JP2009214160A - 剪断補強筋の曲げ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】変形や平坦性異常を発生させずに、加工能率の高いコンクリート用剪断補強筋の曲げ加工を安全に行うことができる方法を提案する。
【解決手段】曲げ加工機のベンダーロールユニットにより、線材の曲げ加工を行う方法において、線材を、内側押さえロールの下側を通過させると共に、外側押さえロールの上側に案内して、所定の長さだけ送り出し、次いで、外側押さえロールを前記揺動アームを上向きに回動させて上方にシフトさせることにより、該線材を、内側押さえロールを支点として反重力側の上方に折り曲げ、引き続き、上述した線材の送り出しと折り曲げ加工とを順次に繰返すことにより、フープ状に曲成された断補強筋の成形を行う方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、線材巻き取り機から繰り出された線材を、曲げ加工機にて所望の形状、例えば矩形フープ状に成形して、コンクリート用剪断補強筋とするための、剪断補強筋の曲げ加工方法を提案する。
コンクリート構築物には、通常、コンクリートとの密着性の高いコンクリート用剪断補強筋が使用されている。このコンクリート用剪断補強筋は、線材を曲げ加工機にて連続的に折り曲げ加工して製造されるものであって、一般には、リブを有する異形線材を用いた鉄筋が代表的である。このコンクリート用剪断補強筋の代表的な形状としては、矩形フープ状に曲成されたものが知られている。線材をフープ状に成形(折り曲げ加工)するに当たっては、直線化した線材の直角曲げ(90°曲げ)を順次に繰り返すこと、あるいはフック曲げ(135°曲げ)や折り返し曲げ(180°曲げ)などの曲げ加工を組合わせて成形する方法が知られている。
ところで、建築構造物の柱材等では、多数の縦主筋を配筋した後に、それの外周部もしくは内周部に該主筋を、例えば100mmピッチの多段状に取り巻くように、横筋としてのフープ筋(剪断補強筋)を配筋するが通例である。なお、この剪断補強筋は、主にリブ付き異形線材を順次に折り曲げて、矩形状や円状のフープ筋としたものが代表的のである。
かかるフープ筋は、前記異形線材を工事現場などにおいて、縦主筋の位置や間隔に合わせて曲げ加工して製造されているが、その際、捩れ矯正した長尺直線状の異形PC鋼線などが使用される。この場合、現場での曲げ加工が要求されることから極めて能率が悪いし、とくに、大規模工事の場合にはこのような方法は好ましくない。そこで、このような方法に代えて、工場において、予め所定の形状に成形したフープ筋を利用することがある。このような方法によれば、フープ筋を設備の整った工場で曲げ加工し、端部を突き合わせて溶接しておくこともでき、このような方法によればフープ筋としての強度を高めることにもつながる。
ところで、フープ筋を工場において成形するには、一般に、専用の曲げ加工機が使われる。即ち、異形PC鋼線などを、特許文献1、2に示すような曲げ加工機のベンダーロールユニットを使って、順次に折り曲げ加工して成形するのである。
例えば、特許文献1に示す曲げ加工機の場合、ベンダーロールユニットは、線材を曲げる際の、該線材の内側を保持する内側押さえロールと、その内側押さえロールの軸芯を中心として回動する揺動アームに取り付けられる外側押さえロールとによって構成されているものであるが、この文献中の図5、図9、図12に示す図からわかるように、該ベンダーロールユニットによる曲げ加工は、被加工線材を下方に折り曲げていくことにより、矩形状のフープ筋としている。
一般に、従来の矩形状フープ筋あるいは他の形状へのフープ筋成形加工は、前記ベンダーロールユニットによって、線材を所定の長さ毎に、順次下方に折り曲げることで、成形するのが通例である。ただし、この場合、とくに線材がもともと捩れを伴っているような場合、曲げ変形と線材に残る捩れ歪みとの相乗作用によって線材が予期しない方向に曲がり、平坦性が悪くなるといった問題を発生する。例えば、特許文献1の図13(A)に示すように、やや菱形に歪んだフープ筋となったり楕円状となってしまう。もし、成形したフープ筋10の形状や平坦性が損なわれたままであれば、突き合わせ溶接作業自体が困難になる。
とくに、曲げ加工後のフープ筋の平坦性異常を確実に解消することは困難である。このことから、従来、線材の曲げ加工においては、作業者による監視が不可欠になる他、フープ筋の平坦性が損なわれないように、曲げ加工時の線材供給速度を低下させて成形していた。しかしながら、前記ベンダーロールユニットでの曲げ加工工程では、こうした平坦性異常をなくすためには、単に速度の低下だけでなく、作業者がフープ筋を押さえながら(手介入という)加工する必要があった。そのために、従来は、作業者が被加工線材に触りやすいように、下向きに折り曲げていく方法が採られている。
なお、特許文献2に記載されているような螺旋状フープ筋を成形する場合には、このような平坦性の問題は発生しない。それは、螺旋状フープ筋の場合、施工に際して、多数の縦主筋を配設した後に、その外周部に螺旋状フープ筋を巻き付けて固定すればよいので、矩形状フープ筋に見られる平坦性はあまり問題とならないからである。
特許第3269022号公報 特開平9-276965号公報
特許文献1などに見られる従来のフープ筋の曲げ加工方法、とくに矩形状のフープ筋の曲げ加工に当っては、曲げロールであるベンダーロールユニットに送り込まれた被加工線材を、上述したような理由から下向きに曲げていたことから、作業者に触れる機会が多く、危険作業の1つとして改善が求められていた。また、線材の捩れに起因する変形や平坦性異常を発生しやすいという問題があった。
そこで本発明の目的は、ベンダーロールユニットによるコンクリート用剪断補強筋の曲げ加工において、変形と平坦性が損なわれやすいという従来技術が抱えている問題を解決し、変形や平坦性異常を発生させずに、加工能率の高いコンクリート用剪断補強筋の曲げ加工を安全に行うことができる方法を提案することにある。
上記の目的の実現に向けて鋭意検討を重ねた結果、発明者らは、ベンダーロールユニットにかかる被加工線材を曲げ加工する際、上向きに(反重力方向)に折り曲げ加工することが有効であるとの知見を得て、本発明を開発した。
即ち、本発明は、内側押さえロールと、その内側押さえロールの軸芯を中心として回転する揺動アームに取り付けられた外側押さえロールとからなる、曲げ加工機のベンダーロールユニットにより、線材の曲げ加工を行う方法において、線材を、内側押さえロールの下側を通過させると共に、外側押さえロールの上側に案内して、所定の長さだけ送り出し、次いで、外側押さえロールを前記揺動アームを上向きに回動させて上方にシフトさせることにより、該線材を、内側押さえロールを支点として反重力側の上方に折り曲げ、引き続き、上述した線材の送り出しと折り曲げ加工とを順次に繰返すことにより、フープ状に曲成された断補強筋の成形を行うことを特徴とする剪断補強筋の曲げ加工方法である。
本発明においては、
(1)前記外側押さえロールにより行う折り曲げ加工は、線材を拘束することなく行うこと、
(2)前記線材が、異形断面を備えた異形線材であり、585MpA以上の強度を有するものであること、
(3)前記剪断補強筋は、コンクリート用の矩形状フープ筋であること、
(4)前記ベンダーロールユニットは、線材を外側押さえロールの移動によって、上向きに折り曲げられるよう、外側押さえロールを内側押さえロールよりも下方の位置から上方の位置まで、揺動アームの回動によってシフトさせるようにしたものであること、を採用することが、
より好ましい解決手段となる。
上記のように構成された本発明によれば、コンクリート用剪断補強筋の曲げ加工に際し、被加工線材を反重力側である上向きに折り曲げる加工を行うため、線材の重心点と加工方向とが一致することによる振動起因をなくすことができ、曲げ加工時の被加工線材の振動を抑制することができる。その結果、曲げ加工時の曲げ方向が安定し、変形や平坦性異常のないコンクリート用剪断補強筋の成形が可能になる。
上記のように、本発明によれば、曲げ加工時に被加工線材の振動が抑えられため、作業者が曲げ加工時に線材に触ることなく(拘束することなく)加工をすることが可能になるため、作業を安全に行うことができるようになる。しかも、被加工線材の振動が抑えられる結果、線材の送給速度を上げることができるようになり、ひいてはコンクリート用剪断補強筋の加工能率が向上する。
また、本発明によれば、曲げ変形や平坦性異常の発生しやすい異形線材を矩形状のフープ筋に折り曲げ加工する場合に著しい効果を発揮する。とくに、585MpA以上の強度を有する硬質異形線材などの、コンクリート用剪断補強筋の製造に有効である。
一般に、コンクリート用剪断補強筋は、ベンダーロールユニットによって円形や矩形に曲げ加工した後、両端部を突き合わせ溶接してフープ状とし、これを定量づつの束に結束し、検査後出荷している。もし、製造したフープ筋に曲げ変形や平坦性異常があると、溶接における作業が困難になるだけでなく、前記結束の乱れを生じるなどの問題を発生させる。
このようなフープ筋の変形や平坦性異常について検討した結果、発明者らは、これらの変形や平坦性異常は曲げ加工時に発生するものであり、その原因は、線材の送り−曲げ、線材の送り−曲げという繰り返し作業における加工途中の線材(被加工物)が振動することにあることを突き止めた。この被加工線材の振動を抑制するには、曲げ加工速度あるいは線材の送り速度を低下させて加工する(製造能率の低下)か、あるいは加工途中の線材(被加工物)を作業者による手介入(作業者が触り線材を抑える)を行う方法に頼らざるを得ないのが実情であった。もちろん、作業者による手介入の作業は、非常に危険を伴うものである。本発明は正に、こうした問題点を克服するための方法であって、以下にその詳細を説明する。
図1は、従来の曲げ加工機のベンダーロールユニットU1による線材の曲げ加工のもようを示す図であり、図2は、本発明方法に従い、ベンダーロールユニットU2によって、線材の曲げ加工を行うもようを示している。
こられのベンダーロールユニットU1、U2は、線材のサプライヤ(図示せず)から送られてくる捩れ矯正された真直線材を、所定の角度に折り曲げる装置であり、主に内側押さえるロール1と、このロール1の軸芯を中心に回動する揺動アーム2と、この揺動アーム2の遊端部に軸支されている外側押さえロール3とによって構成されているものである。
このベンダーロールユニットU1、U2による線材4の曲げ加工は、図1(従来ユニットU1)に示す例では、線材4を始めに、内側押さえロール1の上側を通し、外側押さえロール3の下側に案内することによって、前記揺動アーム2の遊端部側を下側に回動させて該外側押さえロール3を下向きにシフトさせることで、該線材4を内側押さえロール1を支点として下向き(90°)に折り曲げていく方式である。
一方、図2(本発明例)では、線材4は始めに、内側押さえロール1の下側を通り、外側押さえロール3の上側に案内されるようになっていて、前記揺動アーム2の遊端部側(外側押さえロール側)を上側に回動させて該外側押さえロール3を上向き(反重力方向)にシフトさせることで、該線材4を内側押さえロール1を支点として上向き(90°)に折り曲げる点において、全く異なる方向への曲げ加工が行われる。
以下に、従来の折り曲げ加工方法と、本発明に係る折り曲げ加工方法とを図3〜図5(従来例)、図6〜図8(本発明例)に分けて説明する。
(1)従来の曲げ加工方法
図3において、まず、内側押さえロール1と外側押さえロール3を有するベンダーロールユニット1に、線材4が、フープ筋の一辺を構成する所定の長さ分だけ送り出される(a)。次に、送り出されたその線材4の単位長さ筋4aは、外側押さえロール3によって矢印方向、即ち下方に曲げられ(b)、引き続き、次の折り曲げ対象となる単位長さ筋4b部分が矢印方向に送り出され(刻み送り)、図4(d)に示すようにして外側押さえロール3によって、下方に折り曲げられる。このようにして線材4の送り出し(刻み送り)と曲げ加工とを順次交互に繰り返すことで、矩形状のフープ筋となるような加工がなされる。
図4(a)では、さらに次の単位長さ筋となるべき線材4が矢印方向に所定の長さだけ送り出される。そして、図4(b)において、その送り出された線材4は下方に曲げられて単位長さ筋4cとなる。
このようにして曲げ加工が行われた加工途中のフープ筋(4a〜4c)は徐々に重量が増加し始め、重心位置が曲げ加工点(内側押さえロール1)の軸支位置より下方に移る。即ち、図4(b)において下方に曲げられた単位長さ筋4a、4b、4cを有する成形途中のフープ筋には、このフープ筋自重と共に曲げ加工時の下向きのモーメントも加わるために、これらが相乗的に作用して共振し、強く振動を始める。こうした振動を起した中で、図4(c)では、さらに次の単位長さ筋となる線材4が片持ち姿勢の状態で矢印方向に送り出される。その結果、加工途中の中間フープ筋は、好ましくない振動がさらに大きなものになる。しかも、図3(b)、図3(d)、図4(b)の直角曲げ(90°曲げ)時には、線材のスプリングバックを考慮して直角を超える加工を加えるため、このスプリングバックの影響によりフープ筋の全体の重心がより下方に移ることと、フープ筋自体の重さも加わり、振動はさらに助長されることになる。
つまり、こうした従来の剪断補強筋の曲げ加工時に、フープ筋の変形や平坦性異常が発生する原因あるいは製造速度の遅延を招く原因は、線材折り曲げ加工時に発生する振動による影響によるものであることがわかる。
そして、振動が発生しやすいこのような状態の中で、例えば、図4(d)のような曲げ加工が行われると、その振動は、単に折り曲げ方向への振動のみならず、上下方向の振動や左右水平方向の振動をも招く。その結果、線材の上下方向に振動によって曲げ線材の変形が発生し、一方、線材が左右水平方向に振動することによって、捩れによって、線材平坦性の悪化が生じる。この点、従来技術は、これらの成形異常を抑えるために、製造速度を低下させるか、作業者による手介入(作業者が手で線材を抑える)を行なって、所定品質のコンクリート用剪断補強筋の成形加工を行っていたのである。
なお、4回の折り曲げ加工が終了したら、図5(a)に示すように、単位長さ筋4eの送り出しが行なわれ、図5(b)に示すように、線材4から切断され、フープ筋として図5(c)で示すように単位長さ筋4aと4eとをつき合わせ溶接して一体化し、矩形状の製品フープ筋となる。
(2)本発明の曲げ加工方法
本発明においては、上述した従来曲げ加工方法の問題点、即ち各種の原因による振動を抑制するため、図2に示すベンダーロールユニットU2を用いて曲げ加工を行うことにした。この方法では、まず、線材4を、曲げ加工機の該ベンダーロールユニットU2に導入するとき、外側押さえロール3の回動方向を、従来のように下向きではなく上向き、即ち、反重力方向にシフトさせる点に特徴がある。即ち、内側押さえロール1により該線材4の内側を支持しつつ、所定の長さの線材4を外側押さえロール3により、反重力側である上向きに曲げ加工する方法である。このように、本発明方法では、線材4の所定長さ毎の送り出し(刻み送り)と曲げ加工を順次に行う際に、上向きに折り曲げて前記所定形状のコンクリート用剪断補強筋を製造するのである。
本発明に係る曲げ加工方法の特徴は、曲げ加工点を常に、被加工物(成形途中の半製品を含む)の重心よりも下方に位置させた状態で曲げ加工を行うようにした点にある。このことによって、被加工物の加工途中の重量を、従来技術において問題となっていた振動の抑制力として利用することができるようになり、加工時の振動の阻止を通じて、フープ筋の変形や平坦性異常が防止できるようになるのである。
以下、本発明に係るフープ筋の曲げ加工方法を、上述した従来技術との対比によって説明する。
図6(a)に示す状態は、曲げ加工工程の最初の段階であり、ベンダーロールユニットU2の内側押さえロール1が従来技術とは異なり線材4の上側に位置し、一方、外側押さえロール3は線材4の下側に位置するように、線材4の供給が行われる。例えば、この図6(a)は、フープ筋を構成する所定長さの単位長さ筋4aの分を送り出す状態を示している。そして、図6(b)は、送り出された上記の単位長さ筋4aを、揺動アーム2を回動させることによって、外側押さえロール3を、矢印方向、即ち上方にシフトさせ、この作業によって該単位長さ筋4aは、例えば、上向きに直角に折り曲げられる。次いで、図6(c)は、次の単位長さ筋4bとなる所定寸法の線材4が、矢印方向に送り出される段階を示している。そして、図6(d)に示すように、この単位長さ筋4bも上述したと同様にして上方に直角に折り曲げられ、このような線材4の送り出しと曲げ加工との繰り返し(4回)により、矩形状フープ筋となる曲げ加工が行われる。即ち、曲げ加工方向を、従来のように下向きではなく、反重力方向に当たる上向きとして、従来とは逆方向に折り曲げていくのである。
図7(a)では、引き続き、次の単位長さ筋4cとすべき所定寸法の線材4が矢印方向に送り出される。そして、図7(b)において、送り出されたその単位長さ筋4cもまた同様にして、上方に折り曲げられる。この場合、上方に折り曲げられた中間フープ筋4a〜4cは、線材4の送給ラインのちょうど上方に位置する。従って、本発明方法では、従来方法とは異なり、重心位置が曲げ加工点よりも常に上方に位置することになり、そのために、中間フープ筋4a〜4cの重量が、そのまま線材4にかかり、このことが送給される線材4の送り出しと折り曲げ加工を却って安定させることになる。
以上説明したように、本発明方法では、図6(c)から図6(d)へ、また図7(a)から図7(b)への折り曲げ加工において説明したように、送り出される線材4の上に、加工途中の中間フープ筋の総重量がかかった状態で上記の上向き曲げ加工が行われるため、従来のように、フープ筋重量と曲げ加工時の下向きのモーメントが重畳して、強く振動を促すようなことがなくなる。また、この場合、線材4が、曲げ加工終了後直ちに、矢印方向に送り出されるが、曲げ加工時のスプリングバックに起因する振動(従来加工方法)も、本発明に係る曲げ加工方法の下では、スプリングバックによるモーメントが、加工途中の中間フープ筋の重量を持ち上げる方向に作用することになるから、ここでも振動の抑制が図られる。しかも、線材4を矢印方向に送り出す際の上下方向の振動も、加工途中の中間フープ筋の重量がかかることから、抑制方向に作用する。
なお、図7(c)から図7(d)の曲げ加工も同じであり、単位長さ筋4d部分が外側押さえロール3による反重力方向の上向き曲げ加工となって、振動の抑制を一層向上させる。しかも、この場合、スプリングバックに伴うモーメントに起因する振動も、単位長さ筋4a、4b、4cの重量を持ち上げることが必要になるため少なく抑制され、図8(a)に示すように、直ちに、次の単位長さ筋4eの送り出しを行なっても、その振動は抑制された状態を維持できる。
その結果、本発明方法に基づく曲げ加工の場合、作業者による手介入の必要がなくても、変形や平坦性異常のない高品質のコンクリート用剪断補強筋を安定して成形することができるようになる。
なお、フープ筋とする折り曲げ加工が終了したら、図8(b)に示す所定の位置で切断され、曲げ加工機からフープ筋1本が取り出される。図8(c)に示すように、単位長さ4aと4eの突合せ端部は、溶接(例えば、フラッシュバット溶接)され一体化される。
以上の説明は、外側押さえロール3の回動角度を、直角曲げ(90°曲げ)に設定した例を説明したが、本発明では、その他、フック曲げ(135°曲げ)や折り返し曲げ(180°曲げ)などの曲げ加工を行う場合にも有効である。
以下に述べる実施例および比較例は、使用線材:異形線材11mmφを用いたフープ筋(溶接閉鎖型):寸法300×450(mm)の曲げ加工の例である。実施例は、図2に示すベンダーロールユニットU2を用いて曲げ加工を行い、比較例は、図1に示すベンダーロールユニットU1を用いて曲げ加工を行った例である。
(比較例1)
手介入なしで50本の線材を、曲げ加工機機械スピード(3分/本:以下、これを、100とする)にて曲げ加工を行った。
(比較例2)
作業者による手介入を行う方法で、50本の線材を曲げ加工機機械スピード(40)にて曲げ加工を行った。
(実施例1)
本発明に係る曲げ加工方法に従い、曲げ加工機機械スピード(100)にて50本の線材の曲げ加工を行った。
(実施例2)
実施例1と同じ条件にて、曲げ加工機機械スピード(120)と、加工速度を上げて加工を行った。
以上の実施結果について、比較例1を基準として本発明実施例とを比較すると以下のようなことがわかる。
(1)比較例1においては、手介入のない無拘束下での加工例であったが、50本中不良9本(不良率19%)であった。なお、この場合の不良の内訳は、反り(平坦度不良)7本、曲がり、溶接後の偏芯各1本であった。
比較例2は、加工中、加工途中の線材(被加工物)の振動を抑えるために、作業者による手介入(作業者が触り線材を抑える)を行なって製造した例であり、作業者の安全のため加工速度を比較例1の40%に落として加工した。不良発生はなかったものの、フープ筋製造速度は5分30秒/本となった。なお、この比較例では、製品の整理時間(不良品の取扱い)を加算すると、製造能力上は、ほぼ同一であった。
(3)実施例1の場合、曲げ加工機械速度は比較例1と同じにしにもかかわらず、不良品の発生はなく、作業者の手介入も不要であった。
(2)実施例2の場合、比較例1および実施例1より、曲げ加工機械速度を1.2倍に増加させたが、不良品の発生は全くなく、本発明の効果を確認することができた。
本発明は、コンクリート用剪断補強筋のとくに異形線材の曲げ加工方法として有効であるが、他の線材の曲げ加工技術としても適用が可能である。
従来のベンダーロールユニットの斜視図である。 本発明のベンダーロールユニットの斜視図である。 従来のフープ筋曲げ加工方法を説明する図である。 従来のフープ筋曲げ加工方法を説明する図である。 従来のフープ筋曲げ加工方法を説明する図である。 本発明のフープ筋曲げ加工方法を説明する図である。 本発明のフープ筋曲げ加工方法を説明する図である。 本発明のフープ筋曲げ加工方法を説明する図である。
符号の説明
1 内側押さえロール
2 揺動アーム
3 外側押さえロール
4 線材
4a〜4d 単位長さ筋
U1 従来のベンダーロールユニット
U2 本発明のベンダーロールユニット

Claims (5)

  1. 内側押さえロールと、その内側押さえロールの軸芯を中心として回転する揺動アームに取り付けられた外側押さえロールとからなる、曲げ加工機のベンダーロールユニットにより、線材の曲げ加工を行う方法において、
    線材を、内側押さえロールの下側を通過させると共に、外側押さえロールの上側に案内して、所定の長さだけ送り出し、次いで、外側押さえロールを前記揺動アームを上向きに回動させて上方にシフトさせることにより、該線材を、内側押さえロールを支点として反重力側の上方に折り曲げ、引き続き、上述した線材の送り出しと折り曲げ加工とを順次に繰返すことにより、フープ状に曲成された断補強筋の成形を行うことを特徴とする剪断補強筋の曲げ加工方法。
  2. 前記外側押さえロールにより行う折り曲げ加工は、線材を拘束することなく行うことを特徴とする請求項1に記載の剪断補強筋の曲げ加工方法。
  3. 前記線材が、異形断面を備えた異形線材であり、585MpA以上の強度を有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の剪断補強筋の曲げ加工方法。
  4. 前記剪断補強筋は、コンクリート用の矩形状フープ筋であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の剪断補強筋の曲げ加工方法。
  5. 前記ベンダーロールユニットは、線材を外側押さえロールの移動によって、上向きに折り曲げられるよう、外側押さえロールを内側押さえロールよりも下方の位置から上方の位置まで、揺動アームの回動によってシフトさせるようにしたものであることを特徴とする請求項1に記載の剪断補強筋の曲げ加工方法。
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