JP2009214270A - マシニングセンタにおける手動工具交換装置 - Google Patents

Abstract

【課題】高い位置に設置されたツールマガジンへの工具の挿脱を容易にし、安全性，作業性，円滑性を確保できるようにした、マシニングセンタにおける手動工具交換装置を提供する。
【解決手段】立ブロック４に支持されている昇降手段２のシリンダ２ａを動作することにより、工具５を保持した工具ホルダ１が昇降する。工具５の上昇位置において往復動手段３のシリンダ３ａを動作することにより、工具ホルダ１がツールマガジン１２側に移動して工具５の挿着が行われる。
【選択図】図１

Description

マシニングセンタにはツールマガジンを有する自動工具交換装置が装備されている。このツールマガジンには、多数本の工具がそのホルダ内に着脱可能に装着され、主軸側との自動工具交換をするように構成されている。このツールマガジンは、マシニングセンタの種類によりその設置位置が相異するが、例えば、立型のマシニングセンタでは人間の背丈より高い位置に設置される場合が多い。なお、ツールマガジンが高い位置に設置されている公知技術として「特許文献1」が挙げられる。
特開２０００−３０８９３６（図１）

「特許文献１」の「特開２０００−３０８９３６」の「工作機械及び工具交換方法」は、公報図示のように比較的高い位置にある工具マガジン（２）に対して、補助マガジン（３）に手動で挿入された新工具を自動挿入するものであり、後に説明する本発明と似ている構造のものである。しかしながら、この「特許文献１」では補助マガジン（３）も高い位置にあり、この補助マガジン（３）に対して重い新工具を手動で挿入する作業が必要となる。新工具は一般にかなり重量物であり、この新工具を人間が高い位置に挿入又は抜きとることは作業員の労力が大となり、かつ安全性を欠く問題点があり、挿脱そのものも正確に行われなくなる問題点もあった。

以上のように従来技術は安全性や工具挿脱の効率性や確実性を欠く問題点があり、工具の挿脱が容易にでき、かつ安全にできる手段が要請されている。

本発明は、以上の事情に鑑みて発明されたものであり、工具の挿脱が、安全に、かつ円滑に行われ、正確で効率的な工具挿脱を可能としたマシニングセンタにおける手動工具交換装置を提供することを目的とする。

本発明は、以上の目的を達成するために、請求項１の発明は、地上より高い位置にあるマシニングセンタのツールマガジンへの手動工具交換装置であって、該装置は、地上近傍において工具を挿脱可能に配置される工具ホルダと、該工具ホルダを前記ツールマガジンの位置まで往復動可能に移動する昇降手段と、該昇降手段に一体的に設置され、前記工具ホルダ内の工具を前記ツールマガジンのホルダ内に移動及びこれから離隔する方向に移動する往復動手段とを有するものからなることを特徴とする。

また、請求項２の発明は、前記昇降手段及び往復動手段が、自動又は手動で操作されることを特徴とする。

本発明の請求項１のマシニングセンタにおける手動工具交換装置によれば、工具は地上近傍で工具ホルダに挿入可能であり、その作業は安全、かつ円滑に行われる。工具を挿入した工具ホルダは、昇降手段及び往復動手段により高い位置にあるツールマガジンのホルダ内に容易に装着される。以上により、安全で確実な工具の交換が行われる。勿論、逆の工程によりツールマガジン内から工具ホルダへの工具の抜き出しが円滑にでき、工具ホルダを下降させて地上近傍で工具を回収することができる。

また、請求項２のマシニングセンタにおける手動工具交換装置によれば、昇降手段や往復動手段が自動又は手動で行われ、機種や作業内容や価格に対応した任意の駆動方式を選択することができる。

以下、本発明に係るマシニングセンタにおける手動工具交換装置の実施の形態を図面を参照して詳述する。
図１は、本発明のマシニングセンタにおける手動工具交換装置１００の全体概要を示す正面図であり、図２は図１の側面図である。また、図３及び図４は、本発明のマシニングセンタにおける手動工具交換装置を装着する立型マシニングセンタの概要構造を示す側面図及び上面図である。

図３、図４に示すように、立型マシニングセンタは、ベッド１３と、この上に搭載されるコラム１４やテーブル１５と、コラム１４に保持される主軸台１６と、多数の工具を収納するツールマガジン１２等とから成る。ツールマガジン１２内の工具は、必要に応じて自動工具交換装置により主軸１７に挿着され、用済の工具は主軸１７から抜き出されてツールマガジン１２内に再び収納される。

加工物の加工内容により、ツールマガジン１２内での収納工具では対応できない場合には、それに必要な新しい工具がツールマガジン１２内に挿着されて主軸１７側に運ばれる。
一方、図３に示すように、この立型マシニングセンタではツールマガジン１２がかなり高い位置に配置されている。そのため、前記の新しい工具をツールマガジン１２内に挿着するには、普通の作業員８（図１）の背丈では困難のため台等が必要になる。従って、作業員は前記台等に昇降し、台等の上に乗った姿勢で重量物である新しい工具をツールマガジン１２内へ挿入する必要があり、このような作業は安全性を欠き、危険でもある。また、ツールマガジン１２から用済みの工具を引き出す作業が円滑にできない恐れもある。

本発明に係るマシニングセンタにおける手動工具交換装置１００は、このような場合に必要なものであり、その詳細な構造を図１及び図２により説明する。
図示のように、マシニングセンタにおける手動工具交換装置１００は、地上からほぼ作業員８の背丈に近い高さで立設する立ブロック４と、工具５を保持する工具ホルダ１と、この工具ホルダ１に連結される昇降手段２及び往復動手段３と、工具ホルダ１の昇降を案内するガイドロッド６等とから成る。

立ブロック４は堅牢なブロック体からなり、底面を地面７に固定されて立設するものからなる。

この立ブロック４の前面には、工具ホルダ１等が配設されている。

工具ホルダ１は、ベース板９に対して水平方向に往復動可能に保持され、工具５を着脱可能に保持するアーム部１０が設けられている。
また、ベース板９上には工具ホルダ１を案内する案内ロッド１１が設けられ、この案内ロッド１１に案内される工具ホルダ１には、往復動手段３のシリンダ３ａが連結される。従って、シリンダ３ａを手動又は自動操作によって動かすことにより、工具ホルダ１は案内ロッド１１によって往復動することになる。

一方、立ブロック４の前面には昇降手段２のシリンダ２ａが立設されており、そのピストンロッド２ｂはベース板９に連結されて工具ホルダ１の昇降を行う。なお、立ブロック４にはシリンダ２ａと平行するガイドロッド６（２本）が固定され、工具ホルダ１はこのガイドロッド６に沿って昇降するように形成されている。

次に、図１及び図２により、本発明のマシニングセンタにおける手動工具交換装置１００による工具５のツールマガジン１２への挿脱動作を説明する。
まず、シリンダ２ａにより工具ホルダ１を作業員８の作業し易い位置まで下げて新しい工具５を工具ホルダ１のアーム１０に挿着する。この状態でシリンダ２ａを動作することにより、工具ホルダ１はガイドロッド６に沿って上昇し、ツールマガジン１２と相対向する位置に位置決めされる。この状態で往復動手段３のシリンダ３ａを動作することにより、工具ホルダ１が案内ロッド１１によって移動し、アーム１０に保持されている新しい工具５をツールマガジン１２側に挿着することになる。
なお、ツールマガジン１２からの新しい工具５の抜き出し作業及びこれを低位置まで運ぶ作業は、以上の説明の動作を逆にたどることにより円滑に行われる。

以上により、本発明に係るマシニングセンタにおける手動工具交換装置１００の構造と動作を説明したが、本発明の構造は前記の内容に限定されるものではなく、同一技術的範疇のものが適用されることは勿論である。

本発明は、ツールマガジンの設置位置が高いすべての工作機械に適用可能なものであり、その利用範囲は極めて広い。

本発明に係るマシニングセンタにおける手動工具交換装置の全体概要を示す正面図。 図１の側面図。 本発明に係るマシニングセンタにおける手動工具交換装置の適用される立型マシニングセンタの概要を示す側面図。 図３の上面図。

符号の説明

１ 工具ホルダ
２ 昇降手段
２ａ シリンダ
２ｂ ピストンロッド
３ 往復動手段
３ａ シリンダ
４ 立ブロック
５ 工具
６ ガイドロッド
７ 地面
８ 作業員
９ ベース板
１０ アーム部
１１ 案内ロッド
１２ ツールマガジン
１３ ベッド
１４ コラム
１５ テーブル
１６ 主軸台
１７ 主軸
１００ マシニングセンタにおける手動工具交換装置

Claims (2)

1. 地上より高い位置にあるマシニングセンタのツールマガジンへの手動工具交換装置であって、該装置は、地上近傍において工具を挿脱可能に配置される工具ホルダと、該工具ホルダを前記ツールマガジンの位置まで往復動可能に移動する昇降手段と、該昇降手段に一体的に設置され、前記工具ホルダ内の工具を前記ツールマガジンのホルダ内に移動及びこれから離隔する方向に移動する往復動手段とを有するものからなることを特徴とするマシニングセンタにおける手動工具交換装置。
2. 前記昇降手段及び往復動手段が、自動又は手動で操作されることを特徴とする請求項1に記載のマシニングセンタにおける手動工具交換装置。

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