JP2009211741A - ディスクカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】誤消去防止機構の信頼性を確保できるディスクカートリッジを提供する。
【解決手段】本発明に係るディスクカートリッジは、記録可位置と記録不可位置の間に、タブ部材73の弾性アーム85の弾性力を漸次増大させる第1のガイド面79aと弾性アーム85の弾性力を漸次減少させる第2のガイド面79bとを有し、これらのガイド面79a,79bが連続形成されたガイド壁(ガイド部)79を備えている。これにより、タブ部材73が記録可位置と記録不可位置の中間位置に停止することを防止して、誤消去防止機構の信頼性を高めることが可能となる。
【選択図】図16

Description

本発明は、誤消去防止機構の信頼性を改善した記録媒体カートリッジに関する。
近年、光ディスクや光磁気ディスク、磁気ディスク等のディスク状記録媒体を回転可能に収納したディスクカートリッジが広く用いられている。一般に、ディスクカートリッジは、音楽信号や映像信号、プログラム等の情報信号を記録及び/又は再生することが可能である。このような情報信号を記録することが可能なディスク状記録媒体としては、例えば、書き込み可能な追記型ディスクや、書き換え可能な書換型ディスクが知られている。
この種のディスクカートリッジは、ディスク状記録媒体に対する情報の記録の可否を設定するための誤消去防止機構を備えている。例えば特許文献1には、カートリッジ本体に対してスライド自在な誤消去防止部材と、カートリッジ本体に形成された検出孔を備えた誤消去防止機構の構成が記載されている。
誤消去防止部材は、ディスク状記録媒体に対して情報の記録が可能な記録可位置と情報の記録が不可能な記録不可位置とを選択的にとる。検出孔は、記録可位置と記録不可位置の間にわたる誤消去防止部材の移動に伴って開閉される。検出孔の開閉状態は、ディスクカートリッジが装填されるドライブ装置(記録再生装置)によって検出される。これにより、誤消去防止部材が記録不可位置にあるときに、ディスク状記録媒体に対する情報の誤記録あるいはディスク状記録媒体に記録された情報の誤消去を防止することが可能となる。
誤消去防止部材は、カートリッジ本体の内部に形成されたガイド壁に沿って移動する。誤消去防止部材は、ガイド壁の側面に対して弾性的に接触する弾性係合片を備えている。ガイド壁の側面には、誤消去防止部材の記録可位置及び記録不可位置に弾性係合片と係合する記録可用係合凹部及び記録不可用係合凹部がそれぞれ形成されている。これら記録可用係合凹部と記録不可用係合凹部の間は直線的な平坦面とされている。
特開2007−95206号公報(段落[0045]〜[0051]、図13〜16)
上述した従来の誤消去防止機構においては、誤消去防止部材の移動を案内するガイド壁は、記録可用係合凹部と記録不可用係合凹部の間に直線的な平坦面を有している。このため、誤消去防止部材の弾性係合片がこれら記録可用係合凹部と記録不可用係合凹部との間で停止したときに、検出孔の開放の程度に応じて誤消去防止部材が記録可位置にあると検出されたり記録不可位置にあると検出されたりして、記録の可否の検出精度が大きく低下するという不都合がある。
特に、ディスクカートリッジを誤って落下させたとき、その落下衝撃で誤消去防止部材が移動し、記録可位置と記録不可位置の間で誤消去防止部材が停止する場合がある。この場合、上述した不都合が発生しやすく、誤消去防止機構の信頼性が確保できなくなる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、誤消去防止機構の信頼性を確保することができる記録媒体カートリッジを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る記録媒体カートリッジは、カートリッジケースと、前記カートリッジケースの内部に収納された記録媒体と、前記記録媒体に対する情報の記録が可能な記録可位置と前記情報の記録が不可能な記録不可位置との間を移動自在であり、前記カートリッジケースに対して弾性的に接触する弾性アームを有するタブ部材と、 前記カートリッジケースに形成され、前記記録可位置と前記記録不可位置との間における前記タブ部材の移動に応じて前記弾性アームの弾性力を漸次増大させる第1のガイド面と前記弾性アームの弾性力を漸次減少させる第2のガイド面とを有し、前記第1及び第2のガイド面が連続的に形成されたガイド部とを具備する。
本発明において、ガイド部は、記録可位置と記録不可位置の間に、タブ部材の弾性アームの弾性力を漸次増大させる第1のガイド面と弾性アームの弾性力を漸次減少させる第2のガイド面とを有し、これら第1及び第2のガイド面が連続的に形成されている。したがって、記録可位置(又は記録不可位置)から記録不可位置(又は記録可位置)へ移動する過程において、タブ部材は、弾性アームの復元力によって、第1のガイド面を通過するときは元の記録可位置(又は記録不可位置)へ押し戻される方向の力を受け、第2のガイド面を通過するときは移動先である記録不可位置(又は記録可位置)へ押し進められる方向の力を受ける。
本発明によれば、例えばカートリッジに落下衝撃等の外力が作用してタブ部材がカートリッジケースに対して相対移動したとしても、第1及び第2のガイド面の作用によってタブ部材を記録可位置又は記録不可位置に復帰させることが可能となる。また、記録可位置と記録不可位置との間でタブ部材が停止することを抑制できる。このため、記録可否の検出精度が損なわれることもない。これにより、カートリッジの誤消去防止機構の信頼性を確保することが可能となる。
本発明において、前記弾性アームは、前記ガイド部と接触する係合凸部を先端部に有し、前記ガイド部は、前記タブ部材の前記記録可位置で前記係合凸部と係合する第1の係合凹部と、前記タブ部材の前記記録不可位置で前記係合凸部と係合する第2の係合凹部とを有する。この構成により、記録可位置及び記録不可位置におけるタブ部材の安定した位置決めが可能となる。
また、本発明において、前記第1のガイド面及び前記第2のガイド面はそれぞれ直線的な傾斜面であり、前記弾性アームは、前記第1のガイド面とほぼ平行に伸びている。この構成により、弾性アームは、初期状態においてタブ部材のスライド方向に対してガイド部側に傾いて延在することになる結果、弾性アームの弾性変形時におけるタブ部材の移動方向に対して垂直な方向への弾性アームの張出し量を低減することが可能となる。これにより、カートリッジケースに対するタブ部材の収納エリアの小型化と設計自由度の向上を図ることが可能となる。
記録媒体としては、光ディスクや光磁気ディスク、磁気ディスク等のディスク状記録媒体のほか、磁気テープに代表されるテープ状記録媒体、半導体メモリ等が挙げられる。したがって、記録媒体カートリッジは、記録媒体の種類に応じて、ディスクカートリッジやテープカートリッジ等に分類される。
以上のように、本発明の記録媒体カートリッジによれば、記録可位置又は記録不可位置におけるタブ部材の位置決め機能を高めて、誤消去防止機構の信頼性を確保することができる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づき説明する。本実施形態では、記録媒体カートリッジとして、ディスクカートリッジを例に挙げて説明する。
図1から図3は、本発明の実施形態によるディスクカートリッジの全体を示している。すなわち、図1はディスクカートリッジを上シェル側から見たときの斜視図、図2はディスクカートリッジの分解斜視図、図3はディスクカートリッジを下シェル側から見たときの斜視図である。
本実施形態のディスクカートリッジ1は、光ディスク3をカートリッジケース2内に回転自在に収納して構成されている。具体的に、ディスクカートリッジ1は、カートリッジケース2の内部に、光ディスク3と、インナーロータ(中シェル)4と、一対のシャッタ部材5a,5bとを備えている。
光ディスク3は、図2に示すように、中心部に、記録再生装置側のディスク回転駆動機構が係合されるセンタ孔3aを有している。光ディスク3としては、オーディオ情報としての音楽信号やビデオ信号としての映像信号及び音楽信号等の各種の情報信号が予め記録された再生専用の光ディスクや、これらの情報信号を1度だけ書き込むことが可能な追記型の光ディスク、これらの情報を繰り返し書き換えることが可能な書換型の光ディスク等のディスク状記録媒体を挙げることができる。ディスク状記録媒体としては、上述した光ディスク3のほか、光磁気ディスクや磁気ディスク等を挙げることができる。
光ディスク3に関しては、情報の記録及び/又は再生にあたって、波長が400nm程度の光ビームを用いるとともに、光ピックアップの対物レンズに、CDやDVDで用いる対物レンズよりも高開口数のものを用いることができる。これにより、CDやDVDよりも高密度に、静止画データ、動画データ、楽曲データ、コンピュータで処理される処理データ等のデータを記録することができる。
本実施形態のディスクカートリッジ1は、図3に示すように、カートリッジケース2の底面に、カートリッジケース2の前面から背面にわたって記録及び/又は再生用の第1の開口部23が形成されている。この第1の開口部23は、ディスクカートリッジ1が記録再生装置の装着部に装着された際、光ディスク3の信号記録面の一部を露出させ、カートリッジケース2の前面側からと背面側からの両方から光ピックアップが進入し、2つの光ピックアップを用いて光ディスク3の記録や再生を行うことを可能とする。これにより、情報信号の記録や読出しの高速化を実現することが可能となる。
カートリッジケース2は、上シェル6と、この上シェル6に突き合わされる2分割された下シェル7(7a,7b)とにより構成されている。図4は、上シェル6の内面構造を示す底面図、図5は、下シェル7の内面構造を示す平面図である。
カートリッジケース2の上面を構成する上シェル6は、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート等の熱可塑性を有する樹脂材料を射出成形することにより形成されている。この上シェル6は、図4に示すように、全体が略矩形状の主面のうち、記録再生装置への挿入端側となる前面が略円弧形状に形成されている。また、この上シェル6には、カートリッジケース2の側面をなす外周壁8が主面の外周縁部に沿って形成されている。
また、外周壁8の内周側には、光ディスク3を回転可能に収納するディスク収納部を構成する略円環状の内周壁11が形成されている。内周壁11は、インナーロータ4と協働して、光ディスク3を収納するディスク収納部の側壁を構成する。
内周壁11の外周側には、この内周壁11を囲むようにして更に立ち上がり壁10が形成されている。内周壁11と立ち上がり壁10との間には、略円環状のガイド溝13が形成されている。このガイド溝13には、インナーロータ4が回動可能に係合される。
また、上シェル6には、その各コーナー部近傍に、下シェル7を結合するための複数の位置決めピン14が形成されている。これら位置決めピン14の中心部には、ネジ止め用のネジ孔が形成されている。
一方、下シェル7は、図2、図3及び図5に示すように、2分割されたシェル半体7a,7bを有し、各シェル半体7a,7bは、上シェル6と結合されることで、カートリッジケース2の底面を構成する。なお、以下の説明では、シェル半体7a,7bをまとめて下シェル7ともいう。
下シェル7は、上述した上シェル6と同様に、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート等の熱可塑性を有する樹脂材料を射出成形することにより形成されている。各シェル半体7a,7bは、上シェル6の前面側の略円弧形状に対応して前面側が略円弧形状に形成されている。各シェル半体7a,7bは、カートリッジケース2の側面をなす外周壁21が主面の外周縁に沿って形成されている。
更に、下シェル7の各コーナー部には、略円弧形状のコーナー壁24が形成されている。コーナー壁24は、シェル半体7a,7bが上シェル6に突き合わされたとき、上シェル6の内周壁11の外側に位置するように構成されており、これにより、ディスク収納部への異物の進入を効果的に防止する。
下シェル7には、上述した上シェル6の位置決めピン14に嵌合される略円筒状の位置決め凹部22が突出形成されている。この位置決め凹部22の底面部には、ネジが挿通される貫通孔が形成されている。上シェル6と下シェル7のシェル半体7a,7bとは、上シェル6側の外周壁8と下シェル7を構成するシェル半体7a,7bの外周壁21を突き合わせ、上シェル6側の位置決めピン14と下シェル7側の位置決め凹部22とを嵌合し、この位置決めピン14のネジ孔に位置決め凹部22の貫通孔を通してネジを螺合することによって結合される。これにより、カートリッジケース2が構成される。
カートリッジケース2の底面には、下シェル7を構成するシェル半体7a,7bとの間に、記録再生装置の第1及び第2の光ピックアップ並びに記録再生装置のディスク回転駆動機構を構成するディスクテーブルが進入する記録及び/又は再生用の第1の開口部23が形成される。この第1の開口部23は、カートリッジケース2の前面側から記録再生装置側の第1の光ピックアップが進入する開口部23aと、カートリッジケース2の背面側から記録再生装置側の第2の光ピックアップが進入する開口部23bと、開口部23aと開口部23bとの間のカートリッジケース2の底面の略中央部がディスク回転駆動用の開口部23cとからなる。すなわち、開口部23a,23bは、記録再生装置の第1及び第2の光ピックアップをカートリッジケース2の内部に進入させるのに十分な大きさで形成されており、回転駆動用の開口部23cは、記録再生装置のディスク回転駆動機構を構成するディスクテーブルをカートリッジケース2の内部へと進入させるのに十分な大きさで形成されている。
また、カートリッジケース2には、図2に示すように、下シェル7を構成する一方のシェル半体7aの前面側コーナー部に、ロック部材26が組み付けられる。このロック部材26は、後述するインナーロータ4及び一対のシャッタ部材5a,5bがカートリッジケース2の第1の開口部23を閉塞する閉塞位置にあるときに、インナーロータ4の回転をロックする。具体的に、ロック部材26は、下シェル7の一方のシェル半体7aの前面側コーナー部に形成された支軸25に回動可能に係合される軸孔27と、この軸孔27からカートリッジケース2の一方の側面部に向かって延長された操作片28と、軸孔27からインナーロータ4側に延長されたロック片29とを有している。
操作片28の先端部には、図2及び図5に示すように、カートリッジケース2の一方の側面部に形成されたロック用開口部28bから外部に臨む操作突部28aが設けられている。また、ロック片29の先端部には、インナーロータ4のリング部41と摺接するロック突部29aが設けられている。
以上のようなロック部材26が取り付けられる支軸25には、更に、ねじりコイルバネ等の付勢部材30が取り付けられる。付勢部材30の一方のアームは外周壁21に係止され、他方のアームはロック部材26に係止される。これによって、ロック突部29aは、インナーロータ4側に回動付勢され、インナーロータ4の第2の係合凹部45(図6)に係合される。そして、このロック部材26は、操作片28の操作突部28aが押圧されることによって、付勢部材30の付勢力に抗してロック片29がインナーロータ4のリング部41から離間する方向に移動され、ロック突部29aは、第2の係合凹部45との係合状態が解除される。
また、図3に示すように、カートリッジケース2の一方の側面部には、ディスクカートリッジ1の記録再生装置への誤挿入を防止するためのガイド溝31が前面側から背面側にわたって形成されている。このガイド溝31の底面部には、前面側から順に、上述したロック部材26の操作突部28aを外部に臨ませるロック用開口部28bと、インナーロータ4の外周部の一部を外部に臨ませるロータ用開口部28cとが形成されている。
下シェル7の内面には、図2に示すように、後述するシャッタ部材5a,5bに長孔状に設けられたガイド孔53と係合するガイドピン32が略円柱状に突出形成されている。このガイドピン32は、インナーロータ4の回動に従ってガイド孔53に沿って移動して、シャッタ部材5a,5bを軸孔50a,50bを支点に回動させる。
下シェル7が構成するカートリッジケース2の下面には、図3に示すように、記録再生装置に装着した際の位置決めを行う複数の位置決め孔33a,33bが設けられている。一方の位置決め孔33aは、一方の位置決め孔33aは真円でロケーションホールとして機能し、他方の位置決め孔33bは楕円でアライメントホールとして機能する。また、カートリッジケース2の前面側の一方のコーナー部側には、前面及び底面を開口した凹部34が設けられている。記録フォーマットを異にしながら外形形状を略同じくするディスクカートリッジとの識別部となる。勿論、凹部34は、記録再生装置への挿入時にガイドピンを係合させることによって挿入ガイド溝や位置決め溝として機能させることもできる。
次に、インナーロータ4の構成について説明する。図6はインナーロータ4の底面側から見た斜視図である。また、図7はディスクカートリッジ1の要部の断面図である。
インナーロータ4は、ポリオキシメチレン(POM)等の熱可塑性を有する樹脂材料を射出成形することにより形成されている。このインナーロータ4の主面部4aには、光ディスク3が信号記録面3aを対向させるようにして載置される。この主面部4aは、図7に示すようにカートリッジ本体2内に配設されたとき、上シェル6の内壁面11及びインナーロータ4の主面部4aとでディスク収納部15(図7)を構成する。
インナーロータ4は、図6に示すように略円形状に形成されており、その外周縁部には、上述した上シェル6のガイド溝13に係合される略円環状のリング部41が形成されている。このインナーロータ4は、上シェル6のガイド溝13にリング部41が係合されることによって、カートリッジケース2の内部において回動可能に支持される。
インナーロータ4には、図6に示すように、下シェル7に設けられた第1の開口部23と略同じ大きさの第2の開口部42が形成されている。第2の開口部42が設けられた領域のリング部41は、連結部41aとして構成されている。
図8は、インナーロータ4が下シェル7の開口部23を閉塞する方向に回動した状態を示す平面図であり、図9は、インナーロータ4が下シェル7の開口部23を開放する方向に回動した状態を示す平面図である。
リング部41の外周面には、インナーロータ4を回動させるためのギヤ部43が形成されている。このギヤ部43は、図8に示すように、インナーロータ4が下シェル7の第1の開口部23の閉塞位置にあるときに、上述したロータ用開口部28cの前面側から外部に臨む位置と、図9に示すインナーロータ4が下シェル7の第1の開口部23を開放した開放位置にあるときに、上述したロータ用開口部28cの背面側から外部に臨む位置との間の領域に亘って形成されている。
このギヤ部43の一方の側には、図6に示すように、記録再生装置側のシャッタ開放機構を構成するシャッタ開放部材の第1の係合突起が係合される第1の係合凹部44が形成され、ギヤ部43の他方の側には、シャッタ開放部材の第2の係合突起が係合される第2の係合凹部45が形成されている。これら係合凹部44,45は、ギヤ部43と共にロータ用開口部28cより外部に臨む。第1の係合凹部44は、ディスクカートリッジ1を記録再生装置に装填したとき、最初にシャッタ開放部材の第1の係合突起が係合される。第2の係合凹部45は、後述するシャッタ部材5a,5bが閉塞位置にあるとき、ロック部材26のロック突部29aが係合され、シャッタ部材5a,5bが第1及び第2の開口部23,42の開放位置に移動したとき、シャッタ開放部材の第2の係合突起が係合される。
また、リング部41の外周面には、インナーロータ4の回動量を規制するための一対の回動規制突部46a,46bが互いに所定の間隔を有して突出形成されている。一方、下シェル7a,7bには、回動規制突部46a,46bと当接される一対の規制部47a,47bが形成されている。
図9に示すように、インナーロータ4が第1の開口部23を開放する方向に回動し、一方の回動規制突部46aが一方の規制部47aと当接することで、インナーロータ4の更なる回動を規制する。この方向のインナーロータ4の回動が規制されたとき、図9に示すように、インナーロータ4は、第1の開口部23の開放位置にあり、インナーロータ4の第2の開口部42は第1の開口部23と略一致した状態となる。
一方、図8に示すように、インナーロータ4が第1の開口部23を閉塞する方向に回動し、他の回動規制突部46bが他の規制部47bと当接することで、インナーロータ4の更なる回動を規制する。この方向のインナーロータ4の回動が規制されたとき、インナーロータ4は、第1の開口部23の閉塞位置にあり、第2の開口部42が第1の開口部23に対して最も傾いた状態となる。
また、インナーロータ4には、図6に示すように、主面部4aのリング部41が突出する側とは反対側の面に、一対のシャッタ部材5a,5bをそれぞれ回動可能に支持する一対の支軸49a,49bが突出形成されている。この一対の支軸49a,49bは、インナーロータ4の中心部に対して点対称な位置、すなわち互いに180°の位相差を有して配置されている。
このようなインナーロータ4に取り付けられて第1の開口部23を開閉する一対のシャッタ部材5a,5bは、図10から図12に示すように、互いに対称な形状をなし、インナーロータ4の一対の支軸49a,49bに、180°の位相差を有して回動可能に取り付けられている。なお、一対のシャッタ部材5a,5bにおける同等な部分については、同一の符号を付して詳細は省略する。
以下、図10から図12を参照して、シャッタ部材5a,5bの詳細について説明する。図10は、一対のシャッタ部材5a,5bの斜視図、図11は、インナーロータ4の開口部42をシャッタ部材5a,5bが開放している状態を示す斜視図、図12は、インナーロータ4の開口部42をシャッタ部材5a,5bが閉塞している状態を示す斜視図である。
シャッタ部材5a,5bは、本発明に係る「シャッタ」を構成する。シャッタ部材5a,5bは、上述したインナーロータ4と同様に、ポリオキシメチレン(POM)等の熱可塑性を有する樹脂材料を射出成形することにより形成されている。このシャッタ部材5a,5bは、略半円平板状に形成されており、基端部には、インナーロータ4の支軸49a,49bに回動可能に係合される軸孔50a,50bが形成されている。
また、図10から図12に示すように、一対のシャッタ部材5a,5bの突き合わせ面となる弦線部分には、中央部から基端部に向かって第1の係合部51と、中心部から先端部に向かって第2の係合部52とが形成されている。このうち、第1の係合部51は、下シェル7側が傾斜面とされており、第2の係合部52は、上シェル6側が傾斜面とされている。一対のシャッタ部材5a,5bは、図11及び図12に示すように、インナーロータ4の支軸49a,49bを中心として、互いに近接する方向に回動されることによって、一方のシャッタ部材5aの第1の係合部51と他方のシャッタ部材5bの第2の係合部52とが係合されると共に、他方のシャッタ部材5bの第1の係合部51と一方のシャッタ部材5aの第2の係合部52とが係合される。
また、シャッタ部材5a,5bには、図10から図12に示すように、下シェル7の内面に突出形成された一対のガイドピン32とそれぞれ係合されるガイド孔53が形成されている。このガイド孔53は、シャッタ部材5a,5bが第2の開口部42の閉塞位置と開放位置との間で回動されるように、弦線部分の中途部から軸孔50a,50bに向かって所定の長さで形成されている。
さらに、シャッタ部材5a,5bには、図10に示すように、第1の係合部51の上面に突部54がそれぞれ形成されている。これら突部54は、シャッタ部材5aとシャッタ部材5bが第1及び第2の係合部51,52を介して係合した際に、ディスク収納部15に収納されている光ディスク3の中央内周部(非信号記録領域)に対向する位置にそれぞれ形成されている。これにより、シャッタ部材5a,5bでカートリッジケース2の第1の開口部23が閉塞された状態にあるディスクカートリッジ1の非使用時において、シャッタ部材5a,5bに作用した外力でシャッタ部材5a,5bが変形したとしても、突部54が光ディスク3の内周部と当接することによって、光ディスク3の信号記録面とシャッタ部材5a,5bの接触を防止することが可能となる。
なお、第1の開口部23が開放された状態にあるディスクカートリッジ1の使用時においては、シャッタ部材5a,5bの突部54は、インナーロータ4の第2の開口部42の周縁に形成された切欠き部48a,48bの内部に収容される。これにより、シャッタ部材5a,5bは、適正に開放位置へ移動することが可能とされる。
以上のような構成のディスクカートリッジ1には、上述した構成の他に、図2に示すように、上シェル6の内面略中央部にクランピングプレート61が配設される。このクランピングプレート61は、記録再生装置のディスク回転駆動部を構成するディスクテーブルとともに光ディスク3を挟持し、取付リング61aによって上シェル6に取り付けられている。具体的に、クランピングプレート61は、取付リング61aと上シェル6の内面略中央部とで挟み込むようにし、取付リング61aを上シェル6の内面略中央部に溶着等によって取り付けられる。そして、光ディスク3は、センタ孔3bにディスクテーブルが係合し、更にディスクテーブルとクランピングプレート61とで挟持されることによりディスク収納部2a内で回転可能な状態となる。
なお、上シェル6に対する下シェル7のシェル半体7a,7bの固定方法としては、上述したネジ等の手段に限らず、接着剤、超音波溶着等を用いて上シェル6と下シェル7のシェル半体7a,7bとを接合一体化させることも可能である。
次に、本発明に係る誤消去防止機構について説明する。なお、図13はタブ収納部72の平面図、図14はタブ部材73の平面図、図15はタブ収納部72にタブ部材73を組み込んだ状態を示す平面図である。
図2及び図3に示すように、カートリッジケース2には、背面側の一方のコーナー部に、光ディスク3に記録した情報信号の誤消去を防止するための誤消去防止機構70が設けられている。具体的に、この誤消去防止機構70は、図13に示すように、上シェル6の外周壁8とこの外周壁8に連続した周壁71で囲まれた領域にタブ収納部72を有する。そして、このタブ収納部72には、図15に示すように、ユーザによってスライドされるタブ部材(誤消去防止部材)73が配設される。
タブ収納部72は、図3、図5及び図15に示すように、下シェル半体7bに形成された検出孔74を有する。検出孔74は長孔でなり、その長軸方向がタブ部材73のスライド方向となるように形成されている。また、タブ収納部72は、上シェル6の外周壁8及び下シェル半体7bの外周壁21に跨るようにして略矩形の操作孔75が形成されている。
さらに、タブ収納部72には、タブ部材73のスライド方向に沿ってガイド壁76が形成されている。ガイド壁76は、本発明に係る「ガイド部」に相当し、第1の記録可用係合凹部77aと、第1の記録不可用係合凹部77bと、第2の記録可用係合凹部78aと、第2の記録不可用係合凹部78bと、隆起部79とを有している。
すなわち、ガイド壁76には、カートリッジケース2の外方側に臨む一方の面に、タブ部材73を記録可位置に保持するための第1の記録可用係合凹部77aと、タブ部材73を記録不可位置に保持するための第1の記録不可用係合凹部77bとが、タブ部材73のスライド方向に並んで形成されている。また、ガイド壁76には、カートリッジケース2の内方側に臨む他方の面に、第1の記録可用係合凹部77aと共にタブ部材73を記録可位置に保持するための第2の記録可用係合凹部78aと、第1の記録不可用係合凹部77bと共にタブ部材73を記録不可位置に保持するための第2の記録不可用係合凹部78bとが、タブ部材73のスライド方向に並んで形成されている。
そして、ガイド壁76の上記一方の面の第1の記録可用係合凹部77aと第1の記録不可用係合凹部77bの間に、図13に示す平面視略三角形状の隆起部79が形成されている。隆起部79は、ガイド壁76の一方の面から上シェル2の操作孔75に向かって突出し、第1の記録可用係合凹部77aと第2の記録不可用係合凹部77bの間にガイド面79a及びガイド面79bを形成する。これらガイド面79a,79bはそれぞれ直線的な傾斜面であり、互いに連続して形成され、これらの境界部(隆起部79の頂点)は、係合凹部77aと係合凹部77bの間の距離の中間に位置している。
このようなタブ収納部72に収納されるタブ部材73は、図14に示すように、基体部81を有している。この基体部81には、タブ収納部72のガイド壁76に係合するガイド溝82が形成されている。また、この基体部81には、タブ収納部72の操作孔75より外部に臨む操作片83が形成されている。この操作片83は、操作孔75を内側より閉塞するに足る大きさで略矩形をなしており、更に、スライド操作をし易くするための操作突起83aが形成されている。
また、基体部81には、タブ収納部72に形成された検出孔74の一部を閉塞する検出部84が形成されている。検出部84は、検出孔74が長円で形成されているのに対して真円で形成されており、検出孔74の一部を閉塞する。記録再生装置側の検出機構は、機械的又は光学的に、検出孔74内の検出部84によって閉塞されている又は開放されている位置を検出することによって、ディスクカートリッジ1が記録可の状態であるか記録不可の状態にあるかを判断する。本実施形態では、図15(A)はタブ部材73が記録可位置に位置しているときの状態を示し、図15(B)は記録不可位置に位置しているときの状態を示している。
更に、基体部81には、互いに離間する第1の弾性アーム85及び第2の弾性アーム86が形成されている。第1及び第2の弾性アーム85,86は、ガイド溝82の両側壁部に相当し、ガイド壁76に対して弾性的に接触する。これら第1及び第2の弾性アーム85,86は、タブ部材73のスライド方向に突出しているが、基体部81の底部から互いに逆方向に延びている。
図16は、タブ収納部72とタブ部材73の弾性アーム85,86の関係を示す平面図であり、図16(A)はタブ部材73が記録可位置に位置しているときの状態を示し、図16(B)はタブ部材73が記録不可位置に位置しているときの状態を示している。図16に示すように、第1の弾性アーム85は、ガイド壁76の一方の面に対向し、その先端部には、第1の記録可用係合凹部77a又は第1の記録不可用係合凹部77bに係合可能な第1の係合凸部85aが形成されている。また、第2の弾性アーム86は、ガイド壁76の他方の面に対向し、その先端部には、第2の記録可用係合凹部78a又は第2の記録不可用係合凹部78bに係合可能な第2の係合凸部86aが形成されている。また、第1の弾性アーム85は、ガイド壁76に向かって斜めに延びている。
上述のように、ガイド壁76の第1の記録可用係合凹部77aと第1の記録不可用係合凹部77bの間には、ガイド面79a及び79bを有する隆起部79が形成されている。ここで、一方のガイド面79aは、タブ部材73が図16(A)に示す記録可位置から図16(B)に示す記録不可位置へ移動するに際して、タブ部材の移動に応じて弾性アーム85の弾性力を漸次増大させる本発明に係る「第1のガイド面」に相当し、他方のガイド面79bは、タブ部材73の移動に応じて弾性アーム85の弾性力を漸次減少させる本発明に係る「第2のガイド面」に相当する。また、タブ部材73が図16(B)に示す記録不可位置から図16(A)に示す記録可位置へ移動するに際して、他方のガイド面79bは、タブ部材73の移動に応じて弾性アーム85bの弾性力を漸次増大させる本発明に係る「第1のガイド面」に相当し、一方のガイド面79aは、タブ部材73の移動に応じて弾性アーム85の弾性力を漸次減少させる本発明に係る「第2のガイド面」に相当する。
なお、ガイド壁76の第2の記録可用係合凹部78aと第2の記録不可用係合凹部78bの間は、タブ部材73のスライド方向にほぼ平行な平坦面となっている。このため、タブ部材73が記録可位置から記録不可位置へ移動する際、弾性アーム86の係合凸部86aが第2の記録可用係合凹部88aを乗り越えた後、第2の記録不可用係合凹部88bに係合するまでの間、弾性アーム86の弾性力はほぼ一定に維持される。タブ部材73が記録不可位置から記録可位置へ移動する際も、同様である。
次に、以上のように構成される本実施形態によるディスクカートリッジ1の作用及び効果について、図17に示す比較例の構成と対比して説明する。
図17は、比較例に係るディスクカートリッジの誤消去防止機構の構成を示す要部平面図である。図17(A)はタブ部材173が記録可位置に位置している状態を示し、図17(B)はタブ部材173が記録不可位置に位置している状態を示している。
この比較例に係る誤消去防止機構は、誤消去防止部材としてのタブ部材173と、このタブ部材173がスライド自在に収納されるタブ収納部172を備えている。タブ収納部172には、タブ部材173のスライド方向に沿ってガイド壁176が形成されている。ガイド壁176の一方の面には、タブ部材173の弾性アーム185,186を記録可位置及び記録不可位置へ位置決めする第1の記録可用係合凹部177a及び第1の記録不可用係合凹部177bがそれぞれ形成されている。同様に、ガイド壁176の他方の面には、タブ部材173の弾性アーム185,86を記録可位置及び記録不可位置へ位置決めする第2の記録可用係合凹部178a及び第2の記録不可用係合凹部178bがそれぞれ形成されている。
図17に示した比較例に係るガイド壁176においては、第1の記録可用係合凹部177aと第1の記録不可用係合凹部177bとの間、及び、第2の記録可用係合凹部178aと第2の記録不可用係合凹部178bとの間がいずれも、タブ部材173のスライド方向に平行な平坦面で形成されている。このため、記録可位置から記録不可位置又は記録不可位置から記録可位置へのタブ部材173の移動に際しては、記録可用係合凹部177a,178aと記録不可用係合凹部177b,178bの間の上記平坦面上における弾性アーム185,186の弾性力はほぼ一定である。したがって、記録可位置と記録不可位置の間の中途位置でタブ部材173に対する操作力が消失した場合、当該中途位置でタブ部材173が停止することが可能となる。この場合、記録再生装置側において、記録可状態か記録不可状態であるかの安定した検出が不可能となり、検出精度の低下による誤消去防止機構の信頼性が損なわれるおそれが生じる。
これに対して、本実施形態のディスクカートリッジ1においては、誤消去防止機構を構成するタブ収納部72に、上述した構成の隆起部79を有するガイド壁76が形成されている。したがって、タブ部材73が記録可位置から記録不可位置へ移動する過程において、第1の弾性アーム85の復元力によって、ガイド面79aを通過するときは元の記録可位置へ押し戻される方向の力を受け、ガイド面79bを通過するときは移動先である記録不可位置へ押し進められる方向の力を受ける。一方、タブ部材73が記録不可位置から記録可位置へ移動する過程において、第1の弾性アーム85の復元力によって、ガイド面79bを通過するときは元の記録不可位置へ押し戻される方向の力を受け、ガイド面79aを通過するときは移動先である記録可位置へ押し進められる方向の力を受ける。
本実施形態によれば、例えばディスクカートリッジ1に落下衝撃等の外力が作用してタブ部材73がカートリッジケース2に対して相対移動したとしても、隆起部79のガイド面79a又はガイド面79bの作用によってタブ部材73を記録可位置又は記録不可位置に復帰させることが可能となる。また、記録可位置と記録不可位置との間でタブ部材73が停止することを抑制できる。このため、記録可否の検出精度を高めて、ディスクカートリッジ1の誤消去防止機構の信頼性を確保することが可能となる。
また、本実施形態によれば、タブ部材73の記録可位置と記録不可位置との間に上記構成の隆起部79を形成したことにより、記録可位置から記録不可位置、及び記録不可位置から記録可位置へタブ部材73を円滑に移動させることが可能となる。これによりタブ部材73の操作性を改善することが可能となる。
さらに、一方のガイド面79aと他方のガイド面79bが連続して形成されているので、これらの境界部でタブ部材73が停止することを防止することができる。また、各ガイド面79a,79bの境界部が記録可位置と記録不可位置の間のちょうど中間に位置しているので、タブ部材73が記録可位置に位置している場合と記録不可位置に位置している場合とにおいて、それぞれ同等の安定性をもって位置決め精度を維持することができる。また、記録可位置から記録不可位置へのタブ部材73の操作力と記録不可位置から記録可位置へのタブ部材73の操作力あるいは操作性を同等とすることができる。
加えて、これらのガイド面79a,79bが直線的な傾斜面で形成されているので、タブ部材73の操作力をユーザに確実に伝達させて、操作性の向上に寄与することが可能となる。
タブ部材73においては、ガイド面79a,79bに接触する第1の弾性アーム85が、ガイド壁76に向かって斜めに延びている。この構成により、弾性アーム85は、初期状態においてタブ部材73のスライド方向に対してガイド壁76側に傾いて延在することになる結果、弾性アーム85の弾性変形時におけるタブ部材73の移動方向に対して垂直な方向への弾性アームの張出し量を低減することが可能となる。
本実施形態では、弾性アーム85の最大変形時に、弾性アーム85がタブ部材73の基体部81から外方へ突出しないように弾性アーム85の長さ及び傾斜角度が設定されている。これにより、タブ収納部72の小型化を図ることができるとともに、カートリッジケース2の設計自由度を高めることが可能となる。弾性アーム85の傾斜角度としては、例えば、弾性アーム85とガイド面79aとがほぼ平行となる角度とすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、タブ収納部72内のガイド壁76の一方の面側に、第1及び第2のガイド面を有する隆起部79を形成した構成について説明したが、ガイド壁の少なくとも一方の面に上記隆起部を形成してもよい。図18は、ガイド壁76の一方の面及び他方の面に隆起部を設けた構成を示している。
図18において、隆起部80は、第2の記録可用係合凹部78aと第2の記録不可用係合凹部78bの間に形成される。そして、図示するタブ部材73の記録可位置から矢印X方向へスライドさせてタブ部材73を記録不可位置へ移動させる場合、一方のガイド面80aは、タブ部材73の移動に応じて弾性アーム86の弾性力を漸次増大させる第1のガイド面として機能し、他方のガイド面80bは、タブ部材73の移動に応じて弾性アーム86の弾性力を漸次減少させる第2のガイド面として機能する。これにより、弾性アーム85,86によるタブ部材73の記録可位置又は記録不可位置への位置決め安定性をより高めることが可能となるので、これら2位置間における移動途中でのタブ部材73の停止を確実に阻止することができる。
また、以上の実施形態では、隆起部79を構成するガイド面79a,79bを直線的な平坦面で構成したが、これに代えて、ガイド面79a,79bを所定の曲率で形成された曲面で形成してもよい。また、ガイド面79aとガイド面79bの境界部は記録可位置と記録不可位置の中間位置に設定する例に限られず、記録可位置側又は記録不可位置側に偏倚した位置に上記境界部を形成してもよい。
さらに、誤消去防止機構70において、図15に示したように、タブ収納部72と操作孔75の間に表示部材90を配置してもよい。この表示部材90は、略矩形状に形成されており、タブ収納部72と操作孔75の間に形成された収納溝91に収納されている。そして、この表示部材90は、タブ部材73が図15(A)に示す記録可位置では操作片83に覆われて外部から視認不可能とされ、図15(B)に示す記録不可位置では操作片85の移動により表示部材90が外部から視認可能とされる。そこで、この表示部材90を赤色等に着色したり、「記録」等の文字を表示したりすることで、ユーザに対してタブ部材73の記録可位置と記録不可位置とを視覚的に認識させることが可能となる。
そして、上述した構成のディスクカートリッジに限られず、略矩形状のカートリッジケースの一側縁に沿って移動することで開口部を開閉する単一のシャッタ部材を備えたディスクカートリッジや、磁気テープが巻装されたテープリールがカートリッジケースの内部で回転可能に収納されたテープカートリッジ等の他の記録媒体カートリッジにおける誤消去防止機構にも、本発明は適用可能である。
本発明の実施形態による記録媒体カートリッジとしてのディスクカートリッジを上シェル側から見た斜視図である。 上記ディスクカートリッジの分解斜視図である。 上記ディスクカートリッジを下シェル側から見た斜視図である。 上記ディスクカートリッジを構成する上シェルの内面側の平面図である。 上記ディスクカートリッジを構成する下シェルの内面側の平面図である。 上記ディスクカートリッジを構成するインナーロータの斜視図である。 上記ディスクカートリッジの断面図である。 上記インナーロータが下シェルの開口部を閉塞する方向へ回動した状態を示す平面図である。 上記インナーロータが下シェルの開口部を開放する方向へ回動した状態を示す平面図である。 上記ディスクカートリッジのシャッタを構成する一対のシャッタ部材の斜視図である。 上記インナーロータの開口部をシャッタ部材が開放している状態を示す斜視図である。 上記インナーロータの開口部をシャッタ部材が閉塞している状態を示す斜視図である。 上記ディスクカートリッジを構成する上シェルの内面に形成されたタブ収納部の平面図である。 上記タブ収納部に収納されるタブ部材の平面図である。 上記タブ収納部に収納されたタブ部材の平面図であり、(A)は記録可位置、(B)は記録不可位置をそれぞれ示している。 上記タブ収納部に形成されたガイド壁とタブ部材の弾性アームとの関係を示す平面図であり、(A)は記録可位置、(B)は記録不可位置をそれぞれ示している。 比較例に係る誤消去防止機構におけるガイド壁及びタブ部材の弾性アームの構成を示す要部の平面図であり、(A)は記録可位置、(B)は記録不可位置をそれぞれ示している。 本発明の実施形態の変形例を示すタブ収納部の要部平面図である。
符号の説明
1・・・ディスクカートリッジ
2・・・カートリッジケース
3・・・光ディスク
4・・・インナーロータ
5a,5b・・・シャッタ部材
6・・・上シェル
7・・・下シェル
7a、7b・・・シェル半体
23・・・第1の開口部
42・・・第2の開口部
70・・・誤消去防止機構
72・・・タブ収納部
73・・・タブ部材
74・・・検出孔
75・・・操作孔
76・・・ガイド壁(ガイド部)
77a・・・第1の記録可用係合凹部
77b・・・第1の記録不可用係合凹部
78a・・・第2の記録可用係合凹部
78b・・・第2の記録不可用係合凹部
79、80・・・隆起部
79a、79b、80a、80b・・・ガイド面
81・・・基体部
82・・・ガイド溝
84・・・検出部
85・・・第1の弾性アーム
85a・・・係合凸部
86・・・第2の弾性アーム
86a・・・係合凸部

Claims (7)

  1. カートリッジケースと、
    前記カートリッジケースの内部に収納された記録媒体と、
    前記記録媒体に対する情報の記録が可能な記録可位置と前記情報の記録が不可能な記録不可位置との間を移動自在であり、前記カートリッジケースに対して弾性的に接触する弾性アームを有するタブ部材と、
    前記カートリッジケースに形成され、前記記録可位置と前記記録不可位置との間における前記タブ部材の移動に応じて前記弾性アームの弾性力を漸次増大させる第1のガイド面と前記弾性アームの弾性力を漸次減少させる第2のガイド面とを有し、前記第1及び第2のガイド面が連続的に形成されたガイド部と
    を具備する記録媒体カートリッジ。
  2. 請求項1に記載の記録媒体カートリッジであって、
    前記弾性アームは、前記ガイド部と接触する係合凸部を先端部に有し、
    前記ガイド部は、前記タブ部材の前記記録可位置で前記係合凸部と係合する第1の係合凹部と、前記タブ部材の前記記録不可位置で前記係合凸部と係合する第2の係合凹部とを有する
    記録媒体カートリッジ。
  3. 請求項2に記載の記録媒体カートリッジであって、
    前記第1のガイド面及び前記第2のガイド面はそれぞれ直線的な傾斜面であり、
    前記弾性アームは、前記ガイド部に向かって斜めに延びている
    記録媒体カートリッジ。
  4. 請求項1に記載の記録媒体カートリッジであって、
    前記ガイド部は、前記記録可位置と前記記録不可位置の中間位置に、前記第1のガイド面と前記第2のガイド面の境界部を有する
    記録媒体カートリッジ。
  5. 請求項1に記載の記録媒体カートリッジであって、
    前記タブ部材は、一対の前記弾性アームを有し、
    前記ガイド壁は、前記一対の弾性アームに挟まれており、且つ、少なくとも一方の面に前記第1及び第2の係合凹部と前記第1及び第2のガイド面とが形成されている
    記録媒体カートリッジ。
  6. 請求項1に記載の記録媒体カートリッジであって、
    前記記録媒体はディスク状記録媒体であり、
    前記カートリッジケースは、前記ディスク状記録媒体の一部を露出させる第1の開口部を有する
    記録媒体カートリッジ。
  7. 請求項6に記載の記録媒体カートリッジであって、
    前記カートリッジケースの内部で回動自在に支持され、前記第1の開口部に対応する第2の開口部を有するインナーロータと、
    前記インナーロータの回動に応じて、前記第1の開口部を閉塞する閉塞位置と前記第1の開口部を開放する開放位置との間を移動自在なシャッタとをさらに具備する
    記録媒体カートリッジ。
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