JP2009215188A - 光学活性カルボン酸の製造方法、及び担持パラジウム触媒 - Google Patents

光学活性カルボン酸の製造方法、及び担持パラジウム触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】固体不斉触媒を使用するα,β−不飽和カルボン酸から光学活性カルボン酸を製造する方法であって、不斉水素化反応を水中で行なっても非極性有機溶媒(水に不溶性である有機溶媒)中と同程度の不斉収率が得られる製造方法、及びそのような製造方法において使用する特殊な触媒を提供すること。
【解決手段】水に不溶性である有機溶媒を担持パラジウム触媒に含浸させれば、有機溶媒中で行うのと同等の不斉水素化反応を水中で行いうる。具体的には、α,β−不飽和カルボン酸を基質として、光学活性アルカロイドを添加した担持パラジウム触媒を用いて不斉水素化することによる光学活性カルボン酸の製造方法において、α,β−不飽和カルボン酸は水溶性アミンを用いて中和し、光学活性アルカロイドを添加した担持パラジウム触媒には水に不溶性である有機溶媒を含浸させ、水中でα,β−不飽和カルボン酸を光学活性カルボン酸へと不斉水素化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、不斉水素化触媒反応を利用して、α,β−不飽和カルボン酸から光学活性カルボン酸を製造するための方法であって、水中で触媒反応を起こすことを特徴とする製造方法に関する。また、本発明は、そのような製造方法において使用する担持パラジウム触媒に関する。
α,β−不飽和カルボン酸から光学活性カルボン酸を製造する方法として、不斉水素化触媒反応を利用する方法が知られている(非特許文献1)。不斉収率はこれまで40%〜70%であったが、最近では水素化処理パラジウム炭素を触媒として使用することにより、90%以上とすることも可能になっている(非特許文献2)。
また、固体不斉水素化触媒としてパラジウム系触媒を使用してオレフィンの水素化を行う方法が特許文献1〜特許文献3に開示されている。
特開2005−41792号公報 特開平8−53412号公報 特開平7−304696号公報 J. R. G. Perez, J. Malthete, J. Jacques, C. R. Acad. Sc. Paris, 300, II, 169 (1985). Y. Nitta, J. Watanabe, T. Sugimura, T. Okuyama, J. Catal., 236, 164 (2005).
α,β−不飽和カルボン酸から光学活性カルボン酸を製造する方法に限らず、固体不斉触媒を使用する公知の方法においては、基質の立体構造を固体触媒表面上に存在する不斉源(キラル修飾剤)が認識するために、反応溶媒として非極性有機溶媒(水に不溶性である有機溶媒)を用いる方が反応原理的には望ましい。このため、固体不斉触媒を用いて基質を不斉水素化(還元)し、光学活性物質を製造する既存の製造方法は、すべて触媒反応をトルエン、ジオキサン等の非極性有機溶媒中で行っていた。
トルエン、ジオキサン等の非極性有機溶媒は、有毒性が低い化合物であるが、ろ過工程又は濃縮工程で環境中に漏出する可能性がある。また、現在では、環境負荷の小さい固体触媒反応においても、環境中への漏出又は廃棄量を減少させる改善が求められている。
ここで、トルエン、ジオキサン等の非極性有機溶媒に替えて、水を溶媒として用いることができれば、環境負荷は大幅に軽減しうることになる。しかし、固体不斉触媒を使用する公知の方法において、有機溶媒を水に置換するだけでは、水素加速度が劇的に減少し、不斉収率も30〜40%程度にまで低下し、工業的製造方法としての実用性を失ってしまう。
本発明は、固体不斉触媒を使用するα,β−不飽和カルボン酸から光学活性カルボン酸を製造する方法であって、不斉水素化反応を水中で行なっても非極性有機溶媒中と同程度の不斉収率が得られる製造方法、及びそのような製造方法において使用する特殊な触媒の提供を目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、反応中の物質量の大半を占める基質及び生成物を水に可溶化しても、少量の非極性有機溶媒(水に不溶性である有機溶媒)を担持パラジウム触媒に含浸させれば、非極性有機溶媒中で行うのと同等の不斉水素化反応を水中で行いうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的に、本発明は、
α,β−不飽和カルボン酸を基質として、光学活性アルカロイドを添加した担持パラジウム触媒を用いて不斉水素化することによる光学活性カルボン酸の製造方法であって、
α,β−不飽和カルボン酸は水溶性アミンを用いて中和し、
前記担持パラジウム触媒には水に不溶性である有機溶媒を含浸させ、
水中でα,β−不飽和カルボン酸を光学活性カルボン酸へと不斉水素化する製造方法に関する(請求項1)。
また、本発明は、
α,β−不飽和カルボン酸を光学活性カルボン酸へと不斉水素化するための担持パラジウム触媒であって、
光学活性アルカロイドを添加した後、さらに水に不溶性である有機溶媒が含浸されており、水溶性アミンを用いて中和したα,β−不飽和カルボン酸の不斉水素化反応を、水中で触媒することを特徴とする担持パラジウム触媒に関する(請求項7)。
光学活性アルカロイドを添加した担持パラジウム触媒に、さらに水に不溶な非極性有機溶媒を含浸されたものを不斉水素化触媒として使用することにより、水溶性アミンを用いて中和したα,β−不飽和カルボン酸を、水中においても非極性溶媒中と同様の不斉収率で光学活性カルボン酸へと変換しうる。この結果、従来の不斉水素化反応と比較して、非常に少量の非極性有機溶媒しか使用しないため、環境負荷を大幅に減少させることが可能となった。また、非極性有機溶媒は、担持パラジウム触媒に含浸されているために、その取扱も容易となり、製造コストも抑制しうる。
基質であるα,β−不飽和カルボン酸は、α置換桂皮酸及びその類似化合物であることが好ましい(請求項2,9)。本発明の製造方法において、光学活性カルボン酸の不斉収率が80%以上となるためには、β位に芳香族基が必要である。
α,β−不飽和カルボン酸の中和に用いる水溶性アミンとしては、2-ヒドロキシアミン、ビス-2-ヒドロキシアミン、トリス-2-ヒドロキシアミン又はベンジルアミンが好ましい(請求項3,10)。これらアミンは水に対する溶解性が高く、中和後のα,β−不飽和カルボン酸アミン塩の水に対する溶解性も高いためである。
特に、2-エタノールアミン等のpKaが9.5付近である水溶性アミンが好ましい。一方、トリエチルアミン等のpKaが10以上の水溶性アミンや、ピリジン等の塩基性の低いアミン類は好ましくない。
担持パラジウム触媒に含浸させる水に不溶性である有機溶媒としては、芳香族系有機溶媒又はエーテル系有機溶媒が好ましい(請求項4,11)。特に、芳香族系有機溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン等が好ましく、エーテル系有機溶媒としてはジフェニルエーテル又はジエチルエーテルが好ましい。
担持パラジウム触媒としては、パラジウム炭素が好ましい(請求項5,12)。
光学活性アルカロイドとしては、シンコナアルカロイド又はキナアルカロイドが好ましい(請求項6,13)。シンコナアルカロイドとしてはシンコニジン又はシンコニンが好ましく、キナアルカロイドとしてはキニジンが好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸の水溶性アミン塩が水に不溶性である場合には、反応溶媒である水に界面活性剤を添加して該水溶性アミン塩を可溶化することが好ましい(請求項7)。
本発明の光学活性カルボン酸の製造方法では、α,β−不飽和カルボン酸の水溶性アミン塩が水に可溶である必要がある。もし、水溶性アミン塩が水に不溶性であり、沈殿や白濁が生じた場合には、水に界面活性剤を添加することにより、水溶性アミン塩を水に可溶化させることが可能である。
なお、界面活性剤としては、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤のいずれも使用可能であり、α,β−不飽和カルボン酸の水溶性アミン塩を水に可溶化させうるものであれば足りる。例えば、アルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等を使用することができる。
光学活性カルボン酸の製造方法及び担持パラジウム触媒によれば、従来の光学活性カルボン酸の製造方法と比較して、有機溶媒による環境負荷を大幅に削減することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の記載に限定されない。
本発明の光学活性カルボン酸の製造方法の概略フローチャートを、図1に示す。本発明では、まず、ステップS1として、α,β−不飽和カルボン酸を、水溶性アミンを用いて中和する。中和することにより生成物(光学活性カルボン酸)の触媒表面からの脱離が速くなり触媒活性が向上し、さらに不斉収率も向上するためである。
次に、ステップS2として、光学活性アルカロイドを添加した担持パラジウム触媒に、水に不溶性である有機溶媒を含浸させる。光学活性アルカロイドの添加量は、担持パラジウムに対して重量比で5倍以上10倍以下という割合であることが好ましい。また、有機溶媒の量は、担持パラジウム10mgに対して0.4mL以上であることが好ましい。
また、担持パラジウム触媒は、光学活性アルカロイドを添加する前に、減圧処理によって水素置換を行うことが好ましく、水素置換後に水を加えて約80℃で加温することがさらに好ましい。
なお、ステップS2は、ステップS1の次に行う必要はなく、ステップS1よりも前に行ってもよく、同時に行ってもよい。
次に、ステップS3として、ステップS2で調製した、水に不溶性である有機溶媒を含浸させた担持パラジウムを触媒として、ステップS1により生じたα,β−不飽和カルボン酸の水溶性アミン塩を不斉水素化する。この不斉水素化反応は室温で進行するため、反応系を加熱する必要はない。
なお、はじめにステップS2を行い、ステップS2を行った容器内にα,β−不飽和カルボン酸と水とを加えた後、水溶性アミンを添加してステップS1を行うことも可能である。この場合、ステップS1が完了した時点からステップS3が開始されることになる。
α,β−不飽和カルボン酸の水溶性アミン塩の溶解性が低いため、反応系に存在する水に溶解しきれない場合には、界面活性剤を反応系に添加することにより、水に溶解させることが可能となる。ステップS3を開始させる段階でα,β−不飽和カルボン酸の水溶性アミン塩が反応系において溶解していれば、界面活性剤は不要である。
[実施例1]
(触媒の調製)
50mLの平底二ツ口フラスコに、5%パラジウムカーボン43mg(STD type、N.E.Chemcat製、含水率53%)を入れ、減圧処理により水素置換を5回行った後、10分間15Torrに保った。パラジウムカーボンを水素気流下に戻し、精製水2mLを加えて80℃で30分間加温した後、室温まで冷却した。シンコニジンを塩酸塩としたものを調製し、その6mgを秤取し、パラジウムカーボンを含む溶液に加え、30分間1200rpmで撹拌した。さらに、トルエン0.2mLを添加して撹拌し、トルエンを含浸させたシンコニジン添加パラジウムカーボンを調製した。
(基質の中和と不斉水素化)
基質であるフェニル桂皮酸(構造式1)1mmolに、当量の2-エタノールアミンを加えて中和した。この溶液と精製水5mLとを、トルエンを含浸させたシンコニジン添加パラジウムカーボンが入っているフラスコ内に添加し、室温で撹拌した。基質であるフェニル桂皮酸1mmolを完全に還元するには約5時間かかった。なお、触媒の使用量は、基質の1/20とした。
反応溶液をろ過し、触媒とトルエンを取り除いた。塩酸を用いて水溶液を酸性とした後、酢酸エチルを用いて生成物を抽出した。抽出液を濃縮し、酢酸エチルを揮発させて生成物を得た。
この生成物について、HPLCを用いて分析したところ、構造式2の光学活性カルボン酸(S体)が、不斉収率83%で得られたことが確認された。なお、水に不溶性である有機溶媒として、トルエンの替わりにベンゼン又はキシレンを使用した場合にも、同様の不斉収率であった。
[比較例1]
シンコニジン添加パラジウムカーボンにトルエンを含浸させないこと以外、全て実施例1と同様の操作を行った。その結果、構造式2の光学活性カルボン酸の不斉収率は31%であった。
[比較例2]
反応系で使用する溶液として、精製水5mLの替わりに精製水50%を含むジオキサンを使用すること以外、全て比較例1と同様の操作を行った。その結果、構造式2の光学活性カルボン酸の不斉収率は69%であった。
[比較例3]
反応系で使用する溶液として、精製水5mLの替わりに精製水2.5%を含むジオキサンを使用すること以外、全て比較例1と同様の操作を行った。その結果、構造式2の光学活性カルボン酸の不斉収率は75%であった。
[実施例2]
メトキシフェニル桂皮酸(構造式3)1mmolを基質とした以外、すべて実施例1と同様の操作を行った。その結果、構造式4の光学活性カルボン酸(S体)が、不斉収率89%で得られたことが確認された。なお、水に不溶性である有機溶媒として、トルエンの替わりにベンゼン又はキシレンを使用した場合にも、同様の不斉収率であった。
[比較例4]
シンコニジン添加パラジウムカーボンにトルエンを含浸させないこと以外、全て実施例2と同様の操作を行った。その結果、構造式4の光学活性カルボン酸の不斉収率は49%であった。
[比較例5]
反応系で使用する溶液として、精製水5mLの替わりに精製水50%を含むジオキサンを使用すること以外、全て実施例2と同様の操作を行った。その結果、構造式4の光学活性カルボン酸の不斉収率は72%であった。
[比較例6]
反応系で使用する溶液として、精製水5mLの替わりに精製水2.5%を含むジオキサンを使用すること以外、全て比較例4と同様の操作を行った。その結果、構造式4の光学活性カルボン酸の不斉収率は80%であった。
[実施例3]
構造式5のフェニル桂皮酸類似物1mmolを基質とした以外、すべて実施例1と同様の操作を行った。その結果、構造式6の光学活性カルボン酸(S体)が、不斉収率76%で得られたことが確認された。なお、水に不溶性である有機溶媒として、トルエンの替わりにベンゼン又はキシレンを使用した場合にも、同様の不斉収率であった。
[比較例7]
反応系で使用する溶液として、精製水5mLの替わりに精製水2.5%を含むジオキサンを使用し、2-エタノールアミンの替わりにベンジルアミンを使用し、シンコニジン添加パラジウムカーボンにトルエンを含浸させないこと以外、全て実施例3と同様の操作を行った。その結果、構造式6の光学活性カルボン酸の不斉収率は79%であった。
[比較例8]
ベンジルアミンを用いて構造式5のフェニル桂皮酸類似物の中和を行わないこと以外、全て比較例7と同様の操作を行った。その結果、構造式6の光学活性カルボン酸の不斉収率は49%に低下した。
[比較例9]
反応系で使用する溶液として、精製水2.5%を含むジオキサンの替わりにトルエンを使用すること以外、全て比較例7同様の操作を行った。その結果、構造式6の光学活性カルボン酸の不斉収率は89%であった。
[比較例10]
ベンジルアミンを用いて構造式5のフェニル桂皮酸類似物の中和を行わないこと以外、全て比較例9と同様の操作を行った。その結果、構造式6の光学活性カルボン酸の不斉収率は72%に低下した。
[実施例4]
構造式7のフェニル桂皮酸類似物1mmolを基質とした以外、すべて実施例1と同様の操作を行った。その結果、構造式8の光学活性カルボン酸(S体)が、不斉収率86%で得られたことが確認された。なお、水に不溶性である有機溶媒として、トルエンの替わりにベンゼン又はキシレンを使用した場合にも、同様の不斉収率であった。
[比較例11]
反応系で使用する溶液として、精製水5mLの替わりに精製水2.5%を含むジオキサンを使用し、2-エタノールアミンの替わりにベンジルアミンを使用し、シンコニジン添加パラジウムカーボンにトルエンを含浸させないこと以外、全て実施例4と同様の操作を行った。その結果、構造式8の光学活性カルボン酸の不斉収率は91%であった。
[比較例12]
ベンジルアミンを用いて構造式5のフェニル桂皮酸類似物の中和を行わないこと以外、全て比較例11と同様の操作を行った。その結果、構造式8の光学活性カルボン酸の不斉収率は72%に低下した。
[比較例13]
反応系で使用する溶液として、精製水2.5%を含むジオキサンの替わりにトルエンを使用すること以外、全て比較例11と同様の操作を行った。その結果、構造式8の光学活性カルボン酸の不斉収率は85%であった。
[比較例14]
ベンジルアミンを用いて構造式7のフェニル桂皮酸類似物の中和を行わないこと以外、全て比較例13と同様の操作を行った。その結果、構造式8の光学活性カルボン酸の不斉収率は86%であった。
[実施例5]
構造式9のフェニル桂皮酸類似物1mmolを基質とした以外、すべて実施例1と同様の操作を行った。その結果、構造式10の光学活性カルボン酸(S体)が、不斉収率93%で得られたことが確認された。なお、水に不溶性である有機溶媒として、トルエンの替わりにベンゼン又はキシレンを使用した場合にも、同様の不斉収率であった。
[比較例15]
反応系で使用する溶液として、精製水5mLの替わりに精製水2.5%を含むジオキサンを使用し、2-エタノールアミンの替わりにベンジルアミンを使用し、シンコニジン添加パラジウムカーボンにトルエンを含浸させないこと以外、全て実施例5と同様の操作を行った。その結果、構造式10の光学活性カルボン酸の不斉収率は92%であった。
[比較例16]
ベンジルアミンを用いて構造式5のフェニル桂皮酸類似物の中和を行わないこと以外、全て比較例15と同様の操作を行った。その結果、構造式10の光学活性カルボン酸の不斉収率は60%に低下した。
[比較例17]
反応系で使用する溶液として、精製水2.5%を含むジオキサンの替わりにトルエンを使用すること以外、全て比較例15と同様の操作を行った。その結果、構造式10の光学活性カルボン酸の不斉収率は89%であった。
[比較例18]
ベンジルアミンを用いて構造式7のフェニル桂皮酸類似物の中和を行わないこと以外、全て比較例17と同様の操作を行った。その結果、構造式10の光学活性カルボン酸の不斉収率は91%であった。
[実施例6]
チグリン酸1mmolを基質とした以外、すべて実施例1と同様の操作を行った。その結果、構造式12の光学活性カルボン酸((2S)-2-メチルブタン酸)が、不斉収率26%で得られたことが確認された。不斉水素化反応を50atmで行った場合にも同じ不斉収率であった。なお、水に不溶性である有機溶媒として、トルエンの替わりにベンゼン又はキシレンを使用した場合にも、同様の不斉収率であった。
[比較例19]
反応系で使用する溶液として、精製水5mLの替わりに精製水2.5%を含むジオキサンを使用し、2-エタノールアミンの替わりにベンジルアミンを使用し、シンコニジン添加パラジウムカーボンにトルエンを含浸させないこと以外、全て実施例6と同様の操作を行った。その結果、(2S)-2-メチルブタン酸の不斉収率は22%であった。不斉水素化反応を50atmで行った場合には不斉収率38%であった。
[比較例17]
反応系で使用する溶液として、精製水2.5%を含むジオキサンの替わりにトルエンを使用すること以外、全て比較例15と同様の操作を行った。その結果、(2S)-2-メチルブタン酸の不斉収率は21%であった。不斉水素化反応を50atmで行った場合には不斉収率37%であった。
本発明の光学活性カルボン酸の製造方法及び担持パラジウム触媒は、従来の光学活性カルボン酸の製造方法と比較して、大幅に環境負荷の小さい製造方法及び担持パラジウム触媒として、有機工業化学、医薬品等の分野において有用である。
本発明の光学活性カルボン酸の製造方法の概略フローチャートである。

Claims (13)

  1. α,β−不飽和カルボン酸を基質として、光学活性アルカロイドを添加した担持パラジウム触媒を用いて不斉水素化することによる光学活性カルボン酸の製造方法であって、
    α,β−不飽和カルボン酸は水溶性アミンを用いて中和し、
    前記担持パラジウム触媒には水に不溶性である有機溶媒を含浸させ、
    水中でα,β−不飽和カルボン酸を光学活性カルボン酸へと不斉水素化する製造方法。
  2. 前記α,β−不飽和カルボン酸がα置換桂皮酸及びその類似化合物である請求項1に記載の光学活性カルボン酸の製造方法。
  3. 前記水溶性アミンが2-ヒドロキシアミン、ビス-2-ヒドロキシアミン、トリス-2-ヒドロキシアミン又はベンジルアミンである請求項1又は2に記載の光学活性カルボン酸の製造方法。
  4. 前記水に不溶性である有機溶媒が芳香族系有機溶媒又はエーテル系有機溶媒である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学活性カルボン酸の製造方法。
  5. 前記担持パラジウム触媒がパラジウム炭素である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学活性カルボン酸の製造方法。
  6. 前記光学活性アルカロイドがシンコナアルカロイド又はキナアルカロイドである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学活性カルボン酸の製造方法。
  7. α,β−不飽和カルボン酸の水溶性アミン塩が水に不溶性である場合に、水に界面活性剤を添加して該水溶性アミン塩を可溶化する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学活性カルボン酸の製造方法。
  8. α,β−不飽和カルボン酸を光学活性カルボン酸へと不斉水素化するための担持パラジウム触媒であって、
    光学活性アルカロイドを添加した後、さらに水に不溶性である有機溶媒が含浸されており、水溶性アミンを用いて中和したα,β−不飽和カルボン酸の不斉水素化反応を、水中で触媒することを特徴とする担持パラジウム触媒。
  9. 前記α,β−不飽和カルボン酸がα置換桂皮酸及びその類似化合物である請求項8に記載の担持パラジウム触媒。
  10. 前記水溶性アミンが2-ヒドロキシアミン、ビス-2-ヒドロキシアミン、トリス-2-ヒドロキシアミン又はベンジルアミンである請求項8又は9に記載の担持パラジウム触媒。
  11. 前記水に不溶性である有機溶媒が芳香族系有機溶媒又はエーテル系有機溶媒である請求項8乃至10のいずれか1項に記載の担持パラジウム触媒。
  12. 前記担持パラジウム触媒がパラジウム炭素である請求項8乃至11のいずれか1項に記載の担持パラジウム触媒。
  13. 前記光学活性アルカロイドがシンコナアルカロイド又はキナアルカロイドである請求項8乃至12のいずれか1項に記載の担持パラジウム触媒。
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