JP2009209086A - 粘膜投与型ワクチン - Google Patents

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Abstract

【課題】粘膜、例えば鼻腔粘膜に滞留的に投与することにより、効果的に、ウイルスに特異的な分泌型IgA及び/又はIgG抗体の産生を誘導させる粘膜投与型ワクチンを提供すること、更には、かかるアジュバント作用物資を提供すること。
【解決手段】粘膜投与用のワクチンであって、
(a)病原体由来の不活性化抗原;
(b)アジュバント;及び
(c)増粘剤;
を含むことを特徴とする粘膜投与型ワクチンであり、好ましくはアジュバントが、TLR(Toll-Like Receptor)のリガンドである二本鎖または一本鎖RNAであるPoly(I:C)、キチン、キトサン又はホッキ貝の微粉末であり、粘膜投与、好ましくは鼻腔内粘膜に投与することにより、良好に粘膜上に滞留し、その場でIgA抗体の分泌と、血清中でのIgG抗体応答を得ることを特徴とする粘膜投与型ワクチンである。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘膜、特に呼吸器粘膜、例えば鼻腔粘膜に滞留的に投与することにより、効果的に、ウイルスに特異的な分泌型IgA及び/又はIgG抗体の産生を誘導させる粘膜投与型ワクチンに関する。
最近各種ウイルスによる感染症が問題視されてきている。そのなかでも、現在、世界的に大きな問題となっているウイルスとして、H5N1型トリインフルエンザウイルスがある。
このH5N1型トリインフルエンザウイルス(Avian influenza, bird flu)は、A型インフルエンザウイルスの一種であり、高病原性トリインフルエンザの原因となるウイルスである。もともと鳥から鳥へ感染するウイルスであり、中国や東南アジアでは鶏などの家禽への大量感染が報告されている。
感染力がきわめて高く、鳥類だけでなくヒトにも感染するといわれており、現在においては、ヒトからヒトへは感染しないとされているが、ウイルスが変異して新型のインフルエンザウイルスになる可能性が高く、既に東南アジアでは、ヒトからヒトへの感染の疑いも高まっており、世界保険機構(WHO)は、強い警告を発している。
今までのインフルエンザウイルスは、感染したとしても、呼吸器官の表層における炎症の発生だけであるが、このトリインフルエンザウイルスは血液を介して他の臓器にも炎症を引き起こし、重篤が極めて高い危険性のあるウイルスである。
我が国においても、既にいくつかの養鶏場におけるトリインフルエンザの大量感染がみられ、このウイルスから変異した新型(高病原性)インフルエンザウイルスに対する対策は急務の問題とされている。しかしながら、現在有効な治療用のワクチンは登場してきておらず、さしあたって、抗ウイルス薬であるタミフル等を使って治療するより方策がないが、かかる抗ウイルス薬が、ヒトへの感染性を有するかも知れない高病原性インフルエンザウイルスに対して有効であるか否かは、判明していない。
ところでワクチンは、例えば、未感染の個体におけるウイルスまたは病原菌からの感染を防御する手段に使用するものとして確立したものであり、その方法は、ウイルスまたは病原菌等の病原体由来の不活化抗原であるワクチンを接種し、個体に意図的に抗体を誘導させる方法である。
そのようなものとして、既にインフルエンザワクチン、コレラワクチン、チフスワクチン、種痘ワクチン、BCGワクチン等などが知られている。
そのなかでもインフルエンザ、重症急性呼吸器感染症候群(SARS)等の呼吸器疾患は、呼吸器官からの感染によるものであり、この空気感染によるインフルエンザ等の呼吸器感染症の防御には、粘膜より分泌される特異的IgA抗体が非常に有効であることが知られている。特に型の異なるウイルスに対する交叉防御は、粘膜で分泌されるIgA抗体が主に担っており、インフルエンザウイルスに自然罹患した後に回復したヒトには、このIgA抗体が誘導されており、同亜型の変異型ウイルスの流行に対しても、獲得免疫による感染防御ができているとされている。
したがって、ワクチンの投与により呼吸器粘膜での免疫応答の確立が求められているが、現在用いられているワクチンは皮下注射によるものであり、効果的な粘膜免疫応答が得られず、交叉防御能を有する、より効果的なワクチンの開発が求められているのが現状である。
すなわち、注射型ワクチンは、血中(全身)の免疫能(IgG抗体の産生)を増強するものの、粘膜での免疫能(分泌型IgA抗体の産生)は増強しない。したがって、注射型ワクチンによる血中免疫に期待できる効果は、感染後における症状の重症化の予防でしかなく、粘膜経由による感染自体を防御することは困難である。
そのうえ、インフルエンザウイルスのように、その年その年における様々な流行型がある場合には、ワクチンである病原体由来の不活性化抗原が、感染防御の対象とするインフルエンザの病原体と異なっている場合には、その効果は大きく低下することとなり、全く効果がない事態まで生じている。したがって、現実には、その年に流行するインフルエンザの流行型を見極めてワクチンを製造しているのが現状である。
これに対して、粘膜投与型ワクチンは、対象となる疾患の病原体のタイプをあまり厳密に区別しないのが特徴であり、ワクチンと疾患の流行型が異なっていても、免疫能を獲得できる効果がある。
しかしながら、気道の絨毛、腸管の粘膜層などの粘膜には、外界からの異物の侵入に対する防御機構が備わっており、注射型ワクチンと同じ成分をそのまま粘膜投与しても、十分な免疫獲得の刺激を与えることができない。そのため、本来のワクチン成分以外に、免疫獲得能を増強する物質、すなわちアジュバントと共に粘膜へ投与する粘膜投与型ワクチンの研究が盛んに行われてきている。
本発明者も、かかる観点に立脚した粘膜投与型ワクチンのいくつかを提案してきている(特許文献1〜3)。これまで提案してきている粘膜投与型ワクチンは、ウイルスの不活性抗原のワクチン効果をより完全なものとすることを目的として、ワクチンに対するアジュバント作用を有する物質を同時に効果的に鼻腔内粘膜上に投与するものであり、例えば、液状のワクチンをアジュバント共に霧状に噴霧したり、或いは微粉末状にして噴霧したりするものであり、粘膜上におけるIgA抗体の誘導を確保したものであり、その点で特異的なものである。
しかしながら、ワクチン投与による免疫能をより確実に、且つ効果的に獲得するためには、ワクチンを、アジュバント作用を有する物質と共に、例えば鼻腔内粘膜上に滞留的に投与することが必要である。本発明者が提案している粘膜投与型のワクチンはアジュバント作用物質自体に粘膜滞留性を求めたものであるが、さらに意図的に粘膜滞留性を付与した成分を添加したアジュバント作用物質を用いた粘膜投与型ワクチンは、これまで登場していないのが現状である。
特開2005−082581号公報 特開2007−077073号公報 特願2007−073767
本発明者は、かかる現状を鑑み種々検討を加え、ワクチンに対するアジュバント作用を有する物質として、アジュバント共に呼吸器粘膜への滞留性を有する増粘剤を添加することにより、効果的に粘膜上でのIgA抗体分泌と、血清中におけるIgG抗体応答が得られ、さらに致死量の各種ウイルスに対する感染防御効果が認められることを確認し、本発明を完成させるに至った。
したがって、本発明は、粘膜、好ましくは呼吸器粘膜、例えば鼻腔粘膜に滞留的に投与することにより、効果的に、ウイルスに特異的な分泌型IgA及び/又はIgG抗体の産生を誘導させる粘膜投与型ワクチンを提供すること、更には、かかるアジュバント作用物資を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するための本発明は、その基本的な一態様として、粘膜投与用のワクチンであって、
(a)病原体由来の不活性化抗原、
(b)アジュバント、及び
(c)増粘剤、
を含むことを特徴とする粘膜投与型ワクチンである。
より具体的には、病原体が、水痘ウイルス、麻疹ウイルス、ムンプウイルス、ポリオウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、重症急性呼吸器感染症候群(SARS)ウイルス(コロナウイルスの一種)、ウエストナイルウイルス、ハンタウイルス、デングウイルス、日本脳炎ウイルス、黄熱ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、HIVウイルス、C型肝炎ウイルス、百日咳菌、髄膜炎菌、インフルエンザb型菌、肺炎菌、コレラ菌、マラリア病原体及び眠り病病原体からなる群から選択されるものである粘膜投与型ワクチンであり、最も具体的には、病原体がインフルエンザウイルスである粘膜投与型ワクチンである。
さらに具体的には、本発明は、アジュバントが、TLR(Toll-Like Receptor)のリガンドである二本鎖または一本鎖RNAである粘膜投与型ワクチンであり、より具体的には、二本鎖RNAが、Poly(I:C)であり、好ましくは、Poly(I:C)の分子サイズが300bp以上である粘膜投与型ワクチンである。
また本発明は、アジュバントがキチン、キトサン又はホッキ貝の微粉末である粘膜投与型ワクチンである。
さらにまた、本発明は、具体的には、増粘剤が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、メチルセルロース又はポリアクリル酸ナトリウムからなる群から選択されるものである粘膜投与型ワクチンである。
本発明の上記の粘膜投与型ワクチンは、最も具体的には、粘膜投与用として、特に呼吸器粘膜、より好ましくは鼻腔粘膜に投与される粘膜投与型ワクチンである。
さらにまた本発明は別の態様として、上記の粘膜投与型ワクチンに使用するアジュバントを提供し、具体的には、アジュバント及び増粘剤からなることを特徴とする粘膜投与用ワクチンのためのアジュバントである。
本発明が提供する粘膜投与型ワクチンは、ウイルス由来の不活化抗原、アジュバント及び増粘剤を含有する、好ましくは微粉末状の形態にあるワクチンであり、かかるワクチンを粘膜、特に呼吸器粘膜、例えば鼻腔粘膜に投与することにより、鼻腔粘膜上に増粘剤の作用によりワクチンと共にアジュバントが滞留的に止まり、その結果、各種ウイルスに特異的な呼吸器粘膜組織における分泌型IgA及び/又はIgG抗体の産生が誘導される。
分泌型IgA及び/又はIgG抗体は、外分泌液中の主要な免疫グロブリンであり、粘膜表面の感染防御に役立っている病原菌特異的IgA及び/又はIgG抗体であって、唾液、鼻汁、腸、気管などの分泌液中、あるいは初乳中に多くみられ、また血清中にも存在する。したがって、本発明が提供するワクチンを投与することによりこのIgA及び/又はIgG抗体の産生が効果的に誘導され、ウイルスによる感染を防御するものである。
また、本発明が提供するワクチンは、粉末として簡便に粘膜、特に呼吸器粘膜上に投与し得るものであり、その有用性は多大なものである。
本発明が提供する粘膜投与型ワクチンにおいて、ワクチンのアジュバントとして使用されるPoly(I:C)誘導体は、Toll様レセプター(Toll−like receptor:TLR)のリガンドである2本鎖RNAであり、自然免疫系を刺激するTLRのリガンドとして、病原菌あるいはウイルス等の微生物の攻撃に対する防御免疫獲得能を発揮する。
事実、Poly(I:C)を含むTLRのリガンドである2本鎖RNAが、アジュバントとしてワクチンと共に投与された場合には、そのワクチン能を増強させるのではなく、二本鎖RNAであるPoly(I:C)自体が、種々の病原菌あるいはウイルス等の病原体の攻撃に対する防御免疫能を増強せしめ、特にウイルスまたは病原菌特異的IgA抗体及びIgG抗体を誘導させることによって病原体による感染を防御する。
本発明で使用する二本鎖RNAであるPoly(I:C)は、その分子の大きさとしては、その塩基対(bp)として低〜高サイズの種々のものを用いることが可能であるが、免疫応答に対してより優れた応答を発揮するものは、300bp以上の分子サイズを有することが必要であることが判明した。そのような分子サイズを有するものとして、例えば、100〜1000bpのPoly(I:C)は、東レ株式会社から容易に入手することができる。
アジュバントとしては上記したPoly(I:C)誘導体に限定されるものではなく、アジュバント作用を有する物質であれば、広く本発明の粘膜投与型ワクチンとして使用することができることはいうまでもない。
そのようなアジュバント作用を有する物質として、例えば、キチン、キトサン又はホッキ貝の微粉末等を挙げることができる。
一方、本発明が提供する粘膜投与型ワクチンにより、アジュバントとしてのPoly(I:C)等と共に投与される不活性化抗原であるワクチンとしては、身体中に接種されて、活性な免疫を生成する、通常感染性因子または感染因子のある部分を含む抗原性懸濁液または溶液である。ワクチンを構成する抗原性部分は、一般的には微生物(例えば、ウイルスまたは細菌など)または微生物から精製された天然の産生物、合成生成物または遺伝子操作したタンパク質、ペプチド、多糖または同様な産生物であってもよい。
本発明においては、生ワクチン或いは不活化ワクチンとしては、具体的には、重症急性呼吸器感染症候群(SARS)ウイルス感染症の生ワクチン、インフルエンザの生ワクチン等をあげることができる。
しかしながら、これらに限定されるものではなく、病原体由来の不活性化抗原としてのワクチンを構成する病原体として、水痘ウイルス、麻疹ウイルス、ムンプウイルス、ポリオウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、重症急性呼吸器感染症候群(SARS)ウイルス(コロナウイルスの一種)、ウエストナイルウイルス、ハンタウイルス、デングウイルス、日本脳炎ウイルス、黄熱ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、HIVウイルス、C型肝炎ウイルス、百日咳菌、髄膜炎菌、インフルエンザb型菌、肺炎菌、コレラ菌、マラリア病原体及び眠り病病原体等を挙げることができる。
また、本発明にいう不活化抗原とは、感染能を失わせた抗原をいい、完全ウイルス粒子であるビリオン、不完全ウイルス粒子、ビリオン構成粒子、その翻訳後修飾体、ビリオン非構成タンパク質、その翻訳後修飾体、感染防御抗原、中和反応のエピトープなどを挙げられることができる。不活化は、例えば、物理的(例えば、X線照射、熱、超音波)、化学的(ホルマリン、水銀、アルコール、塩素)などの操作により行うことができる。
本発明が提供する粘膜投与型ワクチンは、アジュバントであるPoly(I:C)誘導体、または他のアジュバントに増粘剤を添加し、投与されるワクチンと共に微粉末状の形態にしたものである。
本発明でアジュバントと共に使用する増粘剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、メチルセルロース又はポリアクリル酸ナトリウム等をあげることができる。
増粘剤としては、上記のものに限定されるものではなく、粘膜上で増粘作用を発揮し、ワクチンをアジュバントと共に粘膜上に滞留させ得るものであれば、どのようなものでも使用することができる。
アジュバントと増粘剤のワクチンに対する使用量は、一概に限定できないが、粘膜投与型ワクチンとして分泌型IgA及び/又はIgG抗体の産生を確保する量のワクチン量に対し、粘膜上への噴霧が可能となり、粘膜上に滞留し得る量を用いればよい。
具体的には、本発明が提供する粘膜投与型ワクチンの投与量として、投与する対象者の年齢、体重、投与方法により一概に限定し得ないが、通常成人1日当たり、経鼻投与の場合には、0.1〜10mg、好ましくは、0.1〜1mg程度であることより、これに対応したアジュバント及び増粘剤の量を使用すればよい。
本発明の粘膜投与型ワクチンの投与は、微粉末を粘膜上に噴霧することにより行うことができる。脊椎動物における粘膜には、消化器、呼吸器、排出器、生殖器などの特に外通性の中腔器官の内壁が含まれる。したがって、本発明の投与形態である粘膜投与としては、例えば、鼻腔投与(経鼻投与)、口腔投与、膣内投与、上気道投与、肺胞投与などをあげることができる。そのなかでも鼻腔内粘膜投与が好まし。鼻腔は特に、インフルエンザウイルスなどによる呼吸器感染症疾患の感染経路の門戸であることから、粘膜投与により分泌型IgA反応を引き起こし、粘膜上皮細胞中に分泌型IgA抗体を産生させることは、呼吸器感染症の防御に結びつくものである。
以下に本発明を、具体的実施例により、さらに詳細に説明する。
実施例1合成二本鎖RNAであるPoly(I:C)のIgA、IgG産生能
合成二本鎖RNAとしてPoly(I:C)をアジュバントとして用いて、増粘剤としてアルギン酸ナトリウムを用いて、また不活化抗原として不活化ウイルスまたはサブユニット抗原の中和抗体惹起能、ひいては抗病原体効果を確認した。
(材料)
マウス:BALB/cマウス(6週齢、雌性)
ウイルス:インフルエンザウイルスH1N1(A/PR8)株(国立感染症研究所(東京)から入手した)。
ワクチン:インフルエンザウイルスH1N1(A/PR8)株H1N1(A/Beijing)株(国立感染症研究所);H1N1((A/Yamagata)株(国立感染症研究所);H3N2(A/Guizou)株(国立感染症研究所);エーテル処理不活化HAワクチン(財団法人 阪大微生物研究会、香川)
アジュバント:ポジティブコントロールとしてCTB*[CTB(コレラ毒素Bサブユニット)、0.1%CT(コレラ毒素)を含む]、Poly(I:C)
増粘剤:アルギン酸ナトリウム
(方法)
6週齢のBALB/cマウス(日本SLC(株)、東京)各群5匹ずつ用いた。PR−8HAワクチン(国立感染症研究所)1μgを、それぞれのアジュバントとしてPoly(I:C)、0.1μg、1μg、3μg、10μg及び増粘剤としてアルギン酸ナトリウムの同量と共に微粉末化し、マウスの鼻に5μLを接種し、その3週間後同量のワクチンを、アジュバントなし、もしくはアジュバント有りのものとして経鼻接種し、さらに2週間後に100pfuのPR8インフルエンザウイルスを片鼻に1.2μLずつ接種し感染を行った。
コントロールとして、PR8HAワクチンのみ、処置なしの群をおいた。
感染3日後に、鼻腔洗浄液、血清を回収し、鼻腔洗浄液中のIgAおよび血清中のIgGをELISA法により、また、鼻腔洗浄液中のウイルス価を、MDCK細胞を用いたプラークアッセイで測定した。
同様の方法で経鼻免疫したマウスに、40LD50の致死量(104.7EIO50(50%の発育鶏卵において免疫性を示すウイルス量の約10000倍量)のインフルエンザウイルスを20μL感染させ、その生存を観察した。
また、Poly(I:C)をアジュバントに用いた経鼻インフルエンザワクチンの交叉防御をみるために、亜型の違うインフルエンザウイルスH1N1(A/PR8)株H1N1(Beijing)株、H1N1(A/Yamagata)株、H3N2(A/Guizou)株のワクチンを、3μgのPoly(I:C)及び同量の増粘剤(アルギン酸ナトリウム)をアジュバントとして用いて経鼻接種し、3週間後ワクチンのみを接種、さらに2週間後に100pfuのPR8インフルエンザウイルスを片鼻1.2μLずつ接種し、感染を行った。感染3日後に鼻腔洗浄液、血清を回収し、鼻腔洗浄液中のIgAおよび血清中のIgGをELISA法により、また、鼻腔洗浄液中のウイルス価を、MDCK細胞を用いたプラークアッセイで測定した。
さらに、Poly(I:C)の中枢神経系への安全性を調べるため、0.25μg、2.5μg、25μgのPoly(I:C)を25μLのPBSに溶解し、二段針を用いて脳内接種を行った。接種後の体重の変化を測定し、また生存を観察した。
なお、対照群として2.5μg、10μg、25μgのCTB*(CTB、0.1%CTを含む)を同様に25μLのPBSに溶解した溶液を脳内に接種した群をおいた。
(結果)
(1)Poly(I:C)をアジュバントに用い、さらに増粘剤を用いた経鼻インフルエンザワクチンによる抗体誘導と感染防御について
Poly(I:C)の粘膜アジュバント能を評価した。6週間前に1μgのPR8ワクチンを0.1μg〜10μgに量を振ったPoly(I:C)及び増粘剤と共に経鼻接種し、さらに2週間前に同量のワクチンを、ワクチンのみ、またはアジュバント/増粘剤と共に経鼻接種した。経鼻粘膜でのIgA抗体応答と、血中IgG応答を表1にまとめた。
Figure 2009209086
Poly(I:C)の用量依存性のアジュバント効果をみるために、Poly(I:C)の量は0.1μgから10μgまで段階的に増やし、それと同量の増粘剤を添加したアジュバント作用をみた。
その結果、表1に示した結果からも判明するように、鼻腔粘膜にIgAの応答のためには、最低で0.1μgのPoly(I:C)を初回免疫時に使用すると応答が認められることが判明した。
鼻腔粘膜に誘導されるIgAの量は、Poly(I:C)の量に依存的であり、Poly(I:C)の量を増やせば増やすほどそのアジュバント効果が認められた。
2回の免疫ともに、Poly(I:C)を用いると、Poly(I:C)1μgの量で鼻腔洗浄液中に100ng/mL以上のIgAの分泌がみられ、初回のみの免疫の場合には3μgのPoly(I:C)添加で、100ng/mL以上の特異的IgA抗体の誘導が認められた。
血清中のIgGの産生も同時に検討したが、その産生は、IgAの分泌に相関するものであり、1μgのPR8ワクチンをPoly(I:C)と共に4週間間隔で2回免疫すると、1.65μg/mLの血中IgGが得られた。
また、同様の免疫条件で2回目の免疫の2週間後に100pfuのPR8ウイルスを、片鼻1.2μLずつ感染を行った場合には、ワクチンを接種しないコントロール群では、鼻腔洗浄液中に10pfu/mL以上のウイルス価に、ウイルス増殖が認められた。
これに対し、Poly(I:C)/増粘剤を併用して経鼻ワクチン接種を2回行った群では、完全にウイルス増殖が抑制されており、また、ワクチン単独で1μg以上を2回免疫した群、ならびに3μg以上のPoly(I:C)を初回免疫時のみ使用した群では、全くウイルス抑制効果は認められなかった。
また、1μg、0.1μgのPoly(I:C)及び同量の増粘剤を初回のみ併用接種した群においても、100.7pfu/mL、101.5pfu/mLと、顕著なウイルスの増殖抑制が認められた。なお、ワクチンのみの2回投与群では、ウイルスの増殖抑制は全く認められなかった。
これらの結果をまとめて表2に示した。
Figure 2009209086
*:p<0.001
なお、アジュバントとしてキチンの微粉末、キトサンの微粉末或いはホッキ貝の微粉末を用いて同様の検討を行った。
その結果、アジュバントとして先に検討したPoly(I:C)と同様に、これらのアジュバント作用物質にもIgA、IgG産生能を高める効果があることが判明した。
(2)Poly(I:C)/増粘剤とワクチンの併用経鼻ワクチン接種による致死量のインフルエンザウイルス感染による肺炎の防御効果について
6週間前に1μgのPR8ワクチンと、Poly(I:C)を10μg、3μgおよび1μg並びに同量の増粘剤(アルギン酸ナトリウム)を併用してアジュバントとして用い、経鼻接種し、2週間前にワクチンのみで追加免疫し、40LD50のPR8ウイルス20μLを感染させ、肺炎の防御能を調べた。
ワクチンを接種しない群では、マウスは1週間以内に前例(5/5)が死亡し、ウイルス感染3日後の肺のウイルス価も10pfu以上であった。
これに対してワクチン接種群では、1μg以上のPoly(I:C)/増粘剤と共に併用接種することで、全マウスは生存していた。この結果を表3に示す。
Figure 2009209086
以上の事実から、Poly(I:C)/増粘剤のアジュバントを用いることにより、感染防御に十分な分泌型IgA抗体を産生しており、粘膜IgA抗体応答を引き出すことが判明した。
なお、同様の試験を、ウイルスとしてハンタウイルス[ハンタウイルス株(国立感染症研究所(東京)から入手)]を用い、ワクチンとしてエーテル不活性化ワクチン(国立感染症研究所から入手)を用い、アジュバントとしてPoly(I:C)、増粘剤としてアルギン酸ナトリウムを用いて行った。
その結果、同様に、感染防御に十分な分泌型IgA抗体を産生しており、粘膜IgA抗体応答を引き出すものであった。
ことが判明した。
さらに、アジュバントとしてキチンの微粉末、キトサンの微粉末或いはホッキ貝の微粉末を用いて同様の検討を行った。
その結果、アジュバントとして先に検討したPoly(I:C)と同様に、これらのアジュバント作用物質を用いた場合であっても、感染防御に十分な分泌型IgA抗体を産生しており、粘膜IgA抗体応答を引き出すものであった。
実施例2Poly(I:C)併用経鼻ワクチンによる交叉防御
Poly(I:C)併用経鼻インフルエンザワクチンにより誘導されるインフルエンザ感染防御について、その交叉防御能について検討を行った。
PR8と亜型の違うインフルエンザウイルス株H1N1(A/Beijing)株、H1N1(Yamagata)株、H3N2(A/Guuzhou)株のワクチンを3μgのPoly(I:C)及び同量の増粘剤(アルギン酸ナトリウム)をアジュバントとして用い初回免疫し、4週後に同じ株のワクチンのみを接種し、さらに2週間後に100pfuのH1N1(A/PR8)株を100pfu感染させ、その3日後に鼻腔洗浄液中のPR8と交叉反応するIgA、血清中のIgGを測定し、またPR8ウイルスの交叉防御について検討した。
それらの結果を表4および表5に示した。
Figure 2009209086
Figure 2009209086
注:二次は、ワクチンのみ。
*:P<0.001
各表中の結果から判明するように、同じ亜型のH1N1(A/beijing)株、H1N1(A/Yamagata)に対しては、IgA、IgG応答ともに認められ、ウイルス感染も完全に抑制していた。
亜型の異なるH3N2(A/Guuzhou)株に対しては、交叉反応するIgA、IgGが少量認められ、ウイルス感染の部分防御がみられた。
以上の事実から、Poly(I:C)/増粘剤をアジュバントとして用いて併用経鼻インフルエンザワクチンにより、交叉防御が確認された。
実施例3不活化ウイルス粒子をPoly(I:C)と併用する経鼻インフルエンザワクチンとして用いた時の予防効果
(材料)
ワクチン:エーテル処理HAワクチン(阪大微研製);ホルマリン不活化全ウイルス粒ワクチン(Inactivated whole particle vaccine)、A/New Caledonia/20/99(H1N1)ウイルス)(阪大微研製)
マウス:BALB/cマウス(6週齢、雌性)
(方法)
A/New Caledonia/20/99(H1N1)ウイルスのホルマリン不活化全ウイルス粒子ワクチン(Inactivated whole particle vaccine)0.1μgを、Poly(I:C)[100−1000bp:東レ]0.1μgと増粘剤(アルギン酸ナトリウム)0.2μgをアジュバントとして用い、併用経鼻インフルエンザワクチンのワクチン成分としてマウス:BALB/cマウス(6週齢、雌性)に投与し、3週間後に同じワクチンを2回目投与した。
その1週間後にマウスの鼻洗浄液と血清中のHAとNAに対する抗体応答を、それぞれ粘膜および全身の防御免疫の指標として測定した。
また、Poly(I:C)に代え、アジュバントとしてキチンの微粉末、キトサンの微粉末或いはホッキ貝の微粉末を用いて同様の検討を行った。
(結果)
それらの結果のうち、アジュバントしてPoly(I:C)を用いた場合の結果を表6に示した。
なお、他のアジュバント用物質についても同様の結果を示すものであった。
Figure 2009209086
表中の結果から判明するように、不活化全ウイルス粒子をPoly(I:C)/増粘剤をアジュバントとして用い、インフルエンザワクチンのワクチン成分として用いたときも、粘膜の防御免疫および全身の防御免疫が高められていた。
しかも、ワクチンと、Poly(I:C)/増粘剤をそれぞれ0.1μg/0.2μgで用いたときであっても、spilit−product vaccineをCTB*と併用して安全なウイルス感染阻止が予測されるアジュバント活性の陽性対照群と同等の応答を示した。
さらにこれらの応答は、spilit−product vaccineをPoly(I:C)と共に用いた場合よりも高かった。
以上の事実から、spilit−product vaccineのみならず、他の形態のワクチンを使用した場合でも、Poly(I:C)/増粘剤の併用経鼻ワクチンの有用性が確認された。
実施例4Poly(I:C)の分子の大きさの確認
(材料)
ウイルス:A/New caledonia/20/99(H1N1)ウイルス
Poly(I:C):
サイズ(L):1〜300bp(Fluka)
サイズ(M):100〜1000bp(東レ)
サイズ(H):>3.3×10bp(Fluka)
Poly(A:U)
増粘剤:アルギン酸ナトリウム
マウス:BALB/cマウス(6週齢、雌性)
(方法)
A/New Caledonia/20/99(H1N1)ウイルスのspilit−product vaccine(0.4μg)を、種々の大きさのPoly(I:C)の0.1μgと増粘剤としてのアルギン酸ナトリウム0.2μgをアジュバントとし、BALB/cマウス(6週齢、雌性)に経鼻投与し、3週間後に同じワクチンを2回目投与した。
その1週間後にマウスの鼻洗浄液と血清中のHAとNAに対する抗体応答を、それぞれ粘膜および全身の防御免疫の指標として測定した。
(結果)
その結果を表7に示した。
Figure 2009209086
表中に示した結果から判明するように、Poly(I:C)の分子の大きさが10〜300bpを用いた実験群では、他の群よりも低い粘膜応答が認められた。したがって、アジュバントとして有用なPoly(I:C)の分子の大きさは、約300bp以上と考えられた。
実施例5Poly(I:C)以外の2本鎖RNAの作用
Poly(I:C)の作用を、他の2本鎖RNAであるPoly(A:U)および単鎖Poly(A,U)と比較した。
(材料)
サブユニット:精製HA
アジュバント:Poly(I:C)、Poly(A:U)、Poly(A,U)
(方法)
A/New Caledonia/20/99(H1N1)ウイルスから経鼻的抗HAモノクローナル抗体結合カラムを用いてHA分子を精製し、その1μgをPoly(A:U)(東レ)及び増粘剤(アルギン酸ナトリウム)2μg、並びに単鎖のPoly(A,U)(東レ)の1μg及び増粘剤(アルギン酸ナトリウム)2μgをアジュバントとし、一緒にBALB/cマウス(6週齢、雌性)に経鼻投与し、3週間後にHAのみ2回目を投与した。その1週間後にマウスの鼻洗浄液および血清中のHAに対する抗体応答をそれぞれ粘膜および全身の防御免疫の指標として測定した。
(結果)
その結果を表8に示した。
Figure 2009209086
表中に示した結果からも判明するように、二本鎖Poly(A:U)および単鎖Poly(A,U)にもアジュバント活性が認められた。Poly(I:C)のアジュバント活性と比べると、二本鎖Poly(A:U)、単鎖Poly(A,U)の順に小さかった。
したがって、Poly(I:C)以外の二本鎖RNAまたは一本鎖RNAにも経鼻インフルエンザワクチンと併用するとアジュバント活性が認められることが判明した。
以上説明したように、本発明が提供する粘膜投与型ワクチンは、ウイルス由来の不活化抗原、アジュバント及び増粘剤を含有するワクチンであり、かかるワクチンを粘膜、例えば鼻腔粘膜に投与することにより、鼻腔粘膜上にワクチンと共にアジュバントが滞留的に止まって、その結果、各種ウイルスに特異的な、粘膜組織における分泌型IgA及び/又はIgG抗体の産生が誘導される。
したがって、本発明が提供するワクチンを投与することによりこのIgA及び/又はIgG抗体の産生が効果的に誘導され、ウイルスによる感染を防御するものである。
また、本発明が提供するワクチンは、粉末として簡便に粘膜上に投与しうるものであり、その有用性は多大なものである。

Claims (16)

  1. 粘膜投与用のワクチンであって、
    (a)病原体由来の不活性化抗原、
    (b)アジュバント、及び
    (c)増粘剤、
    を含むことを特徴とする粘膜投与型ワクチン。
  2. 病原体が、水痘ウイルス、麻疹ウイルス、ムンプウイルス、ポリオウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、重症急性呼吸器感染症候群(SARS)ウイルス(コロナウイルスの一種)、ウエストナイルウイルス、ハンタウイルス、デングウイルス、日本脳炎ウイルス、黄熱ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、HIVウイルス、C型肝炎ウイルス、百日咳菌、髄膜炎菌、インフルエンザb型菌、肺炎菌、コレラ菌、マラリア病原体及び眠り病病原体からなる群から選択されるものである請求項1に記載の粘膜投与型ワクチン。
  3. 病原体がインフルエンザウイルスである請求項1に記載の粘膜投与型ワクチン。
  4. アジュバントが、TLR(Toll-Like Receptor)のリガンドである二本鎖または一本鎖RNAである請求項1に記載の粘膜投与型ワクチン。
  5. 二本鎖RNAが、Poly(I:C)である請求項4に記載の粘膜投与型ワクチン。
  6. Poly(I:C)の分子サイズが300bp以上である請求項5に記載の粘膜投与型ワクチン。
  7. アジュバントが、キチン、キトサン又はホッキ貝の微粉末である請求項1に記載の粘膜投与型ワクチン。
  8. 増粘剤が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、メチルセルロース又はポリアクリル酸ナトリウムからなる群から選択されるものである請求項1に記載の粘膜投与型ワクチン。
  9. 粘膜が呼吸器粘膜である請求項1〜8のいずれかに記載の粘膜投与型ワクチン。
  10. 呼吸器粘膜が、気管支粘膜又は鼻腔粘膜である請求項9に記載の粘膜投与型ワクチン。
  11. アジュバント及び増粘剤からなることを特徴とする粘膜投与用ワクチンのためのアジュバント。
  12. アジュバントが、TLR(Toll-Like Receptor)のリガンドである二本鎖または一本鎖RNAである請求項11に記載のアジュバント。
  13. 二本鎖RNAが、Poly(I:C)である請求項12に記載のアジュバント。
  14. Poly(I:C)の分子サイズが300bp以上である請求項13に記載のアジュバント。
  15. アジュバントがキチン、キトサン又はホッキ貝の微粉末である請求項11に記載のアジュバント。
  16. 増粘剤が、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム、メチルセルロース又はポリアクリル酸ナトリウムからなる群から選択されるものである請求項11に記載のアジュバント。
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