JP2002509906A - Hpbエステルの製造方法 - Google Patents

Hpbエステルの製造方法

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JP2002509906A
JP2002509906A JP2000541133A JP2000541133A JP2002509906A JP 2002509906 A JP2002509906 A JP 2002509906A JP 2000541133 A JP2000541133 A JP 2000541133A JP 2000541133 A JP2000541133 A JP 2000541133A JP 2002509906 A JP2002509906 A JP 2002509906A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、2−ヒドロキシ−4−フェニル酪酸エステル(HPBエステル)及びその前駆体の立体選択的製造のための新規で有利な方法に関する。これは、クライゼン縮合により製造することができる、容易に入手可能なα−不飽和α−ヒドロキシ−γ−ケトエステルから出発することにより行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、2−ヒドロキシ酪酸エステル、特に2−ヒドロキシ−4−フェニル
酪酸エステル(HPBエステル)、及びその前駆体の立体選択的製造のための、
新規な発明的方法に関する。
【0002】 式(I):
【0003】
【化11】
【0004】 〔式中、Aは、置換基であり、mは、0〜5の整数であり、そしてRは、エステ
ル基である(ここで、記号*は、キラル中心を示す)〕で示されるHPBエステ ルは、下記式:
【0005】
【化12】
【0006】 で示される共有構造特色を有する、薬理学的に有効なACEインヒビター(AC
E:アンギオテンシン変換酵素)の製造のための重要な中間体である。ACEイ
ンヒビターは、抗高血圧薬の活性成分群に属し、そして経口投与後いわゆるアン
ギオテンシン変換酵素の競合阻害を起こして、血圧を低下させる。特に好ましい
HPBエステルは、R−立体配置を有する。
【0007】 1つの重要な活性成分は、ベナゼプリルHClというINN名称で知られてお
り、かつ種々の体裁の経口剤型(例えば、錠剤)で、登録商標チバセン(Cibace
n)(ノバルティス社(Novartis AG)(バーゼル、スイス)の商標)の下で市販
されている、3−〔(1−(エトキシカルボニル)−3−フェニル−(1S)−
プロピル)アミノ〕−2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−1H−1−
(3S)−ベンゾアゼピン−1−酢酸塩酸塩である。HPBエステルは更に、他
の既知のACEインヒビター(例えば、エナラプリル、シラザプリル、スピラプ
リル(spirapril)、キナプリル、ラミプリル(ramipril)又はリシノプリル( INN名称))の製造の中間体として使用することができる。HPBエステルは
また、異なる型の殺虫剤の合成にも使用することができる。
【0008】 R−立体配置HPBエステルの製造のための多くの異なる方法、例えば、微生
物若しくは酵素による還元、均一系若しくは不均一系触媒によるエナンチオ選択
的水素化、ジアステレオ選択的水素化、水素化物による還元、いわゆるキラル構
成単位との反応、酵素的ラセミ体分割若しくはキラル支持体上のラセミ体分割、
又はS−HPBエステルの反転が知られている。
【0009】 これらの方法は、以下: ・高価な遊離体、例えば、2−オキソ−4−フェニル酪酸の使用、 ・低濃度での反応(生物学的又は酵素的方法の場合の一般的な問題)、 ・均一系触媒反応の場合の、高い処理費用、 ・ラセミ体分割の場合の、わずか50%という最大収率、 のような、種々の理由により不利である。
【0010】 本発明は、単純合成により得られる出発物質から出発して、所望の立体配置の
2−ヒドロキシ酪酸エステル、特にHPBエステルをエナンチオ選択的に合成す
ることを目的とする。狭い意味で、本発明は、ラセミ体分割に要する消失なしに
、所望のR−立体配置を有するHPBエステルをエナンチオ選択的に合成するこ
とを目的とする。
【0011】 ヨーロッパ特許出願第206,993号は、下記式:
【0012】
【化13】
【0013】 で示されるα−ケトエステルの、白金触媒による不均一系触媒還元反応を介する
HPBエステルの製造を記述している。この水素化は、キラルモディファイヤー
(例えば、シンコニジン)の存在下でエナンチオ選択的に行うことができ、その
ため所望のR−型が主として得られる。この可能性にもかかわらず、この方法は
、α−ケトエステルを前もって製造する必要があり、数工程にわたる合成が複雑
であるため、不都合である。
【0014】 驚くべきことに、下記式:
【0015】
【化14】
【0016】 (R1は、例えば、フェニルである)で示される、単純なクライゼン縮合により 到達容易なα,γ−ジケトエステル、又はその互変異性体の下記式:
【0017】
【化15】
【0018】 で示されるα−不飽和α−ヒドロキシ−γ−ケトエステルから出発して、α−ヒ
ドロキシ−γ−ケトエステルが、適切なキラルモディファイヤーの存在下でのエ
ナンチオ選択的水素化により得られるが、このα−ヒドロキシ−γ−ケトエステ
ルは、エナンチオマーとして純粋な型、例えば所望のR−立体配置で、高光学的
収率で結晶化することができ、そしてこれに続く接触水素化で2−ヒドロキシ酪
酸エステルに変換することができることが見い出された。
【0019】 本発明は、式(IA)又は(IB):
【0020】
【化16】
【0021】 〔式中、 Rは、水素又はエステル基であり、 R1は、ヒドロキシ、エーテル化ヒドロキシ、C1−C8アルキル、C3−C8シ クロアルキル、フェニル、又は1〜5個の置換基により置換されているフェニル
であり、 R2は、水素又はC1−C4アルキルであり、そして nは、0又は1である〕で示される化合物の製造方法であって、式(II):
【0022】
【化17】
【0023】 〔式中、R、R1及びR2は、前記と同義である〕で示されるα,γ−ジケトエス
テル又はその互変異性体を、白金を触媒として、キラルモディファイヤーとして
のキナアルカロイドの存在下でエナンチオ選択的に水素化し、そして必要であれ
ば、nが0である、化合物(IA)又は(IB)の製造のために、所望の立体配
置を有する式(IIIA)又は(IIIB):
【0024】
【化18】
【0025】 で示される、得られる化合物の一方を、パラジウムを触媒として水素化すること
を含む方法に関する。
【0026】 本発明の好ましい実施態様は、化合物(IA)又は(IB)〔ここで、Rは、
例えば、水素、C1−C4アルキル、好ましくはメチル又はエチルであり、R1は 、ヒドロキシ、エーテル化ヒドロキシ、例えばメトキシ若しくはエトキシのよう
なC1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル又はn−、イソ−若しくはtert−ブチル、フェニル、又は1
〜5個の置換基Aにより置換されているフェニルであり、R2は、水素又はC1
4アルキル、好ましくはメチルであり、そしてnは、0又は1である〕の製造 方法に関する。
【0027】 本発明の特に好ましい実施態様は、式(IA′)又は(IB′):
【0028】
【化19】
【0029】 〔式中、 Aは、置換基であり、 mは、0〜5の整数であり、そして Rは、エステル基である〕で示される化合物の製造方法であって、式(II′)
【0030】
【化20】
【0031】 〔式中、A、m及びRは、前記と同義である〕で示されるα,γ−ジケトエステ
ル又はその互変異性体を、白金を触媒として、キラルモディファイヤーとしての
キナアルカロイドの存在下でエナンチオ選択的に水素化し、そして所望の立体配
置を有する式(IIIA′)又は(IIIB′):
【0032】
【化21】
【0033】 で示される、得られる化合物の一方を、パラジウムを触媒として水素化すること
を含む方法に関する。
【0034】 本発明の説明中に使用される記号、用語及び表示は、好ましくは以下のとおり
定義される: 構造式中の下記記号:
【0035】
【化22】
【0036】 は、大多数の分子が、Cahn、Ingold 及び Prelog の命名規則(R,S−命名法 )によってR又はS表示である、キラル中心での示される立体化学配置を有する
ことを意味する。
【0037】 化合物(IA)及び(IB)において、エステル基Rは、好ましくは飽和炭化
水素基、特にC1−C20アルキル、C3−C12シクロアルキル、C2−C11ヘテロ シクロアルキル、C6−C16アリール、C1−C15ヘテロアリール又はC7−C16 アラルキルであり、そしてこれらは、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、
1−C6ハロアルキル、C6−C16アリール、カルボキシ、C1−C4アルコキシ カルボニル、C1−C4アルカノイル、−SO3 -、アンモニウム及びハロゲンより
なる群から選択される、1個以上の置換基により置換されていてもよい。
【0038】 C1−C20アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、 n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、並びにペンチル、ヘキシル、ヘプチル
、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデシルの異性体である。アリー
ル−置換アルキルの一例は、ベンジルである。
【0039】 C3−C12シクロアルキルの幾つかの例は、シクロプロピル、シクロペンチル 及びシクロヘキシルである。置換シクロアルキルの例は、メチル、ジメチル、ト
リメチル、メトキシ、ジメトキシ、トリメトキシ、トリフルオロメチル、ビス−
トリフルオロメチル及びトリス−トリフルオロメチルにより置換されている、シ
クロペンチル及びシクロヘキシルである。
【0040】 C2−C11ヘテロシクロアルキルは、好ましくは1個又は2個の、そしてC1
15ヘテロアリールは、1〜4個の、酸素、硫黄及び窒素よりなる群から選択さ
れるヘテロ原子を含む。ヘテロシクロアルキルの幾つかの例は、テトラヒドロフ
リル、ピロリジニル、ピペラジニル及びテトラヒドロチエニルである。ヘテロア
リールの幾つかの例は、フリル、チエニル、ピロリル、ピリジル及びピリミジニ
ルである。
【0041】 C6−C16アリールの例は、フェニル及びナフチルである。置換アリールの例 は、メチル、ジメチル、トリメチル、メトキシ、ジメトキシ、トリメトキシ、ト
リフルオロメチル、ビス−トリフルオロメチル又はトリス−トリフルオロメチル
により置換されているフェニルである。C7−C16アラルキルの一例は、ベンジ ルである。置換アラルキルの例は、メチル、ジメチル、トリメチル、メトキシ、
ジメトキシ、トリメトキシ、トリフルオロメチル、ビス−トリフルオロメチル又
はトリス−トリフルオロメチルにより置換されているベンジルである。
【0042】 ヘテロシクロアルキルは、好ましくは1個又は2個の、そしてヘテロアリール
は、1〜4個の、酸素、硫黄及び窒素よりなる群から選択されるヘテロ原子を含
む。ヘテロシクロアルキルの幾つかの例は、テトラヒドロフリル、ピロリジニル
、ピペラジニル及びテトラヒドロチエニルである。ヘテロアリールの幾つかの例
は、フリル、チエニル、ピロリル、ピリジル及びピリミジニルである。
【0043】 飽和炭化水素基Rは、好ましくはC1−C7アルキル、例えば、メチル、エチル
、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル又はtert−ブチルである。
【0044】 フェニルの適切な置換基Aは、典型的にはC1−C7アルキル、例えば、メチル
、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル又はネオペン
チル、C1−C7アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ又はtert−ブトキシ、
1−C4アルカノイル、例えば、アセチル又はプロピオニル、C1−C4アルカノ
イルオキシ、例えばアセトキシ、シアン、ハロゲン、例えば、フルオロ、クロロ
、ブロモ又はヨード、ヒドロキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル
、例えば、メトキシ−又はエトキシカルボニル、C1−C7アルキレンジオキシ、
例えばエチレンジオキシ、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、例えば、メチル−
又はエチルアミノ、ジ(C1−C7アルキル)アミノ、例えば、ジメチル−又はジ
エチルアミノ、C1−C4アルカノイルアミノ、例えばアセチルアミノ、カルバモ
イル、C1−C4アルキルカルバモイル、例えばメチルカルバモイル、ジ(C1− C7アルキル)カルバモイル、例えばジメチルカルバモイル、C1−C4アルカン スルホニルアミノ、例えば、メシルアミノ又はトリフルオロメタンスルホニルア
ミノ、アレーンスルホニルアミノ、例えば、ベンゼンスルホニルアミノ又はp−
トルエンスルホニルアミノ、スルホ、スルファモイル、C1−C4アルキルスルフ
ァモイル、例えばメチルスルファモイル、ジ(C1−C7アルキル)スルファモイ
ル、例えばジメチルスルファモイル、ハロゲン−C1−C7アルキル、例えばトリ
フルオロメチル、ヒドロキシ−C1−C7アルキル、例えば、ヒドロキシメチル又
は1−若しくは2−ヒドロキシエチル、あるいはアミノ−C1−C7アルキル、例
えば、アミノメチル又は1−若しくは2−アミノエチルである。
【0045】 2個の置換基Aは、2価の架橋様C2−C6アルキレン、C4−C8アルキルジイ
リデン又はC4−C8アルケニルジイリデン基、好ましくはブタンジイリデン、特
に2−ブテンジイリデンを形成してよく、これらはフェニル環と2個の隣接した
炭素原子に結合して、これらの炭素原子と共に二環、好ましくは縮合ビフェニル
環、例えばナフチル基を形成し、この二環は、前述の官能基又は置換基により置
換されていることができる。
【0046】 官能基、例えば、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ又はスルホは、適切な保護
基、例えば、トリメチルシリル、tert−ブチル、p−ニトロベンジル、フタロイ
ルなどにより保護されていることができる。
【0047】 塩形成基、例えば、カルボキシ又はスルホは、遊離の形で、又は塩の形で、例
えばナトリウム塩の形で存在することができる。アミノ基及び置換アミノ基は、
遊離の形で、又は塩酸塩のような酸付加塩の形で存在することができる。
【0048】 添字mは、好ましくは0、1、2又は3である。
【0049】 本方法の好ましい実施態様において、mが0であり、そしてRがC1−C4アル
キルである、化合物(IA′)又は(IB′)が製造される。
【0050】 本方法の特に好ましい実施態様において、mが0であり、そしてRがエチルで
ある、化合物(IA′)が製造される。
【0051】 キラルモディファイヤーは、1個又は数個のキラル中心に近い塩基性窒素原子
を含み、これが次に二環式芳香族化合物に結合する。適切なキラルモディファイ
ヤーは、A. Pfaltz 及び T. Heinz の Topics in Catalysis 4 (1997) 229-239
に記載されている。好ましいモディファイヤーは、キナアルカロイド(cinchona
alkaloid)であり、これらはこの名称の下で知られており、そして主としてキ ナ及びレミジャ(remija)科の木の樹皮から単離することができる、キノリン植
物塩基の群に属する。この定義は、特にアルカロイドの(−)−キニン、(+)
−キニジン、(+)−シンコニン及び(−)−シンコニジンを包含する。(−)
−キニン及び(−)−シンコニジンの使用により、R−型の化合物(III)(III
A)が生じ、そして(+)−キニジン及び(+)−シンコニンの使用により、S
−型の化合物(III)(IIIB)が生じる。(−)−シンコニジン及びその誘導体
を使用するのが好ましい。
【0052】 本発明の特に好ましい実施態様において、R−型(IIIA)の製造に使用され るキラルモディファイヤーは、式(IV):
【0053】
【化23】
【0054】 〔式中、 Rは、水素、メチル、アセチル、ラクトイル又はベンジルによりエーテル化さ
れたラクトイルであり、そして R′は、エチル又はヒドロキシメチルである〕で示される(−)−シンコニジ
ンの誘導体である。
【0055】 Rが水素であり、かつR′がエチルである化合物(IV)は、10,11−ジヒ
ドロシンコニジン(HCd)という名称で知られており、そしてRがメチルであ
り、かつR′がエチルである化合物(IV)は、O−メトキシ−10,11−ジヒ
ドロシンコニジン(MeOHCd)という名称で知られており、そしてRが水素
であり、かつR′がヒドロキシメチルである化合物(IV)は、ノルシンコールと
いう名称で知られている。
【0056】 本方法の好ましい実施態様において、キラルモディファイヤー(IV)は、10
,11−ジヒドロシンコニジン(HCd)である。
【0057】 このエナンチオ選択的還元は、それ自体既知の方法で行われる。使用される白
金触媒は、X. Zuo らの Tetrahedron Letter 39 (1998) 1941-1944 に記載され るもののような、いわゆるポリマー安定化コロイド金属クラスターの形であるこ
とができ、又は好ましくは適切な支持体に適用されている。適切な支持体の例は
、炭素、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、Cr23、二酸化ジルコニウム、酸
化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム又
はリン酸アルミニウムである。酸化アルミニウムが好ましい。この触媒は、それ
自体既知の方法で、水素により約200〜400℃で活性化され、次にキナアル
カロイドの溶液で修飾して含浸するか、かつ/又はキナアルカロイドを還元中に
直接加える。
【0058】 水素化は、水又は有機溶媒の存在下で行われる。極性及び非極性の非プロトン
性溶媒、又は極性プロトン性溶媒、あるいはこれらの混合物を使用するのが好ま
しい。
【0059】 適切な非極性非プロトン性溶媒の例は、炭化水素、例えば、脂肪族炭化水素(
例えば、ヘキサン、ヘプタン又は石油エーテル)、脂環式炭化水素(例えば、シ
クロヘキサン又はメチルシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン
、トルエン又はキシレン)である。
【0060】 適切な極性非プロトン性溶媒の例は、エーテル、例えば、脂肪族エーテル(例
えば、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジエトキシエタン又はtert−ブチルメ
チルエーテル)、環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン又はジオキサン)
、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド又はN−メチルピロリドン)である。
特に適切なものは、エーテル、特にテトラヒドロフランである。
【0061】 適切な極性プロトン性溶媒の例は、アルコール、例えば、エタノール又はn−
ブタノールである。
【0062】 本方法は、好ましくは液相バッチ式で、又は連続的に、好ましくは触媒懸濁液
により液相水素化として、若しくはバブルカラム中で、又は点滴ろ床(trickle
bed)で形成された触媒により行うことができる。本反応はまた、気相で粉末触 媒により流動床で、又は配合触媒により固定床で行うことができる。
【0063】 水素化は、広範な温度で行うことができる。有利な温度は、室温〜約100℃
、好ましくは20°〜約50℃の範囲にあることが判った。
【0064】 水素圧は、水素化中、広い範囲内で、例えば1〜200、好ましくは5〜10
0、更に好ましくは10〜60barで変化させることができる。どの水素圧が使 用されるかは、本質的に利用可能な水素化プラントに依存する。
【0065】 反応時間は、広い境界内で変化させることができ、使用される触媒、水素圧、
反応温度及び使用されるプラントに依存する。これは、例えば、半時間〜24時
間の範囲にあることができる。有利な反応時間は、約半時間〜2時間である。
【0066】 反応生成物の単離は、既知の方法により行われ、そして実施例に説明される。
触媒の分離及び溶媒の除去後、通常の分離法、例えば、分取薄層クロマトグラフ
ィー、分取HPLC、分取ガスクロマトグラフィーなどが行われる。本発明の特
に好ましい実施態様では、R−化合物(IIIA)が適切な溶媒から結晶化される 。ジイソプロピルエーテルが特に有利な溶媒であることが認められた。R−化合
物(IIIA)は、この溶媒からの結晶化によって、99%までのeeという特別 な光学的純度で得られる。
【0067】 これに続く、パラジウム、例えば、パラジウム(ブラック)又は塩化パラジウ
ムを触媒とする化合物(IIIA)又は(IIIB)の水素化は、それ自体既知の方法
で行われる。使用されるパラジウム触媒は、支持体に適用される。本発明の好ま
しい実施態様では、パラジウムは炭素に適用される。
【0068】 使用される溶媒は、極性プロトン性溶媒、例えばエタノールである。必要であ
れば、酸助剤〔例えば、2個を超える炭素原子を含む有機の1価又は多価の酸(
例えば、酢酸、プロピオン酸又はマロン酸)、鉱酸(例えば、塩酸又は硫酸)、
いわゆるルイス酸(例えば三フッ化ホウ素)、又はゼオライト若しくはナフィオ
ン(Nafion)(登録商標)のようないわゆる固体酸及び/又は脱水剤(例えば硫
酸ナトリウム)〕が添加される。
【0069】 反応生成物の単離は、既知の方法により行われ、そして実施例に記載される。
触媒の分離及び溶媒の除去後、通常の分離法、例えば、分取薄層クロマトグラフ
ィー、分取HPLC、分取ガスクロマトグラフィーなどが行われる。
【0070】 式(IIIA′)及び(IIIB′):
【0071】
【化24】
【0072】 〔式中、Aは、置換基であり、mは、0〜5の整数であり、そしてEtは、エチ
ルである〕で示される化合物は、新規であり、そしてこれも本発明の主題である
【0073】 本発明の特に好ましい実施態様は、化合物:(R)−2−ヒドロキシ−4−オ
キソ−4−フェニル酪酸エチルエステルである。
【0074】 式(IIIA″)及び(IIIB″):
【0075】
【化25】
【0076】 〔式中、Rは、メチルを除くエステル基である〕で示されるエナンチオマーとし
て純粋な化合物は、新規であり、そしてこれも本発明の主題である。
【0077】 Rが水素又はメチルである、式(IIIA″)又は(IIIB″)のエナンチオマー
として純粋な化合物は、知られている(CAS 61689−31−4及び61
689−32−5)。
【0078】 本発明の特に好ましい主題は、化合物:5,5−ジメチル−(R)−2−ヒド
ロキシ−4−オキソヘキサン酸エチルエステルである。
【0079】 本発明はまた、基(A):
【0080】
【化26】
【0081】 を成分として含む化合物の製造のための、R−立体配置を有する化合物(IA′
)の使用、及び対応して、基(B):
【0082】
【化27】
【0083】 を成分として含む化合物の製造のための、S−立体配置を有する化合物(IB′
)の使用に関する。
【0084】 特に化合物(IA′)は、ACE−インヒビター又はその更なる前駆体の製造
のための有用な中間体である。多数の有効なACE−インヒビター(例えば、EP
-A-50,850 及び EP-A-72,352 を参照のこと)では、薬物特性基は、S−立体配 置を有する下記部分構造:
【0085】
【化28】
【0086】 として定義される。この基は、ベナゼプリル、エナラプリル、シラザプリル、ス
ピラプリル(spirapril)、キナプリル、ラミプリル(ramipril)及びリシノプ リルと呼ばれる、既知のACE−インヒビターに存在する。ACE−インヒビタ
ーの薬理学的効果は、薬理学及び薬剤化学の多くの教科書、特にHelwig/Otto, A
rzneimittel, Vol. 1, 30-127 - 131, Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft
mbH Stuttgart 1995 に記載されている。
【0087】 アミノ基の導入(上記部分構造を参照のこと)は、既知の方法、例えば、スル
ホニル基(例えばトリフルオロメタンスルホニル)を介するヒドロキシル基での
HPBエステルのエステル化により行われ、このためこのヒドロキシル基は脱離
基により置換される。次にこの誘導体を、逆に、−NH−R基(R=ACE−イ
ンヒビターを特徴づける追加の置換基)を含むアミノ化合物と反応させ、その結
果S−立体配置化合物が得られる。薬理学的に活性なACE−インヒビターへの
更なる処理は、EP-A-206,993 に記載されている。詳細には、これらの更なる処 理工程は、少しの不利なラセミ化もなしに、又は脱離生成物の発生なしに、化合
物(I)を、それぞれの所望の立体配置(IA)又は(IB)で、アミノ化合物
と反応させることができるという利点を有する。
【0088】 適切な構造の殺虫剤へのHPBエステルの更なる処理は、英国特許明細書第 1
,014,243 号に記載されている方法により行うことができる。
【0089】 化合物(IA)及び(IB)〔ここで、R1は、ヒドロキシ、エーテル化ヒド ロキシ又はC1−C4アルキルであり、R2は、水素又はC1−C4アルキルであり 、そしてnは、0又は1である〕は、例えば「不自然」な立体配置を有するD−
マレイン酸の合成のための有用な出発物質、又は対応して配置されたアミノ酸の
合成のための中間体であるか、あるいは錯体化学におけるリガンド形成員として
使用することができる(特に、nが1である、化合物(IA)又は(IB)のジ
ケトン)。
【0090】 α,γ−ジケトエステル又はその互変異性体のα−不飽和α−ヒドロキシ−γ
−ケトエステル(II)の製造は、C. Beyer 及び L. Claisen の Berichte, Vol.
XX (1887) 2178-2188 に記載される古典的方法と同様に行うことができる。
【0091】 実施例1:
【0092】
【化29】
【0093】 (1)(MG 220.24;9.08mmol)2.0gを、二重壁ジャケット 、マグネティックスターラー及びじゃま板(baffle)を取り付けた50mlステン
レス鋼オートクレーブ中でトルエン30mlにより溶解した。この溶液に、5%
Pt/Al23(エンゲルハート(Engelhard)4759、H2中で400℃で2
時間の前処理)50mg及び10,11−ジヒドロシンコニジン5mgを装填した。
オートクレーブを閉じて、アルゴンで2回及び水素で2回洗浄した。続いて、6
0bar H2を強制導入して、マグネティックスターラーで撹拌(1200rpm)す
ることにより反応を開始させた。反応中、温度は25℃に(サーモスタット)、
そして圧力は60bar H2に維持した。160分間の反応時間後、水素の取り込 みが完了した。緩和後、オートクレーブを再度アルゴンで洗浄した。反応混合物
を濾過して、溶媒の留去により濃縮し、(2)〔MG 222.24;収率:9
8%;純度:>97%(HPLC、NMR);ee−生成物=87%(HPLC
); MS: M+222; 1-H NMR (CDCl3, TMS): 7.95 (d, 2H), 7.60 (dd, 1H), 7.45
(dd, 2H), 4.65 (m, 1H), 4.25 (q, 2H), 3.30-3.60 (m, 3H), 1.30 (t, 3H) 13
-C NMR (CDCl3, TMS), 198, 174, 136, 134, 129, 128, 67, 62, 42, 14 ppm〕 1.97gを得た。
【0094】 b)ヒドロキシエステル(2)(73.85g;0.332mol;ee=76%)
をジイソプロピルエーテル220mlに溶解した。種晶少量を添加後、溶液を水浴
中で15℃まで冷却した。5分後に結晶化が開始した。混合物を更に30分間撹
拌して、10℃で30分間及び0℃で2時間撹拌することにより結晶化が終わっ
た。生成物を濾過により回収し、氷冷ジイソプロピルエーテル70mlで1回洗浄
して、真空下室温で一晩乾燥した。収量:47.14g(63.8%、帯黄色の 結晶);融点(補正なし):37.0℃;純度ee−生成物(HPLC、OD、
ヘキサン/エタノール/TFA:970ml/30ml/0.4ml):99%。 c)
【0095】
【化30】
【0096】 エタノール170ml中のヒドロキシエステル(3)(46.0g、0.20mol
;ee=99%)の溶液に、5% Pd/C(460mg)、エタノール中のHC
l(12% w/v;18.7ml)を装填した。混合物を室温で振盪して、ガラス シェーカー中、1bar H2で5 1/2時間水素化した。濾過により触媒を除去し
、蒸発により溶媒を除去した。帯黄色の油状残渣を蒸留(沸点:98〜102℃
/0.05bar)により精製した。収量:38.9g(90%、無色の液体);純
度ee−生成物(HPLC、OD−H、ヘキサン/エタノール/TFA:970
/30/0.4ml):99%。
【0097】 実施例2:
【0098】
【化31】
【0099】 MeOHCd(O−メトキシ−10,11−ジヒドロシンコニジン)5.0mg
を、二重壁ジャケット、マグネティックスターラー及びじゃま板を取り付けた5
0mlステンレス鋼オートクレーブに入れた。5% Pt/Al23(JMC94
、H2中で400℃で2時間の前処理)50mgを加え、混合物をエタノール5ml に懸濁し、そしてEtOH 20mlに溶解した(5)(C445、MG 13 2.07)2.0gに懸濁した。オートクレーブを閉じ、アルゴン及び水素で各 3回洗浄した。次に圧力を60bar H2に上げて、マグネティックスターラーで 撹拌することにより反応を開始させた。160分間の反応及び緩和後、オートク
レーブをアルゴンで洗浄した。反応混合物を濾過して、蒸発によりEtOHを除
去し、(6)〔C465、MG 134.08;収率:100%;ee−生成 物=62%(HPLC)〕2.04gを得た。
【0100】 実施例3:
【0101】
【化32】
【0102】 実施例2と同様に、HCd(10,11−ジヒドロシンコニジン)5.0mg中
で(7)(C8125、MG 188.18)0.8gを水素化することにより 、(8)〔C8145、MG 190.20;収率:89%;ee−生成物:7
0%(HPLC)〕0.72gを製造した。
【0103】 実施例4: 化合物(10)、(12)、(14)は、実施例2と同様に、溶媒としてエタ
ノール又はトルエン中でキラルモディファイヤーとしてHCdを使用して、(9
)、(11)、(13)を水素化することにより製造することができた:
【0104】
【化33】
【0105】 〔12: NMR: 1.16 ppm (s, 9H, CH3), 1.30 ppm (t, 3H, CH3), 3.02 ppm (d, 2H
, CH2), 3.24 (d, 1H, OH), 4.25, (q, 2H, CH2), 4.46 (dd, 1H, CH)〕
【0106】
【化34】
【0107】 実施例5 50mlマイクロオートクレーブに、5% Pt−SiO2(ヘラエウス(Herae
us)B98/15)126.5mg及びジヒドロシンコニジン14.1mgを装填し
た。続いて、ジケトエステル(トルエン中の20%溶液として(1)、(5)、
(7)、(9)、(11)、(13))4.98gを加えた。オートクレーブを 閉じて、10barアルゴン及び10bar水素で各3回洗浄した。オートクレーブ中
の水素圧を40barに調整して、バルブを閉じた。スターラーのスイッチを入れ ることにより反応を開始させた。水素の取り込みの間、容器中の温度は22℃か
ら28℃に上昇した。約半時間後、容器内の圧力が水素消費により約20barま で下落したため、これを約40barまで再度上昇させる必要があった。3時間後 、反応を停止して、水素化混合物を濾過して触媒を除き、分析した(キラルカラ
ムでのHPLC)。74%のeeで100%反応したことが認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/732 C07C 69/732 Z 69/738 69/738 Z 221/00 221/00 225/16 225/16 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 インドレーゼ,アドリアノ スイス国 ツェーハー−4313 メーリン ザリネンシュトラーセ 9 (72)発明者 ブルクハート,シュテファン スイス国 ツェーハー−4460 ゲルターキ ンデン ガンザッヘルヴェーク 42 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AA03 AB23 AC11 AC13 AC41 AC81 BA09 BA25 BA26 BA32 BA46 BA47 BD70 BE20 BN10 BR10 BS10 BT12 BU32 KA31 4H039 CA11 CA12 CB10 CB40

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(IA)又は(IB): 【化1】 〔式中、 Rは、水素又はエステル基であり、 R1は、ヒドロキシ、エーテル化ヒドロキシ、C1−C8アルキル、C3−C8シ クロアルキル、フェニル、又は1〜5個の置換基により置換されているフェニル
    であり、 R2は、水素又はC1−C4アルキルであり、そして nは、0又は1である〕で示される化合物の製造方法であって、式(II): 【化2】 〔式中、R、R1及びR2は、前記と同義である〕で示されるα,γ−ジケトエス
    テル又はその互変異性体を、白金を触媒として、キラルモディファイヤーとして
    のキナアルカロイドの存在下でエナンチオ選択的に水素化し、そして必要であれ
    ば、nが0である、化合物(IA)又は(IB)の製造のために、所望の立体配
    置を有する式(IIIA)又は(IIIB): 【化3】 で示される、得られる化合物の一方を、パラジウムを触媒として水素化すること
    を含む方法。
  2. 【請求項2】 化合物(II)を、白金を触媒として、10,11−ジヒドロ
    シンコニジンの存在下でエナンチオ選択的に水素化し、そして得られる化合物(
    IIIA)を、パラジウムを触媒として水素化することを含む、化合物(IA)の 製造のための請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 化合物(II)を、白金を触媒として、キナアルカロイドの存
    在下でエナンチオ選択的に水素化し、得られる所望の立体配置の化合物(IIIA )又は(IIIB)を濃縮し、そしてパラジウムを触媒としてこれを水素化するこ とを含む、化合物(IA)又は(IB)の製造のための請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 化合物(II)を、白金を触媒として、10,11−ジヒドロ
    シンコニジンの存在下でエナンチオ選択的に水素化し、得られる化合物(IIIA )を濃縮し、そして支持体上のパラジウムを触媒としてこれを水素化することを
    含む、化合物(IA)の製造のための請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 ジイソプロピルエーテルからの結晶化により、化合物(III A)又は(IIIB)を濃縮することを含む、請求項3又は請求項4のいずれか記 載の方法。
  6. 【請求項6】 化合物(IA)又は(IB)〔ここで、Rは、水素、C1− C4アルキルであり、R1は、ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、フェニル、又は
    1〜5個の置換基により置換されているフェニルであり、R2は、水素又はC1
    4アルキルであり、そしてnは、0又は1である〕を製造することを含む、請 求項1又は請求項2記載の方法。
  7. 【請求項7】 式(IA′)又は(IB′): 【化4】 〔式中、 Aは、置換基であり、 mは、0〜5の整数であり、そして Rは、エステル基である〕で示される化合物の製造方法であって、式(II′)
    : 【化5】 〔式中、A、m及びRは、前記と同義である〕で示されるα,γ−ジケトエステ
    ル又はその互変異性体を、白金を触媒として、キラルモディファイヤーとしての
    キナアルカロイドの存在下でエナンチオ選択的に水素化し、そして所望の立体配
    置を有する式(IIIA′)又は(IIIB′): 【化6】 で示される、得られる化合物の一方を、パラジウムを触媒として水素化すること
    を含む方法。
  8. 【請求項8】 化合物(IA′)又は(IB′)〔ここで、mは、0、1、
    2又は3であり、そして置換基Aは、C1−C7アルキル、C1−C7アルコキシ、
    1−C4アルカノイル、C1−C4アルカノイルオキシ、シアン、ハロゲン、ヒド
    ロキシ、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、C1−C7アルキレンジオ
    キシ、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ(C1−C7アルキル)アミノ、C1 −C4アルカノイルアミノ、カルバモイル、C1−C4アルキルカルバモイル、ジ (C1−C7アルキル)カルバモイル、C1−C4アルカンスルホニルアミノ、アレ
    ーンスルホニルアミノ、スルホ、スルファモイル、C1−C4アルキルスルファモ
    イル、ジ(C1−C7アルキル)スルファモイル、ハロゲン−C1−C7アルキル、
    ヒドロキシ−C1−C7アルキル、又はアミノ−C1−C7アルキルであり、そして
    Rは、C1−C20アルキル、C3−C12シクロアルキル、C2−C11ヘテロシクロ アルキル、C6−C16アリール、C1−C15ヘテロアリール又はC7−C16アラル キルであり、そしてこれらは、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1− C6ハロアルキル、C6−C16アリール、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボ
    ニル、C1−C4アルカノイル、−SO3 -、アンモニウム及びハロゲンよりなる群
    から選択される、1個以上の置換基により置換されていてもよく、そしてRは、
    1−C4アルキルである〕を製造することを含む、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 化合物(IA)又は(IB)〔ここで、mは、0であり、そ
    してRは、C1−C4アルキルである〕を製造することを含む、請求項1記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 所望の立体配置を有する化合物(IIIA′)又は(IIIB′
    )を、パラジウムを触媒として水素化することを含む、化合物(IA′)又は(
    IB′)〔ここで、Aは、置換基であり、mは、0〜5の整数であり、そしてR
    は、エステル基である〕の製造方法。
  11. 【請求項11】 化合物(II′)を、白金を触媒として、キナアルカロイド
    の存在下でエナンチオ選択的に水素化し、そして必要であれば、得られる所望の
    立体配置の化合物(IIIA′)又は(IIIB′)を濃縮することを含む、化合物(
    IIIA′)又は(IIIB′)〔ここで、Aは、置換基であり、mは、0〜5の整数
    であり、そしてRは、エステル基である〕の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の方法により得られる、生成物。
  13. 【請求項13】 式(IIIA′)及び(IIIB′): 【化7】 〔式中、Aは、置換基であり、mは、0〜5の整数であり、そしてEtは、エチ
    ルである〕で示される化合物。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の、(R)−2−ヒドロキシ−4−オキソ
    −4−フェニル酪酸エチルエステル。
  15. 【請求項15】 式(IIIA″)及び(IIIB″): 【化8】 〔式中、Rは、メチルを除くエステル基である〕で示される化合物。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の、5,5−ジメチル−(R)−2−ヒド
    ロキシ−4−オキソヘキサン酸エチルエステル。
  17. 【請求項17】 基(A): 【化9】 を成分として含む化合物の製造のための、化合物(IA′)の使用。
  18. 【請求項18】 基(B): 【化10】 を成分として含む化合物の製造のための、化合物(IB′)の使用。
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