JP2023147445A - 水素生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本開示は、CO除去部下流の流路内において凝縮により発生する結露水が内壁を伝ってCO除去部に流入することによってCO除去触媒が劣化することを抑制しつつ、部品点数削減により組立工数を削減できる水素生成装置を提供する。【解決手段】本開示における水素生成装置は、伝熱緩衝筒が、CO低減部と蒸発部との間に伝熱緩衝空間を形成する部材と、CO除去部と蒸発部との間に伝熱緩衝空間を形成する部材と、空気混合筒と、を兼ねるので、部品点数を削減できる。伝熱緩衝筒は、吹き出し穴の鉛直方向上方かつCO除去部の鉛直方向下方において、第1隔壁に伝熱緩衝筒の一部が密接するように筒を部分的に縮径させた第1絞り部を有し、伝熱緩衝筒における第1絞り部よりも上方の部分は、第1隔壁との間に、第2ヘッダー流路と連通する隙間を空けているので、第1隔壁132に発生した結露水がCO除去部に流入するのを抑制できる。【選択図】図1
Description
本開示は、水素生成装置に関する。
特許文献1は、第1のガス流路(以下、蒸発部)と変成部(以下、CO低減部)との間に、隔壁と隔壁とが互いに間隔を有して対向して形成される伝熱緩衝空間を備える水素生成装置を開示する。
この水素生成装置は、CO低減部と、蒸発部と、混合部と、CO除去部と、CO低減部と蒸発部とを隔てる空間と、を備える。
特許文献2は、空気と変成部(以下、CO低減部)から流出する水素含有ガスとの混合を促進させる空気混合筒の内部において、空気と水素含有ガスとの混合ガスを径方向に旋回させ、混合の促進と蒸発部との熱交換をさせた後に空気混合筒からヘッダー流路へ流出させる水素生成装置を開示する。
この水素生成装置は、蒸発部と、上下を蒸発部外筒に接して構成され空気と水素含有ガスの混合ガスが流れる空気混合筒と、上部に向かうにしたがって空気混合筒の径が小さくなるように傾斜する傾斜部と、傾斜部に円径方向に複数設けられヘッダー流路に斜め上方に流出させる吹き出し孔と、を備える。
本開示は、CO除去部から流出した水素含有ガスが、蒸発部との熱交換で冷却されて、水素含有ガスに含まれる水蒸気が凝縮して、CO除去部の下流側の水素含有ガス流路と蒸発部との間の壁に結露水が発生しても、その結露水がCO除去部に流入して触媒を劣化させることを抑制しつつ、部品点数削減により組立工数を削減できる水素生成装置を提供する。
本開示における水素生成装置は、加熱部と、燃焼筒と、加熱部隔壁と、燃焼排ガス流路と、第1隔壁と、第2隔壁と、伝熱緩衝筒と、蒸発部と、改質部と、CO低減部と、CO除去部と、リターン流路と、伝熱緩衝空間と、区画部材と、空気供給管と、伝熱緩衝空間入口と、吹き出し穴と、第2ヘッダー流路と、水素含有ガス排出口と、を有する。
加熱部は、可燃ガスを燃焼して、燃焼排ガスを排出するように構成されている。燃焼筒は、鉛直方向に中心軸を有する筒状で、燃焼排ガスが筒の内側を下方に向かって流れるように加熱部の外周を囲むように構成されている。加熱部隔壁は、鉛直方向に中心軸を有する有底筒状で、燃焼筒との間に隙間を空けて燃焼筒を収納するように構成されている。燃焼排ガス流路は、燃焼筒と加熱部隔壁との隙間に形成され、上方に燃焼排ガスを流すように構成されている。
第1隔壁は、鉛直方向に中心軸を有する略筒状で、下部の径が上部の径よりも大きく、加熱部隔壁との間に隙間を空けて加熱部隔壁の外周を囲むように構成されている。第2隔壁は、鉛直方向に中心軸を有する筒状で、第1隔壁との間に隙間を空けて第1隔壁の外周を囲むように構成されている。伝熱緩衝筒は、第2隔壁の内周側で第1隔壁における上部の外周を囲むように構成され、下端部が第1隔壁における上部に固定されている。
蒸発部は、加熱部隔壁と第1隔壁における上部との隙間に形成され、加熱部隔壁を介して伝わる熱で原料ガスと水とを加熱して、水を蒸発させるように構成されている。改質部は、加熱部隔壁と第1隔壁における下部との隙間に改質触媒を充填して形成され、蒸発部の下方で加熱部隔壁を介して熱が伝えられ、蒸発部から流出した原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを生成するように構成されている。
CO低減部は、伝熱緩衝筒と第2隔壁との隙間における下部にCO低減触媒を充填して形成され、改質部から流出した一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を変性反応で低減して二次水素含有ガスとして排出するように構成されている。CO除去部は、第2隔壁と伝熱緩衝筒との隙間におけるCO低減部の上方となる部分に、CO除去触媒を充填して形成され、CO低減部から排出される二次水素含有ガスの一酸化炭素の濃度を選択酸化反応で更に低減して、三次水素含有ガスとして排出するように構成されている。
リターン流路は、第1隔壁と第2隔壁との隙間におけるCO低減部よりも下方となる部分に形成され、改質部から流出し上方に流れるように折り返した一次水素含有ガスをCO低減部に導くように構成されている。
伝熱緩衝空間は、第1隔壁と伝熱緩衝筒との隙間に、CO低減部と蒸発部との第1隔壁と伝熱緩衝筒とを介した熱交換と、CO除去部と蒸発部との第1隔壁と伝熱緩衝筒とを介した熱交換とが抑制されるように設けられている。
区画部材は、CO低減部とCO除去部と第2隔壁と伝熱緩衝筒とで囲まれた空間を、上部空間である第1ヘッダー流路と、下部空間である第1流路とに区画するドーナツ盤形状の部材であって、内周側端部が伝熱緩衝筒に固定され、外周側端部が第2隔壁に固定されている。空気供給管は、第1流路に空気を供給するように構成されている。
伝熱緩衝空間入口は、燃焼筒を挟んで空気供給管の先端と対向する位置で第1流路の空気と混合された二次水素含有ガスを伝熱緩衝空間に流入させるように伝熱緩衝筒に設けられている。吹き出し穴は、伝熱緩衝空間の空気と混合された二次水素含有ガスを第1ヘッダー流路に流出させるように伝熱緩衝筒の周方向に間隔を空けて複数設けられている。
第2ヘッダー流路は、第1隔壁と第2隔壁との隙間におけるCO除去部よりも上方となる部分に形成され、CO除去部から三次水素含有ガスが流入するように構成されている。水素含有ガス排出口は、第2ヘッダー流路と連通するように第2隔壁に形成され、三次水素含有ガスを外部へ排出するように構成されている。
伝熱緩衝筒は、吹き出し穴の鉛直方向上方かつCO除去部の鉛直方向下方において、第1隔壁に伝熱緩衝筒の一部が密接するように筒を部分的に縮径させた第1絞り部を有している。
伝熱緩衝筒における第1絞り部よりも上方の部分は、第1隔壁との間に、第2ヘッダー流路と連通する隙間を空けている。
本開示における水素生成装置は、伝熱緩衝筒が、CO低減部と蒸発部との間に伝熱緩衝空間を形成する部材と、CO除去部と蒸発部との間に伝熱緩衝空間を形成する部材と、特許文献2における空気混合筒に相当する部材と、を兼ねるので、部品点数を少なくすることができる。
また、伝熱緩衝筒は、吹き出し穴の鉛直方向上方かつCO除去部の鉛直方向下方において、第1隔壁に伝熱緩衝筒の一部が密接するように筒を部分的に縮径させた第1絞り部を有し、伝熱緩衝筒における第1絞り部よりも上方の部分は、第1隔壁との間に、第2ヘッダー流路と連通する隙間を空けている。
そのため、CO除去部から流出した三次水素含有ガスが、蒸発部との熱交換で冷却されて、水素含有ガスに含まれる水蒸気が凝縮して、CO除去部の下流側の第2ヘッダー流路と蒸発部との間の第1隔壁の外周面に結露水が発生しても、その結露水が、第1隔壁の外周面から伝熱緩衝筒の外周面に移動できないので、蒸発部との熱交換で三次水素含有ガスから発生した結露水が、CO除去部に流入することを抑制することができる。
これにより、蒸発部との熱交換で三次水素含有ガスから発生した結露水が、CO除去部に流入することによってCO除去触媒が劣化することを抑制しつつ、部品点数削減により組立工数を削減できる。
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示を想定するに至った当時、燃焼排ガスを排出する加熱部と、加熱部の外周を囲む燃焼筒と、燃焼筒の外周を囲む加熱部隔壁と、加熱部隔壁の外周を囲む第1隔壁と、前記第1隔壁の外周を囲む第2隔壁と、燃焼筒と加熱部隔壁との間に形成され上方に燃焼排ガスを流す燃焼ガス流路と、加熱部隔壁と第1隔壁との間の上部に形成され加熱部隔壁を介して伝わる熱で原料ガスと水を加熱して水を蒸発させる蒸発部と、加熱部隔壁と前記第1隔壁との間の下部に改質触媒を充填して形成され加熱部隔壁を介して伝わる熱で原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一酸化炭素(CO)を含んだ水素含有ガスを生成する改質部と、第1隔壁と第2隔壁との間の下部に形成され改質部から流出した水素含有ガスを上方に流すリターン流路と、第1隔壁と第2隔壁との間の中部に変成触媒(CO低減触媒)を充填して形成され改質部から流出した水素含有ガスのCOの濃度を変性反応で低減する変成部(CO低減部)と、変成部から流出した水素含有ガスと外部から取り入れた空気とを混合させる混合部と、第1隔壁と第2隔壁との間の上部に選択酸化触媒(CO除去触媒)を充填して形成され混合部から流出した水素含有ガスのCOの濃度を選択酸化反応で低減する選択酸化部(CO除去部)とを、全体形状を円筒形状で構成する技術があった。
発明者らが本開示を想定するに至った当時、燃焼排ガスを排出する加熱部と、加熱部の外周を囲む燃焼筒と、燃焼筒の外周を囲む加熱部隔壁と、加熱部隔壁の外周を囲む第1隔壁と、前記第1隔壁の外周を囲む第2隔壁と、燃焼筒と加熱部隔壁との間に形成され上方に燃焼排ガスを流す燃焼ガス流路と、加熱部隔壁と第1隔壁との間の上部に形成され加熱部隔壁を介して伝わる熱で原料ガスと水を加熱して水を蒸発させる蒸発部と、加熱部隔壁と前記第1隔壁との間の下部に改質触媒を充填して形成され加熱部隔壁を介して伝わる熱で原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一酸化炭素(CO)を含んだ水素含有ガスを生成する改質部と、第1隔壁と第2隔壁との間の下部に形成され改質部から流出した水素含有ガスを上方に流すリターン流路と、第1隔壁と第2隔壁との間の中部に変成触媒(CO低減触媒)を充填して形成され改質部から流出した水素含有ガスのCOの濃度を変性反応で低減する変成部(CO低減部)と、変成部から流出した水素含有ガスと外部から取り入れた空気とを混合させる混合部と、第1隔壁と第2隔壁との間の上部に選択酸化触媒(CO除去触媒)を充填して形成され混合部から流出した水素含有ガスのCOの濃度を選択酸化反応で低減する選択酸化部(CO除去部)とを、全体形状を円筒形状で構成する技術があった。
しかしながら、従来の水素生成装置においては、CO低減部と蒸発部との間に伝熱緩衝空間を形成する部材と、CO除去部と蒸発部との間に伝熱緩衝空間を形成する部材と、変成部から流出した水素含有ガスと外部から取り入れた空気とを混合させる部材と、をそれぞれ別々に構成するため、部品点数が多くなり組立工数が多いという課題があった。
そうした状況下において、発明者らは、CO低減部と蒸発部との間に伝熱緩衝空間を形成する部材と、CO除去部と蒸発部との間に伝熱緩衝空間を形成する部材と、変成部から
流出した水素含有ガスと外部から取り入れた空気とを混合させる部材と、を一体化した伝熱緩衝筒で形成するという着想を得た。
流出した水素含有ガスと外部から取り入れた空気とを混合させる部材と、を一体化した伝熱緩衝筒で形成するという着想を得た。
そして、発明者らは、その着想を実現するには、CO除去部から流出した水素含有ガスが、蒸発部との熱交換で冷却されて、水素含有ガスに含まれる水蒸気が凝縮して、CO除去部の下流側の水素含有ガスの流路と蒸発部との間の壁の外周面に結露水が発生して、その結露水が、壁の外周面から伝熱緩衝筒の外周面に移動して、CO除去部に流入し、CO除去触媒の劣化を促進させるという課題があることを発見し、その課題を解決するために本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、CO除去部から流出した水素含有ガスが、蒸発部との熱交換で冷却されて、水素含有ガスに含まれる水蒸気が凝縮して、CO除去部の下流側の水素含有ガス流路と蒸発部との間の壁に結露水が発生しても、その結露水がCO除去部に流入して触媒を劣化させることを抑制しつつ、部品点数削減により組立工数を削減できる水素生成装置を提供する。
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1を用いて、実施の形態1を説明する。
以下、図1を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
図1に示すように、本実施の形態の水素生成装置100は、加熱部120と、蒸発部121と、改質部122と、CO低減部123と、CO除去部124と、伝熱緩衝空間125と、燃焼筒130と、加熱部隔壁131と、第1隔壁132と、第2隔壁133と、伝熱緩衝筒134と、区画部材135と、空気供給管136と、混合部137と、燃焼排ガス流路140と、リターン流路141とを、第1流路142と、第1ヘッダー流路143と、第2ヘッダー流路144と、水素含有ガス排出口145と、伝熱緩衝空間入口150と、吹き出し穴151と、第1絞り部152と、を有している。
図1に示すように、本実施の形態の水素生成装置100は、加熱部120と、蒸発部121と、改質部122と、CO低減部123と、CO除去部124と、伝熱緩衝空間125と、燃焼筒130と、加熱部隔壁131と、第1隔壁132と、第2隔壁133と、伝熱緩衝筒134と、区画部材135と、空気供給管136と、混合部137と、燃焼排ガス流路140と、リターン流路141とを、第1流路142と、第1ヘッダー流路143と、第2ヘッダー流路144と、水素含有ガス排出口145と、伝熱緩衝空間入口150と、吹き出し穴151と、第1絞り部152と、を有している。
加熱部120は、鉛直方向に中心軸を有する燃焼筒130の内周側に配置され、燃焼用空気が混合された可燃性ガスを燃焼して燃焼排ガスを排出するバーナと、バーナに可燃性ガスを供給するガス供給管と、バーナに燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給管と、を備えている。加熱部120のバーナは、下向きの炎を形成するように構成されている。
可燃性ガスには、原料ガス(都市ガスやLPガス)を用いることができ、その他にも、水素生成装置100が燃料電池に水素含有ガスを燃料ガスとして供給する場合は、燃料電池で利用されずに燃料電池から排出される燃料ガス(アノードオフガス)を用いることができる。
燃焼筒130は、鉛直方向に中心軸を有し、加熱部120の外周を囲む円筒状で、加熱部120と同軸になるように配置されている。燃焼筒130は、燃焼筒130の内周側では、燃焼排ガスを下方(鉛直方向の下向き)に流し、燃焼筒130の外周側(燃焼筒130と加熱部隔壁131との間に形成された燃焼排ガス流路140)では、燃焼排ガスを上
方(鉛直方向の上向き)に流すための部材である。
方(鉛直方向の上向き)に流すための部材である。
燃焼筒130の下端は、改質部122の下端よりも鉛直方向の下に位置し、燃焼筒130と同軸になるように配置され燃焼筒130を囲む有底円筒形の加熱部隔壁131の底部よりも鉛直方向の上方に位置する。
水素生成装置100は、加熱部120のバーナの燃焼で発生した燃焼排ガスが、燃焼筒130の内周面に沿って燃焼筒130の内周側を下方に流れた後に、加熱部隔壁131の底部と燃焼筒130の下端との隙間を通って燃焼筒130の外周側に出て上方に折り返して流れ、燃焼筒130と加熱部隔壁131との間に形成された燃焼排ガス流路140を通って、改質部122と熱交換した後に、蒸発部121と熱交換して、加熱部隔壁131における上部に設けられた燃焼排ガス出口管から水素生成装置100の外部に排出されるように構成されている。
燃焼排ガス流路140は、燃焼筒130と加熱部隔壁131との隙間に形成された、鉛直方向の上方に燃焼排ガスを流す流路である。
加熱部隔壁131は、内径が燃焼筒130の外径よりも大きく、燃焼筒130の外周面を囲み燃焼筒130と同軸になるように配置され、燃焼筒130との間に燃焼排ガス流路140を形成する有底円筒形の金属部材であり、加熱部隔壁131の底部と燃焼筒130の下端との間に燃焼排ガスが通流する隙間がある。加熱部隔壁131は、燃焼筒130との間に隙間を空けて燃焼筒130を収納するように構成されている。
第1隔壁132は、鉛直方向に中心軸を有する略円筒状で、内径が加熱部隔壁131の外径よりも大きく、下部の径が上部の径よりも大きく構成されている。また、第1隔壁132は、加熱部隔壁131との間に隙間を空けて加熱部隔壁131の外周面を囲み、加熱部隔壁131と同軸になるように配置された金属部材である。
第1隔壁132における上部と加熱部隔壁131との間には、炭化水素を含む原料ガスと水とを螺旋状に流すための螺旋状に曲げられた棒材が配置されており、第1隔壁132における下部と加熱部隔壁131との間には、原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一次水素含有ガス(一酸化炭素を含む水素含有ガス)を生成する改質触媒が充填されている。
第1隔壁132における上部と加熱部隔壁131との間で螺旋状の棒材が配置された箇所は、炭化水素を含む原料ガスと水とが加熱部隔壁131から伝わる熱で加熱されながら通過する蒸発部121となっており、第1隔壁132における下部と加熱部隔壁131との間で改質触媒が充填された箇所は、改質部122となっている。
第1隔壁132における螺旋状の棒材が配置された箇所よりも上部には、蒸発部121に原料ガスと水を供給する供給管が接続されている。
蒸発部121は、加熱部隔壁131と第1隔壁132における上部との隙間に螺旋状に曲げられた棒材を配置して形成(構成)され、加熱部隔壁131を介して伝わる熱(加熱部120の熱と燃焼排ガスの熱)で、炭化水素を含む原料ガスと水とを加熱して、水を蒸発させるように構成されている。
改質部122は、加熱部隔壁131と第1隔壁132における下部との隙間に改質触媒を充填して形成され、蒸発部121の下方で加熱部隔壁131を介して熱(加熱部120の熱と燃焼排ガスの熱)が伝えられ、蒸発部121から流出した原料ガスと水蒸気との混
合ガスから改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを生成するように構成されている。
合ガスから改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを生成するように構成されている。
改質部122は、第1隔壁132の下部と加熱部隔壁131との間に充填される改質触媒の他に、改質部下棚板(図示せず)と、改質部上棚板(図示せず)と、を備えている。
改質部下棚板は、改質触媒を下から支えるように第1隔壁132における下部と加熱部隔壁131との間に配置される棚板であり、改質部上棚板は、改質触媒を上から覆うように第1隔壁132における下部と加熱部隔壁131との間に配置される棚板である。改質部下棚板と改質部上棚板は、通気構造で、ドーナツ盤形状で、改質触媒の粒子径より小さい通気孔が形成されている。
伝熱緩衝筒134は、鉛直方向に中心軸を有する略円筒状で、外周面の外径が第1隔壁132における下部の外周面の外径よりも大きい。伝熱緩衝筒134は、第1隔壁132における上部との間に伝熱緩衝用の空間が形成されるように、第1隔壁132における上部の外周面に固定されている。
伝熱緩衝筒134は、蒸発部121とCO低減部123との間と、蒸発部121とCO除去部124との間とに、それぞれ伝熱緩衝用の空間を形成するように、第1隔壁132における蒸発部121が構成されている部分の外周面に固定される筒状部材である。伝熱緩衝筒134は、第1隔壁132における蒸発部121が構成された部分の外周面を囲み第1隔壁132と同軸になるように配置されている。
改質部122から流出した一次水素含有ガスのうち、CO低減部123を通流せずに、伝熱緩衝筒134と第1隔壁132との間を通流して、水素生成装置100の外に出てしまう一次水素含有ガスの量が許容量を超えないように、伝熱緩衝筒134下端部が、第1隔壁132に気密に接合される。
伝熱緩衝筒134は、第1絞り部152と下端部との間の部分の内径と伝熱緩衝筒における第1絞り部152よりも上方の部分の内径とが、第1隔壁132における蒸発部121が構成されている部分の外径よりも大きく、伝熱緩衝筒134の内周面と第1隔壁132における蒸発部121が構成された部分の内周面との間に空間を形成する。
また、伝熱緩衝筒134における第1絞り部152と下端部との間の部分の外径と伝熱緩衝筒における第1絞り部152よりも上方の部分の外径とは、第1隔壁132における改質部122が構成されている部分の外径よりも大きい。
伝熱緩衝筒134は、伝熱緩衝筒134の外周側に隣接するCO低減部123のCO低減触媒およびCO除去部124のCO除去触媒または伝熱緩衝筒134の外周面と第2隔壁133の内周面との間を流れるガスが、蒸発部121との熱交換によって局所的に冷却されることを抑制する伝熱緩衝空間と、CO低減部123から流出した二次水素含有ガスと空気供給管136から供給された空気との混合性を高めるための空間とを形成するための部材である。
伝熱緩衝筒134は、伝熱緩衝筒134の外周面と第2隔壁133の内周面との間に充填されるCO低減触媒およびCO除去触媒が、蒸発部121との熱交換によって局所的に冷却される(CO低減触媒およびCO除去触媒において温度ムラが発生する)ことを抑制する伝熱緩衝空間を形成する。
第2隔壁133は、第1隔壁132における上部の外周面を囲む部分の径が第1隔壁1
32における下部の外周面を囲む部分の径よりも大きい側面部と、外周端が側面部の上端部に接続され内周端が外筒232の外周面に接合されるドーナツ盤形状の上面部と、外周端が側面部の下端部に接続された円盤形状の底部と、を有する有底略円筒形の金属部材である。
32における下部の外周面を囲む部分の径よりも大きい側面部と、外周端が側面部の上端部に接続され内周端が外筒232の外周面に接合されるドーナツ盤形状の上面部と、外周端が側面部の下端部に接続された円盤形状の底部と、を有する有底略円筒形の金属部材である。
第2隔壁133の側面部は、内径が第1隔壁132の外径よりも大きく、第1隔壁132の外周面を囲み第1隔壁132と同軸になるように配置され、第1隔壁132との間におけるCO低減部123よりも下方となる部分にリターン流路141を形成する。
第2隔壁133の底部と第1隔壁132の下端との間には、第1隔壁132の内周面に沿って改質部122から下方に流出した一次水素含有ガスをリターン流路141に導くための、一次水素含有ガスが通流する隙間がある。
第2隔壁133の底部は、加熱部隔壁131の底部よりも大きく、第2隔壁133の底部は、加熱部隔壁131の底部よりも下方に位置するように構成されている。
第2隔壁133の側面部における上部(第1隔壁132における上部の外周面を囲む部分)は、内径が伝熱緩衝筒134の外径よりも大きく、第1隔壁132における蒸発部121が構成されている部分と伝熱緩衝筒134の外周面を囲み第1隔壁132(伝熱緩衝筒135)と同軸になるように配置されている。
また、第2隔壁133の側面部における伝熱緩衝筒134の外周面を囲む部分は、伝熱緩衝筒134との隙間における下部にCO低減部123のCO低減触媒が充填され、伝熱緩衝筒134との隙間における上部にCO除去部124のCO除去触媒が充填される。
第2隔壁133は、第2隔壁133におけるCO低減触媒が充填されてCO低減部123が構成されている部分とCO除去触媒が充填されてCO除去部124が構成されている部分との間に、CO低減部123から流出した二次水素含有ガスに混合させる空気を供給する空気供給管136を備えている。
第2隔壁133は、第2隔壁133におけるCO低減触媒が充填されてCO除去部124が構成されている部分よりも上部に、CO除去部124から第2ヘッダー流路144に流出した三次水素含有ガスを水素生成装置100の外部に排出(供給)する水素含有ガス排出口145を有し、水素含有ガス排出口145に水素含有ガスの出口管が接続されている。
第2隔壁133は、伝熱緩衝筒134との間もしくは外周面が伝熱緩衝筒134で覆われていない第1隔壁132との間に、リターン流路141と、第1流路142と、第1ヘッダー流路143と、第2ヘッダー流路144も形成している。第2隔壁133と伝熱緩衝筒134とCO低減部123とCO除去部124とで囲まれた空間は、区画部材135によって、第1流路142と第1ヘッダー流路143とに区画されている。
CO低減部123は、伝熱緩衝筒134と第2隔壁133との隙間における下部にCO低減触媒を充填して形成され、改質部122から流出した一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を変性反応で低減して二次水素含有ガスとして排出するように構成されている。
CO低減触媒は、第2隔壁133と伝熱緩衝筒134との隙間における下部に充填される直径が2~3mmの粒状のCu-Zn系の触媒である。
CO除去部124は、第2隔壁133と伝熱緩衝筒134との隙間における上部(CO低減部123の上方)に、CO除去触媒を充填して形成される。
リターン流路141は、第1隔壁132と第2隔壁133との隙間におけるCO低減部123よりも下方となる部分に形成される流路であって、改質部122から流出し上方に流れるように折り返した一次水素含有ガスをCO低減部123に導くための流路である。
区画部材135は、内周側端部が伝熱緩衝筒134に固定され、外周側端部が第2隔壁133に固定され、CO低減部123とCO除去部124と第2隔壁133と伝熱緩衝筒134とで囲まれた空間を、上部空間である第1ヘッダー流路143と、下部空間である第1流路142とに区画するドーナツ盤形状の部材である。
伝熱緩衝空間入口150は、燃焼筒130を挟んで空気供給管136の先端と対向する位置で伝熱緩衝筒134に設けられる。
吹き出し穴151は、伝熱緩衝筒134における区画部材135よりも上方で第1絞り部152よりも下方となる部分の周方向に間隔を空けて複数設けられている。
混合部137は、CO低減部123から流出した二次水素含有ガスと空気供給管136から供給される空気が、伝熱緩衝空間入口150から流入し、第1隔壁132の壁面に沿って旋回することで混合されるように、伝熱緩衝筒134における第1絞り部152と下端部との間の部分と第1隔壁132における上部との間に形成される。混合部137において混合されたガスは、吹き出し穴151から第1ヘッダー流路143に排出される。
伝熱緩衝筒134は、伝熱緩衝筒134における吹き出し穴151の鉛直方向上方でCO除去部124の鉛直方向下方となる部分の筒の一部において、伝熱緩衝筒134の一部が第1隔壁132に密接するように筒を部分的に縮径させた第1絞り部152を有する。伝熱緩衝筒134は、プレス絞り加工によって一体的に作製されたものである。
伝熱緩衝筒134の第1絞り部152と第1隔壁132との接触部分は、貫通溶接によって接合されている。
伝熱緩衝筒134の上端部は第1隔壁に固定されず、伝熱緩衝筒134と第1隔壁132との間の伝熱緩衝空間が第2ヘッダー流路144と通ずるように開口状態とする。
伝熱緩衝筒134における第1絞り部152よりも上方の部分は、第1隔壁132との間に、第2ヘッダー流路144と連通する隙間を空けている。
[1-2.動作]
以上のように構成された水素生成装置100において、以下、その動作、作用を説明する。
以上のように構成された水素生成装置100において、以下、その動作、作用を説明する。
加熱部120のバーナの燃焼で発生した燃焼排ガスは、燃焼筒130の内周面に沿って燃焼筒130の内周側を下方に流れた後に、加熱部隔壁131の底部と燃焼筒130の下端との隙間を通って燃焼筒130の外周側に出て上方に折り返して、燃焼筒130と加熱部隔壁131との間に形成された燃焼排ガス流路140を、改質部122と熱交換した後に、蒸発部121と熱交換して、加熱部隔壁131における上部に設けられた燃焼排ガス出口管から水素生成装置100の外部に排出される。
水素生成装置100において、蒸発部121に供給される原料ガスと水の比率が適正な
比率となり、必要な量の水素含有ガスが生成されるように、原料ガスと水が供給管から蒸発部121に供給される。
比率となり、必要な量の水素含有ガスが生成されるように、原料ガスと水が供給管から蒸発部121に供給される。
本実施の形態では、メタンを主成分とする都市ガスを原料ガスとして用いるため、水素生成装置100の蒸発部121で発生する水蒸気のモル数が、水素生成装置100の蒸発部121に供給するメタンのモル数の3倍(スチームカーボン比(S/C比)が3)になり、必要な量の水素含有ガスが生成されるように、原料ガスと水が供給管から蒸発部121に供給される。
供給管から蒸発部121に供給された水は、蒸発部121の螺旋状流路に沿って流れながら加熱部隔壁131を介して伝わる加熱部120の熱(燃焼排ガスの熱を含む)によって水蒸気となり、原料ガスと混合される。
改質部122に流入した原料ガスと水蒸気との混合ガスは、加熱部120の熱によって600℃に温められ、かつ改質触媒によって一酸化炭素を含む一次水素含有ガスに改質される。このとき、(化1)に示すようにメタンと水から水素と二酸化炭素を生成する反応と、(化2)に示すようにメタンと水から水素と一酸化炭素を生成する反応が起こっている。
ここで、本実施の形態において600℃と例示した改質触媒の温度は、典型的な温度であって、改質反応を起こす改質部122内の温度は、改質部122の構造や材質、大きさにも依存して変わる。改質反応を起こす改質部122内の温度は、例えば、400℃~650℃の範囲で変動し得る。
改質部122から排出された一次水素含有ガスは、リターン流路141を通流して、CO低減部123に下方から供給される。
CO低減部123は、改質部122から排出された一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を低減して二次水素含有ガスとして排出する。詳細には、CO低減触媒で起こる(化3)に示す変成反応によって、一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気を反応させて二酸化炭素と水素を生成し、一酸化炭素の濃度が0.1~0.2%程度にまで低減された二次水素含有ガスとなる。
このとき、変成反応によって熱が発生するが、熱の一部は、伝熱緩衝筒134と第2隔壁133に伝わり、CO低減部123の温度は、変成反応に適した温度である250℃に
維持される。
維持される。
ここで、本実施の形態において250℃と例示したCO低減触媒の温度は、典型的な温度であって、変成反応を起こすCO低減部123内の温度は、CO低減部123の構造や材質、大きさにも依存して変わる。変成反応を起こすCO低減部123内の温度は、例えば、200℃~300℃の範囲で変動し得る。
CO低減部123から排出された二次水素含有ガスは、第1流路142に流入する。第1流路142は、ドーナツ状の形状をしており、空気供給管136から第1流路142に供給された空気とCO低減部123から第1流路142に排出された二次水素含有ガスとが、伝熱緩衝筒134によって二手に分かれて、伝熱緩衝筒134の外周面に沿って略半周、周方向に流れながら混合される。
二手に分かれて伝熱緩衝筒134の外周面に沿って略半周、周方向に流れながら空気と混合された二次水素含有ガスは、伝熱緩衝空間入口150を通って、伝熱緩衝筒134における第1絞り部152と下端部との間の部分と第1隔壁132における上部との間に形成された伝熱緩衝空間125(混合部137)に流入する。
蒸発部121とCO低減部123との間には、混合部137を兼ねる伝熱緩衝空間125が存在し、蒸発部121とCO除去部124の間には、第2ヘッダー流路144と連通する伝熱緩衝空間125が存在することにより、蒸発部121とCO低減部123との第1隔壁132と伝熱緩衝筒134とを介した熱交換と、蒸発部121とCO除去部124との第1隔壁132と伝熱緩衝筒134とを介した熱交換とが抑制されている。
混合部137もドーナツ状の形状をしており、伝熱緩衝空間入口150を通って混合部137に流入した、空気と混合された二次水素含有ガスは、第1隔壁132の外周面に沿って伝熱緩衝筒134の内周側を流れた後に、伝熱緩衝筒134の吹き出し穴151を通って第1ヘッダー流路143に排出されて、CO除去部124に供給される。
CO除去部124は、CO低減部123から流出した(排出された)二次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を更に低減して三次水素含有ガスとして第2ヘッダー流路144に排出する。詳細には、CO除去触媒で起こる(化4)に示す選択酸化反応によって一酸化炭素と酸素から二酸化炭素が、(化5)に示すように水素と酸素から水が生成される。
このとき、CO除去部124では選択酸化反応によって熱が発生するが、熱の一部は、伝熱緩衝筒134と第2隔壁133に伝わり、CO除去部124の温度は、選択酸化反応に適した温度である150℃に維持される。
ここで、本実施の形態において150℃と例示したCO除去触媒の温度は、典型的な温
度であって、選択酸化反応を起こすCO除去部124内の温度は、CO除去部124の構造や材質、大きさにも依存して変わる。選択酸化反応を起こすCO除去部124内の温度は、例えば、100℃~180℃の範囲で変動し得る。
度であって、選択酸化反応を起こすCO除去部124内の温度は、CO除去部124の構造や材質、大きさにも依存して変わる。選択酸化反応を起こすCO除去部124内の温度は、例えば、100℃~180℃の範囲で変動し得る。
CO除去部124によって一酸化炭素の濃度を更に低減された二次水素含有ガスは、三次水素含有ガスとして第2ヘッダー流路144に排出される。
CO除去部124から第2ヘッダー流路144に排出された三次水素含有ガスは、第2ヘッダー流路144と隣接する蒸発部121との熱交換で第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面で冷却されて、三次水素含有ガスに含まれる水蒸気が凝縮して、第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面に結露水が発生することがある。
本実施の形態の水素生成装置100においては、伝熱緩衝筒134の上端部は第1隔壁に固定されず、伝熱緩衝筒134と第1隔壁132との間の伝熱緩衝空間が第2ヘッダー流路144と通ずるように開口状態になっている(伝熱緩衝筒134における第1絞り部152よりも上方の部分は、第1隔壁132との間に、第2ヘッダー流路144と連通する隙間を空けている)。
したがって、第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面に発生した結露水は、重力によって第1隔壁132の外周面に沿って第1絞り部152が密接する箇所に向かって流れることがあるが、第1隔壁132の外周面から伝熱緩衝筒134の外周面に移動してCO除去部124に流入することはない。
第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面に発生した結露水は、第1隔壁132の外周面よりも表面温度が高い伝熱緩衝筒134の内周面に接触した後に、伝熱緩衝筒134からの伝熱で、蒸発するので、第1絞り部152よりも上方の伝熱緩衝空間に溜まった結露水が溢れてCO除去部124に流入することはない。
プレス絞り加工によって一体的に作製することができる伝熱緩衝筒134が、CO低減部123と蒸発部121との間に伝熱緩衝空間125を形成する部材と、CO除去部124と蒸発部121との間に伝熱緩衝空間125を形成する部材と、特許文献2における空気混合筒に相当する部材(第1隔壁132との間に混合部137を構成する部材)と、を兼ねるので、部品点数を少なくすることができる。
[1-3.効果]
以上のように、本実施の形態において、水素生成装置100は、加熱部120と、燃焼筒130と、加熱部隔壁131と、燃焼排ガス流路140と、第1隔壁132と、第2隔壁133と、伝熱緩衝筒134と、蒸発部121と、改質部122と、CO低減部123と、CO除去部124と、リターン流路141と、伝熱緩衝空間125と、区画部材135と、空気供給管136と、伝熱緩衝空間入口150と、吹き出し穴151と、第2ヘッダー流路144と、水素含有ガス排出口145と、を有する。
以上のように、本実施の形態において、水素生成装置100は、加熱部120と、燃焼筒130と、加熱部隔壁131と、燃焼排ガス流路140と、第1隔壁132と、第2隔壁133と、伝熱緩衝筒134と、蒸発部121と、改質部122と、CO低減部123と、CO除去部124と、リターン流路141と、伝熱緩衝空間125と、区画部材135と、空気供給管136と、伝熱緩衝空間入口150と、吹き出し穴151と、第2ヘッダー流路144と、水素含有ガス排出口145と、を有する。
加熱部120は、可燃ガスを燃焼して、燃焼排ガスを排出するように構成されている。燃焼筒130は、鉛直方向に中心軸を有する筒状で、燃焼排ガスが筒の内側を下方に向かって流れるように、加熱部120の外周を囲むように構成されている。
加熱部隔壁131は、鉛直方向に中心軸を有する有底筒状で、燃焼筒130との間に隙間を空けて燃焼筒130を収納するように構成されている。燃焼排ガス流路140は、燃焼筒130と加熱部隔壁131との隙間に形成され、上方に燃焼排ガスを流すように構成
されている。
されている。
第1隔壁132は、鉛直方向に中心軸を有する略筒状で、下部の径が上部の径よりも大きく、加熱部隔壁131との間に隙間を空けて加熱部隔壁131の外周を囲むように構成されている。第2隔壁133は、鉛直方向に中心軸を有する筒状で、第1隔壁132との間に隙間を空けて、第1隔壁132の外周を囲むように構成されている。
伝熱緩衝筒134は、第2隔壁133の内周側で第1隔壁132における上部の外周を囲むように構成され、下端部が第1隔壁132における上部に固定されている。蒸発部121は、加熱部隔壁131と第1隔壁132における上部との隙間に形成され、加熱部隔壁131を介して伝わる熱で原料ガスと水とを加熱して、水を蒸発させるように構成されている。
改質部122は、加熱部隔壁131と第1隔壁132における下部との隙間に改質触媒を充填して形成され、蒸発部121の下方で加熱部隔壁131を介して熱が伝えられ、蒸発部121から流出した原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを生成するように構成されている。
CO低減部123は、伝熱緩衝筒134と第2隔壁133との隙間における下部にCO低減触媒を充填して形成され、改質部122から流出した一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を変性反応で低減して二次水素含有ガスとして排出するように構成されている。
CO除去部124は、第2隔壁133と伝熱緩衝筒134との隙間におけるCO低減部123の上方となる部分に、CO除去触媒を充填して形成され、CO低減部123から排出される二次水素含有ガスの一酸化炭素の濃度を選択酸化反応で更に低減して、三次水素含有ガスとして排出するように構成されている。
リターン流路141は、第1隔壁132と第2隔壁133との隙間におけるCO低減部123よりも下方となる部分に形成され、改質部122から流出し上方に流れるように折り返した一次水素含有ガスをCO低減部123に導くように構成されている。
伝熱緩衝空間125は、第1隔壁132と伝熱緩衝筒134との隙間に、CO低減部123と蒸発部121との第1隔壁132と伝熱緩衝筒134とを介した熱交換と、CO除去部124と蒸発部121との第1隔壁132と伝熱緩衝筒134とを介した熱交換とが抑制されるように設けられている。
区画部材135は、CO低減部123とCO除去部124と第2隔壁133と伝熱緩衝筒134とで囲まれた空間を、上部空間である第1ヘッダー流路143と、下部空間である第1流路142とに区画するドーナツ盤形状の部材であって、内周側端部が伝熱緩衝筒134に固定され外周側端部が第2隔壁133に固定されている。空気供給管136は、第1流路142に空気を供給するように構成されている。
伝熱緩衝空間入口150は、燃焼筒130を挟んで空気供給管136の先端と対向する位置で、第1流路142の空気と混合された二次水素含有ガスを伝熱緩衝空間125(混合部137)に流入させるように伝熱緩衝筒134に設けられている。
吹き出し穴151は、伝熱緩衝空間125(混合部137)の空気と混合された二次水素含有ガスを第1ヘッダー流路143に流出させるように伝熱緩衝筒134の周方向に間隔を空けて複数設けられている。
第2ヘッダー流路144は、第1隔壁132と第2隔壁133との隙間におけるCO除去部124よりも上方となる部分に形成され、CO除去部124から三次水素含有ガスが流入するように構成されている。水素含有ガス排出口145は、第2ヘッダー流路144と連通するように第2隔壁133に形成され、三次水素含有ガスを外部へ排出するように構成されている。
伝熱緩衝筒134は、吹き出し穴151の鉛直方向上方かつCO除去部124の鉛直方向下方において、第1隔壁132に伝熱緩衝筒134の一部が密接するように筒を部分的に縮径させた第1絞り部152を有している。
伝熱緩衝筒134における第1絞り部152よりも上方の部分は、第1隔壁132との間に、第2ヘッダー流路144と連通する隙間を空けている。
本実施の形態の水素生成装置100においては、プレス絞り加工等によって一体的に作製することができる伝熱緩衝筒134が、CO低減部123と蒸発部121との間に伝熱緩衝空間125を形成する部材と、CO除去部124と蒸発部121との間に伝熱緩衝空間125を形成する部材と、特許文献2における空気混合筒に相当する部材(第1隔壁132との間に混合部137を構成する部材)と、を兼ねるので、部品点数を少なくすることができる。
CO除去部124から第2ヘッダー流路144に排出された三次水素含有ガスは、第2ヘッダー流路144と隣接する蒸発部121との熱交換で第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面で冷却されて、三次水素含有ガスに含まれる水蒸気が凝縮して、第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面に結露水が発生することがある。
本実施の形態の水素生成装置100においては、伝熱緩衝筒134の上端部は第1隔壁に固定されず、伝熱緩衝筒134と第1隔壁132との間の伝熱緩衝空間が第2ヘッダー流路144と通ずるように開口状態になっている(伝熱緩衝筒134における第1絞り部152よりも上方の部分は、第1隔壁132との間に、第2ヘッダー流路144と連通する隙間を空けている)。
したがって、第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面に発生した結露水は、重力によって第1隔壁132の外周面に沿って第1絞り部152が密接する箇所に向かって流れることがあるが、第1隔壁132の外周面から伝熱緩衝筒134の外周面に移動してCO除去部124に流入することはない。
第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面に発生した結露水は、第1隔壁132の外周面よりも表面温度が高い伝熱緩衝筒134の内周面に接触した後に、伝熱緩衝筒134からの伝熱で、蒸発するので、第1絞り部152よりも上方の伝熱緩衝空間に溜まった結露水が溢れてCO除去部124に流入することはない。そのため、蒸発部121との熱交換で三次水素含有ガスから発生した結露水が、CO除去部124に流入することを抑制することができる。
これにより、蒸発部121との熱交換で三次水素含有ガスから発生した結露水が、CO除去部124に流入することによってCO除去触媒が劣化することを抑制しつつ、混合部137と、CO低減部123およびCO除去部124の伝熱緩衝空間とを一体化した部品で形成することの部品点数削減により組立工数を削減できる。
本実施の形態のように、伝熱緩衝筒134の第1絞り部152と第1隔壁132との接触部分を、貫通溶接によって接合してもよい。溶接方法として、貫通溶接を用いれば、伝熱緩衝筒134の第1絞り部152と第1隔壁132との接触部分を、容易に接合することができる。
本実施の形態のように、伝熱緩衝筒134の第1絞り部152は、プレス絞り加工によって、CO低減部123と蒸発部121との間に伝熱緩衝空間125を形成する部分およびCO除去部124と蒸発部121との間に伝熱緩衝空間125を形成する部分と、一体的に作製してもよい。そのようにすれば、別々に作製したものを一体化する場合よりも容易に品質よく、第1絞り部152を有する伝熱緩衝筒134を作製することができる。
(実施の形態2)
以下、図2を用いて、実施の形態2を説明する。
以下、図2を用いて、実施の形態2を説明する。
[2-1.構成]
図2に示すように、本実施の形態の水素生成装置200は、加熱部120と、蒸発部121と、改質部122と、CO低減部123と、CO除去部124と、伝熱緩衝空間125と、燃焼筒130と、加熱部隔壁131と、第1隔壁132と、第2隔壁133と、伝熱緩衝筒134と、区画部材135と、空気供給管136と、混合部137と、燃焼排ガス流路140と、リターン流路141とを、第1流路142と、第1ヘッダー流路143と、第2ヘッダー流路144と、水素含有ガス排出口145と、伝熱緩衝空間入口150と、吹き出し穴151と、第1絞り部152と、第2絞り部153と、を有している。
図2に示すように、本実施の形態の水素生成装置200は、加熱部120と、蒸発部121と、改質部122と、CO低減部123と、CO除去部124と、伝熱緩衝空間125と、燃焼筒130と、加熱部隔壁131と、第1隔壁132と、第2隔壁133と、伝熱緩衝筒134と、区画部材135と、空気供給管136と、混合部137と、燃焼排ガス流路140と、リターン流路141とを、第1流路142と、第1ヘッダー流路143と、第2ヘッダー流路144と、水素含有ガス排出口145と、伝熱緩衝空間入口150と、吹き出し穴151と、第1絞り部152と、第2絞り部153と、を有している。
加熱部120は、鉛直方向に中心軸を有する燃焼筒130の内周側に配置され、燃焼用空気が混合された可燃性ガスを燃焼して燃焼排ガスを排出するバーナと、バーナに可燃性ガスを供給するガス供給管と、バーナに燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給管と、を備えている。加熱部120のバーナは、下向きの炎を形成するように構成されている。
可燃性ガスには、原料ガス(都市ガスやLPガス)を用いることができ、その他にも、水素生成装置200が燃料電池に水素含有ガスを燃料ガスとして供給する場合は、燃料電池で利用されずに燃料電池から排出される燃料ガス(アノードオフガス)を用いることができる。
燃焼筒130は、鉛直方向に中心軸を有し、加熱部120の外周を囲む円筒状で、加熱部120と同軸になるように配置されている。燃焼筒130は、燃焼筒130の内周側では、燃焼排ガスを下方(鉛直方向の下向き)に流し、燃焼筒130の外周側(燃焼筒130と加熱部隔壁131との間に形成された燃焼排ガス流路140)では、燃焼排ガスを上方(鉛直方向の上向き)に流すための部材である。
燃焼筒130の下端は、改質部122の下端よりも鉛直方向の下に位置し、燃焼筒130と同軸になるように配置され燃焼筒130を囲む有底円筒形の加熱部隔壁131の底部よりも鉛直方向の上方に位置する。
水素生成装置200は、加熱部120のバーナの燃焼で発生した燃焼排ガスが、燃焼筒130の内周面に沿って燃焼筒130の内周側を下方に流れた後に、加熱部隔壁131の底部と燃焼筒130の下端との隙間を通って燃焼筒130の外周側に出て上方に折り返して流れ、燃焼筒130と加熱部隔壁131との間に形成された燃焼排ガス流路140を通って、改質部122と熱交換した後に、蒸発部121と熱交換して、加熱部隔壁131における上部に設けられた燃焼排ガス出口管から水素生成装置200の外部に排出されるように構成されている。
燃焼排ガス流路140は、燃焼筒130と加熱部隔壁131との隙間に形成された、鉛直方向の上方に燃焼排ガスを流す流路である。
加熱部隔壁131は、内径が燃焼筒130の外径よりも大きく、燃焼筒130の外周面を囲み燃焼筒130と同軸になるように配置され、燃焼筒130との間に燃焼排ガス流路140を形成する有底円筒形の金属部材であり、加熱部隔壁131の底部と燃焼筒130の下端との間に燃焼排ガスが通流する隙間がある。加熱部隔壁131は、燃焼筒130との間に隙間を空けて燃焼筒130を収納するように構成されている。
第1隔壁132は、鉛直方向に中心軸を有する略円筒状で、内径が加熱部隔壁131の外径よりも大きく、下部の径が上部の径よりも大きく構成されている。また、第1隔壁132は、加熱部隔壁131との間に隙間を空けて加熱部隔壁131の外周面を囲み、加熱部隔壁131と同軸になるように配置された金属部材である。
第1隔壁132における上部と加熱部隔壁131との間には、炭化水素を含む原料ガスと水とを螺旋状に流すための螺旋状に曲げられた棒材が配置されており、第1隔壁132における下部と加熱部隔壁131との間には、原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一次水素含有ガス(一酸化炭素を含む水素含有ガス)を生成する改質触媒が充填されている。
第1隔壁132における上部と加熱部隔壁131との間で螺旋状の棒材が配置された箇所は、炭化水素を含む原料ガスと水とが加熱部隔壁131から伝わる熱で加熱されながら通過する蒸発部121となっており、第1隔壁132における下部と加熱部隔壁131との間で改質触媒が充填された箇所は、改質部122となっている。
第1隔壁132における螺旋状の棒材が配置された箇所よりも上部には、蒸発部121に原料ガスと水を供給する供給管が接続されている。
蒸発部121は、加熱部隔壁131と第1隔壁132における上部との隙間に螺旋状に曲げられた棒材を配置して形成(構成)され、加熱部隔壁131を介して伝わる熱(加熱部120の熱と燃焼排ガスの熱)で、炭化水素を含む原料ガスと水とを加熱して、水を蒸発させるように構成されている。
改質部122は、加熱部隔壁131と第1隔壁132における下部との隙間に改質触媒を充填して形成され、蒸発部121の下方で加熱部隔壁131を介して熱(加熱部120の熱と燃焼排ガスの熱)が伝えられ、蒸発部121から流出した原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを生成するように構成されている。
改質部122は、第1隔壁132の下部と加熱部隔壁131との間に充填される改質触媒の他に、改質部下棚板(図示せず)と、改質部上棚板(図示せず)と、を備えている。
改質部下棚板は、改質触媒を下から支えるように第1隔壁132における下部と加熱部隔壁131との間に配置される棚板であり、改質部上棚板は、改質触媒を上から覆うように第1隔壁132における下部と加熱部隔壁131との間に配置される棚板である。改質部下棚板と改質部上棚板は、通気構造で、ドーナツ盤形状で、改質触媒の粒子径より小さい通気孔が形成されている。
伝熱緩衝筒134は、鉛直方向に中心軸を有する略円筒状で、外周面の外径が第1隔壁
132における下部の外周面の外径よりも大きい。伝熱緩衝筒134は、第1隔壁132における上部との間に伝熱緩衝用の空間が形成されるように、第1隔壁132における上部の外周面に固定されている。
132における下部の外周面の外径よりも大きい。伝熱緩衝筒134は、第1隔壁132における上部との間に伝熱緩衝用の空間が形成されるように、第1隔壁132における上部の外周面に固定されている。
伝熱緩衝筒134は、蒸発部121とCO低減部123との間と、蒸発部121とCO除去部124との間とに、それぞれ伝熱緩衝用の空間を形成するように、第1隔壁132における蒸発部121が構成されている部分の外周面に固定される筒状部材である。伝熱緩衝筒134は、第1隔壁132における蒸発部121が構成された部分の外周面を囲み第1隔壁132と同軸になるように配置されている。
改質部122から流出した一次水素含有ガスのうち、CO低減部123を通流せずに、伝熱緩衝筒134と第1隔壁132との間を通流して、水素生成装置200の外に出てしまう一次水素含有ガスの量が許容量を超えないように、伝熱緩衝筒134下端部が、第1隔壁132に気密に接合される。
伝熱緩衝筒134は、第1絞り部152と下端部との間の部分の内径と伝熱緩衝筒における第1絞り部152よりも上方の部分の内径とが、第1隔壁132における蒸発部121が構成されている部分の外径よりも大きく、伝熱緩衝筒134の内周面と第1隔壁132における蒸発部121が構成された部分の内周面との間に空間を形成する。
また、伝熱緩衝筒134における第1絞り部152と下端部との間の部分の外径と伝熱緩衝筒における第1絞り部152よりも上方の部分の外径とは、第1隔壁132における改質部122が構成されている部分の外径よりも大きい。
伝熱緩衝筒134は、伝熱緩衝筒134の外周側に隣接するCO低減部123のCO低減触媒およびCO除去部124のCO除去触媒または伝熱緩衝筒134の外周面と第2隔壁133の内周面との間を流れるガスが、蒸発部121との熱交換によって局所的に冷却されることを抑制する伝熱緩衝空間と、CO低減部123から流出した二次水素含有ガスと空気供給管136から供給された空気との混合性を高めるための空間とを形成するための部材である。
伝熱緩衝筒134は、伝熱緩衝筒134の外周面と第2隔壁133の内周面との間に充填されるCO低減触媒およびCO除去触媒が、蒸発部121との熱交換によって局所的に冷却される(CO低減触媒およびCO除去触媒において温度ムラが発生する)ことを抑制する伝熱緩衝空間を形成する。
第2隔壁133は、第1隔壁132における上部の外周面を囲む部分の径が第1隔壁132における下部の外周面を囲む部分の径よりも大きい側面部と、外周端が側面部の上端部に接続され内周端が外筒232の外周面に接合されるドーナツ盤形状の上面部と、外周端が側面部の下端部に接続された円盤形状の底部と、を有する有底略円筒形の金属部材である。
第2隔壁133の側面部は、内径が第1隔壁132の外径よりも大きく、第1隔壁132の外周面を囲み第1隔壁132と同軸になるように配置され、第1隔壁132との間におけるCO低減部123よりも下方となる部分にリターン流路141を形成する。
第2隔壁133の底部と第1隔壁132の下端との間には、第1隔壁132の内周面に沿って改質部122から下方に流出した一次水素含有ガスをリターン流路141に導くための、一次水素含有ガスが通流する隙間がある。
第2隔壁133の底部は、加熱部隔壁131の底部よりも大きく、第2隔壁133の底部は、加熱部隔壁131の底部よりも下方に位置するように構成されている。
第2隔壁133の側面部における上部(第1隔壁132における上部の外周面を囲む部分)は、内径が伝熱緩衝筒134の外径よりも大きく、第1隔壁132における蒸発部121が構成されている部分と伝熱緩衝筒134の外周面を囲み第1隔壁132(伝熱緩衝筒135)と同軸になるように配置されている。
また、第2隔壁133の側面部における伝熱緩衝筒134の外周面を囲む部分は、伝熱緩衝筒134との隙間における下部にCO低減部123のCO低減触媒が充填され、伝熱緩衝筒134との隙間における上部にCO除去部124のCO除去触媒が充填される。
第2隔壁133は、第2隔壁133におけるCO低減触媒が充填されてCO低減部123が構成されている部分とCO除去触媒が充填されてCO除去部124が構成されている部分との間に、CO低減部123から流出した二次水素含有ガスに混合させる空気を供給する空気供給管136を備えている。
第2隔壁133は、第2隔壁133におけるCO低減触媒が充填されてCO除去部124が構成されている部分よりも上部に、CO除去部124から第2ヘッダー流路144に流出した三次水素含有ガスを水素生成装置200の外部に排出(供給)する水素含有ガス排出口145を有し、水素含有ガス排出口145に水素含有ガスの出口管が接続されている。
第2隔壁133は、伝熱緩衝筒134との間もしくは外周面が伝熱緩衝筒134で覆われていない第1隔壁132との間に、リターン流路141と、第1流路142と、第1ヘッダー流路143と、第2ヘッダー流路144も形成している。第2隔壁133と伝熱緩衝筒134とCO低減部123とCO除去部124とで囲まれた空間は、区画部材135によって、第1流路142と第1ヘッダー流路143とに区画されている。
CO低減部123は、伝熱緩衝筒134と第2隔壁133との隙間における下部にCO低減触媒を充填して形成され、改質部122から流出した一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を変性反応で低減して二次水素含有ガスとして排出するように構成されている。
CO低減触媒は、第2隔壁133と伝熱緩衝筒134との隙間における下部に充填される直径が2~3mmの粒状のCu-Zn系の触媒である。
CO除去部124は、第2隔壁133と伝熱緩衝筒134との隙間における上部(CO低減部123の上方)に、CO除去触媒を充填して形成される。
リターン流路141は、第1隔壁132と第2隔壁133との隙間におけるCO低減部123よりも下方となる部分に形成される流路であって、改質部122から流出し上方に流れるように折り返した一次水素含有ガスをCO低減部123に導くための流路である。
区画部材135は、内周側端部が伝熱緩衝筒134に固定され、外周側端部が第2隔壁133に固定され、CO低減部123とCO除去部124と第2隔壁133と伝熱緩衝筒134とで囲まれた空間を、上部空間である第1ヘッダー流路143と、下部空間である第1流路142とに区画するドーナツ盤形状の部材である。
伝熱緩衝空間入口150は、燃焼筒130を挟んで空気供給管136の先端と対向する
位置で伝熱緩衝筒134に設けられる。
位置で伝熱緩衝筒134に設けられる。
吹き出し穴151は、伝熱緩衝筒134における区画部材135よりも上方で第1絞り部152よりも下方となる部分の周方向に間隔を空けて複数設けられている。
混合部137は、CO低減部123から流出した二次水素含有ガスと空気供給管136から供給される空気が、伝熱緩衝空間入口150から流入し、第1隔壁132の壁面に沿って旋回することで混合されるように、伝熱緩衝筒134における第1絞り部152と下端部との間の部分と第1隔壁132における上部との間に形成される。混合部137において混合されたガスは、吹き出し穴151から第1ヘッダー流路143に排出される。
伝熱緩衝筒134は、伝熱緩衝筒134における吹き出し穴151の鉛直方向上方でCO除去部124の鉛直方向下方となる部分の筒の一部において、伝熱緩衝筒134の一部が第1隔壁132に密接するように筒を部分的に縮径させた第1絞り部152を有する。伝熱緩衝筒134は、プレス絞り加工によって一体的に作製されたものである。
伝熱緩衝筒134の第1絞り部152と第1隔壁132との接触部分は、貫通溶接によって接合されている。
伝熱緩衝筒134の上端部は第1隔壁に固定されず、伝熱緩衝筒134と第1隔壁132との間の伝熱緩衝空間が第2ヘッダー流路144と通ずるように開口状態とする。
伝熱緩衝筒134における第1絞り部152よりも上方の部分は、第1隔壁132との間に、第2ヘッダー流路144と連通する隙間を空けている。
伝熱緩衝筒134は、CO低減部123の鉛直方向上方かつ伝熱緩衝空間入口150の鉛直方向下方において、筒径が第1隔壁132の筒径よりも大きく伝熱緩衝筒134における下端部および第1絞り部152を除いた部分の筒径よりも小さくなるように筒を部分的に縮径させた第2絞り部153を有する。
[2-2.動作]
以上のように構成された水素生成装置200において、以下、その動作、作用を説明する。
以上のように構成された水素生成装置200において、以下、その動作、作用を説明する。
加熱部120のバーナの燃焼で発生した燃焼排ガスは、燃焼筒130の内周面に沿って燃焼筒130の内周側を下方に流れた後に、加熱部隔壁131の底部と燃焼筒130の下端との隙間を通って燃焼筒130の外周側に出て上方に折り返して、燃焼筒130と加熱部隔壁131との間に形成された燃焼排ガス流路140を、改質部122と熱交換した後に、蒸発部121と熱交換して、加熱部隔壁131における上部に設けられた燃焼排ガス出口管から水素生成装置200の外部に排出される。
水素生成装置200において、蒸発部121に供給される原料ガスと水の比率が適正な比率となり、必要な量の水素含有ガスが生成されるように、原料ガスと水が供給管から蒸発部121に供給される。
本実施の形態では、メタンを主成分とする都市ガスを原料ガスとして用いるため、水素生成装置200の蒸発部121で発生する水蒸気のモル数が、水素生成装置200の蒸発部121に供給するメタンのモル数の3倍(スチームカーボン比(S/C比)が3)になり、必要な量の水素含有ガスが生成されるように、原料ガスと水が供給管から蒸発部121に供給される。
供給管から蒸発部121に供給された水は、蒸発部121の螺旋状流路に沿って流れながら加熱部隔壁131を介して伝わる加熱部120の熱(燃焼排ガスの熱を含む)によって水蒸気となり、原料ガスと混合される。
改質部122に流入した原料ガスと水蒸気との混合ガスは、加熱部120の熱によって600℃に温められ、かつ改質触媒によって一酸化炭素を含む一次水素含有ガスに改質される。このとき、(化1)に示すようにメタンと水から水素と二酸化炭素を生成する反応と、(化2)に示すようにメタンと水から水素と一酸化炭素を生成する反応が起こっている。
ここで、本実施の形態において600℃と例示した改質触媒の温度は、典型的な温度であって、改質反応を起こす改質部122内の温度は、改質部122の構造や材質、大きさにも依存して変わる。改質反応を起こす改質部122内の温度は、例えば、400℃~650℃の範囲で変動し得る。
改質部122から排出された一次水素含有ガスは、リターン流路141を通流して、CO低減部123に下方から供給される。
CO低減部123は、改質部122から排出された一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を低減して二次水素含有ガスとして排出する。詳細には、CO低減触媒で起こる(化3)に示す変成反応によって、一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気を反応させて二酸化炭素と水素を生成し、一酸化炭素の濃度が0.1~0.2%程度にまで低減された二次水素含有ガスとなる。
このとき、変成反応によって熱が発生するが、熱の一部は、伝熱緩衝筒134と第2隔壁133に伝わり、CO低減部123の温度は、変成反応に適した温度である250℃に維持される。
ここで、本実施の形態において250℃と例示したCO低減触媒の温度は、典型的な温度であって、変成反応を起こすCO低減部123内の温度は、CO低減部123の構造や材質、大きさにも依存して変わる。変成反応を起こすCO低減部123内の温度は、例えば、200℃~300℃の範囲で変動し得る。
CO低減部123から排出された二次水素含有ガスは、第1流路142に流入する。第1流路142は、ドーナツ状の形状をしており、空気供給管136から第1流路142に供給された空気とCO低減部123から第1流路142に排出された二次水素含有ガスとが、伝熱緩衝筒134によって二手に分かれて、伝熱緩衝筒134の外周面に沿って略半周、周方向に流れながら混合される。
二手に分かれて伝熱緩衝筒134の外周面に沿って略半周、周方向に流れながら空気と混合された二次水素含有ガスは、伝熱緩衝空間入口150を通って、伝熱緩衝筒134における第1絞り部152と下端部との間の部分と第1隔壁132における上部との間に形成された伝熱緩衝空間125(混合部137)に流入する。
蒸発部121とCO低減部123との間には、混合部137を兼ねる伝熱緩衝空間125が存在し、蒸発部121とCO除去部124の間には、第2ヘッダー流路144と連通する伝熱緩衝空間125が存在することにより、蒸発部121とCO低減部123との第1隔壁132と伝熱緩衝筒134とを介した熱交換と、蒸発部121とCO除去部124との第1隔壁132と伝熱緩衝筒134とを介した熱交換とが抑制されている。
混合部137もドーナツ状の形状をしており、伝熱緩衝空間入口150を通って混合部137に流入した、空気と混合された二次水素含有ガスは、第1隔壁132の外周面に沿って伝熱緩衝筒134の内周側を流れた後に、伝熱緩衝筒134の吹き出し穴151を通って第1ヘッダー流路143に排出されて、CO除去部124に供給される。
CO除去部124は、CO低減部123から流出した(排出された)二次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を更に低減して三次水素含有ガスとして第2ヘッダー流路144に排出する。詳細には、CO除去触媒で起こる(化4)に示す選択酸化反応によって一酸化炭素と酸素から二酸化炭素が、(化5)に示すように水素と酸素から水が生成される。
このとき、CO除去部124では選択酸化反応によって熱が発生するが、熱の一部は、伝熱緩衝筒134と第2隔壁133に伝わり、CO除去部124の温度は、選択酸化反応に適した温度である150℃に維持される。
ここで、本実施の形態において150℃と例示したCO除去触媒の温度は、典型的な温度であって、選択酸化反応を起こすCO除去部124内の温度は、CO除去部124の構造や材質、大きさにも依存して変わる。選択酸化反応を起こすCO除去部124内の温度は、例えば、100℃~180℃の範囲で変動し得る。
CO除去部124によって一酸化炭素の濃度を更に低減された二次水素含有ガスは、三次水素含有ガスとして第2ヘッダー流路144に排出される。
CO除去部124から第2ヘッダー流路144に排出された三次水素含有ガスは、第2ヘッダー流路144と隣接する蒸発部121との熱交換で第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面で冷却されて、三次水素含有ガスに含まれる水蒸気が凝縮して、第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面に結露水が発生することがある。
本実施の形態の水素生成装置100においては、伝熱緩衝筒134の上端部は第1隔壁に固定されず、伝熱緩衝筒134と第1隔壁132との間の伝熱緩衝空間が第2ヘッダー流路144と通ずるように開口状態になっている(伝熱緩衝筒134における第1絞り部152よりも上方の部分は、第1隔壁132との間に、第2ヘッダー流路144と連通する隙間を空けている)。
したがって、第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面に発生した結露水は、重力によって第1隔壁132の外周面に沿って第1絞り部152が密接する箇所に向かって流れることがあるが、第1隔壁132の外周面から伝熱緩衝筒134の外周面に移動してCO除去部124に流入することはない。
第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面に発生した結露水は、第1隔壁132の外周面よりも表面温度が高い伝熱緩衝筒134の内周面に接触した後に、伝熱緩衝筒134からの伝熱で、蒸発するので、第1絞り部152よりも上方の伝熱緩衝空間に溜まった結露水が溢れてCO除去部124に流入することはない。
プレス絞り加工によって一体的に作製することができる伝熱緩衝筒134が、CO低減部123と蒸発部121との間に伝熱緩衝空間125を形成する部材と、CO除去部124と蒸発部121との間に伝熱緩衝空間125を形成する部材と、特許文献2における空気混合筒に相当する部材(第1隔壁132との間に混合部137を構成する部材)と、を
兼ねるので、部品点数を少なくすることができる。
兼ねるので、部品点数を少なくすることができる。
伝熱緩衝筒134は、CO低減部123の鉛直方向上方かつ伝熱緩衝空間入口150の鉛直方向下方において、筒径が第1隔壁132の筒径よりも大きく伝熱緩衝筒134における下端部および第1絞り部152を除いた部分の筒径よりも小さくなるように筒を部分的に縮径させた第2絞り部153を有する。
これにより、第1絞り部152を第1流路142と隣接する一部に備えることで、伝熱緩衝空間入口150から流入した空気と二次水素含有ガスとの混合ガスの下方向(CO低減部123と蒸発部121との間の伝熱緩衝空間125)への通流が抑制されるため、混合ガスの周方向への旋回が促進され、空気と二次水素含有ガスとの混合機能を向上することができる。
混合部137における空気と二次水素含有ガスとの混合性能が向上することでCO除去部124に流入するガスに含まれるCO濃度のバラつきが抑制され、三次水素含有ガスに含まれるCO濃度のバラつきを抑制することができる。
また、第1絞り部152と下端部が第1隔壁132に固定された伝熱緩衝筒134と第1隔壁132とに温度差が生じた場合でも、第2絞り部153の上下方向の幅が伸縮するように変形することで、伝熱緩衝筒134と第1隔壁132とにおける熱膨張量差を吸収することができる。これにより、第1絞り部152と伝熱緩衝筒134の下端部における第1隔壁132に固定された箇所に熱応力が集中することを抑制できる。
[2-3.効果]
以上のように、本実施の形態において、水素生成装置200は、加熱部120と、燃焼筒130と、加熱部隔壁131と、燃焼排ガス流路140と、第1隔壁132と、第2隔壁133と、伝熱緩衝筒134と、蒸発部121と、改質部122と、CO低減部123と、CO除去部124と、リターン流路141と、伝熱緩衝空間125と、区画部材135と、空気供給管136と、伝熱緩衝空間入口150と、吹き出し穴151と、第2ヘッダー流路144と、水素含有ガス排出口145と、を有する。
以上のように、本実施の形態において、水素生成装置200は、加熱部120と、燃焼筒130と、加熱部隔壁131と、燃焼排ガス流路140と、第1隔壁132と、第2隔壁133と、伝熱緩衝筒134と、蒸発部121と、改質部122と、CO低減部123と、CO除去部124と、リターン流路141と、伝熱緩衝空間125と、区画部材135と、空気供給管136と、伝熱緩衝空間入口150と、吹き出し穴151と、第2ヘッダー流路144と、水素含有ガス排出口145と、を有する。
加熱部120は、可燃ガスを燃焼して、燃焼排ガスを排出するように構成されている。燃焼筒130は、鉛直方向に中心軸を有する筒状で、燃焼排ガスが筒の内側を下方に向かって流れるように、加熱部120の外周を囲むように構成されている。
加熱部隔壁131は、鉛直方向に中心軸を有する有底筒状で、燃焼筒130との間に隙間を空けて燃焼筒130を収納するように構成されている。燃焼排ガス流路140は、燃焼筒130と加熱部隔壁131との隙間に形成され、上方に燃焼排ガスを流すように構成されている。
第1隔壁132は、鉛直方向に中心軸を有する略筒状で、下部の径が上部の径よりも大きく、加熱部隔壁131との間に隙間を空けて加熱部隔壁131の外周を囲むように構成されている。第2隔壁133は、鉛直方向に中心軸を有する筒状で、第1隔壁132との間に隙間を空けて、第1隔壁132の外周を囲むように構成されている。
伝熱緩衝筒134は、第2隔壁133の内周側で第1隔壁132における上部の外周を囲むように構成され、下端部が第1隔壁132における上部に固定されている。蒸発部121は、加熱部隔壁131と第1隔壁132における上部との隙間に形成され、加熱部隔壁131を介して伝わる熱で原料ガスと水とを加熱して、水を蒸発させるように構成されている。
改質部122は、加熱部隔壁131と第1隔壁132における下部との隙間に改質触媒を充填して形成され、蒸発部121の下方で加熱部隔壁131を介して熱が伝えられ、蒸発部121から流出した原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを生成するように構成されている。
CO低減部123は、伝熱緩衝筒134と第2隔壁133との隙間における下部にCO低減触媒を充填して形成され、改質部122から流出した一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を変性反応で低減して二次水素含有ガスとして排出するように構成されている。
CO除去部124は、第2隔壁133と伝熱緩衝筒134との隙間におけるCO低減部123の上方となる部分に、CO除去触媒を充填して形成され、CO低減部123から排出される二次水素含有ガスの一酸化炭素の濃度を選択酸化反応で更に低減して、三次水素含有ガスとして排出するように構成されている。
リターン流路141は、第1隔壁132と第2隔壁133との隙間におけるCO低減部123よりも下方となる部分に形成され、改質部122から流出し上方に流れるように折り返した一次水素含有ガスをCO低減部123に導くように構成されている。
伝熱緩衝空間125は、第1隔壁132と伝熱緩衝筒134との隙間に、CO低減部123と蒸発部121との第1隔壁132と伝熱緩衝筒134とを介した熱交換と、CO除去部124と蒸発部121との第1隔壁132と伝熱緩衝筒134とを介した熱交換とが抑制されるように設けられている。
区画部材135は、CO低減部123とCO除去部124と第2隔壁133と伝熱緩衝筒134とで囲まれた空間を、上部空間である第1ヘッダー流路143と、下部空間である第1流路142とに区画するドーナツ盤形状の部材であって、内周側端部が伝熱緩衝筒134に固定され外周側端部が第2隔壁133に固定されている。空気供給管136は、第1流路142に空気を供給するように構成されている。
伝熱緩衝空間入口150は、燃焼筒130を挟んで空気供給管136の先端と対向する位置で、第1流路142の空気と混合された二次水素含有ガスを伝熱緩衝空間125(混合部137)に流入させるように伝熱緩衝筒134に設けられている。
吹き出し穴151は、伝熱緩衝空間125(混合部137)の空気と混合された二次水素含有ガスを第1ヘッダー流路143に流出させるように伝熱緩衝筒134の周方向に間隔を空けて複数設けられている。
第2ヘッダー流路144は、第1隔壁132と第2隔壁133との隙間におけるCO除去部124よりも上方となる部分に形成され、CO除去部124から三次水素含有ガスが流入するように構成されている。水素含有ガス排出口145は、第2ヘッダー流路144と連通するように第2隔壁133に形成され、三次水素含有ガスを外部へ排出するように構成されている。
伝熱緩衝筒134は、吹き出し穴151の鉛直方向上方かつCO除去部124の鉛直方向下方において、第1隔壁132に伝熱緩衝筒134の一部が密接するように筒を部分的に縮径させた第1絞り部152を有している。
伝熱緩衝筒134における第1絞り部152よりも上方の部分は、第1隔壁132との
間に、第2ヘッダー流路144と連通する隙間を空けている。
間に、第2ヘッダー流路144と連通する隙間を空けている。
本実施の形態の水素生成装置200においては、プレス絞り加工等によって一体的に作製することができる伝熱緩衝筒134が、CO低減部123と蒸発部121との間に伝熱緩衝空間125を形成する部材と、CO除去部124と蒸発部121との間に伝熱緩衝空間125を形成する部材と、特許文献2における空気混合筒に相当する部材(第1隔壁132との間に混合部137を構成する部材)と、を兼ねるので、部品点数を少なくすることができる。
CO除去部124から第2ヘッダー流路144に排出された三次水素含有ガスは、第2ヘッダー流路144と隣接する蒸発部121との熱交換で第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面で冷却されて、三次水素含有ガスに含まれる水蒸気が凝縮して、第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面に結露水が発生することがある。
本実施の形態の水素生成装置200においては、伝熱緩衝筒134の上端部は第1隔壁に固定されず、伝熱緩衝筒134と第1隔壁132との間の伝熱緩衝空間が第2ヘッダー流路144と通ずるように開口状態になっている(伝熱緩衝筒134における第1絞り部152よりも上方の部分は、第1隔壁132との間に、第2ヘッダー流路144と連通する隙間を空けている)。
したがって、第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面に発生した結露水は、重力によって第1隔壁132の外周面に沿って第1絞り部152が密接する箇所に向かって流れることがあるが、第1隔壁132の外周面から伝熱緩衝筒134の外周面に移動してCO除去部124に流入することはない。
第2ヘッダー流路144に露出する第1隔壁132の外周面に発生した結露水は、第1隔壁132の外周面よりも表面温度が高い伝熱緩衝筒134の内周面に接触した後に、伝熱緩衝筒134からの伝熱で、蒸発するので、第1絞り部152よりも上方の伝熱緩衝空間に溜まった結露水が溢れてCO除去部124に流入することはない。そのため、蒸発部121との熱交換で三次水素含有ガスから発生した結露水が、CO除去部124に流入することを抑制することができる。
これにより、蒸発部121との熱交換で三次水素含有ガスから発生した結露水が、CO除去部124に流入することによってCO除去触媒が劣化することを抑制しつつ、混合部137と、CO低減部123およびCO除去部124の伝熱緩衝空間とを一体化した部品で形成することの部品点数削減により組立工数を削減できる。
本実施の形態のように、伝熱緩衝筒134の第1絞り部152と第1隔壁132との接触部分を、貫通溶接によって接合してもよい。溶接方法として、貫通溶接を用いれば、伝熱緩衝筒134の第1絞り部152と第1隔壁132との接触部分を、容易に接合することができる。
本実施の形態のように、伝熱緩衝筒134の第1絞り部152は、プレス絞り加工によって、CO低減部123と蒸発部121との間に伝熱緩衝空間125を形成する部分およびCO除去部124と蒸発部121との間に伝熱緩衝空間125を形成する部分と、一体的に作製してもよい。そのようにすれば、別々に作製したものを一体化する場合よりも容易に品質よく、第1絞り部152を有する伝熱緩衝筒134を作製することができる。
本実施の形態のように、伝熱緩衝筒134は、CO低減部123の鉛直方向上方かつ伝
熱緩衝空間入口150の鉛直方向下方において、筒径が第1隔壁132の筒径よりも大きく伝熱緩衝筒134における下端部および第1絞り部152を除いた部分の筒径よりも小さくなるように筒を部分的に縮径させた第2絞り部153を有してもよい。
熱緩衝空間入口150の鉛直方向下方において、筒径が第1隔壁132の筒径よりも大きく伝熱緩衝筒134における下端部および第1絞り部152を除いた部分の筒径よりも小さくなるように筒を部分的に縮径させた第2絞り部153を有してもよい。
これにより、第1絞り部152を第1流路142と隣接する一部に備えることで、伝熱緩衝空間入口150から流入した空気と二次水素含有ガスとの混合ガスの下方向(CO低減部123と蒸発部121との間の伝熱緩衝空間125)への通流が抑制されるため、混合ガスの周方向への旋回が促進され、空気と二次水素含有ガスとの混合機能を向上することができる。
混合部137における空気と二次水素含有ガスとの混合性能が向上することでCO除去部124に流入するガスに含まれるCO濃度のバラつきが抑制され、三次水素含有ガスに含まれるCO濃度のバラつきを抑制することができる。
また、第1絞り部152と下端部が第1隔壁132に固定された伝熱緩衝筒134と第1隔壁132とに温度差が生じた場合でも、第2絞り部153の上下方向の幅が伸縮するように変形することで、伝熱緩衝筒134と第1隔壁132とにおける熱膨張量差を吸収することができる。これにより、第1絞り部152と伝熱緩衝筒134の下端部における第1隔壁132に固定された箇所に熱応力が集中することを抑制できる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1および実施の形態2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1および実施の形態2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1および実施の形態2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1および実施の形態2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
実施の形態1および実施の形態2における伝熱緩衝筒134の第1絞り部152と第1隔壁132との溶接は、TIGやレーザーによる貫通溶接が望ましい。これにより、第1絞り部152と第1隔壁132が径方向に隙間なく接合することができ、CO除去部124を通流せず混合部137から第2ヘッダー流路144へガスが漏れることを抑制することができる。そのため、水素生成装置100または水素生成装置200からCO濃度が高い三次水素含有ガスが排出されることを抑制することができる。
実施の形態1および実施の形態2における伝熱緩衝筒134は、液圧プレスにより製造してもよい。これにより、伝熱緩衝筒134の真円に近い状態で加工することができ、第1隔壁132との径方向の隙間を小さくすることができる。そのため、伝熱緩衝筒134と第1隔壁132との貫通溶接時の溶接不良を抑制することができる。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、表面温度が異なる2つの側壁の間に、水に濡れると劣化する触媒等の材料を充填した構造物で、低温側の側壁面に結露水が発生するものに適用可能である。具体的には、一酸化炭素濃度が低い水素含有ガスを生成する水素生成装置や、不純物を除いてから水素ガスを供給する燃料電池発電装置や水素精製システムなどに適用可能である。
100 水素生成装置
120 加熱部
121 蒸発部
122 改質部
123 CO低減部
124 CO除去部
125 伝熱緩衝空間
130 燃焼筒
131 加熱部隔壁
132 第1隔壁
133 第2隔壁
134 伝熱緩衝筒
135 区画部材
136 空気供給管
137 混合部
140 燃焼排ガス流路
141 リターン流路
142 第1流路
143 第1ヘッダー流路
144 第2ヘッダー流路
145 水素含有ガス排出口
150 伝熱緩衝空間入口
151 吹き出し穴
152 第1絞り部
153 第2絞り部
200 水素生成装置
120 加熱部
121 蒸発部
122 改質部
123 CO低減部
124 CO除去部
125 伝熱緩衝空間
130 燃焼筒
131 加熱部隔壁
132 第1隔壁
133 第2隔壁
134 伝熱緩衝筒
135 区画部材
136 空気供給管
137 混合部
140 燃焼排ガス流路
141 リターン流路
142 第1流路
143 第1ヘッダー流路
144 第2ヘッダー流路
145 水素含有ガス排出口
150 伝熱緩衝空間入口
151 吹き出し穴
152 第1絞り部
153 第2絞り部
200 水素生成装置
Claims (4)
- 可燃ガスを燃焼して、燃焼排ガスを排出する加熱部と、
鉛直方向に中心軸を有する筒状で、前記燃焼排ガスが筒の内側を下方に向かって流れるように前記加熱部の外周を囲む燃焼筒と、
鉛直方向に中心軸を有する有底筒状で、前記燃焼筒との間に隙間を空けて前記燃焼筒を収納する加熱部隔壁と、
前記燃焼筒と前記加熱部隔壁との隙間に形成され、上方に前記燃焼排ガスを流す燃焼排ガス流路と、
鉛直方向に中心軸を有する略筒状で、下部の径が上部の径よりも大きく構成され、前記加熱部隔壁との間に隙間を空けて前記加熱部隔壁の外周を囲む第1隔壁と、
鉛直方向に中心軸を有し、前記第1隔壁との間に隙間を空けて前記第1隔壁の外周を囲む筒状の第2隔壁と、
前記第2隔壁の内周側で前記第1隔壁における前記上部の外周を囲み、下端部が前記第1隔壁における前記上部に固定される伝熱緩衝筒と、
前記加熱部隔壁と前記第1隔壁における前記上部との隙間に形成され、前記加熱部隔壁を介して伝わる熱で原料ガスと水とを加熱して、前記水を蒸発させる蒸発部と、
前記加熱部隔壁と前記第1隔壁における前記下部との隙間に改質触媒を充填して形成され、前記蒸発部の下方で前記加熱部隔壁を介して熱が伝えられ、前記蒸発部から流出した前記原料ガスと水蒸気との混合ガスから改質反応で一酸化炭素を含む一次水素含有ガスを生成する改質部と、
前記伝熱緩衝筒と前記第2隔壁との隙間における下部にCO低減触媒を充填して形成され、前記改質部から流出した前記一次水素含有ガスに含まれる一酸化炭素の濃度を変性反応で低減して二次水素含有ガスとして排出するCO低減部と、
前記第2隔壁と前記伝熱緩衝筒との隙間における前記CO低減部の上方となる部分に、CO除去触媒を充填して形成され、前記CO低減部から排出される前記二次水素含有ガスの一酸化炭素の濃度を選択酸化反応で更に低減して、三次水素含有ガスとして排出するCO除去部と、
前記第1隔壁と前記第2隔壁との隙間における前記CO低減部よりも下方となる部分に形成され、前記改質部から流出し上方に流れるように折り返した前記一次水素含有ガスを前記CO低減部に導くリターン流路と、
前記第1隔壁と前記伝熱緩衝筒との隙間に、前記CO低減部と前記蒸発部との前記第1隔壁と前記伝熱緩衝筒とを介した熱交換と、前記CO除去部と前記蒸発部との前記第1隔壁と前記伝熱緩衝筒とを介した熱交換とが抑制されるように設けられた伝熱緩衝空間と、
内周側端部が前記伝熱緩衝筒に固定され、外周側端部が前記第2隔壁に固定され、前記CO低減部と前記CO除去部と前記第2隔壁と前記伝熱緩衝筒とで囲まれた空間を、上部空間である第1ヘッダー流路と、下部空間である第1流路とに区画するドーナツ盤形状の区画部材と、
前記第1流路に空気を供給する空気供給管と、
前記燃焼筒を挟んで前記空気供給管の先端と対向する位置で前記第1流路の前記空気と混合された前記二次水素含有ガスを前記伝熱緩衝空間に流入させるように前記伝熱緩衝筒に設けられた伝熱緩衝空間入口と、
前記伝熱緩衝空間の前記空気と混合された前記二次水素含有ガスを前記第1ヘッダー流路に流出させるように前記伝熱緩衝筒の周方向に間隔を空けて複数設けられた吹き出し穴と、
前記第1隔壁と前記第2隔壁との隙間における前記CO除去部よりも上方となる部分に形成され、前記CO除去部から前記三次水素含有ガスが流入する第2ヘッダー流路と、
前記第2ヘッダー流路と連通するように前記第2隔壁に形成され、前記三次水素含有ガスを外部へ排出する水素含有ガス排出口と、
を有する水素生成装置であって、
前記伝熱緩衝筒は、前記吹き出し穴の鉛直方向上方かつ前記CO除去部の鉛直方向下方において、前記第1隔壁に前記伝熱緩衝筒の一部が密接するように筒を部分的に縮径させた第1絞り部を有し、
前記伝熱緩衝筒における前記第1絞り部よりも上方の部分は、前記第1隔壁との間に、前記第2ヘッダー流路と連通する隙間を空けていることを特徴とする、水素生成装置。 - 前記伝熱緩衝筒は、前記CO低減部の鉛直方向上方かつ前記伝熱緩衝空間入口の鉛直方向下方において、筒径が前記第1隔壁の筒径よりも大きく前記伝熱緩衝筒における前記下端部および前記第1絞り部を除いた部分の筒径よりも小さくなるように筒を部分的に縮径させた第2絞り部を有することを特徴とする、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記伝熱緩衝筒の前記第1絞り部と前記第1隔壁との接触部分は、貫通溶接によって接合されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の水素生成装置。
- 前記伝熱緩衝筒は、プレス絞り加工によって一体的に作製されたものであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の水素生成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022054943A JP2023147445A (ja) | 2022-03-30 | 2022-03-30 | 水素生成装置 |
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-
2022
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