JP2009215595A - 無フラックスろう付け用母材、ブレージングシート、ろう付け方法およびろう付け製品 - Google Patents

無フラックスろう付け用母材、ブレージングシート、ろう付け方法およびろう付け製品 Download PDF

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Abstract

【課題】 Mgを含有する高強度のろう材用母材として、不活性雰囲気中での無フラックスろう付けを適用し、工程の複雑化や高コスト化を招くことなく、良好な接合性、接合強度を得る。
【解決手段】 Mg0.1〜3.0%を含有し、必要に応じてMn0.5〜1.5%を含有し、残部が実質的にAlよりなるAl合金からなり、ろう付け接合面を除く表面のうち、少なくともろう付け接合面に続く部分の表面が1〜5μm厚の陽極酸化皮膜により覆われ、ろう付け接合面が自然酸化皮膜によって覆われているろう付け用母材。またその母材のろう付けに適したブレージングシート、ろう付け方法を提供し、併せてそれによるろう付け製品を提供する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、Mgを含有する高強度アルミニウム合金からなる母材を用いて、不活性ガス雰囲気中において、アルミニウム合金ブレージングシートと無フラックスでろう付け接合し、高強度のろう付け製品を作製する技術に関するものである。
近年、主として自動車の軽量化、地球環境問題の観点から、自動車の熱交換器用の材料については、薄肉化、高強度化が強く求められるようになっている。
この種の熱交換器用材料としては、一般にアルミニウム合金が多用されているが、熱交換器用アルミニウム合金として、その薄肉化、高強度化を図るための最も簡便かつ効果的な手法としては、固溶強化元素であるMgを添加する方法が知られている。一方、熱交換器を組立てるにあたっては、ろう付けを行なう必要があるが、アルミニウム合金の表面には、緻密でしかも安定な酸化皮膜が生成されているのが通常であり、このような酸化皮膜は、その厚みが100Å前後と薄いにもかかわらず、ろう付け性を著しく阻害することが知られている。したがってアルミニウム合金をろう付けするにあたっては、表面の酸化皮膜を破壊する必要があるが、酸化皮膜を破壊してろう付けするための方法としては、
A:ろう材にMgを添加しておき、皮膜を破壊する真空中での無フラックス法、
B:不活性ガス雰囲気中での非腐食性フラックス法、
C:大気中での腐食性フラックス法、
以上3種のろう付け法が主として用いられている。
これらA〜Cの方法のうち、Bの不活性ガス雰囲気中でのフラックスろう付けでは、フラックスとMgとの反応によってろう付け性が低下するため、母材(元板)に対して強度向上に寄与する固溶強化元素であるMgをほとんど添加することができず、このことが不活性ガス雰囲気中でのろう付けにおける欠点となっている。
このような問題に対しては、例えば、非特許文献1に示されるように、Al−Si−Mg−Biろう材のブレージングシートを用いて窒素ガス雰囲気中で無フラックスろう付けを行う方法が提案されている。しかしながらこの方法では、母材の酸化皮膜を薄く制御しなければならなかったり、酸化防止のためにろう付け時の窒素ガス流量を多くしなければならない等の問題がある。
一方、特許文献1には、これらの点を改良して、非酸化性雰囲気で無フラックスろう付けするのに適したブレ−ジングシ−トが提案されている。この提案のブレージングシートは、表面にろう材よりも融点の高いアルミニウム薄皮材を設け、その薄皮材と芯材との間にAl−Si−Mg−Bi系ろう材を挟み込んだ構造としたものであって、表面の薄皮材がろう溶融時まで表面の酸化を抑制し、ろうが溶融開始すれば、その液相が表面に浸出することによってろう付けが可能となる。ここで、ろう材中のMgは、相手素材の表面を効果的に改質する役割を果たすと考えられ、部材の表面近傍で局部的にMg蒸気の濃い領域を形成して、ろう液の酸化を防止し、ろうの濡れ広がりを確保するものと解される。この提案の技術の場合、Mg添加材を用いたろう付けが可能であるため、製品の強度の向上には有利となる。
しかしながら本発明者らの実験によれば、上記提案のブレージングシートを用いても、相手材(母材)がMgを多く含む合金である場合には、継ぎ手の接合が不健全になることが確認されている。これは、母材の製造時あるいはろう付けの加熱過程において、Mg酸化物が母材表面に多量に形成されて、Al−Si系ろう材の濡れ広がりが阻害されてしまうことに起因すると考えられる。
また特許文献2には、フラックス無しでろう付け可能な技術が開示されている。この提案の技術では、アルミニウム合金の表面に、自然酸化皮膜より厚い酸化皮膜あるいは水酸化皮膜(具体的には25nmを越え、1000nm未満)を形成することとしている。このような皮膜は、厚さを適切に制御することによって、その柔軟性が低下し、熱応力により容易に破れて亀裂が生じ、これによってろう付け時に皮膜の亀裂からろう液が濡れ広がって酸化皮膜の除去が生じる。この提案において具体的な皮膜の形成法としては、ベーマイト処理が示されており、また陽極酸化法も可能とされている。但しこの提案の場合は、フラックスを用いないとしながらも、ハロゲンを含む潤滑剤を表面に付与されることが記載されており、これが実質的にフラックスの役割を果たしている可能性がある。ここで、上記提案では、技術の具体的な記述を欠いているため再現実験は困難であるが、ろう材の上に上述のような比較的厚い皮膜を形成する必要があるため、接合の突合せ面にも比較的厚い酸化皮膜が存在し、その皮膜がろう付け後も残留することによって、接合強度に問題が生じやすいと考えられる。
さらに特許文献3にも、無フラックスでろう付け可能な技術が開示されている。この提案の技術では、Al−Si系のろう材にMg、Biを添加し、このアルミニウム合金の表面酸化皮膜の厚さを無機酸の水溶液で処理することにより、表面近傍のMg濃度を低減するとともに、酸化皮膜厚さを、通常の酸化皮膜厚さが100〜200Åであるのに対して20Å以下と極端に薄くすることとしている。そしてこのようにすることにより、ろう材からのMg蒸発距離を短くして、Mgのゲッター作用をより有効に作用させ、これにより炉内の酸素濃度を低減可能として、無フラックスろう付けを可能としている。さらにこの提案の技術では、皮膜除去後に酸化皮膜の成長を防止する目的で、鉱油を主成分とする揮発性の成型加工油を塗布することも行なうとしている。この場合の成型加工油は、酸化皮膜を薄くすることによりろう付け加熱前の加熱処理で除去しやすくなり、そのため特別に脱脂等を実施しなくてもよいとされている。
しかしながら特許文献3で提案されている技術では、上述の如く、材料製造後のろう付け加熱前に種々の処理を行う必要があり、そのため製造コストの大幅な増加となって、実用化は難しいと思われる。また材料製造時には、熱間圧延や焼戻し処理等を行うため、酸化皮膜の厚さ等が不均一に形成される可能性があり、そのため無機酸での処理時に均一に酸化皮膜厚さをコントロールすることは、必ずしも容易ではないと考えられる。
Welding Journal、1983年10月号P31〜38 特開2001−300762号公報 特表2007−504954号公報 特開平10−180489号公報
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、高強度化のためにMgを添加した系のアルミニウム合金からなるろう付け用母材を用いることを前提とし、その場合において前述のような問題を招くことなく、無フラックスで不活性ガス雰囲気において、より簡単かつ容易にしかも低コストで、優れたろう付け性をもってアルミニウム合金製ブレージングシートとろう付け可能としたろう付け用母材を提供し、併せてそれに適したブレージングシート、およびそれらを用いたろう付け方法、ろう付け製品を提供することを課題とするものである。
前述のような課題を解決するための手段を見出すべく、本発明者等が種々実験・検討を重ねた結果、ろう付け用母材の表面状態、特に酸化皮膜の状態を適切に制御することによって、前述の課題を解決し得ることを見出し、この発明をなすに至った。
具体的には、請求項1の発明の無フラックスろう付け用母材は、Mg0.1〜3.0%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金からなるろう付け用母材であり、その表面のうち、ろう付け接合すべき面を除いた表面のうち、少なくともろう付け接合すべき面に続く表面が、厚さ1〜5μmの陽極酸化皮膜により覆われており、かつろう付け接合すべき面が自然酸化皮膜によって覆われていることを特徴とするものである。
また請求項2の発明の無フラックスろう付け用母材は、Mg0.1〜3.0%、Mn0.5〜1.5%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金からなるろう付け用母材であり、その表面のうち、ろう付け接合すべき面を除いた表面のうち、少なくともろう付け接合すべき面に続く表面が、厚さ1〜5μmの陽極酸化皮膜により覆われており、かつろう付け接合すべき面が自然酸化皮膜によって覆われていることを特徴とするものである。
さらに請求項3、請求項4の発明は、上述のようなろう付け用母材にろう付けするためのブレージングシートについて規定したものであり、そのうち請求項3の発明は、請求項1もしくは請求項2に記載のろう付け用母材に無フラックスろう付けするためのブレージングシートであって、アルミニウム合金からなる心材の表面に、Si5.0〜15.0%、Mg0.05〜2.0%、Bi0.02〜0.2%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるろう材がクラッドされていることを特徴とするものであり、また請求項4の発明は、請求項1もしくは請求項2に記載のろう付け用母材に無フラックスろう付けするためのブレージングシートであって、アルミニウム合金からなる芯材の表面に、Si5.0〜15.0%、Mg0.05〜2.0%、Bi0.02〜0.2%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるろう材がクラッドされており、かつそのろう材表面にろう材よりも融点が高くかつMgを実質的に含有しないアルミニウム合金からなる被覆層が0.05〜10μmの厚みで形成されていることを特徴とするものである。
さらに請求項5の発明はろう付け方法について、また請求項6の発明はろう付け製品について規定したものであり、そのうち請求項5の発明は、請求項1もしくは請求項2に記載のろう付け用母材に、請求項3もしくは請求項4に記載のブレージングシートを、無フラックスにて不活性ガス雰囲気中でろう付けすることを特徴とするものであり、また請求項6の発明は、請求項1もしくは請求項2に記載のろう付け用母材に、請求項3もしくは請求項4に記載のブレージングシートを、無フラックスにて不活性ガス雰囲気中でろう付けしてなることを特徴するものである。
この発明のろう付け用母材によれば、Mgを添加した高強度のろう付用母材として、不活性ガス雰囲気中での無フラックスろう付けを適用して、特に工程の複雑化や高コスト化、操業の不安定化等の問題を招くことなく、良好なろう付け接合性、高い接合強度をもってろう付け接合を行なうことができる。またこの発明のブレージングシートを用いれば、前述のようなろう付け用母材を用いて安定して良好なろう付け接合性、高い接合強度を確保することができる。さらにこの発明のろう付け方法によれば、前述のようなろう付け接合を実際に工業的な安定性をもって実施することができる。そしてまたこの発明のろう付け製品は、熱交換器等として充分な接合強度、耐久性を示すことができる。
この発明のろう付け用母材は、不活性ガス雰囲気中でフラックス無しでブレージングシートを用いてろう付けするためのものであり、その基本的な合金成分組成は、高強度化を図るべく、Mgを添加したもの、具体的にはMgを0.1〜3.0%の範囲内で含有し、残部がAlおよび不可避的不純物であれば良く、また場合によっては後述するようにMgのほか、Mnを0.5〜1.5%の範囲内で添加したものでも良い。
さらにこの発明のろう付け用母材で重要な点は、その表面の酸化皮膜の状況を、ろう付け接合すべき面と、そのほかの面(ろう付け接合されない面)とで区分して、それぞれを適切に制御することとしたことである。すなわち、図1に模式的に示すように、母材1における各表面のうち、ブレージングシート2とろう付け接合されるべき面(図1の母材1の下面)は、陽極酸化処理などの強制的、人工的な酸化処理による酸化皮膜で覆われていない面、すなわち自然酸化皮膜1Aのみによって覆われている面とし、母材におけるそれ以外の面、特に少なくとも前記ろう付け接合すべき面に続く部分(ろう付け接合すべき面と隣り合う部分)の表面は、厚さ1〜5μmの陽極酸化皮膜1Bによって覆われたものとしている。なお図1において、ブレージングシート2は、アルミニウム合金からなる芯材2Aの表面にろう材2B、2Bをクラッドし、さらにその表面に後述するようにろう材よりも高融点のアルミニウム合金からなる被覆層2C、2Cをクラッドした構成のものとして示しているが、被覆層2C、2Cは場合によっては省いても良い。
母材外表面について上述のような皮膜状況とすることにより、Mgを多量に含む高強度母材であっても、充分なフィレットを形成して、健全な接合を達成することが可能となる。
すなわち、図2に拡大して示すように、ろう付け状態時における温度上昇に伴なって、接合面に続く部分では、陽極酸化皮膜と母材との熱膨張差によって極くわずかな隙間が発生し、その隙間に沿ってブレージングシート2のろう材2Bの溶融による溶融ろうが侵入し、これによって陽極酸化皮膜が押し上げられつつその変形、破壊が進み、充分に大きなフィレット5が形成される。
ここで、母材中のMgが表面に露呈した状態であれば、不活性ガス雰囲気中でのろう付けであっても、ろう溶融開始以前に表面に多量のMg酸化物が形成されてしまい、そのためろう材が溶融しても、その溶融ろうの濡れ拡がりがMg酸化物によって著しく阻害されてしまうが、この発明のろう付け用母材の場合は、母材におけるろう付け接合面に続く部分の表面に陽極酸化皮膜が存在していて、その部分ではMg酸化物の生成が防止され、かつその陽極酸化皮膜と母材との界面に溶融ろうが侵入するため、Mg酸化物による濡れの阻害の問題は回避することができる。
さらに、母材におけるろう付け接合面においては、自然酸化皮膜(通常は厚さ100〜200オングストローム)が形成されており、この面はブレージングシートと面接触させた状態でろう付け加熱されることから、加熱昇温時においても過度の表面酸化は生じず、溶融ろうの濡れ拡がり阻害の問題は生じない。一方、Mgを含有する母材から蒸発したMgが、ブレージングシートのろう材の酸化皮膜を改質することにより、ろう溶融時にはこの部分で速やかに母材表面の自然酸化皮膜が破損され、溶融ろうが濡れ拡がることになる。そのため、前述の特許文献3に示されている如く極端に酸化皮膜を薄くする必要性がない。すなわちこの発明の場合、不活性ガス雰囲気中にてろう付けすることとしているが、雰囲気中には若干ではあるが酸素も存在するのが通常であり、その場合、Mgを多量に含有する母材中から蒸発したMgが雰囲気中の酸素と結びつくことにより、近傍の雰囲気中の酸素濃度を下げる作用(ゲッター作用)を果たし、そのため接合面近傍で極低酸素状態が保たれ、健全なろう流れと接合が確保できる要因の一つとなっている。
以上のように、高Mgを含有する母材を用い、ろう付け接合面とそれ以外の面(特に少なくともろう付け接合面に続く部分の表面)の酸化皮膜の状態を適切に制御することによって、ろう材の濡れ拡がりの阻害など、ろう付け接合の阻害要因を招くことなく、大きなフィレットを形成して、健全な接合を得、ひいては充分な接合強度を得ることが可能となるのである。
さらにこの発明のろう付け用母材の構成要件について詳細に説明する。
母材合金は既に述べたように、基本的にはMgを0.1〜3.0%含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるものとする。
ここで、Mg量が0.1%未満では、母材の高強化が不充分となり、またMgによるゲッター効果を充分に得ることができず、一方Mg量が3.0%を越えれば、ろう付け加熱時における雰囲気中のMg蒸気が過度の量となり、ブレージングシート表面へのMg酸化物の付着が生じ、ろう付け性が低下してしまうおそれがあるから、母材のMg量は0.1〜3.0%の範囲内とした。なお母材のMg量は、より最適には0.3〜0.8%の範囲内とすることが好ましい。
さらに母材合金としては、Mgのほか、Mnを0.5〜1.5%の範囲内で含有していても良い。
Mnは強度向上に有効な元素であるが、0.5%未満のMnではその効果は充分に得られず、一方Mn量が1.5%を越えれば、巨大金属間化合物が晶出して、製造性、成形性を阻害するおそれがあるから、母材合金にMnを添加する場合のMn量は、0.5〜1.5%の範囲内とした。なお積極的にMnを添加しない場合(請求項1の場合)でも、0.5%未満のMnが不可避的不純物として含有される場合が許容されることはもちろんである。
さらに母材合金は、Mg、Mnのほか、0.7%以下のCu、0.3%以下のCr、0.3%以下のNi、0.3%以下のZr、0.3%以下のVのうちの1種または2種以上を含有することが許容され、これらの元素は上記範囲内であればろう付け性に悪影響を及ぼさない。ここで、Cuは強度向上に寄与し、またCr、Ni、Zr、Vも強度向上および結晶組織の微細化に寄与するものであるが、Cuが0.7%を越えれば、ろう付け加熱後の冷却過程および熱交換器としての使用時における熱交換サイクルの熱履歴により、粒界にAl−Cu系金属間化合物が析出して、粒界腐食が生じやすくなってしまうおそれがあり、一方、Cr、Ni、Zr、Vがそれぞれ0.3%を越えれば、これらの添加による効果が飽和し、経済性を損なってしまうおそれがある。
また一般のアルミニウム合金では、鋳造時における組織微細化のために少量のTiを単独で、あるいはTiを微量のBと組合せて添加することが多いが、この発明のろう付け用母材の場合も、Ti0.15%以下、B0.03%以下が添加されていても良い。
なおアルミニウム合金の不可避的不純物としては、Fe、Siが代表的であるが、この発明のろう付け母材合金の場合、不可避的不純物としてのFeは0.8%以下、Siは0.8%以下とすることが好ましい。そのほか、アルミニウム合金において耐食性向上のためにZnを添加することがあるが、この発明のろう付け用母材の場合も3.0%以下のZnは許容される。
ろう付け用母材合金の成分組成は以上の通りであるが、実用上は、上記の条件を満たす範囲内で必要な製品強度や耐食性等を考慮して、JIS A 1070、1050、1100、1200、3203、3004、5005、5N01、6951、6061、6063、6N01等の規格合金や、それらにさらにいくつかの合金元素を添加した合金から選択して使用すれば良い。
この発明のろう付け用母材においては、ろう付け接合面を除いた表面のうち、少なくともろう付け接合面に続く部分の表面には陽極酸化皮膜が形成されている必要があるが、その陽極酸化皮膜の厚さは1〜5μmの範囲内とする必要がある。陽極酸化皮膜の厚みが1μm未満の場合、また5μmを越える場合のいずれにおいても、優れたろう付け性を確保することが困難となることが本発明者等の実験により確認されている。その理由は、必ずしも明確ではないが、1μm未満の場合には、陽極酸化皮膜と母材との間に隙間が早期に形成されてしまうため、Mgの拡散がろう溶融時まで持続せず、一方5μmを越える場合には、陽極酸化皮膜が厚過ぎるため、拡散すべきMgが表面まで到達しないためと考えられる。なお陽極酸化皮膜を形成する部分は、要は、少なくともろう付け接合面に隣り合ってそのろう付け接合面に続く部分の表面であれば良く、ろう付け接合面から大幅に離れた部分の表面に陽極酸化皮膜が形成されていなくても構わないが、実際の量産工程の場合は、ろう付け接合面以外の部分の全表面に陽極酸化皮膜を形成しておくことが多い。
また陽極酸化処理の具体的方法としては、種々の方法を適用することができ、特に限定されるものではないが、コスト面からは、一般的な硫酸浴による陽極酸化処理を適用することが好ましい。
一方、母材におけるろう付け接合面、すなわちブレージングシートと接する面については、前述のように陽極酸化皮膜によって覆われておらず、通常の厚み(100〜200オングストローム)の自然酸化皮膜のみが存在する状態とする必要がある。ここで、ろう付け接合面が陽極酸化皮膜によって覆われていれば、ろう付け接合が阻害されるか、または接合面に酸化物が残って接合強度が低くなってしまう。
ここで、上述のようにろう付け接合面について、陽極酸化皮膜のみが存在する状態とするための具体的方法は特に限定されるものではないが、例えば母材全体に陽極酸化処理を施して母材の全面に陽極酸化皮膜を形成した後、機械加工やエッチングによってろう付け接合面についてのみ陽極酸化皮膜を除去する方法が代表的であり、この場合ろう付け接合面には、陽極酸化皮膜除去後の放置中に自然酸化皮膜が形成されることになる。あるいはまた、母材に対して陽極酸化処理を施すにあたって、ろう付け接合面を適切の材料によってマスキングしておくか、あるいは陽極酸化処理時に母材に対して電極が接触する部分(すなわち処理液が接触しない部分)を利用して、一部(ろう付け接合面となるべき面)に陽極酸化皮膜が形成されないようにしても良い。これらの場合は、ろう付け接合面には陽極酸化処理前から存在する自然酸化皮膜がそのまま残ることになる。
以上のように、陽極酸化皮膜を形成しない部分(ろう付け接合面)は、自然酸化皮膜で覆われているが、この自然酸化皮膜はろう付け性への悪影響がないばかりか、むしろこの発明の高Mg母材の場合は、ろう付け性に対して有利となる。すなわち、既に述べたように母材に多量に添加されたMgが、ろう付け加熱時に蒸発して加熱途中での酸化抑制および改質効果をもたらし、ろう付け性向上に有利となるのである。
この発明のろう付け用母材と組合されて使用されるブレージングシートの構成は、基本的には特に限定されるものではないが、請求項3の発明の場合、アルミニウム合金からなる芯材の片面もしくは両面に、Si5〜15%、Mg0.05〜2.0%、Bi0.02〜0.2%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるろう材合金をクラッドしたものを用いる。
ここで、上記のブレージングシートのろう材合金に関しては、Si量が5%よりも少なければろう流れ性が不良となり、一方Si量が15%よりも多ければ、工業的な鋳造工程において粗大なSi粒子が形成されてしまって、ろう材としての性能にばらつきが生じてしまう。またMgは、不活性ガス雰囲気中での溶融ろうの濡れ拡がり性を促進するとともに強度向上に寄与する元素であって、Mg量が0.05%未満では、溶融ろうの濡れ拡がりの効果が充分に得られず、また強度向上への寄与も少ない。一方Mgが2.0%を越えれば、Mg添加の効果が飽和して経済性を損なうとともに、Mg酸化物が多くなってろう付け性が低下してしまう。さらにBiは、Mgと共存して、または単独で、不活性ガス雰囲気中でのろう濡れ拡がり性を向上させ、溶融ろうを陽極酸化皮膜と母材との界面に速やかに浸透させるために有効となる。ろう材のBi量が0.02%未満では、その効果が充分に得られず、一方Bi量が0.2%を越えてもそれ以上は上記の効果は向上せず、経済性を損なうだけである。
一方、ブレージングシートの芯材のアルミニウム合金は、一般のブレージングシートに適用されているものであれば良く、特に限定されず、要はろう付け温度よりも融点の高いアルミニウム合金であれば良い。この芯材として最も好適なものは、AA3000系合金であるが、必要な製品強度や耐食性等を考慮して、JIS A 1070、1050、1100、1200、3203、3004、5005、5N01、6951、6061、6063、6N01等の規格合金あるいはこれらにさらに種々の合金元素を添加した合金から選択して使用することができる。
またこの発明のろう付け用母材と組合せて使用するブレージングシートとしては、請求項4で規定しているように、アルミニウム合金からなる芯材の表面(片面もしくは両面)に既に述べたと同様な成分組成のろう材をクラッドし、さらにそのろう材表面に、ろう材よりも融点が高くかつ実質的にMgを含有しないアルミニウム合金からなる被覆層が0.05〜10μmの厚みで形成されたものも好適である。
上述のように、ろう材の表面に、ろう材よりも融点が高くかつ実質的にMgを含有しない被覆層が存在することにより、ろう材として前述のようにMgを含有するものを用いても、ろう付け加熱時にろう材表面にMg酸化物が生成されることが抑制され、より一層良好なろう付け性を確保することが可能となる。
なおここで被覆層のアルミニウム合金の具体的な成分組成は特に限定されるものではなく、要はろう材よりも融点が高く、かつ実質的にMgを含有しない(具体的には、通常のアルミニウム合金における不純物としてのMg量以下、すなわちMg量0.01%程度以下)のものを用いれば良いが、実際上は、例えばJIS A 1070、1050、1100等の純アルミニウム系合金を使用すれば良い。
以上のようなろう付け用母材およびブレージングシートを用いてのろう付け接合は、不活性ガス雰囲気中で加熱することを特徴とする無フラックスろう付法で行われる。不活性ガスとしては通常は窒素がコストの点から好ましいが、Ar等の希ガスでも良い。ろう付炉は、工業的に多用されるノコロックブレージング炉と同様の炉で実施することができ、当然のことながらフラックス自体とフラックス塗布作業は省くことができる。ろう付温度は特に規定するものではないが585℃から615℃が好適である。
このようにしてろう付け接合された製品(ろう付け製品)は、少なくともその表面の一部に陽極酸化皮膜、あるいはそれが加熱されて結晶化した酸化物層が存在するものとなる。ここで、ろう付け用母材におけるろう付け接合面に続く部分の表面の陽極酸化皮膜には、ろう付け加熱時の昇温途中で数μm程度のクラックが多数生じるが、通常は脱落することなくほぼ全面に残存する。一方、ろう付け加熱により形成されたフィレット部分の表面にも、破壊・分断された状態ではあるが、陽極酸化皮膜が残存する。このようにフィレット部分の表面にも陽極酸化皮膜が残存することにより、その部分の耐食性、耐摩耗性が向上する効果が得られる。
以上のところにおいて、ろう付け用母材自体の製造方法は特に限定されるものではなく、最終的なろう付け製品の用途や形状、要求特性に応じて、常法に従って製造すれば良い。
またブレージングシート自体の製造方法も特に限定されるものではなく、通常のブレージングシート製造方法やクラッド材製造方法に倣って製造すれば良い。
以下、実施例に基づいて、この発明をさらに詳細に説明する。なおこれらの実施例は、この発明の技術的範囲を限定するものでないことはもちろんである。
表1に示す母材用合金(合金符号A〜O)を常法に従って40mm厚さの鋳塊に鋳造して面削し、次いで熱間圧延、冷間圧延を行い、厚さ0.5mmの板状の母材を作成した。母材の調質については、400℃×2時間の焼鈍を施して調質O材とした。なおここではO材としたが、調質についてはH1n材でもよく、特に限定されないことはもちろんである。
一方、表2に示すブレージングシート用のろう材用合金(合金符号P〜W)および被覆層用合金(合金符号X)についても、同様に鋳塊を製造し、次いで厚さ40mmに面削後、熱間圧延と冷間圧延を行い、所定のクラッド率になるように板厚を調整した。次に、前記ろう材、皮材を、別途作成したJIS 3000系合金からなる芯材と表3中の継手組合せの被覆材−ろう材の項に示すように重ね合わせ、これを開始温度480℃で熱間圧延して厚さ3mmのクラッド材とし、これを0.5mmまで冷間圧延し、その後400℃×2時間の焼鈍を施して調質O材のブレージングシートとした。なおここではO材としたが、調質についてはH1n材の場合でもろう付け性への影響はないことはもちろんである。
また前述のようにして得られた母材について、浴温18℃の15%硫酸浴で電流密度を1.5A/dmとして陽極酸化処理を施し、所定の陽極酸化皮膜厚となるようにした。陽極酸化処理後の母材を切断し、陽極酸化皮膜が存在しない切断面(ろう付け接合面となるべき面)が、前述のようにして得られたブレージングシートに接するように組み合わせて、逆T継手試験片およびカップ試験片を組み立て、ろう付性を評価した。
逆T字継手試験片の概要を図3に、またカップ試験片の概要を図4に示す。
図3において、逆T字継手試験片3は、芯材2Aの両面にろう材2B、2Bをクラッドし、さらに必要に応じてそのろう材2B、2Bの表面に被覆層2C、2Cを形成してなるブレージングシート2と、ろう付け接合面となるべき下面を除いて外表面に陽極酸化皮膜1Bが形成された母材1とを、上面側に母材1が位置するように配置してなるものである。なお母材1の下面(ろう付接合面)には自然酸化皮膜が形成されている。
またカップ状試験片4は、母材1を外径32mmのカップ状(円筒状)に成形して陽極酸化処理を施した後、その両端を切揃えて(したがって両端の陽極酸化皮膜が形成されている部分を除去して)、図4に示すように前記同様なブレージングシート2の上にカップ状の母材1を垂直状に配置してなるものである。なおいずれも母材1とブレージングシート2とは、図示しない治具にて相互間を固定した。
これらの試験片を、不活性ガス雰囲気中(窒素)においてフラックス無しで、600℃×3分の加熱を行なってろう付け接合し、形成されたフィレット5についてろう付性を評価した。なお不活性ガス雰囲気中の酸素濃度は、50〜100ppmの範囲になるよう調整した。
一方、比較例(イ)〜(ハ)として、表面に陽極酸化皮膜を形成していない母材を使用した組合せ、および同じく比較例(ニ)として、表面の陽極酸化皮膜を6μmと厚くした母材を使用した組合せによって、それぞれ前記と同様な試験片を作成し、前記と同様に不活性ガス雰囲気中でフラックス無しでろう付けした。
ろう付け性の評価結果については、逆T継手試験片については、外観でのフィレット形成能評価により、またカップ継手試験片では、カップを切断して内側、外側のフィレットを同様に評価した。その結果を表4に示す。
Figure 2009215595
Figure 2009215595
Figure 2009215595
Figure 2009215595
比較例(イ)〜(ハ)はいずれも母材表面に陽極酸化皮膜を形成しなかった例であるが、それらのうち比較例(イ)では、フィレットが全く形成されなかった。この傾向はろう材、基材のMg量を増加しても同様であることが確認されている。また、比較例(ロ)、(ハ)では、陽極酸化皮膜は無いが、ブレージングシートのろう材表面に被覆層が存在することによって、不充分ではあるが若干フィレットが形成されていた。これは、被覆層によるろう材表面の酸化防止効果によるものと考えられる。一方比較例(ニ)は、母材表面の陽極酸化皮膜厚さが6μmと厚い例であるが、この場合フィレットが全く形成されなかった。これは、陽極酸化皮膜が厚過ぎるため、ろう付け時において陽極酸化皮膜の変形・破壊が進まず、溶融ろうの侵入が進行しなかったためと考えられる。
一方、陽極酸化皮膜を母材に形成した例(継手No.1〜No.29)のうち、ブレージングシートに被覆層がなくかつ母材およびろう材にMgが含有されていないNo.1の比較例では、フィレットが全く形成されなったが、ブレージングシートに被覆層はないが母材およびろう材にMgが含有されているNo.2〜No.7の例では、良好なフィレットが形成された。但し、これらのうち母材Mg量が2.5%と比較的多い例(No.7)では、表面がやや変色し、フィレットも若干小さくなった。さらに母材のMg添加量を増加して、本発明範囲外の3.5%としたNo.8の例では、フィレットが形成されなかった。
また、陽極酸化皮膜が母材に形成され、かつブレージングシートに被覆層が存在する例(継手No.9〜No.29)のうち、母材にMgが含有されていない比較例(No.9、No.13)では、ろう材中のMgが若干ではあるが拡散することから、極く小さなフィレットが形成された。
一方、同じく陽極酸化皮膜が母材に形成されかつブレージングシートに被覆層が存在する例(No.9〜No.29)のうち、母材成分組成、ブレージングシートの被覆材、ろう材の成分組成のいずれもがこの発明で規定する範囲内の本発明例(No.10〜No.12、No.14〜No.21、No.24、No.25、No.27、No.28)の場合は、いずれも良好なフィレットが形成された。
これに対して母材におけるMg添加量が過剰であるNo.22の比較例では、フィレットが形成されず、また表面の変色も大きかった。
また母材におけるMn含有量が過剰なNo.23の比較例では、小さいフィレットが形成されたものの、カップ成形時に耳高さ等が不安定となることが確認されている。したがってMn量は成形性等の点からもその添加量を選定する必要があるのである。
さらに、母材の成分組成はこの発明で規定する範囲内であるものの、ろう材におけるBi添加量が過剰であったNo.26の例では、焼鈍時に偏析と思われる表面の変色が認められた。
なおNo.18〜No.20の例から、母材へのZn、Cr、Tiの少量添加がろう付け性に悪影響を与えないことが確認されている。
さらに、次のようにして、ろう付け接合強度を評価した。
すなわち、母材としては、表1の合金符号Cの厚み0.5mmの板材を、幅20mm、長さ110mmの短冊状とし、片面の端部から10mmまでをマスキングした後、15%硫酸浴で、マスキング部位以外の部分が膜厚2μmもしくは4μmの陽極酸化皮膜によって覆われるように陽極酸化処理を実施した。この際、浴温18℃、電流密度を1.5A/dmとした。一方、3003合金からなる芯材と表2の合金符号Rのろう材(両面;各クラッド率15%)による3層のブレージングシートを常法によって作成し、これを板厚1.2mm、幅20mm、長さ110mmの短冊状とした。これらの母材およびブレージングシートを組合わせて、母材に陽極酸化皮膜が存在しない部分で両者がラップするよう接触させて固定し、窒素雰囲気中で600℃×3minのろう付加熱を行ない、表5のNo.30、No.31に示す継手を作成した。
また比較例として、母材による前述の短冊にマスキング無しで陽極酸化処理したものを、前記同様のブレージングシートにラップ長10mmとして組合せ、前記同様にろう付接合し、表5のNo.32、No.33に示す継手を作成した。
これらについて、接合後の状態を観察するとともに、長手方向で引張試験を行なって接合の強さを評価した。
図5に引張試験片6の形状を模式的に示し、また接合状況観察結果および引張試験結果を表5に示す。
Figure 2009215595
表5から明らかなように、本発明例では、接合部に健全なフィレットが形成されていることが確認された。またこれを引張試験したときにも、母材の側の部分で破断されること、すなわち接合部の強度が高いことが確認された。なおこのように母材としてMgを含有する合金を用いることにとり、接合後の母材の強度としても通常の3003合金より60から70N/mm向上していることが確認された。
一方、ろう付け接合面の陽極酸化皮膜を除去しなかった比較例の場合、接合は不良となった。そのうち、陽極酸化皮膜厚2μmの場合には、若干のフィレットが形成されたが、引張試験を行えば接合部から破壊し、破断加重もばらついたうえ極端に低くなってしまった。これは、陽極酸化皮膜が接合面に残留することにより接合強度が低下したものと考えられる。
この発明のろう付け用母材の一部を、ブレージングシートともに拡大して模式的に示す縦断面である。 図1に示されるろう付け用母材のろう付け接合後の状態を拡大して模式的に示す縦断面図である。 この発明の実施例におけるろう付け接合性試験のための逆T字式試片の概要を示す略解図である。 この発明の実施例におけるろう付け接合性試験のためのカップ試験片を示す略解図である。 この発明の実施例における接合強度試験のための引張試験片を示す略解図である。
符号の説明
1 母材
1A 自然酸化皮膜
1B 陽極酸化皮膜
2 ブレージングシート
2A 芯材
2B ろう材
2C 被覆層
5 フィレット

Claims (6)

  1. Mg0.1〜3.0%(mass%、以下同じ)を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金からなるろう付け用母材であり、
    その表面のうち、ろう付け接合すべき面を除いた表面のうち、少なくともろう付け接合すべき面に続く表面が、厚さ1〜5μmの陽極酸化皮膜により覆われており、かつろう付け接合すべき面が自然酸化皮膜によって覆われていることを特徴とする、無フラックスろう付け用母材。
  2. Mg0.1〜3.0%、Mn0.5〜1.5%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金からなるろう付け用母材であり、
    その表面のうち、ろう付け接合すべき面を除いた表面のうち、少なくともろう付け接合すべき面に続く表面が、厚さ1〜5μmの陽極酸化皮膜により覆われており、かつろう付け接合すべき面が自然酸化皮膜によって覆われていることを特徴とする、無フラックスろう付け用母材。
  3. 請求項1もしくは請求項2に記載のろう付け用母材に無フラックスろう付けするためのブレージングシートであって;
    アルミニウム合金からなる心材の表面に、Si5.0〜15.0%、Mg0.05〜2.0%、Bi0.02〜0.2%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるろう材がクラッドされていることを特徴とする、ブレージングシート。
  4. 請求項1もしくは請求項2に記載のろう付け用母材に無フラックスろう付けするためのブレージングシートであって;
    アルミニウム合金からなる芯材の表面に、Si5.0〜15.0%、Mg0.05〜2.0%、Bi0.02〜0.2%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるろう材がクラッドされており、かつそのろう材表面にろう材よりも融点が高くかつMgを実質的に含有しないアルミニウム合金からなる被覆層が0.05〜10μmの厚みで形成されていることを特徴とする、ブレージングシート。
  5. 請求項1もしくは請求項2に記載のろう付け用母材に、請求項3もしくは請求項4に記載のブレージングシートを、無フラックスにて不活性ガス雰囲気中でろう付けすることを特徴とする、ろう付け方法。
  6. 請求項1もしくは請求項2に記載のろう付け用母材に、請求項3もしくは請求項4に記載のブレージングシートを、無フラックスにて不活性ガス雰囲気中でろう付けしてなることを特徴する、ろう付け製品。
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