JP2009216244A - 主軸装置用軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な排油性を有し、軸受に対する潤滑油過多や軸受の異常発熱を抑制することができる主軸装置用軸受を提供する。
【解決手段】主軸装置用軸受70の外輪71には、その内周面の軸方向縁部71dから径方向に切欠かれた排油溝71eが形成されており、排油溝71e内には、負圧発生装置103からの吸引力によって、負圧が作用する。
【選択図】図5

Description

本発明は、主軸装置用軸受に関し、より詳細には、多軸制御の工作機械等に適用され、外部から潤滑油が供給される、高速回転可能な主軸装置用軸受に関する。
例えば、5軸加工機や複合加工工作機械のような多軸制御される工作機械では、工具が取り付けられる回転軸が、水平位置と垂直位置との間、或いは、360度全域に亘って旋回可能な、チルトタイプの主軸装置が使用されている。
このような主軸装置では、内部に配置された軸受を潤滑する方式として、エアを利用して、外部から軸受内部に微量の潤滑油を供給するオイルエア潤滑方式やオイルミスト潤滑方式、また、潤滑油を軸受内部に間欠的に高速度で直接噴射する直接噴射方式が採用されている。
例えば、オイルエア潤滑やオイルミスト潤滑では、図14に示すように、ノズル901から軸受900に潤滑油を供給するとともに、外輪900aや間座902に形成された排油穴903aや排油溝903bからハウジング904の排油通路905を経て外部に排出される構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
実開昭63−139324号公報(第3図)
ところで、特許文献1に記載の工作機械用主軸装置では、重力作用により潤滑油をハウジング904の排油通路905を介して自然に排油するものであるが、軸受内部やその周辺に潤滑のために使用された潤滑油が排出しきれない可能性がある。特に、dm・N50万以上、さらに軸受内部の残油量が潤滑条件に敏感に作用するdm・N100万以上で高速回転可能な主軸装置においては、潤滑油過多や攪拌抵抗によって異常発熱を生じる可能性がある。また、チルトタイプの主軸装置に適用した場合には、主軸装置の姿勢変化により、一端排油穴903aや排油溝903b内に排出された潤滑油が軸受内部に戻り、潤滑油過多や攪拌抵抗によって異常発熱を生じる可能性がある。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な排油性を有し、潤滑油過多や異常発熱を抑制することができる主軸装置用軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に配置される複数の転動体と、
を有し、工具を取り付け可能な回転軸をハウジングに対して回転自在に支持するとともに、オイル潤滑によって潤滑される主軸装置用軸受であって、
前記外輪には、その内周面の軸方向縁部から軸方向或いは径方向に切欠かれた排油溝が形成されており、
該排油溝内には、軸受外部からの吸引力によって、負圧が作用することを特徴とする主軸装置用軸受。
(2)前記外輪には、径方向に貫通する排油穴が形成され、
前記排油溝は、前記排油穴と連通するように軸方向に切欠かれることを特徴とする(1)に記載の主軸装置用軸受。
本発明の主軸装置用軸受によれば、外輪に形成される排油溝内には、軸受外部からの吸引力によって、負圧が作用するので、軸受内部、特に、外輪間座等の隣接する部材との軸方向縁部における、余分な潤滑油を排油溝を介して速やかに排出することができる。特に、チルトタイプの主軸装置では、その姿勢が変化した場合であっても、排出されるはずの排油溝内の潤滑油が軌道面に戻ることが防止され、潤滑油過多や異常発熱を抑制することができる。
また、排油溝は、外輪の内周面の軸方向縁部から軸方向或いは径方向に切欠かれているので、外輪間座等の隣接する部材との軸方向縁部に溜まった余分な潤滑油を排油溝を介して速やかに排出することができる。
さらに、排油溝は、径方向に貫通する排油穴と連通するように軸方向に切欠かれているので、排油穴と連通するハウジングの排油通路と別途、排油通路を設ける必要がなく、ハウジングの加工作業を軽減することができる。
本発明の軸受を備える主軸装置が適用される門形マシニングセンタの概略図である。 第1実施形態の軸受が適用される主軸装置において、一方の前側軸受の給油通路及び排油通路を示す断面図である。 主軸装置において、他方の前側軸受の給油通路及び排油通路を示す断面図である。 主軸装置において、後側軸受の給油通路及び排油通路を示す断面図である。 主軸装置の前側軸受の拡大断面図である。 (a)は、図5の前側軸受の外輪の斜視図であり、(b)は、(a)のVI部拡大図である。 (a)は、主軸装置の後側軸受の拡大断面図であり、(b)は、(a)の排油溝を径方向から見た要部拡大図である。 第2実施形態の主軸装置用軸受に係る前側軸受の拡大断面図である。 (a)は、図8の前側軸受の外輪の斜視図であり、(b)は、(a)のIX部拡大図である。 給油通路と排油通路の変形例を示す主軸装置の断面図である。 本考案品と従来品での、軸受回転数と軸受外輪温度上昇との関係を示す。 スピンドルの旋回状態を説明するための図である。 40,000min−1運転時にスピンドルを旋回させた場合の外輪温度を示すグラフである。 従来の主軸装置における断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る主軸装置用軸受について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の軸受を備えた主軸装置が組み込まれる、複合加工工作機械としての門形マシニングセンタを示す。門形マシニングセンタ1では、ベッド2の上にテーブル3がX軸方向へ移動可能に支持されており、ベッド2の両側には一対のコラム4が立設されている。コラム4の上端にはクロスレール5が架設されており、クロスレール5には、サドル6がY軸方向へ移動可能に設けられる。また、サドル6には、Z軸方向に昇降可能なラム7が支持されており、ラム7の下端には、主軸装置20をY軸回り及びZ軸回りに回転割出し駆動可能に保持する主軸ヘッド8が装着されている。
主軸ヘッド8には、主軸装置20のブラケット21を挟むように一対の支持アーム9が設けられており、一対の支持アーム9は、ブラケット21の両側面に固定された図示しない一対の旋回シャフトを回転可能に支持する。これにより、主軸装置20は、主軸ヘッド8側に設けられた図示しない駆動機構によって一対の支持アーム9に対してY軸回りに旋回可能であり、水平位置と垂直位置との間、或いは、360度全域に亘って取付姿勢を変化することができるチルトタイプを構成する。
図2に示すように、主軸装置20は、モータビルトイン方式であり、その軸方向中心部には、中空状の回転軸22が設けられ、回転軸22の軸芯には、ドローバ23が摺動自在に挿嵌されている。ドローバ23は、工具ホルダ24に取付けられたプルスタッド25を、クランプボール26を介して、皿ばね27の力によって反工具側方向(図の右方向)に付勢しており、工具ホルダ24は、回転軸22のテーパ面28と嵌合する。工具ホルダ24には図示しない工具が取り付けられており、この結果、回転軸22は、一端(図の左側)に工具をクランプして、工具を取り付け可能としている。
また、回転軸22は、その工具側を支承する2列の前側軸受60,70と、反工具側を支承する1列の後側軸受80とによって、ブラケット21(図1参照。)に固定されたハウジングHを構成する外筒29に回転自在に支持されている。なお、前側軸受60,70及び後側軸受80は、本実施形態の主軸装置用軸受を構成する。
前側軸受60,70と後側軸受80間における回転軸22の外周面には、ロータ30が焼き嵌めされたロータスリーブ31が外嵌されている。また、ロータ30の周囲に配置されるステータ32は、ステータ32に焼き嵌めされた冷却ジャケット33を外筒29に内嵌することで、外筒29に固定される。従って、ロータ30とステータ32はモータを構成し、ステータ32に電力を供給することでロータ30に回転力を発生させ、回転軸22を回転させる。
また、外筒29と反工具側で固定されたハウジングHを構成する後蓋34には、工具アンクランプピストン35を摺動自在に内嵌したハウジングHを構成する工具アンクランプシリンダ36が固定されている。よって、工具を交換する際には、油路37から油圧室38に作動油を導き、工具アンクランプピストン35を工具側(図の左側)へ前進させることにより、ドローバ23を工具側(図の左側)へ前進させて、工具をアンクランプする。
前側軸受60,70は、外輪61,71と、内輪62,72と、接触角を持って配置される転動体としての玉63,73と、玉63,73を略等間隔で保持する外輪案内の保持器64,74と、をそれぞれ有するアンギュラ玉軸受であり、背面組み合わせとなるように配置されている。後側軸受80は、外輪81と、内輪82と、転動体としての円筒ころ83と、円筒ころ83を略等間隔で保持するころ案内の保持器84と、を有する円筒ころ軸受である。
前側軸受60,70の外輪61,71は外筒29に内嵌されており、且つ外筒29にボルト締結された前側軸受外輪押え39によってノズル付き外輪間座40及び鍔付き外輪間座51を介して外筒29に対し軸方向に固定されている。また、前側軸受60,70の内輪62,72は、回転軸22に外嵌されており、且つ回転軸22に締結されたナット41によって内輪間座42を介して回転軸22に対し軸方向に固定されている。
後側軸受80の外輪81は後蓋34に内嵌されており、且つ後蓋34にボルト締結された後側軸受外輪押え43によって外輪間座52を介して後蓋34に固定されている。後側軸受80の内輪82は、回転軸22に形成されたテーパ面44とテーパ嵌合されており、回転軸22に締結された他のナット45によって、内輪間座46及び速度センサ47の被検出部48を介して位置決めされている。
なお、後側軸受外輪押え43の反工具側には、被検出部48と径方向に対向する位置に速度センサ47の検出部49が固定されており、回転軸22の回転速度を検出する。また、前側軸受外輪押え39の工具側端面には、フロントカバー50がボルト固定されている。
ここで、図2〜図4に示すように、ハウジングHを構成する外筒29、後蓋34、工具アンクランプシリンダ36には、前側軸受60,70及び後側軸受80をそれぞれ潤滑するための複数の給油通路(ハウジングHの給油用穴)90,91,92が形成されており、これら通路90,91,92の一端側には、潤滑油を送り込む潤滑装置93が図示しない配管を介してそれぞれ取り付けられている。なお、潤滑装置93によって供給される潤滑方式は、オイル潤滑であればよく、オイルエア潤滑、オイルミスト潤滑、直噴潤滑等のいずれであってもよい。
例えば、オイルエア潤滑の場合、給油通路90,91,92の他端側は、外輪間座40に形成されたノズル40a(図2参照。),40b(図3参照。)、後側軸受外輪押え43に形成されたノズル43a(図4参照。)と連通しており、潤滑装置93によって送られた潤滑油を各軸受60,70,80の側方から軸受空間内に供給する。
また、ハウジングHには、各軸受60,70,80を潤滑した潤滑油をそれぞれ排出する複数の排油通路(ハウジングHの排油用穴)100(図2参照。),101(図3参照。),102(図4参照。)が形成されており、これら通路100,101,102の一端側には、潤滑油を吸引するための負圧発生装置103がそれぞれ図示しない配管を介して接続されている。
具体的に、図5及び図6に示すように、前側軸受70では、複数の玉73が、外輪71の内周面に形成された断面略円弧状の外輪軌道面71aと、内輪72の外周面に形成された断面略円弧状の内輪軌道面72aとの間に径方向に対して接触角を持って配置されている。前側軸受70の外輪71には、カウンターボア側の内周面で玉73が通過する外輪軌道面71aの近傍に開口して、且つ、径方向に貫通する排油穴71bが周方向に少なくとも一本(本実施形態では、1本)形成されている。
また、外輪71の内周面には、排油穴71bが開口する軸方向位置に環状の集油溝71cが周方向に亘って形成される。なお、排油穴71bは、外輪71の外輪軌道面71aの近傍に開口することが好ましく、排油穴71bと連通する集油溝71cが、図5に示すように、径方向から見て玉73とオーバーラップする位置に形成されている。この結果、転がり接触部を潤滑後、玉73に付着した油が遠心力により振り切られた後、直接集油溝71cに導かれるメリットがある。ただし、集油溝71cは、径方向から見て玉73とオーバーラップする位置に限定されるものではない。
さらに、外輪71には、その内周面の軸方向縁部71dから径方向に切欠かれた排油溝71eが周方向に少なくとも一本(本実施形態では、1本)形成されている。そして、外輪71と隣接して配置された外輪間座51の鍔51a側の軸方向端面と排油溝71eとで排油用の孔を構成する。
また、外輪71と対向する外筒29の内周面には、排油穴71bの外周側開口と排油溝71eの両方に連通する環状溝104が形成されている。このため、負圧発生装置103によって吸引されながら、潤滑油は、集油溝172bによって集められ、排油穴71bへと送られた後、環状溝104、排油穴29aを介して排油通路101から外部へと排出される一方、鍔付き外輪間座51に仕切られて外輪71の軸方向縁部71dに溜まった潤滑油も、排油溝71eから、環状溝104、排油穴29aを介して排油通路101から外部へと排出される。なお、前側軸受60は、前側軸受70と背面組み合わせで配置される、前側軸受70と同一の構成であるので、説明を省略する。
また、図7に示すように、後側軸受80も、前側軸受60,70と同様、潤滑油が給油される側と反対側の外輪81の内周面の軸方向縁部81dから径方向に切欠かれた円弧状の排油溝81eが周方向に少なくとも一本(本実施形態では、1本)形成されている。
外輪81の外周面には、排油溝81eが開口する環状の周方向溝85が形成されており、周方向溝85は、排油溝81eと、後蓋34に形成された排油通路102の排油穴34aとを連通する。
さらに、外輪81に隣接する外輪間座52の軸方向端面にも、排油溝81eと対向する位置に径方向に切欠かれた円弧状の排油溝52aが形成されている。そして、図7(b)に示すように、この排油溝52aは、外輪81の排油溝81eと共に排油穴34aより径の小さい排油用の穴を構成する。
また、外輪間座52の外周面にも、排油溝52aが開口する軸方向位置に周方向溝52bが形成されており、この周方向溝52bも、排油溝52aと後蓋34に形成された排油通路102の排油穴34aとを連通する。
なお、保持器84は、本実施形態のようにころ案内方式であってもよく、或いは、外輪案内方式であってもよい。また、外輪案内方式の場合には、保持器84は、片側の外周面だけで案内されるように形成されてもよい。
さらに、アンギュラ玉軸受において、潤滑油の給油方向は、背面側からでなく、正面側からであってもよい。また、円筒ころ軸受においても、潤滑油の給油方向は、いずれの軸方向からであってもよい。さらに、各軸受の給油は、外輪に形成される給油穴から行われても良い。なお、好ましくは、給油の位置を転動体に対して排油の位置と反対側とする方が、給油から排油へという潤滑油の流れができ、より確実に潤滑点への給油が可能となる。
従って、各軸受60,70,80を潤滑した、排油穴71bや排油溝71e,81e,52aの潤滑油が、環状溝104や周方向溝85,52bと、各排油通路100,101,102とを介して、外部へ排出される。この際、軸受外部からの吸引力、即ち、負圧発生装置103の吸引力によって、排油穴71bや排油溝71e,81e,52a内には、負圧が作用し、排油穴71bや排油溝71e,81e,52a内の潤滑油が強制的に吸引される。また、外輪61,71,81の内周面のうち、各外輪軌道面71a,81cの近傍や軸方向縁部71d,81dに付着した潤滑油も、負圧発生装置103の吸引力によって、排油穴71bや排油溝71e,81e,52aへと導かれる。
これにより、各軸受60,70の外輪軌道面71aの近傍に設けられた排油穴71bから余分な潤滑油を速やかに排出することができる。また、各軸受60,70,80において、外輪間座51,52と隣接する軸方向縁部に溜まった余分な潤滑油も排油溝71e,81e,52aを介して速やかに排出することができる。特に、本実施形態のようなチルトタイプの主軸装置20において、その姿勢が変化した場合であっても、排出されるはずの潤滑油が軸受内部に戻ること、特に、排油穴71bや排油溝71e,81e,52aに存在する潤滑油が外輪軌道面71a,81cに戻ることが防止され、潤滑油過多や攪拌抵抗による異常発熱を抑制することができる。
また、外輪61,71,81の外周面には、排油穴71bや排油溝71e,81e,52aとハウジングHの排油通路100,101,102とを連通する環状溝104や周方向溝85,52bが形成されているので、排油通路100,101,102との位相合わせを行うことなく、軸受60,70,80をハウジングHに組み付けることができ、主軸装置20の組み付け性が向上される。
また、外輪71の内周面には、排油穴71bが開口する軸方向位置に集油溝71cが周方向に亘って形成されているので、外輪71の内周面に付着する、軸受70を潤滑した潤滑油が集油溝71cに集められ、さらに、集油溝71c内の潤滑油が、負圧発生装置103の吸引力によって、排油穴71bへと速やかに排出される。これにより、排油性をより向上することができ、潤滑油過多や異常発熱をさらに抑制することができる。
軸受70が高速回転していると、玉73の公転や保持器74や内輪72の自転の際、内部の空気もその粘性抵抗により、同様に回転させられ、円周方向の空気流が生じている。従って、外輪71の内周面に付着した油も内周面に沿って円周方向に移動しながら滞留している。特に、回転軸22が立軸の場合、重力効果が少ないのでこの油の滞留が発生しやすい。
主軸装置20が停止して空気流が止まることにより、この滞留している余分な潤滑油が外輪軌道面71a,81cに戻り、再び主軸装置20を回転させた時や、主軸装置20をチルトさせて姿勢が変化した際等に、滞留する油が外輪軌道面71a,81cに戻って異常発熱の原因となる。しかし、この滞留油を排油溝71e,81eから吸引することによって、回転状態における滞留油をなくす効果がある。また、集油溝71cに連通する排油穴71bから吸引することにより、外輪軌道面71aへの潤滑油の戻りを防ぐ効果がある。
また、本実施形態では、排油通路100,101,102は、軸受60,70,80毎に形成されているので、負圧発生装置103の吸引能力条件を変化させることで、各軸受60,70,80の吸引効率を最適化することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る主軸装置用軸受について、図8及び図9を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、前側軸受であるアンギュラ玉軸受の構成において、第1実施形態と異なる。そのため、第1実施形態と同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
図8及び図9に示すように、本実施形態のアンギュラ玉軸受170では、外輪171は、第1実施形態と同様、排油穴71bと環状の集油溝71cが形成されている。また、外輪71の外周面には、外筒29に環状溝104を設ける代わりに、排油穴71bが開口する環状の周方向溝175が形成されており、周方向溝175は、排油穴71bと、外筒29に形成された排油通路101の排油穴29aとを連通する。
さらに、外輪171の内周面には、周方向において排油穴71bと対応する位置に、その軸方向縁部71dから集油溝71cまで軸方向に切欠かれた排油溝171eが形成されている。
これにより、軸受70の外輪軌道面71aの近傍に設けられた排油穴71bから外輪軌道面71aの近傍に付着した余分な潤滑油を速やかに排出できると共に、外輪間座51と隣接する軸方向縁部に溜まった余分な潤滑油も排油溝171eを介して排油穴71bから速やかに排出することができる。
さらに、本実施形態では、外輪171の内周面を回転移動しながら滞留する余分な潤滑油を、排油溝171eによりこの回転移動を制限し、効果的に吸引するという効果がある。
さらに、排油溝171eは、排油穴71bと連通するように形成されているので、排油穴71bと連通するハウジングHの排油通路101と別途、排油通路を設ける必要がなく、ハウジングの加工作業を軽減することができる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。なお、前側軸受60も、前側軸受170と背面組み合わせで配置される、前側軸受170と同一の構成であるので、上記効果を奏することができる。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本実施形態では、前側軸受60,70を2列のアンギュラ玉軸受,後側軸受80を円筒ころ軸受としたが、各軸受の種類や列数は任意に設定可能である。
さらに、図10に示す工作機械用主軸装置20aのように、各軸受60,70,80の排油穴が、ハウジングHに形成された単一の排油通路110と連通し、この排油通路110が、負圧発生装置103に図示しない配管を介して接続されてもよい。
これにより、各軸受60,70,80を潤滑した潤滑油は、負圧発生装置103の吸引力によって強制的に吸引されながら、排油穴を介して、単一の排油通路110から外部へ排出され、軸受内部の潤滑油過多や異常発熱を抑制することができる。また、ハウジングHに穴加工する排油通路の数を少なくすることができ、加工コストを低減することができる。なお、図22では、異なる位相の前側軸受60,70のノズル40a,40bと、後側軸受80のノズル43aとを同じ断面に示している。
また、本実施形態では、軸受60,70,80毎に複数の給油通路90,91,92が設けられているが、これら給油通路90,91,92を単一の給油通路として、主軸装置20内で分岐して供給するようにしてもよく、潤滑方式や潤滑条件により複数の軸受毎に別通路とするか単一の共有通路とするかは最適方式を選択できる。
ここで、第1実施形態(図5の前側軸受、及び図7の後側軸受)に示す本考案の主軸装置(本考案品)と、従来の主軸装置(従来品)を用いて、運転時の軸受の温度上昇を測定した。以下、試験条件について列挙する。
<試験条件>
(1)主軸軸受形式:アンギュラ玉軸受
(2)軸受主要寸法:軸受内径50mm、軸受外径80mm
(3)試験時のスピンドル回転数:最高40,000min−1(軸受dm・N値:2.6×10
(4)潤滑方法:オイルエア潤滑
(5)排油方法
・本考案品:排油孔からの吸引あり(負圧吸引あり)
・従来品:排油孔からの吸引なし(重力による排出のみ:大気圧条件)
図11は、本考案品と従来品での、軸受回転数と軸受外輪温度上昇との関係を示す。図11からわかるように、従来品に対して本考案品は、軸受外輪の温度上昇値が回転数上昇に伴い低く推移しており、特に、20,000min−1以上の高速回転において、約3
〜4℃前後低くなっている。
これは、排油孔からの吸引により重力の影響を受けず、軸受に供給された潤滑油が軸受内部に停滞することなく、スムーズに排出されていることによるものである。高速運転状態において、油の軸受内部での滞油が続くと、攪拌抵抗による昇温が急激に生じる場合があり、発熱の際の潤滑油の粘度低下によりころがり接触部の油膜厚が薄くなり金属接触から瞬時に焼付きが発生する。本考案品は、高速スピンドルや旋回型のスピンドルの構造において、これらの焼付きリスクを大幅に低減することが可能となる。
次に、高速回転時にスピンドルを旋回させて、排油孔からの吸引効果の確認を行った。図12に示すように、スピンドル水平状態(回転軸芯が水平:位相を0°とする。)で、40,000min−1で連続運転(30分)している状態から、旋回サイクルをスタートした。即ち、垂直状態:スピンドル工具取付面が下方(位相90°)、さらに、水平状態(位相180°)へ旋回させ、その後、垂直状態(位相90°)を経て、スタート時の水平状態(位相0°)へ戻る首振り旋回サイクル(1サイクル約20秒)を行った。なお、その他の試験条件は上記のものと同じである。
図13に示すように、従来品では、首振り前の状態での温度上昇も本考案品に対して約5℃高い。また、従来品では、首振り旋回サイクル開始後、約1時間の間に3℃前後外輪温度が変化しているが、本考案品では、ほとんど温度が変化しないことが確認できた。これは、本考案品では、旋回時における内部潤滑油の排出むらが発生していないことが理由と考えられる。
本考案品は、従来品に比べて温度上昇が5℃程度低く、さらに旋回サイクル運転時の温度のばらつきが少ないことから、スピンドルの熱変位を抑制し加工精度の向上を図ることが可能である。
また、潤滑油が軸受内部から速やかに排出されるので、高速運転時に潤滑油の軸受内部停滞による攪拌抵抗から異常発熱が生じて焼付きに至るリスクを軽減することができる。
その結果、安定した高速回転でのスピンドル首振り運転による加工が可能となる。
1 門形マシニングセンタ(複合加工工作機械)
20 主軸装置
22 回転軸
30 ロータ
32 ステータ
51,52 外輪間座
60,70,170 前側軸受(アンギュラ玉軸受)
61,71,81,171 外輪
71b 排油穴
71c 集油溝
71e,81e,171e 排油溝
80 後側軸受(円筒ころ軸受)
100,101,102 排油通路
103 負圧発生装置
H ハウジング

Claims (2)

  1. 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、
    内周面に外輪軌道面を有する外輪と、
    前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に配置される複数の転動体と、
    を有し、工具を取り付け可能な回転軸をハウジングに対して回転自在に支持するとともに、オイル潤滑によって潤滑される主軸装置用軸受であって、
    前記外輪には、その内周面の軸方向縁部から軸方向或いは径方向に切欠かれた排油溝が形成されており、
    該排油溝内には、軸受外部からの吸引力によって、負圧が作用することを特徴とする主軸装置用軸受。
  2. 前記外輪には、径方向に貫通する排油穴が形成され、
    前記排油溝は、前記排油穴と連通するように軸方向に切欠かれることを特徴とする請求項1に記載の主軸装置用軸受。
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