JP2013180929A - 燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来技術よりも低い圧力損失で、改質ガスと空気を十分に混合することのできる燃料処理装置を提供する。
【解決手段】改質ガスと空気が合流した先に孔の開いた混合容器(13)を設けることによって、その混合容器(13)内部でガスと空気の混合を促進させる。また、混合容器(13)の孔(54)からガスを噴出させ、混合ヘッダ(14)の円環状の流路を旋回させることによって、更にガスと空気の混合を促進させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池用の燃料から水素を生成する燃料処理装置に関する。
家庭用コージェネレーションシステムなどの燃料電池システムは、水素を含有する燃料ガスを生成する燃料処理装置と、燃料処理装置で生成された燃料ガスを利用して発電する燃料電池とを有する。
燃料処理装置は、改質ガスを生成する改質部と、一酸化炭素を改質ガス中から除去する一酸化炭素除去部とを有する。改質ガスは水素と一酸化炭素と水蒸気を主成分とし、水蒸気および炭化水素系燃料などの原料から生成される。一酸化炭素は燃料電池を劣化させる性質があるため、十分に除去する必要がある。
一酸化炭素除去部は、CO変成触媒によるシフト反応によって改質ガス中の一酸化炭素濃度を0.5%程度まで低下させる変成部と、CO選択酸化触媒による選択酸化反応によって、改質ガス中の一酸化炭素濃度をさらに低下させる選択酸化部と、変成部と選択酸化部とを接続する混合部とを有する。混合部は、変成部から排出された改質ガスと空気とを混合するための流路である。
CO選択酸化触媒においては次のような化学反応により一酸化炭素COが除去される。
2CO + O → 2CO
このとき一酸化炭素COを含む改質ガスと、酸素Oを含む空気は十分に混合されていることが求められる。両者の混合が不十分な場合、上記の化学反応が促進されず、一酸化炭素を十分に除去することができないからである。
混合部で改質ガスと空気とを混合する手段として、改質ガスが流れる混合部に空気を供給する方法(特許文献1参照)、あるいは空気が流れる混合部に改質ガスを供給する方法(特許文献2参照)が知られている。
特開2003−226504号公報 特許第4542205号公報
既に提案されている燃料処理装置(例えば、特許文献1参照)における混合部の断面図を図22,図23に示す。
図22に示すように、混合部10は、変成部20と選択酸化部30とを接続する。混合部10には空気供給管40が接続されており、空気供給管40の先端は混合部10の横断面の中まで伸びている。破線矢印は改質ガスの流れを示し、実線矢印は空気の流れを示す。改質ガスが流れる混合部10内に、空気供給管40の先端から空気を供給することで、改質ガスと空気とを混合できる。
また、図23の場合には、混合部10の横断面の中まで伸びている空気供給管41の先端には複数の開口部42が穿設されており、改質ガスが流れる混合部10内に、複数の開口部42を通して空気を供給することで、改質ガスと空気とを混合できる。
何れの場合も、空気供給管40,41が混合部10の横断面の中まで延びているので、改質ガスの流速が速い混合部10の横断面の中心に空気を供給し、改質ガスと空気との混合を促進することができる。
通常、混合部10内を流れる改質ガスの流量は、空気供給管40,41から供給される空気の流量のおよそ20倍程度である。このように、混合部10内を流れる改質ガスの流量が多く、供給される空気の流量が小さいと、空気の流速が遅く、空気の供給によって混合部10内に形成される渦が小さい。形成される渦が小さいと、混合部10内で改質ガスと空気とが十分に混合されない。また、空気の流速を速くするために空気の噴出孔を小さくすることも考えられるが、その場合、圧力損失が大きくなってしまう。
このような、改質ガスが流れる混合部10に空気を供給する方式では、改質ガスと空気との混合が十分に行われず、かつ圧力損失が大きくなるという問題がある。
特許文献1などの混合性能に関する課題を解決するため、空気が流れる混合流路に改質ガスを供給する方式が特許文献2などに提案されている。
図24は、特許文献2に開示された燃料処理装置における混合部100を示す。
この場合には、空気供給口101から流入して混合流路110と混合流路120を経て混合ガス出口130に向かって空気が流されている。改質ガスは、混合流路110に形成されたガス供給口111から混合流路110に噴出する。改質ガスのこの噴出によって空気の流れに渦が発生し、改質ガスと空気との混合が促進する。また、混合流路120において両者のガスが拡散されて混合がさらに促進される。このため、図24の場合は、図22,図23に示された混合部10と比較して、改質ガスと空気とをより効率的に混合できる。
しかしながら、図24に示されるような燃料処理装置は、高い混合性能を得るために狭い流路や小さい孔にガスを流すため、圧力損失が大きくなるという課題がある。
そこで本発明は、圧力損失を低減させつつ、従来と同等の混合性能を有する燃料処理装置を提供することを目的とする。
本発明の燃料処理装置は、一酸化炭素、水素、および水蒸気含む改質ガスを生成する改質部と、前記改質ガス中の一酸化炭素と水とを反応させて一酸化炭素濃度を低下させる変成部と、前記改質ガスと酸素を含む空気を混合する混合部と、前記混合部から運ばれる改質ガス中の一酸化炭素と空気中の酸素とを反応させて燃料ガスを生成する選択酸化部を有し、前記混合部は、前記変成部から運ばれる改質ガスが通る改質ガス流路と、前記空気供給部から供給される空気を運搬し前記改質ガス流路に接続される空気流路と、前記改質ガス流路に接続され改質ガスと空気を混合する混合容器と、環状の空間を有する混合ヘッダと、前記混合ヘッダから流れるガスを前記選択酸化部へと運搬する流路を有し、前記混合容器は、改質ガス流路に接続する面の面積が改質ガス流路の断面積よりも大きく、ガスの出口として側面に孔を設けてあり、前記孔を持つ面の法線方向は前記混合ヘッダの環状の空間の中心軸と平行でないことを特徴とする。
この構成によれば、混合容器は、改質ガス流路に接続する面の面積が改質ガス流路の断面積よりも大きく、ガスの出口として側面に孔を設けてあり、孔を持つ面の法線方向は混合ヘッダの環状の空間の中心軸と平行でないため、ガスの圧力損失を低減しつつ、改質ガスと空気を十分に混合することができる。このことから本発明の燃料処理装置は低い圧力損失で一酸化炭素濃度の低い燃料ガスを生成することができる。
また、特許文献2に示す混合流路の製造に必要な、流路を円弧状に曲げるための加工、多数の孔をあけるための加工、流路を直角にする加工などを必要としないため、製造工数をより少なくできる。
本発明の燃料処理装置の正面断面図 本発明の燃料処理装置におけるガスの流れを示す図 本発明における混合部の構成とガスの流れを示す図 本発明における混合容器とガスの流れを示す要部斜視図 図3におけるA−A断面図 実施例1における改質ガス流路と空気流路の斜視図 実施例1における改質ガス流路と空気流路の断面図 矩形状の断面をもつ改質ガス流路と空気流路の斜視図 2種類のガスが層を成すときの拡散の様子を示す図 2種類の気体が層をなし、渦が発生する場合の混合の様子を示す図 狭い流路や広い流路を流れるガスが渦を発生させる様子を示す図 比較例1における混合容器の斜視図 実施例2における混合容器の斜視図 実施例3における混合容器の斜視図 実施例1におけるシミュレーション効果検討における混合容器の斜視図 シミュレーションでの評価領域(断面A−A:第1測定領域(1))を示す図 シミュレーションでの評価領域(断面A−A:第2測定領域(2))を示す図 シミュレーションでの評価領域(断面B−B:第3測定領域(3))を示す図 比較例2における改質ガス流路の斜視図 シミュレーションによる混合性能の検証に使用したαの結果 シミュレーションによりαのばらつきを比較した結果 特許文献1における混合部の断面図 特許文献1における別の混合部の断面図 特許文献2における混合部の斜視図
本発明の燃料処理装置は、炭化水素系燃料を含む原料ガスと水蒸気とを水蒸気改質反応させ、燃料電池用の燃料ガスを生成するための装置である。
以下、本発明の燃料処理装置を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の燃料処理装置を示す。
この燃料処理装置は、燃焼部1と、この燃焼部1の外周に設けられた蒸発部2と改質部3と、蒸発部2の外周に設けられた変成部4と混合部5および選択酸化部6を有する。それぞれの部分は金属板によって仕切られている。金属板にはステンレス鋼などが用いられる。原料ガス21はガス入口50から供給される。
燃焼部1は、蒸発部2および改質部3を熱するための機構である。燃焼部1は火炎を形成できるのであれば特に限定されず、例えばバーナである。燃焼部1は燃焼排ガス29を排出する。
蒸発部2は、ガス入口50から供給された原料ガス21と水31のうちの、水31を蒸発させて水蒸気を生成し、この水蒸気と原料ガス21とを混合する。さらに蒸発部2は、燃焼部1、改質部3、変成部4および選択酸化部6と熱交換し、水31を蒸発させて、水蒸気を生成する。生成された水蒸気は蒸発部2で原料ガスと混合される。
改質部3は、ルテニウム系やニッケル系の触媒を含み、蒸発部2から供給される原料ガスと水蒸気とから、水蒸気改質反応によって、改質ガスを生成する。また、改質部3で生成される改質ガスは、一酸化炭素および水蒸気を含む。改質部3で生成された改質ガスの一酸化炭素濃度は、例えば7〜13%である。
変成部4は、改質部3で生成された改質ガスから低濃度の一酸化炭素を含む改質ガスを生成する。変成部4は、白金系や銅・亜鉛系の触媒を含み、改質部3で生成された改質ガス中の一酸化炭素と水とから、シフト反応によって、二酸化炭素および水素を生成する。ここで「一酸化炭素の濃度が低い」とは、一酸化炭素の濃度が0.5%以下であることを意味する。
混合部5は、変成部4から運ばれる改質ガス22と大気から供給される空気23を混合する。混合部5の詳細な構成や機能については後述する。
選択酸化部6は、混合部5で生成された混合ガス24中の、一酸化炭素と酸素とを反応させて、燃料ガス25を生成する。選択酸化部6は、変成部4で反応せずに残った混合ガス中の一酸化炭素が酸素によって酸化され、二酸化炭素になる。これにより、混合ガス中の一酸化炭素濃度は、10ppm以下にされ、燃料ガス25が生成される。
このような構成を有する燃料処理装置は、燃料電池スタックを含む家庭用コージェネレーションシステムなどの燃料電池システムなどに適用されることができる。このような家庭用コージェネレーションシステムにおいて、燃料電池スタックの負極から排出されるガス(オフガス)は、凝縮器によって水分を除去され、再び燃料処理装置に導入され、燃焼部の燃料として使用されてもよい。また、負極からのオフガスは、改質部と熱交換する。
図2は図1の燃料処理装置におけるガスの流れを示している。
細い矢印はガスの流れを表し、太い斜線入りの矢印は熱( heat )の動きを表す。また、図2の破線で囲まれた領域が燃料処理装置( Fuel Processer )を表す。
まず、蒸発部2に原料ガス21と水31とを供給する。蒸発部2では燃焼部1の周りを螺旋状に旋回する構成であり、ここに原料ガス21と水31が流れる。水31は燃焼部1からの燃焼排ガス29や変成部4や選択酸化部6からの伝熱により加熱され、水蒸気に変化する。この水蒸気は原料ガス21と混合しながら蒸発部2を流れる。
その後、原料ガス21および水蒸気は、改質部3に流入する。改質部3では以下の水蒸気改質反応により、原料ガス21および水蒸気から一酸化炭素を含む改質ガスが生成される。また、改質ガスには未反応の水蒸気が含まれる。
CH + HO → CO + 3H
改質部で生成された改質ガスは、変成部に流入する。変成部では、以下のシフト反応によって、改質部で生成された改質ガスから、低濃度の一酸化炭素を含む改質ガス22が生成される。
CO + HO → CO + H
変成部で生成された低濃度の一酸化炭素を含む改質ガス22は、混合部5へ流入する。混合部5内部では、低濃度の一酸化炭素を含む改質ガス22と空気23とが混合され、混合ガス24が生成される。
混合部5で生成された混合ガス24は選択酸化部6に流入する。選択酸化部6では、混合ガス24中の酸素と変成部4で酸化されなかった一酸化炭素とが反応し、一酸化炭素が酸化され、混合ガス24における一酸化炭素濃度が10ppm以下まで低減される。選択酸化部6を通過したガスは、燃料ガス25として取り出される。
このように生成された燃料ガスは、選択酸化部6から流出し、燃料電池7の負極に供給される。燃料電池7は、燃料ガス25中の水素と、大気から供給される空気26など酸素を含む酸化ガスとを用いて発電する。
燃料電池で水素を消費したガス(オフガス27)は、再び燃料処理に輸送される。ここでオフガス27は大気から供給される空気28と混合され、燃焼部1で燃焼することで改質部3を加熱する。また燃焼部1から排出される燃焼排ガス29は蒸発部2を加熱した後、大気へと放出される。
このように混合部5では、変成部4を通過後の改質ガス22と空気23とが混合されて、混合ガス24が生成される。ところが、改質ガス22と空気23とが十分に混合されないまま、選択酸化部5に流入すると、改質ガス22中の一酸化炭素が十分に酸化されず、燃料ガス25の一酸化炭素濃度が高くなる。一酸化炭素は燃料電池7の触媒を劣化させる性質があるため、改質ガス22と空気23の混合は燃料電池の品質を維持することにおいて非常に重要である。
そこで本発明の燃料処理装置では、改質ガス22と空気23を混合部5で十分に混合できるように次のように構成されている。
図3は、混合部5の構成とガスの流れを示す。
変成部4から運ばれる改質ガス22と、大気から供給される空気23とを混合す混合部5は、変成部4や選択酸化部6と同じように、蒸発部2の外周に設けられている。また、混合部5は、変成部4と選択酸化部6の間に設けられている。
変成部4と混合部5を仕切る隔壁51の変成部4の側には、筒状で下端に変成部4を通過した改質ガス22が供給される改質ガス流路11が設けられている。改質ガス流路11の途中には、空気流路12を介して大気から空気23が供給されている。
隔壁51の混合部5の側で、蒸発部2の外周に配置された円環状の領域である混合ヘッダ14には、混合ヘッダ14の底面に、混合容器13が設けられている。
この混合容器13の底面には改質ガス流路11の上端が接続されており、混合容器13の改質ガス流路11に接続する面の面積は、改質ガス流路11の断面積よりも大きい。さらに、混合容器13の側面のうちでも、その面の放線方向が、円環状の混合ヘッダ14の中心軸(仮想線52)と平行でない側面53には、改質ガス流路11から供給された改質ガスを、混合ヘッダ14の円環状方向に沿って吹き出す孔54が形成されている。
図4は混合容器13とガスの流れを表す図である。図3における断面A−Aを図5に示す。
混合ヘッダ14の天井面には、蒸発部2の外周に沿って延長されて選択酸化部6に接続された流路15が内周部に形成されている。
このように構成したため、改質ガス流路11を流れる改質ガス22は、空気流路12を流れる空気23と合流し混合容器13へと流れ、混合容器13の孔54から噴出した混合ガス24は、混合ヘッダ14の円環状の領域を旋回するように流れる。そして、選択酸化部6の選択酸化触媒へと輸送される。この改質ガス流路11から流路15への流れのなかで改質ガス22と空気23の混合が行われる。
改質ガス流路11や空気流路12は圧力損失が生じないように流量にあわせて適切な大きさの断面積と長さをもつことが必要である。
例えば、各流路が円筒形状で改質ガスの流量が0.1〜0.5g/s程度の場合、改質ガス流路11の内径はφ5〜φ20mm程度、空気流路12の内径はφ2〜10mm程度がよい。また各流路の長さは10〜40mm程度がよい。各流路は適切な大きさの断面積と長さをもてばよく、改質ガス流路11や空気流路12の形状は、図6と図7に示すように円筒状のものであってもよい。あるいは、図8に示すように断面が矩形状のものであってもよい。
混合容器13の機能について説明する。
改質ガス22と空気23はともに混合容器13に運ばれ、この領域で発生する渦が混合を促進させる。渦が混合を促進する理由について以下に説明する。
この混合は、複数の分子が拡散することによって起こる。図9は2種類のガスが層を成すときの拡散( diffusion )の様子を示す。2種類の層( layer A,layer B )の境界面で分子の拡散が発生することで混合が促進する。
また図10は、2種類のガスが層をなしつつ渦が発生する場合の混合の様子を示す。渦の発生によって境界面の面積が増加するため、分子の拡散も増加する。この境界面の増加により混合が促進される。改質ガス流路11から輸送される改質ガス22と空気23は、混合容器13の壁に衝突することにより、渦を発生させる。この渦が混合を促進させる。また、渦を発生させる構造としてはガスの流路が広くなったり狭まったりするものが望ましい。
図11は、ガスが狭いところから広いところへ流れる場合、あるいは広いところから狭いところへ流れる場合において発生する渦( vortex )の様子を示すものである。このような流路では渦が発生しやすくなる。したがって、混合容器13の底面の面積は、改質ガス流路11の断面が持つ面積よりも大きいことが必要である。また混合容器13の出口は図12のように一面まるごと空いているものではなく、図4のように面を設けて孔54を形成しているものが望ましい。
混合容器13から噴出した混合ガス24は、混合ヘッダ14の円環状の領域を旋回する。この旋回によって改質ガス22と空気23の混合がよりいっそう促進され、混合ヘッダ14全域にガスが拡散する。
混合ガス24を混合ヘッダ14で旋回させるためには、孔54を持つ側面53の法線方向が混合ヘッダ14における円環形状の周方向に沿うことが理想的である。少なくとも、孔を持つ面の法線方向は混合ヘッダ14における円環の中心軸の方向と同じにならないようにする必要がある。図4においては孔54を混合容器13の上面ではなく側面53に配置し、面の法線方向が円環の中心軸52と平行になることを回避することで、混合ガス24が混合ヘッダ14を旋回するような構造になっている。
また、孔54の数は複数であっても良いが、流れ方向を統一するため、孔54を有する面の法線方向はすべて統一されていることが望ましい。混合ガス24を混合ヘッダ14で旋回させるためには、孔54の大きさも重要である。
混合ヘッダ14で混合ガス24を十分に旋回させるためには、混合容器13から出る混合ガス24の速度を十分に保つ必要がある。孔54の面積が大きすぎると混合ガス24の速度が小さくなり十分にガスが旋回できなくなる。しかし、逆に孔54の面積が小さすぎると大きな圧力損失が生じてしまう。ガスの速度は、ガスの最大流量に合わせて適切に設計する必要がある。例えば、下記の<混合性能の検証>で示した寸法を参照。孔54の形状は特に限定されないが、ここでは円形状として図示した。
以上のことをふまえると、混合容器13の特徴としては、混合容器13の底面の面積が改質ガス流路11の断面積よりも大きいこと、混合容器13の出口として図4のように側面53に孔54を設けていること、孔54を持つ面の法線方向は混合ヘッダ14の円環の中心軸52と平行にならないこと、孔54を有する面の法線方向が統一されていること、などが必要とされる。さらに、孔54の大きさが流量に対して適切に設定されていることも重要である。
< 実施例1 >
実施例1の改質ガス流路11と空気流路12は、図6と図7に示すように円筒パイプ形状とする。改質ガス流路11と空気流路12の隙間55から空気が漏れないように、空気流路12の先端は改質ガス流路11のパイプ表面よりも2mm以上内側に入り込み、なおかつ改質ガスパイプの内側表面に当たらない位置に配置した。
このような構成にしておけば、改質ガス流路11と空気流路12のパイプ同士は必ずしも接触されてなくてもよい。すなわち両パイプの間には1mm程度の隙間があってもよい。燃料処理装置の内部で円筒状のパイプを溶接することは工法上困難な場合があり、パイプ同士が接触していない簡素な構成であっても、改質ガス22が定常的に流れている状態であれば、その改質ガス22の流れに沿って空気が流れ、しかもパイプから漏れ出すことなく混合容器13に流入する。
混合容器13の形状は、図4のような直方体形状とした。孔54の数は1つとした。
< 実施例2 >
図13は実施例2の混合容器13を示す。
実施例1の混合容器13の形状は、図4のような直方体形状であったが、この実施例2の混合容器13の形状は、三角柱形状で、流れの上流から下流にかけて流路の断面積が大きくなる形状とした。その他は実施例1と同じである。
混合容器13を三角柱形状にすると、直方体形状の場合よりも面の数が減るので混合容器5の材料の量を減らすことができる。また三角柱形状のほうが辺の数が少なく、容器密閉のための溶接箇所が減るため、製造にかかる工数が減る。
< 実施例3 >
図14は実施例3の混合容器13を示す。
実施例1の混合容器13の孔54の数は1つであったが、この実施例3の混合容器13の孔54の数を2つに変えたものである。その他は実施例1と同じである。
さらに、孔54の数は複数であってよいが、流れ方向を統一するため、孔54を有する面の法線方向はすべて統一されている。すなわち、孔54はすべて同じ側面に設置されている。孔54の数が一つの場合、ガスの流量によっては圧力損失が大きくなる場合がある。この実施例3ように複数の孔54,54を設けることで、ガスの流量に対して出口の面積を十分に確保でき、圧力損失の上昇を抑えることが可能である。
< 混合性能の検証 >
実施例1,実施例2,実施例3のガスの混合性を、コンピュータによる流体シミュレーションには、アンシス(ANSYS)社製の汎用熱流体解析ソフトウェア“ANSYS FLUENT 12.1”を用いた。
[シミュレーションで用いる方程式]
下記の方程式において∂/∂t=0とおいて流れの定常解を求めた。
質量保存式は、
Figure 2013180929
ナビエ・ストークス方程式は、
Figure 2013180929
エネルギー輸送方程式は、
Figure 2013180929
各化学物質の組成(質量分率Yi)の輸送方程式は、
Figure 2013180929
Figure 2013180929
[混合部の各構成部の寸法]
混合部5の改質ガス流路11のパイプ外径はφ10mm、空気流路12のパイプ外径はφ4.6mmとし、パイプの厚みはどちらも0.8mmとした。空気流路12パイプは改質ガス流路11パイプの外径位置に対して、2.5mm内側に入り込んだ状態に配置した。
実施例1の混合容器13の寸法は、図15のように高さ8mm、幅11.6mm×21.6mmとし、混合容器13の厚みは0.8mm、孔54の直径はφ6mmとした。
図3において混合ヘッダ14の内法の高さLは14mmとした。図5において円環の内径D1はφ81mm、円環の外径D2はφ142.2mmとした(仕切り板の部分は除く)。流路15の内径はφ81mm、流路15の外径はφ83mmとした(仕切り板の部分は除く)。
実施例2の混合容器13の寸法は、図13のように高さ8mm、幅11.6mm×21.6mmとし、混合容器13の厚みは0.8mm、孔54の直径はφ6mmとした。
[改質ガスおよび空気の流量と組成]
改質ガス22の流量は0.166g/sとした。改質ガス22の組成は、質量分率としてメタン3.88%、二酸化炭素54.6%、一酸化炭素0.9%、水素9.7%、水蒸気31.1%とした。また混合部5への改質ガス22の流入温度は190℃とした。
空気の流量は0.0144g/sとした。空気の組成は酸素23.3%、窒素76.7%である。空気の混合部5への流入温度は25℃とした。
[評価項目]
混合特性の評価は次の式で表される値αを用いて行う。
α = n1 / ( n1 + n2 )
ここでn1は酸素のモル濃度、n2は一酸化炭素のモル濃度である。酸素は空気23に含まれ、一酸化炭素は改質ガス22に含まれる物質なのでαのばらつきが小さいほど、改質ガス22と空気23とが十分に混合されていることを示唆する。そこで混合特性の評価はある領域におけるαの最大値と最小値の差をとり、それを「αのばらつき」と称して評価項目とした。つまり、
αのばらつき = αの最大値 − αの最小値
である。混合が十分に進んでαのばらつきが“0”となり、ガスの組成が均一になった場合、上記のガス流量から計算すると、理論上αの値は“0.663”になる。
[評価項目の判断基準]
ガスが均一になった場合におけるαの理論上の値は“0.663”程度になる。これは混合が完了した理想的な状態であることを示す。一酸化炭素を選択酸化部6で除去することにおいては、この均一状態での理論上のαの値に対して3%程度のばらつきであれば、混合特性として十分であると考えられている。すなわちαの許容値は
0.663 × 0.03 ≒ 0.02
である。αのばらつきが“0.02”以上であるとき混合が十分でないと判断する。
[測定領域]
測定領域は次の3つである。
第1測定領域・・・図3の断面A−Aにおける混合容器13の内部領域。すなわち、図16のハッチング部分(1)を示す。
第2測定領域・・・図3の断面A−Aにおける混合ヘッダ14の領域。すなわち、図17のハッチング部分(2)を示す。
第3測定領域・・・図3の断面B−Bにおける流路15の領域。すなわち、図18のハッチング部分(3)を示す。
この第1測定領域,第2測定領域,第3測定領域においてαのばらつきを評価して、混合がどのように進むかを調べた。
なお、断面A−Aは混合容器13の孔54の中心を通る位置とし、断面B−Bは混合ヘッダ14から15mm離れた位置に配置した。ガスは上流から下流へと第1測定領域(1)→ 第2測定領域(2)→ 第3測定領域(3)の順で流れる。
[比較対象]
本発明の混合容器13の効果を比較検証するため、次の2つの構造についても同様にシミュレーションを行った。
比較例1・・・混合容器13の出口として、図12のように一面すべて空いている構造。ただし、混合容器13の寸法は実施例1と同じである。混合容器以外の構成や寸法は実施例1と同じである。
比較例2・・・混合容器13が無く、図19に示すように、ガスが改質ガス流路11から混合ヘッダ14に直接に流れる構造。混合容器以外の構成や寸法は実施例1と同じである。
[解析結果]
実施例1,比較例1,比較例2における第1測定領域(1),第2測定領域(2),第3測定領域(3)のαの範囲を、図20でグラフ化した。またαのばらつきを図21でグラフ化した。
第1測定領域(1)では実施例1,比較例1は、共にαの値のばらつきは“0.8”以上となっており、混合が進んでいない状態である。例えば、 実施例1のαの最大値は“0.874”であり、これは一酸化炭素に比べて酸素が多く含まれていることを意味する。また実施例1の最小値は“0.029”でありこれは酸素に比べて一酸化炭素が多く含まれていることを意味する。
このように第1測定領域(1)の中で酸素が多い箇所と一酸化炭素が多い箇所が存在するため、αのばらつきが大きく、混合が進んでいないと考えることができる。比較例1についても同じことが言える。
第2測定領域(2)へとガスが流れると、混合容器13で発生する渦の効果により実施例1,比較例1のαのばらつきは第1測定領域(1)の値よりも減少する。実施例1は0.466、比較例1は“0.629”となる。ここで実施例1は混合容器13に孔54をあけたことによって比較例1よりも多くの渦が発生しているため、混合が比較例1よりも進む。よって第2測定領域(2)では実施例1のαのばらつきは比較例1よりも小さくなる。このことから、混合容器13の出口は図12のように一面まるごと開いているものではなく、図4のように面に孔54を設けているものがより効果的に混合すると言える。
比較例2には混合容器ないため、第1測定領域(1)が存在しない。混合容器13による混合の機能がないため比較例2の第2測定領域(2)でのαのばらつきは実施例1や比較例1よりも大きく“0.86”となった。この結果から混合容器13を設けることによる混合性の効果が確認された。
実施例1,比較例1においては混合容器から噴出すガスが混合ヘッダ14を旋回しながら拡散することで混合が促進する。ガスが第3測定領域(3)に至るとαの値は理想的な値である“0.663”に近づく。第3測定領域(3)でのαのばらつきは第2測定領域(2)よりも減少し、実施例1は“0.005”、比較例1は“0.028”、比較例2は“0.115”となる。
比較例2においては混合ヘッダ14での旋回の速度が小さいため混合の効果は実施例1,比較例1と比較すると小さい。
混合特性としては第3測定領域(3)に至るまでにどれだけαのばらつきが小さくなったかが重要であり、それを実施例1,比較例1,比較例2で比較すると、実施例1“0.005” < 比較例1“0.028” < 比較例2“0.115”という結果になる。このうち、上記の[評価項目の判断基準]で示した“0.02”の値を下回るものは(a)実施例1だけである。以上のことから、混合容器13を設けること、さらに混合容器13の出口として面に孔54を設ける構造をとることによる混合性の向上を確かめることができた。
< 圧力損失の検証 >
実施例1におけるガスの圧力損失についての検証を、コンピュータによる流体シミュレーションを用いて行った。構造は上記の<混合性能の検証>の実施例1と同じである。使用したソフトウェア、シミュレーションで用いる方程式、改質ガスおよび空気の流量と組成も、上記の<混合性能の検証>で用いたものと同じである。
[評価項目]
圧力損失Δp[Pa]はガスの入口の圧力p1と、出口での圧力p2から
Δp = p1 − p2
で計算した。実施例1の場合、p1は改質ガス流路11の入口の圧力、p2は孔54での圧力である。
[比較対象]
本発明の実施例1における混合容器の効果を比較検証するため、図24に示す混合流路についても圧力損失を計算した。すなわちこれは従来技術における混合流路である。この構造を比較例3とする。流れるガスの流量と組成は<混合性能の検証>と同じとした。また図24における混合流路110,120の内径をφ7mm、ガス供給口111の径をφ2mmとした。この構造においては、p1は混合流路110の外部の圧力、p2は混合流路120の出口の圧力として圧力損失Δpを計算した。
[解析結果]
実施例1と比較例3の計算結果は以下のようになった。αのバラツキはp2を取得した位置での値である。
実施例1: Δp = 163[Pa],αのばらつき“0.0051”
比較例3: Δp = 311[Pa],αのばらつき“0.0056”
実施例1の圧力損失163[Pa]は、比較例3の圧力損失311[Pa]よりも小さい。また、αのばらつきがほぼ同等であることから、実施例1は比較例3と同等の混合特性をもつということがいえる。
以上のことから本発明の燃料処理装置は、ガスの圧力損失を低減しつつ、改質ガスと空気を十分に混合することができると言える。
本発明は、家庭用コージェネレーションシステムや、移動体通信の基地局の電源システムなどの燃料電池システムに有用である。
1 燃焼部
2 蒸発部
3 改質部
4 変成部
5 混合部
6 選択酸化部
7 燃料電池
11 改質ガス流路
12 空気流路
13 混合容器
14 混合ヘッダ
15 流路
21 原料ガス
22 改質ガス
23 空気
24 混合ガス
25 燃料ガス
26 空気
27 オフガス
28 空気
29 燃焼排ガス
31 水
52 混合ヘッダ14の環状の空間の中心軸
53 孔54を持つ側面
54 孔

Claims (4)

  1. 一酸化炭素、水素、および水蒸気含む改質ガスを生成する改質部と、
    前記改質ガス中の一酸化炭素と水とを反応させて一酸化炭素濃度を低下させる変成部と、
    前記改質ガスと酸素を含む空気を混合する混合部と、
    前記混合部から運ばれる改質ガス中の一酸化炭素と空気中の酸素とを反応させて燃料ガスを生成する選択酸化部を有し、
    前記混合部は、
    前記変成部から運ばれる改質ガスが通る改質ガス流路と、
    前記空気供給部から供給される空気を運搬し前記改質ガス流路に接続される空気流路と、
    前記改質ガス流路に接続され改質ガスと空気を混合する混合容器と、
    環状の空間を有する混合ヘッダと、
    前記混合ヘッダから流れるガスを前記選択酸化部へと運搬する流路を有し、
    前記混合容器は、
    改質ガス流路に接続する面の面積が改質ガス流路の断面積よりも大きく、ガスの出口として側面に孔を設けてあり、前記孔を持つ面の法線方向は前記混合ヘッダの環状の空間の中心軸と平行でない
    燃料処理装置。
  2. 前記混合容器は直方体形状であり、流れの上流から下流にかけて流路の断面積が同じであることを特徴とする
    請求項1に記載の燃料処理装置。
  3. 前記混合容器は三角柱形状であり、流れの上流から下流にかけて流路の断面積が大きくなることを特徴とする
    請求項1に記載の燃料処理装置。
  4. 前記混合容器は出口として複数の孔を持ち、前記孔の法線方向が全て同じであることを特徴とする
    請求項1に記載の燃料処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018118863A (ja) * 2017-01-24 2018-08-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 水素生成装置

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