収束したものを使用し、絶縁中芯1に、ワンピッチ0.95mmの間隔でスパイラル状に巻いて使用した。内部絶縁層は、ナイロン12樹脂による厚み0.25mmで被覆して、そのナイロン12樹脂被覆層の上に、ワンピッチ2.5mmの間隔で、検知導線4として直径0.124mmの純ニッケル線をスパイラル状に巻いたものを使用した。
一方、樹脂としては、耐熱軟質ポリ塩化ビニル樹脂ペレット[アプコ社製]を供給し、押出機温度はクロスヘッド付近で170℃になるように、樹脂投入口より155℃から徐々に温度が高くなる設定で行った。そして、クロスヘッド温度170℃、ダイス温度170℃、射出速度0.53Kg/分の条件で押出成形を行った。低発熱性樹脂被覆導線1,000m当たり、4.28Kgを使用した。
得られた低発熱性樹脂被覆導線は、外径2.35mmで、1,000m当たりの重量は6.29kgであった。比較例に対して、240gの樹脂量が削減されて、軽量化されていた。
低発熱性樹脂被覆導線を切断した断面には、図1(a)のように、高さ0.13mmの山型の細孔が発熱複合導電線の周囲に12本存在していた。
比較例
この比較例において、ニップルの12本の溝がない同一寸法のニップルを使用し、実施例と同一の条件で低発熱性樹脂被覆導線を製造した。得られた低発熱性樹脂被覆導線の1,000m当たりの重量は6.53kgであった。この比較例の低発熱性樹脂被覆導線を切断した断面には、発熱複合導電線の周囲には細孔はなく、被覆樹脂が密着して被覆されていた。
<耐久試験>
実施例で得た低発熱性樹脂被覆導線及び比較例で得た低発熱性樹脂被覆導線の耐久試験を、発熱導線及び検知導線の断線の発生を抵抗器で検知して行った。
比較参考例として、比較例と同一の条件で製造した被覆樹脂厚0.40、外径2.15mmの低発熱性樹脂被覆導線(1,000m当たりの重量5.48kg)の耐久試験も実施した。
(1)屈曲試験
低発熱性樹脂被覆導線1.3mを台上において、1端に500gの荷重をかけながら、低発熱性樹脂被覆導線の中央部を屈曲部として固定して、左右各90度、合計180度の角度での往復の折り曲げを屈曲1回としてカウントして、1,000回毎に発熱導線及び検知導線の断線の発生の有無を調べて、断線を発見したときの屈曲回数を屈曲耐久性とした。
(2)耐衝撃試験
低発熱性樹脂被覆導線(長さ1m)を鉄板の上に置き、中央部を10cmの間隔をあけて固定して、その中央に、500gの鉄球を所定の高さから落下させて、発熱導線及び検知導線の断線の有無を調べた。
発熱導線に対しては、鉄球の落下距離を40cmと50cmに変えて試験した。
検知導線に対しては、鉄球の落下距離を5cmと10cmに変えて試験した。
各落下試験の高さ毎に30本の低発熱性樹脂被覆導線を試験して、各試験で断線した低発熱性樹脂被覆導線の本数を調べた。結果を第1表に示す。
Figure 2009218165
上記測定結果より、被覆樹脂の厚さが大きいほど、低発熱性樹脂被覆導線の耐屈曲性及び耐衝撃性が増加することが比較例との差で分かる。
本発明によれば、同一外径の低発熱性樹脂被覆導線において、低発熱性樹脂被覆導線1,000m当りに使用される表面絶縁層の使用重量が従来構造では4.52kgに対し本発明では4.28kgであるので、1,000m当たり0.24kg軽量化するとともに樹脂使用量を節約できた。
本発明実施例は、比較例と同一外径において、樹脂量を節約して軽量化したにもかかわらず、発熱導線及び検知導線の耐屈曲特性は上昇し、発熱導線及び検知導線の衝撃強度は向上している。
本発明は、低発熱性樹脂被覆導線の使用中の耐屈曲性及び耐衝撃性が向上するので、電気毛布、電気絨毯等の屈折及び重量物が落下するおそれのある電気製品の低発熱性樹脂被覆導線として広く利用することができる。
本発明の低発熱性樹脂被覆導線の断面図である。 本発明の低発熱性樹脂被覆導線の断面図である。 公知の連続式電線被覆装置の樹脂の押出機部分と電線が通過するクロスヘッド部分の配置関係を示す説明断面図である。 本発明の低発熱性樹脂被覆導線の製造装置に用いる1態様のクロスヘッドの断面図である。 本発明の低発熱性樹脂被覆導線の製造に用いるニップルとダイスの1態様の断面図である。 本発明の低発熱性樹脂被覆導線の製造に用いるニップルとダイスの他の態様の断面図である。 本発明の低発熱性樹脂被覆導線の製造中のニップル先端位置における導電線と溶融樹脂相の位置関係を示す断面図である。 本発明に用いる一態様の発熱複合導電線の構造を示す斜視図である。 本発明の外周面に複数の凹溝を有するニップルの一態様であるニップルの誘導通路に12本の凹溝を設けた誘導通路の断面図である。
符号の説明
1 絶縁中芯
2 発熱導線
3 内部絶縁層
4 検知導線
5 被覆樹脂層
6 発熱複合導電線
A クロスヘッドの電線導入口
B ニップルNの内部円筒空間
S スクリュー
C クロスヘッド
D ダイス
G 射出ゲート
L 誘導通路
M 溶融樹脂層の空間
N ニップル
U 凹溝
a 溝内底を流動する溶融樹脂
b ニップルNの外周表面を流動してくる溶融樹脂
h 細孔

Claims (5)

  1. 発熱複合導電線の外面を樹脂被覆した被覆導線であって、発熱複合導電線の外周面の周りに分布し、発熱複合導電線の長手方向に平行に複数の細長形状の細孔が形成されてなることを特徴とする低発熱性樹脂被覆導線。
  2. 発熱複合導電線が、発熱導線、絶縁層及び検知導線を複合したものである請求項1記載の低発熱性樹脂被覆導線。
  3. 樹脂押出成形機の押出口に外周面に複数の凹溝を有するニップルを設けた電線製造装置のニップルの中に、発熱複合導電線を連続的に挿通させるとともに溶融樹脂をニップルの外周面から口金に押し出すことを特徴とする請求項1又は2記載の低発熱性樹脂被覆導線の製造方法。
  4. 発熱複合導電線が絶縁中芯の外周にスパイラル状の内部発熱導線を巻き、当該内部発熱導線の外側に内部絶縁層を設け、当該内部絶縁層の外周にスパイラル状の検知導線を巻いた発熱複合導電線である請求項3記載の低発熱性樹脂被覆導線の製造方法。
  5. 発熱複合導電線が中芯の外周にスパイラル状の内部発熱導線を巻き、当該内部発熱導線の外側に内部絶縁層を設け、当該内部絶縁層の外周にスパイラル状の検知導線を巻き、当該検知導線の外側に表面絶縁層を設けた発熱複合導電線である請求項3記載の低発熱性樹脂被覆導線の製造方法。
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