JP2009209220A - 樹脂用防曇剤及び防曇性樹脂組成物 - Google Patents

樹脂用防曇剤及び防曇性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】熱安定性が良好である樹脂用防曇剤及び防曇性樹脂組成物、更に詳しくは、熱によるヤケ、焦げの発生を抑制することができるソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル及び前記樹脂用防曇剤を含有する防曇性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(1)アルカリ触媒を用いて製造されるソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルが、アルカリ触媒に対して、1.5〜3モル当量の酸性物質で中和されたものであることを特徴とする樹脂用防曇剤、(2)上記(1)に記載の樹脂用防曇剤を含有することを特徴とする防曇性樹脂組成物、からなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱安定性が良好であり、ヤケ、焦げの発生が抑制された樹脂用防曇剤、及び防曇性樹脂組成物を提供することを目的とする。
ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルは、各種樹脂の防曇剤として幅広く利用されているており、包装用フィルム、特に食品用ラップフィルムや、農業用フィルム等に好適に用いられる。
例えば、メルトフローレートが0.3〜20g/10min、酢酸ビニル残基含量が3〜40重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対して、モノグリセリン脂肪酸エステル(B)0.01〜5重量部、ジグリセリン脂肪酸エステル(C)0.01〜5重量部、ソルビタン脂肪酸エステルとソルビトール脂肪酸エステルの混合物(D)0.05〜5重量部からなる農業被覆用フィルム(特許文献1参照)や、密度が0.920g/cm3以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対し、(A)平均重合度が2〜10のポリグリセリンと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル0.5〜4重量部、且つ(B)炭素数8〜22の脂肪酸のエチレンオキサイド1〜100モル付加物を0.1〜2重量部、および/または(C)ソルビタンと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステルのエチレンオキサイド1〜100モル付加物を0.1〜4重量部含有し、且つ(A)成分と(B)成分と(C)成分を合計量で1〜5重量部含有する樹脂組成物からなる防曇性フィルム(特許文献2参照)が提案されている。
また、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの製造方法としては、水酸基を4個以上有するポリオールと炭素数6〜22の飽和または不飽和脂肪酸の低級アルキルエステルとを、アルカリ触媒の存在下で、グリセリンを共存させてエステル化反応することを特徴とするポリオール脂肪酸エステルの製造方法(特許文献3参照)が提案されている。
しかし、従来のアルカリ触媒を使用して製造したソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルは、アルカリ触媒について、酸性物質を使用し中和を行わないか、或いは行っていても中和度を充分考慮していないため、樹脂の防曇剤として使用した場合、熱安定性が充分でなく、樹脂組成物をフィルム等に成形する際、高温での加工や長期的な連続生産によりヤケ、焦げの発生という問題がありその解決方法が望まれていた。
特開2006−191853号公報 特開2002−20555号公報 特開平8−81414公報
本発明は、熱安定性が良好である樹脂用防曇剤及び防曇性樹脂組成物、更に詳しくは、熱によるヤケ、焦げの発生を抑制することができるソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル及び前記樹脂用防曇剤を含有する防曇性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルに残存するアルカリ触媒を酸性物質で中和することにより、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)アルカリ触媒を用いて製造されるソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルが、アルカリ触媒に対して、1.5〜3モル当量の酸性物質で中和されたものであることを特徴とする樹脂用防曇剤、
(2)上記(1)に記載の樹脂用防曇剤を含有することを特徴とする防曇性樹脂組成物、
からなる。
本発明によれば、熱安定性がよく、ヤケ、焦げの発生抑制に優れた樹脂用防曇剤及び防曇性樹脂組成物を提供することができる。
本発明においてソルビタン脂肪酸エステルは、アルカリ触媒の存在下で、ソルビトール及び/又はソルビトール分子内縮合物と脂肪酸とのエステル化反応生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。
本発明においてポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルは、アルカリ触媒の存在下で、ソルビトール及び/又はソルビトール分子内縮合物にアルキレンオキサイドを付加したものと、脂肪酸とのエステル化反応生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。又、上記したソルビタン脂肪酸エステルに、アルキレンオキサイドを公知の方法で付加したものも含まれる。
ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの原料であるソルビトールとしては、例えば、白色粉末または粒状のD−ソルビトール或いはD−ソルビトールを約50〜70質量%含有するD−ソルビトール液が挙げられる。ソルビトールは分子内脱水により、水1分子の脱水でソルビタンに、水2分子の脱水でソルバイドになる。
ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの原料である脂肪酸としては特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖状または分岐状の飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸が挙げられ、具体的には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、イソステアリン酸、2−エチルヘキシル酸および縮合リシノール酸などが挙げられる。これら脂肪酸は、1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの原料であるアルキレンオキサイドとしては、特に限定されるものではないが、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられ、これらは単独に使用しても良いし2種以上を併用しても良い。また、アルキレンオキサイドの付加量としては、特に限定されるものではないが、ソルビタン脂肪酸エステル1モルに対し約0.1〜20モルであることが望ましい。上記アルキレンオキサイドの付加モル数が20モルを超えると期待される防曇性の効果が不十分になることがある。
本発明に用いられるアルカリ触媒としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の、水酸化物、炭酸塩、酸化物等が好適であり、上記アルカリ触媒の具体例としては、特に制限されるものではないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム等が挙げられ、1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。使用量としては、反応開始時の原料100質量部に対し、約0.01〜1質量部が好適であり、更に好ましくは約0.1〜1質量部である。アルカリ触媒が0.01質量部より少ないと、反応系が不均一となり目的のソルビタン脂肪酸エステルが得られず、1質量部を超えるとエステル化反応中の着色が著しく、使用に耐えない。また、反応中の着色を抑制するために、亜リン酸、次亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸塩等を併用しても良い。
本発明に用いられる酸性物質は、アルカリ剤を中和するものであれば良く、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、乳酸、クエン酸、リン酸等が挙げられるが、特にリン酸が好適である。
本発明である樹脂用防曇剤は、上記ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル製造に使用したアルカリ触媒に対して約1.5〜3モル当量の酸性物質を加えて中和することにより得られ、より好ましくは約2〜3モル当量である。酸性物質の添加量がアルカリ触媒に対して約1.5モル当量より少ないと本発明の効果が十分に発揮できず、約3モル当量を超えると、酸性物質が過剰となり経済的に不利であるだけでなく、逆にヤケ、焦げが発生しやすくなる。中和により発生した塩類は除去してもよく、方法は特に制限されるものではないが、具体例としては、静置分離、遠心分離、ろ過等が挙げられる。
本発明の樹脂用防曇剤には、本発明の効果を損なわない範囲で脂肪酸、アミン、脂肪酸エステル、高級アルコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸エスエル、アミンのアルキレンオキシド付加物等、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミン脂肪酸エステル、などを併用してもよい。
樹脂用防曇剤の製法は、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルと他のものを混合して得られ、混合自体公知の方法を用いて製造される。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物を構成する樹脂としては、特に制限されるものではないが、エチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、含フッ素樹脂等が挙げられ、好ましくはエチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニルが挙げられる。これら樹脂は単独に使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記エチレン系樹脂としては、特に制限されるものではないが、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂等のポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物中の樹脂用防曇剤の含有量は、樹脂100質量部に対し、約0.01〜10質量部、好ましくは約0.1〜4質量部である。0.01質量部より少ないと期待される防曇性能の発現が難しく、10質量部を超えると、フィルム等の成形品に加工した場合、成形品表面への移行が激しく外観を著しく損ねる危険がある。
本発明の樹脂組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、保温剤、滑剤、アンチブロッキング剤、防霧剤、充填剤などを添加することができる。
本発明の樹脂組成物を製造する方法は特に限定されないが、本発明の樹脂用防曇剤をそのまま、樹脂と加熱下で混合することが好ましい。混合手段としては、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、単軸又は二軸押出機、ロールなどの公知の配合機、混合機を使用すればよい。得られた樹脂組成物をフィルム化するには、それ自体公知の方法、例えば、溶融押出し成形法(Tダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー加工、ロール加工、押出成型加工、ブロー成型、インフレーション成型、溶融流延法、加圧成型加工、ペースト加工、粉体成型等の方法を好適に使用することができる
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されない。
<ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの作製>
[実施例1]
ガラス製オートクレーブに70%ソルビトール水溶液(商品名:ソルビトールS;日研化成社製)387.7gとステアリン酸(商品名:アデカ脂肪酸SA−200金;旭電化工業社製)412.3gを入れ、水酸化ナトリウム(商品名:特級 水酸化ナトリウム;キシダ化学社製)1.6gを加えて窒素ガスを0.1L/分で吹き込みながら240℃で4時間反応させた後、130℃まで冷却し85%リン酸(東ソー社製)2.3g(添加した水酸化ナトリウムに対し1.5モル当量)を加えてアルカリ触媒を中和した。さらに30分の静置後下部の分離物を除去し、上澄みにろ過助剤(商品名:ロカヘルプ;三井金属鉱業社製)30gを添加し、ブフナーロート(ろ紙:No.5C;東洋濾紙社製)にて減圧濾過してソルビタン脂肪酸エステル(実施例品1)を約550g得た。
[実施例2]
ガラス製オートクレーブに70%ソルビトール水溶液(商品名:ソルビトールS;日研化成社製)387.7gとステアリン酸(商品名:アデカ脂肪酸SA−200金;旭電化工業社製)412.3gを入れ、水酸化ナトリウム(商品名:特級 水酸化ナトリウム;キシダ化学社製)1.6gを加えて窒素ガスを0.1L/分で吹き込みながら240℃で4時間反応させた後、エチレンオキサイド328g(ソルビトール1モルに対し5モル)を145℃、1時間かけて付加した。続けて130℃まで冷却し85%リン酸(東ソー社製)2.3g(添加した水酸化ナトリウムに対し1.5モル当量)にてアルカリ触媒を中和した。さらに30分の静置後下部の分離物を除去し、上澄みにろ過助剤(商品名:ロカヘルプ;三井金属鉱業社製)30gを添加し、ブフナーロート(ろ紙:No.5C;東洋濾紙社製)にて減圧濾過してエチレンを平均5モル付加したポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(実施例品2)を約900g得た。
[実施例3]
実施例1の製造において、85%リン酸2.3g(添加した水酸化ナトリウムに対し1.5モル当量)を3.1g(添加した水酸化ナトリウムに対し2モル当量)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行ってソルビタン脂肪酸エステル(実施例品3)を約550g得た。
[実施例4]
実施例1の製造において、85%リン酸2.3g(添加した水酸化ナトリウムに対し1.5モル当量)を4.6g(添加した水酸化ナトリウムに対し3モル当量)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行ってソルビタン脂肪酸エステル(実施例品4)を約550g得た。
[実施例5]
実施例1の製造において、反応終了時の冷却温度130℃を100℃にし、85%リン酸(東ソー社製)2.3g(添加した水酸化ナトリウムに対し1.5モル当量)を酢酸(商品名:99%純良酢酸;ダイセル化学工業社製)3.6g(添加した水酸化ナトリウムに対し1.5モル当量)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行ってソルビタン脂肪酸エステル(実施例5品)を約550g得た。
[比較例1]
実施例1の製造において、85%リン酸2.3g(添加した水酸化ナトリウムに対し1.5モル当量)を添加しない以外は、実施例1と同様の操作を行ってソルビタン脂肪酸エステル(比較例品1)を約550g得た。
[比較例2]
実施例2の製造において、85%リン酸2.3g(添加した水酸化ナトリウムに対し1.5モル当量)を添加しない以外は、実施例2と同様の操作を行ってエチレンを平均5モル付加したポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(比較例品2)を約900g得た。
[比較例3]
実施例1の製造において、85%リン酸2.3g(添加した水酸化ナトリウムに対し1.5モル当量)を1.5g(添加した水酸化ナトリウムに対し1モル当量)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行ってソルビタン脂肪酸エステル(比較例品3)を約550g得た。
[比較例4]
実施例1の製造において、85%リン酸2.3g(添加した水酸化ナトリウムに対し1.5モル当量)を6.1g(添加した水酸化ナトリウムに対し4モル当量)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行ってソルビタン脂肪酸エステル(比較例品4)を約550g得た。
<ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルの評価>
実施例、比較例で得られた実施例品1〜5、比較例品1〜4の熱安定性(ヤケ、焦げの発生具合)について、下記評価方法と評価基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
評価方法:
得られた実施例品、比較例品それぞれ15gを直径約10cmのシャーレに入れ、200℃のギヤオーブンで6時間加熱した後、シャーレ底部にヤケ、焦げが発生状況を下記評価基準に従い目視にて確認し熱安定性の評価を行った。
評価基準:
◎:茶褐色のヤケ、黒色の焦げが全く見られない
○:極わずかに茶褐色のヤケ、黒色の焦げが見られる。
△:シャーレの底面1/4以上に茶褐色のヤケ、黒色の焦げが見られる
×:シャーレの底面全体に茶褐色のヤケ、黒色の焦げが見られる。
Figure 2009209220
結果より、比較例品は茶褐色のヤケ、黒色の焦げが発生したが、実施例品では茶褐色のヤケ、黒色の焦げが発生することは無い、又は極わずかであった。
<樹脂組成物の作製:エチレン−酢酸ビニル共重合体>
酢酸ビニル含量が5質量%であり、MFRが2.0g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名:エバテートD−2010F;住友化学社製)100質量部に、実施例品1〜5及び比較例1〜4をそれぞれ2質量部添加し混合した。これをスクリュー温度180℃、ダイス温度180℃にて異方向2軸押出し機(サーモプラスティック工業社製:L/D=20)にて均一に溶融混練し樹脂組成物を調整した後、ペレット化し樹脂組成物品1〜9を得た。
<樹脂組成物の作製:低密度ポリエチレン樹脂>
MFRが2.0g/10分である低密度ポリエチレン(商品名:ノバテックLD400;日本ポリエチレン社製)100質量部に、実施例品4及び比較例3、4をそれぞれ2質量部添加し混合した。これをスクリュー温度200℃、ダイス温度200℃にて異方向2軸押出し機(サーモプラスティック工業社製:L/D=20)にて均一に溶融混練し樹脂組成物を調整した後、ペレット化し樹脂組成物品10〜12を得た。
<樹脂組成物の耐熱性評価>
実施例、比較例で得られた樹脂組成物1〜12をプレス板にはさみ、200℃に温度調整したプレス機にて厚さ1mmとなるようプレス加熱を2時間行った後に冷却した。得られた樹脂組成物の熱安定性(ヤケ、焦げの発生具合)について、下記評価方法と評価基準に基づいて評価した。結果を表2に示す。
評価方法:
得られた樹脂組成物1〜12のヤケ、焦げ発生状況を下記評価基準に従い目視にて確認し熱安定性の評価を行った。
評価基準:
◎:着色が全く見られない
○:ほとんど茶褐色の着色が見られない
△:一部に茶褐色の着色が見られる
×:全体に茶褐色の着色又は一部黒色化が見られる
Figure 2009209220
結果より、比較例品を使用した樹脂組成物6〜9、11、12は一部、又は全体的に茶褐色あるいは黒色の着色が起こった。一方、実施例品を使用した樹脂組成物1〜5、10は着色が全く見られない、又はほとんど着色が見られなかった。
<樹脂フィルムの作製>
上記した樹脂組成物1〜5を使用し、単層インフレーション押出し機(型式:D2020型;東洋精機社製)によりスクリュー温度、ダイス温度190℃にて厚さ0.1mmの単層フィルム(樹脂フィルム1〜5)を作製した。
<樹脂フィルムの防曇性評価方法>
得られた樹脂フィルムの防曇性を下記評価方法、評価基準に従い評価を行った。
評価方法:
1)低温初期、低温持続
上面の傾斜角15°の評価箱上面にフィルムを張り、恒温水槽上に設置し、外気温5℃、水温20℃、で3日後のフィルムの濡れ状態を観察評価した。また、低温持続評価として、展帳後15日後のフィルムの濡れ状態を観察評価した。
2)高温持続
上面の傾斜角15°の評価箱上面にフィルムを張り、恒温水槽上に設置し、外気温20℃、水温50℃で1ケ月後のフィルムの濡れ状態を観察評価した。
評価基準:
◎:水滴付着が殆ど認められない。
○:一部に水滴の付着が認められる。
△:小水滴の付着が目立つ
×:全面に曇り、防曇効果が認められない。
Figure 2009209220
結果より、実施例品の防曇剤を使用した樹脂フィルム1〜5は、各条件において水滴の付着が殆どない、または一部に水滴の付着が認められる程度の良好な防曇性を示した。

Claims (2)

  1. アルカリ触媒を用いて製造されるソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルが、アルカリ触媒に対して、1.5〜3モル当量の酸性物質で中和されたものであることを特徴とする樹脂用防曇剤。
  2. 請求項1に記載の樹脂用防曇剤を含有することを特徴とする防曇性樹脂組成物。
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