JP2009213258A - 電動モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】極対数をP(Pは2以上)、スロット11の数をN、aを0または正の整数としたとき、N=2P(a+2)を満たすように、Nが決定されている電動モータであって、アーマチュアコア6の複数のティース9は、隣接する巻胴部22が径方向外側に向かうにしたがって徐々に近接するように形成された一対の第一異形ティース9a,9aを少なくとも4組有すると共に、隣接する巻胴部22が径方向外側に向かうにしたがって徐々に離反するように形成された一対の第二異形ティース9b,9bを少なくとも4組有し、各一対の第一異形ティース9a,9aをそれぞれ周方向に等間隔で配置すると共に、各一対の第二異形ティース9b,9bをそれぞれ周方向に等間隔で配置した。
【選択図】図2
Description
各コイルは、回転軸に取り付けられた各セグメントに導通している。各セグメントはブラシと摺接可能になっており、ブラシを介してコイルに給電することにより磁界が形成され、ヨークの磁石との間に生じる磁気的な吸引力や反発力によって回転軸が駆動される。
そこで、図14に示すように、各スロット80(ティース81)をそれぞれコイルの巻装位置に応じて形状を変化させ、各スロットに生じる無駄なスペースを減少させようとする技術が提案されている。このように、形状の異なる複数種類のスロット80(ティース81)を有する異形状のアーマチュアコア82は異形コアとも呼ばれており、巻線の占積率を高め、各スロット80内の巻線量を増やして電動モータの効率を向上させることができる(例えば、特許文献1参照)。
図15は、アーマチュアの展開図であり、隣接するティース81間の空隙がスロット80に相当している。また、ティース81の上方に永久磁石84を図示し、ティース81の下方にセグメント83を図示してある。なお、図15においては、各セグメント83、および各ティース81にそれぞれ符号を附して説明する。
より具体的に、図16に基づいて説明する。図16は、アーマチュアコア82に巻線12を巻装した状態を示す平面図である。すなわち、同図のX部に示すように、スロット80に無駄なスペースが生じてしまう。また、同図のY部に示すように、コイルが有るべきではない位置、つまり、スロット80の溝深さが浅い箇所に巻線12が存在してしまう。このため、図14に示すようなアーマチュアコア82を用いて磁気バランスの優れた巻装方法にしようとすると、占積率を向上し難いという課題がある。
このように、磁気バランスが良いことからコイルに給電を行うためのブラシの放電などによる電気摩耗を低減し、ブラシの延命化を図ることができる。また、アーマチュアの振れ回り力を低減することができる。
さらに、各スロットにバランスよく巻線を分布させることが可能であることからアーマチュアコアに巻装される巻線の占積率を向上させることができる。
図1に示すように、電動モータ1は、例えば、自動車のパワーウインドウモータ、ワイパモータ、およびファンモータ等の駆動源として用いられるものであって、有底円筒形状のヨーク2内にアーマチュア3が回転自在に配置されている。ヨーク2の内周面には周方向に4つの永久磁石4が固定されている。すなわち、この実施形態の電動モータ1は4極型の電動モータであり、極対数は2となっている。
ここで、スロット11の数「N」は、極対数を「P」、「a」を0または正の整数としたとき、下式により決定される。
N=2P(a+2)
すなわち、本実施形態では、スロット11の数Nが「20」、極対数Pが「2」であるため、aが「3」となり、数式を満たしていることになる。
また、このスロット11間にはエナメル被覆の巻線12が巻装され、これによりアーマチュアコア6の外周に複数のアーマチュアコイル7が形成されている。
また、20個のティース9のうち、第一異形ティース9aと第二異形ティース9bとの間に存在する4個のその他のティース9(9’)は、この巻胴部22がそれぞれ両側にある巻胴部22の延出方向に沿うように形成されている。
したがって、一対の第一異形ティース9a,9aによって形成されるスロット11は、平面視略台形状に形成される。つまり、径方向外側よりも径方向内側のスペースが大きく形成されている(図2におけるA部参照)。一方、一対の第二異形ティース9b,9bによって形成されるスロット11は、平面視略三角形状に形成される。つまり、径方向内側よりも径方向外側のスペースが大きく形成されている(図2におけるB部参照)。
ここで、この実施形態においては、巻線12を所定のスロット11間に順次巻装していくが、この所定のスロット11間、および巻装方法は、前述した図15と同様であるので説明を省略する。なお、図3〜図12において、各ティース9に時計回りに符号を附して説明する。
図3〜図12に示すように、巻線12の巻装方法としては、重ね巻きを回転軸5を中心にして点対称となる関係で2箇所同時に行う所謂ダブルフライヤ方式で行っているので、全部で10工程となる。
このとき、各コイル7a1〜7d1を形成する巻線12の巻き始め端は、第一異形ティース9a,9a間のスロット11に引き込まれることになる。
そして、これらのことは、最初の巻装工程に対応する部位に一対の第一異形ティース9a,9aを配置し、一対の第二異形ティース9b,9bをそれぞれ一対の第一異形ティース9a,9aに対して巻き方向(図3における矢印C方向)とは反対側に隣接配置することで、実現することができる。
よって、アーマチュアコイル7に給電を行うためのブラシ21の放電などによる電気摩耗を低減し、ブラシ21の延命化を図ることができる。また、アーマチュア3の振れ回り力を低減することができる。さらに、アーマチュアコア6に巻装される巻線12の占積率を向上させることができる。
また、上述の実施形態では、永久磁石4を4個設け、アーマチュアコア6にスロット11を20個設けた4極20スロットの電動モータ1の異形のアーマチュアコア6について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、電動モータは極対数が2以上であって、極対数をP、スロットの数をN、aを0または正の整数としたとき、N=2P(a+2)を満たすものであればよい。この場合、アーマチュアコアには、一対の第一異形ティース9aを少なくとも4組、周方向に等間隔で設けると共に、一対の第二異形ティース9bを少なくとも4組、周方向に等間隔で設けてあればよい。さらに、第一異形ティース9aを最初の巻装工程が行われる位置に配置すると共に、第二異形ティース9bを最終の巻装工程が行われる位置に配置すればよい。
図13に基づいて、具体的に二方で磁気バランスをとる巻装方法について説明する。
同図に示すように、例えば、3番セグメント14aより巻き始められた巻線12は、1−2番ティース9の間のスロット11aと5−6番ティース9の間のスロット11bとの間に順方向にn回巻装され第一コイル7aを形成している。次に、スロット11a,11bから周方向に90°ずれた位置に存在する6−7番ティース9の間のスロット11cと10−11番ティース9の間のスロット11dとの間に逆方向にn回巻装され第二コイル7bを形成している。第二コイル7bを形成した巻線12は、スロット11dから引き出され3番セグメント14aに隣接する4番セグメント14bに接続される。
2 ヨーク
3 アーマチュア
4 永久磁石(磁極)
5 回転軸
6 アーマチュアコア
7 アーマチュアコイル(コイル)
7a,7a1〜7a10 第一コイル
7b,7b1〜7b10 第二コイル
7c,7c1〜7c10 第三コイル
7d,7d1〜7d10 第四コイル
9 ティース
9a 第一異形ティース
9b 第二異形ティース
11,11a〜11h スロット
12 巻線
13 コンミテータ
14,14a〜14d セグメント
22 巻胴部
23 外周部
Claims (3)
- 極対数が2以上のヨークに軸支される回転軸と、
前記回転軸に取り付けられ、巻線を巻装するための複数のティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる複数のスロットを有するアーマチュアコアと、
前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ、複数のセグメントを周方向に配置したコンミテータとから成り、
隣接するセグメント間に前記巻線が接続されると共に、各磁極に対向する所定のスロット間に前記巻線が巻装されてコイルを形成し、
各コイルは、前記回転軸を中心に点対称位置に存在するコイル同士の巻回方向が同方向で、かつ隣り合うコイルの巻回方向が互いに逆方向となるように巻装されて、順次隣接する所定のスロット間にずれながら形成され、
前記極対数をP、前記スロットの数をN、aを0または正の整数としたとき、
N=2P(a+2)
を満たすように、Nが決定されている電動モータであって、
前記アーマチュアコアの前記複数のティースは、
それぞれ径方向に沿って延びる巻胴部と該巻胴部の先端から周方向に延びる外周部とで構成され、
隣接する前記巻胴部が径方向外側に向かうにしたがって徐々に近接するように形成された一対の第一異形ティースを少なくとも4組有すると共に、
隣接する前記巻胴部が径方向外側に向かうにしたがって徐々に離反するように形成された一対の第二異形ティースを少なくとも4組有し、
各一対の第一異形ティースをそれぞれ周方向に等間隔で配置すると共に、各一対の第二異形ティースをそれぞれ周方向に等間隔で配置したことを特徴とする電動モータ。 - 前記極対数を2、前記スロットの数を20に設定すると共に、前記一対の第一異形ティースを4組、前記一対の第二異形ティースを4組に設定し、
前記一対の第一異形ティースを前記コイルの最初の巻装工程が行われる位置に配置すると共に、前記一対の第二異形ティースを前記コイルの最終の巻装工程が行われる位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。 - 前記一対の第一異形ティースと前記一対の第二異形ティースとの間に配置された前記ティースの前記巻胴部を、互いに周方向で対向する第一異形ティース、および第二異形ティースの巻胴部の延出方向に沿うように形成したことを特徴とする請求項2に記載の電動モータ。
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