JP2009217976A - 同軸ケーブルコネクタ及びその半田付け方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の同軸ケーブルコネクタ1は、コネクタ部3のコンタクト部21に、ケーブルハーネス2のGNDバー16に横架された複数本の同軸ケーブル11各々の中心導体12が高融点の半田22により半田付けされ、コネクタ部3と同軸ケーブル11との接続部がシェル部4にて覆われており、このシェル部4がGNDバー16に低融点の半田32により半田付けされている。
【選択図】図1
Description
この同軸ケーブルコネクタは、コネクタ部と、ケーブルハーネスと、シェル部という3つの部品から構成されたもので、シェル部は、コネクタ部と同軸ケーブルとの接続強度を保ち、信号線からのグラウンドを取るために用いられている。この同軸ケーブルコネクタでは、複数本の同軸ケーブルの中心導体がコネクタ部のコンタクト部に半田付けされ、このコネクタ部と同軸ケーブルとの接続部はシェル部にて覆われ、このシェル部が同軸ケーブルに横架されたケーブルハーネスのグラウンドバーに半田付けされてシールドされている(例えば、特許文献1参照)。
従来の同軸ケーブルコネクタにおいては、シェル部とハーネスとの接続は半田付けが一般的であり、シェル部とグラウンドバーとを接続する半田と、コンタクト部と同軸ケーブルの中心導体とを接続する半田とは、同一の半田が用いられている。
前記シェル部と前記グラウンドバーとを電気的に接続する半田は、前記コンタクト部と前記中心導体とを電気的に接続する半田より融点が低いことを特徴とする。
前記シェル部と前記グラウンドバーとの半田付けに用いられる半田を、前記コンタクト部と前記中心導体との半田付けに用いられる半田より融点の低い半田とし、この融点の低い半田を前記シェル部と前記グラウンドバーとの間に介在させた状態で、この融点の低い半田を加熱・溶融し、前記シェル部を前記グラウンドバーに半田付けすることを特徴とする。
また、シェル部とグラウンドバーとを半田付けする際に、融点の低い半田を光源を用いて加熱・溶融するので、製造工程におけるタクトタイムを削減することができる。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
コネクタ部3は、ケーブルハーネス2の極細の同軸ケーブル11各々を接続固定するためのもので、その上面には、コンタクト部21が複数個、横一列に設けられ、これらのコンタクト部21各々には、ケーブルハーネス2の極細の同軸ケーブル11が高融点の半田22にて半田付けされて電気的に接続されている。
ここで、この高融点の半田22の融点と低融点の半田32の融点との差は、20℃以上であることが好ましく、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは60℃以上である。
低融点の半田としては、例えば、Sn−58%Bi(固相温度138℃、液相温度139℃)、Sn−8.0%Zn−3.0%Bi(固相温度190℃、液相温度199℃)、Sn−3.5%Ag−0.5%Bi−8.0%In(固相温度197℃、液相温度204℃)等の材料組成の半田が好適に用いられる。
まず、コネクタ部3のコンタクト部21に高融点の半田ペーストを塗布し、この高融点の半田ペースト上にケーブルハーネス2の同軸ケーブル11の中心導体11を載置し、恒温槽やヒータ等を用いて高融点の半田ペーストを加熱して溶融させ、その後、例えば室温(25℃)まで冷却させることにより、コネクタ部3のコンタクト部21に同軸ケーブル11の中心導体12を高融点の半田22にて半田付けする。
この際の加熱温度は、シェル部の低融点半田ペーストの融点、またはそれより高くかつケーブル部の高融点半田ペーストの融点より低い温度とする。
その後、例えば室温(25℃)まで冷却させることにより、低融点の半田32となる。この低融点の半田32により、シェル部4とGNDバー16とが電気的に接続されることとなる。
図5は、シェル半田前(上の2つの図)及びシェル半田後(下の2つの図)それぞれの様子を示す図である。図5によれば、シェル半田部31内に低融点の半田32が良好に充填されており、割れや巣等が発生していないことが確認された。
また、シェル部4とGNDバー16とを半田付けする際に、低融点の半田ペーストを、ハロゲンランプ等の光源を用いて加熱して溶融するので、製造工程におけるタクトタイムを削減することができる。
(1)コネクタ半田の溶融状態
低融点の半田ペースト(シェル半田)にハロゲンランプを照射した場合のコネクタ部における半田(コネクタ半田)の溶融状態を確認するために、ハロゲンランプの照射時間を6秒、10秒の2通りとした場合のコネクタ半田の溶融状態について調べた。
ここでは、コネクタ半田及びシェル半田共に、エバソルJ3−TX04−LU(組成:Sn−3.0%Ag−0.5%Cu、融点:217℃〜220℃)(石川金属社製)を用いた。
シェル半田の溶融条件とコネクタ半田の溶融条件との関係を調べるために、コネクタ各部の温度上昇を測定した。ここでは、ハロゲンランプの出力を160V、照射時間を30秒とした。
図7は、コネクタ各部の温度上昇を示す図であり、図中、Aはシェル部を、BはGNDバーを、Cはコネクタ半田部を、それぞれ示している。
一方、一般的な高温半田である鉛フリーの半田ペースト(Sn−Ag−Cu系半田)の融点は220℃前後であるから、シェル半田の溶融開始時間は、図5中の実線で示した部分で照射から約6秒後と考えられる。ただし、測定時、測定系の熱容量の影響等により実際の温度は、測定温度より20℃程度高いと考えられるので、図5では、シェル半田の融点を200℃としている。
これらの時間の差は、約2秒前後であり、ハーネスとコネクタ部との位置、及び治具とコネクタとの位置、ランプ出力、コネクタ温度等のばらつきを考慮すると、半田付け工程におけるランプの照射時間の範囲は非常に狭いと考えられる。
本発明では、シェル半田を低融点の半田に置き換えることで、シェル半田の溶融時間を早め、シェル半田可能時間からコネクタ半田再溶融時間までの時間間隔を広げることにより、ランプの照射可能時間の範囲を広げることができる。
これにより、低融点の半田を用いれば、ハロゲンランプの照射時間を約3〜4秒程度に広げられることが分かった。
図8は、半田フィレット形成(上の図)及びコネクタ半田未溶融(下の図)それぞれの様子を示したものである。図8によれば、半田フィレットが良好に形成されており、コネクタ半田も未溶融であることが確認された。
Claims (5)
- コネクタ部のコンタクト部に、ケーブルハーネスのグラウンドバーに横架された複数本の同軸ケーブル各々の中心導体が半田付けされ、前記コネクタ部と前記同軸ケーブルとの接続部がシェル部にて覆われており、このシェル部が前記グラウンドバーに半田付けされてなる同軸ケーブルコネクタであって、
前記シェル部と前記グラウンドバーとを電気的に接続する半田は、前記コンタクト部と前記中心導体とを電気的に接続する半田より融点が低いことを特徴とする同軸ケーブルコネクタ。 - 前記シェル部と前記グラウンドバーとを電気的に接続する半田と、前記コンタクト部と前記中心導体とを電気的に接続する半田との融点の差が20℃以上であることを特徴とする請求項1記載の同軸ケーブルコネクタ。
- コネクタ部のコンタクト部に、ケーブルハーネスのグラウンドバーに横架された複数本の同軸ケーブル各々の中心導体を半田付けし、次いで、前記コネクタ部と前記同軸ケーブルとの接続部をシェル部にて覆い、このシェル部を前記グラウンドバーに半田付けする同軸ケーブルコネクタの半田付け方法であって、
前記シェル部と前記グラウンドバーとの半田付けに用いられる半田を、前記コンタクト部と前記中心導体との半田付けに用いられる半田より融点の低い半田とし、この融点の低い半田を前記シェル部と前記グラウンドバーとの間に介在させた状態で、この融点の低い半田を加熱・溶融し、前記シェル部を前記グラウンドバーに半田付けすることを特徴とする同軸ケーブルコネクタの半田付け方法。 - 前記融点の低い半田を、光源を用いて加熱・溶融することを特徴とする請求項3記載の同軸ケーブルコネクタの半田付け方法。
- 前記融点の低い半田と、前記シェル部と前記グラウンドバーとの半田付けに用いられる半田との融点の差が20℃以上であることを特徴とする請求項3または4記載の同軸ケーブルコネクタの半田付け方法。
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