JP2009208270A - 画像記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数を増加させることなくキャリッジと衝突したキャップ部材を所定の位置に位置決めすることができ、または、部品点数を増加させることなく記録ヘッドのノズル形成面にキャップを安定した状態で当接させることができる画像記録装置を提供すること。
【解決手段】パージ処理を実行すると、キャリッジ38がキャップ支持体72の突出片72aに衝突し、図7(c)に示すように、キャップ支持体72は、反動で昇降体73内をキャリッジ38が移動してきた方向にスライドする。この場合、それに伴ってチューブTもキャップ支持体72に引きずられ、キャリッジ38が移動してきた方向にスライドするが、その途中でチューブTはストッパSによって、その移動が規制され、チューブTの復元力でキャップ支持体72がキャリッジ38が移動してきた方向に引き戻される。これにより、部品点数を増加させることなく、キャリッジ38に対し、主走査方向上におけるキャップ支持体72(パージキャップ71)の位置決めがされる。
【選択図】図7
【解決手段】パージ処理を実行すると、キャリッジ38がキャップ支持体72の突出片72aに衝突し、図7(c)に示すように、キャップ支持体72は、反動で昇降体73内をキャリッジ38が移動してきた方向にスライドする。この場合、それに伴ってチューブTもキャップ支持体72に引きずられ、キャリッジ38が移動してきた方向にスライドするが、その途中でチューブTはストッパSによって、その移動が規制され、チューブTの復元力でキャップ支持体72がキャリッジ38が移動してきた方向に引き戻される。これにより、部品点数を増加させることなく、キャリッジ38に対し、主走査方向上におけるキャップ支持体72(パージキャップ71)の位置決めがされる。
【選択図】図7
Description
本発明は、画像記録装置に関するものである。
従来より、主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドから記録用紙に向けてインクを吐出することで記録用紙に画像を形成する画像記録装には、インクの吐出性能を回復させるためのメンテナンス機構が設けられていることをが知られている。
このメンテナンス機構を備えた画像記録装置に関し、次の特許文献1には、記録ヘッド12に当接するキャップ体50を昇降させる昇降体52に向かって移動してくるキャリッジ13が、昇降体52と衝突することで変形し、その復元力によって昇降体52をキャリッジ13が移動してきた方向とは反対の方向に押圧する第2バネ55を備えた画像記録装置1が開示されている。また、この画像記録装置1では、昇降体52の内部にバネ54を設置し、このバネ54でキャップ体50を記録ヘッド12に付勢することが開示されている。
特開2007−111911号公報(段落第「0057」、図6等)
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている画像記録装置1では、キャリッジ13と衝突した昇降体52を引き戻す第2バネ55を用意する必要があり、部品点数の増加を招来するという問題点があった。
また、昇降体52の内部に設置したバネ54だけでキャップ体50を記録ヘッド12側に付勢しているので、キャップ体50と記録ヘッド12との当接状態が不安定であるという問題点があった。かかる問題点を解決すべく、昇降体52の内部にバネ54とは別のバネを用意して、キャップ体50と記録ヘッド12との当接状態が安定するように構成することも考えられるが、かかる場合には部品点数の増加を招来するという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、部品点数を増加させることなくキャリッジと衝突したキャップ部材を所定の位置に位置決めすることができ、または、部品点数を増加させることなく記録ヘッドのノズル形成面にキャップを安定した状態で当接させることができる画像記録装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の画像記録装置は、インクを吐出するノズルが穿設されているノズル形成面を有する記録ヘッドと、その記録ヘッドを搭載して主走査方向に往復移動するキャリッジと、そのキャリッジに搭載されている前記記録ヘッドのノズル形成面に対して出没可能に構成され前記ノズル形成面に当接して前記ノズルを含む密封空間を形成するキャップ部材と、そのキャップ部材に接続され前記密封空間から空気または前記ノズルから吐出されたインクを排出する弾性を有するチューブとを備えたものであって、前記チューブの一部であって、前記キャップ部材に向かって移動してくる前記キャリッジが前記キャップ部材と衝突することで変形し、その復元力によって前記キャップ部材を前記キャリッジが移動してきた方向とは反対の方向に押圧する押圧部を備えている。
請求項2記載の画像記録装置は、インクを吐出するノズルが穿設されているノズル形成面を有する記録ヘッドと、その記録ヘッドを搭載して主走査方向に往復移動するキャリッジと、そのキャリッジに搭載されている前記記録ヘッドのノズル形成面に対して出没可能に構成され前記ノズル形成面に当接して前記ノズルを含む密封空間を形成するキャップ部材と、そのキャップ部材に接続され前記密封空間から空気または前記ノズルから吐出されたインクを排出する弾性を有するチューブとを備えたものであって、前記チューブの一部であって、前記キャップ部材に向かって移動してくる前記キャリッジが前記キャップ部材と衝突することで変形し、その復元力によって前記キャップ部材を前記ノズル形成面側に押圧する押圧部を備えている。
請求項3記載の画像記録装置は、請求項1又は2に記載の画像記録装置において、前記キャップ部材は、前記ノズル形成面と対向する面が開口され前記ノズル形成面に対して出没可能に構成されているハウジングと、そのハウジングに対して前記主走査方向に往復移動可能に支持され前記ノズル形成面に当接して前記密封空間を形成する当接部と、その当接部に連結され前記キャリッジの移動領域に突出して前記キャリッジと衝突する突起とを備え、前記チューブは、前記ハウジングを貫通して前記当接部に接続されており、前記押圧部は、前記当接部を前記ノズル形成面との間に挟む前記ハウジングの内面と前記当接部との間に配設され、前記キャップ部材のうち前記突起に向けて移動してくる前記キャリッジと衝突することで変形し、その復元力によって前記当接部を、前記キャリッジが移動してきた方向とは反対の方向と、前記ノズル形成面側とに押圧する。
請求項4記載の画像記録装置は、請求項3に記載の画像記録装置において、前記ハウジングの内面から前記ハウジングの内部に突設され、前記キャリッジが前記突起と衝突することで前記キャリッジが移動してきた方向に移動する当接部によって、その当接部に接続されているチューブが前記ハウジング内において前記キャリッジが移動してきた方向に引きずられるのを規制するストッパを備え、前記押圧部は、前記ストッパによって前記キャリッジが移動してきた方向に突出するように屈曲する屈曲部を含む。
請求項1記載の画像記録装置によれば、記録ヘッドの吐出性能を回復させる回復処理を実行する場合、キャップ部材を記録ヘッドのノズル形成面に当接させる前に、主走査方向においてノズル形面がキャップ部材と対向する位置にくるように位置決めをする。この場合、キャップ部材は、所定方向から移動してくるキャリッジと衝突し、その反動でキャリッジが移動してきた方向にスライドするが、チューブの一部で構成されている押圧部の復元力によってキャリッジが移動してきた方向とは反対の方向に押圧され引き戻される。よって、部品点数を増加させることなく、キャリッジと衝突したキャップ部材を所定の位置に位置決めすることができるという効果がある。
請求項2記載の画像記録装置によれば、記録ヘッドの吐出性能を回復させる回復処理を実行する場合、キャップ部材を記録ヘッドのノズル形成面に当接させてノズルを含む密封空間を形成する。この場合、キャップ部材は、チューブの一部である押圧部の復元力によってノズル形成面側に押圧されているので、部品点数を増加させることなく、記録ヘッドのノズル形成面にキャップ部材を安定した状態で当接させることができるという効果がある。
請求項3記載の画像記録装置によれば、請求項1又は2に記載の画像記録装置の奏する効果に加え、記録ヘッドの吐出性能を回復させる回復処理を実行する場合、キャップ部材を記録ヘッドのノズル形成面に当接させる前に、主走査方向においてノズル形面がキャップ部材と対向する位置にくるように位置決めをする。この場合、所定方向から移動してくるキャリッジは当接部の突起に衝突し、その反動で当接部は、キャリッジが移動してきた方向にスライドするが、チューブの一部で構成されている押圧部の復元力によって、キャリッジが移動してきた方向とは反対の方向に押圧され引き戻される。よって、部品点数を増加させることなく、キャリッジと衝突したキャップ部材を所定の位置に位置決めすることができるという効果がある。また、キャップ部材を記録ヘッドのノズル形成面に当接させる場合には、当接部は、チューブの一部である押圧部の復元力によってノズル形成面側に押圧されているので、部品点数を増加させることなく、記録ヘッドのノズル形成面に当接部を安定した状態で当接させることができるという効果がある。
請求項4記載の画像記録装置によれば、請求項3に記載の画像記録装置の奏する効果に加え、押圧部は、ストッパによってキャリッジが移動してきた方向に突出するように屈曲する屈曲部を含んでいるので、その復元力の分力によって当接部を、キャリッジが移動してきた方向とは反対の方向に押圧することができると共に、記録ヘッドのノズル形成面に押圧することができるという効果がある。
図1は、本発明の画像記録装置の一実施形態に係る複合機10の外観斜視図である。複合機10は、下部にプリンタ部11を、上部にスキャナ部12を一体的に備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)であり、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有し、特に、部品点数の増加させることなく、記録ヘッドのノズル形成面にキャップを安定した状態で当接させることができる装置である。
プリンタ部11は、正面に開口13が形成されており、この開口13から一部が露呈するようにして給紙トレイ14及び排紙トレイ15が上下2段に設けられている。給紙トレイ14は、記録用紙を貯蔵するためのものである。この給紙トレイ14に収容された記録用紙は、プリンタ部11の内部へ給送され、所望の画像が記録された後に排紙トレイ15上へ排出されるようになっている。
複合機10の正面上部に操作パネル20が設けられている。この操作パネル20は、プリンタ部11やスキャナ部12を操作するための各種操作ボタンや液晶表示部を備えている。複合機10は、この操作パネル20からの操作指示に基づいて動作する。また、複合機10がパーソナルコンピュータに接続されている場合には、当該複合機10は、パーソナルコンピュータからプリンタドライバ又はスキャナドライバを介して送信される指示に基づいても動作する。
さらに、複合機10の正面にスロット部21が設けられている。記憶媒体である各種小型メモリカードは、このスロット部21に装填されるようになっている。操作パネル20からの入力に基づいて、スロット部21に装填された小型メモリカードに記録された画像データが読み出され、この画像データに関する情報が液晶表示部に表示され、あるいは、任意の画像がプリンタ部11により記録用紙に記録される。
図2は、プリンタ部11の主要な構成を示す斜視図である。プリンタ部11には、主に、給紙トレイ14と、給紙トレイ14の上方に設置されている給紙ローラ25と、給紙トレイ14の奥方から立設し、給紙ローラ25から給紙される記録用紙を搬送する搬送経路を形成する搬送ガイド体50と、搬送ガイド体50の下流側であって、搬送ローラ60と排紙ローラ62との間に往復移動可能に設置されている記録ヘッド39と、記録ヘッド39のインク吐出面と対向配置されているプラテン37と、プラテン37と隣接する位置であってキャリッジ38の走査範囲内に設置されているメンテナンスユニット48とが設けられている。
給紙トレイ14は、上面が開放された略箱状に形成されており、その内部に記録用紙が積載収納される。また、給紙トレイ14の側壁には、排紙トレイ15(図1参照)を支持する支持部14aが形成されており、排紙トレイ15は、支持部14a上にスライド可能に支持されている。
給紙ローラ25は、給紙トレイ14に積載されている記録用紙に当接した状態で回転し、記録用紙を搬送ガイド体50に形成されている搬送経路を経由して搬送ローラ60に給紙する。給紙ローラ25はアーム51の一端に回転可能に軸支されている。アーム51は、シャフト52に対して振り子状に回動可能に支持されており、給紙トレイ14に積載されている記録用紙の積載量に応じて、アーム51と記録用紙とのなす角度が変わるように構成されている。また、アーム51の内部には、図示しない複数個の歯車が直線状に並べて設置されており、この歯車を介して給紙ローラ25が回転する。
搬送ガイド体50は、給紙ローラ25から給紙された記録用紙を搬送ローラ60までU字状に搬送する搬送経路を形成するものである。搬送ローラ60には、搬送ローラ60に追従して回転する従動ローラ(図示せず)が対向配置されており、搬送経路を経由して搬送された記録用紙は、この搬送ローラ60と従動ローラとに挟持され、記録ヘッド39とプラテン37との間に搬送される。
記録ヘッド39は、プラテン37と対向する面に、インクを吐出するノズルが穿設されたノズル形成面を有し、そのノズルからプラテン37に支持されてノズル形成面と対向する位置に搬送される記録媒体に対してインク滴を吐出して画像を形成するものである。尚、記録ヘッド39には、複合機10に着脱自在に設置されるインクカートリッジ(図示せず)からシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色のインクが供給される。
また、記録ヘッド39は、キャリッジ38に搭載され、主走査方向に往復移動可能に構成されている。キャリッジ38は、プラテン37に対向する領域と、メンテナンスユニット48に対向する領域との範囲に亘って往復移動可能に構成されており、プラテン37と対向する領域で記録ヘッド39から記録媒体に対してインク滴を吐出して記録を実行し、メンテナンスユニット48と対向する領域で記録ヘッド39のメンテナンスを実行する。
プラテン37は、記録ヘッド39の下方に対向配置されており、搬送ローラ60から搬送される記録用紙を記録ヘッド39とは反対側から支持する。インクが供給された記録ヘッド39は、往復移動しながらインクを微小なインク滴としてプラテン37側に吐出し、プラテン37上に搬送される記録用紙に対して画像を形成する。
プラテン37を搬送ローラ60との間に挟んで設置されている排紙ローラ62には、排紙ローラ62に追従して回転する従動ローラ(図示せず)が対向配置されており、記録ヘッド39とプラテン37との間を経由して搬送される記録済みの記録用紙は、この排紙ローラ60と従動ローラとに挟持され、排紙トレイ15(図1参照)上に排紙される。
メンテナンスユニット48には、記録ヘッド39のノズル形成面に付着したインクを弾性を有するワイパブレード58で払拭するワイプ機構、記録ヘッド39のノズル形成面を密封した状態でノズル形成面に形成されているノズルからインクを吸引するパージ処理を実行するパージ機構が設けられており、このメンテナンスユニット48により、記録ヘッド39内の気泡や混色インクの除去等のメンテナンスが行われる。
尚、メンテナンスユニット48には、キャリッジレバー27が設けられており、キャリッジ38がメンテナンスユニット48と対向する位置に移動すると、このキャリッジレバー27が押し倒され、図示しないLFモータの動力がメンテナンスユニット48に伝達される。
次に、図3を参照して、メンテナンスユニット48について説明する。図3は、メンテナンスユニット48を示す斜視図である。メンテナンスユニット48には、パージ機構の一部として、排気キャップ70と、その排気キャップ70に隣設するパージキャップ71と、そのパージキャップ71と排気キャップ70とを支持するキャップ支持体72と、そのキャップ支持体72を囲む昇降体73とが設けられている。尚、この昇降体73の外側面には、上述したワイプ機構に含まれるワイパブレード58(図2参照)が取着されているが、その図示は省略してある。
排気キャップ70は、記録ヘッド39に搭載されている排気バルブ(図示せず)と連結して、その排気バルブから記録ヘッド39に貯留されている空気を排気するものである。排気キャップ70にはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に応じて4つの連結口39a,39b,39c,39dが設けられている。この各連結口39a,39b,39c,39dが、排気バルブに設けられている4つの接続口に連結されると、排気バルブが開放され、記録ヘッド39に貯留されている空気が排気される。
パージキャップ71は、記録ヘッド39のノズル形成面に当接してノズル形成面を含む密閉空間を形成するように、ノズル形成面と対向する面が開放されたゴム製の略箱状に構成されている。パージキャップ71内は、区画壁71aによってCMYのカラーインクと黒インク(Bk)とに対応して2つの空間に区画されている。
パージ処理が実行される場合には、パージキャップ71の上端縁部がノズル形成面に当接し、ノズル形成面を含む密閉空間が形成され、パージキャップ71と接続されているチューブを介して減圧ポンプを駆動すると、パージキャップ71内が減圧され、ノズルから気泡、埃、塵、インク塊等がインクと一緒にパージキャップ71の内部に排出される。よって、ノズルを閉塞する気泡、埃、塵、インク塊等がインクと一緒に排出され、インクの吐出性能を回復させることができる。
キャップ支持体72は、昇降体73に対してキャリッジ38の主走査方向にスライド可能に支持されている。キャップ支持体72には、記録ヘッド39側に突出する突出片72a,72aが突設されており、この突出片72a,72aにキャリッジ38が衝突することで、キャップ支持体72は、その反動で昇降体73内をキャリッジ38が移動してきた方向にスライドするが、後述するチューブTの屈曲部Uによって、再び、キャリッジ38側に引き戻され、主走査方向においてキャリッジ38(記録ヘッド39)に対し、所定の位置に位置決めされる。
昇降体73は、排気キャップ70およびパージキャップ71を記録ヘッド39のノズル形成面に当接させるために、図4に示すリフト機構74によって記録ヘッド39側に出没可能に構成されている。
図4は、リフト機構74を示す概略側面図である。リフト機構74は、その先端部が昇降体73の下方から延びるリフトアーム75と、そのリフトアーム75の終端部と接触するカム76とによって構成されている。尚、カム76は主走査方向(紙面奥方から手前側)に延びるように構成されているものとする。
このリフト機構74によれば、図4(a)に示す位置(待機位置)に、リフトアーム75と昇降体73とが位置している場合に、カム76を回転させると、リフトアーム75の先端部はカム76によって記録ヘッド39側に持ち上げられ、それに伴って昇降体73が記録ヘッド39側に持ち上げられる。
そして、図4(b)に示すように、パージキャップ71が記録ヘッド39のノズル形成面に当接する。尚、カム76を逆回転させることでリフトアーム75と昇降体73とは、図4(b)に示す位置から図4(a)に示す位置(待機位置)に下降することになる。
次に、図5乃至図7を参照して、パージキャップ71と接続されているチューブTについて説明する。図5(a)はメンテナンスユニット48の概略平面図、図5(b)はパージキャップ71を取り除いたメンテナンスユニット48の概略平面図である。図6,図7は昇降体73内を示す概略断面図である。
図5(a)に示すように、パージキャップ71の区画壁71aによって2つに区画されている各空間の底面には、吸気口71bが穿設されており、この吸気口71bにはチューブT(図6,7参照)が接続されており、このチューブTは弾性を有し、図示しない減圧ポンプに接続されている。そして、パージ処理実行時には、記録ヘッド39のノズル形成面に当接しているパージキャップ71内から空気や、ノズルからパージキャップ71内に吐出された気泡、埃、塵、インク塊を含むインクを排出する。
また、図5(b)に示すように、パージキャップ71とキャップ支持体72との間に形成されるスペース内には、パージキャップ71の中央部とキャップ支持体72の底面とに当接して、パージキャップ71の中央部を支持するコイルバネKが配設されている。このコイルバネKによって、パージ処理実行時において、パージキャップ71が記録ヘッド39のノズル形成面に当接すると、コイルバネKの復元力によってノズル形成面側に押圧され、記録ヘッド39のノズル形成面にパージキャップ71を安定した状態で当接させることができる。即ち、チューブTは、コイルバネKに対して、点対称に2つの吸気口71bからキャップ支持体72の底面を貫通して、昇降体73内に延びるている。
そして、キャップ支持体72から昇降体73内に延びるチューブTは、図6,7に示すように、キャップ支持体72と昇降体73との間に形成されるスペースS2内において、昇降体73の内面からスペースS2内に突出するストッパSに対して、キャリッジ38がキャップ支持体72の突出片72aに向かって移動している方向側に当接しつつ、そのキャリッジ38の移動方向に向かって昇降体73を貫通するように配設されている。
上述したように構成されているメンテナンスユニット48によれば、パージ処理を実行する場合には、図6(a)に示すように、記録ヘッド39を搭載したキャリッジ38がキャップ支持体72の突出片72aに向かって移動する。そして、図6(b)に示すように、キャリッジ38が突出片72aに衝突する。
すると、図7(c)に示すように、キャップ支持体72は、その反動で昇降体73内をキャリッジ38が移動してきた方向にスライドすることになる。この場合、キャップ支持体72がスライドするのに伴って、チューブTもキャップ支持体72に引きずられ、キャリッジ38が移動してきた方向にスライドするが、その途中で、チューブTはストッパSによって、その移動が規制される。
具体的には、ストッパSを挟んで、キャリッジ38が移動してきた方向に突出するように屈曲する屈曲部Uが形成され、その屈曲部Uの復元力でキャップ支持体72がキャリッジ38が移動してきた方向に引き戻されることになる。これにより、主走査方向上の所定の位置(パージ処理実行位置)で停止するキャリッジ38(記録ヘッド39)に対し、キャップ支持体72(パージキャップ71)が対向する位置にくるように、主走査方向上におけるキャップ支持体72(パージキャップ71)の位置決めを、部品点数を増加させることなく、チューブTを利用してすることができる。
そして、主走査方向上におけるキャップ支持体72が位置決めされると、図5に示すリフト機構74を駆動して昇降体73(パージキャップ71)を記録ヘッド39側に上昇させ、図7(d)に示すように、パージキャップ71を記録ヘッド39のノズル形成面に当接させ、記録ヘッド39に穿設されているノズルを含む密封空間を形成する。
この場合、キャップ支持体72は、屈曲部Uの分力によって記録ヘッド39側に付勢されているので、リフト機構74に掛る負荷を軽減することができる。また、パージキャップ71が記録ヘッド39のノズル形成面に当接した場合には、屈曲部Uは、スペースS2内においてパージキャップ71と昇降体73の底面との間に挟まれて昇降体73の移動方向に更に圧縮変形し、その復元力の分力によってパージキャップ71を記録ヘッド39のノズル形成面側に付勢する。これにより、特に、新たな部品追加することなく、記録ヘッド39のノズル形成面にパージキャップ71を安定した状態で当接させることができる。
こうして、パージキャップ71を記録ヘッド39のノズル形成面に密着させると、チューブTに接続されている図示しない減圧ポンプを作動させ、パージキャップ71内を減圧状態にする。すると、記録ヘッド39のノズルから強制的にインクが吸引され、ノズル内の気泡や異物は、該インクとともに吸引除去される。
尚、その後は、リフト機構74によってパージキャップ71を待機位置へ移動する。また、ワイパーブレード58を記録ヘッド39のノズル形成面側に上昇させる。すると、ワイパブレード58に向けてスライド移動する記録ヘッド39のノズル形成面にワイパブレード58が接触して、パージ処理においてノズル形成面に付着したインクがワイパブレード58によって払拭される。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
上述した実施形態では、チューブTの屈曲部UをスペースS2内に形成する場合について説明したが、このチューブTの屈曲部Uを形成する位置としては、パージキャップ71とキャップ支持体72との間の空間(コイルバネKが配設されている空間)に形成するようにしても良い。
また、上述した実施形態では、チューブTの屈曲部Uは、キャップ支持体72の突出片72aにキャリッジ38が衝突した場合に形成されるように説明したが、衝突する前からチューブTの屈曲部Uを形成しておくように構成しても良い。
10 複合機(画像記録装置)
38 キャリッジ
39 記録ヘッド
48 メンテナンスユニット(キャップ部材)
71 パージキャップ(当接部の一部)
72 キャップ支持体(当接部の一部)
72a 突出片(突起)
73 昇降体(ハウジング)
S ストッパ
T チューブ
U 屈曲部(押圧部)
38 キャリッジ
39 記録ヘッド
48 メンテナンスユニット(キャップ部材)
71 パージキャップ(当接部の一部)
72 キャップ支持体(当接部の一部)
72a 突出片(突起)
73 昇降体(ハウジング)
S ストッパ
T チューブ
U 屈曲部(押圧部)
Claims (4)
- インクを吐出するノズルが穿設されているノズル形成面を有する記録ヘッドと、その記録ヘッドを搭載して主走査方向に往復移動するキャリッジと、そのキャリッジに搭載されている前記記録ヘッドのノズル形成面に対して出没可能に構成され前記ノズル形成面に当接して前記ノズルを含む密封空間を形成するキャップ部材と、そのキャップ部材に接続され前記密封空間から空気または前記ノズルから吐出されたインクを排出する弾性を有するチューブとを備えた画像記録装置において、
前記チューブの一部であって、前記キャップ部材に向かって移動してくる前記キャリッジが前記キャップ部材と衝突することで変形し、その復元力によって前記キャップ部材を前記キャリッジが移動してきた方向とは反対の方向に押圧する押圧部を備えていることを特徴とする画像記録装置。 - インクを吐出するノズルが穿設されているノズル形成面を有する記録ヘッドと、その記録ヘッドを搭載して主走査方向に往復移動するキャリッジと、そのキャリッジに搭載されている前記記録ヘッドのノズル形成面に対して出没可能に構成され前記ノズル形成面に当接して前記ノズルを含む密封空間を形成するキャップ部材と、そのキャップ部材に接続され前記密封空間から空気または前記ノズルから吐出されたインクを排出する弾性を有するチューブとを備えた画像記録装置において、
前記チューブの一部であって、前記キャップ部材に向かって移動してくる前記キャリッジが前記キャップ部材と衝突することで変形し、その復元力によって前記キャップ部材を前記ノズル形成面側に押圧する押圧部を備えていることを特徴とする画像記録装置。 - 前記キャップ部材は、前記ノズル形成面と対向する面が開口され前記ノズル形成面に対して出没可能に構成されているハウジングと、そのハウジングに対して前記主走査方向に往復移動可能に支持され前記ノズル形成面に当接して前記密封空間を形成する当接部と、その当接部に連結され前記キャリッジの移動領域に突出して前記キャリッジと衝突する突起とを備え、
前記チューブは、前記ハウジングを貫通して前記当接部に接続されており、
前記押圧部は、前記当接部を前記ノズル形成面との間に挟む前記ハウジングの内面と前記当接部との間に配設され、前記キャップ部材のうち前記突起に向けて移動してくる前記キャリッジと衝突することで変形し、その復元力によって前記当接部を、前記キャリッジが移動してきた方向とは反対の方向と、前記ノズル形成面側とに押圧することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録装置。 - 前記ハウジングの内面から前記ハウジングの内部に突設され、前記キャリッジが前記突起と衝突することで前記キャリッジが移動してきた方向に移動する当接部によって、その当接部に接続されているチューブが前記ハウジング内において前記キャリッジが移動してきた方向に引きずられるのを規制するストッパを備え、
前記押圧部は、前記ストッパによって前記キャリッジが移動してきた方向に突出するように屈曲する屈曲部を含むことを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
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JP2008051360A JP2009208270A (ja) | 2008-02-29 | 2008-02-29 | 画像記録装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008051360A JP2009208270A (ja) | 2008-02-29 | 2008-02-29 | 画像記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009208270A true JP2009208270A (ja) | 2009-09-17 |
Family
ID=41181901
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008051360A Pending JP2009208270A (ja) | 2008-02-29 | 2008-02-29 | 画像記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009208270A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10086614B2 (en) | 2010-04-30 | 2018-10-02 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Cap device and liquid jetting apparatus provided with the same |
-
2008
- 2008-02-29 JP JP2008051360A patent/JP2009208270A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10086614B2 (en) | 2010-04-30 | 2018-10-02 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Cap device and liquid jetting apparatus provided with the same |
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