JP2009216868A - 湿式画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像装置への現像液供給、回収のための現像剤流路を有する湿式画像形成装置において、画像形成動作の休止期間中には動作を必要とせず、コストを要する装置の追加や処理プロセスの追加も最小にとどめ、経済的で簡易に、休止期間中の現像剤流路内壁へのトナー付着を防止することができる湿式画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成動作の休止時、装置が長期間放置される前に、現像剤流路内の現像液を貯蔵槽側に回収し、現像剤流路を空にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャリヤ液にトナー粒子を分散させた現像液を用いてトナー現像を行う湿式画像形成装置に関するものであり、特に、該現像液を貯蔵槽から現像装置に供給及び回収するための現像剤流路を有する湿式画像形成装置に関する。
従来、像担持体表面の静電潜像を、トナー粒子を含む乾式あるいは湿式の現像剤で現像し、現像により形成されたトナー像を記録媒体に転写して最終画像を得る画像形成装置が知られている。
特に湿式の現像装置を用いた湿式の画像形成装置は、乾式の画像形成装置では実現できない利点を有しており、近年その価値が見直されつつある。例えば、サブミクロンサイズの極めて微細なトナーを用いることができるため高画質を実現でき印刷並みの質感を得られる。特に、近年は画像形成装置の高速化に伴って、高粘度のキャリヤ液に、トナー粒子を高濃度に分散させた湿式現像剤が使用される傾向にある。
流動パラフィンやシリコンオイルなどの絶縁性溶媒(キャリヤ液)中に樹脂及び顔料からなる固形分としてのトナーを高濃度に分散させることで構成される、高粘度で高濃度の湿式現像剤(以降、単に現像剤または現像液ともいう)を用いる画像形成装置が提案されるようになってきた。
この湿式現像剤を用いて現像する際には、現像ローラ等の現像剤担持体上に現像剤のミクロン単位の薄層を形成し、この薄層化された現像剤を感光体に接触させて現像する、湿式の現像装置が一般的に用いられる。
現像ローラ等に現像剤層を形成する方法は様々に提案されているが、一般的には現像剤槽から直接現像液を供給ローラ等で汲み上げ、規制部材で一定量に規制し、現像ローラに塗布する。あるいは現像剤量をさらに精度よく規制するために、現像液貯蔵槽(供給用)から現像剤流路を経て定量の現像液を供給ローラに送出する装置構成も採られている。
現像液が、回転する供給ローラに一定の流量で供給され、流れ落とされた余分の現像液は、別の現像剤流路を通って現像液貯蔵槽(回収用)に回収される装置構成である。すなわち現像液は、現像装置を経由して、そこで現像のために消費しながら、現像剤流路を循環するようになっている。
しかしながら、こういった現像剤流路を循環するような構成においては、画像形成終了後に長期間動作停止していると、現像剤流路内に残った現像液はそのままの状態で長期間放置されることになってしまう。現像液が現像剤流路内に長期間滞留すると、現像液中のトナーが現像剤流路内壁に付着することが生じてくる。
また、現像ローラ、感光体、転写ローラ上で転写されずに各部材上に残った現像液を、クリーニング部材で取り除き、同様の現像剤流路を通って貯蔵槽(回収タンク)に回収する装置構成においても、上記と同様のことがいえる。すなわち、画像形成終了後に現像剤流路内に現像液が残った状態で長期間放置すると、トナーが現像剤流路内壁に付着する。
現像剤流路内に現像液が滞留して、トナーが現像剤流路内壁に付着すると、次に画像形成が行われる時に、現像装置に供給する現像液の流量が低下し、良好な画像出力を得られなくなってしまう。
また、回収側の現像液流量が低下した場合には、現像剤流路に流れ込むはずの回収すべき現像液があふれて、装置内を汚染してしまうことが発生する。
こういった現像剤流路内でのトナー付着を抑制するために、いくつかの技術が提案されている(例えば、特許文献1、2及び3参照)。
特許文献1には、現像の動作が停止している間も、間欠的に、もしくは連続的に現像剤流路内の液体現像剤を循環させ続けることで、現像剤流路内壁へのトナー付着を防止する技術が提案されている。
しかしながらこの方法は、短時間の停止であればよいが、長期間の停止になるとその間動力をかけ続けることになり、装置の負担からも経済的ではなく、省エネルギーの観点からも好ましくない。
特許文献2には、超音波振動子を用いて現像剤流路内の現像液に振動を与えトナーの凝集を抑制する、あるいは再分散を促進することによって、現像剤流路内壁へトナー付着しにくくする技術が提案されている。
しかしながらこの方法も、長期間の装置停止であっても超音波振動子は作動しなければならず、また長い現像剤流路の全長に渡って振動を与えるべきことを考慮すると、現実的な対処法であるとはいえない。
特許文献3には、現像の動作が長期間停止している間、現像剤流路にアイソパー、すなわちトナーを含まないキャリヤ液のみを入れ、現像液と置換することで、現像剤流路内壁へのトナー付着を防止する技術が提案されている。
しかしながらこの方法も、使い方によってはキャリヤ液にもトナーが混入し、トナー付着が発生する恐れがある。専用のキャリヤ液を大量に用意する、あるいは使用期間に応じて取り替えるなどの管理が必要となり、これも経済的ではない。
特開平8−137284号公報 特開2000−221787号公報 特開2000−330385号公報
上述したように、現像装置への現像液供給、回収のための現像剤流路を有する湿式画像形成装置においては、画像形成動作の休止期間中に現像剤流路内壁にトナー付着が生じ、次の画像形成動作に悪影響を与えたりすることがあった。
休止期間中のトナー付着を防止するためにいくつかの技術が提案されているが、休止期間中も動力を要したり、コストのかかる装置の設置の必要があったり、キャリヤ液の用意と管理が必要であったり、経済的でなく、十分な効果を得られるものでもなかった。
本発明の目的は、現像装置への現像液供給、回収のための現像剤流路を有する湿式画像形成装置において、画像形成動作の休止期間中には動作を必要とせず、コストを要する装置の追加や処理プロセスの追加も最小にとどめ、経済的で簡易に、休止期間中の現像剤流路内壁へのトナー付着を防止することができる湿式画像形成装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. キャリヤ液にトナー粒子を分散させた現像液を用いてトナー現像を行う湿式の現像装置を備えた湿式画像形成装置において、前記現像液を貯蔵または回収する貯蔵槽と、前記現像液を前記貯蔵槽から前記現像装置、及び前記現像装置から前記貯蔵槽に導くための現像剤流路と、を有し、画像形成動作の休止時に前記現像剤流路内の現像液を前記貯蔵槽側に回収することを特徴とする湿式画像形成装置。
2. 前記現像剤流路中に配置され、前記現像剤流路内の圧力を前記現像装置側と前記貯蔵槽側とで異ならせるための圧力変更手段を有し、前記圧力変更手段により、前記貯蔵槽側の圧力を前記現像装置側より低くすることで、前記現像剤流路内の現像液を前記貯蔵槽側に回収することを特徴とする1に記載の湿式画像形成装置。
3. 前記圧力変更手段は、回転方向により加圧と減圧の変更が可能なポンプであり、前記ポンプを加圧から減圧に変えることで、前記現像剤流路内の前記貯蔵槽側の圧力を前記現像装置側より低くすることを特徴とする2に記載の湿式画像形成装置。
4. 前記現像剤流路内の圧力を、前記現像装置側と前記貯蔵槽側とで異ならせるための圧力変更手段と、前記現像剤流路の前記現像装置側に配置された経路変更手段と、を有し、前記経路変更手段により、前記現像剤流路の前記現像装置側を切断して、前記圧力変更手段と接続し、前記圧力変更手段により、前記現像装置側の圧力をより高くすることで、前記現像剤流路内の現像液を前記貯蔵槽側に回収することを特徴とする1に記載の湿式画像形成装置。
5. 前記圧力変更手段は、空気を圧縮して高圧を発生させる空気圧縮ポンプであり、前記経路変更手段は、切換弁であることを特徴とする4に記載の湿式画像形成装置。
6. 前記現像液を前記貯蔵槽から前記現像装置、及び前記現像装置から前記貯蔵槽に導くための現像剤流路間をバイパス流路で接続し、前記現像装置を経由しない経路を形成する経路変更手段と、前記現像剤流路中に設置された圧力変更手段と、を有し、前記経路変更手段により形成された前記現像装置を経由しない経路において、前記圧力変更手段により前記現像剤流路と前記バイパス流路内の現像液を貯蔵槽に回収することを特徴とする1に記載の湿式画像形成装置。
7. 前記圧力変更手段は、前記現像装置から前記貯蔵槽に導くための現像剤流路中に設置されたポンプであり、前記経路変更手段は、切換弁であることを特徴とする6に記載の湿式画像形成装置。
8. 前記現像剤流路中において、前記現像装置側、前記貯蔵槽側の両側より流路が低くなっているU字形状の底の部分に設けた、前記現像剤流路を開放するための経路変更手段と、該経路変更手段の下方に設けた、前記現像液を回収する回収槽と、を有し、前記経路変更手段を開放することで、前記現像剤流路内の現像液を前記回収槽に回収することを特徴とする1に記載の湿式画像形成装置。
9. 前記経路変更手段はバルブであり、該バルブを開放することで、重力により前記現像剤流路内の現像液が流出していくように、前記現像剤流路中に配置されていることを特徴とする8に記載の湿式画像形成装置。
本発明によれば、現像装置への現像液供給、回収のための現像剤流路を有する湿式画像形成装置において、画像形成動作の休止時、装置が長期間放置される前に、現像剤流路内の現像液を貯蔵槽側に回収し、現像剤流路を空にする。
これにより、休止期間中の動作を必要とせず、コストを要する装置の追加や処理プロセスの追加も最小にとどめ、経済的で簡易に、休止期間中の現像剤流路内壁へのトナー付着を防止することができる湿式画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る湿式画像形成装置の概略構成例を示す構成図である。図1を参照して第1の実施形態に係る湿式画像形成装置の主要構成について説明する。
<画像形成に関わる構成>
まず画像形成に関わる主要構成要素とその機能の概略を説明する。
1は感光体であり、感光体1の回転方向に沿って周囲に、帯電装置9、露光装置8、現像装置5(以後、現像器ともいう)、中間転写体10、感光体クリーニングブレード15が配置されている。
感光体1の表面は、帯電装置9によって均一に帯電され、露光装置8により選択的に露光されることで、静電潜像が形成される。潜像は現像器5によって現像され、トナー像となる。トナー像は中間転写体10に転写され、残余のトナーは感光体クリーニングブレード15によって除去される。その後、画像形成のプロセスが繰り返される。
中間転写体10の周囲には、転写ローラ11が配置され、その間を記録媒体13が挟持され、搬送される。また中間転写体10には、転写残の現像液をクリーニングする中間転写体クリーニングブレード16も配置されている。
感光体1から中間転写体10に転写されたトナー像は、転写ローラ11との印加電界により、その間に挟持された記録媒体13に再度転写される。
12は定着装置であり、中間転写体10から記録媒体13に転写されたトナー像を定着し、出力画像を形成する。
上記は画像形成機能の概略構成であり、様々な変形があり得る。中間転写体10を経ずに、感光体1から直接記録媒体13にトナー像転写する形態でもよい。またカラーの画像形成の場合は、複数のカラートナーに対応した複数の現像装置5と感光体1が中間転写体10の周囲に配置される形態でもよい。
<現像液の供給と回収に関わる構成>
本実施形態の湿式画像形成装置における現像液の流れの概略について、同じく図1を参照して説明する。
19は現像液供給用の貯蔵槽であり、所定のトナー濃度に調整された現像液29を貯蔵する。現像液29は、絶縁性の溶媒であるキャリヤ液中に、分散剤によりトナーが分散されている。
現像液29は、予めトナー濃度調整されたボトル等から貯蔵槽19に供給される。あるいは、図示していないトナー濃度調整槽で、キャリヤ液と高トナー濃度のコンク現像液をそれぞれ加えてトナー濃度を調整し、現像液供給用の貯蔵槽19に供給される。
18は現像供給ポンプであり、供給用の現像剤流路17に配置され、画像形成時に貯蔵槽19から現像液29を、現像剤流路17を経由して現像器5に供給する。また現像供給ポンプ18は、逆回転駆動が可能であり、画像形成動作の休止時に現像剤流路17内の現像液29を、貯蔵槽19側に回収するように駆動させることができる。
現像器5は、現像ローラ2、ならしローラ3、供給ローラ4を構成要素として含む。供給ローラ4は、上記のように供給された現像液29を、規制ブレード6で所定量に規制し、接触回転しているならしローラ3に送る。ならしローラ3は、現像液29を均一な薄層として形成し、同じく接触回転している現像ローラ2に送る。
現像ローラ2上の現像液29の薄層は、帯電チャージャ7により所定の荷電量を与えられ、感光体1上に形成された潜像をトナー現像する。
21は現像回収ポンプであり、回収用の現像剤流路20に配置され、現像器5で、上述のように所定の現像液量になるよう規制され、余剰となった現像液29を、一旦現像器5から現像剤流路20を経由して、現像液回収用の貯蔵槽22に回収する。
現像液回収用の貯蔵槽22に回収された現像液29は、例えば上述したトナー濃度調整槽に送られ、トナー濃度を調整した後、現像液供給用の貯蔵槽19に貯蔵される。
24はクリーニング回収ポンプであり、クリーニング回収用の現像剤流路23に配置され、現像後に現像ローラ2上に残った現像液29が、現像ローラクリーニングブレード14により取り除かれた後、その現像液29を、現像剤流路23を経由して、クリーニング回収用の貯蔵槽25に回収する。
またクリーニング回収ポンプ24は、感光体1上に転写残として残った現像液29が、感光体クリーニングブレード15により取り除かれた後、上記同様にその現像液29を、現像剤流路23を経由して、クリーニング回収用の貯蔵槽25に回収する。
クリーニング回収用の貯蔵槽25に回収された現像液29もまた、上述のトナー濃度調整槽に送られ、トナー濃度を調整した後、現像液供給用の貯蔵槽19に貯蔵されるようにしてもよい。
27は廃液回収ポンプであり、廃液回収用の現像剤流路26に配置され、中間転写体10上に転写残として残った現像液29が、中間転写体クリーニングブレード16により取り除かれた後、その現像液29を、現像剤流路26を経由して、廃液回収用の貯蔵槽28に回収する。
本実施形態では、上記各ポンプが圧力変更手段として機能する。
<現像液の流れの制御>
図2は、図1の湿式画像形成装置の制御系統の構成例を示すブロック図である。次に図2を参照して、第1の実施形態に係る湿式画像形成装置における現像液の供給と回収の流れを制御する機構を説明する。
制御部30は、CPUを含むプロセッサからなり、以下に述べる各制御ブロックの機能を統括して制御する。操作者からの各種信号を入力する操作部34と、必要に応じてメッセージを表示する表示部35も接続されている。
また出力画像データや湿式画像形成装置の各種設定値を記憶するメモリー部31と、既述した画像形成のプロセスを制御する画像形成部32にも接続されている。
36は現像器駆動部であり、現像液29の均一で所定の薄層を形成するため、現像器5内の現像ローラ2、ならしローラ3、供給ローラ4を回転させる。
37は感光体駆動部であり、感光体1を駆動させる。38は中間転写体駆動部であり、中間転写体10を駆動させる。
39は定着器駆動部であり、定着器12を駆動させる。42は加熱電源部であり、定着器12の定着ローラを加熱するヒータに電力を供給する。
駆動電源部41は、上記の現像器駆動部36・感光体駆動部37・中間転写体駆動部38・定着器駆動部39に電力を供給する。
電源部40は、画像形成部32、感光体1から中間転写体10へ現像液29を一次転写させるための電界を発生させるバイアス、中間転写体10から記録媒体13へ現像液29を転写させるための電界を発生させるバイアスなど、湿式画像形成装置の主な電源を供給する。
現像供給ポンプ18、現像回収ポンプ21、クリーニング回収ポンプ24、及び廃液回収ポンプ27は、それぞれ現像液29を供給あるいは回収するために各現像剤流路を循環させるポンプであり、それぞれの流れの詳細は既に述べたとおりである。
現像液送排出電源部33は、上記の各ポンプを駆動するための電源である。
本実施形態における現像液の流れの制御の主要点としては、画像形成を終了して、装置として休止状態に入るときに、上記の現像液の供給と回収のために現像液を循環させていた各現像剤流路から、現像液を回収して、現像剤流路を空にすることである。
本実施形態においては、上記現像剤流路からの現像液回収を、概略以下のように制御している。
画像形成の工程が終了し、湿式画像形成装置が休止状態に入る信号を受けると、画像形成時には供給用の貯蔵槽19から現像器5へ現像液29を送っていた現像供給ポンプ18を、所定時間逆回転させる。すなわち現像液供給用の現像剤流路17内に現像液29がなくなるまでの間逆回転させ、現像剤流路17の貯蔵槽19側を負圧にすることで、供給用の貯蔵槽19に現像剤流路17内の現像液29を回収させるように制御する。
現像液回収用の現像剤流路20、クリーニング回収用の現像剤流路23及び廃液回収葉の現像剤流路26は、もともと現像器5及び各クリーニング部材から各貯蔵槽に各ポンプを使い現像液29を戻していたため、休止状態に入るときも各ポンプを各現像剤流路内に現像液29がなくなるまで所定時間駆動させるよう制御する。
全てのポンプが所定時間駆動し、各現像剤流路を空にした後、電源をOFFにし、湿式画像形成装置を停止させる。
なお、各ポンプは、駆動部の回転方向により送液方向を換えることができ、しごきローラを、現像剤流路を変形させない位置にするなど現像剤流路内に障害物がない設定が可能なチューブポンプを使用することが望ましい。
また、現像供給ポンプ18の他に供給用の貯蔵槽19側を負圧にするため別の負圧ポンプを追加して、現像液供給用の現像剤流路17内に現像液29がなくなるまでの所定時間の間駆動させ、貯蔵槽19に現像液29を回収してもよい。
<現像液の供給と回収のフロー>
図3は、本実施形態に係る湿式画像形成装置における現像液の流れを制御する手順を示すフローチャートである。図3を用いて、本実施形態に係る湿式画像形成装置における画像形成とその休止状態に入るときの現像液の流れを制御する手順を説明する。また適時、図1、図2も参照する。
<装置駆動開始>
図3において、まず湿式画像形成装置の電源部40に電源を投入する(ステップS11)。
続いて、画像形成装置の休止中に空になっていた現像液供給用の現像剤流路17に現像液を満たすため、現像液送排出電源部33をONにし(ステップS13)、現像供給ポンプ18を所定の時間駆動させる(ステップS14及びステップS15)。
現像器5に現像液29が供給できる状態にして現像供給ポンプ18を一旦停止する(ステップS16)。
続いて、画像形成開始の工程(ステップS20)、画像形成の工程(ステップS30)、画像形成終了の工程(ステップS40)、そして休止判定の工程(ステップS50)を実行する。
休止判定がNOであれば、画像形成開始の工程に戻り、次の画像形成に備える。休止判定がYESであれば、引き続いて各現像剤流路の現像液を回収して空にする手順に入る(ステップS70以降)。
図4(a)、(b)そして図5(a)、(b)は、それぞれ画像形成開始の工程(ステップS20)、画像形成の工程(ステップS30)、画像形成終了の工程(ステップS40)、そして休止判定の工程(ステップS50)の各手順を示すフローチャートである。
<画像形成開始の工程>
まず図4(a)を参照して画像形成開始の工程(ステップS20)の手順を説明する。
画像出力信号入力(ステップS21)により、画像形成して出力する画像データをメモリー部31に転送しておく(ステップS22)。
画像形成のための各部を駆動するため、駆動電源部41をONにする(ステップS23)。
記録媒体13にトナー像を定着させるため、予め加熱電源部42をONにし(ステップS24)、定着器12を所定の温度まで加熱する(ステップS25)。
所定の温度まで達した時点で、現像器5に現像液29を供給するため、現像供給ポンプ18を駆動する(ステップS26)。
現像液29が現像器5に供給された後、現像器駆動部36を駆動させ(ステップS27)、現像ローラ2上に現像液29の薄層を形成する。
薄層形成で余剰となった現像液29を、回収用の貯蔵槽22に回収するため現像回収ポンプ21を駆動する(ステップS28)。
感光体1及び中間転写体10を駆動させる(ステップS29及びステップS31)。
画像形成部32を作動させて(ステップS32)、感光体1上に出力する画像データの潜像を形成し、現像ローラ2上の現像液29の薄層により現像を行う。さらに現像によるトナー像の中間転写体10への一次転写、記録媒体13への二次転写を行う。
現像及び一次転写にて残った現像液29を、それぞれ現像ローラクリーニングブレード14及び感光体クリーニングブレード15で現像ローラ2上及び感光体1上から取り除き、取り除いた現像液29をクリーニング回収用の貯蔵槽25へ回収するためクリーニング回収ポンプ24を駆動する(ステップS33)。
記録媒体13に二次転写されずに中間転写体10上に残ったトナー像(現像液29)を中間転写体クリーニングブレード16で中間転写体10上から取り除き、取り除いた現像液29を廃液用の貯蔵槽28へ回収するため廃液回収ポンプ27を駆動する(ステップS34)。
定着器12を駆動させ(ステップS35)、記録媒体13に二次転写されたトナー像を、加熱及び加圧にて記録媒体13に定着させ出力画像を形成する。
<画像形成の工程>
次に図4(b)を参照して画像形成の工程(ステップS30)の手順を説明する。
要求された出力枚数になるまで、画像形成部32を作動させ出力画像を形成する(ステップS36及びステップS37)。
所定の枚数の画像出力が得られると、画像出力終了信号を出す(ステップS38)。
<画像形成終了の工程>
次に図5(a)を参照して画像形成終了の工程(ステップS40)の手順を説明する。
画像出力終了信号を受けて、加熱電源部42をOFFにし(ステップS41)、定着器駆動部39を停止させる(ステップS42)。画像形成部32を停止させる(ステップS43)。
感光体駆動部37・中間転写体駆動部38を停止させる(ステップS44及びステップS45)。現像器駆動部36を停止させる(ステップS46)。
駆動電源部41を停止させる(ステップS47)。
現像供給ポンプ18の駆動を停止させる(ステップS48)。現像回収ポンプ21の駆動を停止させる(ステップS49)。
クリーニング回収ポンプ24の駆動を停止させる(ステップS51)。廃液回収ポンプ27の駆動を停止させる(ステップS52)。
<休止判定の工程>
次に図5(b)を参照して休止判定の工程(ステップS50)の手順を説明する。
表示部35に画像出力終了のメッセージを表示する(ステップS53)。
長期の装置休止を示す終了信号の入力を判定する(ステップS54)、終了信号は、例えば操作者が、操作部34より入力するようにしてもよい。
終了信号入力がない場合(ステップS54;NO)は、画像形成開始の工程に戻る。すなわち、画像出力信号待ちのメッセージを表示し、画像信号が入力されれば、出力信号入力された状態(ステップS21)から、画像形成開始の工程の動作を開始する。
終了信号が入力された場合(ステップS54;YES)は、表示部35に確認のメッセージを表示し(ステップS55)、継続信号を待つ(ステップS56)。
継続信号が入力された場合(ステップS56;YES)は、画像形成を継続するものとして、画像形成開始の工程に戻る。
継続信号が入力されない場合(ステップS56;NO)は、所定時間待機する(ステップS)。すなわち、所定の時間経過するまで(ステップS57;NO)は、表示部35に確認のメッセージを表示し(ステップS55)、継続信号が入力されるのを待ち(ステップS56)、所定の時間経過後(ステップS57;YES)に、タイムアウトとして、休止状態に入ると判定し、以下の現像剤流路から現像液を回収する工程に進む。
<現像剤流路から現像液を回収する工程>
図3に戻り、装置が休止状態に入るに際しての、現像剤流路から現像液を回収する工程の手順を説明する。
現像供給ポンプ18を逆駆動する(ステップS70)。これにより、現像液供給用の現像剤流路17の現像器5側より供給用の貯蔵槽19側を低圧力にして、現像剤流路17内の現像液29を貯蔵槽19側に回収する。
現像回収ポンプ21を駆動する(ステップS71)。これにより、現像液回収用の現像剤流路20の現像器5側より回収用の貯蔵槽22側を低圧力にして、現像剤流路20内の現像液29を貯蔵槽22側に回収する。
クリーニング回収ポンプ24を駆動する(ステップS72)。これにより、クリーニング回収用の現像剤流路23の現像器5側及び感光体1側よりクリーニング回収用の貯蔵槽25側を低圧力にして、現像剤流路23内の現像液29を貯蔵槽25側に回収する。
廃液回収ポンプ27を駆動する(ステップS73)。これにより、廃液回収用の現像剤流路26の中間転写体10側より廃液回収用の貯蔵槽28側を低圧力にして、現像剤流路26内の現像液29を貯蔵槽28側に回収する。
上記の各ポンプを、各現像剤流路内に現像剤29がない状態にするまでの所定時間作動させる(ステップS74;NO)。
所定時間経過後(ステップS74;YES)に、各ポンプを停止する。すなわち、現像剤供給ポンプ18の逆駆動を停止する(ステップS75)。現像回収ポンプ21の駆動を停止する(ステップS76)。クリーニング回収ポンプ24の駆動を停止する(ステップ77S)。廃液回収ポンプ27の駆動を停止する(ステップS78)。
現像液送排出電源部33をOFFにする(ステップS82)。最後に電源部40をOFFにして終了となる(ステップS83)。すなわち、次に画像形成動作の要求が入るまで、装置は休止状態に入る。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る湿式画像形成装置の概略構成例を示す構成図である。図6を参照して第2の実施形態に係る湿式画像形成装置の主要構成について説明する。
画像形成に関わる主要構成要素とその機能の概略は図1の第1の実施形態の場合と同様であり、説明は省略する。
<現像液の供給と回収に関する構成>
第2の実施形態の湿式画像形成装置における現像液の流れの概略についても、第1の実施形態の場合とほぼ同様であり、同じく図6を参照して図1と異なる部分のみ説明する。
18は現像供給ポンプであり、供給用の現像剤流路17に配置され、画像形成時に貯蔵槽19から現像液29を、現像剤流路17を経由して現像器5に供給する。
しかし現像供給ポンプ18は、必ずしも第1の実施形態の場合のように逆回転駆動が可能である必要はない。停止している状態で、現像剤流路17内を現像液29が流動可能であればよい。
現像液供給用の現像剤流路17の現像器5側には切換弁43が配置され、現像剤流路17の現像器5側を加圧タンク44側へと切り換えられるようになっている。加圧タンク44の切換弁43の反対側は、逆止弁45を介して加圧タンク58と繋がっている。
加圧タンク58は空気圧縮ポンプ59により圧縮空気が送り込まれ、加圧状態になっている。すなわち、逆止弁45を介して加圧タンク44に圧縮空気が一方向的に流れ込んでいる。加圧タンク44内の圧縮空気は切換弁43を切り換えることで現像剤流路17に流れ込み、現像剤流路17内の現像液29を貯蔵槽19側へと押し戻す。
現像液回収用の現像剤流路20の現像器5側にも切換弁46が配置され、現像剤流路20の現像器5側を加圧タンク47側へと切り換えられるようになっている。加圧タンク47の切換弁46の反対側は、逆止弁48を介してやはり加圧タンク58と繋がっている。
すなわち、同様に逆止弁48を介して加圧タンク47に圧縮空気が一方向的に流れ込んでいる。加圧タンク47内の圧縮空気は切換弁46を切り換えることで現像剤流路20に流れ込み、現像剤流路20内の現像液29を貯蔵槽22側へと押し出す。
クリーニング回収用の現像剤流路23についても同様であり、現像器5側に切換弁49、加圧タンク50、逆止弁51が配置され、感光体1側には切換弁52、加圧タンク53、逆止弁54が配置されている。
同様に切換弁49及び切換弁52を切り換えることで、加圧タンク50及び加圧タンク53内の圧縮空気が現像剤流路23内の現像液29を貯蔵槽25側へと押し出す。
廃液回収用の現像剤流路26についても同様に、中間転写体10側に切換弁55、加圧タンク56、逆止弁57が配置されている。
同様に切換弁55を切り換えることで、加圧タンク56内の圧縮空気が現像剤流路26内の現像液29を貯蔵槽28側へと押し出す。
本実施形態では、上記の空気圧縮ポンプと各加圧タンクが圧力変更手段として、また各切換弁が経路変更手段として機能する。
<現像液の流れの制御>
図7は、図6の第2の実施形態に係る湿式画像形成装置の制御系統の構成例を示すブロック図である。第2の実施形態に係る湿式画像形成装置における現像液の供給と回収の流れも、第1の実施形態の場合とほぼ同様であり、異なる部分についてのみ説明する。
59は空気圧縮ポンプであり、各加圧タンクや切換弁等を介して各現像剤流路に送るための圧縮空気を発生させる。
60は切換弁制御部であり、空気圧縮ポンプ59による圧縮空気を各現像剤流路に導くための各切換弁を制御する。
本実施形態における現像液の流れの制御の主要点としては、第1の実施形態の場合と同様に、画像形成を終了して、装置として休止状態に入るときに、上記の現像液の供給と回収のために現像液を循環させていた各現像剤流路から、現像液を回収して、現像剤流路を空にすることである。
本実施形態においては、上記現像剤流路からの現像液回収を、概略以下のように制御している。
画像形成の工程が終了し、湿式画像形成装置が休止状態に入る信号を受けると、画像形成時には供給用の貯蔵槽19から現像器5へ現像液29を送っていた現像供給ポンプ18を停止し、ポンプ内を現像液29が流れるように制御する。
現像液供給用の現像剤流路17の現像器5側端部に設けられた切換弁43を、現像器5側端部を止め、加圧タンク44側に接続するよう制御し、加圧タンク44内の圧縮空気の圧力により、現像剤流路17内の現像液29を供給用の貯蔵槽19に押し戻す。
現像液回収用の現像剤流路20、クリーニング回収用の現像剤流路23、廃液回収用の現像剤流路26も同様にして、回収用の貯蔵槽22、クリーニング回収用の貯蔵槽25、廃液回収用の貯蔵槽28に現像液29を押し出すようそれぞれの切換弁を制御する。
上記の各切換弁操作による現像液の押し出しを所定回数行い、各現像剤流路を空にした後、電源をOFFにし、湿式画像形成装置を停止させる。
なお、各ポンプは、しごきローラを、現像剤流路を変形させない位置にするなど現像剤流路内に障害物がない設定が可能なチューブポンプを使用することが望ましい。
<現像液の供給と回収のフロー>
図8は、本実施形態に係る湿式画像形成装置における現像液の流れを制御する手順を示すフローチャートである。図8を用いて、第2の実施形態に係る湿式画像形成装置における画像形成とその休止状態に入るときの現像液の流れを制御する手順を説明する。また適時、図6、図7も参照する。
<装置駆動開始>
装置駆動開始のステップS11からステップS16までは、図3の第1の実施形態の場合と同様であり、説明は省略する。
続いて、画像形成開始の工程(ステップS20)、画像形成の工程(ステップS30)、画像形成終了の工程(ステップS40)、そして休止判定の工程(ステップS50)を実行するのも第1の実施形態の場合と同様である。
またその各工程の詳細手順も、図4(a)、(b)そして図5(a)、(b)を参照して説明した第1の実施形態の場合と同様であり、説明は繰り返さない。
装置が休止状態に入るときの、現像剤流路から現像液を回収する工程へと進む。
<現像剤流路から現像液を回収する工程>
図8を参照し、装置が休止状態に入るに際しての、現像剤流路から現像液を回収する工程の手順を説明する。但し、図3の第1の実施形態と同様のステップは説明を略す。
空気圧縮ポンプ59を駆動する(ステップS61)。これにより、圧縮空気を各加圧タンク内の圧力が所定の圧力になるまで(ステップS62;NO)圧縮空気を送る。全加圧タンクが所定の圧力になった時点(ステップS62;YES)で、空気圧縮ポンプ59を停止する(ステップS63)。
切換弁43を加圧タンク44側に切り換えて、加圧タンク44内の圧縮空気を現像液供給用の現像剤流路17に流す(ステップS64)。これにより、現像液供給用の現像剤流路17の現像器5側より供給用の貯蔵槽19側を低圧力にして、現像剤流路17内の現像液29を貯蔵槽19に回収する。
切換弁46を加圧タンク47側に切り換えて、加圧タンク47内の圧縮空気を現像液回収用の現像剤流路20に流す(ステップS64)。これにより、現像液回収用の現像剤流路20の現像器5側より回収用の貯蔵槽22側を低圧力にして、現像剤流路20内の現像液29を貯蔵槽22に回収する。
切換弁49及び切換弁52を加圧タンク50側及び加圧タンク53側に同時に切り換えて、加圧タンク50及び加圧タンク53内の圧縮空気をクリーニング回収用の現像剤流路23に流す(ステップS64)。これにより、現像剤流路23の現像器5側及び感光体1側よりクリーニング回収用の貯蔵槽25側を低圧力にして、現像剤流路23内の現像液29を貯蔵槽25に回収する。
切換弁55を加圧タンク56側に切り換えて、加圧タンク56内の圧縮空気を廃液回収用の現像剤流路26に流す(ステップS64)。これにより、現像剤流路26の中間転写体10側より廃液回収用の貯蔵槽28側を低圧力にして、現像剤流路26内の現像液29を貯蔵槽28に回収する。
上記の各切換弁操作を行った状態で、各現像剤流路内の圧力バランスがとれるまで、所定時間待機する(ステップS65;NO)。
所定時間経過後(ステップS65;YES)に、各切換弁を元の状態に復帰させる(ステップS66)。
各現像剤流路に圧縮空気を流し、各現像剤流路内の現像液29を回収する上記工程(ステップS61からステップS66)は複数回行うことが望ましい。上記工程を所定回数に達するまで繰り返す(ステップS67;NO)。
所定回数到達後(ステップS67;YES)に、現像液送排出電源部33をOFFにする(ステップS82)。最後に電源部40をOFFにして終了となる(ステップS83)。すなわち、次に画像形成動作の要求が入るまで、装置は休止状態に入る。
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る湿式画像形成装置の概略構成例を示す構成図である。図9を参照して第3の実施形態に係る湿式画像形成装置の主要構成について説明する。
画像形成に関わる主要構成要素とその機能の概略は図1の第1の実施形態の場合と同様であり、説明は省略する。
<現像液の供給と回収に関する構成>
第3の実施形態の湿式画像形成装置における現像液の流れの概略についても、第1の実施形態の場合とほぼ同様であり、同じく図9を参照して図1と異なる部分のみ説明する。
現像供給ポンプ18は、第2の実施形態の場合と同様に、必ずしも逆回転駆動が可能である必要はない。停止している状態で、現像剤流路17内を現像液29が流動可能であればよい。
現像液供給用の現像剤流路17の現像器5側には切換弁62が配置され、現像剤流路17の現像器5側をバイパス流路61側へと切り換えられるようになっている。バイパス流路61の切換弁62の反対側は、次に述べる切換弁63と繋がっている。
上記の切換弁63は、現像液回収用の現像剤流路20の現像器5側に配置され、現像剤流路20の現像器5側を上記のバイパス流路61側へと切り換えられるようになっている。バイパス流路61の切換弁63の反対側は、上記の切換弁62と繋がっている。
すなわち、切換弁62と切換弁63とを同時にバイパス流路61側へと切り換えることで、現像液29の流れる経路を以下のように切り換えられる。貯蔵槽19から現像剤流路17を経て現像器5へ、そして現像器5から現像剤流路20を経て貯蔵槽22へと循環していた経路を、現像器5を経由せず、現像剤流路17からバイパス流路61、そして現像剤流路20へと至る経路へと換える。
また現像液供給用の現像剤流路17の供給用の貯蔵槽19側には、切換弁64が配置され、上記切換弁の切換と合わせて現像剤流路17の貯蔵槽19側を開放するよう切り換えられる。ここから空気が流入することで現像剤流路17内の現像液29がバイパス流路61を経由して貯蔵槽22側へと流入していく。
本実施形態では、上記の各切換弁が経路変更手段として機能する。
<現像液の流れの制御>
図10は、図9の第3の実施形態に係る湿式画像形成装置の制御系統の構成例を示すブロック図である。第3の実施形態に係る湿式画像形成装置における現像液の供給と回収の流れも、第1の実施形態の場合とほぼ同様であり、異なる部分は次の点のみである。
60は切換弁制御部であり、各現像剤流路による現像器5への現像液供給と回収の流れを、現像器5を経由せず、バイパス流路61を経由するよう切り換えるための各切換弁を制御する。
本実施形態における現像液の流れの制御の主要点としては、第1の実施形態の場合と同様に、画像形成を終了して、装置として休止状態に入るときに、上記の現像液の供給と回収のために現像液を循環させていた各現像剤流路から、現像液を回収して、現像剤流路を空にすることである。
本実施形態においては、上記現像剤流路からの現像液回収を、概略以下のように制御している。
画像形成の工程が終了し、湿式画像形成装置が休止状態に入る信号を受けると、画像形成時には供給用の貯蔵槽19から現像器5へ現像液29を送っていた現像供給ポンプ18を停止し、ポンプ内を現像液29が流れるように制御する。
切換弁62、切換弁63を作動させ、現像液供給用の現像剤流路17と現像液回収用の現像剤流路20を、バイパス流路61を介して接続し、さらに切換弁64を作動させ、現像剤流路17の供給用の貯蔵槽19側を開放するよう制御する。
現像回収ポンプ21を駆動して現像剤流路17と現像剤流路20及びバイパス流路61内の現像液29を回収用の貯蔵槽22に回収するよう制御する。
クリーニング回収用の現像剤流路23及び廃液回収葉の現像剤流路26は、もともと現像器5及び各クリーニング部材から各貯蔵槽に各ポンプを使い現像液29を戻していたため、休止状態に入るときも各ポンプを各現像剤流路内に現像液29がなくなるまで所定時間駆動させるよう制御する。
全てのポンプが所定時間駆動し、バイパス流路61を含む各現像剤流路を空にした後、切換弁62、切換弁63を作動させ、現像剤流路17と現像剤流路20をバイパス流路61から切断し、元の流路に復帰させるよう制御する。切換弁64を作動させ、現像剤流路17を貯蔵槽19と接続した後、電源をOFFにし、湿式画像形成装置を停止させる。
なお、各ポンプは、しごきローラを、現像剤流路を変形させない位置にするなど現像剤流路内に障害物がない設定が可能なチューブポンプを使用することが望ましい。
<現像液の供給と回収のフロー>
図11は、本実施形態に係る湿式画像形成装置における現像液の流れを制御する手順を示すフローチャートである。図11を用いて、第3の実施形態に係る湿式画像形成装置における画像形成とその休止状態に入るときの現像液の流れを制御する手順を説明する。また適時、図9、図10も参照する。
<装置駆動開始>
装置駆動開始のステップS11からステップS16までは、図3の第1の実施形態の場合と同様であり、説明は省略する。
続いて、画像形成開始の工程(ステップS20)、画像形成の工程(ステップS30)、画像形成終了の工程(ステップS40)、そして休止判定の工程(ステップS50)を実行するのも第1の実施形態の場合と同様である。
またその各工程の詳細手順も、図4(a)、(b)そして図5(a)、(b)を参照して説明した第1の実施形態の場合と同様であり、説明は繰り返さない。
装置が休止状態に入るときの、現像剤流路から現像液を回収する工程へと進む。
<現像剤流路から現像液を回収する工程>
図11を参照し、装置が休止状態に入るに際しての、現像剤流路から現像液を回収する工程の手順を説明する。但し、図3の第1の実施形態と同様のステップは説明を略す。
切換弁62と切換弁63を作動させ、現像液供給用の現像剤流路17と現像液回収用の現像剤流路20を、バイパス流路61を介して接続する(ステップS68)。切換弁64を作動させて、現像剤流路17の供給用の貯蔵槽19側を開放させる(ステップS69)。
現像回収ポンプ21を駆動する(ステップS71)。これにより、バイパス流路61を介して接続された現像剤流路17と現像剤流路20内において、回収用の貯蔵槽22側を低圧力にして、接続された現像剤流路17・現像剤流路20内の現像液29を貯蔵槽22側に回収する。
クリーニング回収ポンプ24を駆動する(ステップS72)。廃液回収ポンプ27を駆動する(ステップS73)。これらは第1の実施形態の場合と同様である。
各ポンプを、バイパス流路61を含む各現像剤流路内に現像液29がない状態にするまでの所定時間作動させる(ステップS74;NO)。
所定時間経過後(ステップS74;YES)に、各ポンプを停止する。すなわち、現像回収ポンプ21の駆動を停止する(ステップS76)。クリーニング回収ポンプ24の駆動を停止する(ステップS77)。廃液回収ポンプ27の駆動を停止する(ステップS78)。
切換弁62、切換弁63を作動させ、現像液供給用の現像剤流路17と現像液回収用の現像剤流路20をバイパス流路61から切断する(ステップS79)。切換弁64を作動させ、現像剤流路17を供給用の貯蔵槽19と接続する(ステップS80)。
現像液送排出電源部33をOFFにする(ステップS82)。最後に電源部40をOFFにして終了となる(ステップS83)。すなわち、次に画像形成動作の要求が入るまで、装置は休止状態に入る。
(第4の実施形態)
図12は、本発明の第4の実施形態に係る湿式画像形成装置の概略構成例を示す構成図である。図12を参照して第4の実施形態に係る湿式画像形成装置の主要構成について説明する。
画像形成に関わる主要構成要素とその機能の概略は図1の第1の実施形態の場合と同様であり、説明は省略する。
<現像液の供給と回収に関する構成>
第4の実施形態の湿式画像形成装置における現像液の流れの概略についても、第1の実施形態の場合とほぼ同様であり、同じく図12を参照して図1と異なる部分のみ説明する。
現像供給ポンプ18は、第2、第3の実施形態の場合と同様に、必ずしも逆回転駆動が可能である必要はない。停止している状態で、現像剤流路17内を現像液29が流動可能であればよい。
現像液供給用の現像剤流路17において、現像器5側、貯蔵槽19側の両側より流路が低くなっているU字形状の底の部分にはバルブ65が配置され、現像剤流路17を開放し、中の現像液29を流出できるようになっている。バルブ65の下方には、回収槽66が設けられている。
現像液回収用の現像剤流路20においても同様に、現像器5側、貯蔵槽22側の両側より流路が低くなっているU字形状の底の部分にバルブ67が配置され、現像剤流路20を開放し、中の現像液29を流出できるようになっている。バルブ67の下方には、回収槽68が設けられている。
クリーニング回収用の現像剤流路23についても同様に、2箇所のU字形状の底の部分にバルブ69とバルブ71が配置され、それぞれの下方に回収槽70、回収槽72が設けられている。
廃液回収用の現像剤流路26についても同様である。中間転写体10側、貯蔵槽28側の両側より流路が低くなっているU字形状の底の部分にバルブ73が配置され、その下方には、回収槽74が設けられている。
各バルブを開放することにより、各現像剤流路内の現像液29が重力により流出するような位置に各バルブは配置され、流出した現像液29は下方の各回収槽に回収される。
各回収槽はそれぞれの貯蔵槽と連結していてもよいし、またはそれぞれの貯蔵槽が回収槽を兼ねていてもよい。
本実施形態では、上記の各バルブが経路変更手段として機能する。
<現像液の流れの制御>
図13は、図12の第4の実施形態に係る湿式画像形成装置の制御系統の構成例を示すブロック図である。第4の実施形態に係る湿式画像形成装置における現像液の供給と回収の流れも、第1の実施形態の場合とほぼ同様であり、異なる部分についてのみ説明する。
75はバルブ制御部であり、各現像剤流路において配置された各バルブを開放し、内部の現像液29を重力によって流出させるために各バルブを制御する。
本実施形態における現像液の流れの制御の主要点としては、第1の実施形態の場合と同様に、画像形成を終了して、装置として休止状態に入るときに、上記の現像液の供給と回収のために現像液を循環させていた各現像剤流路から、現像液を回収して、現像剤流路を空にすることである。
本実施形態においては、上記現像剤流路からの現像液回収を、概略以下のように制御している。
画像形成の工程が終了し、湿式画像形成装置が休止状態に入る信号を受けると、画像形成時には供給用の貯蔵槽19から現像器5へ現像液29を送っていた現像供給ポンプ18を停止し、ポンプ内を現像液29が流れるようにする。
バルブ65を開放させるよう制御し、現像液供給用の現像剤流路17内に重力によって溜まる現像液29を回収槽66に落とし、回収する。回収槽66と供給用の貯蔵槽19を連結させ、最終的に現像液29が貯蔵槽19に貯えられるようにしてもよい。
現像回収ポンプ21を停止し、ポンプ内を現像液29が流れるようにする。現像液回収用の現像剤流路20内の現像液29が少なくなるよう所定の時間だけ現像回収ポンプ21を駆動させるよう制御してもよい。
現像回収ポンプ21を停止後、バルブ67を開放させるよう制御し、現像液回収用の現像剤流路20内に重力によって溜まる現像液29を回収槽68に落とし、回収する。
同様に、クリーニング回収ポンプ24、及び廃液回収ポンプ27を停止し、各ポンプ内を現像液29が流れるようにする。クリーニング回収用の現像剤流路25及び廃液回収用の現像剤流路28内の現像液29が少なくなるよう所定の時間だけ、それぞれのポンプを駆動させるよう制御してもよい。
クリーニング回収ポンプ24を停止後、バルブ69・バルブ71を開放させるよう制御し、現像剤流路25内に重力によって溜まる現像液29を回収槽70・回収槽72に落とし、回収する。
廃液回収ポンプ27を停止後、バルブ73を開放させるよう制御し、現像剤流路26内に重力によって溜まる現像液29を回収槽74に落とし、回収する。
全てのバルブを開放した後、電源をOFFにし、湿式画像形成装置を停止させる。
なお、各ポンプは、しごきローラを、現像剤流路を変形させない位置にするなど現像剤流路内に障害物がない設定が可能なチューブポンプを使用することが望ましい。
<現像液の供給と回収のフロー>
図14は、本実施形態に係る湿式画像形成装置における現像液の流れを制御する手順を示すフローチャートである。図14を用いて、本実施形態に係る湿式画像形成装置における画像形成とその休止状態に入るときの現像液の流れを制御する手順を説明する。また適時、図12、図13も参照する。
<装置駆動開始>
まず湿式画像形成装置の電源部40に電源を投入する(ステップS11)。
続いて、画像形成装置の休止中に空になっていた現像液供給用の現像剤流路17に現像液を満たすため、開放になっている各バルブを閉めて(ステップS12)、現像液送排出電源部33をONにし(ステップS13)、現像供給ポンプ18を所定の時間駆動させる(ステップS14及びステップS15)。
現像器5に現像液29を供給できる状態にして現像供給ポンプ18を一旦停止する(ステップS16)。
続いて、画像形成開始の工程(ステップS20)、画像形成の工程(ステップS30)、画像形成終了の工程(ステップS40)、そして休止判定の工程(ステップS50)を実行するが、これらは第1の実施形態の場合と同様である。
またその各工程の詳細手順も、図4(a)、(b)そして図5(a)、(b)を参照して説明した第1の実施形態の場合と同様であり、説明は繰り返さない。
装置が休止状態に入るときの、現像剤流路から現像液を回収する工程へと進む。
<現像剤流路から現像液を回収する工程>
図14を参照し、装置が休止状態に入るに際しての、現像剤流路から現像液を回収する工程の手順を説明する。但し、図3の第1の実施形態と同様のステップは説明を略す。
現像回収ポンプ21を駆動する(ステップS71)。クリーニング回収ポンプ24を駆動する(ステップS72)。廃液回収ポンプ27を駆動する(ステップS73)。これらは図3の第1の実施形態のステップS71からステップS73の工程と同様である。
上記の各ポンプを、各現像剤流路内に現像液29が少ない状態にするまでの所定時間作動させる(ステップS74;NO)。
所定時間経過後(ステップS74;YES)、上記の各ポンプの駆動を停止する(ステップS76からステップS78)。これらは図3の第1の実施形態のステップS76からステップS78の工程と同様である。
閉められていた各バルブを開放する(ステップS81)。これにより、各現像剤流路内の各バルブ周辺に滞留した現像液29を流出させ、それぞれの回収槽に落として回収する。
現像液送排出電源部33をOFFにする(ステップS82)。最後に電源部40をOFFにして終了となる(ステップS83)。すなわち、次に画像形成動作の要求が入るまで、装置は休止状態に入る。
上述した各実施形態に示したように、本発明によれば、現像装置への現像液供給、回収のための現像剤流路を有する湿式画像形成装置において、画像形成動作の休止時、装置が長期間放置される前に、現像剤流路内の現像液を貯蔵槽側に回収し、現像剤流路を空にすることができる。
これにより、休止期間中の動作を必要とせず、コストを要する装置の追加や処理プロセスの追加も最小にとどめ、経済的で簡易に、休止期間中の現像剤流路内壁へのトナー付着を防止することができる湿式画像形成装置を提供することができる。
なお本発明の範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、それらの変更された形態もその範囲に含むものである。
第1の実施形態に係る湿式画像形成装置の概略構成例を示す構成図である。 図1の湿式画像形成装置の制御系統の構成例を示すブロック図である。 図1の湿式画像形成装置における現像液の流れを制御する手順を示すフローチャートである。 (a)画像形成開始の工程、(b)画像形成の工程の各手順を示すフローチャートである。 (a)画像形成終了の工程、(b)休止判定の工程の各手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る湿式画像形成装置の概略構成例を示す構成図である。 図6の湿式画像形成装置の制御系統の構成例を示すブロック図である。 図6の湿式画像形成装置における現像液の流れを制御する手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る湿式画像形成装置の概略構成例を示す構成図である。 図9の湿式画像形成装置の制御系統の構成例を示すブロック図である。 図9の湿式画像形成装置における現像液の流れを制御する手順を示すフローチャートである。 第4の実施形態に係る湿式画像形成装置の概略構成例を示す構成図である。 図12の湿式画像形成装置の制御系統の構成例を示すブロック図である。 図12の湿式画像形成装置における現像液の流れを制御する手順を示すフローチャートである。
符号の説明
17 (現像液供給用の)現像剤流路
18 現像供給ポンプ
19 (供給用の)貯蔵槽
20 (現像液回収用の)現像剤流路
21 現像回収ポンプ
22 (回収用の)貯蔵槽
23 (クリーニング回収用の)現像剤流路
24 クリーニング回収ポンプ
25 (クリーニング回収用の)貯蔵槽
26 (廃液回収用の)現像剤流路
27 廃液回収ポンプ
28 (廃液回収用の)貯蔵槽
29 現像液
59 空気圧縮ポンプ
61 バイパス流路

Claims (9)

  1. キャリヤ液にトナー粒子を分散させた現像液を用いてトナー現像を行う湿式の現像装置を備えた湿式画像形成装置において、
    前記現像液を貯蔵または回収する貯蔵槽と、
    前記現像液を前記貯蔵槽から前記現像装置、及び前記現像装置から前記貯蔵槽に導くための現像剤流路と、を有し、
    画像形成動作の休止時に前記現像剤流路内の現像液を前記貯蔵槽側に回収する
    ことを特徴とする湿式画像形成装置。
  2. 前記現像剤流路中に配置され、前記現像剤流路内の圧力を前記現像装置側と前記貯蔵槽側とで異ならせるための圧力変更手段を有し、
    前記圧力変更手段により、前記貯蔵槽側の圧力を前記現像装置側より低くすることで、前記現像剤流路内の現像液を前記貯蔵槽側に回収する
    ことを特徴とする請求項1に記載の湿式画像形成装置。
  3. 前記圧力変更手段は、回転方向により加圧と減圧の変更が可能なポンプであり、
    前記ポンプを加圧から減圧に変えることで、前記現像剤流路内の前記貯蔵槽側の圧力を前記現像装置側より低くする
    ことを特徴とする請求項2に記載の湿式画像形成装置。
  4. 前記現像剤流路内の圧力を、前記現像装置側と前記貯蔵槽側とで異ならせるための圧力変更手段と、
    前記現像剤流路の前記現像装置側に配置された経路変更手段と、を有し、
    前記経路変更手段により、前記現像剤流路の前記現像装置側を切断して、前記圧力変更手段と接続し、
    前記圧力変更手段により、前記現像装置側の圧力をより高くすることで、前記現像剤流路内の現像液を前記貯蔵槽側に回収する
    ことを特徴とする請求項1に記載の湿式画像形成装置。
  5. 前記圧力変更手段は、空気を圧縮して高圧を発生させる空気圧縮ポンプであり、
    前記経路変更手段は、切換弁である
    ことを特徴とする請求項4に記載の湿式画像形成装置。
  6. 前記現像液を前記貯蔵槽から前記現像装置、及び前記現像装置から前記貯蔵槽に導くための現像剤流路間をバイパス流路で接続し、前記現像装置を経由しない経路を形成する経路変更手段と、
    前記現像剤流路中に設置された圧力変更手段と、を有し、
    前記経路変更手段により形成された前記現像装置を経由しない経路において、前記圧力変更手段により前記現像剤流路と前記バイパス流路内の現像液を貯蔵槽に回収する
    ことを特徴とする請求項1に記載の湿式画像形成装置。
  7. 前記圧力変更手段は、前記現像装置から前記貯蔵槽に導くための現像剤流路中に設置されたポンプであり、
    前記経路変更手段は、切換弁である
    ことを特徴とする請求項6に記載の湿式画像形成装置。
  8. 前記現像剤流路中において、前記現像装置側、前記貯蔵槽側の両側より流路が低くなっているU字形状の底の部分に設けた、前記現像剤流路を開放するための経路変更手段と、
    該経路変更手段の下方に設けた、前記現像液を回収する回収槽と、を有し、
    前記経路変更手段を開放することで、前記現像剤流路内の現像液を前記回収槽に回収する
    ことを特徴とする請求項1に記載の湿式画像形成装置。
  9. 前記経路変更手段はバルブであり、該バルブを開放することで、重力により前記現像剤流路内の現像液が流出していくように、前記現像剤流路中に配置されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の湿式画像形成装置。
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