JP2009217172A - 混合多芯線プラスチック光ファイバおよびこれを用いた光通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一端と他端の1対1対応を視覚的に識別可能であり、接続時の作業性を向上できる混合多芯線プラスチック光ファイバ及びこの混合多芯線プラスチック光ファイバを用いた光通信方法を提供する。
【解決手段】可視光線領域で光を透過させる複数の透明心線1と、透明な芯樹脂からなる芯の周囲を着色樹脂で取り囲んでなる複数の着色心線2と、着色樹脂からなる海で構成される混合多芯線プラスチック光ファイバ7であって、透明心線1の芯3a及び着色心線2の芯3bが、横断面において非回転対称に配置されている。透明心線及び着色心線の芯3a,3bが、その横断面において非回転対称であるため、一端と他端とのおける各心1,2の1対1対応を視覚的に識別可能であり、接続時に容易に間違いなく接続できるようになり、作業性が向上する。
【選択図】図3

Description

本発明は、光ファイバと該光ファイバを用いた光通信方法に関し、より具体的には、狭いスペースの中に同時に複数の信号伝送路を有する集積化された光信号伝送媒体に関するものである。
多芯線プラスチック光ファイバとしては、屈折率の高い透明な芯樹脂からなる複数本の芯繊維の個々の周りを鞘樹脂で取り囲んで一まとめにした多芯線プラスチック光ファイバや、芯繊維の各々を鞘樹脂で取り囲んで鞘層となし、それらを第3の樹脂で取り囲んで一まとめにした多芯線プラスチック光ファイバがある。
上記の多芯線プラスチック光ファイバは、当初は主に画像データ伝送用として使用されてきた。すなわち、画像データの各画素に相当する複数のアナログ信号を、該画素に対応する複数の芯を有する多芯プラスチック光ファイバを用いて通信する方法に使用されてきた。この使用方法の場合は、画素間の明るさやコントラストの均一性が求められるためファイバの断面における芯の面積を大きくとる必要があるが、各画素に対応するアナログ信号間のクロストークはある程度許容されるものであった。
また、上記の多芯線プラスチック光ファイバは、単芯プラスチック光ファイバと比較して曲げに対する光量損失が少ない。そこで、高品位な信号を伝送することを意図して、多芯線プラスチック光ファイバをデジタルデータ信号伝送用として使用するために、全ての芯に同一の信号を送って一つの伝送路として用いる方法が提案されている。このような使用方法では、全ての芯に同一の信号を送っているために各芯間の信号のクロストークを考慮する必要はなかった。一方で、個々の芯を伝送路にして芯毎に個別に信号を送ろうとすると、隣り合う芯に光が漏洩し、ノイズとなり、特に光ファイバを曲げた時などに生じるクロストークの問題から、上記の使用方法を前提とした技術では実用性が十分ではなかった。従って、複数の信号を高品位な状態を保ったままで同時に伝送する場合には、信号の数に対応した本数の独立した光ファイバを使用することが必要であった。
これに対して、特許文献1には、1本のファイバで複数のデジタルデータ信号を同時に伝送可能なコンパクトな混合多芯線プラスチック光ファイバが開示されている。該混合多芯線プラスチック光ファイバにおいては、光吸収性を有する着色心線を配することでクロストークを抑制することが可能である。
特開平11−271578号公報
しかしながら、文献1に記載の混合多芯線プラスチック光ファイバでは、複数の心線が、混合多芯線プラスチック光ファイバの横断面に垂直な中心軸線を中心として回転対象となる配置となっている。従って、混合多芯線プラスチック光ファイバの個々の心線の相対的位置関係は保たれているものの、一端と他端の1対1対応を視覚的に識別することができず、発光素子と受光素子とを視覚的に正確に配置することが困難であり、接続時の確認作業で手間取る可能性もあって作業性を損なう虞があった。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、1本のプラスチック光ファイバで複数の信号を良好に同時に伝送でき、且つ一端と他端の1対1対応を視覚的に識別可能であり、接続時の作業性を向上できる混合多芯線プラスチック光ファイバ及びこの混合多芯線プラスチック光ファイバを用いた光通信方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、多芯線プラスチック光ファイバ中の透明心線と着色心線の芯の横断面を非回転対称に配置させることによって、一端と他端の1対1対応を視覚的に識別できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、透明な芯樹脂からなる芯の周囲を該芯樹脂よりも屈折率の低い透明な鞘樹脂で取り囲み、可視光線領域で光を透過させる複数の透明心線と、透明な芯樹脂からなる芯の周囲を、鞘樹脂を透過することのできる光波長領域の少なくとも一部で光吸収性を有する着色樹脂で取り囲んでなる複数の着色心線と、着色樹脂からなる海で構成される混合多芯線プラスチック光ファイバであって、当該ファイバの横断面において、着色樹脂からなる海の中に透明心線の芯及び着色心線の芯が島状に配置されて海島構造が形成され、透明心線の芯及び着色心線の芯が、横断面において非回転対称に配置されていることを特徴とする。
本発明は混合多芯線プラスチック光ファイバであるため、1本で複数の信号を良好に同時に伝送できる。さらに、混合多芯線プラスチック光ファイバの横断面における海島構造の島を形成する透明心線の芯及び着色心線の芯が、その横断面において非回転対称であるため、混合多芯線プラスチック光ファイバの一端と他端とのおける各心の1対1対応を視覚的に識別可能な構成になっている。その結果として、接続時に容易に間違いなく接続できるようになり、作業性が向上する。
さらに、本発明の透明心線は、芯の周囲を取り囲む鞘樹脂の外側を、着色樹脂で更に取り囲んでなる態様であってもよい。この態様においても、混合多芯線プラスチック光ファイバの一端と他端とのおける各心の1対1対応を視覚的に識別可能であり、接続時に容易に間違いなく接続できるようになり、作業性が向上する。
さらに、透明心線の芯と着色心線の芯とが同じ芯樹脂からなると好適である。さらに、着色樹脂は、カーボンブラックを1〜50000ppm含む黒色樹脂であると好適である。さらに、透明心線の周囲に複数の着色心線が配置されていると好適である。
また、本発明に係る通信方法は、上記の混合多芯線プラスチック光ファイバを用いた光通信方法であって、混合多芯線プラスチック光ファイバの中に含まれる透明心線の一本毎に、または隣接する透明心線の2本以上の集合毎に異なる信号を送信することを特徴とする。
また、上記の通信方法において、集積されたレーザーアレーと組み合わせて信号を送信すると好適である。
本発明によれば、1本で複数の信号を良好に同時に伝送でき、且つ一端と他端の1対1対応を視覚的に識別可能であり、例えば、発光素子と受光素子とを視覚的に正確に配置でき、接続時の作業性を向上できる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る混合多芯線プラスチック光ファイバを構成する透明心線と着色心線の断面構造の一例を示し、(a)は透明心線を示し、(b)は着色心線を示す。図2は、本実施形態に係る混合多芯線プラスチック光ファイバの横断面構造を示す。
本実施形態では、外側に樹脂からなる被覆層6(図2参照)を形成してケーブルとした態様の混合多芯線プラスチック光ファイバ7Aを例示して説明する。この混合多芯線プラスチック光ファイバ7Aは、複数の透明心線1と着色心線2とを全体が1本の繊維構造体になるように複合紡糸してなる。
図1に示されるように、透明心線1は、通常のプラスチック光ファイバのように光伝送が可能である。透明心線1は、透明な芯樹脂からなる芯3aと、芯樹脂よりも屈折率の低い透明な鞘樹脂で芯3aを取り囲む層(以下、「鞘層」ともいう)4とからなる。
着色心線2は、透明な芯樹脂からなる芯3bと、透明心線1の鞘層4を構成する鞘樹脂が光透過することができる波長領域の少なくとも一部で光吸収特性を有する着色樹脂からなる層(以下、「着色樹脂層」ともいう)5で芯3bを取り囲んだ二層構造繊維からなり、よって全く光を透過しないか、或いは着色した領域の波長の光は透過しない心線である。本発明において、着色心線の「着色」とは、可視域での光吸収性を有していることに限らず、可視域外でも鞘樹脂を光透過することができる波長領域において光吸収性を有することを意味する。
なお、透明心線1の芯3aと着色心線2の芯3bとは同じ芯樹脂で形成しても良いし、異なる芯樹脂であっても良い。さらに、着色心線2の芯3bは、透明な芯樹脂を染料または顔料により着色した樹脂で形成しても良い。製造上の効率を考慮すれば、特に理由がない限り、芯3aと芯3bは同じ芯樹脂で形成するのが望ましい。
図2に示されるように、混合多芯線プラスチック光ファイバ7Aは、透明心線1と着色心線2とをそれぞれ複数本ずつ全体が1本の繊維構造体になるように複合紡糸することにより、着色心線2の着色樹脂層5を形成する着色樹脂が透明心線1と着色心線2の芯3bとの間を埋めて海を形成し、着色心線2の芯3bと透明心線1とが島となって、海島構造を形成する。その結果、透明心線1は、これを取り巻く複数の着色心線2によって隔離され、光ファイバ断面において各芯3a、3bは等間隔に配置される。
さらに、混合多芯線プラスチック光ファイバ7Aでは、着色心線2を用いて透明心線1を所望の位置に配置させることができるが、心線(以下、透明心線と着色心線を総称して「心線」ともいう。)を、混合多芯線プラスチック光ファイバ7Aの横断面の中心軸線C1に対して回転対称とならないように、すなわち非回転対称となるように配置されており、混合多芯線プラスチック光ファイバ7Aの一端と他端との1対1対応を視覚的に識別することができる構成になっている。その結果として、発光素子と受光素子とを視覚的に正確に配置でき、接続時の作業性は向上する。
次に、図3及び図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る混合多芯線プラスチック光ファイバについて説明する。図3は、第2実施形態に係る透明心線及び着色心線の断面構造の一例を示し、(a)は透明心線を示し、(b)は着色心線を示す。また、図4は、第2実施形態に係る混合多芯線プラスチック光ファイバ7Bの横断面構造である。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様の部材や要素については、同一の符号を付して説明を省略し、また、便宜的に透明心線及び着色心線についても第1実施形態と同様の符号を付して説明している。
本実施形態に係る透明心線1は、透明な芯樹脂からなる芯3aと、芯樹脂よりも屈折率の低い透明な鞘樹脂で芯3aを取り囲む層(以下、「鞘層」ともいう)4とを備え、さらに、鞘層4の外側にも後述の着色心線2の着色樹脂層5bと同じ着色樹脂からなる着色樹脂層5aを形成している。
着色心線2は、透明な芯樹脂からなる芯3bと、透明心線1の鞘層4を構成する鞘樹脂が光透過することができる波長領域の少なくとも一部で光吸収特性を有する着色樹脂からなる層(以下、「着色樹脂層」ともいう)5bで芯3bを取り囲んだ二層構造繊維からなり、よって全く光を透過しないか、或いは着色した領域の波長の光は透過しない心線である。
混合多芯線プラスチック光ファイバ7Bは、複数の透明心線1を1グループとしてグループ毎に着色心線2で隔離し、心線1,2を回転対称とならないように配置する例である。本実施形態のように、複数の透明心線1が直接隣り合う場合や、混合多芯線プラスチック光ファイバ7Bの最外層に透明心線1が配置される場合には、隣接する透明心線1間及び混合多芯線プラスチック光ファイバ7Bの最外層に着色樹脂層を配するために、着色樹脂層5aが形成されている。
混合多芯線プラスチック光ファイバ7Bでは、着色樹脂からなる着色樹脂層5a,5bが海となり、着色心線2の芯3bと透明心線1の芯3a及び鞘層4とが島となって、海島構造を形成する。さらに、着色心線2の芯3bと透明心線1の芯3aとは、横断面の中心軸線C1に対して非回転対称となるように配置されており、混合多芯線プラスチック光ファイバ7Bの一端と他端との1対1対応を視覚的に識別することができる構成になっている。その結果として、発光素子と受光素子とを視覚的に正確に配置でき、接続時の作業性は向上する。
以上の各実施形態のように、本発明に係る混合多芯線プラスチック光ファイバは、複数の透明心線と着色心線とを全体が1本の繊維構造体になるように複合紡糸によって製造することが好ましい。
また、多芯線プラスチック光ファイバの芯の数は、通常は六方最密度構造にすると効率が良いため、混合多芯線プラスチック光ファイバの着色心線と透明心線とを合わせた芯線の総数は7本以上として、断面における全体の芯の配置が円断面に収納されるように配置するのが好ましい。一方で、芯線の数については10000本程度までが可能であるが、心線の伝送損失値を低くし、長い距離を通信させるには500本以下が好ましい。
透明心線と着色心線の配置は、本発明に係る混合多芯線プラスチック光ファイバの利用目的に応じて設定する。即ち、用途の一つとして1本(図2の構造)または隣接する複数本(図4の構造)の透明心線を一つの信号を送る伝送路として使用するようにして、1本の混合多芯線プラスチック光ファイバで同時に複数の信号を送る伝送路として使用するという目的の場合は、着色心線は黒色心線として、それが遮光壁として有効なように着色心線を配置することによって一本の混合多芯線プラスチック光ファイバの断面を所望に分割することが可能になる。さらに、心線を非回転対称に配置することで、混合多芯線プラスチック光ファイバの一端と他端の1対1対応を視覚的に識別することができる。
また、本発明に用いる芯樹脂は、屈折率が高い透明樹脂であり、好ましくはポリメチルメタクリレート(以下、「PMMA」ともいう。)系樹脂である。具体的には、例えばメチルメタクリレート単独重合体や、メチルメタクリレートを50重量%以上含んだ共重合体で、共重合可能な成分として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、イソプロピルマレイミドのようなマレイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンなどがあり、これらの中から一種以上適宜選択して共重合させることができる。その他好ましい樹脂として、スチレン系樹脂が使用できる。例えばスチレン単独重合体やスチレン−メチルメタクリレート共重合体などである。その他の好ましい樹脂として、ポリカーボネート系樹脂が使用できる。ポリカーボネート系樹脂は耐熱性が高いこと、及び吸湿性が低いという特徴を有する。その他、プラスチック光ファイバの芯樹脂として提案されている、旭硝子社製CYTOP樹脂(登録商標)やデユポン社製TEFLON(登録商標)−AF樹脂、JSR社製アートン樹脂(登録商標)なども芯樹脂としても使用可能である。
また、本発明に用いる鞘樹脂は、芯樹脂よりも屈折率の低い透明な樹脂である。例えば芯がPMMA系樹脂の場合は、ビニリデンフロライド系樹脂例えばビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンの共重合体やビニリデンフロライドとヘキサフロロプロペンの共重合体やビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンの共重合体などである。その他、フルオロアルキルメタクリレート系樹脂も鞘樹脂として好ましい。フルオロアルキルメタクリレートとしては下記一般式(1)で示される化合物であり、当該一般式で示されるフルオロアルキルメタクリレートモノマーの1種類以上と、他の共重合可能なフルオロアルキルアクリレートやアルキルメタクリレートやアルキルアクリレートなどとの共重合体である。
Figure 2009217172
さらに具体的に例を挙げれば、フルオロアルキルメタクリレートとしては、トリフロオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフルオロプロピルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、オクタフルオロプロペンチルメタクリレートなどがあり、フッ化アクリレートモノマーとしては、トリフルオロエチルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレートなどがある。そしてこれらのフッ素系モノマーの他に、高屈折率成分として、メチルメタクリレートやエチルメタクリレートなどのメタクリレートモノマーやメチルアクリレートやエチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリレートモノマー、メタクリル酸やアクリル酸などとのいろいろな組合せによる共重合体が挙げられる。
次に、本発明に用いる着色樹脂について述べる。着色樹脂は着色心線にどのような機能を持たせるかによって幾つかの選択肢がある。まず着色心線を全光波長領域で光を透過させない目的に使用する場合である。例えば着色心線を透明心線とのクロストークの防止に使用するための遮光壁として使用する場合は、着色樹脂の屈折率や結晶性の有無は問われず、光を透過させない樹脂であればよい。他方、着色心線を特定波長の光だけを透過させないで、その他の光は透明心線とほぼ同様に光透過させたい場合は、着色樹脂としては鞘樹脂の中に、その対象とする波長の光を吸収する顔料または染料を含む樹脂を使用することができる。そのような対象波長としては、300nmから1400nmまでの範囲が対象であるが、この波長の中ではR(赤)・G(緑)・B(青)に対応する波長、近赤外線領域のリモートコントロールや無線通信波に対応した波長域が特に利用価値がある。
本発明にかかる着色樹脂のベースとなる樹脂の要件としては、芯樹脂との密着性に優れていることの他に、鞘樹脂と同じ溶融流動特性を持っていることが好ましい。その理由は、本発明に係る混合多芯線プラスチック光ファイバを紡糸するにあたり、透明心線と着色心線が構造的に歪む事無く製造できるためである。従って、鞘樹脂と着色樹脂には必ずしも同じ樹脂を用いる必要はないが、同じものを使用できる場合にはその方がより好ましい。
本発明に係る着色心線を全波長領域で光を透過させない黒色心線とする場合について詳述する。黒色樹脂のベース樹脂として特に好ましいものは、芯樹脂に密着して、かつ機械的にも強固であり、圧縮等で容易に変形しないビニリデンフロライド系樹脂である。中でもショアD硬度が55以上のビニリデンフロライド系樹脂が良い。例えばビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンの共重合体やビニリデンフロライドとヘキサフロロプロペンの共重合体やビニリデンフロライドとテトラフロロエチレンとヘキサフロロプロペンの共重合体などである。中でもビニリデンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%からなる共重合体が好ましく、このビニリデンフロライド系樹脂に、カーボンブラックを1〜50000ppm混練して黒色樹脂として用いるのが特に好ましい。光遮蔽効果を十分に得るために、1ppm以上であることが好ましく、均質にカーボンを分散させるという点から50000ppm以下であることが好ましい。より好ましくは、50〜10000ppmである。
本発明において透明心線と着色心線は一体となって1本の繊維構造体を形成するが、そのためには複合紡糸法によって製造することが好ましい。即ち、芯樹脂と鞘樹脂と着色樹脂をそれぞれ溶融して複合紡糸ダイに供給し、一気に本発明の混合多芯線プラスチック光ファイバを形成する。前記したように、本発明の混合多芯線プラスチック光ファイバには、芯及び鞘層からなる透明心線並びに芯及び着色樹脂層からなる着色心線が一体的に融着した構造(第1実施形態に対応)と、芯、鞘層及び着色樹脂層からなる透明心線並びに芯及び着色樹脂層からなる着色心線が一体的に融着した構造(第2実施形態に対応)がある。後者の構造に対応した複合紡糸ダイの断面概念図を図5に示す。図5に示されるように、複合紡糸ダイ20は、芯樹脂導入口11、鞘樹脂導入口12、着色樹脂導入口13、透明心線ガイドノズル14、着色心線ガイドノズル15を備えている。
本発明の混合多芯線プラスチック光ファイバの断面積に占める全ての芯、鞘層、及び着色樹脂からなる海の面積比率は、複合紡糸ダイに供給する芯樹脂、鞘樹脂及び着色樹脂の体積比率によって決定できる。そして、各心線の位置関係は複合紡糸ダイのガイドノズル14,15の配置によって決定される。それ故、本発明の混合多芯線プラスチック光ファイバの個々の心線の相対的位置関係は一定に保たれる。
本発明の混合多芯線プラスチック光ファイバの直径は通常0.5〜5mm程度のものである。そして、混合多芯線プラスチック光ファイバの全横断面積に対する全芯の横断面積の比率は40%〜90%であることが好ましい。また、芯の平均直径は通常15μm〜500μm、鞘層の厚さは通常1μm〜50μm、着色樹脂層の厚さ(隣接する芯と芯、或いは芯と鞘層との距離)は1μm〜50μm程度である。これらを配慮して複合紡糸ダイで紡糸したストランドは、1.2〜3倍程度に延伸することが強度向上のために好ましく、熱処理して所望の直径の多芯線プラスチック光ファイバ(裸線)が得られる。
通常、本発明の混合多芯線プラスチック光ファイバは、裸線としてその上に被覆樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビニリデンフロライド系樹脂、シリコン樹脂、架橋ポリオレフィン樹脂、架橋ポリ塩化ビニル樹脂などで被覆してケーブルとして使用することが好ましい。
(通信方法)
次に、本発明に係る混合多芯線プラスチック光ファイバを用いた通信方法について説明する。本発明に係る混合多芯線プラスチック光ファイバ、例えば、上記の第1または第2実施形態に係る混合多芯線プラスチック光ファイバ7A,7Bを利用して、着色心線2で区切られた透明心線1またはその集合によって、透明心線1の一本毎、または2本以上の集合毎に異なる信号を伝送する信号伝送路として信号伝送を行う。その結果、混合多芯線プラスチック光ファイバ7A,7B一本でも集積された伝送路を提供することができる。特に面発光レーザー二次元アレ−など集積された光素子と組み合せて信号を送信することで、伝送に好適な光ファイバとして利用することができる。第2実施形態に係る混合多芯線プラスチック光ファイバ7Bの場合には、心線の径をレーザーのスポット径より小さく設定することにより同一の信号を伝送する複数の透明心線1の集合の大きさ(透明心線の本数)を調整することができるので、レーザーアレイを構成するレーザーの個数や配列に合致した透明心線と着色心線のパターンを一つの複合紡糸ダイによって作ることが可能となる。なお、第1実施形態に係る混合多芯線プラスチック光ファイバ7Aの場合には、心線の径は、レーザーのスポット径よりも小さくても、同じであっても、また、大きくてもよい。
[実施例1]
以下実施例に基づき本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、下記実施例において、屈折率とは、ナトリウムD線で20℃で測定した値、メルトフローインデックスは、230℃、荷重3.8Kg、オリフィスの直径2mm、長さ8mmの条件で測定した値を言う。
芯樹脂として、屈折率が1.492、メルトフローインデックスが1.5g/10分であるポリメチルメタクリレート樹脂を用い、鞘樹脂として、屈折率が1.402、メルトフローインデックスが30g/10分の、ビニリデンフロライド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%からなる共重合体を用いた。また着色樹脂としては、上記鞘樹脂にカーボンブラックを5000ppm添加したものを用いた。複合紡糸ダイとしては、図5に示した構造の37芯のダイを用いた。この複合紡糸ダイは、透明芯線が図3に示した着色樹脂層を有する構造のもので、透明心線が6本、着色心線が31本からなる。
上記複合紡糸ダイに芯樹脂と鞘樹脂と着色樹脂を各樹脂の体積の比率が72:5:23になるように供給し、ダイから排出されるストランドを収束し、2倍に延伸して、直径1.00mmの混合多芯線プラスチック光ファイバ裸線を製造した。この混合多芯線プラスチック光ファイバの芯の平均直径は120μm、鞘層の厚さは10μm、着色樹脂層の厚さは10μmであった。この裸線に黒色ポリエチレン被覆を行い、図4に示す断面構造のケーブルを得た。
上記混合多芯線プラスチック光ファイバケーブルを50mとり、片端面を100Wのハロゲンランプにかざしてもう一方の端面を顕微鏡で観察すると、6本の透明心線のみが輝いていた。これらの透明心線の鞘層と鞘層の間は1本の着色心線で隔てられているので160μmの充分な間隔が確保されている。心線は、回転対称とならないように、すなわち非回転対称に配置されているため、混合多芯線プラスチック光ファイバケーブルの一端と他端の1対1対応を視覚的に識別することができた。
次に、本混合多芯線プラスチック光ファイバの伝送損失値を求めた。サンプル52mをとり、入射NA0.15の650nmの単一波長光源を用いて透明心線ごとに1本ずつ測定した。伝送損失値は6本の透明心線が160dB/km〜180dB/kmの範囲にあった。本混合多芯線プラスチック光ファイバを60℃で1000時間放置したが、個々の透明心線の伝送損失は160〜190dB/kmで安定していた。
本発明の混合多芯線プラスチック光ファイバは、光通信の分野で好適に利用できる。
本発明の第1実施形態に係る混合多芯線プラスチック光ファイバを構成する透明心線及び着色心線を示し、(a)は透明心線の断面図、(b)は着色心線の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る混合多芯線プラスチック光ファイバの横断面構造を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る混合多芯線プラスチック光ファイバを構成する透明心線及び着色心線を示し、(a)は透明心線の断面図、(b)は着色心線の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る混合多芯線プラスチック光ファイバの横断面構造を示す断面図である。 複合紡糸ダイの断面概念図である。
符号の説明
1…透明心線、3a…透明心線の芯、2…着色心線、3b…着色心線の芯、5,5a,5b…着色樹脂層、7A,7B…混合多芯線プラスチック光ファイバ。

Claims (7)

  1. 透明な芯樹脂からなる芯の周囲を該芯樹脂よりも屈折率の低い透明な鞘樹脂で取り囲み、可視光線領域で光を透過させる複数の透明心線と、透明な芯樹脂からなる芯の周囲を、前記鞘樹脂を透過することのできる光波長領域の少なくとも一部で光吸収性を有する着色樹脂で取り囲んでなる複数の着色心線と、前記着色樹脂からなる海で構成される混合多芯線プラスチック光ファイバであって、
    当該ファイバの横断面において、前記着色樹脂からなる海の中に前記透明心線の芯及び前記着色心線の芯が島状に配置されて海島構造が形成され、
    前記透明心線の芯及び前記着色心線の芯が、前記横断面において非回転対称に配置されていることを特徴とする混合多芯線プラスチック光ファイバ。
  2. 前記透明心線は、前記芯の周囲を取り囲む前記鞘樹脂の外側を、前記着色樹脂で更に取り囲んでなることを特徴とする請求項1記載の混合多芯線プラスチック光ファイバ。
  3. 前記透明心線の芯と前記着色心線の芯とが同じ芯樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載の混合多芯線プラスチック光ファイバ。
  4. 前記着色樹脂は、カーボンブラックを1〜50000ppm含む黒色樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の混合多芯線プラスチック光ファイバ。
  5. 前記透明心線の周囲に複数の前記着色心線が配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の混合多芯線プラスチック光ファイバ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載の混合多芯線プラスチック光ファイバを用いた光通信方法であって、
    前記混合多芯線プラスチック光ファイバの中に含まれる前記透明心線の一本毎に、または隣接する透明心線の2本以上の集合毎に異なる信号を送信することを特徴とする光通信方法。
  7. 集積されたレーザーアレーと組み合わせて信号を送信することを特徴とする請求項6記載の光通信方法。
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