JP2009209008A - 燃料電池用改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気および改質ガスの混合性を更に高めることができる燃料電池用改質装置を提供する。
【解決手段】燃料電池用改質装置1は、改質用燃料原料から改質ガスを生成する改質部2と、混合室81を有する混合部80と、改質部2で生成された改質ガスを混合室81に供給する改質ガス通路を形成する改質ガス通路形成部材61と、酸素含有ガスを混合部80の混合室81に供給する酸素含有ガス通路70を形成する酸素含有ガス通路形成部材と、改質ガスおよび酸素含有ガスのうちの一方を他方に対して衝突させるように方向変換させ改質ガスおよび酸素含有ガスの混合性を高める方向変換部82とを有する。
【選択図】図1

Description


本発明は改質用燃料原料を改質させることにより改質ガスを生成する燃料電池用改質装置に関する。
一般的には、上記した改質装置は、改質用燃料原料から改質ガスを生成する改質部と、改質部で生成された改質ガスに含まれる一酸化炭素をシフト反応により低減させるシフト部と、改質部で生成された改質ガスに含まれる一酸化炭素を酸素と反応させて低減させるCO酸化部とを備えている(特許文献1)。
更に、改質部で生成された改質ガスに含まれる一酸化炭素を酸素と反応させて低減させるCO酸化部と、CO酸化部の上流に設けられ改質ガスと空気とを混合させる混合部とが設けられているCO除去装置が開示されている(特許文献2)。このものによれば、混合部には、オリフィスまたは邪魔板が設けられており、改質ガスと空気との混合性を高めている。
特開2005−108651号公報 特開2007−273176号公報
改質ガスに含まれる一酸化炭素を効率よく低減させるためには、改質ガスおよび酸素含有ガスの混合性を高めることが好ましい。しかしながら上記した技術によれば、改質ガスおよび酸素含有ガスの混合性を高めるためには限界がある。そこで、産業界では、改質ガスおよび酸素含有ガスの混合性を更に高めることが要請されている。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、改質ガスおよび酸素含有ガスの混合性を更に高めることができる燃料電池用改質装置を提供することを課題とする。
本発明に係る燃料電池用改質装置は、改質用燃料原料から改質ガスを生成する改質部と、改質部で生成され一酸化炭素を含む可能性がある改質ガスと酸素含有ガスとが供給される混合室を有する混合部と、改質部で生成された改質ガスを混合室に供給する改質ガス通路を形成する改質ガス通路形成部材と、酸素含有ガスを混合部の混合室に供給する酸素含有ガス通路を形成する酸素含有ガス通路形成部材と、混合室に設けられ、改質ガス通路から供給される改質ガスおよび酸素含有ガス通路から供給される酸素含有ガスのうちの一方を他方に対して衝突させるように方向変換させ、混合室における改質ガスおよび酸素含有ガスの混合性を高める方向変換部とを具備することを特徴とする。
酸素含有ガス通路から酸素含有ガスが混合室に供給される。改質ガス通路から混合室に改質ガスが供給される。方向変換部は、混合室において、改質ガスおよび酸素含有ガスのうちの一方を他方に対して衝突させるように案内する。これにより混合室における改質ガスおよび酸素含有ガスの混合性が高められる。
改質部は、改質用燃料原料から改質ガスを生成する。改質ガスは、燃料電池の燃料極における発電反応に寄与する活物質(例えば水素)を含む(例えば10モル%以上含む)ガスである。改質ガスは一酸化炭素を含む可能性がある。そこで改質ガスから一酸化炭素を除去することが好ましい。従って、混合部の混合室には、改質部で生成された改質ガスと、酸素含有ガスとが供給される。酸素含有ガスは、一酸化炭素を酸化させるための酸素を含むガスであり、空気でもよく、酸素を富化した酸素富化ガスでも良い。
改質ガス通路形成部材は、改質部で生成された改質ガスを混合室に供給する改質ガス通路を形成する。酸素含有ガス通路形成部材は、酸素含有ガスを混合部の混合室に供給する酸素含有ガス通路を形成する。方向変換部は、混合室に設けられており、酸素含有ガス通路から供給される酸素含有ガスおよび改質ガス通路から供給される改質ガスのうちの少なくとも一方を、他方に対して衝突させるように方向変換させる。これにより乱流化が進行し、改質ガスおよび酸素含有ガスの混合性が混合室において高められる。
方向変換部は、改質ガスを酸素含有ガスに対して衝突させるように方向変換させる形態でも良いし、あるいは、酸素含有ガス通路から供給される酸素含有ガスを改質ガスに対して衝突させるように方向変換させる形態でも良い。『衝突』は、正面衝突および側方衝突を含む。上記した方向変換部としては、改質ガスおよび酸素含有ガスの流れ方向に対して傾斜している傾斜部が採用できる。傾斜は、改質部の中心軸線を通る断面で直状(断面直線状)に傾斜していても良いし、中心軸線を通る断面で円弧凸形状に傾斜していても良いし、中心軸線を通る断面で円弧凹形状に傾斜していても良い。
本発明に係る燃料電池用改質装置は、好ましくは、次の態様を含むことができる。
・好ましくは、混合室は所定の軸線の周りを回る形状である。例えば、中心軸線を有するリング形状または円筒形状とされている態様が採用できる。この場合、改質ガス通路は改質ガスを混合室の中心軸線が延設されている方向に沿って流すことができる。
・混合室は中心軸線を有するリング形状または円筒形状とされている態様が採用できる。この場合、酸素含有ガス通路は、酸素含有ガスを混合室の径内方向および径外方向のうちの一方に向けて流す。方向変換部は、改質ガスを混合室の径内方向および径外方向のうちの他方に向けて方向転換させるように流すように、混合室の中心軸線に対して傾斜されている態様が採用できる。これにより混合室において改質ガスおよび酸素含有ガスの混合性が高められる。『径内方向』は外側から内側に向かうことをいう。『径外方向』は内側から外側に向かうことをいう。
・好ましくは、改質装置は、改質部の下流に設けられ改質ガスに含まれる一酸化炭素をH0によるシフト反応で低減させるシフト部と、シフト部の下流に設けられ改質ガスに含まれる一酸化炭素を酸素と反応させて低減させるCO酸化部とを具備する態様を含む。一酸化炭素は酸素と反応して二酸化炭素となる。
・混合部の混合室はシフト部とCO酸化部との間に設けられていることが好ましい。混合室は、改質ガスがCO酸化部に供給される前に、改質ガスおよび酸素含有ガスを混合させる。この場合、改質ガスおよび酸素含有ガスが混合した状態で、CO酸化部に供給される。従って、混合室は、CO酸化部の上流に配置されている。上記した結果、改質ガスがCO酸化部に供給される前に、改質ガスおよび酸素含有ガスの混合性が向上する。従ってCO酸化部におけるCO酸化反応が良好に実施される。
・好ましくは、混合室は、シフト部と混合部とを仕切る仕切部材を用いて形成されている態様が採用できる。この場合、仕切部材を介してシフト部および混合部は隣設される。仕切部材は金属製でもセラミックス製でも良い。
・好ましくは、シフト部は、シフト触媒を担持する触媒担体を収容すると共に改質ガスを流す改質ガス通路を形成する筒体と、筒体の先端部に対向するように筒体の軸直角方向に沿って配置されたガス通過板とを具備している態様が採用できる。この場合、熱膨張により筒体の先端部およびガス通過板が過剰に衝突しないように、微小隙間が筒体の先端部とガス通過板との間に形成されていることが好ましい。この場合、熱膨張が発生したとしても、筒体の先端部およびガス通過板が過剰に衝突することが抑制される。従って、熱膨張に起因する筒体の先端部およびガス通過板の変形が抑制される。『筒体の軸直角方向に沿って』は、筒体の軸直角方向に対して多少傾斜(例えばプラスマイナス20度以内)している場合も含む意味である。
本発明によれば、酸素含有ガス通路から酸素含有ガスが混合室に供給される。改質ガス通路から混合室に改質ガスが供給される。混合室における方向変換部は、改質ガスおよび酸素含有ガスのうちの少なくとも一方を他方に対して衝突させるように案内する。これにより混合室において改質ガスおよび酸素含有ガスの混合性が高められる。この結果、改質ガスに含まれる一酸化炭素と酸素とを反応させて一酸化炭素を低減させるとき、一酸化炭素と酸素とを反応させる反応性を向上させることができる。故に改質ガスに含まれる一酸化炭素の濃度の低減に貢献できる。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について図面を参照して具体的に説明する。本実施形態に係る改質装置は定置用または産業用の燃料電池システムに適用されている。
図1は改質装置1の全体概念を示す。図2および図3は改質装置1の主要部を示す。図1に示すように、改質装置1は、燃焼室20を形成する改質部2と、燃焼室20に挿入され改質部2を加熱する燃焼部25と、蒸発部50と、シフト部60と、CO酸化部53とをもつ。燃焼部25には、燃焼用燃料(または燃料電池のアノードから排出されたアノードオフガス)および燃焼用空気が供給される。改質部2は、鉛直方向に沿った中心軸線P1をもつ筒形状をなしており、改質用燃料(改質用燃料原料)を水蒸気により改質させ、水素を主要成分とする(例えば30モル%以上)改質ガスを生成する。改質用燃料がメタンを含む場合には、下記の(1)式に基づく。
図2に示すように、改質部2は、外通路21と、外通路21に対して内側となるように同軸的に形成された内通路22と、外通路21の上部と内通路22の上部とを繋ぐ折返通路23とを有する。内通路22および外通路21は第2断熱層47で仕切られている。外通路21の下部は改質部2の入口2iとされている。内通路22の下部は改質部2の出口2pとされている。外通路21および内通路22には、改質触媒を担持した触媒担体20aが収容されている。触媒担体20aは粒状とされている。
図2に示すように、改質部2の外周側には、筒形状をなす第1断熱層41が設けられている。第1断熱層41は、改質部2に同軸的な周壁層41aと、改質部2の上部を覆う天井層41cとを有する。天井層41cには中間蓋42が取り付けられている。第1断熱層41の内周面および外周面は、燃焼室20に連通する筒形状をなす第1燃焼通路43および第2燃焼通路44を同軸的にそれぞれ形成する。第2燃焼通路44は、外部に連通する燃焼排ガス通路45に連通する。更に第1断熱層41で区画される第2燃焼通路44の外周側には、改質水を蒸発させる蒸発部50が同軸的に形成されている。蒸発部50は、空間幅が狭い筒形状の空間で形成されている。蒸発部50の下部には、改質水を供給する水入口50iが形成されている。蒸発部50の上部には、改質水を加熱して生成した水蒸気を吐出する水蒸気出口50pが形成されている。このため蒸発部50において水および水蒸気は上向きに流れる。但し、蒸発部50において水および水蒸気を下向きに流すことにしても良い。
蒸発部50の外周側には、筒形状をなす第3断熱層48を介して、筒形状をなすCO酸化部53が同軸的に隣設されている。第3断熱層48は、CO酸化部53の熱が蒸発部50に伝達されることを抑制し、CO酸化部53の温度を確保するのに有効である。CO酸化部53の下部には、後述する混合室81に連通する入口53iが形成されている。CO酸化部53の上部には、燃料電池のアノードに連通する出口53pが形成されている。
図1に示すように、燃焼室20で燃焼された燃焼ガスは、第1燃焼通路43を下降し,第2燃焼通路44を上昇して流れ、燃焼排ガス通路45から外部に向けて排出される。蒸発部50は第2燃焼通路44を流れる燃焼ガスにより加熱される。
更に、図1に示すように、改質装置1は、改質部2の下方に配置された熱交換部54と、熱交換部54の下方に配置されたシフト部60と、シフト部60と熱交換部54との間に配置された電気式のヒータをもつ暖機部55(過剰に低温のとき使用)とを備えている。ここで、改質部2の下流(下方)に熱交換部54が設けられている。熱交換部54の下流(下方)にシフト部60が設けられている。熱交換部54は、互いに熱交換可能な第1熱交換通路54aおよび第2熱交換通路54cを有する。熱交換部54は、燃料原料としての改質用燃料(例えば炭化水素系ガス)を供給する原料入口54iと、蒸発部50で生成された水蒸気が供給される水蒸気入口54kとを有する。
シフト部60は、下記の(2)式に基づいて、水蒸気を利用するシフト反応を促進させ、改質ガスに含まれているCOを低減させる。COシフト部60は、シフト反応を促進させるシフト触媒を有する触媒担体60aを有する。シフト触媒は例えば銅−亜鉛系触媒が採用されるが、これに限定されるものではない。触媒担体60aは粒状をなす。シフト部60は、改質ガスを流す改質ガス通路を形成する改質ガス通路形成部材61を有する。改質ガス通路形成部材61は、内側の第1シフト通路61f(改質ガス通路)を形成する筒体として機能する内筒62と、外側の第2シフト通路61s(改質ガス通路)を形成するように内筒62に対して同軸的に配置された筒体として機能する外筒63と、内筒62の先端部(下端部)側に設けられた円形状をなす第1ガス通過板64と、内筒62の基端部(上端部)側に設けられたリング形状をなす第2ガス通過板65と、外筒63の下面開口および内筒62の下面開口を閉鎖する閉鎖板66とを有する。
第1シフト通路61fおよび第2シフト通路61sは、内筒62で仕切られているため、内筒62は仕切部材として機能する。第1シフト通路61fおよび第2シフト通路61sには、シフト触媒を担持する触媒担体60aが収容されている。
第1ガス通過板64および閉鎖板66は折返通路67を形成し、第1シフト通路61fの改質ガスを矢印E方向にUターンさせて第2シフト通路61sに流す。第1ガス通過板64は、ガス通過性を確保しつつ、シフト触媒を担持する触媒担体60aが落下することを抑制する。第2ガス通過板65は、ガス通過性を確保しつつ、シフト触媒を担持する触媒担体60aが飛散することを抑制する。外筒63には、酸素を含む空気(酸素含有ガス)が供給される空気通路70(酸素含有ガス通路)を形成する第1形成部材71(酸素含有ガス通路形成部材)が設けられている。
CO酸化部53は、シフト部60の下流に配置されており、シフト部60で浄化された改質ガスに含まれているCOを下記の式(3)に基づいて、酸化させて低減させる酸化反応を促進させるものである。このためCO酸化部53は、酸化反応を促進させる酸化触媒を有する触媒担体53aを有する。触媒担体53aは粒状とされている。酸化触媒は例えばルテニウム系、白金系、白金−ルテニウム系等の貴金属触媒が採用されるが、これに限定されるものではない。
式(1)…CH+HO→3H+CO(吸熱反応)
式(2)…CO+HO→H+CO(発熱反応)
式(3)…CO+1/2O→CO(発熱反応)
次に改質装置1を作動させるときについて図1を参照して説明する。この場合、燃焼用空気を燃焼部25に供給すると共に、燃焼用燃料を燃焼部25に供給する。これにより燃焼部25が着火され、燃焼室20において燃料火炎25cが生成される。燃焼用燃料としては気体燃料でも、液体燃料でも、粉化燃料でも良い。具体的には、炭化水素系燃料、アルコール系燃料が採用できる。例えば、炭化水素系の都市ガス、LPG、灯油、メタノール、ジメチルエーテル、ガソリン、バイオガス等が採用できる。燃焼部25により改質部2が改質反応に適するように高温(例えば400〜900℃)に加熱される。改質部2と共に蒸発部50も加熱される。改質用燃料としては気体燃料でも、液体燃料でも良い。具体的には、炭化水素系燃料、アルコール系燃料が採用できる。例えば、炭化水素系の都市ガス、LPG、灯油、メタノール、ジメチルエーテル、ガソリン、バイオガス等が採用できる。
改質部2が適温領域にされたら、改質水(改質反応前の水)が蒸発部50の水入口50iに供給される。改質水は蒸発部50において加熱されて水蒸気化される。生成された水蒸気は、蒸発部50を上昇し、蒸発部50の水蒸気出口50pから水蒸気通路75を経て熱交換部54の水蒸気入口54kを介して合流域56に到達する。これに対して、改質用燃料(燃料原料)は熱交換部54の原料入口54iから熱交換部54の合流域56に供給される。これにより合流域56において、改質用燃料と水蒸気とが合流して混合される。合流した混合流体が熱交換部54の低温側の第1熱交換通路54aを流れて改質部2の外通路21の入口2iに至る。このとき改質部2の内通路22の出口2pから吐出された高温の改質ガスは、熱交換部54の第2熱交換通路54cを流れる。このため相対的に高温の改質ガスと、改質ガスよりも相対的に低温の混合流体とは互いに熱交換される。従って、改質反応前の混合流体が予熱される。混合流体は改質部2の外通路21に流入して矢印A方向(図2参照)に流れ、折返通路23をUターンして内通路22に流入して矢印B方向(図2参照)に流れる。このとき水蒸気および改質用燃料が混合した混合流体は、上記した(1)に示す改質反応により、水素リッチ(30モル%以上)な改質ガスとなる。この改質ガスは一酸化炭素を含む可能性がある。
更に、改質反応を経た高温の改質ガスは、改質部2の内通路22の出口2pから熱交換部54に矢印C方向(図2参照)に流入する。即ち、高温の改質ガスは、熱交換部54の高温側の第2熱交換通路54cを通過することにより、低温側の第1熱交換通路54aの混合流体を加熱する。更に、改質ガスは、暖機部55を経て、シフト部60の入口60iからシフト部60の第1シフト通路61fに矢印D方向に流入する。シフト部60においては、上記した式(2)に示すように、水蒸気を利用したシフト反応が行われる。これにより改質ガスに含まれている一酸化炭素が低減され、改質ガスは浄化される。改質ガスの流れは燃焼ガスの流れと逆方向であり、改質ガスの加熱効率を高めることができ、改質反応に有利である。
更に、シフト部60において浄化された改質ガスは、シフト部60から通路を矢印E,G方向(図4参照)に流れ、混合室81に至る。更に、改質ガスは混合室81を流れ、混合室81の出口81pから通路85を矢印H,I方向(図2参照)に流れ、入口53iからCO酸化部53内に流入する。CO酸化部53においては、改質ガスは矢印J方向(上向き,図2参照)に流れる。CO酸化部53において、上記した式(3)に示すように、酸素を利用した酸化反応(CO+1/2O→CO)が行われる。この結果、改質ガスに含まれているCOが浄化されて更に低減される。このように浄化された改質ガスは、CO酸化部53の出口53pからアノードガスとして、燃料電池の燃料極(アノード)に供給される。カソードガスとして機能する空気は、燃料電池の酸化剤極(カソード)に供給される。これにより燃料電池において発電反応が発生し、電気エネルギが生成される。アノードガスの発電反応後のオフガス(燃料電池のアノードから排出されたガス)は、発電反応が行われなかった水素を含むことがある。このためオフガスは燃焼部25に供給されて燃焼され、燃焼部25の熱源となる。なお、改質装置1の全体は、断熱材料で形成された外殻状をなす被覆層200(図1参照)で被覆されている。
更に本実施形態の改質装置1について、図2を参照して説明を加える。改質装置1は、内周から外周に向かうにつれて、第1筒91、第2筒92、第3筒93、第4筒94、第5筒95、第6筒96、第7筒97、第8筒98および第9筒99を中心軸線P1に対して同軸的に有する。各筒91〜99はほぼ円筒形状をなしており、金属(例えばステンレス鋼)で形成されている。ここで、改質部2は、第1筒91と、第2筒92と、第3筒93と、第4筒94とを同軸的に配置している。第1筒91は有底形状をなしており、底部91cと、底部91cに溶接または取付具で固定された下向きに突出する係合ピン91eとを有する。
図3に示すように、第1筒91の外周面と第2筒92の内周面とで、改質用の触媒担体20aが収容されている筒形状をなす内通路22(触媒通路)が形成されている。第3筒93の外周面と第4筒94の内周面とで、改質用の触媒担体20aが収容されている筒形状をなす外通路21(触媒通路)が形成されている。第4筒94の外周面と第1断熱層41の内周面とで、リング形状または筒形状をなす第1燃焼通路43が形成されている。第5筒95の内周面は第1断熱層41を被覆している。第5筒95の外周面と第6筒96の内周面とで、リング形状をなす第2燃焼通路44が形成されている。第6筒96の上面開口は主蓋49で閉鎖されている。第6筒96の外周面と第7筒97の内周面とで、リング空間状をなす蒸発部50が形成されている。第7筒97の外周面と第8筒98の内周面とで、筒形状をなす第3断熱層48が被覆されている。第8筒98の外周面と第9筒99の内周面とで、筒形状をなすCO酸化部53が形成されている。
図2に示すように、各筒の下方には金属製の主基体86が配置されている。但し主基体86はセラミックス製としても良い。主基体86は、改質部2の外通路21に連通する第1連通孔86fと、改質部2の内通路22に連通する第2連通孔86sとを有する。第3筒93の下端部、第4筒94の下端部、第6筒96の下端部は、金属製の主基体86に溶接等で固定されている。第1筒91の上端部と第4筒94の上端部とには、リング形状の蓋88が溶接等で接合されている。
改質部2の外通路21の下部には、ガス通過性をもつ第1ガス通過部材110が配置されている。第1ガス通過部材110は中心軸線P1に対して同軸的なリング形状をなしており、厚み方向に貫通する多数の通孔110mを有する金属製のパンチングメタルまたは網部材で形成されている。第1ガス通過部材110は、外通路21に収容されている触媒担体20aが落下することを抑制する。主基体86には副基体87が載せられている。副基体87は耐火材または金属で形成されている。副基体87と主基体86とは、改質ガスを通過させるためにガス通過性をもつ主ガス通過部材150が保持されている。主ガス通過部材150は円形状をなしており、改質ガスを通過させるために、厚み方向に貫通する多数の通孔150mを有するパンチングメタルまたは網部材で形成されている。第1筒91の係合ピン91eは、主ガス通過部材150の係合孔150eに挿入されて係合している。これにより組付時において第1筒91の位置決め精度が確保され、第1筒91の同軸性が確保され易くなる。故に、内通路22の通路幅をこれの周方向において均一化させるのに貢献できる。このため内通路22における触媒反応のムラが低減され、改質反応を良好になし得る。係合ピン91e付近、すなわち改質部20の出口2p側の触媒担体20aを高温にでき、改質反応に有利である。
図2および図3に示すように、CO酸化部53のうち下部には、ガス通過性をもつ第2ガス通過部材120が保持されている。CO酸化部53のうち上部には、ガス通過性をもつ第3ガス通過部材130が保持されている。第2ガス通過部材120および第3ガス通過部材130は、中心軸線P1に対して同軸的なリング形状をなしており、厚み方向に貫通する多数の通孔120m,130mを有するパンチングメタルまたは網部材で形成されている。第2ガス通過部材120は、CO酸化部53の触媒担体53aが落下することを抑制する。第3ガス通過部材130は、CO酸化部53の触媒担体53aに対してガス通過性を確保しつつ蓋をしている。CO酸化部53においては、第2ガス通過部材120の下方にリング形状をなす下部空間53dが形成されていると共に、第2ガス通過部材120の上方にリング形状をなす上部空間53uが形成されている。
図2および図3に示すように、第2燃焼通路44には伝熱フィン46が挿入されている。第6筒96の下部には、径内方向に突出する突起96a(係合体)が形成されている。突起96aは、第6筒96の周方向において間隔を隔てて断続的に複数個設けられている。突起96aは、第5筒95と第6筒96との同軸性を高めるのに貢献できる。更に、伝熱フィン46の落下は突起96aにより抑制されている。改質装置1の組付時に、改質装置1を構成する部品が上下逆に配置されることがある。このような場合であっても、中間蓋42のフランジ部42fにより伝熱フィン46の落下が抑制される。
さて本実施形態によれば、図1および図4に示すように、混合室81を有する混合部80が設けられている。混合室81はシフト部60に隣設されつつシフト部60の下流に設けられ、且つ、CO酸化部53の上流に位置している。混合室81の中心軸線は、中心軸線P1と同軸である。混合室81には、改質部2で生成された一酸化炭素を含む可能性がある改質ガス(シフト部60を流れ且つCO酸化部53に供給される前の改質ガス)と、空気通路70の入口70iから空気(酸素含有ガス)とが供給されて混合される。
図4に示すように、混合室81は、中心軸線P1の回りを1周するリング形状または円筒形状の空間をなしている。改質ガス通路としての第2シフト通路61sは、混合室81の軸線(中心軸線P1)に対して延設された通路を形成している。従って、第2シフト通路61s(改質ガス通路)は、第2シフト通路61sが延設されている方向に沿って、つまり矢印G方向(上向き)に沿って、改質ガスを流す。これに対して、酸素含有ガス通路として機能する空気通路70は、空気(酸素含有ガス)を混合室81の中心軸線P1に対して直角方向に沿って径内方向(矢印R方向)に向けて流す。ここで、図4に示すように、混合室81の内周側には方向変換部82が設けられている。方向変換部82は、改質ガス通路としての第2シフト通路61sから供給される改質ガスと、空気とを互いに衝突させるように案内する機能を有する。具体的には、中心軸線P1を通る断面(図1および図4)において、方向変換部82は、中心軸線P1の回りを1周するように設けられており、中心軸線P1に対してほぼ直状(断面直線状)に傾斜されている傾斜面82aを有する。中心軸線P1と平行な方向に対する傾斜面82aの傾斜角θ1は、20〜80度の範囲内、30〜60度の範囲内、あるいは、35〜55度の範囲内とすることができる。
図4に示すように、方向変換部82は、混合室(改質部2)の中心軸線P1に対して傾斜されている。方向変換部82は、重力方向の下方に向かうにつれて縮径するように傾斜している。すなわち方向変換部82は、上方に向かうにつれて拡径するように傾斜している。空気が混合室81に供給されていないとき、方向変換部82は、第2シフト通路61sを矢印G方向(中心軸線P1に沿った方向)に流れる改質ガスを、混合室81において径外方向(矢印S方向)に指向させる。更に、改質ガスが流れていないとき、方向変換部82は、空気通路70を矢印R方向に流れる空気を、混合室81において混合室81の軸線(中心軸線P1)が延設されている方向(図4に示す矢印T方向)に指向させる。
この結果、混合室81において、改質ガスと空気とを互いに対向させて衝突させるように、方向変換部82は改質ガスおよび空気を案内させる。このため、混合室81において改質ガスおよび空気同士が衝突流となり易い。故に、混合室81において乱流化が進行し、混合室81における改質ガスおよび空気同士の混合性を高めることができる。
本実施形態によれば、方向変換部82は、内筒62の基端部62bを径外方向に円錐形状に拡径加工させることにより形成されている。上記したように方向変換部82は内筒62の一部分で形成されているため、別部品を必要とせず、部品の点数を低減できる。上記した内筒62は、シフト部60の第1シフト通路61fと混合部80とを仕切る仕切部材として機能する。混合室81は、シフト部60の第1シフト通路61fと混合部80とを仕切る内筒62(仕切部材)を用いて形成されている。この場合、内筒62(仕切部材)を介してシフト部60の第1シフト通路61fおよび混合部80は隣設されている。図6は、混合状態を平面から視認する概念形態を模式的に示す。図6に示すように、混合室81に供給された改質ガスは、方向変換部82により径外方向(矢印S方向)に指向する。これに対して、空気通路70の入口70iから混合室81に供給される空気は、径内方向(矢印R方向)に向かい、更に方向変換部82に当たると、矢印T方向(図4参照)に指向する。このため、殊に空気通路70の入口70i付近においては、空気と改質ガスとの対向流としての衝突度が高くなる。これにより混合室81における乱流化が促進される。故に、混合室81における空気と改質ガスとの均一混合性が増加する。殊に空気通路70の入口70i付近においては、上記した均一混合性が増加する。
ここで、空気通路70の入口70iは、混合室81において出口81pから最も遠い位置に設けられている。空気通路70の入口70iから混合室81に供給された空気は、混合室81の周方向に沿って流れ、混合室81の出口81pから吐出される。上記したように空気と改質ガスとの混合室81における混合性が向上すれば、空気を含む改質ガスが入口53iからCO酸化部53に供給されたとき、CO酸化部53におけるCO酸化反応を良好に実施することができる。ここで、改質ガス(シフト部通過後のガス)量に対して混合する空気の量が圧倒的に少ないので、両者を均一に混合しにくい。また改質ガスの主要成分は水素であり、空気の主要成分は酸素と窒素であり、両者は比重がかなり異なり、両者を均一に混合しにくい。両者の反応を促進させるためには、均一に混合させることが重要である。上記した混合室81に方向変換部82を形成する構成を採用すれば、混合室81における水素と酸素との均一混合性が向上される。
なお、図6によれば、空気通路70の入口70iが単数である形態を示す。更に図7に示すように、空気通路70の入口70iが混合室81の周方向において複数個設けられている形態でも良い。この場合、空気と改質ガスとの均一混合性が更に増加する。
更に本実施形態によれば、図1に示すように、空気が供給される混合室81はシフト部60に隣設されており、このため、発熱を伴うシフト反応を行うシフト部60を空気(大気)により積極的に冷却させることができる。殊に、空気が供給される混合室81はシフト部60の入口60i(出口60p)に隣設されており、このため、発熱を伴うシフト反応を行うシフト部60の入口60i(出口60p)を空気(大気)により積極的に冷却させることができる。この場合、シフト部60(殊に入口60i)における過剰高温化が抑制される。従って、シフト部60における発熱を伴うシフト反応が損なわれることが抑制され、一酸化炭素を効率よく低減させるのに貢献することができる。
ここで、シフト反応は上記した式(2)(CO+HO→H+CO)に基づく。シフト部60が過剰に高温化されると、上記した発熱を伴うシフト反応の効率が低下する傾向がある。なお、シフト部60の入口60iと出口60pとの間の中間部を空気で冷却させることも考えられるが、CO濃度が高くシフト反応が行われ易い入口60i側を冷却させることは有効である。なお、図4から理解できるように、シフト部60の入口60iにおいて、外周側を流れる改質ガスが方向変換部82の傾斜面82cに当たると、改質ガスは矢印KA方向(図4参照)に中心軸線P1に向けて指向するように案内される。
更に本実施形態によれば、図6に示すように、混合室81は中心軸線P1の回りにリング形状または筒形状に延設されている。故に、混合室81自体を流れる通路距離(入口70iから出口81pまでの通路距離)が確保される。故に、混合室81において空気と改質ガスとを混合させる混合距離を確保でき、空気と改質ガスとを混合性を更に向上させるのに有利となる。
加えて本実施形態によれば、図1に示すように、シフト部60に隣設されている混合部80の混合室81の出口81pからCO酸化部53の入口53iまで延設されている通路85が延設されている。すなわち混合部80の混合室81はCO酸化部53の上流に配置されており、混合室81とCO酸化部53とを繋ぐ通路85の通路距離が存在している。このため、空気を含む改質ガスが通路85を流れるとき、改質ガスと空気とを通路85(CO酸化部53の上流の配管)において拡散などで更に混合させることができ、混合性を更に一層高めることを期待できる。よってCO酸化部53における酸化反応性を向上させるのに有利となる。
更に本実施形態によれば、前述したように、図4に示すように、シフト部60は、シフト触媒を担持する触媒担体60aを収容すると共に改質ガスを流す第1シフト通路61fを形成する内筒62と、シフト触媒を担持する触媒担体60aを収容すると共に改質ガスを流す第2シフト通路61sを形成する外筒63と、内筒62の先端部62cに対向するように内筒62および外筒63の軸直角方向に沿って配置された第1ガス通過板64とを有する。第1ガス通過板64は厚み方向に貫通する通孔64mをもつ。
図5に示すように、隙間幅K1を有する微小隙間68が内筒62の先端部62cと第1ガス通過板64との間に形成されている。これにより内筒62の軸線方向に沿った熱膨張が大きいときであっても、内筒62の先端部62cが第1ガス通過板64が過剰に衝突しないようにされている。従って第1ガス通過板64、内筒62の薄肉化を図りつつ、これらの長寿命化および耐久性が確保される。殊に、多数の通孔64mをもつ第1ガス通過板64の変形が抑制される。
(実施形態2)
図8は実施形態2を示す。本実施例は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を示す。混合室81において、入口70iから出口81pにかけて、複数のピン状をなす突起81mが突設されている。空気および改質ガスが混合室81の出口81pに向けて周方向に流れるにあたり、突起81mに当たり、ガス速度によっては、カルマン渦を生成させることを期待できる。この場合、突起81mは、乱流化促進要素として機能することができる。この場合、均一混合性を向上させる。
(実施形態3)
図9は実施形態3を示す。本実施例は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を示す。但し、内筒62の基端部には、断面で波状をなす蛇腹部で形成された方向変換部82Bが形成されている。断面で、蛇腹部は、互いに異なる向きに傾斜する傾斜面82u,82vを形成するように山部および谷部をもつ。空気通路70から空気は混合室81の径内方向(矢印R方向)に向けて流れる。空気は、混合室81において方向変換部82Bに当たると、方向変換され、乱流化が促進される。改質ガスも同様である。これにより混合室81における改質ガスと空気との混合性が向上する。方向変換部82Bは、空気の乱流化を促進させる乱流化促進要素として機能することができる。
(実施形態4)
図10は実施形態4を示す。本実施例は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を示す。但し、混合部80Cの混合室81Cは、シフト部から分離されており、CO酸化部に繋がる図略の出口を有する。改質ガス通路形成部材61Cは、改質ガスを混合室81の径内方向(矢印RC方向)に向けて混合室81に供給する。方向変換部82Cは混合室81内に傾斜されており、上向きに流れる空気を混合室81の径外方向に向けて方向転換させるように流す。これにより混合室81において改質ガスおよび空気の混合性が高められる。
(その他)
上記した実施形態1では、改質ガスを方向変換部82に当てて混合室81において径外方向に向けて方向変換させているが、これに限らず、改質ガスを方向変換部に当てて混合室において径内方向に向けて方向変換させ、空気と衝突させることにしても良い。この場合、空気を径外方向に指向するように混合室81に供給する。混合室81には空気を供給させているが、これに限らず、酸素ガスを供給させることにしても良い。酸素濃度を濃縮させた酸素富化ガスを供給させることにしても良い。方向変換部82は、重力方向の下方に向かうにつれて縮径するように傾斜しているが、これに限らず、重力方向の上方に向かうにつれて縮径するように傾斜している構造とすることもできる。この場合、下向きに流れる改質ガスが方向変換部に当たり、方向変換される。
実施形態1では、改質部2は内通路21および外通路22の双方を有するが、これに限らず、いずれか一方のみとしても良い。蒸発部50は改質部2と一体的であるが、これに限らず、蒸発部50は改質部2から分離されていても良い。シフト部60が改質部2に一体的に連設されているが、これに限らず、シフト部60は改質部2から分離されていても良い。場合によっては、シフト部60を廃止しても良い。暖機部55は必要に応じて設ければ良い。改質部2がシフト部60の上方に配置されているが、これに限らず、改質部2がCOシフト部60の下方または横方に配置されていても良い。改質部2の上側に燃焼部25が配置されているが、改質部2の下部側に配置されても良い。場合によっては、第1断熱層41,第2断熱層47,第3断熱層48を廃止しても良い。
実施形態1では、改質部2、CO酸化部53および蒸発部50が同軸的に配置されているが、同軸でなくても良く、非同軸タイプでも良い。各触媒は上記したものに限定されるものではない。上記した改質触媒を担持する触媒担体20a、シフト触媒を担持する触媒担体60a、酸化触媒を担持する触媒担体53aは、粒状とされているが、これに限らず、モノリス構造体としても良い。実施形態1では、混合室81にはシフト触媒を担持する触媒担体60aが収容されていないが、場合によっては、収容しても良い。
被覆層200、伝熱フィン46、突起96a、係合ピン91eは、必要に応じて設ければ良い。上記した第1筒91〜第9筒99等に使用されるステンレス鋼はSUS310、SUS304、NCA−1(日新製鋼株式会社,アルミニウム含有の高温酸化用のステンレス鋼)等が例示される。改質装置1に用いられる配管はSUS316Lが例示される。本発明は上記した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。上記した記載から次の技術的思想が把握される。
(付記項1)改質用燃料原料から改質ガスを生成する改質部と、前記改質部の下流に設けられ改質ガスに含まれる一酸化炭素をH0によるシフト反応で低減させるシフト部とを具備しており、前記シフト部は、シフト触媒を担持する触媒担体を収容すると共に前記改質ガスを流す改質ガス通路を形成する筒体と、前記筒体の先端部に対向するように前記筒体の軸直角方向に沿って配置されたガス通過板とを具備しており、熱膨張により前記筒体の前記先端部および前記ガス通過板が過剰に衝突しないように、微小隙間が前記筒体の前記先端部と前記ガス通過板との間に形成されていることを特徴とする燃料電池用改質装置。熱膨張が発生したとしても、筒体の先端部およびガス通過板が過剰に衝突しない。
(付記項2)改質用燃料原料から改質ガスを生成する改質部と、前記改質部で生成され一酸化炭素を含む可能性がある改質ガスと酸素含有ガスとが供給される混合室を有する混合部と、前記改質部で生成された前記改質ガスを前記混合室に供給する改質ガス通路を形成する改質ガス通路形成部材と、前記酸素含有ガスを前記混合部の前記混合室に供給する酸素含有ガス通路を形成する酸素含有ガス通路形成部材と、前記混合室に設けられ、前記酸素含有ガス通路から供給される前記酸素含有ガスおよび前記改質ガス通路から供給される前記改質ガスのうちの少なくとも一方の乱流化を促進させる乱流化促進要素(方向変換部)とを具備することを特徴とする燃料電池用改質装置。乱流化により混合室における酸素含有ガスおよび改質ガスの混合性が向上する。
本発明は燃料電池システムに使用される改質装置に利用することができる。
実施形態1に係り、改質装置を示す断面図である。 実施形態1に係り、改質装置の改質部付近を示す断面図である。 実施形態1に係り、改質装置の改質部付近を拡大して示す断面図である。 実施形態1に係り、改質装置の混合室に隣設するCOシフト部付近を拡大して示す断面図である。 実施形態1に係り、COシフト部の内筒の先端部付近を拡大して示す断面図である。 空気流路の入口が単数設けられているとき、混合室における流れ形態を模式的に示す平面図である。 空気流路の入口が複数設けられているとき、混合室における流れ形態を模式的に示す平面図である。 実施形態2に係り、空気流路の入口が単数設けられているとき、混合室における流れ形態を模式的に示す平面図である。 実施形態3に係り、混合室付近を模式的に示す断面図である。 実施形態4に係り、混合室付近を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1は改質装置、2は改質部、20は燃焼室、21は外通路、22は内通路、25は燃焼部、41は第1断熱層、43は第1燃焼通路、44は第2燃焼通路、46は伝熱フィン、50は蒸発部、53はCO酸化部、54は熱交換部、60はシフト部、61は改質ガス通路形成部材、61fは第1シフト通路(改質ガス通路)、61sは第2シフト通路(改質ガス通路)、62は内筒(筒体,仕切部材)、63は外筒(筒体)、64は第1ガス通過板、65は第2ガス通過板、66は閉鎖板、70は空気通路(酸素含有ガス流路)、71は第1形成部材(酸素含有ガス通路形成部材)、75は水蒸気通路、80は混合部、81は混合室、82は方向変換部、110は第1ガス通過部材、120は第2ガス通過部材、150は主ガス通過部材を示す。

Claims (5)

  1. 改質用燃料原料から改質ガスを生成する改質部と、
    前記改質部で生成され一酸化炭素を含む可能性がある改質ガスと酸素含有ガスとが供給される混合室を有する混合部と、
    前記改質部で生成された前記改質ガスを前記混合室に供給する改質ガス通路を形成する改質ガス通路形成部材と、
    前記酸素含有ガスを前記混合部の前記混合室に供給する酸素含有ガス通路を形成する酸素含有ガス通路形成部材と、
    前記混合室に設けられ、前記酸素含有ガス通路から供給される前記酸素含有ガスおよび前記改質ガス通路から供給される前記改質ガスのうちの一方を他方に対して衝突させるように方向変換させ、前記混合室における前記酸素含有ガスおよび前記改質ガスの混合性を高める方向変換部とを具備することを特徴とする燃料電池用改質装置。
  2. 請求項1において、前記混合室は所定の軸線の回りを回る形状であり、前記酸素含有ガス通路は、前記酸素含有ガスを前記混合室の径内方向および径外方向のうちの一方に向けて流し、
    前記方向変換部は、前記改質ガスを前記混合室の径内方向および径外方向のうちの他方に向けて方向転換させるように流すように、前記混合室の前記中心軸線に対して傾斜されていることを特徴とする燃料電池用改質装置。
  3. 請求項1または2において、前記改質部の下流に設けられ前記改質ガスに含まれる一酸化炭素をH0によるシフト反応で低減させるシフト部と、前記シフト部の下流に設けられ前記改質ガスに含まれる前記一酸化炭素を酸素と反応させて低減させるCO酸化部とを具備しており、
    前記混合部の前記混合室は前記シフト部と前記CO酸化部との間に設けられており、且つ、前記混合部の前記混合室は、前記改質ガスが前記CO酸化部に供給される前に、前記酸素含有ガスおよび前記改質ガスを混合させることを特徴とする燃料電池用改質装置。
  4. 請求項3において、前記混合部は前記シフト部の出口に隣設されており、前記混合室は、前記シフト部と前記混合部とを仕切る仕切部材を用いて形成されていることを特徴とする燃料電池用改質装置。
  5. 請求項3または4において、前記シフト部は、シフト触媒を担持する触媒担体を収容すると共に前記改質ガスを流す改質ガス通路を形成する筒体と、前記筒体の先端部に対向するように前記筒体の軸直角方向に沿って配置されたガス通過板とを具備しており、熱膨張により前記筒体の前記先端部および前記ガス通過板が過剰に衝突しないように、微小隙間が前記筒体の前記先端部と前記ガス通過板との間に形成されていることを特徴とする燃料電池用改質装置。
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