JP2009208838A - ヒートシール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリットが予め形成されていないチューブ状の包装体であっても、開口部を確実に開かせて内容物を投入可能なヒートシール装置を提供する。
【解決手段】包装体Fを搬送する搬送機構2と、包装体Fを幅方向に切断して開口部Aを形成する切断機構3と、開口部Aの近傍を挟持して開閉動作させる開閉機構4と、包装体Fをシールするシール機構5と、各機構を制御する制御部80とを備え、切断機構3は、包装体Fの表面側S1に位置する固定刃31と、裏面側S2に位置する可動刃30と、可動刃30と一体的に移動し、切断作用時に、裏面側S2を表面側S1に対して相対的にずらすずらし作用部と、を備え、開閉機構4は、幅方向の両側に位置する挟持部40,41により開口部Aを挟持し、挟持部40,41を支点周りに回転させ、開口部Aを開かせる第1開閉駆動部と、挟持部40,41を夫々、挟持状態と非挟持状態に切り換えさせる第2開閉駆動部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、チューブ状に形成された帯状包装体をロール状に収容した状態から順次繰り出して行き、包装体の底部をシールした後に、包装体の内部に開口部を介して内容物を投入し、その後、包装体の開口部をシールして内容物が密封された包装製品を得るためのヒートシール装置に関するものである。
チューブ状に形成された包装体について、図23により例をあげて説明する。図示するように帯状包装体Fは、ロールRの形態に巻き取られた形で収容されている。包装体Fは、その内部に内容物を収容できるような収容空間が形成されており、図示するように先端部には開口部Aが形成される。ただし、ロールRの状態では、表面側S1と裏面側S2とは密着しており、内部空間は閉鎖された状態となっている。従って、帯状包装体Fは帯状フィルムの外観を呈している。
収容される内容物としては、漢方薬などの錠剤が例としてあげられる。この場合、包装体Fの材質は不織布が主として使用される。チューブ状の包装体Fを作成するために、表面側S1に位置する包装シートと、裏面側S2に位置する包装シートとを合わせて、その幅方向両側FW1,FW2をシール(熱融着)あるいは接着等の手法により結合している。これにより、チューブ状の包装体Fが形成されている。
包装体Fに内容物を収容させる時には、まず、包装体Fの底部FBをシールした後、内容物を包装体Fに投入させる。また、図24に示すように、帯状包装体Fの先端側を幅方向に沿って切断し、開口部Aを形成する。その後、包装体Fの開口部A(図24に示す上部FT)をシールすることで、内容物が完全に密封された状態になり、包装製品が完成する。
チューブ状の包装体をシールするためのヒートシール装置としては、下記特許文献1に開示される物品包装機が知られている。この物品包装機で使用されるチューブ状の包装体は、長手方向に沿って所定間隔毎に表面側に予めスリットが形成されている。このスリットを自動的に開かせることで、内容物を投入するように構成されている。
特開2006−256671号公報
上記のように予めスリットが形成されているチューブ状の包装体を使用する場合は、内容物を投入するための開口部をスムーズに開くことができ、スリットがうまく開かないことによる障害は比較的生じにくい。
しかしながら、そのようなスリットが予め形成していないチューブ状の包装体を使用する場合、開口部を確実に開かせるような構造が要求される。特に、表面側の包装体シートと裏面側の包装体シートが密着した状態(フィルム状の状態)でロールRに収容されている場合、この密着状態をうまく解除しなければ、開口部Aを確実に開かせることが難しい。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、スリットが予め形成されていないチューブ状の包装体であっても、その開口部を確実に開かせて内容物を投入可能なヒートシール装置を提供することである。
上記課題を解決するため本発明に係るヒートシール装置は、
チューブ状に形成された帯状包装体をロール状に収容した状態から順次繰り出して行き、包装体の底部をシールした後に、包装体の内部に開口部を介して内容物を投入し、その後、包装体の開口部をシールして内容物が密封された包装製品を得るためのヒートシール装置であって、
包装体を搬送させるための搬送機構と、前記開口部を形成するために、包装体を幅方向に沿って切断して切り離すための切断機構と、包装体の前記開口部の近傍を挟持して開口部を開閉動作させるための開閉機構と、包装体の前記底部及び前記開口部をシールするためのシール機構と、シール機構、切断機構、開閉機構、搬送機構の動作を制御する制御部と、を備えており、
前記切断機構は、包装体の表面側もしくは裏面側の一方側に位置する固定刃と、包装体の表面側もしくは裏面側の他方側に位置する可動刃と、可動刃を駆動する可動刃駆動部と、可動刃と一体的に移動し、切断作用時に、前記裏面側を前記表面側に対して相対的にずらすように作用するずらし作用部と、を備え、
前記開閉機構は、前記幅方向の両側に位置する第1挟持部と第2挟持部と、第1・第2挟持部により包装体の開口部近傍を挟持した状態で、第1・第2挟持部を所定の支点周りに回転させ、包装体の開口部を閉鎖状態から開口状態へと切り換え可能な第1開閉駆動部と、第1・第2挟持部を夫々、包装体を挟持する挟持状態と包装体を開放する非挟持状態に切り換えさせる第2開閉駆動部と、を備え、
前記制御部は、第1・第2挟持部により包装体を挟持した状態で、包装体を幅方向に沿って切断して開口部を形成し、その後、包装体の開口部を閉鎖状態から開口状態へ移行させるように、切断機構及び開閉機構に対する制御を行うことを特徴とするものである。
この構成によるヒートシール装置の作用・効果を説明する。包装体に内容物を収容した包装製品を得るための主要な機構として、シール機構、切断機構、開閉機構、搬送機構、これらの各機構を制御する制御部を備えている。シール機構は、図24で説明したように、包装体の底部及び開口部をシールする機能を有する。底部をシールすることで、内容物を投入することが可能になる。切断機構は、帯状包装体を幅方向に沿って切断して切り離し、開口部を形成する。切り離された箇所の下流側の包装体は、包装製品となるべき部分であり、上流側の包装体は、ロールから繰り出された状態のままつながっている。
切断機構により切断した後に、開閉機構により開口部を開かせる動作が行なわれる。切断機構による切断を行う時は、包装体を安定した状態に保持するために、第1・第2挟持部により、開口部の近傍における幅方向両側を挟持している。切断機構は、固定刃と可動刃とを有しており、可動刃を動作させることで切断を行うことができる。このとき、可動刃には、可動刃と一体的に移動するずらし作用部が設けられている。このずらし作用部は、切断作用時に包装体の裏面側を包装体の表面側に対して相対的にずらすように作用する。切断機構により、包装体の表面側シートと裏面側シートがくっついた状態になる。ずらし作用部により、この状態を解消させて、開口部がスムーズに開くようにさせることができる。
切断機構による切断の後、第1・第2挟持部で保持体の幅方向両側を挟持したまま回転駆動させることで、包装体の開口部を閉鎖状態から開口状態へと切り換えさせる。このとき、ずらし作用部により予め、表裏両面のシートの密着状態が解消されているので、閉鎖状態から開口状態への移行がスムーズに行なわれ、開口部が開かないまま歪んだ状態になるのを防ぐことができる。これにより、内容物を確実に投入できる状態を創出することができる。
内容物を投入した後は、開口部をシール機構によりシールし、挟持部による挟持状態を解除することで包装製品を取り出すことができる。以上のような構成によれば、スリットが予め形成されていないチューブ状の包装体であっても、その開口部を確実に開かせて内容物を投入可能となる。
本発明に係る前記ずらし作用部は、前記ずらし作用部は、所定の軸芯周りに回転可能なずらし部材と、ずらし部材を初期位置に付勢する付勢部材と、を包装体の表面側もしくは裏面側の一方側に備えると共に、
包装体の表面側もしくは裏面側の他方側に、ずらし部材を初期位置からずらし位置へと案内させる案内部材と、を備え、切断機構による切断作用時に、ずらし部材が初期位置からずらし位置へと移動可能に構成したことが好ましい。
この構成によると、切断機構による切断を行わない時は、ずらし部材は付勢部材により初期位置に位置している。切断機構による切断作用を行う時は、可動刃が固定刃の方向に移動していく。これに伴い、案内部材の作用により、ずらし部材が初期位置からずらし位置へと強制的に移動させられる。これにより、包装体の裏面側を表面側に対して相対的にずらすことができ、確実に開口部を開かせることができる。上記の構成によれば、可動刃を元の位置に復帰させると、付勢部材の作用により、ずらし部材も初期位置に復帰する。その結果、簡素な機構によりずらし作用部を構成することができる。なお、ずらし部材がずらし位置へと移動し始めるタイミングについては、実際に切断が行われている途中でもよいし、幅方向の切断が完了した後であってもよく、適宜設定することができる。
本発明において、前記ずらし部材の少なくとも先端部はゴム材料により形成されることが好ましい。
ずらし部材の少なくとも先端部をゴム部材とすることで、ずらし部材と包装体の間に大きな摩擦力を作用させることができる。これにより、より確実に包装体の裏面側を表面側に対してずらすことができる。
前記第1・第2挟持部は、
第1挟持部と第2挟持部の間隔が最も大きな挟持位置と、この挟持位置から支点周りに第1の所定角度回転させた位置であって、第1挟持部と第2挟持部の間隔が最も小さな投入位置と、挟持位置から支点周りに第2の所定角度回転させた位置であって、第1挟持部と第2挟持部の間隔が最も大きなシール位置と、前記投入位置を少し通過した位置に設定された開口位置と、に夫々位置するように制御部により制御され、かつ、
切断機構による切断が行われた後、第1・第2挟持部を挟持位置からいったん前記開口位置へ移動させた後、投入位置へ戻すことで、内容物が供給されるホッパーを包装体の開口部内に位置させることが好ましい。
上記の構成によれば、挟持位置とシール位置では、第1挟持部と第2挟持部の間隔は最も大きく、包装体の開口部は通常の状態(開口部を歪ませていない状態)になっている。この状態では、開口部は開いていない。第1・第2挟持部を支点周りに回転させることで、第1挟持部と第2挟持部の間隔が狭くなる。この回転動作により、開口部が歪まされて、開口部が閉鎖状態から開口状態へと切り換えられていく。投入位置にまで回転させたときが最も狭くなり、開口部が最も開いた状態になる。この投入位置において、内容物を投入することで、確実に内容物を包装体の内部に投入させることができる。
ただし、内容物を包装体の開口部を介して投入するためには、内容物が案内されてくるホッパーを開口部内に位置できるようにすることが必要である。そこで、第1・第2挟持部を回転駆動する場合には、挟持位置から回転させて、いったん投入位置を少し通過させた開口位置にまで回転させ、その位置から第1・第2挟持部を逆方向に回転させて、投入位置に位置させる。これにより、包装体の開口部にホッパーを確実に位置させることができる。
内容物を投入した後は、再び第1・第2挟持部を回転させて、シール位置へと移動させる。シール位置は、挟持位置から第1・第2挟持部を第2の所定角度だけ回転させた位置であり、第1挟持部と第2挟持部の間隔は、挟持位置と同じく最も大きくなった状態である。この位置で開口部をシールすることができる。シールが終了すると、第1・第2挟持部を非挟持状態にすることで、包装製品を落下させ取り出すことができる。
本発明において、切断機構の下流側に、包装体の少なくとも中央部を含む領域の断面形状を波型に変形させるための波型案内機構を備えていることが好ましい。
波型案内機構を設けることで、包装体を特定の方向の波型に変形させることができ、開口部をより開きやすくすることができる。
本発明に係るヒートシール装置の好適な実施形態を図面を用いて説明する。本発明において、シール対象となる包装体については、図23,24に示す通りである。具体的には、漢方薬(内容物に相当)を収容するものであり、包装体の材質としては不織布が用いられる。ただし、本発明において、包装体の材質や内容物については特定のものに限定されるものではない。例えば、包装体として、樹脂製のフィルムを用いることもできる。内容物としては、漢方薬に限らず、漢方薬の薬でもよく、また、錠剤に限定されるものではなく、粉体を収容するものでもよい。薬に限らず、食品・菓子などを収容してもよい。なお、以下、チューブ状に形成された帯状包装体を帯状フィルムFもしくは単にフィルムFと称する。
<ヒートシール装置の全体構成>
まず、本発明に係るヒートシール装置の全体構成について説明する。図1は、ヒートシール装置Hの主要部を示す側面図である。図2は、ヒートシール装置Hの主要部を示す正面図である。
図示するように、帯状フィルムFが巻回されたロールRを収容し、ロールRからフィルムFを繰り出し搬送する機能を有するロール載置部1と、繰り出されたフィルムFを下流側へと搬送させる搬送機構2と、帯状のフィルムFを幅方向に沿って切断して切り離すための切断機構3と、切り離されたフィルムFの開口部の開閉動作を行なわせるための開閉機構4と、フィルムFの底部FB及び開口部A(上部FT:図24参照)をシールするためのシール機構5と、を備えている。
また、漢方薬を投入するための供給部6と、フィルムFに漢方薬が収容されてシールも完了した包装製品FPが排出される排出部7が設けられている。
本実施形態に係るヒートシール装置Hは、図24に示すように漢方薬を収容した包装製品FPを作成する装置であり、連続的に複数個の包装製品FPを作成することができる。以下、各部の構成について順番に説明する。
<ロール載置部の構成>
まず、ロール載置部1及び搬送機構2の構成について、図1,2と合わせて、図3に示す部分拡大側面図と、図4に示す送出ローラの拡大平面図と、図5に示す搬送機構の正面図により説明する。
フィルムFを巻回したロールRは、繰り出しローラ10と、支持ローラ11の上に載置することで支持される。繰り出しローラ10は、ロール駆動モータ12及び伝達ギヤ列13により回転駆動される。支持ローラ11はフリーローラである。ロールRから繰り出されるフィルムFは、表面側S1と裏面側S2を有しているが、この表面側S1と裏面側S2という呼称は説明を行なう上での便宜上のものである。
ロールRから繰り出されたフィルムFは、ガイドローラ14及びダンサーローラ15によりガイドされながら搬送される。ダンサーローラ15は上下動可能なローラであり、ロール駆動モータ12によるフィルムFの搬送速度(搬送量)と、下流側の搬送機構2による搬送速度(搬送量)の違いを吸収する。
<搬送機構の構成>
搬送機構2は、上流側に位置する第1送出ローラ対20と、下流側に位置する第2送出ローラ対21を備えている。第1送出ローラ対20は、圧着ローラ20aと駆動ローラ20bにより構成される。圧着ローラ20aは、セットレバー22により支持されており、支軸23回りに回転可能に支持されている。フィルムFをセットする時は、セットレバー2を図3の反時計方向に回転させることで、圧着ローラ20aと駆動ローラ20bの間にフィルムFを挿入させることができる。駆動ローラ20bは、フィルム移送モータ24及び伝達ギヤ列25により回転駆動される。
第2送出ローラ対21も圧着ローラ21aと駆動ローラ21bを備えている。上下の圧着ローラ20a,21aは、2本のベルト26により連結され、上下の駆動ローラ20b,21bも2本のベルト27により伝達される。図5(b)は図5(a)のX−X断面図であるが、これに示すように、下流側の駆動ローラ21bには、大径部21cと小径部21dが設けられている。小径部21dは、幅方向の中央に設けられている。圧着ローラ21a側には小径部は設けられていないが、駆動ローラ21bと同様に設けてもよい。
切断されたフィルムFの開口部を開くためにブロア28が設けられている。ブロア28の送風口28aは、小径部21dに臨んでおり、送風口28aを可能な限りフィルムFの開口部に近接できるように配置している。また、小径部21dを形成することで、風が通過するための通路を確保することができる。
<切断機構の構成>
次に、切断機構3の構成について説明する。図6は、切断機構3の構成を示す平面図であり、図7は、切断機構3の構成を示す側面図であり、図8は切断機構3の構成を示す正面図である。切断機構3は、可動刃30と固定刃31を備えている。可動刃30は、図7の矢印B方向(前後方向)に沿って移動することができる。可動刃30は、刃物支持台32に搭載されており、この刃物支持台32は、幅方向両側に設けられている一対のガイド軸33によりガイドされる。
可動刃30は、実際に切断作用を行う刃部30aと、可動刃30の上下方向の案内を行なう案内部30bとが一体形成されている。刃部30aは、平面視において若干傾斜した傾斜刃(図6参照)として形成されており、図6において、フィルムFの右側から左側へと順番に刃部30aが作用するように構成される。また、案内部30bは、固定刃31の下面と摺動するように構成されており、切断作用時に、確実に可動刃31が固定刃30の下側に入り込むように構成されている。これにより、確実に切断作用を行うことができる。
可動刃30を駆動するための可動刃駆動モータ34が設けられており、伝達ギヤ列35、伝達軸35a、リンク板36、リンクレバー37を介して、刃物支持台32のガイド部32aに連結される。リンクレバー37は、リンク軸37aによりリンク板36に対して相対回転自在に連結され、リンク軸37bによりガイド部32aに対して相対回転自在に連結される。これにより、可動刃駆動モータ34を駆動することで、可動刃30が前進・後退移動する。リンク板36の最初の180゜の回転で可動刃30が前進して、フィルムFに対する切断作用を行い、引き続く180゜の回転で初期位置に復帰する。なお、リンク板36とリンクレバー37によるリンク機構は、幅方向両側に一対設けられる。
また、可動刃駆動モータ34に連結されている伝達ギヤ列35の一方には、位置検出プレート38が設けられ、この位置検出プレート38を検出するためのカッター位置検出センサー39が設けられている。この検出機構により、可動刃30の初期位置が検出される。これにより、切断が終了した後に、可動刃駆動モータ34の停止制御を行なうことができる。可動刃駆動モータ34及びこれに連結される動力伝達機構は、可動刃駆動部に相当する。
刃物支持台32の下部には、ずらし作用部として機能する、ずらし部材300が設けられている。ずらし部材300は、可動刃30が移動するときに一体的に移動する。ずらし部材300は、固定部301と作用部302を有しており、支軸303により、作用部302が図7における反時計方向に回転可能に軸支されている。作用部302の先端には斜面部302aが形成されている。作用部302には、付勢部材としての捩りコイルバネ304が作用しており、通常は、図7に示す初期位置に付勢されている。
また、作用部302は、全体もしくは少なくとも先端部分がゴム部材により形成される。これにより、ずらし作用を行う時に大きな摩擦力を生じさせることができる。好ましくは、樹脂製の部品の周囲に厚みの薄いシリコンゴムを巻き付けて構成される。
固定刃31の下方には、ずらし部材300を初期位置からずらし位置へと案内するための案内部材305が設けられている。案内部材305は、プレートにより形成され、前述の斜面部302aが当接可能な案内面305aが形成されている。案内面305aも傾斜面として形成されるが、傾斜角度は、ずらし部材300の斜面部302aに比べると、より垂直に近い角度となっている。案内部材305もずらし作用部として機能する。ずらし作用部は、幅方向の中央領域にのみ設けられている。ずらし作用部の幅方向の長さは、フィルムFの幅方向寸法に応じて適宜変更することができる。
このずらし部材300を設けることにより、切断されたフィルムFの開口部Aを開きやすくすることができる。すなわち、斜面部302aが案内面305aに当接すると、作用部302が支軸303回りに反時計方向周りに回転させられ(図7における方向視)、フィルムFの裏面側S2を下方にずらすように作用する。これにより、開口部が開きやすくなる。詳細な動作は、後述する。
なお、ずらし作用部のうち、ずらし部材300は、フィルムFの裏面側S2に配置され、案内部材305はフィルムFの表面側S1に配置される。
固定刃31は、固定刃支持プレート310に取り付けられており、この固定刃支持プレート310の両端部310aがガイド軸33に固定されている。また、図7に示すように、固定刃支持プレート310のフィルムF通過面側には、傾斜したガイド部310bが一体形成され、帯状フィルムFの先端をスムーズに固定刃31の方向に導く。
<ガイド機構の構成>
次に、フィルムFをガイドするガイド機構8について説明する。ガイド機構8は、切断機構3のすぐ下流側に設けられている。ガイド機構8として、ガイドプレート80,81が設けられている。第1ガイドプレート80は幅方向の左側に位置し、第2ガイドプレート81は幅方向の右側に位置し、対称的に設けられる。第1ガイドプレート80は、下方へ行くほど幅が狭くなる第1ガイド部80aと、幅が一定の第2ガイド部80bにより構成される(図8参照)。これら第1ガイド部80aと第2ガイド部80bは、フィルムFの表面側S1に配置される。また、フィルムFの裏面側S2にも第3ガイド部80cと第4ガイド部80dが設けられる(図7参照)。第1ガイド部80aと第3ガイド部80cは、図8の正面視でほぼ同じ形状を有する。第2ガイド部80bと第4ガイド部80dも同様である。これら第1〜第4ガイド部80a〜80dは、一体化されている。第2ガイドプレート81についても、第1ガイドプレート80と同じような形状を有している。
これら第1・第2ガイドプレート80,81により、図7の側面図に示すように、フィルムFが通過する経路に沿って幅wのスリットが形成される。フィルムFを後述の開閉機構4により挟持していないときは、フィルムFに対する拘束力がないので、特に先端部が自由に動くことができる。これを抑制するため、第1・第2ガイドプレート80,81が設けられている。
さらに、一対のガイドプレート80,81の間に、波型案内機構として機能する第1波型案内プレート82と、第2波型案内プレート83が設けられる。図6に図示するように、第1・第2波型案内プレート82,83には、フィルムFの表面(フィルムFの搬送面)に対して垂直方向に立設された突出壁82a,83aが一体形成される。突出壁82aと突出壁83aは、幅方向に沿って交互に配置されており、更に、各突出壁82a,83aは、仮想の搬送面から僅かに突出する位置に配置される。
従って、第1・第2波型案内プレート82,83の間をフィルムFが通過するとき、フィルムFの断面形状が波型に変形させられる。後述の開閉機構4によりフィルムFの開口部Aは変形させられる(たるみが生じる)が、開口部Aが開きやすいように変形させる必要がある。この波型案内機構により、いわゆる縦シワを生じさせる。このように変形させることで、切断機構3により切断された開口部Aを開きやすくすることができる。また、フィルムFの移送方向に沿った縦シワであるので、大きな負荷を与えることなくフィルムFの移送にも支障が生じない。
図8に示すように、第1・第2波型案内プレート82,83には、エアー抜き穴82b,83bが複数形成されている。開口部Aを閉鎖状態から開放状態にするためには、前述のブロア28による送風が行われる。このとき、フィルムFの外側と波型案内プレート82,83の間を通過しようとするエアーの抜け穴がないと、ベルヌーイの定理により一瞬フィルムFが波型案内プレート82,83に引き付けられる。これにより、エアーが流れなくなり、開口部Aを開こうとする動作に支障が生じる。上記のようなエアー抜き穴82b,83bを設けることで、エアーの流れもスムーズになり、開口部Aも適切に開口状態にすることができる。
<開閉機構の構成>
次に、開閉機構4の構成を説明する。図9は、開閉機構の構成を示す正面図、図10は、開閉機構の構成を示す平面図、図11は、開閉機構の構成を示す側面図である。この開閉機構4により、切断されたフィルムFの開口部を開かせるようにする。図10において、左側にはフィルムFを挟持した状態、右側にはフィルムFを開放した(非挟持)状態が示される。図12、図13は、更に要部の詳細を示す拡大側面図であり、図12は、フィルムFを挟持した状態を示し、図13は、フィルムFを開放した状態を示す。
実際にフィルムFを挟持する第1挟持パッド40と第2挟持パッド41(これらは第1挟持部、第2挟持部に相当する)が設けられている。これら第1・第2挟持パッド40,41の挟持面には、フィルムFを挟持しやすいようにゴム製パッドが装着されている。
図9に想像線で示すように、吸着パッド40,41は、フィルムFの幅方向両側であって、開口部Aの近傍を挟持する。図10に示すように、第1挟持パッド40は、フィルムFを表裏両面から挟持するように一対設けられる。第2挟持パッド41も同様に一対設けられる。
第1挟持パッド40は、略L字形を有する第1ピンチアーム42の先端部42aに回転自在に支持される。また、第1ピンチアーム42の根元部には回転支持部420が一体的に取り付けられており、支軸44回りに回転可能に軸支される。第2挟持パッド41も同様に、第2ピンチアーム43の先端部43aに回転自在に支持される。また、第2ピンチアーム43の根元部には回転支持部430が一体的に取り付けられており、支軸45回りに回転可能に軸支される。
更に、回転支持部420,430の内側には、吸着板421,431が一体的に取り付けられている。第1・第2吸着パッド40,41を挟持状態と非挟持状態に切り換えるためのアクチュエータとして、吸着用ソレノイド46,47(第2開閉駆動部に相当)が設けられている。以下、図12,13により、第2吸着パッド41の側の構成を詳細に説明するが、第1吸着パッド40側も同じ構成であるので、説明を省略する。
ソレノイド47は、支軸45に固定されており、このソレノイド47の両側に吸着板431が配置されるように、吸着板431が回転支持部430に固定される。回転支持部430は、ピンチアーム43に対してボルト432により締結される。吸着板431は、回転支持部430に対して、ボルト433(図11参照)により締結される。
吸着板431の外周近傍に穴431aが形成され、一対の吸着板431同士は、ガイド軸434に沿って互いに近接する方向と、互いに遠ざかる方向のいずれかに移動可能である。一対の吸着板431の間には、圧縮コイルバネ435が設けられており、ガイド軸434に挿入されている。このコイルバネ435の作用により、吸着板431同士は互いに遠ざかる方向に付勢される。ソレノイド47を励起させることで、コイルバネ435の付勢力に抗して吸着板431をソレノイド47に吸着させることができる。
ピンチアーム43の根元部にも穴43bが形成され、一対のピンチアーム43同士は、ガイド軸436に沿って互いに近接する方向と、互いに遠ざかる方向のいずれかに移動可能である。一対のピンチアーム43の間には、圧縮コイルバネ437が設けられており、ガイド軸436に挿入されている。このコイルバネ437もコイルバネ435と同じ機能を提供する。
回転支持部430の軸芯部には穴430aが形成されているが、その内径は支軸45の外径よりも少し大きめに設定されている。また、穴430aと合わせて段部430bが形成されており、この段部430bの内径は、穴430aの内径よりも少し大きめに設定されている。更に、吸着板430の軸芯部にも穴431bが形成されているが、この内径は段部431bの内径と同じである。
ソレノイド47の軸芯部にはボス部47aが形成されており、ソレノイド本体から突出する形態で形成されている。このボス部47aは、吸着パッド41の回転中心の位置決めをある程度行なう機能を有する。ボス部47aの外周面はテーパ面47bとして形成されている。図13に示す、非挟持状態から図12に示す挟持状態へ移行させるためには、一対の吸着板431をソレノイド47に密着させた状態にする必要がある。ソレノイド47をオンにした時、発生する磁力(テーパ面47bに対して垂直な磁力)は、支軸45に平行な磁力と、支軸45に垂直な磁力に分けることができる。垂直な磁力は打ち消しあうため、吸着板431に対する吸引力として作用するのは、支軸45に水平な磁力となる。仮に、テーパ面47bを通常の水平な面にすると、吸着板431に対する吸引力を確保できずに、ソレノイド47に密着させる手前でボス部47aに引っかかって停止してしまうなどの問題が生じる。従って、上記のようなテーパ面47bを形成することで、確実に吸着板431をソレノイド47に密着させることができる。これにより、吸着パッド41により確実にフィルムFを挟持することができる。なお、吸着板431がソレノイド47に密着した状態では、ソレノイド47のコア、外筒、及び吸着板431により磁気回路が形成され、これにより、強い吸着力が発生するため、フィルムFを強く挟持することができる。
図9、図10に示すように、第1吸着パッド40と第2吸着パッド41は、連結軸48により連結されている。これにより、左右の第1・第2吸着パッド40,41を確実に同期させて回転させることができる。第1・第2吸着パッド40,41には、連結軸48を貫通させるための貫通孔40a,41aが形成され、この貫通孔40a,41aに沿って連結軸48が摺動可能に取り付けられている。
第1・第2吸着パッド40,41を支軸44,45回りに回転駆動させるためのパッド回転モータ400が設けられている。モータ400の出力は、伝達ギヤ列405により駆動軸401に伝達される。駆動軸401の両端には第1傘歯車402が設けられており、支軸44に取り付けられた第2傘歯車403と、支軸45に取り付けられた第2傘歯車404に噛み合う。これにより、モータ400を駆動することで、左右の第1吸着パッド40と第2吸着パッド41を同時に回転駆動させることができる。パッド回転モータ400及びその動力伝達機構は、フィルムFの開口部Aを閉鎖状態から開口状態にするための第1開閉駆動部に相当する。
第1・第2吸着パッド40,41は、図9に示す4つの位置P1,P2,P3,P4を取ることができるように制御される。4つの位置は、挟持位置P1,投入位置P2,開口位置P3,シール位置P4として定義される。また、挟持位置P1を基準とした回転角度がθ1,θ2,θ3が示される。なお、θ1は第1の回転角度に相当し、θ3は第2の回転角度として機能する。また、θ3=2×θ1である。これらθの大きさは、シール対象となるフィルムFのサイズ等により適宜決められる数値である。
挟持位置P1では、第1吸着パッド40と第2吸着パッド41の幅方向における間隔Dが最も大きくなる。間隔Dは、第1・第2挟持パッド40,41の中心同士の間隔として定義する。この挟持位置P1で、切断されたフィルムFの幅方向両側を挟持する。
投入位置P2では、フィルムFの開口部が大きく開かれていると共に、ホッパー60(図1参照)の先端部が開口部に挿入された状態である。投入位置P2では、間隔Dが最も狭くなる。フィルムFの幅方向両側を吸着パッド40,41で挟持したまま回転させるので、フィルムFにたるみを生じさせ、開口部Aが開くようにフィルムFを歪ませることができる。
開口位置P3は、投入位置P2よりも少し通過した位置に設定されている。ホッパー60の先端部は、投入位置P2に設定されているため、フィルムFの開口部にホッパー60の先端部を挿入するためには、一旦フィルムFの開口部Aを投入位置P2を通過させて開口位置P3まで引き下げた後、再び投入位置P2に戻すことにより、実現することができる。挟持位置P1から開口位置P3までの回転角度θ2は、θ1に対して、更に、例えば10゜〜30゜回転した位置に設定される。
シール位置P4は、フィルムFの底部FBあるいは開口部A(図24参照)をシールする位置であり、この位置にシール機構5が設けられている。また、このシール位置P4では、挟持位置P1と同様に、第1吸着パッド40と第2吸着パッド41の幅方向における間隔Dが最も大きくなる。
図9に示すように、第2ピンチアーム43の位置を検出するためのアーム検出センサー49が設けられている。これにより、第1・第2挟持パッド40,41(第1・第2ピンチアーム42,43)がシール位置P4に来たことを検出することができる。また、シール位置P4は、挟持パッド40,41の原点位置(初期位置)でもある。
<シール機構の構成>
次に、シール機構5の構成を説明する。図14は、シール機構5の構成を示す平面図、図15は、シール機構5の構成を示す正面図、図16は、シール機構5の構成を示す側面図である。これらの図では、シール機構5を開放した状態(フィルムFを挟持しない状態)を示している。また、図15において、左側にシールバー50の側の構成を示し、右側にヒーターバー51の側の構成を示す。
シール機構5は、シールバー50(押圧部)と、ヒーターバー51(押圧加熱部)とを備えており、夫々、シール面50aと加熱面51aを備えている。図示の状態では、シール面50aと加熱面51aは、離間した状態にあるが、図14の矢印C方向に互いに近接する方向に駆動することで、フィルムFを挟持・加熱し、シールすることができる。加熱面51aには、線状のヒーター51bが設けられており、その表面をフッ素樹脂テープなどでカバーすることで加熱面51aが形成される。
ヒーター51bの温度を測定するための温度センサー52が設けられており、この測定結果に基づいて、ヒーター51bに対する温度制御が行なわれる。ヒーターバー51の下面には、ヒートシンク53が一体的に取り付けられており、放熱を行なう。
シールバー50とヒーターバー51を駆動するためのヒーター駆動モーター54が設けられており、ギヤ列55を介して、駆動軸56に動力が伝達される。駆動軸56の両端部には、プーリ56aが取り付けられている。駆動軸56は、ヒーターバー51の背後に設けられている。もう1つの駆動軸57がシールバー50の前面側に設けられており、その両端部にプーリ57aが取り付けられている。これらプーリ56a,57aに駆動ベルト58が巻回されている。
図16に示すように、駆動軸57は、支持プレート513に支持されているが、支軸514回りに回転可能な状態で支持されている。また、引張コイルバネ515により、支持プレート513を支軸514回りに時計方向に付勢している。これにより、駆動ベルト58に対して適切なテンションを付与している。
シールバー50とヒーターバー51をガイドするためのガイド軸500が、シールバー50とヒーターバー51の左右両側に設けられている。シールバー50とヒーターバー51をガイド軸500に沿って移動させるための構造は、左右両側で同じであるから、一方のみについて説明する。
ガイド軸500に沿って移動可能な第1支持体501と、第2支持体502が設けられている。第1支持体501は、連結プレート503を介してヒーターバー51を取り付け支持している。連結プレート503は、ヒーターバー51の左右両側に設けられている。連結プレート503は、ボルト504により、第1支持体501に締結される。第1支持体501には、ヒーター圧着ソレノイド59に面した側に吸着板505が取り付けられている。吸着板505は、磁性材料により形成される。
第2支持体502は、連結プレート506を介してシールバー50を取り付け支持している。連結プレート506は、ボルト507により、第2支持体502に締結される。第2支持体502には、ヒーター圧着ソレノイド59に面した側に吸着板508が取り付けられている。吸着板508は、磁性材料により形成される。
図16の側面図に示すように駆動ベルト58は、下面側58aと上面側58bを有している。図16において、駆動軸56が時計方向に回転すると、下面側58aは左側へ移動し、上面側58bは右側へ移動する。駆動軸56を反時計方向に回転させると、上記と逆方向の移動になる。従って、モータ54を駆動することで、シールバー50とヒーターバー51を同時に互いに近接させたり、離間させたりすることができる。
第1支持体501は、ベルト連結プレート509により、駆動ベルト58の下面側58aに連結されている。ベルト連結プレート509と結合プレート520により、下面側58aを挟持した状態でボルト等により結合する。第2支持体502も、ベルト連結プレート510により、駆動ベルト58の上面側58bに連結されている。すなわち、ベルト連結プレート510と結合プレート521により、上流側58bを挟持した状態でボルト等により結合する。
ベルト連結プレート509には検出部509aが設けられており、シール開センサー511とシール閉センサー512により検出される。これにより、フィルムFを圧着挟持した状態(シール閉状態)と、開放した状態(シール開状態)の位置制御を行うことができる。
<制御ブロック図>
次に、ヒートシール装置の制御部に関する構成を図17のブロック図により説明する。制御部80は、主として、ロール載置部制御部80a、搬送機構制御部80b、薬剤投入機構制御部80c、切断機構制御部80d、開閉機構制御部80e、シール機構制御部80fの各機能を有している。制御プログラム81は、制御部80により各要素を制御するためのプログラム(ソフトウェア)である。
設定部82は、制御プログラム81の内容の書き換え、フィルムFをシールする時の条件設定(例えば、シール温度、シール時間)の変更などを行なうことができる。また、作製すべき包装製品FPの数の設定なども行うことができる。電源スイッチ86は、ヒートシール装置の電源をオン/オフするためのスイッチである。スタートスイッチ83は、シール動作を開始するときの起動スイッチである。
ロール載置部制御部80aは、ロール駆動モータ12の回転開始・停止などの制御を行う。搬送機構制御部80bは、フィルム移送モータ24の回転駆動の制御を行う。これにより、第1・第2送出ローラ対20,21の間歇駆動制御を行う。搬送量検出手段84は、第1・第2送出ローラ対20,21によるフィルムFの搬送量を検出する。搬送量検出手段84としては、例えば、ローラの回転量をエンコーダにより検出する方法、フィルム移送モータ24へ供給する駆動パルスのパルス数をカウントするなどの方法が用いられる。
薬剤投入機構制御部80cは、薬剤投入機構61に対する駆動制御を行なう。薬剤投入機構61の構成は図21に概念的に示される。容器連結ベルト62に多数の容器63が連結されており、その中に所定量の漢方薬Mが収容されている。容器連結ベルト62を所定量駆動させると、先頭位置にある容器63が回転し、収容されている漢方薬Mが放出され、ホッパー60を介して包装袋Fへと導かれる。移動量検出手段64は、容器連結ベルト62の所定量の移動を検出する。移動量検出手段64は、例えば、スプロケット65の回転量をエンコーダにより検出する方法、容器連結ベルト62を駆動するモータ(不図示)へ供給する駆動パルスのパルス数をカウントするなどの方法が用いられる。
切断機構制御部80dは、可動刃駆動モータ34の駆動を制御する。カッター位置検出センサー39からの検出信号に基づいて、可動刃30を適切に駆動することができる。
開閉機構制御部80dは、アーム検出センサー49及びアーム位置検出手段410の検出結果に基づいて、パッド回転モータ400及びパッド吸着用ソレノイド47を制御する。これにより、第1・第2挟持パッド40,41の位置を正確に制御することができる。アーム位置検出手段410として、アーム検出センサー49により検出されるシール位置P4(基準位置)を基準として、ピンチアーム42,43の回転量を検出することで、各位置P1〜P4を制御することができる。あるいは、各位置に個別に位置検出センサーを設けてもよい。
シール機構制御部80fは、シール開閉センサー511,512の検出結果に基づいて、ヒーター駆動モータ54やヒーター圧着ソレノイド59の制御を行う。これにより、シール機構5による挟持・開放の動作を適切に制御することができる。また、温度センサー52の検出結果に基づいて、ヒーター51bのオン/オフ制御を行う。また、ヒーター51bの加熱時間などは制御プログラム81の内容にしたがって制御される。
<シール動作>
次に、ヒートシール装置の動作について、図18A,図18B,図18Cのフローチャート及び図19A,図19B,図20,21,22の動作図に基づいて説明する。
まず、フィルムFのロールRをロール載置部1の上に載置させる(S1)。セットレバー22を開く方向に操作して、第1送出ローラ対20の圧着ローラ20aを駆動ローラ20bから離間させる(S2)。ロールRからフィルムFの先端部を引き出して、圧着ローラ20aと駆動ローラ20bの間の隙間に落とし込む(S3)。次に、セットレバー22を閉じる(S4)。これにより、フィルムFの先端部が圧着ローラ20aと駆動ローラ20bに圧着される。
次に、ダンサーローラ15をフィルムFの上にセットする(S5)。ダンサーローラ15は着脱自在であり、ロールRのセットを行なう時には外した状態にし、フィルムFの先端部をセットした後に、ダンサーローラ15を載置する。次に、不図示の外装カバーを閉じる(S6)。
次に、ヒートシール装置Hの電源スイッチ86をオンにする(S7)。これにより、シール動作を行なう前の初期動作ルーチンが実行される(S8)。ヒートシール装置Hの各構成要素を初期位置にセットするための動作を行なう。
まず、シール機構5のシールバー50とヒーターバー51の開放動作を行なわせる(S9)。制御部80のシール機構制御部80fによりヒーター駆動モータ54に指令を与え、シールバー50とヒーターバー51を初期位置に復帰させる。初期位置の検出は、シール開センサー512からの検出信号に基づき行なうことができる。
次に、第1・第2挟持パッド40,41をシール位置P4(初期位置)に移動させる(S10)。シール位置P4は、アーム検出センサー49からの検出信号により制御することができる。次に、切断機構3により、挿入されているフィルムFの先端部をカットする(S11)。先ほどのステップS3において、先端部は可動刃30と固定刃31の位置まで挿入されており、先端部のカットを行なうことができる。ステップS3において、先端部が切断機構3の位置まで挿入されていない時は、第1・第2送出ローラ対20,21を駆動して、先端部を可動刃30と固定刃31の位置まで送り込むようにすることができる。カットされた先端部は、排出部7から排出される。
次に、第1・第2挟持パッド40,41を挟持位置P1にまで移動させる(S12)。この段階では、第1・第2挟持パッド40,41は、フィルムFを挟持しない非挟持状態に設定されている。以上で、初期動作が完了する。
引き続いて、包装製品FPを作製するための自動運転モードに移行可能になる(S20)。自動運転モードにより、漢方薬が収容された包装製品FPを作製することができる。なお、この時点では、予め薬剤投入機構61における準備も完了している状態である。1つの包装製品FPには、1回分あるいは1日分の漢方薬が投入される。例えば、患者に対して7日分の漢方薬を処方するのであれば、7つの包装製品FPを作製するように、設定部82において予め設定しておく。
自動運転モードを開始するためには、スタートスイッチ83を押す。これにより、以下、制御プログラム81にしたがって自動運転が行なわれる。まず、フィルムFを所定量だけ送り出す(S22)。図19A(a)は、ステップS11でのカットが終了した後のステップ12の状態を図示している。ステップS22での送り出し量は、図19A(b)に示すL1であり、第1・第2挟持パッド40,41による掴み代に相当する量である。距離L1だけ送り出されるように、第1送出ローラ対20の駆動量が制御される。距離L1に関するデータは、予めプログラムされている。
次に、開閉機構制御部80eの機能により、吸着用ソレノイド46,47を駆動し、第1・第2挟持パッド40,41により、フィルムFの底部FB近傍を挟持する(図19(b))(S23)。次に、パッド回転モータ400を駆動して、第1・第2挟持パッド40,41(ピンチアーム42,43)を回転駆動させ、挟持位置P1からシール位置P4へと移動させる(S24)。この状態を図19A(c)に示す。
上記動作と平行して、上流側においてフィルムFを所定量(例えば、100mm)ほど送り出す(S100)。すなわち、第1・第2送出ローラ対20,21を駆動してフィルムFの送り出しを行なう。これにより、第1・第2挟持パッド40,41によりフィルムFを挟持して移動させるときに、フィルムFに対して無理なテンションを作用させることなく、移動させることができる。上記所定量は、挟持パッド40,41が挟持位置P1からシール位置P4へと移動した時の垂直方向の移動距離に対応するものである。このとき、ロールRも連動して回転するようにロール駆動モータ12が駆動される。第1送出ローラ対20によるフィルムFの送り出し量と、ロールRの回転による送り出し量との違いを吸収するようにダンサーローラ15が動作する(S101)。
ステップS24の後、フィルムFの底部FBを熱溶着してシールする。底部FBの位置は、図19A(c)に示すように、挟持パッド40,41で挟持している箇所の少し上部である。ピンチアーム42,43がL字状に形成されているため、シールバー50とヒーターバー51が動作するときに干渉しないようにすることができる。
まず、シール機構制御部80fの機能により、シール機構5のヒーター駆動モータ54を駆動して、シールバー50とヒーターバー51を互いに近接させる方向に駆動し、フィルムFの底部FBを挟持する(S25)。次に、ヒーター圧着ソレノイド59を駆動し、さらにシール圧力を作用させる(S26)。次に、ヒーター51bを駆動し、加熱することで底部FBの熱溶着を行いシールする。加熱温度・時間については、予めプログラムされた通りに行なわれ、所定の加熱時間が経過した後は冷却させる(S27)。なお、冷却は自然冷却でもよいし、冷却手段(ファンやペルチェ素子など)による強制冷却を行なってもよい。
ヒーター51bによる加熱・冷却の後、ヒーター圧着ソレノイド59をオフにし、シール圧力を解除させる(S28)。次に、ヒーター駆動モータ54を駆動して、シールバー50とヒーターバー51を初期位置に復帰させる(S29)。
次に、パッド吸着用ソレノイド46,47をオフにし、第1・第2挟持パッド40,41によるフィルムFの挟持状態を解除し、非挟持状態とする(S30)。次に、第1・第2挟持パッド40,41を再び挟持位置P1へと移動させる(S31)。この動作と同時に、フィルムFの送り出し動作を行なう(S102)。この送り出し長さは、作製される包装製品FPの長さに基づいて決められるものである。ステップS100で既に所定量が送り出されているため、包装製品FPの全長に対する不足分が送り出されることになる。ステップ103については、ステップS101と同じ意味で行われる。
ステップS31において、挟持パッド40,41を挟持位置P1に復帰させた後、挟持パッド40,41を非挟持状態から挟持状態へと駆動する(S32)。これにより、挟持パッド40,41により、フィルムFの開口部近傍を挟持する(図19B(d)参照)。この状態で、切断機構3を動作させて、フィルムFをカットする。カット位置は、図19B(d)に図示される。
切断機構3による切断動作を行なうときの様子を図20に示す。フィルムFは表面側S1と裏面側S2を有しており、若干誇張して描いている。図20(a)は、切断前の状態を示す。図20(b)では、切断がほぼ終了した状態であるが、ずらし作用部を構成する作用部302の斜面部302aが、ちょうど案内部材305の案内面305aに当接している。さらに可動刃30が前進すると、傾斜面302aと案内面305aの作用により、作用部302が反時計方向に回転させられる。これにより、フィルムFの裏面側S2を表面側S1に対して下方向にずらす作用を行わせる。これにより、切断後のフィルムFの開口部Aを開きやすくすることができる。図20(c)には、裏面側S2が少しずれた状態を図示している。
ステップS33の後、挟持パッド40,41(ピンチアーム42,43)を回転させて、挟持位置P1から投入位置P2を一旦通過させた後、開口位置P3へと移動させる。挟持パッド40,41によりフィルムFを挟持したまま回転させると、挟持パッド40と挟持パッド41の間隔が狭くなり、これに伴いフィルムFの開口部Aに歪み(たるみ)が生じる。これにより、開口部Aが徐々に開かれていく。
ステップS34と同時に、開口用のブロア28をオンにする(S104)。これにより、ブロア28の送風口28aから風がフィルムFの開口部Aに向けて送り込まれる。これにより、開口部を開かせる。また、波型案内プレート82,83を設けているため、フィルムFの開口部の近傍を波型に歪ませた状態で開き動作が行なわれる。この点も開口部Aをより開きやすくしている構成である。以上のように、開口部Aが確実に開くような構成を種々採用しており、確実に開口部Aを開かせることができる。
図5で説明したように、ブロア28の送風口28aは、駆動ローラ21bの小径部21dに臨んでおり、送風口28aを可能な限り開口部Aに近接できるように配置している。また、小径部21dを形成することで、風が通過するための通路を確保することができる。これにより、開口部Aに向けて効率よく送風することができる。
図19B(e)は、開口位置P3に挟持パッド40,41を移動させた状態を示している。開口部Aの近傍が歪んで開口部Aが開いた状態が示されている。ステップ34で挟持パッド40,41を開口位置P3に移動した後、挟持パッド40,41(ピンチアーム42,43)を逆回転させ、開口位置P3から投入位置P2へと戻す(S35)。また、ブロア28の駆動をオフにする(S105)。開口位置P3に戻すことで、開いた開口部Aの中にホッパー60の投入口60aが確実に挿入される。この状態を図22の斜視図に示す。
次に、薬剤投入機構61に指令を与えて、容器63の1ピッチ分だけ容器連結ベルト62を駆動させる。これにより、容器63に収容されている漢方薬が放出され、フィルムFの中に投入される(S36)。投入動作を行なっている間は、挟持パッド40,41は投入位置P2に停止している。停止時間については、所定時間を予め設定しておくことができる。
投入動作が終了すると、挟持パッド40,41を投入位置P2からシール位置P4へと移動させる(S37)。引き続いてシール機構5を動作させて、フィルムFの開口部Aのシールを行なう。このときの動作は、図18CにおけるステップS38〜S42であるが、この動作は、底部FBをシールする時のステップS25〜S29(図18B参照)と同じである。これにより、包装製品FPが完成する。
シール動作が終了すると、挟持パッド40,41を挟持状態から非挟持状態へと切り換える(S43)。これにより、包装製品FPが開放されて排出部7へと落下し、取り出すことができる。その後、挟持パッド40,41(ピンチアーム42,43)は、シール位置P4から挟持位置P1へと移動し、次の包装製品FPの作製のための準備を行う(S44)。ステップS20に戻り、以下は、同じ処理手順を繰り返す。
<別実施形態>
本実施形態において、漢方薬を収容する包装製品を例にあげて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。包装体F(フィルム)の材質についても種々の変形例が考えられる。
切断機構を構成する可動刃30や固定刃31の具体的な構成は、種々の変形例が考えられる。可動刃をフィルムFの表面側に配置し、固定刃をフィルムFの裏面側に配置してもよい。この場合、ずらし部材300は表面側S1に配置されることになる。
シール機構については、インパルス式ヒートシーラーを用いてもよいし、それ以外のヒートシーラーを用いてもよい。本実施形態において、ヒーターバー51は裏面側S2に設けているが、表面側S1にヒーターバー51を配置し、裏面側S2にシールバー50を配置してもよい。また、両方にヒーターバーを配置した構成でもよい。
ヒートシール装置Hの主要部を示す側面図 ヒートシール装置Hの主要部を示す正面図 ロール載置部及び搬送機構の構成を示す側面図 搬送機構を構成する送出ローラを示す拡大平面図 搬送機構の構成を示す正面図 切断機構の構成を示す平面図 切断機構の構成を示す側面図 切断機構の構成を示す正面図 開閉機構の構成を示す正面図 開閉機構の構成を示す平面図 開閉機構の構成を示す側面図 開閉機構を構成する駆動部の詳細を示す側面図 開閉機構を構成する駆動部の詳細を示す側面図 シール機構の構成を示す平面図 シール機構の構成を示す正面図 シール機構の構成を示す側面図 ヒートシール装置の制御機能を示すブロック図 ヒートシール装置の動作を示すフローチャート ヒートシール装置の動作を示すフローチャート ヒートシール装置の動作を示すフローチャート ヒートシール装置(開閉機構)の動作を示す動作図 ヒートシール装置(開閉機構)の動作を示す動作図 切断機構による切断動作を行う時の様子を示す図 薬剤投入機構の構成を概念的に示す図 薬剤の投入を行う時の状態を示す斜視図 ロールから帯状フィルムを引き出す時の様子を示す図 包装製品の構成を示す図
符号の説明
1 ロール載置部
2 搬送機構
3 切断機構
4 開閉機構
5 シール機構
6 供給部
7 排出部
8 ガイド機構
20 第1送出ローラ対
21 第2送出ローラ対
28 ブロア
30 固定刃
31 可動刃
40 第1挟持パッド
41 第2挟持パッド
42 第1ピンチアーム
43 第2ピンチアーム
46 ソレノイド
47 ソレノイド
50 シールバー
51 ヒーターバー
60 ホッパー
60a 投入口
61 薬剤投入機構
80 制御部
80b 搬送機構制御部
80d 切断機構制御部
80e 開閉機構制御部
80f シール機構制御部
81 制御プログラム
300 ずらし部材
302 作用部
302a 斜面部
304 捩りコイルバネ
305 案内部材
305a 案内面
A 開口部
F 包装体(フィルム)
FB 底部
FP 包装製品
FT 上部
P1 挟持位置
P2 投入位置
P3 開口位置
P4 シール位置
R ロール
S1 表面側
S2 裏面側

Claims (5)

  1. チューブ状に形成された帯状包装体をロール状に収容した状態から順次繰り出して行き、包装体の底部をシールした後に、包装体の内部に開口部を介して内容物を投入し、その後、包装体の開口部をシールして内容物が密封された包装製品を得るためのヒートシール装置であって、
    包装体を搬送させるための搬送機構と、
    前記開口部を形成するために、包装体を幅方向に沿って切断して切り離すための切断機構と、
    包装体の前記開口部の近傍を挟持して開口部を開閉動作させるための開閉機構と、
    包装体の前記底部及び前記開口部をシールするためのシール機構と、
    シール機構、切断機構、開閉機構、搬送機構の動作を制御する制御部と、を備えており、
    前記切断機構は、包装体の表面側もしくは裏面側の一方側に位置する固定刃と、
    包装体の表面側もしくは裏面側の他方側に位置する可動刃と、
    可動刃を駆動する可動刃駆動部と、
    可動刃と一体的に移動し、切断作用時に、前記裏面側を前記表面側に対して相対的にずらすように作用するずらし作用部と、を備え、
    前記開閉機構は、
    前記幅方向の両側に位置する第1挟持部と第2挟持部と、
    第1・第2挟持部により包装体の開口部近傍を挟持した状態で、第1・第2挟持部を所定の支点周りに回転させ、包装体の開口部を閉鎖状態から開口状態へと切り換え可能な第1開閉駆動部と、
    第1・第2挟持部を夫々、包装体を挟持する挟持状態と包装体を開放する非挟持状態に切り換えさせる第2開閉駆動部と、を備え、
    前記制御部は、
    第1・第2挟持部により包装体を挟持した状態で、包装体を幅方向に沿って切断して開口部を形成し、その後、包装体の開口部を閉鎖状態から開口状態へ移行させるように、切断機構及び開閉機構に対する制御を行うことを特徴とするヒートシール装置。
  2. 前記ずらし作用部は、所定の軸芯周りに回転可能なずらし部材と、ずらし部材を初期位置に付勢する付勢部材と、を包装体の表面側もしくは裏面側の一方側に備えると共に、
    包装体の表面側もしくは裏面側の他方側に、ずらし部材を初期位置からずらし位置へと案内させる案内部材と、を備え、切断機構による切断作用時に、ずらし部材が初期位置からずらし位置へと移動可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載のヒートシール装置。
  3. 前記ずらし部材の少なくとも先端部はゴム材料により形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートシール装置。
  4. 前記第1・第2挟持部は、
    第1挟持部と第2挟持部の間隔が最も大きな挟持位置と、
    この挟持位置から支点周りに第1の所定角度回転させた位置であって、第1挟持部と第2挟持部の間隔が最も小さな投入位置と、
    挟持位置から支点周りに第2の所定角度回転させた位置であって、第1挟持部と第2挟持部の間隔が最も大きなシール位置と、
    前記投入位置を少し通過した位置に設定された開口位置と、に夫々位置するように制御部により制御され、かつ、
    切断機構による切断が行われた後、第1・第2挟持部を挟持位置からいったん前記開口位置へ移動させた後、投入位置へ戻すことで、内容物が供給されるホッパーを包装体の開口部内に位置させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートシール装置。
  5. 切断機構の下流側に、包装体の少なくとも中央部を含む領域の断面形状を波型に変形させるための波型案内機構を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒートシール装置。
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