JP2009214829A - 車両用ショックアブソーバ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ショックアブソーバの実際の挙動を考慮した精度向上がなされた悪路判定によりショックアブソーバを制御する車両用ショックアブソーバ制御装置を提供する。
【解決手段】車両用ショックアブソーバ制御装置は、悪路を走行中であることを判定するために加速度センサ62が走行中の車輪が受ける上下方向の加速度を検出し、車高センサ64が所定の車高に対する車高の変化量を検出する。悪路判定部58は加速度と車高の変化量の両方を用いて悪路判定を行い、悪路走行中であると判定した場合、減衰力設定部60が減衰力可変ショックアブソーバの伸び側減衰力を低下させるように制御する。
【選択図】図3
【解決手段】車両用ショックアブソーバ制御装置は、悪路を走行中であることを判定するために加速度センサ62が走行中の車輪が受ける上下方向の加速度を検出し、車高センサ64が所定の車高に対する車高の変化量を検出する。悪路判定部58は加速度と車高の変化量の両方を用いて悪路判定を行い、悪路走行中であると判定した場合、減衰力設定部60が減衰力可変ショックアブソーバの伸び側減衰力を低下させるように制御する。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用ショックアブソーバ制御装置、特に悪路走行時のショックアブソーバの制御に関する。
従来より、シリンダ内を摺動するピストンの動作に伴って発生する作動液の流動抵抗により衝撃を緩衝するショックアブソーバが知られている。この種のショックアブソーバは、車輪にかかる荷重の増大によりピストンがシリンダ内を摺動する構成であり、シリンダ内を摺動するピストンに設けられた連通路が開閉されることにより、シリンダ内の上部液室又は下部液室に充填されている作動液がピストンの摺動方向と逆方向に移動する。そして、この際に発生する減衰力により衝撃が緩衝されることになる。
また、乗り心地や走行安定性を配慮して減衰力の設定を変更することができる減衰力可変型のショックアブソーバが提案されている。例えば特許文献1のサスペンション制御装置では、悪路を走行した場合に縮み側の減衰係数を大きく設定することにより、悪路走行時の乗り心地や操縦安定性の改善を図っている。
特開平8−85321号公報
ところで、ショックアブソーバは所定値まで縮んだときに上端部がアッパーサポートに配置されたバウンドストッパに当接して、ショックアブソーバの変位を規制するようになっている。このショックアブソーバの変位を規制することによりロアアームの上方への変位を規制して当該ロアアームと車体との接触を防止するようにしている。整地路を走行している場合は、ショックアブソーバは極端に縮まないためバウンドストッパに接触する機会は少ない。ところが、悪路走行時には、ショックアブソーバが大きく縮むことが多くなり、車高が低くなる傾向が高くなるためバウンドストッパと当接する機会が増大する。このバウンドストッパとの当接は、衝撃を伴うものであり乗り心地の悪化を招くと共に、ショックアブソーバ及び車両側へ伝達される衝撃が増加するため耐久性の観点からも好ましくない。特許文献1の装置は悪路走行時に縮み側の減衰係数を大きく設定するので、バウンドストッパとの接触はある程度抑制できる。しかし、加速度センサからの情報のみで悪路判定を行いショックアブソーバの設定を変更すると、バウンドストッパとの当接の可能性が低い状況でも過剰に縮み側の減衰係数を大きく設定してしまう場合がある。このような場合、対処が必要な悪路ではないにも関わらず緩衝効果が低下し乗り心地の悪化を招いてしまう場合がある。そこで、ショックアブソーバの実際の挙動を考慮した精度向上がなされた悪路判定技術及びその悪路判定に基づく乗り心地の改善ができる技術の提案が望まれている。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ショックアブソーバの実際の挙動を考慮した精度向上がなされた高い悪路判定によりショックアブソーバを制御する車両用ショックアブソーバ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用ショックアブソーバ制御装置は、減衰力を変化することができる減衰力可変ショックアブソーバと、走行中の車輪が受ける上下方向の加速度を取得する加速度取得手段と、所定の車高に対する車高の変化量を取得する車高取得手段と、取得した車輪上下方向の加速度と車高の変化量に基づき走行中の路面が所定の状態より荒れた悪路であるか否か判定する悪路判定手段と、前記悪路であると判定された場合に、前記減衰力可変ショックアブソーバの伸び側減衰力を低下させる減衰力設定部と、を含むことを特徴とする。
この態様によれば、走行路が悪路であるとする判定を車輪の上下方向の加速度と車高の変化量とによって判定する。例えば、車輪上下方向の加速度の変化がある場合でも、車高が標準車高の付近で変動している場合がある。逆に車高が低くなっている場合でもその低い状態が安定してあまり変化していない場合がある。加速度及び車高の両方を監視することにより、車高が低くバウンドストッパに当接する可能性のある状態で上下方向に変位していることを正確に検出することができる。また、悪路であることが検出された場合には、伸び側減衰力を低下させるので、縮み状態から迅速に伸び状態に移行できる。その結果、次のタイミングで縮み状態に移行する場合、縮み側ストロークを十分に確保することが可能になり、バウンドストッパとの当接を回避することができる。その結果、バウンドストッパへの当接を回避したい場合のみに適切にショックアブソーバの設定を変更し、悪路走行時の乗り心地の改善及びショックアブソーバや車両への衝撃伝達を緩和することができる。
また、上記態様において、前記悪路判定手段は、前記車高取得手段が取得する車高の変化量が所定期間継続して所定量以上低下し、かつ所定期間中に前記加速度取得手段の取得する上下方向の加速度が所定値を超えた場合に悪路である旨を判定するようにしてもよい。この態様によれば、車高低下と上下方向の加速度変化が同時に生じるような悪路状況が所定期間継続しない場合、悪路判定が行われない。つまり、整地路に凹凸が散在するような場合、ショックアブソーバの設定が悪路用に変更されることを回避できる。その結果、実質的に悪路と見なされない路面を走行中に減衰力が低下して乗り心地が悪化してしまうことを回避しつつ、悪路走行時のみショックアブソーバの設定変更によりバウンドストッパ当接による乗り心地悪化を回避できる。
また、上記態様において、前記減衰力設定部は、前記悪路であると判定された場合に、伸び側減衰力を縮み側減衰力と略同一の設定とするようにしてもよい。この態様によれば、悪路走行時でも車高を標準車高に迅速に復帰させることができる。その結果、車両搭乗者に走行安定感を迅速に与えることができて、悪路走行時の乗り心地の改善に寄与できる。
本発明の車両用ショックアブソーバ制御装置によれば、ショックアブソーバの実際の挙動を考慮した精度向上がなされた悪路判定によりショックアブソーバの制御が可能になり、悪路走行時の乗り心地の改善及びショックアブソーバや車両への衝撃伝達の抑制ができる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
本実施形態の車両用ショックアブソーバ制御装置は、悪路を走行中であることを判定するために走行中の車輪が受ける上下方向の加速度と、所定の車高、例えば標準車高に対する車高の変化量を用いる。そして、現在悪路を走行中であると判定された場合、減衰力設定部が減衰力可変ショックアブソーバの伸び側減衰力を低下させるように制御する。その結果、悪路走行時に、ショックアブソーバを伸び側、すなわち標準車高側へ迅速に復帰させて、ショックアブソーバがバウンドストッパに当接する可能性を低下させる。
図1は、本実施形態の車両用ショックアブソーバ制御装置に適用可能な減衰力可変ショックアブソーバ10を含むサスペンション12の構成を説明する部分説明図である。サスペンション12は、減衰力可変ショックアブソーバ10と、スプリング14を含み、上部がアッパサポート16に接続されている。アッパサポート16は、減衰力可変ショックアブソーバ10のピストンロッド18の上端部及びスプリング14の上端部を車両ボディ(不図示)に取り付けるために利用される。減衰力可変ショックアブソーバ10のピストンロッド18は、ナット20によりアッパサポート16に固定されている。また、減衰力可変ショックアブソーバ10の下端部(不図示)は、ブッシュを介してロアアームの座部に連結されている。したがって、減衰力可変ショックアブソーバ10は、ピストンロッド18の伸縮時の伸縮抵抗により、車体の上下振動を減衰させる。また、スプリング14は、上端部がアッパサポート16のアッパスプリングシート22により支持され、下端部が減衰力可変ショックアブソーバ10の外筒24の周囲に固定されたロアスプリングシート26によって支持されている。したがって、スプリング14は、車体の重量を支えると共に路面からの衝撃を和らげることができる。
減衰力可変ショックアブソーバ10の上部はピストンロッド18の伸縮時に塵や埃が外筒24の内部に進入することを防止するためにダストカバー28が周設されている。このダストカバー28の上部にはバウンドストッパ30が固定されている。バウンドストッパ30は、ピストンロッド18が縮んだとき、すなわち、車輪がバウンドして減衰力可変ショックアブソーバ10の外筒24が矢印A方向に変位したときに、その変位を規制するようになっている。このように変位を規制することによりロアアームの上方への変位を規制して当該ロアアームと車体との接触を防止できるようになっている。バウンドストッパ30は、例えば、ゴム材やウレタン等の弾性部材で形成され、当たり初めは柔らかい非線形特性を示すとともに、旋回時のロール剛性を確保できるように配慮されている。
ところで、一般的なショックアブソーバの設定は、整地路走行を前提として、伸び側が伸び難く、縮み側が縮み易くなっている。つまり、車高が下がり易く設定されている。これは、操縦安定性を考慮した設定である。例えば、旋回時は外輪側が沈み込み、内輪側が浮き上がる力を受ける。前述した設定は整地路での旋回走行で、車両重心を下げることが可能になり車両を安定させることができると共に、車両重心を下げることにより乗員に安心感を与えることができるという利点がある。
しかし、一般的な設定のまま車両が悪路を走行した場合、伸び側が伸び難く、縮み側が縮み易くなっているので、バウンド状態からリバウンド状態への推移が遅れる。つまり、バウンド状態からリバウンド状態に移行する前に再び縮み側の力を受けることになりショックアブソーバが縮んだ状態から抜け出せなくなり車高が低下する。その結果、頻繁に外筒とバウンドストッパが当接するようになってしまう。つまり、バウンドストッパの早当たり現象が生じて乗り心地の悪化を招くと共に当接時の衝撃がショックアブソーバや車両の耐久性の低下を早める要因の1つになる場合がある。
そこで、本実施形態の車両用ショックアブソーバ制御装置は、悪路を走行していると判定して場合に、積極的に伸び側が伸び易いように設定を変更する。悪路走行時に減衰力可変ショックアブソーバ10の伸び側を伸び易くすることにより、バウンド時に縮んだ減衰力可変ショックアブソーバ10が迅速に標準車高側に復帰できる。つまり、バウンド状態が維持されることが緩和される。その結果、標準車高側へ伸びた状態からバウンド状態に移行するので、その時の変位可能距離を大きく確保できる。そして、外筒24とバウンドストッパ30が当接する頻度を低下させることができるので、悪路走行時の外筒24とバウンドストッパ30の当接による乗り心地が悪化することを抑制できる。また、当接時の衝撃により減衰力可変ショックアブソーバ10や車両の耐久性低下が促進されてしまうことを抑制できる。
図2は、減衰力可変ショックアブソーバ10の減衰力可変構造の一例を説明する部分断面図である。減衰力可変ショックアブソーバ10は、外筒24の内部に図中矢印A方向または矢印B方向に摺動自在なバルブアッシィー32を内包している。バルブアッシィー32は、メインピストン34とサブピストン36がピストンロッド18の下端部に固定されて構成されている。メインピストン34は、外筒24の内部を2分して車輪側に第1液室38、バウンドストッパ30側に第2液室40を形成する。各第1液室38、第2液室40には作動液が収納される。
メインピストン34にはメインオリフィスが形成され、第1液室38の動作液はメインオリフィス及びサブピストン36の外周部に配置されたカップ44の外側を通り第2液室40に流れることができる。例えば、減衰力可変ショックアブソーバ10が縮み側に変位する場合、ピストンロッド18は外筒24内部に進入しメインピストン34を矢印B方向に移動させる。このとき、第1液室38の動作液はメインオリフィス及びカップ44の外周部を通り第2液室40側に流動する(矢印R1)。このときの流動抵抗により縮み動作時の減衰力が得られる。減衰力可変ショックアブソーバ10が伸び側に変位する場合も同様であり、第2液室40側から第1液室38へ作動液が流動するときの流動抵抗により減衰力が得られる。なお、伸び側と縮み側で減衰力を異ならせる場合には、縮み専用流路のメインオリフィスと伸び専用流路のメインオリフィスを形成して、それぞれオリフィスの径を異ならせて流動抵抗を変えればよい。
減衰力可変ショックアブソーバ10の場合、ピストンロッド18の先端には第1液室38に開口端部46aを有する流路外筒46が形成されている。ピストンロッド18の内部にはピストンロッド18の中心軸と同軸で回転自在なコントロールロッド48が挿通されている。このコントロールロッド48の先端には流路外筒46の内部で回転自在な流路内筒50が固定されている。流路内筒50の側面にはサブオリフィス開口部52が形成され、流路外筒46の側面にはロッド開口部54が形成されている。したがって、コントロールロッド48を図示しないアブソーバモータなどの駆動源によって回転駆動し、流路外筒46に対して流路内筒50を回転させて、サブオリフィス開口部52とロッド開口部54との位相を変化させることができる。そして、サブオリフィス開口部52とロッド開口部54とがオーバーラップして形成される開口面積を調節することにより、ピストンロッド18の内部空間を介して第1液室38と第2液室40との間で流れる作動液の流量を変化させることができる。減衰力可変ショックアブソーバ10が伸び側に変位する場合も同様であり、第2液室40側から第1液室38へ作動液が流動するときのサブオリフィス開口部52とロッド開口部54とのオーバーラップにより形成される開口面積を調節することにより減衰力を変化させることができる。伸び側と縮み側で減衰力を異ならせる場合には、縮み専用流路と伸び専用流路でサブオリフィス開口部52とロッド開口部54とのオーバーラップで形成する開口面積を調節すればよい。なお、ピストンロッド18の内部空間を通る作動液の流路は、カップ44の外側を流れて第2液室40に流れる流路R2と、カップ44の内側及びサブピストン36の内部を通過して第2液室40に流れる流路R3とがある。
このような減衰力可変ショックアブソーバ10において、例えば、サブピストン36側を減衰力の低い設定にしておく。そして、サブオリフィス開口部52とロッド開口部54とのオーバーラップにより形成される開口面積を減少させことにより、メインピストン34への流量を増加させ、減衰力可変ショックアブソーバ10としての減衰力が高くすることができる。また、オーバーラップにより形成される開口面積を全閉の状態から全開の状態まで任意に設定できるように構成すれば、連続的に減衰力の調整が可能になる。
図3は、本実施形態の車両用ショックアブソーバ制御装置の減衰力可変ショックアブソーバ10を制御する処理部(ECU)と入出力信号の関係を説明する機能ブロック図である。減衰力可変ショックアブソーバ10のサブオリフィス開口部52とロッド開口部54とのオーバーラップにより形成される開口面積を調節するECU56は、悪路判定部58と減衰力設定部60を含む。悪路判定部58には、加速度取得手段として機能する加速度センサ62と、車高取得手段として機能する車高センサ64が接続されている。加速度センサ62は、走行中所定周期で、車輪の受ける上下方向の加速度を取得する。加速度センサ62は例えば、減衰力可変ショックアブソーバ10と車輪とが接続されるロアアーム等に配置することができる。同様に、車高センサ64は、走行中所定周期で所定の車高、例えば標準車高に対する車高の変化量を取得する。車高センサ64はアッパサポートなどに配置することができる。
悪路判定部58は加速度センサ62及び車高センサ64から走行中常時加速度情報と車高情報を受けとり、車高の変化量が所定期間継続して所定量以上低下し、かつ所定期間中に加速度が所定値を超えた場合に悪路である旨を判定する。例えば、7秒間継続して車高が標準車高より5mm以上下がっている場合であって、その7秒の間に車輪上下方向に0.3G以上の加速度で車輪が変位していた場合、車輪は悪路を走行していると判定する。
悪路判定部58が悪路を走行していると判定した場合、減衰力設定部60は、各車輪の減衰力可変ショックアブソーバ10に設けられたアブソーバモータ66を制御する。具体的には、サブオリフィス開口部52とロッド開口部54とのオーバーラップにより形成される伸び側の開口面積を拡大して、伸び側減衰力が低下するように減衰力可変ショックアブソーバ10の設定変更を行う。設定変更する減衰力の大きさは、試験などにより予め決定しておいてもよいし、減衰力設定部60が車高の低下量や加速度の大きさに応じて適宜減衰力の変更値を算出して変更してもよい。この場合、走行状態に応じた乗り心地の改善や車両や減衰力可変ショックアブソーバ10への衝撃緩和を行うことができる。また、伸び側減衰力を縮み側減衰力と略同一の設定とするようにしてもよい。この場合、悪路走行時でも車高を標準車高に迅速に復帰させることができる。その結果、車両搭乗者に走行安定感を迅速に与えることができて、乗り心地の改善に寄与できる。
このように構成される車両用ショックアブソーバ制御装置の制御手順を図4のフローチャートを用いて説明する。
ECU56は、車速センサや車輪速センサなどからの情報を取得し、現在車両が走行中であるか否か判定する。もし、走行中でない場合(S100のN)、全処理をスキップして走行中か否かの監視を継続する。ECU56が走行中であることを確認した場合(S100のY)、加速度センサ62及び車高センサ64から提供される加速度及び車高の変化量が悪路条件を成立させるか否か判定する(S102のYまたはN)。もし、悪路条件が成立していない場合(S102のN)、例えば、7秒以上車高が5mm以上下がっていない場合や、その間に車輪が上下方向に0.3G以上の加速度変化を伴っていない場合、車両は悪路を走行していないと判断する。この場合、加速度や車高の変化は、例えば、旋回時のロールにより発生したり、緩やかな起伏を通過した結果生じた可能性が高く、バウンドストッパと外筒24との当接を配慮するような制御は必要ないと判断する。したがって、減衰力設定部60は通常制御を維持し(S104)、S100に移行してS100以降の処理を繰り返す。
一方、悪路判定部58において悪路条件が成立した場合(S102のY)、減衰力設定部60は、アブソーバモータ66を制御して、伸び側減衰力が低下するように減衰力可変ショックアブソーバ10の設定変更を行う(S106)。この設定変更により、減衰力可変ショックアブソーバ10の伸び側への変位が容易になり、縮み側で振動を続ける低車高状態が迅速に解消されて、外筒24がバウンドストッパ30に当接する可能性を低下することができる。
悪路判定部58は、減衰力可変ショックアブソーバ10の設定変更を行った後も加速度センサ62及び車高センサ64からの情報の供給を受け続け、車両が整地路走行に移行したか否かの判定を行う(S108のYまたはN)。悪路判定部58は悪路判定を維持する場合(S108のN)、S106に移行し、設定変更を維持する。また、悪路条件が揃わなくなった場合、つまり車両が整地路に移行した場合(S108のY)、減衰力設定部60は減衰力可変ショックアブソーバ10の伸び側減衰力を通常設定に復帰させ(S110)、S100に移行してS100以降の処理を繰り返す。整地路への移行を検出して直ちに減衰力可変ショックアブソーバ10の設定を整地路走行に適した通常設定に戻すことにより、整地路における乗り心地を確保することができる。なお、ここで、通常設定とは、整地走行を前提とした伸び側が伸び難く、縮み側が縮み易い設定である。
このように、本実施形態によれば、走行路が悪路であるとする判定を車輪の上下方向の加速度と車高の変化量とによって判定する。加速度及び車高の両方を監視することにより、車高が低くバウンドストッパに当接する可能性のある状態で上下方向に変位していることを正確に検出することができる。また、悪路であることが検出された場合には、伸び側減衰力を低下させるので、縮み状態から迅速に伸び状態に移行できる。そして、次のタイミングで縮み状態に移行する場合、縮み側ストロークを十分に確保することが可能になり、バウンドストッパとの当接を回避することができる。その結果、バウンドストッパへの当接を回避したい場合のみに適切にショックアブソーバの設定を変更し、悪路走行時の乗り心地の改善及びショックアブソーバや車両への衝撃伝達を緩和することができる。
なお、本実施形態の図1や図2に示すサスペンション構造や減衰力可変ショックアブソーバ10は一例である。したがって、走行路の悪路判定を車輪の上下方向の加速度と車高の変化量とによって判定し、悪路走行の場合に伸び側減衰力を低下させる制御が可能な構成であれば、個々の構造は適宜変更することができ、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図4のフローチャートは制御手順の一例であり、悪路判定の場合に伸び側減衰力を低下させる設定変更を行い、悪路判定が無い場合に直ちに通常設定に復帰するものであればよく、制御の詳細は適宜変更可能であり、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
10 減衰力可変ショックアブソーバ、 12 サスペンション、 14 スプリング、 16 アッパサポート、 18 ピストンロッド、 24 外筒、 30 バウンドストッパ、 32 バルブアッシィー、 34 メインピストン、 36 サブピストン、 38 第1液室、 40 第2液室、 44 カップ、 46 流路外筒、 48 コントロールロッド、 50 流路内筒、 52 サブオリフィス開口部、 54 ロッド開口部、 56 ECU、 58 悪路判定部、 60 減衰力設定部、 62 加速度センサ、 64 車高センサ。
Claims (3)
- 減衰力を変化することができる減衰力可変ショックアブソーバと、
走行中の車輪が受ける上下方向の加速度を取得する加速度取得手段と、
所定の車高に対する車高の変化量を取得する車高取得手段と、
取得した車輪上下方向の加速度と車高の変化量に基づき走行中の路面が所定の状態より荒れた悪路であるか否か判定する悪路判定手段と、
前記悪路であると判定された場合に、前記減衰力可変ショックアブソーバの伸び側減衰力を低下させる減衰力設定部と、
を含むことを特徴とする車両用ショックアブソーバ制御装置。 - 前記悪路判定手段は、前記車高取得手段が取得する車高の変化量が所定期間継続して所定量以上低下し、かつ所定期間中に前記加速度取得手段の取得する上下方向の加速度が所定値を超えた場合に悪路である旨を判定することを特徴とする請求項1記載の車両用ショックアブソーバ制御装置。
- 前記減衰力設定部は、前記悪路であると判定された場合に、伸び側減衰力を縮み側減衰力と略同一の設定とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用ショックアブソーバ制御装置。
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