JP2009211937A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】外装ケースにラミネートシートを用い高出力化を図ることができる非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池1は、外装ケースに2枚のラミネートシート2d、2eが用いられている。外装ケース内には、正極シート2aと負極シート2cとがセパレータ2bを介して積層された電極群1gが非水電解液に浸潤されて収容されている。ラミネートシート2d、2eは、外縁部の4辺が加圧しながら熱溶着されて封止されている。ラミネートシート2d、2eの外縁部は、圧力が3500Pa以上6000Pa以下の環境下で封止されている。正極シート2aと負極シート2cとの密着度を保持しつつ、電極群1g内への非水電解液の浸透性が確保される。
【選択図】図1

Description

本発明は非水電解液二次電池に係り、特に、正負極シートを配置した電極群が非水電解液に浸潤されてラミネートシートの外装ケースに収容された非水電解液二次電池に関する。
従来、再充電可能な二次電池の分野では、鉛電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池等の水溶液系電池が主流であった。ところが、地球温暖化や燃料枯渇の問題から電気自動車や駆動の一部を電気モータで補助するハイブリッド自動車が着目され、一部実用化されている。電気自動車等の電源に用いられる電池には、高容量で高入出力性能を有する電池が求められるようになっている。このような要求に合致する電池として、高電圧を有する非水系のリチウム二次電池が注目されている。
電気自動車やハイブリッド自動車用のリチウム二次電池では、円筒状や扁平状の形状が主流であり、その外装ケースには、通常、高強度の金属缶が用いられている。近年、外装ケースを金属缶からアルミニウム箔等の金属箔を基材とするラミネートシートに変えることにより電池の軽量化を図り、高出力密度化を狙った開発が進められている。
外装ケースにラミネートシートを用いたリチウム二次電池では、正負極シートを配置した電極群がラミネートシートで包み込まれている。ラミネートシートの外縁部をシールすることで外装ケースが封止され、この外縁部に通電のための通電端子が挟み込まれた構造とされるのが一般的である。ところが、振動等の外力により電極群が移動すると、ラミネートシートの破損や正負極シート間の短絡等を生じることがある。ラミネートシートのシールを減圧雰囲気下で行うことで、外装ケース内が減圧状態となり、電池外部から電極群に大気圧が掛かるため、電極群が適度に加圧されて密着性を向上させ電極群の移動を抑制することができる。
一方、ラミネートシートの外装ケースでは、従来の金属缶のような高強度を有していないため、例えば、非水電解液成分の蒸気等により電池内圧が上昇すると、電池が膨張し容易に形状変化が生じる。これを回避するため、電極群とラミネートシートとの間に絶縁性の接着層を備える技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−151512号公報
しかしながら、外装ケースにラミネートシートを用いた非水電解液二次電池では、外縁部のシールを減圧雰囲気下で行うと、非水電解液の揮発が生じることがある。また、減圧が不十分な場合は、シール後に正負極シート間の密着性を低下させることがある。非水電解液の揮発や正負極シート間の密着性低下が生じると電池出力の低下を招くこととなる。反対に、減圧が大きすぎると正負極シート間への非水電解液の浸透性が不十分となるため、容量低下や出力低下を引き起こすこととなる。
本発明は上記事案に鑑み、外装ケースにラミネートシートを用い高出力化を図ることができる非水電解液二次電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、正負極シートを配置した電極群が非水電解液に浸潤されてラミネートシートの外装ケースに収容された非水電解液二次電池において、前記ラミネートシートは、圧力が3500Pa以上6000Pa以下の環境下で外縁がシールされたことを特徴とする。
本発明では、圧力が制御された環境下でラミネートシートの外縁がシールされることで、非水電解液の揮発が抑制され、シール後の正負極シート間の密着性を確保しつつ、正負極シート間への非水電解液の浸透性を向上させるため、電池の高出力化を図ることができる。
この場合において、非水電解液に、沸点50℃以上90℃未満の溶媒が20%以上の割合で配合されていることが好ましい。また、ラミネートシートの外縁が加圧しながら熱溶着されてシールされていてもよい。
本発明によれば、圧力が制御された環境下でラミネートシートの外縁がシールされることで、非水電解液の揮発が抑制され、シール後の正負極シート間の密着性を確保しつつ、正負極シート間への非水電解液の浸透性を向上させるため、電池の高出力化を図ることができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を非水電解液二次電池としてのリチウムイオン二次電池に適用した実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態のリチウムイオン二次電池1は、外装ケースに2枚のラミネートシート2d、2eが用いられている。一側(図1の下側)のラミネートシート2dは略平坦に形成されており、他側(図1の上側)のラミネートシート2eは凸状に形成されている。外装ケース内には、電極群1gが図示を省略した非水電解液に浸潤されて収容されている。ラミネートシート2d、2eは、外縁部の4辺が加圧しながら熱溶着されて封止(シール)されている。すなわち、ラミネートシート2d、2eは外縁部で密閉シールされている。ラミネートシート2d、2eの外縁部は、圧力が3500Pa以上6000Pa以下の環境下で封止されている。リチウムイオン二次電池1の外縁部の1辺からは、電極群1gに接続された正極リード1a、負極リード1bがそれぞれ導出されている。正極リード1a、負極リード1bは、ラミネートシート2d、2eの熱溶着部で固定(支持)されている。
ラミネートシート2d、2eには、基材となる金属箔、金属箔を保護する保護樹脂層および熱溶着樹脂層で構成された3層構造の多層膜が用いられている。ラミネートシート2d、2eは、保護樹脂層、金属箔、熱溶着樹脂層がこの順に接着剤を介して積層されプレス加工で形成されている。金属箔には、本例では、厚さ40μmのアルミニウム箔が用いられている。このアルミニウム箔が水蒸気および酸素等の気体の入出を防止するため、ラミネートシート2d、2eはガスバリア性を有している。保護樹脂層には厚さ25μmのナイロン製フィルム、熱溶着樹脂層にはポリプロピレン(以下、PPと略記する。)製フィルムがそれぞれ用いられている。
電極群1gは、正極シート2aと負極シート2cとの複数枚ずつがセパレータ2bを介して積層された構造を有している。電極群1gの両外側が負極シート2cとなるように、正極シート2aと負極シート2cとが交互に積層されており、これら正極シート2aと負極シート2cとの間にそれぞれセパレータ2bが積層されている。このとき、各正極シート2aに接続された正極リード1aが電極群1gの1辺の一側に、各負極シート2cに接続された負極リード1bが他側に位置するように積層されている。リチウムイオン二次電池1では、正極シート2aと負極シート2cとの内部短絡を防止するために、正極シート2aが負極シート2cより若干小さいサイズに形成されている。セパレータ2bには、正負極シート間の絶縁を図ると共に、電極群1gの小型化を図るために、負極シート2cと同じサイズに形成された微多孔性フィルムが用いられている。
電極群1gを構成する正極シート2aは、正極集電体としてアルミニウム箔が用いられている。アルミニウム箔の厚さは、本例では、20μmに設定されている。図3に示すように、アルミニウム箔は略矩形状に形成されており、一側長辺の一側には短冊状の正極集電部3bが延出されている。アルミニウム箔の正極集電部3bを除く部分は、正極活物質のリチウム遷移金属複合酸化物を含む正極合剤が両面に塗着されており、正極塗着部3aを形成している。本例では、正極塗着部3aが100mm×80mmの矩形状に形成されており、正極集電部3bが30mm×10mmに形成されている。正極合剤としては、本例では、正極活物質のリチウムマンガン複酸化物(スピネル系結晶構造と層状系結晶構造との2種類の混合物)、導電材のアセチレンブラック、結着材(バインダ)のポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFと略記する。)が配合されている。正極シート2aの作製時には、リチウムマンガン複酸化物とアセチレンブラック粉末とが乾式混合され、PVDFを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記する。)に乾式混合された混合物を略均一に分散させてペーストが作製される。このペーストがアルミニウム箔に塗布され、乾燥後、厚み120μmにプレスされて正極シート2aが形成される。正極合剤中の各成分の固形分重量比は、本例では、スピネル系リチウムマンガン酸化物:層状系リチウムマンガン酸化物:アセチレンブラック:PVDF=80.8:4.2:10.8:4.3(スピネル系リチウムマンガン酸化物:層状系リチウムマンガン酸化物=95:5)に設定されている。
一方、負極シート2cは、負極集電体として銅箔が用いられている。銅箔の厚さは、本例では、15μmに設定されている。図4に示すように、銅箔は略矩形状に形成されており、一側長辺の他側(正極シート2aの一側長辺の一側に形成された正極集電部3bと反対側)には短冊状の負極集電部4bが延出されている。銅箔の負極集電部4bを除く部分は、負極活物質の非晶質カーボンを含む負極合剤が両面に塗着されており、負極塗着部4aを形成している。本例では、負極塗着部4aが104mm×84mmの矩形状に形成されており、負極集電部4bが30mm×10mmに形成されている。負極合剤としては、本例では、負極活物質の非晶質カーボン、導電材のアセチレンブラック、結着材のPVDFが配合されている。負極シート2cの作製時には、非晶質カーボンとアセチレンブラック粉末とが乾式混合され、PVDFを溶解させたNMPに乾式混合された混合物を略均一に分散させてペーストが作製される。このペーストが銅箔に塗布され、乾燥後、厚み90μmにプレスされて負極シート2cが形成される。負極合剤中の各成分の固形分重量比は、本例では、非晶質カーボン:アセチレンブラック:PVDF=87.6:4.8:7.6に設定されている。
また、セパレータ2bは、図5に示すように、略矩形状の2枚の微多孔性フィルムが袋状に形成された袋部5aを有している。微多孔性フィルムは、ポリプロピレン、ポリエチエン、ポリプロピレンの3層(PP/PE/PP)で形成されており、本例では、厚みが30μmに設定されている。セパレータ2bの外縁部の4辺のうち3辺が熱溶着されて熱溶着部5bを形成している。セパレータ2bは、本例では、104mm×84mmの矩形状に形成されており、熱溶着部5bの溶着幅が2mmに設定されている。換言すれば、セパレータ2bは負極シート2c(負極塗着部4a)と同じサイズに形成されており、袋部5aは正極シート2aを収容可能に形成されている。
図2に示すように、各正極シート2aの正極集電部3bが集合されて正極リード1aに接合部1eで超音波溶接により接合されている。接合部1eでは、溶接に伴うバリが生じており、ラミネートシート2d、2eの破損を防止するため、ポリイミド製等の保護テープ1dが貼り付けられている。一方、各負極シート2cの負極集電部4bが集合されて負極リード1bに超音波溶接により接合されており、接合部には保護テープが貼り付けられている。本例では、正極リード1aとして厚み0.3mmで30mm×40mmのアルミニウム板が、負極リード1bとして厚み0.3mmmmで30mm×40mmのニッケル板がそれぞれ用いられている。正極リード1a、負極リード1bの外周の一部(ラミネートシート2d、2eの熱溶着部に位置する部分)は、シール材として厚さ100μm、幅10mmの変性ポリエチレンフィルム1cで被覆されている。
ラミネートシート2dは、厚み80μmで112mm×122mmの平板状に形成されている。ラミネートシート2eは、厚み80μmで112mm×122mmの矩形状で、中央部の86mm×106mmの範囲が深さ4.6mmの堀状に形成されている。換言すれば、ラミネートシート2eは凸状を呈している。ラミネートシート2d、2eは、外縁部の4辺が熱溶着されて熱溶着部1fが形成されている。熱溶着部1fの溶着幅は、正極リード1a、負極リード1bの導出された1辺で10mm、残りの3辺で8mmに設定されている。
(電池組立) リチウムイオン二次電池1の組立では、両外側に負極シート2cが位置するように、20枚の負極シート2cと、袋状に形成したセパレータ2bに1枚ずつ収容された19枚の正極シート2aとを交互に積層し、電極群1gを作製した。正極集電部3b、負極集電部4bに正極リード1a、負極リード1bをそれぞれ接合し、接合部1eを保護テープ1dで保護した。なお、ラミネートシート2d、2eの熱溶着部分から突出した正極リード1a、負極リード1bには3mmφの孔が形成されている。
正極リード1a、負極リード1bが接続された電極群1gをラミネートシート2d、2eの間に収容する。すなわち、ラミネートシート2eを下側にして堀状の中央部に電極群1gを挿入し、ラミネートシート2dを載せる。ラミネートシート2d、2eの外縁部の3辺(図2の上下両辺と右側の辺)を150℃で10秒間、1kg/cmで加圧しながら熱溶着させて接合した。このとき、正極リード1a、負極リード1bの先端部がラミネートシート2d、2eの外縁部から外側に突出し、変性ポリエチレンフィルム1cで被覆された部分が熱溶着部1fに位置するようにしておく。熱溶着させていない1辺(図2の左側の辺)から非水電解液を注液した。非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)をEC:EMC:DMC=1:1:1の体積比で混合した混合溶媒にリチウム塩(電解質)として6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル(mol/l)の濃度で溶解したものが用いられている。この非水電解液には、沸点50℃以上90℃未満の低沸点溶媒としてメチルアセテート(MA)が20%以上の割合で添加されている。
非水電解液注液後、圧力が3500Pa以上6000Pa以下の減圧環境下において、ラミネートシート2d、2eの未溶着の1辺を150℃で10秒間、1kg/cmで加圧しながら熱溶着させて接合し、リチウムイオン二次電池1を完成させた。得られたリチウムイオン二次電池1の厚みは4.8mmとなる。このリチウムイオン二次電池1を室温で24時間放置後、200mAの定電流で4.1Vまで充電した後、4.1Vの定電圧を印加する定電流定電圧充電を合計15時間行い、続いて200mAの定電流で2.7Vまで放電する充放電(標準充放電)を3サイクル行った。リチウムイオン二次電池1の3サイクル目の放電容量は2Ahであった。
次に、本実施形態に従い作製したリチウムイオン二次電池1の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例の電池についても併記する。
(実施例1) 下表1に示すように、実施例1では、非水電解液中の沸点50℃以上90℃未満の低沸点溶媒の割合を0%に設定し(低沸点溶媒を添加せず)、密閉シール時に圧力を3500Paに設定してリチウムイオン二次電池1を作製した。
Figure 2009211937
(実施例2〜実施例5) 表1に示すように、実施例2〜実施例5では、非水電解液中の低沸点溶媒の割合および密閉シール時の圧力を変える以外は実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池1を作製した。低沸点溶媒の割合および密閉シール時の圧力は、実施例2では0%、6000Pa、実施例3では10%、4000Pa、実施例4では20%、4000Pa、実施例5では30%、4000Paにそれぞれ設定した。
(比較例1〜比較例2) 表1に示すように、比較例1〜比較例2では、密閉シール時の圧力を変える以外は実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。密閉シール時の圧力は、比較例1では3000Pa、比較例2では6500Paに設定した。
(評価) 各実施例および比較例の(複数個の)リチウムイオン二次電池について、充放電試験を行い初期出力を測定した。出力の測定では、25±2℃の雰囲気下で4.1Vの満充電状態から10A、20A、40Aの電流値で各10秒間放電した。横軸電流に対して、各電流値で5秒目の電池電圧を縦軸にプロットし、3点を直線近似した直線が終止電圧である2.7Vと交差する点の電流値を読み取り、この電流値と2.7Vとの積をその電池の出力とした。出力の測定結果を表1にあわせて示した。
表1に示すように、非水電解液に低沸点溶媒を添加せず、密閉シール時に圧力を3000Pa、6500Paとした比較例1、比較例2のリチウムイオン二次電池では、いずれも出力が600Wとなり、十分な出力を得ることができなかった。これに対して、非水電解液に低沸点溶媒を添加しなくても、密閉シール時に圧力を3500Pa、6000Paとした実施例1、実施例2のリチウムイオン二次電池1では、いずれも出力が900Wとなり優れた性能を示した。このことから、密閉シール時に圧力を3500〜6000Paとすることで、リチウムイオン二次電池1の出力を向上させることができることが判った。また、低沸点溶媒の割合が10〜30%の非水電解液を用い、密閉シール時に圧力を4000Paとした実施例3〜5の電池では、出力の向上が認められた。とりわけ、低沸点溶媒の割合を20%以上とした実施例4、実施例5のリチウムイオン二次電池1では、980W以上の高出力を得られることが判った。従って、低沸点溶媒の割合を20%以上とすることで、一層の出力向上を図ることができることが判明した。
以上説明したように、本実施形態のリチウムイオン二次電池1では、電池作製に際し、ラミネートシート2d、2eの外縁部が、圧力が3500Pa以上6000Pa以下の減圧環境下で熱溶着されて封止(密閉シール)される。このため、電池内部の減圧状態が適正化されるので、リチウムイオン二次電池1の密閉シール時に非水電解液の溶媒が揮発することを抑制することができる。また、密閉シール後のリチウムイオン二次電池1では、電極群1gを構成する正極シート2aと負極シート2cとの密着度を保持しつつ、電極群1g内への非水電解液の浸透性を確保することができる。従って、充放電に伴うリチウムイオンの移動が円滑化されることでリチウムイオン二次電池1の出力向上を図ることができる。
また、本実施形態のリチウムイオン二次電池1では、非水電解液に沸点50℃以上90℃未満の低沸点溶媒が20%以上添加されている。この低沸点溶媒が、上述した圧力下でも揮発することなく液体状態を保つことから、非水電解液が電極群1g内に浸透しやすくなり一層の出力向上を図ることができる。
更に、本実施形態のリチウムイオン二次電池1では、セパレータ2bにPP/PE/PPの3層構造の多層膜が用いられている。このため、セパレータ2bの熱による収縮を極力抑制することができ、リチウムイオン二次電池1の高温耐性を向上させることができる。従って、このようなリチウムイオン二次電池1では、高温環境下での使用が想定される電気自動車やハイブリッド電気自動車等の電源として好適に使用することができる。
従来外装ケースにラミネートシートを用いたリチウムイオン二次電池では、電極群を封入するときに減圧下で行われるものの、圧力の状態により安定な高出力性能を得ることが難しかった。すなわち、減圧が不十分なときは、電極群を構成する正負極シートの密着性が不足し、充放電時のリチウムイオンの移動を阻害することで出力低下を招くこととなる。反対に減圧が強すぎると非水電解液が気化しやすくなり電極群内に浸透しにくくなることで、却って出力を低下させることとなる。本実施形態は、これらの問題を解決することができるリチウムイオン二次電池である。
なお、本実施形態では、正極シート1aおよび負極シート1cを積層した電極群1gを有する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、正極シートおよび負極シートを帯状に形成し、扁平状に捲回した電極群を有するリチウムイオン二次電池にも適用することができる。また、本発明はリチウムイオン二次電池以外にも非水電解液を使用する二次電池に適用可能なことはもちろんである。
また、本実施形態では、ラミネートシート2d、2eとして、保護樹脂層のナイロン製フィルム、金属箔のアルミニウム箔、熱溶着樹脂層のポリプロピレン製フィルムで構成された3層構造の多層膜を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。保護樹脂層、金属箔、熱溶着樹脂層のそれぞれの機能が発揮される材質であればよく、厚さについても特に制限されるものではない。
更に、本実施形態では、非水電解液に添加する沸点50℃以上90℃未満の低沸点溶媒としてメチルアセテートを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態以外で用いることのできる低沸点溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、アセトニトリル等を挙げることができる。
また更に、本実施形態では、正極活物質にリチウムマンガン複酸化物、負極活物質に非晶質カーボンを例示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。正極活物質としては、リチウムイオンを挿入・脱離可能な材料であり、予め十分な量のリチウムイオンを挿入したリチウム遷移金属複合酸化物を用いればよく、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶中のリチウムや遷移金属の一部をそれら以外の元素で置換あるいはドープした材料を使用するようにしてもよい。さらに、結晶構造についても特に制限はなく、スピネル系、層状系、オリビン系のいずれの結晶構造を有していてもよい。一方、負極活物質としては、リチウムイオン二次電池に通常用いられる炭素材を用いることができる。本実施形態以外の負極活物質としては、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛の各種黒鉛材やコークス等を挙げることができ、その粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。
更にまた、本発明は、本実施形態で例示した導電材、バインダ(結着材)には限定されず、通常リチウムイオン二次電池に用いられているいずれのものも使用可能である。本実施形態以外で用いることのできる結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体およびこれらの混合体等を挙げることができる。
また、本実施形態では、EC、EMC、DMCを体積比1:1:1で混合した混合溶媒にLiPFを溶解した非水電解液を例示したが、一般的なリチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した非水電解液を用いてもよく、本発明は用いられるリチウム塩や有機溶媒には特に制限されるものではない。例えば、電解質としては、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi等やこれらの混合物を用いることができる。また、有機溶媒としてはジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、プロピオニトリル等、または、これらの2種以上を混合した混合溶媒を用いることができる。
本発明は外装ケースにラミネートシートを用い高出力化を図ることができる非水電解液二次電池を提供するため、非水電解液二次電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明を適用した実施形態のリチウムイオン二次電池を示す斜視図である。 実施形態のリチウムイオン二次電池の断面図である。 リチウムイオン二次電池の電極群を構成する正極シートの平面図である。 リチウムイオン二次電池の電極群を構成する負極シートの平面図である。 リチウムイオン二次電池の電極群を構成するセパレータの平面図である。
符号の説明
1 リチウムイオン二次電池(非水電解液二次電池) 1a 正極リード 1b 負極リード 1f 熱溶着部 1g 電極群 2d、2e ラミネートシート

Claims (3)

  1. 正負極シートを配置した電極群が非水電解液に浸潤されてラミネートシートの外装ケースに収容された非水電解液二次電池において、前記ラミネートシートは、圧力が3500Pa以上6000Pa以下の環境下で外縁がシールされたことを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 前記非水電解液は、沸点50℃以上90℃未満の溶媒が20%以上の割合で配合されていることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記ラミネートシートの外縁は、加圧しながら熱溶着されてシールされたことを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。
JP2008053748A 2008-03-04 2008-03-04 非水電解液二次電池 Pending JP2009211937A (ja)

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