JP2009210715A - 光源装置並びにそれを用いた光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
複数の発光素子を備える光源と焦点距離の長いコリメータレンズを用いた光源装置の鏡筒内の内面反射を防ぎ、かつ、小型で光量やスポット径ばらつきの小さい光源装置、およびこれを用いた光走査装置と画像形成装置を提供する。
【解決手段】
複数の発光素子を備える光源と、前記光源からの光を透過する光学素子を有する光源装置において、前記光源と光学素子であるコリメータレンズとの間に、開口部を備えた遮光部材を設ける。コリメータレンズの焦点距離をFとし、光源と遮光部材の光軸方向の距離をLとしたとき、L≦F/2を満たす。さらに発光素子の光軸垂直方向の配置幅をT、コリメータレンズの直径をDとしたとき、遮光部材の開口部の直径Sは式(1)を満たす。
S=T+L×D/F … (1)
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタル複写機やレーザプリンタなどの画像形成装置に組み込まれる光走査装置に用いられる光源装置に係り、特に複数の発光素子を備える光源装置に関する。
画像形成装置で安定した印刷品質を得るためには、環境温度等の変化にかかわらず光走査装置からの走査光のスポット位置、スポット径が変化しにくい構成とする必要がある。
走査光学系の倍率を低く設計すると、環境温度が変化した時の光源やコリメータレンズの微小な位置変化の影響を、被走査面上で小さくすることができる。
走査光学系の倍率を低くするには、光走査装置内のコリメータレンズの焦点距離を長くするのが効果的である。しかし、従来と同じ拡がり角を持つ半導体レーザ等の光源を用い、コリメータレンズからの射出ビーム幅が同じ場合、コリメータレンズの焦点距離を長くすると走査に用いられない光が鏡筒内面を反射し、光軸に対し傾斜角度を持った光がコリメータレンズを通って射出される。コリメータレンズの焦点距離が長くなるにつれ、走査に用いない光の比率が大きくなり問題となる。例えば、鏡筒内面の反射光線がコリメータレンズから射出され、所定の光路を通らず感光体上に到達してしまった場合、ゴースト等の画像汚れが発生し印刷品質の低下を招く。
図6は光源装置を用いた光走査装置の概略構成図、図7は光走査装置を用いた画像形成装置の概略構成図である。図7において、感光体18は図示しないモータによって一定の周速度で回転駆動している。感光体18は帯電装置10によって帯電された後、光走査装置11からの光線により露光され、静電潜像が形成され、現像装置12により感光体18上にトナー像が形成される。
印刷用紙13は搬送装置14で搬送される。転写装置15で印刷用紙13の背面にトナーと反対の極性の帯電を行ない、感光体18上のトナー像を印刷用紙13上に転写する。感光体18上の残留トナーは清掃装置16によって除去される。感光体18よりトナー像が転写された印刷用紙13は定着装置17へ搬送される。
定着装置17は、ヒートローラ17aと、加圧ローラ17bとから構成され、印刷用紙13上に保持されたトナー像を印刷用紙13上に定着する。定着処理後、印刷用紙13は画像形成装置の外部に排出されストックされる。
図6において、光源装置20から発した光線21は、副走査方向のみ所定の曲率をもつシリンドリカルレンズ23を通り、回転多面鏡24によって偏向走査され、Fθレンズ25を通り、折り返しミラー28で反射し、図示しない感光体上に結像され静電潜像を作成する。図中の矢印X方向は、光の走査方向(主走査方向)を示している。光走査装置の外形寸法はおよそ400mmとコンパクトに形成されている。
なお、偏向走査された光線の一部は、ミラー26によって光センサ27へ導かれ、そこからの出力信号により、前記光源装置20から発せられる光線の変調を開始する。
図8は、従来例における光源装置20を走査面で切断した縦縦断面図である。この光源装置20は、光源30と光源ホルダ32と光学素子であるコリメータレンズ35とその鏡筒34から構成されている。光源30は溶接またはネジ31により、光源ホルダ32に固定される。鏡筒34は光源30との距離を適正に調整後、ネジ33で突き当て固定される。従来例では遮光板がないので、直接コリメータレンズ35に入射する走査用光線40のほかに、コリメータレンズ35近くの鏡筒の内面反射光の拡がり角が中くらいの光線41や拡がり角が大きい光線42がコリメータレンズ35に入って感光体に到達してしまい、印刷品質の低下を招く。
これを防ぐため、従来の光源装置では構造を工夫したものがある。例えば第一の方式として、半導体レーザの背後光が半導体レーザ内部で反射し射出口から射出され、不要光となって感光材料にかぶり等を生じるのを防ぐため、半導体に密接又は近傍に配置された第1アパーチャを設け、レンズ入射光ビーム径を規定する第2アパーチャを設けている(特許文献1参照)。第二の方式として、コリメータレンズと光源の間に粗面部分を設け、コリメータレンズ近傍の絞り板に鏡筒の内面反射光が入らないようにしている(特許文献2参照)。
特開平6−43374号公報 特開2001−142022号公報
上述した特許文献1の構成では、半導体レーザの正規光ビーム以外の不要光をカットするが、正規光ビーム自体がケーシング内で乱反射して生じる不要光の対策についてはまったく言及されていない。また特許文献2では、絞り板はコリメータレンズ近傍に実装し、絞り板と光源の間の鏡筒内面の所定範囲に粗面部分を設けて鏡筒の内面反射を防止する。この場合、光源素子が複数あると、絞り板を通過する光量、及びコリメータレンズ後のビーム幅が素子によって異なってしまい、被走査面上のスポット径や光量がばらつく。
本発明の目的は、複数の発光素子を備える光源と焦点距離の長いコリメータレンズを用いた光源装置の鏡筒内の内面反射を防ぎ、かつ、小型で光量やスポット径ばらつきの小さい光源装置、及びこれを用いた光走査装置、画像形成装置を提供することである。
前記課題を解決するため、複数の発光素子を備える光源と、前記光源からの光を透過する光学素子とからなる光源装置において、前記光源と光学素子の間に、開口部Aを備えた遮光部材を実装している。
遮光部材は、開口部Aを備えた円盤状であり、光学素子の焦点距離をFとした時、光源と前記光源から前記光学素子方向にF/2の位置の間に実装される。遮光部材の開口部A寸法Sは下記の概略式(1)により決定される。Tは複数光源の光軸垂直方向の配置幅、Lは光源と遮光板の距離、Dは光学素子径、Fは光学素子の焦点距離である。
S=T+L×D/F … (1)
本発明の構成により、光源装置が小型で、かつ、複数の光源からの光量やビーム幅のバラツキの小さい状態で、有害な鏡筒内面反射光を防止できる。このため、光軸に対し角度を持った鏡筒内面反射光による印字不良の可能性を解消できる。
次に本発明の実施形態を図を用いて説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施の形態に限定されることはない。
図1は本発明光源装置の第1の実施例を説明する縦断面図である。本実施例では光源ホルダ32の内部に遮光部材として開口部Aを備えた鏡筒34を設けている。また、光源30には、2つの発光素子36を設けている。なお、本実施例は、発光素子36の数を2つとしているが、3つ以上でもかまわないとする。ここで、光学素子であるコリメータレンズ35の焦点距離をFとしたとき、光源30からコリメータレンズ35の方向へF/2の位置と光源30との間に、前記鏡筒34の開口部Aを設けている。光源ホルダ32の外形寸法は、長さ60mm、直径30mmである。鏡筒34の光入射端部を遮光板形状にし、この位置が光源と光源からF/2の間になるように実装している。遮光板位置がF/2より大きいと、コリメータレンズ35に入射する鏡筒内面反射光を全て遮る場合にコリメータレンズに直接向かう走査光線も遮ってしまい光利用効率が低下するので好ましくない。
また、遮光板の位置については、光源と光源からF/4の間に実装する場合、下記の影響を低減するため、遮光板の位置はF/4からF/2の範囲にすることがより望ましい。すなわち、遮光板に設ける開口部Aの開口は小さくなる傾向にあり開口径の加工誤差の影響が大きくなる。また、光軸垂直方向の位置ずれがあると、開口部Aを通過した後の光束の中心がずれる。さらに、遮光板を光源の直後とする場合、鏡筒34は光軸方向の反射戻り光が、光源30のモニタに入るとオートパワーコントロールに誤作動を与える可能性がある。
なお、発光素子36の光軸垂直方向配置幅をT、光源30と遮光板の距離をL、遮光板開口部Aの径をSとして、Sを式(1)の様に決定する。
S=T+L×D/F … (1)
この遮光板開口部Aの直径Sは、光源30から、直接コリメータレンズ35を通過する光線を遮らない最小の径となる。つまり、この遮光板で光源30とコリメータレンズ35の間で鏡筒内面で1回反射してコリメータレンズ35を通過する光を遮ることができる。例えば、F=50mm、L=25mm、D=7mm、T=1mmとすれば、S=1+25×7/50=4.5となり、S=4.5mmとすればよい。このときの遮光効果を次に説明する。半導体レーザからの光の半値広がり角を主走査方向で8度、副走査方向で30度とすると、レンズを通過する光量は全光量の0.19である。残りの0.81は鏡筒内面等で反射する。本実施例を使用しない場合のレンズ通過光線のコリメート量との光量比を計算する。レンズを通過するまでの反射回数を1回とする。反射率を0.2とした場合の光量P1は次式のようになる。
P1=0.2×0.81=0.162
つまり、レンズからコリメートされた光量が0.19なのに対し、0.162の光が迷光となってしまい、これはコリメートされた光の85%を占めるため問題である。
次に本実施例では、レンズを通過するまでの反射回数を3〜4回とする。反射率を0.2とした場合の光量P3は次式のようになる。
P3=0.2×0.2×0.2×0.81=0.00972
P4=0.2×0.2×0.2×0.2×0.81=0.001944
つまり、レンズからコリメートされた光量が0.19なのに対し、その1〜5%程度を占めるに過ぎず、問題はない。
なお、光源が一次元配列の半導体レーザアレイであり配列方向が概略副走査方向であれば、走査方向のTは数10ミクロン単位でありほぼ0とみなしてよい。その他の条件が上記と同じとすると、25×7/50=3.5となるから、副走査方向4.5mm、走査方向3.5mmの開口部寸法をもつ遮光板とすればよい。図1では遮光板が鏡筒34の入射光側に形成されており、直接コリメータレンズ35に入射する光線40より拡がり角が中くらいの光線41や拡がり角が大きい光線42を遮ることができるから従来例で発生する有害な光線が生じない。
次に本発明の第2の実施例について説明する。図2は、本発明の第2の実施例となる前記光源装置20を走査面で切断した縦断面図である。第2の実施例では、第1の実施例と異なり、遮光板50を光源ホルダ32に実装しているのが特徴である。実装方法は例えば図3の様な円柱状部品の底面に遮光板を設けた遮光部材50を準備し、光源ホルダ32の光線射出側から挿入し、接着などで光源ホルダ32に一体に固定すればよい。第2の実施例の場合、コリメータレンズの焦点距離ばらつきがあっても光源に対する遮光板の光軸方向位置が変わらないので、より正確に鏡筒の内面反射光を遮ることができるという効果がある。遮光板の光軸方向位置や寸法については第1の実施例と同様である。
なお、第1から第2の実施例では、鏡筒内壁で1回だけ反射する光に着目している。一方、第1から第2の実施例を組み合わせて使用したり、遮光板を複数の光軸方向位置に実装すれば、鏡筒内を2回以上複雑に反射する光も遮ることができるから、より完全に有害な光を遮ることができる。
次に本発明の第3の実施例について説明する。図4は前記光源装置20を走査面で切断した縦断面図である。これまで示した実施例と異なり、円錐状の部品を遮光部材70として鏡筒32内に実装している。この、遮光部材70の形状を図5に示す。光源30を頂点とし、コリメータレンズ35を底面とした円錐形状から、頂点を含み頂点からL離れたところまでの円錐部を取り除いて開口部A部を形成した形状としている。この場合、Lをコリメータレンズ35の焦点距離Fの1/2以下とすると、LがF/2以上の場合に比べ、鏡筒内面反射光が何度も鏡筒内を反射してコリメータレンズ35に到達しにくくなる。一方、光源30からコリメータレンズ35へ直接向かう光は、この遮光部材70で遮られない。
図4の遮光部材70は図5の形状とし、LをF/2以下にしている。また、図5と同様に、光源位置に円錐の頂点が来るような位置に遮光部材70を実装している。
なお、円錐の底面径は光源30内の複数の光源素子の配置幅やその実装位置の誤差等を考慮して、コリメータレンズ35の径よりも大きめにすれば、複数の素子の端部に位置する光源からの光であっても、コリメータレンズ35へ向かう光を遮らない。そのため複数の素子間の光量差が生じず、かつ光を有効に使える。
上記遮光部材は光路に面した壁面の表面状態を光が反射しにくくすることで、さらに鏡筒内面反射光量を抑えることができるので、余印字が全く生じない光源装置を提供できる。その具体例としては、黒色塗装あるいはメッキ、または粗面仕上げにすればよい。
本発明の第1の実施例の縦断面図である。 本発明の第2の実施例の縦断面図である。 本発明の第2の実施例における遮光板の斜視図である。 本発明の第3の実施例の縦断面図である。 本発明の第3の実施例における遮光部材の斜視図である。 光源装置を実装する光走査装置の概略構成図である。 光走査装置を用いた画像形成装置の概略構成図である。 従来例の光源装置を示す縦断面図である。
符号の説明
10…帯電装置、11…光走査装置、12…現像装置、13…印刷用紙、15…転写装置、17…定着装置、18…感光体、24…回転多面鏡、30…光源、32…光源ホルダ、34…鏡筒、35…コリメータレンズ、36…発光素子、50…遮光部材、70…遮光部材。

Claims (7)

  1. 発光素子を備える光源と、前記光源からの光を透過する光学素子を有する光源装置において、
    前記光源と光学素子の間に、開口部を備えた遮光部材を設け、前記光学素子の焦点距離をFとし、前記光源と前記遮光部材の光軸方向の距離をLとしたとき、
    L≦F/2であることを特徴とする光源装置。
  2. 請求項1に記載された光源装置において、
    F/4≦L≦F/2であることを特徴とする光源装置。
  3. 請求項1または2に記載された光源装置において、
    前記光源が複数の発光素子からなる半導体レーザアレイであり、前記光学素子がコリメータレンズであることを特徴とする光源装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載された光源装置において、
    前記発光素子の光軸垂直方向の配置幅をTとし、光学素子の直径をDとしたとき、前記遮光部材の開口部の直径Sは式(1)を満たすことを特徴とする光源装置。
    S=T+L×D/F…(1)
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載された光源装置において、
    前記遮光部材は、前記光学素子を底面とし、前記光源を頂点とする円錐形状から、頂点を含む高さがF/2以内の円錐部分を、前記開口部として取り除いた形状とすることを特徴とする光源装置。
  6. 光源装置と、その光源装置からの光線を偏向走査する回転多面鏡とを備えた光走査装置において、前記光源装置が請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載された光源装置であることを特徴とする光走査装置。
  7. 感光体と、帯電装置と、光線走査により記録されるべき画像情報に対応した静電潜像を前記感光体上に形成する光走査装置と、前記静電潜像にトナー像を形成する現像装置と、前記トナー像を印刷用紙上に転写する転写装置と、転写したトナー像を印刷用紙上に定着する定着装置とを備えた画像形成装置において、
    前記光走査装置が請求項6に記載された光走査装置であることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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