JP2009209785A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸気弁の作動角を変化させることができる作動角可変機構、及び、1弁運転(片弁停止運転)と2弁運転とを切換えることができる片弁停止機構、を備える場合に、作動角制御の応答性を適正化する。
【解決手段】 1弁運転のときに、2弁運転のときに比べ、作動角可変機構により作動角を変化させるときの変化速度を大きくし、2倍にする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、内燃機関の可変動弁装置に関する。
特許文献1に記載の可変動弁装置は、吸気弁の作動角(及びリフト量)を連続的に変化させることができる。また、1気筒に2つずつ設けられる吸気弁のうち、一方の吸気弁を閉弁状態に保持し、他方の吸気弁のみを開閉する1弁運転(片弁停止運転)と、両方の吸気弁を開閉する2弁運転とを選択的に切換えることができる。
特開2000−038910号公報
吸気弁の作動角を連続的に変化させることができる可変動弁装置を用いて、吸気弁の作動角を制御して吸入空気量を制御することにより、ノンスロットル運転が可能であり、これにより、ポンプロス低減による燃費向上を図ることができる。
この場合、低負荷域では、小作動角に制御する必要があり、それゆえ、ガス流動が低下して燃焼安定性が悪化する恐れがある。
このため、吸気弁の作動角を連続的に変化させることができるのみならず、1弁運転(片弁停止運転)が可能な可変動弁装置を用い、低負荷域にて、1弁運転(片弁停止運転)を行って、筒内のスワール流を強化することが望ましい。
しかし、吸気弁の作動角で空気量を制御する場合、空気量≒バルブ開口面積となり、1弁運転の場合は、2弁運転に比べて、一定時間での作動角の変化に対し、空気量の変化が略1/2となり、トルクの立ち上がりも略1/2となる。
従って、2弁運転時に合わせて作動角の変化速度を設定すると、1弁運転時にトルクの立ち上がりが遅くなって、応答性(加速レスポンス)の悪化を生じ、逆に1弁運転時に合わせて作動角の変化速度を設定すると、2弁運転時にトルクの立ち上がりが速くなりすぎて、唐突感のあるレスポンスとなる。
本発明は、このような実状に鑑み、1弁運転あるいは2弁運転のいずれであっても最適な応答性が得られるようにすることを目的とする。
このため、本発明では、吸気弁の作動角を変化させることができる作動角可変機構、及び、1弁運転(片弁停止運転)と2弁運転とを切換えることができる片弁停止機構、を備える場合に、1弁運転のときと、2弁運転のときとで、前記作動角可変機構により作動角を変化させるときの変化速度を異ならせ、1弁運転のときに、2弁運転のときに比べ、作動角の変化速度を大きくする構成とする。
本発明によれば、1弁運転のときに、2弁運転のときに比べ、作動角の変化速度を大きくすることで、1弁運転のときと2弁運転のときとで空気量の変化速度を同等にすることができ、同等の応答性を得ることができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3を用いて、本発明の一実施形態における可変動弁機構付き内燃機関について説明する。尚、図1は内燃機関の動弁系の平面図であり、V型6気筒エンジンの片側バンクの3気筒のみを示している。また、便宜上、図1における左側を車両搭載時の車両フロント側、図1における右側を車両搭載時の車両リヤ側とする。
図1に示すように、内燃機関1は、同一気筒に一対の吸気弁2a,2bを有している。吸気弁2aは同一気筒内において相対的にフロント側(図1における左側)に位置するものであり、吸気弁2bは同一気筒内において相対的にリヤ側(図1における右側)に位置するものである。尚、図2は各気筒の一方(フロント側)の吸気弁の可変動弁機構の構成図、図3は各気筒の他方(リヤ側)の吸気弁の可変動弁機構の構成図である。
図1〜図3に示すように、各気筒の一対の吸気弁2a,2bは、それぞれロッカアーム3a,3bを介して、ラッシュアジャスタ4a,4bに連係されている。すなわち、吸気弁2aは、同一気筒の一対のロッカアーム3a,3bのうち相対的にフロント側に位置するロッカアーム3aを介して、同一気筒の一対のラッシュアジャスタ4a,4bのうち相対的にフロント側に位置するラッシュアジャスタ4aに連係されている。一方、吸気弁2bは、同一気筒の一対のロッカアーム3a,3bのうち相対的にリヤ側に位置するロッカアーム3bを介して、同一気筒の一対のラッシュアジャスタ4a,4bのうち相対的にリヤ側に位置するラッシュアジャスタ4bに連係されている。尚、ラッシュアジャスタ4aとラッシュアジャスタ4bとは同一構成であり、ロッカアーム3aとロッカアーム3bとは同一形状となっている。従って、区別する必要のない場合は、吸気弁2、ロッカアーム3、ラッシュアジャスタ4と総称する。
ロッカアーム3は、一端が吸気弁2のバルブステム5に当接し、他端がラッシュアジャスタ4のプランジャ42(詳細は後述)に当接するよう配置されている。また、ロッカアーム3には、後述する可変動弁機構10の揺動カム17が接触するローラ6が回転可能に支持されている。
詳述すると、ロッカアーム3は、吸気弁2のバルブステム5及びラッシュアジャスタ4のプランジャ42によって一方側(図2及び図3における下方側)から支持され、可変動弁機構10の揺動カム17が他方側(図2及び図3における上方側)からローラ6に当接するよう配置されており、実質的には、吸気弁2及びラッシュアジャスタ4と、可変動弁機構10の揺動カム17とによって挟持されている。
この可変動弁機構10は、本出願人が先に提案したものであるが、例えば特開平11−107725号公報等によって公知となっているので、その概要のみを説明する。
可変動弁機構10は、シリンダヘッド11上部の図示しないカムブラケットに回転自在に支持された中空状のカム軸(駆動軸)12と、このカム軸12に、圧入等により固定された偏心カム13と、カム軸12の上方位置に同じカムブラケットに回転自在に支持されると共にカム軸12と平行に配置された制御軸14と、この制御軸14の偏心カム部15に揺動自在に支持されたロッカアーム部材16と、各吸気弁2の上端部に配置されたロッカアーム3に当接する揺動カム17と、を備えている。偏心カム13とロッカアーム部材16とはリンクアーム18によって連係されており、ロッカアーム部材16と揺動カム17とは、リンク部材19によって連係されている。
カム軸12は、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランク軸によって駆動されるものである。
偏心カム13は、円形外周面を有し、該外周面の中心がカム軸12の軸心から所定量だけオフセットしていると共に、この外周面に、リンクアーム18の環状部が回転可能に嵌合している。
ロッカアーム部材16は、略中央部が偏心カム部15によって支持されており、その一端部に、リンクアーム18の延長部が連係していると共に、他端部に、リンク部材19の上端部が連係している。偏心カム部15は、制御軸14の軸心から偏心しており、従って、制御軸14の角度位置に応じてロッカアーム部材16の揺動中心は変化する。
揺動カム17は、カム軸12の外周に嵌合して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部17aに、リンク部材19の下端部が連係している。この揺動カム17の下面には、カム軸12と同心状の円弧をなす基円面20aと、該基円面20aから端部17aへと所定の曲線を描いて延びるカム面20bと、が形成されており、これらの基円面20aならびにカム面20bが、揺動カム17の揺動位置に応じて、ロッカアーム3のローラ6に当接するようになっている。
すなわち、基円面20aはベースサークル区間として、リフト量が0となる区間であり、揺動カム17が揺動してカム面20bがロッカアーム3のローラ6に接触すると、徐々にリフトしていくことになる。尚、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
制御軸14は、一端部に設けられた制御用アクチュエータ(図5参照)によって所定回転角度範囲内で回転するように構成されている。この制御用アクチュエータは、エンジンコントロールユニット(ECU;図5参照)からの制御信号に基づいて制御される。
この可変動弁機構10の作用を説明すると、カム軸12が回転すると、偏心カム13のカム作用によってリンクアーム18が上下動し、これに伴ってロッカアーム部材16が揺動する。このロッカアーム部材16の揺動は、リンク部材19を介して揺動カム17へ伝達され、揺動カム17が揺動する。この揺動カム17のカム作用によって、ロッカアーム3が押圧され、各気筒の吸気弁2a、2bがそれぞれリフトする。
ここで、上記制御用アクチュエータを介して制御軸14の角度が変化すると、ロッカアーム部材16の初期位置が変化し、ひいては揺動カム17の初期揺動位置が変化する。
例えば偏心カム部15が図の上方(図2及び図3における上方)へ位置しているとすると、ロッカアーム部材16は全体として上方(図2及び図3における上方)へ位置し、揺動カム17の端部17aが相対的に上方(図2及び図3における上方)へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム17の初期位置は、そのカム面20bがロッカアーム3から離れる方向に傾く。従って、カム軸12の回転に伴って揺動カム17が揺動した際に、基円面20aが長くロッカアーム3のローラ6に接触し続け、カム面20bがローラ6に接触する期間は短い。従って、リフト量が全体として小さくなり、かつ作動角(開時期から閉時期までの角度範囲)も縮小する。
逆に、偏心カム部15が図の下方(図2及び図3における下方)へ位置しているとすると、ロッカアーム部材16は全体として下方(図2及び図3における下方)へ位置し、揺動カム17の端部17aが相対的に下方(図2及び図3における下方)へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム17の初期位置は、そのカム面20bがロッカアーム3のローラ6に近付く方向に傾く。従って、カム軸12の回転に伴って揺動カム17が揺動した際に、ロッカアーム3のローラ6と接触する部位が基円面20aからカム面20bへと直ちに移行する。従って、リフト量が全体として大きくなり、かつ作動角も拡大する。
このように可変動弁機構10は、上記の偏心カム部15の位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、リフト量並びに作動角を、両者同時に、連続的に拡大、縮小させることができる。特に、このものでは、リフト量・作動角の大小変化に伴い、吸気弁2の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化する。従って、可変動弁機構10は、作動角可変機構をなす。
そして、揺動カム17が回転してロッカアーム3のローラ6を押すことにより、ラッシュアジャスタ4によって支持された部分を支点してロッカアーム3が揺動し、この揺動によって吸気弁2のバルブステム5が押される。ロッカアーム3がバルブステム5を押す力と、吸気弁2の図示しないバルブスプリングの付勢力とに基づいて、吸気弁2は開閉動作する。
同一気筒の一対のラッシュアジャスタ4a、4bには、図1に示すように、一対の油圧通路31a,31bを介してオイルポンプ32(後述)からオイル(油圧)が供給されている。ここで、吸気弁2aに連係するラッシュアジャスタ4aにオイル(油圧)を供給する油圧通路31aには、油圧制御弁としての電磁弁33が介装され、オイルポンプ32が運転されていても、ラッシュアジャスタ4aに対してオイル(油圧)の供給を停止できるように構成されている。一方、吸気弁2bに連係するラッシュアジャスタ4bにオイル(油圧)を供給する油圧通路31bには電磁弁が介装されておらず、オイルポンプ32の運転中には必ずオイル(油圧)が供給される構成となっている。この電磁弁33は、エンジンコントロールユニット(ECU;図5参照)からの制御信号に基づいて制御される。
ラッシュアジャスタ4は、図2及び図3に示すように、内燃機関本体となるシリンダヘッド11に収容保持された有底筒状のボディ41と、ボディ41に摺動可能に収容されたプランジャ42と、プランジャ42内部に形成された第1油室43と、ボディ41の底壁41aとプランジャ42の底壁42aとの間に画成され、プランジャ42の底壁42aに貫通形成されたプランジャ底壁連通路44を介して第1油室43と連通する第2油室45と、第2油室45に配置されボディ41の底壁41aとプランジャ42の底壁42aとによって挟持され、プランジャ42を常にボディ41から突出する方向に付勢するスプリング46と、第1油室43から第2油室45へのオイルの流れを許可し、第2油室45から第1油室43へのオイルの流れを禁止するオイル流通制限手段47と、を有している。プランジャ42は、上部プランジャ部材48aと下部プランジャ部材48bの2部品から構成されている。
尚、ロッカアーム3の他端に当接する上部プランジャ部材48aの先端には貫通穴49が形成されており、第1油室43内のオイルが貫通穴49を通り、上部プランジャ部材48aとロッカアーム3他端との摺動面から外部に流出可能となっている。また、スプリング46のバネ力は、吸気弁2の図示しないバルブスプリングのバネ力よりも十分に弱くなるよう設定されている。
第1油室43には、ボディ41に形成されたボディ穴50と、プランジャ42に形成されたプランジャオイル穴51を介して、油圧供給手段としてのオイルポンプ32から吐出されたオイルが供給されている。このオイルポンプ32は、例えば内燃機関1の運転に伴い駆動されるものである。
オイル流通制限手段47は、第2油室45に配置されたボール状の弁体52と、第2油室45に配置されて、プランジャ底壁連通路44を第2油室45側から閉塞するように弁体52を付勢する弁体付勢スプリング53と、弁体付勢スプリング53を保持するカバー部材54と、から大略構成されている。
このようなラッシュアジャスタ4は、第1油室43にオイルポンプ32からオイル(油圧)が供給されていると、図3に示すように、揺動カム17がロッカアーム3から離れようとすれば、スプリング46が伸びてプランジャ42がボディ41から突出し、ラッシュアジャスタ4の全長が相対的に長くなり、プランジャ42によってロッカアーム3が揺動カム17に押し付けられる。このように、ロッカアーム3が揺動カム17に追従して変位するので、ロッカアーム3のローラ6と揺動カム17の間にクリアランスが生じてしまうことを抑制できる。尚、ラッシュアジャスタ4が長くなる場合には、第2油室45の容積が拡大しようとして第2油室45の圧力が低下し、第2油室45と第1油室43との差圧に基づく差圧力が弁体52に作用する。この差圧力によって弁体52が弁体付勢スプリング53の付勢力に抗してプランジャ底壁連通路44を開放すると第1油室43から第2油室45にオイルが流れる。上記差圧力が弁体付勢スプリング53の付勢力よりも小さくなると、プランジャ底壁連通路44は弁体52により閉塞される。
また、ラッシュアジャスタ4は、第1油室43にオイルポンプ32からオイル(油圧)が供給されていると、揺動カム17によってロッカアーム3が押されれば、その際の力がロッカアーム3を介してプランジャ42に伝達され、プランジャ42がボディ41内に進入しようとする。このとき、プランジャ底壁連通路44は、弁体52によって閉塞されているため第2油室45から第1油室43へのオイルの流れが制限され、第2油室45内のオイルにより、第2油室45の容積を縮小する方向へのプランジャ42の移動、すなわちプランジャ42のボディ41内への進入は制限される。尚、プランジャ42がボディ41内に進入しようとするとき、第2油室45内のオイルが僅かながらボディ41内周面とプランジャ42外周面との間を通ってラッシュアジャスタ4の外部に漏洩するため、それよってプランジャ42がボディ41内に僅かに沈み込むが、こうしたプランジャ42のボディ41内への進入(沈み込み)は、第1油室43にオイルポンプ32からオイルが供給されている状態で揺動カム17がロッカアーム3から離れようとする際のラッシュアジャスタ4の動作を通じて回復される。
一方、ラッシュアジャスタ4は、第1油室43にオイルポンプ32からオイル(油圧)が供給されていないと、第2油室45内のスプリング46の弾性変形によりロッカアーム3の変位が吸収される。ここで、上述したように、スプリング46のバネ力は、吸気弁2のバルブスプリングのバネ力よりも十分に小さいため、ロッカアーム3の変位は、まずスプリング46で吸収され、スプリング46で吸収しきれない分が吸気弁2のバルブステム5に伝達されて吸気弁2を押し開くことになる(図2参照)。
本実施形態においては、可変動弁機構10の制御条件が小リフト・小作動角条件(吸気弁2のリフト・作動角が所定の小リフト・小作動角以下)であったり、吸気弁2のバルブステム5が熱膨張によって僅かに伸びる、といったロッカアーム3の変位が小さい場合には、スプリング46の圧縮変形に伴うプランジャ42のボディ41内への後退によりロッカアーム3の変位が全て吸収され、吸気弁2は開弁しないようにラッシュアジャスタ4が設定されている。つまり、ラッシュアジャスタ4は、第1油室43にオイル(油圧)が供給された状態では、第1油室43にオイル(油圧)が供給されない状態に比べて揺動カム17からロッカアーム3を介して吸気弁2に伝わる動きの量が大きくなるよう構成されている。
そして、本実施形態においては、可変動弁機構10により吸気弁2のリフト・作動角が所定の小リフト・小作動角以下に制御される際に、油圧通路31aに介装された電磁弁33を閉弁するよう制御されている。
電磁弁33が閉弁されることにより、同一気筒の2つのラッシュアジャスタ4a,4bのうち、ラッシュアジャスタ4aにはオイルポンプ32からオイル(油圧)が供給されなくなる。そのため、ラッシュアジャスタ4aと連係する吸気弁2aは、ラッシュアジャスタ4aのスプリング46がロッカアーム3aの変位を全て吸収するため開弁しない。
つまり、本実施形態においては、可変動弁機構(作動角可変機構)10により吸気弁2のリフト・作動角が所定の小リフト・小作動角以下に制御される際に、電磁弁33の閉弁操作により一方のラッシュアジャスタ4aへのオイルの供給を停止することで、吸気弁2a,2bのうち、一方の吸気弁2aを閉弁状態に保持し、他方の吸気弁2bのみを開閉する、1弁運転(片弁停止運転)とすることで、筒内スワールの強化の他、吸入空気量の制御精度の向上、気筒間燃焼圧のバラツキ低減、振動低減などを図ることができる。従って、ラッシュアジャスタ4a及び電磁弁33が片弁停止機構を構成する。
以上説明したように、上記の可変動弁機構10は、制御軸14の制御用アクチュエータの操作により、吸気弁2の作動角を連続的に変化させることができる作動角可変機構の他、電磁弁33の操作により、1気筒に2つずつ設けられる吸気弁2a、2bのうち、一方の吸気弁2aを閉弁状態に保持し、他方の吸気弁2bのみを開閉する1弁運転(片弁停止運転)と、両方の吸気弁2a、2bを開閉する2弁運転とを選択的に切換えることができる片弁停止機構を備えている。
ところで、上記のように吸気弁の作動角を連続的に変化させることができる作動角可変機構を用いて、吸気弁の作動角を制御して吸入空気量を制御することにより、ノンスロットル運転が可能である。すなわち、スロットル弁を用いないか、あるいはスロットル弁を用いるとしても所定の負圧を得るだけとするノンスロットル運転により、ポンプロスを低減し、燃費向上を図ることができる。
この場合、低負荷域では、小作動角に制御する必要があり、それゆえ、ガス流動が低下して燃焼安定性が悪化する恐れがある。
このため、低負荷域では、1弁運転(片弁停止運転)に切換えて、筒内のスワール流を強化する。
しかし、吸気弁の作動角で空気量を制御する場合、空気量≒バルブ開口面積となり、1弁運転の場合は、2弁運転に比べて、一定時間での作動角の変化に対し、空気量の変化が略1/2となり、トルクの立ち上がりも略1/2となる。
図4(a)に、作動角と吸入空気量との関係を示す。これより同じ空気量を変化させる場合、1弁運転時には、2弁運転時に対して、約2倍の作動角変換が必要であることが解る。
更に、図4(b)を参照すると、同じ作動角を変化(Adeg →Bdeg )させた場合に、1弁運転時には、2弁運転時の約半分のバルブ開口面積変化(ΔA)と、同じく約半分の空気量変化(ΔQ)しか得られないことが解る。
これより同時間で同空気量変化(同レスポンス)とするためには、1弁運転時に2弁運転時の約2倍の作動角変化速度とすれば良い。
従って、本発明では、1弁運転のときと、2弁運転のときとで、作動角可変機構により作動角を変化させるときの変化速度を異ならせ、1弁運転のときに、2弁運転のときに比べ、作動角の変化速度を大きくし、より具体的には2倍にする構成とする。
次に具体的な制御について説明する。
図5は可変動弁制御のためのシステム図である。
エンジンコントロールユニット(ECU)50には、エンジン回転数を検出可能なクランク角センサ51、カム軸回転数を検出可能なカム軸センサ52、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ53などから信号が入力されている。
ECU50は、これらの信号に基づいて、エンジンの運転状態を判別し、可変動弁機構(作動角可変機構)10における制御軸14の制御用アクチュエータを制御して、吸気弁2の作動角(及びリフト量)を制御すると共に、片弁停止機構におけるラッシュアジャスタ4aへの油圧通路31aの電磁弁33を制御して、片弁停止を制御(1弁運転と2弁運転とを切換制御)する。同時に、図6及び図7のフローチャートに従って、作動角制御時の作動角の変化速度を制御する。
図6は、作動角制御のための作動角変化速度の設定ルーチンのフローチャートである。
S1では、ノンスロットル運転か否かを判定する。すなわち、運転条件に応じて、作動角可変機構により吸気弁の作動角を制御して吸入空気量を制御するノンスロットル運転と、スロットル弁の開度制御により吸入空気量を制御するスロットル運転とを切換制御する場合に、ノンスロットル運転を行っているか否かを判定する。
ノンスロットル運転を行っている場合は、S2へ進む。
S2では、1弁運転(片弁停止運転)中か否かを判定する。
1弁運転中の場合は、S4へ進み、作動角変化速度ΔDを速くする。具体的には、通常速度SDの2倍値とする(ΔD=2×SD)。
1弁運転中でない場合は、S3へ進み、トルク要求有りか否かを判定する。トルク要求の有無は、アクセル開度APOに基づいて判定し、例えばAPO>4/8であれば、トルク要求有り、APO<4/8であれば、トルク要求無しと判定する。
2弁運転であっても、トルク要求有りの場合は、S4へ進み、作動角変化速度ΔDを速くする。具体的には、通常速度SDの2倍値とする(ΔD=2×SD)。
2弁運転で、かつトルク要求無しの場合は、S5へ進み、作動角変化速度ΔDを遅くする。具体的には、通常速度SDとする(ΔD=1×SD)。
また、ノンスロットル運転を行っていない場合も、S1からS5へ進み、作動角変化速度ΔDを遅くする。具体的には、通常速度SDとする(ΔD=1×SD)。スロットル運転時は、スロットル弁で空気量を制御するので、作動角の変化速度は、従来と同じ固定制御でよいからである。
図7は作動角制御ルーチンのフローチャートである。
S11では、内燃機関の運転条件(機関回転数及び負荷)に基づいて、目標作動角θtを設定する。
S12では、実作動角を検出する位置センサ(図示せず)により、実作動角θrを検出する。
S13では、図6のルーチンにより算出されている作動角変化速度(単位時間当たりの作動角変化量)ΔDを読込む。
S14では、目標作動角θtと実作動角θrとを比較する。
比較の結果、θt>θrの場合は、S15へ進み、実作動角θrを増大させるべく、作動角の制御量(デューティ)DTを作動角変化速度ΔD分増大側に更新する(DT=DT+ΔD)。ここで、1弁運転時は、制御量の増大分ΔTが、2弁運転時の2倍となり、従って、作動角の変化速度(増大速度)が2倍となる。
θt<θrの場合は、S16へ進み、実作動角θrを減少させるべく、作動角の制御量(デューティ)DTを作動角変化速度ΔD分減少側に更新する(DT=DT−ΔD)。ここで、1弁運転時は、制御量の減少分ΔDが、2弁運転時の2倍となり、従って、作動角の変化速度(減少速度)が2倍となる。
これらの後、S17へ進んで、制御用アクチュエータに対し、作動角の制御量DTを出力する。
以上のように、本実施形態では、吸気弁の作動角を実際値から目標値へ変化させる場合に、作動角の制御量(DT)を単位時間又は単位クランク角ごとに所定の微小量(ΔD)ずつ変化させ、この所定の微小量(ΔD)の可変設定により、作動角の変化速度を異ならせるようにしている。
本実施形態によれば、1弁運転(片弁停止運転)のときに、2弁運転のときに比べ、作動角可変機構により作動角を変化させるときの変化速度を大きくし、より具体的には2倍にすることにより、1弁運転のときと2弁運転のときとで空気量の変化速度を同等にすることができ、同等の応答性(レスポンス)を得ることができる。
また、本実施形態によれば、2弁運転のときであっても、アクセル開度から運転者のトルク要求の有無を判定して、トルク要求有りのときは、トルク要求無しのときに比べ、作動角の変化速度を大きくすることにより、更なるレスポンスの向上を得ることができる。尚、アクセル開度に対するトルク要求をテーブル化し、作動角の変化速度も無段階とすれば、更に細かいレスポンス制御も可能となる。
また、本実施形態によれば、作動角可変機構により吸気弁の作動角を制御することで吸入空気量を制御してノンスロットル運転を行うことにより、ポンプロスを低減して燃費向上を図ることができると共に、シリンダへ供給する空気の応答を早くしてレスポンス向上を図ることができる。
そして、この場合に、低負荷域で小作動角とすることで、ガス流動が低下し燃焼が悪化するが、片弁停止を併用することで、ガス流動を強化し、燃焼安定性を確保することができる。また、大量EGRが可能となり、これによっても燃費向上が可能となる。
そして、このように片弁停止を行う場合に、作動角の変化速度を速くすることで、レスポンス性能を成立させることができるのである。
尚、シリンダ内ガス流動強化の方策としては、(1)スワール制御弁やタンブル制御弁によるポートでの流動強化、(2)吸気位相差リフト、(3)吸気マスクヘッドなどもある。しかし、本発明でのガス流動の強化は小作動角時を対象としているので、(1)のようにポート上流でガス流動を強化しても、吸気弁で空気を絞るため筒内のガス流動には影響しない。また、(2)や(3)はいずれも単独での効果は小さく、セットで採用しないと目標の効果は得られない。更に(3)は直噴式内燃機関との組合せでは、噴霧逃げ加工と吸気マスクが干渉し理想的なマスク形状にできない。従って、直噴式内燃機関で成立するマスク形状でガス流動を強化するには、片弁停止が必要で、片弁停止でレスポンス性能を成立させるためには、本発明が必要となるのである。
本発明の一実施形態を示す内燃機関の動弁系の平面図 各気筒の一方の吸気弁の可変動弁機構の構成図 各気筒の他方の吸気弁の可変動弁機構の構成図 作動角と吸入空気量との関係等を示す図 作動角制御及び片弁停止制御のシステム図 作動角制御のための作動角変化速度設定ルーチンのフローチャート 作動角制御ルーチンのフローチャート
符号の説明
1 内燃機関
2 吸気弁
2a フロント側の吸気弁
2b リヤ側の吸気弁
3 ロッカアーム
3a フロント側のロッカアーム
3b リヤ側のロッカアーム
4 ラッシュアジャスタ
4a フロント側のラッシュアジャスタ(片弁停止機構を兼ねる)
4b リヤ側のラッシュアジャスタ
5 バルブステム
6 ローラ
10 可変動弁機構(作動角可変機構)
12 カム軸
13 偏心カム
14 制御軸(作動角可変用)
15 偏心カム部
16 ロッカアーム部材
17 揺動カム
18 リンクアーム
19 リンク部材
31a、31b 油圧通路
32 オイルポンプ
33 電磁弁(片弁停止機構の制御用)
50 ECU
51 クランク角センサ
52 カム軸センサ
53 アクセル開度センサ

Claims (5)

  1. 吸気弁の作動角を変化させることができる作動角可変機構、及び、1気筒に2つずつ設けられる吸気弁のうち、一方の吸気弁を閉弁状態に保持し、他方の吸気弁のみを開閉する1弁運転と、両方の吸気弁を開閉する2弁運転とを切換えることができる片弁停止機構、を備える内燃機関の可変動弁装置において、
    前記1弁運転のときに、前記2弁運転のときに比べ、前記作動角可変機構により作動角を変化させるときの変化速度を大きくすることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記1弁運転のときの作動角の変化速度を、前記2弁運転のときの作動角の変化速度の2倍にすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記2弁運転のときであっても、運転者のトルク要求有りのときは、トルク要求無しのときに比べ、作動角の変化速度を大きくすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記トルク要求の有無はアクセル開度により判定することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 前記内燃機関は、前記作動角可変機構により吸気弁の作動角を制御することで吸入空気量を制御してノンスロットル運転を行うものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の内燃機関の可変動弁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014005756A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Hitachi Automotive Systems Ltd 内燃機関の可変動弁装置

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