JP2009207618A - 医療用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂製容器に取り込まれやすい薬剤を収納しても、製造、保存、輸送、使用中に薬剤を医療容器へ付着・吸着・浸透させることのなく、確実に薬剤を投与することができる医療用容器を提供する
【解決手段】薬理学的に有効な物質を含有する熱可塑性樹脂製複室容器であって、前記物質と接触する少なくとも一室の内部をガラス転移点以上の温度を加えながら、気体を導入、冷却することによって膨張させた形を維持させた後、内部をコーティングすることを特徴とする医療用容器の製造方法および製造された医療用容器。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟質熱可塑性樹脂製複室容器およびその製造方法に関する。また、軟質熱可塑性樹脂製複室容器の薬剤と接触する複数の室のうち、少なくとも一室に気体を導入、温度を上昇させ、次に冷却することによって拡張した状態を維持するように成形した後、その内部をコーティングすることによって、薬剤が、保存、輸送、使用中に医療容器へ付着・吸着・浸透することを防止できる医療用容器の製造方法および製造された医療用容器に関する。
近年、プラスチック製医療用容器は、軽量、安価で落下による破損が少なく、成形も容易であることから医薬品の収納容器として広く使用されている。また、患者に投与される薬剤の中には、予め配合すると好ましくない経時的変化を起こすような不安定な薬剤や2つ以上の薬剤を使用時に混合することにより投与する薬剤があり、最近では、薬剤の投与を速やかなものとするため、ならびに混合忘れなどを防止するために、1つの医療用容器を剥離可能な仕切部により複数の薬剤室に区分し、それぞれに薬液を充填したいわゆる複室の医療用容器が使用されるようになってきている。この様な複室の医療用容器では、隣り合う薬剤室の間に剥離可能な仕切り用弱シールを備え、輸液が必要な時に医療用容器を圧迫したり折り曲げたりして、薬剤室内部の圧力を高めることによって弱シールを破壊して隣の薬剤室を連通させ、収容されていた薬液を無菌的に混合するようになっている。(特許文献1)
さらに、医薬用容器の排出ポートを取り囲むように弱シール部を形成し、医薬用容器の主薬剤室とは別に設けられた薬剤収納部内の薬剤の混合忘れを防止するとともに、小容量の薬剤収納室を形成して、主薬剤室の容量減少が少なく所定量の薬剤収納部が形成できる医療用容器が提案されている。(特許文献2)
また、合成樹脂製容器において、あるいは容器本体内面にフッ素系樹脂やアルミニウム箔などからなる層を形成した医療用容器(特許文献3)、ポリオキシアルキレン・シリコーンブロック交互共重合体で医療用容器内面を覆うタイプの医療用容器(特許文献4)、あるいはプラスチック製ボトル内面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)を蒸着させてて形成した医療用容器(特許文献5)などにより、保存中に薬剤の容器表面への望ましくない取り込み(例えば付着、吸着、収着、浸透など)を抑制し、実際に用いられる薬剤の力価が低下を防止するものが提案されている。
特開平4−364850 特開2007−267941 特開平9−286462 特開2005−74139 特開2001−231841 特開2007−181487
特許文献1や特許文献2に記載されているような軟質熱可塑性樹脂のシートを重ね合わせ複数の薬剤収納室を形成し、さらに隣り合う収納室の間を剥離可能な弱シールを設ける軟質熱可塑性樹脂製複室容器の場合、ポリスルホンやポリスルホキシドを含有するポリマーでは軟質熱可塑性樹脂とともに成形することが困難であり、ポリオキシアルキレン・シリコーンブロック交互共重合体では接着剤やバインダーが溶出する恐れがある。 また、フッ素樹脂などの不活性材料を予めシート表面にラミネーションやコーティングした場合や、剥離可能な弱シールを形成することが非常に困難であった。
また、弱シールを形成するためには、通常、軟質熱可塑性樹脂製シートを重ね合わせ、加熱溶融して行うが、不活性材料をコーティングする方法では、熱可塑性樹脂製シートをシールして形成された薬剤収納室の内面は、そのシール際で熱可塑性樹脂製シートが密着しており、薬剤収納室全体にコーティングすることが困難であった。さらに、プラスチック容器内へのDLCコートは、ブロー成形されたプラスチックボトルで行われているが、ブロー成形された容器へ剥離可能な弱シールを形成することは困難であり、また、剥離可能な弱シールを成形した後、選択的にブロー成形を適用することは、弱シールの破壊や加熱などによる剥離性の変化の可能性があり、適用できない。特許文献6には、軟質熱可塑性樹脂製シートを重ね合わせて熱シールした医療用容器へのDLCコートの可能性について記載されているが、具体的な方法は記載されておらず、また、上記問題点について検討されていない。
そこで、本発明の目的は、上記問題点を解決した、軟質熱可塑性樹脂製複室容器およびその製造方法を提供することである。より詳しくは、軟質熱可塑性樹脂製複室容器の薬剤と接触する複数の室のうち、少なくとも一室に気体を導入、温度を上昇させ、次に冷却することによって拡張した状態を維持するように成形した後、その内部をコーティングすることによって、薬剤が、保存、輸送、使用中に医療容器へ付着・吸着・浸透することを防止できる医療用容器の製造方法および製造された医療用容器を提供することである。
また、本発明の別の目的は、軟質熱可塑性樹脂製複室容器の複数の室のうち、薬剤排出ポートを有する薬剤室の内面が、薬剤の付着、吸着あるいは浸透することを防止できる被覆を有する医療用容器を提供することである。
上記課題は以下の本発明により解決される。
(1)薬理学的に有効な物質を収納する収納室が形成されてなる医療用容器の製造方法であって、軟質熱可塑性樹脂からなるシート材料を重ね合わせ、前記シート材料の一部を加熱および加圧することにより融着して、薬理学的に有効な物質を収納する複数の収納室を形成し、次いで少なくとも一の前記収納室に気体を導入して前記収納室を拡張し、前記シート材料を加熱後、冷却することによって前記収納室を拡張状態に成形し、さらに前記拡張成形された前記収納室の内面にコーティング剤を含有する気体を用いて被覆を形成することを特徴とする医療用容器の製造方法。
(2)前記収納室を拡張するために導入される気体に前記コーティング剤を含有することを特徴とする前記(1)に記載の医療用容器の製造方法。
(3)前記収納室を拡張状態に形成した後、前記収納室を拡張するために導入される気体を排出し、さらに前記拡張成形された前記収納室にコーティング剤を含有する気体を導入して前期収納室の内面に被覆を形成することを特徴とする前記(1)に記載の医療用容器の製造方法。
(4)前記被覆が、パリレン、フッ素、ダイヤモンドライクカーボンの少なくとも1種である前記(1)ないし(3)に記載の医療用容器の製造方法
(5)前記被覆が形成される前記収納室が、前記物質をガラス容器へ充填し密閉された状態でオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の物質量(a)と該物質を該収納室へ充填し密閉された状態でオートクレーブ滅菌し、該収納室を40℃75%RHで3ヶ月保存した時の物質量(b)との比(b/a)×100が90%以上であることを特徴とする前記(1)ないし(4)に記載の医療用容器の製造方法。
(6)前記コーティング剤が、パリレン蒸着、フッ素蒸着またはDLC蒸着のいずれかである前記(1)ないし(5)に記載の医療用容器の製造方法。
(7)前記物質が、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンD、脂溶性ビタミン、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、塩酸ニカルジピン、シクロスポリン、ベンゾジアゼピン、ミダゾラム、エダラボン、プロポフォール、脂溶性薬剤、タンパク質、ペプチド、糖タンパクである前記(1)ないし(6)に記載の医療用容器の製造方法。
(8)前記パリレン蒸着の厚みが0.1〜30μmである前記(6)または(7)に記載の医療用容器の製造方法。
(9)前記パリレン蒸着が下記化学式1で示されるパリレンCまたは化学式2で示されるパリレンNからなる前記(6)ないし(8)に記載の医療用容器の製造方法。
Figure 2009207618
Figure 2009207618
(10)前記フッ素蒸着がフッ素元素が基材合成樹脂と共有結合していることを特徴とする前記(6)または(7)に記載の医療用容器の製造方法。
(11)前記フッ素蒸着に用いるフッ素ガスがKF・2HFを電気分解して得られたものである前記(6)、(7)または(10)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
(12)前記フッ素蒸着された表面のフッ素/炭素元素比率が1.0を超えていることを特徴とする前記(6)、(7)、(10)または(11)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
(13)前記フッ素蒸着が、フッ素ガスと不活性ガスとの混合ガスを用いてを行うことを特徴とする前記(6)、(7)、(10)、(11)または(12)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
(14)前記不活性ガスがアルゴン、ヘリウム、窒素からなる群のいずれか、またはこれらの混合物である前記(13)に記載の医療用容器の製造方法。
(15)前記DLC蒸着によって形成された膜の硬さが10Hk〜60Hkであることを特徴とする前記(6)または(7)に記載の医療用容器の製造方法。
(16)前記DLC蒸着によって形成された膜の膜厚が0.05〜0.5μmであることを特徴とする前記(6)、(7)または(15)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
(17)前記軟質熱可塑性樹脂からなるシート材料が、光学的に透明なプラスチックからなる前記(1)ないし(16)に記載の医療用容器の製造方法。
(18)前記軟質熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である前記(1)ないし(17)に記載の医療用容器の製造方法。
(19)薬理学的に有効な物質を収納した熱可塑性樹脂製複室容器の製造方法であって、前記物質と接触する少なくとも一室の内部をガラス転移点以上の温度を加えながら、気体を導入、冷却することによって膨張させた形を維持させた後、内部をコーティングすることを特徴とする医療用容器の製造方法。
(20)前記(1)ないし(19)に記載の医療用容器の製造方法により製造された医療用容器
(21)少なくとも第1の薬剤室、第2の薬剤室及び第3の薬剤室の三の収納室を有する容器本体を有し、前記第1の薬剤室と前記第2の薬剤室は、剥離可能な仕切り用の第1の弱シールにより区分され、前記第2の薬剤室と前記第3の薬剤室は、剥離可能な仕切り用の第2の弱シールにより区分され、前記第3の薬剤室は薬剤排出ポートを有し、前記容器本体は、前記容器本体を懸垂するための懸垂孔と、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤と前記第3の薬剤室に収納された第3の薬剤を有し、前記第1の弱シールおよび前記第2の弱シールは、前記容器本体の前記第1の薬剤室部分又は第2の薬剤室部分を押圧することにより開通可能であり、前記第3の薬剤室の内面が、パリレン、フッ素、ダイヤモンドライクカーボンの少なくとも1種により被覆されていることを特徴とする医療用容器。
(22)前記被覆が形成される前記収納室が、前記物質をガラス容器へ充填し密閉された状態でオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の物質量(a)と該物質を該収納室へ充填し密閉された状態でオートクレーブ滅菌し、該収納室を40℃75%RHで3ヶ月保存した時の物質量(b)との比(b/a)×100が90%以上である前記(21)に記載の医療用容器。
(23)前記被覆が、パリレン蒸着、フッ素蒸着またはDLC蒸着されてなる前記(21)ないし(22)に記載の医療用容器。
(24)前記物質が、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンD、脂溶性ビタミン、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、塩酸ニカルジピン、シクロスポリン、ベンゾジアゼピン、ミダゾラム、エダラボン、プロポフォール、脂溶性薬剤、タンパク質、ペプチド、糖タンパクである前記(21)ないし(23)に記載の医療用容器。
(25)前記パリレンの被覆の厚みが0.1〜30μmである前記(21)または(24)に記載の医療用容器。
(26)前記パリレンが下記化学式1で示されるパリレンCまたは化学式2で示されるパリレンNからなる前記(21)ないし(25)に記載の医療用容器。
Figure 2009207618
Figure 2009207618
(27)前記フッ素蒸着がフッ素元素が基材合成樹脂と共有結合してなる前記(21)または(22)に記載の医療用容器。
(28)前記フッ素蒸着に用いるフッ素ガスがKF・2HFを電気分解して得られたものである前記(21)、(22)または(27)のいずれかに記載の医療用容器。
(29)前記フッ素蒸着された表面のフッ素/炭素元素比率が1.0を超えてなる前記(21)、(22)、(27)または(28)のいずれかに記載の医療用容器。
(30)前記DLC蒸着によって形成された膜の硬さが10Hk〜60Hkである前記(21)または(22)に記載の医療用容器。
(31)前記DLC蒸着によって形成された膜の膜厚が0.05〜0.5μmである前記(21)、(22)または(30)のいずれかに記載の医療用容器。
(32)前記軟質熱可塑性樹脂からなるシート材料が、光学的に透明なプラスチックからなる前記(21)ないし(31)に記載の医療用容器。
本発明の医療用容器によれば、軟質熱可塑性樹脂製シートをシールして形成された複数の薬剤収納室のうちから選択された薬剤収納室の内面のシール際まで、選択した薬剤収納室全体にコーティングすることが容易であり、かつ、隣り合う収納室の間を剥離可能な弱シールを設けることがコーティングしない場合と同様に行うことができる。
また、本発明の医療容器によれば、脂溶性ビタミン、脂溶性薬剤、タンパク質、ペプチド、糖タンパク、その他合成樹脂製容器に取り込まれやすい薬剤を、軟質熱可塑性樹脂製シートからなる一体容器として構成することができ、取り扱いが容易となる。
以下、本発明に係る、医療用容器の製造方法および医療用容器について詳細に説明する。本発明の医療用容器の形態を輸液バッグに限定し、図1を参照しながら第1の実施例について説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。図1は、本発明の医療用容器の第1の実施例の正面図である。
図1に記載された本発明の医療用容器は、軟質熱可塑性樹脂製シートから形成され、第1薬剤室3、第2薬剤室4からなる容器本体1からなり、第1薬剤室3と第2薬剤室4は第1弱シール6により区分されており、第2薬剤室4にはゴム栓が備えられた薬剤排出ポート8を有する。また、容器本体1には懸垂孔2が設けられており、容器本体1を輸液スタンドなどにより懸垂可能とされている。薬剤排出ポート8は外部から輸液用チューブの接続端部に設けられたビン針などをゴム栓に刺入することにより、第2薬剤室4の内部の薬剤を前記輸液用チューブに導くように連通可能に構成されている。また、第1薬剤室3には薬剤入出ポート85が設けられている。薬剤入出ポート85は、ゴム栓を有し、注射器やバイアルビンなどの他の薬液容器と連通可能に構成されている。
前記各薬剤室3、4の周囲は、前記薬剤排出ポート8、薬剤入出ポート85などの医療用容器の製造時や使用時などの機能付加等に係る付属部材が設けられた部分を除き、軟質熱可塑性樹脂シートを熱融着することにより形成されている。また、容器本体1は、各薬剤室3、4、および余剰領域90を除き、軟質熱可塑性樹脂シートを熱融着することにより形成され、懸垂孔2は、軟質熱可塑性樹脂シートが熱融着された領域に設けられている。輸液スタンドに懸垂孔2を引っ掛けて容器本体1を吊り下げた場合に、薬剤排出ポート8が薬剤室4の下端に位置するように、懸垂孔2が設けられている。
第1薬剤室3には第1薬剤が収納され、第2薬剤室4には第2薬剤が収納されている。第1薬剤室3と第2薬剤室4には薬液(液体の薬剤)が収納されている。第1弱シール6は、第1薬剤室を押圧することにより開通可能となり、第1薬剤室3と第2薬剤室4内の薬剤が混合される。混合された薬剤は、薬剤排出ポート8より排出される。第1薬剤室3と第2薬剤室4の少なくとも一室の内面は、本発明の被覆によりコーティングされている。本発明の被覆により、薬剤室内面が熱融着際までコーティングされており、収納している薬剤の容器本体1への付着・吸着・浸透の防止、ガスバリアー性の向上による収納している薬剤の劣化の防止などを効果的に行うことができる。
本発明において、薬剤が容器本体1に付着・吸着・浸透するとは、薬剤が疎水結合、ファンデルワールス結合等により容器本体1の内面に物理吸着したり、薬剤のアミノ基やカルボキシル基と樹脂表面に微量に存在する電荷部分とがイオン的に化学吸着したり、薬剤が樹脂そのものに浸透したり、収着したりすることを示す。
本発明の医療用容器の容器本体1は、軟質熱可塑性樹脂シートの熱融着すべき二つの面を重ねて金型に挟み、加熱および加圧することにより成形される。さらに、薬剤排出ポート8や薬剤入出ポート85などの付属部材が、随時結合される。なお、本発明において軟質熱可塑性樹脂シートを加熱および加圧して融着させる熱融着には熱媒体を軟質熱可塑性樹脂シートに接触させる熱シールに限らず、高周波や超音波などにより樹脂シートの温度を上昇させて行う高周波融着法、超音波融着法なども含まれる。
本発明の容器本体1の形成材料である軟質熱可塑性樹脂シートは、インフレーション成形法により筒状に成形された軟質熱可塑性樹脂シートを用いることが好ましい。なお、共押出インフレーション法、カレンダー成形法などの種々の方法により製造されたものでもよい。
容器本体1は、水蒸気バリヤー性を有することが好ましい。水蒸気バリヤー性の程度としては、水蒸気透過度が50g/m・24hrs・40℃・90%RH以下であることが好ましく、より好ましくは、10g/m・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは、1g/m・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JISK7129(A法)に記載の方法により測定される。この様に容器本体1が水蒸気バリヤー性を有することにより、医療用容器の内部からの水分の蒸散が防止できる。その結果、充填される薬剤の減少、濃縮を防止することができる。また、医療用容器の外部からの水蒸気の侵入も防止することができる。
本発明においては、容器本体1を形成する軟質熱可塑性樹脂材料として好ましいものとして、ポリエチレンまたはポリプロピレンに、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーあるいは、エチレン−プロピレン共重合体やエチレン−ブテン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体等のオレフィン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。これらの材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐水性が高いので、液体医薬を収納する医療用容器として、非常に優れており、また、弱シールの形成や付属部材の取り付けなど加工性が特に優れ、製造コストの低減を図ることができる点で好ましい。容器本体1を構成するシート材料としては、引張弾性率で500MPa以下、好ましくは50〜300MPaが取り扱い易さ、液の排出性などの点で好ましい。
容器本体1を構成するシート材の厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過性、耐熱性等)等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜500μm程度であるのが好ましく、200〜360μm程度であるのがより好ましい。
容器本体1は、第1弱シール6を備えており、これにより、内部が2室に区分されている。第1弱シール6は、容器本体1において横方向に配置され、第1薬剤室3と第2薬剤室4の間に剥離可能な弱シールである。 このような弱シールは、例えば加熱プレスにより形成され、金型の温度は、容器本体1の形成材料の溶融温度より10℃以上低い温度で熱融着を行うことにより形成することができる。また、各薬剤室の容積は、内部に収納する薬剤の種類等によって異なるが、通常は、第1薬剤室3の容積が、50〜3000ml程度であることが好ましく、第2薬剤室4の容積が、50〜3000ml程度であることが好ましい。第1弱シール6のシール強度(初期の剥離強度)は、0.1〜25N/10mm、さらに好ましくは0.3〜20N/10mm、特に好ましく2〜20N/10mmである。
なお、シール強度の具体的な測定方法としては、以下のようにして行うことができる。 医療用容器を各測定対象シール部を含む部分を容器の幅方向に1 0 m m の長さに切断して、それぞれのシール強度部分に含まれる切断片を引張速度3 0 0 m m / 分で測定した値の各シール強度部分の平均値である。以下、同様に測定することができる。
また、容器本体1は、前述した様な材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれの樹脂の利点を併有することができ、例えば、容器本体1の耐衝撃性を向上させたり、耐ブロッキング性やガスバリアー性を付与したりすることができる。また、金属層を有するものの場合、容器本体1のガスバリヤー性や遮光性等を向上させることができる。例えば、アルミ箔等のフィルムが積層された場合、ガスバリヤー性や水蒸気バリヤー性の向上と共に、遮光性を付与したりすることができ、また、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる層を形成した場合、ガスバリヤー性の向上と共に、容器本体1の透明性を維持することができ、内部の視認性を確保することができる。しかしながら、容器本体1は、前記弱シールが設けられるため、熱融着される内面は、前記軟質熱可塑性樹脂層よりなることが好ましい。
また、本発明における、第1薬剤室3、第2薬剤室4の少なくとも一室の内面は本発明の被覆がコーティングされている。これにより、付着・吸着・浸透しやすい薬剤を収納した場合、あるいは、保存中に晒されるガスによって劣化しやすい薬剤を収納した場合でも、これらの薬剤が容器本体1の樹脂材料に吸着や浸透により取り込まれるのを防いだり、ガスバリアー性を向上させて薬剤の劣化を防止することができる。
本発明の被覆は、パリレン蒸着、フッ素蒸着、DLC蒸着のいずれかによりコーティングされていることが好ましい。コーティングされている薬剤室は、薬剤室全面がコーティングされることにより、所望の効果を確実に得ることができる。第2薬剤室4をコーティングする場合は、薬剤排出ポート8内もコーティングされていることが好ましく、あるいは、何らかの方法で保存中に薬剤が薬剤排出ポートに移動しない手段を用いてもいいし、薬剤排出ポートを薬剤が付着・吸着・浸透しない材料で作成してもよい。
本発明における被覆のコーティングは、容器本体1を形成する複数の軟質熱可塑性樹脂製シートを重ね合わせ、加熱プレスによる熱融着によって各薬剤室が区分された後、コーティングする薬剤室に気体を導入して前記薬剤室を拡張し、容器本体1を加熱後、冷却することによって前記薬剤室を拡張状態に成形する。通常、コーティングする薬剤室に容器本体1の形成材料のガラス転移点以上の温度を加えながら、気体を導入、冷却することによって膨張させた形を維持させる。容器本体1の加熱は、気体の導入による前記薬剤室の膨張状態の維持と、冷却が同時に行われていれば、前記薬剤室を加熱して気体を導入した後、冷却してもよく、気体を導入して前記薬剤室を加熱した後、冷却してもよい。この場合の気体とは、空気、窒素、酸素、不活性ガスなど任意の気体で構わない。
複数の軟質熱可塑性樹脂製シートを重ね合わせ、加熱プレスにより熱融着して、成形された複数の室を有する医療用容器を被覆材料を含有するガスによりコーティングする場合、前記気体により前記複数の室のうちコーティングする室を膨張させた形を維持させて行うことにより、前記薬剤室の隅々に渡って全面コーティングすることができる。前記膨張した形状を維持させず、コーティングした場合、融着際やブロッキングが発生している箇所など、コート不良となり、製造、保存、輸送、使用中に薬剤を医療容器材料へ付着・吸着・浸透させてしまい、薬剤を確実に投与することができなくなってしまう。
さらに前記拡張成形された前記薬剤の内面にコーティング剤を含有する気体を導入し被覆を形成する。本発明の被覆は、パリレン蒸着、フッ素蒸着、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)蒸着のいずれかによりコーティングされていることが好ましい。また、本発明の被覆は、パリレン、フッ素、ダイヤモンドライクカーボンの少なくとも1種であることが好ましい。以下、それぞれの場合について、製造方法を説明する。
本発明におけるパリレンとは、化学式1に示すパリレンCおよび化学式2に示すパリレンNを示す。本発明のとおり医療用容器が軟質樹脂で構成されている場合、パリレンCでもパリレンNでもそのブレンドでも、その両方が多層になっていても構わない。さらに、高い伸び率を持つパリレンCの方が、材料の熱膨張率が大きい場合であっても、滅菌時にパリレン層の破断が起こり難く、望ましい。
パリレンのコーティング方法は、従来公知の方法を用いることができる。本実施例においては、次の3つの工程からなる方法により行った。気化室で原料の固体二量体のジパラキシリレンの昇華が起こる工程(A)、熱分解室で二量体の熱分解によるジラジカルパラキシリレンの発生が起こる工程(B)、蒸着室内に置かれた容器本体1の表面でのラジカルモノマーの重合によるポリパラキシリレン(パリレン)層が形成される工程(C)である。このAからCの各工程における処理条件を以下の表1に示す。
Figure 2009207618
図2にパリレン蒸着のための蒸着室としての真空チャンバの一例を示す。真空チャンバ21は、台28、ドーム22、真空ライン60、懸架台23、容器接続部24を有する。ドーム22は、台28に載置され、真空チャンバ21を形成し、ドーム22の台28との当接部は、台28と密着し、真空ライン60により真空チャンバ21内が排気された場合に減圧空間を形成する。真空ライン60は、バルブ51〜55、ライン61〜71を有する。懸架台23は、容器本体1の懸垂孔2などにより、容器本体1を真空チャンバ21内で支持する。容器接続部24は、ゴム弾性を有する材料からなり、必要により、設けられ、薬液排出ポート8を封止し、真空チャンバ21内部空間と薬剤室4とを隔成することができる。
軟質熱可塑性樹脂シートの熱融着により成形された容器本体1の懸垂孔2を懸架台23に懸架し、ゴム栓を装着する前の薬液排出ポート8にライン62の気体出口26、ライン63の気体入口27を挿入し、容器接続部24に接続支持、ドーム22を台28に載置する。真空ライン60の各バルブを調整し、薬剤室4内が真空チャンバ21よりも高圧状態とし、各ラインを経由して、加熱気体を真空チャンバ21内や薬剤室4内に流通させ、薬剤室4を形成する樹脂シートを加熱、拡張させ、次いで拡張状態のまま、冷却し、薬剤室4を拡張成形する。ドーム22内に複数の懸架台と対応する各薬剤室を拡張させるラインを設ければ、複数の容器本体を同時に拡張成形することができる。
さらにバルブ51をライン61とライン62が連通する状態とし、バルブ53をライン63とライン64を連通状態とし、ライン61から前記ラジカルモノマーが薬剤室4内部に導入され、その内面で重合し、ポリパラキシレン(パリレン)層が形成される。コーティングすべき薬剤室へのコーティング材料を含有する気体の導入は、上記のようにゴム栓を装着する前の薬液排出ポートを用いてもよいし、後に熱融着等により封止可能に開口させた薬剤室の一部でもよい。コーティングの不要な他の薬剤室は、薬剤室を構成する軟質熱可塑性樹脂シートを密着させた状態で外部と遮断することにより、薬剤室内面にコーティングさせないことができる。コーティングすべき薬剤室を膨張状態にする際、窒素や空気などを用いてもよいし、コーティング材料を含有する気体を用いてもよい。コーティング材料を含有する気体を用いた場合、拡張成形とコーティングに費やされる時間が短縮され、窒素や空気などを用いた場合、コーティング材料を節約することができる。コーティングすべき薬剤室の拡張成形は、上記の通り、コーティング処理と連続させて行ってもよいが、異なる装置を用いて別途行ってもよいことは、言うまでもない。
得られるパリレン層は、透明性を維持しながら、耐熱性、耐薬剤吸着性、ガスバリアー性に優れており、また、気相重合法により形成されるため、より確実に被覆すべき薬剤室内面全体に被覆が可能となる。さらにC工程においては室温で処理がなされるため、耐熱性の低い材料においても処理が可能となる。本発明におけるパリレン層の厚さは、表1の温度および圧力と処理時間により制御可能であり、0.1〜30μmが望ましく、より望ましくは、0.1〜10μmである。0.1μm未満では、薬剤の容器本体への取り込み防止が十分でなく、30μmより大きくなるとパリレン層の剥離といった問題が生じる。
また、本発明におけるフッ素蒸着は、従来公知の方法を用いることができ、合成樹脂製容器の表面のみを直接フッ素化するため、合成樹脂製容器が本来持っている透明性も損なうことなく、剥離や薬剤の取り込みのない表面を得ることができる。
具体的には、図2の真空チャンバー21を用いることができる。真空チャンバ21内にコーティングすべき拡張成形された薬剤室を有する容器本体1を、バルブ53を開とし、真空チャンバ21内の空間と薬剤室4内と連通した状態で置き、ライン69、70より排気し真空状態にしてチャンバー内及び基材に吸着した水分や酸素を取り除く。このときの真空度は0.01Torr程度で25℃で15分以上維持することが好ましい。また、水分や酸素が取り除ければ、真空状態でなく窒素雰囲気下でも構わない。そしてヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガスとフッ素ガスの混合ガスをライン61、62からチャンバー内に導入し、フッ素ガスと基材を反応させる。
フッ素蒸着の程度はフッ素ガスの濃度、反応槽の温度、反応させる時間により制御できるが、このときのガスの濃度は1〜20%程度が望ましい。これより薄ければチャンバー内にフッ素ガスを行き渡らせることが困難であり、これ以上濃ければ基材が変形したり侵されたりしてしまう。使用するフッ素ガスはフッ素ボンベから供給されるものでもよいが、例えばKF・2HFを直流電流により定電流電気分解してオンサイトで発生させる装置により得られるフッ素ガスを使用することが作業の安全性、経済性の観点から望ましい。パリレン被覆と同様に、コーティングの不要な他の薬剤室は、薬剤室を構成する軟質熱可塑性樹脂シートを密着させた状態で外部と遮断することにより、薬剤室内面にコーティングさせないことができる。
薬剤室の内面にフッ素蒸着された容器本体1は、透明性、耐熱性、耐薬剤吸着性に優れている。本発明におけるフッ素化の程度は、フッ素化された表面のフッ素/炭素元素比率が1.0以上が望ましい。1.0未満では、薬剤の容器本体への付着・吸着・浸透の防止が不十分である。
本発明におけるDLC膜は、炭素原子、水素原子から構成されている薄膜であって、その骨格が炭素のSP、SP結合、および炭素と水素との結合を含むアモルファス構造になっているものを示す。
DLC膜は、従来公知のプラズマCVD法により製膜することが望ましい。なお、プラズマCVD法の他にスパッタリング法やイオンプレーティング法でも低温プラズマを利用して薄膜を得ることができるが、生産性、形成された膜の耐久性の観点よりプラズマCVD法が望ましい。
本発明のDLC膜は、以下の方法で形成される。図3に記載の真空チャンバ221を内に、容器本体1を覆う様に外部電極241を配置しにコーティングすべき拡張成形された薬剤室を置き、真空チャンバ221内の空間と薬剤室4の内部と連通した状態で置き、ゴム栓を装着する前の薬液排出ポート8より内電極240およびガス導入管226を挿入する。容器本体1の内外を真空状態にした後、ガス導入管226より原料ガスを薬剤室4内の空間に導入し、外部電極241に接続した高周波発振器242によって、内電極240と外部電極241の間に高周波電圧を印加する。この高周波電圧の印加によって容器本体1内にプラズマが発生し、DLC膜が形成される。この時の真空度としては、100Torr以下が望ましく、より望ましくは0.1Torr以下である。パリレン被覆と同様に、コーティングの不要な他の薬剤室は、薬剤室を構成する軟質熱可塑性樹脂シートを密着させた状態で外部と遮断することにより、薬剤室内面にコーティングさせないことができる。
用いる原料ガスとしては、炭化水素ガスが挙げられ、メタン、エタン、プロパン、ブタンなどのアルカン、エチレン、プロペンなどのアルケン、アセチレンなどのアルキン、シクロヘキサンなどのシクロアルカン、ベンゼンなどが挙げられる。これらのガスは単独で使用してもよく、2種類以上のガスを混合して用いても構わない。原料ガスの流量は、20〜500sccmが望ましく、製膜時間は、3秒以上が望ましい。また、これらの他にキャリアガスとして、水素ガスやヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを使用することもある。さらに、高周波電力の出力としては、30W〜3000Wが望ましく、より望ましくは、50W〜1000Wが望ましい。
得られたDLC膜は、耐熱性、耐薬剤吸着性、ガスバリアー性に優れている。また、滅菌による加熱で医療用容器が膨張するが、本発明のDLC膜は柔軟性があるため、医療用容器に追従して伸縮し、膜の破断が起こらない。本発明におけるDLC膜の厚さは、原料ガスの流量および、製膜時間によって調節されるが、0.05〜0.5μmが望ましく、より望ましくは、0.1〜0.3μmである。0.05μm未満では、薬剤の容器本体への付着・吸着・浸透の防止が十分でなく、0.5μmより厚くなると医療用容器を滅菌した時の膨張にDLC膜が追従できず破損してしまう。
以上、説明した方法を用いて、複数の薬剤室を有する医療用容器を製造することにより、反応等による変質、劣化を生じる物質およびその物質を含有する液体を使用するまでは別々に保存でき、使用に際し、両液を混合することが好ましいとき等に適用することができる。それぞれの薬剤室に収納される薬剤としては、薬液、散剤などが考えられる。好ましくは、薬液である。区分された複数の薬剤室に収納される区分される薬剤の組合せとしては、例えば、アミノ酸電解質液とブドウ糖液、ブドウ糖液と重曹液等の組み合わせが挙げられる。
本発明における被覆をコーティングされた薬剤室に収納される薬理学的に有効な物質としては、脂溶性ビタミン、脂溶性薬剤、タンパク質、ペプチド、糖タンパク、その他合成樹脂製容器に取り込まれやすい薬剤などが挙げられる。脂溶性ビタミンの例としては、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDが挙げられ、脂溶性薬剤の例としては、塩酸二カルジピン、ヒドララジン、ミコナゾール、シクロスポリン、ミダゾラム、プロポフォール、エダラボン、桂皮酸、ベンゾジアゼピン、ヘノチアジン、リモネン、メントール、テルピネン、シネン、塩化ベンザルコニウム、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、コデイン、フェタミニル、モルヒネなどの鎮痛薬、ジルチアゼム、塩酸ジルチアゼム、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ニコランジル、ジピリダモールなどの狭心症薬、クロモグリク酸化合物、ネドクロミル、ケトチフェンなどの抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、ストレプトマイシン、ペニシリン類、セアロスポリン類、テトラサイクリン類、ペンタミジン類、スルホンアミド類などの抗生剤が挙げられる。
また、タンパク質、ペプチドの例として、インスリン、血清アルブミン、ティッシュプラスミノーゲンアクチベーター(t−PA)、B型肝炎ワクチン、インターフェロン類、インターロイキン類、エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、ヒト成長ホルモン、心房性Na利尿ペプチド、インスリン様成長因子I、モノクローナル抗体、グロブリン、凝固因子が挙げられる。また、糖タンパクの例として、ヘパリンが挙げられる。
次に、本発明に係る、第2の実施例について図4を参照しながら説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。図4は、本発明の医療用容器の第2の実施例の正面図である。
図4の本発明の医療用容器は、軟質熱可塑性樹脂製シートから形成され、第3薬剤室103、第4薬剤室104および第5薬剤室105からなる容器本体101からなり、第3薬剤室103と第4薬剤室104は第2弱シール106により区分され、第4薬剤室104と第5薬剤室105は第3弱シール107によって区分されており、第5薬剤室105にはゴム栓が備えられた薬剤排出ポート108を有する。また、容器本体101には懸垂孔102が設けられており、容器本体101を輸液スタンドなどにより懸垂可能とされている。薬剤排出ポート108は、外部から輸液用チューブの接続端部に設けられたビン針などをゴム栓に刺入することにより、第5薬剤室105の内部の薬剤を前記輸液用チューブに導くように連通可能に構成されている。また、第3薬剤室103には薬剤入出ポート185が設けられている。薬剤入出ポート185は、ゴム栓を有し、注射器やバイアルビンなどの他の薬液容器と連通可能に構成されている。また、第4薬剤室104には、容器本体101の側面部分に薬剤導入ポート187を有する。薬剤注入ポート187は、製造工程において、第4薬剤室104に所定の薬剤を導入した後、熱融着等により封止される。
前記各薬剤室103、104、105の周囲は、前記薬剤排出ポート108、薬剤入出ポート185、薬剤導入口187などの医療用容器の製造時や使用時などの機能付加等に係る付属部材が設けられた部分を除き、軟質熱可塑性樹脂シートを熱融着することにより形成されている。また、容器本体101は、各薬剤室103、104、105および余剰領域190を除き、軟質熱可塑性樹脂シートを熱融着することにより形成され、懸垂孔102は、軟質熱可塑性樹脂シートが熱融着された領域に設けられている。輸液スタンドに懸垂孔102を引っ掛けて容器本体101を吊り下げた場合に、薬剤排出ポート108が薬剤室105の下端に位置するように、懸垂孔102が設けられている。
第3薬剤室103には第3の薬剤が収納され、第4薬剤室104には第4の薬剤が収納され、第5薬剤室105に第5の薬剤が収納されている。第3薬剤室103と第4薬剤室104には薬液(液体の薬剤)が収納されており、第5薬剤室105には粉または液体の薬剤が収納されているか、空になっている。それぞれの薬剤は同じものでも構わないし、異なっていても構わない。第2弱シール106および第3弱シール107は、第3薬剤室103を押圧することにより開通可能となり、第3薬剤室103、第4薬剤室104、第5薬剤室105内の薬剤がすべて混合される。混合された薬剤は、薬剤排出ポート108より排出される。第3薬剤室103、第4薬剤室104、第5薬剤室105の少なくとも一室の内面は、本発明の被覆によりコーティングされており、本発明の被覆により、薬剤室内面が熱融着際までコーティングされており、収納している薬剤の容器本体1への付着・吸着・浸透の防止、ガスバリアー性の向上による収納している薬剤の劣化の防止などを効果的に行うことができる。
また、第5薬剤室105の内面が本発明の被覆によりコーティングされている場合、薬液排出ポート108に直接連続している薬剤室に、付着・吸着・浸透等あるいはガス侵入により実際に投与される量の低下や期待される薬理効果の低下が懸念される薬剤を収納することができるので、他の薬剤室の薬剤が投与されるときは必ず確実に投与されることとなり、好ましい。なお、容器本体101に付着・吸着・浸透することについては、第1の実施例で述べた通りである。
第2の実施例の容器本体101の製造方法等について、以下に説明するが、第1の実施例と共通する事項は省略する。
第2の実施例の容器本体101は、軟質熱可塑性樹脂シートの熱融着すべき二つの面を重ねて金型に挟み、加熱および加圧することにより成形される。さらに、薬剤排出ポート108、薬剤入出ポート185、薬剤導入口187などの付属部材が、随時設けられる。
容器本体101は、第2弱シール106、第3弱シール107を備えており、これにより、内部が3室に区分されている。第2弱シール106は、容器本体101を横方向にほぼ全体に横切る剥離可能な弱シールからなる。第3弱シール107は、第2の実施例では、台形状に形成されており、薬剤排出ポート108を取り囲むようにされている。薬剤排出ポートに直接連通した薬剤室に設けられた弱シールである第3弱シールは、上記の形態に限定されるものではない。薬剤排出ポート108から遠い第2弱シール106のシール強度は、0.1〜25N/10mm、さらに好ましくは0.3〜20N/10mmである。また、薬剤排出ポート108により近い第3弱シール107のシール強度(初期の剥離強度。)は、0.1〜25N/10mm、さらに好ましくは2〜20N/10mmである。また、第3弱シール107のシール強度は、第2弱シール106のシール強度より若干強いものが好ましい。また、各薬剤室の容積は、内部に収納する薬剤の種類等によって異なるが、通常は、第3薬剤室103の容積が、50〜3000ml程度であることが好ましく、第4薬剤室104の容積が、50〜3000mlであることが好ましく、第5薬剤室105の容積が2〜100ml、より好ましくは5〜50mlであることが好ましい。
また、本発明における、第3薬剤室103、第4薬剤室104、第5薬剤室105の少なくとも一室の内面はコーティングされている。特に、付着・吸着・浸透等あるいはガス侵入により実際に投与される量の低下や期待される薬理効果の低下が懸念される薬剤は少量である場合が多く、少量の薬剤室とした場合、確実に操作可能なを収納することができる薬液排出ポート108に直接連続している薬剤室(第2の実施例においては第5薬剤室105)をコーティングして、付着・吸着・浸透等あるいはガス侵入により実際に投与される量の低下や期待される薬理効果の低下が懸念される薬剤の収納室とることが好ましい。
第5薬剤室105をコーティングする場合は、薬剤排出ポート108内もコーティングされていることが好ましく、あるいは、何らかの方法で保存中に薬剤が薬剤排出ポートに移動しない手段を用いてもいいし、薬剤排出ポートを薬剤が付着・吸着・浸透しない材料で作成してもよい。
本発明における被覆のコーティングは、第1の実施例と同様に行うことができる。特に、付着・吸着・浸透等あるいはガス侵入により実際に投与される量の低下や期待される薬理効果の低下が懸念される薬剤は少量である場合が多く、少量の薬剤室を軟質熱可塑性樹脂を加熱プレスして熱融着して形成した場合、室を構成する重ね合わせた軟質熱可塑性樹脂シートが非常に接近しあるいは密着しているので、予め薬剤室を膨張した形状に成形して被覆する本発明の製造方法が優れた効果を発揮する。
本発明の医療用容器は、薬理学的に有効な物質を含有する熱可塑性樹脂製複室容器であって、軟質熱可塑性樹脂シートを重ね合わせて融着して薬剤室を形成し、コーティングする薬剤室に気体を導入して前記薬剤室を拡張し、容器を加熱後、冷却することによって前記薬剤室を拡張状態に成形するものであり、通常、コーティングする薬剤室に容器の形成材料のガラス転移点以上の温度を加えながら、気体を導入、冷却することによって膨張させた形を維持させるものであるので、軟質熱可塑性樹脂シートを重ね合わせて融着して形成した薬剤室の内部の全面を容易にコーティングすることができる。
また、本発明の医療用容器は、熱可塑性可撓性材料により形成され、剥離可能な仕切り用弱シールにより第1の薬剤室と第2の薬剤室と第3の薬剤室に区分された容器本体と、該容器本体の前記第3の薬剤室側に取り付けられた薬剤排出ポートと、容器本体を懸垂するための懸垂孔と、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤と前記第3の薬剤室に収納された第3の薬剤を備え、前記隔壁は、前記容器本体の前記第1の薬剤室部分を押圧することにより開通可能となる医療用容器であって、前記第3の薬剤室の内面がコーティングされていることを特徴とするものである。
このため、合成樹脂製容器に取り込まれやすい薬剤であっても、製造、保存、輸送、使用中に薬剤を医療容器へ付着・吸着・浸透させることのなく、確実に薬剤を投与することができる。
<容器本体の作成>
シート材として、ポリプロピレンとスチレン−ブタジエン共重合体とを6:4の重量比で配合(ポリマーブレンド)した軟質樹脂をインフレーション成形により筒体に成形したものを用い、図4の通り、周辺シール部、および弱シール部および薬剤排出ポートはをそれぞれ熱シールし、余分な部分をカットして、容器本体1を作成した。
さらに、この容器を80℃で10分加熱した後、薬剤排出ポート8より窒素ガスを封入し、室温で5分間維持した。容器本体1は膨らんだ形状を維持した。
(実施例1)
上記<容器本体の作成>で作成した本発明の第1薬剤室3の内面を膜厚5μmのパリレン層で覆い、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDを含む表2に示す液3.3mLを添加し、密封した。オートクレーブ滅菌した後、40℃75%RHで3ヶ月保存した後の液のビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDの含有量を定量した。同様にビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDを含む表2に示す液3.3mLをガラス試験管へ充填し密閉された状態でオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の物質量(a)とオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の含有量(b)との比(b/a)×100を算出した。尚、パリレン蒸着膜の厚さは、ラマン分光法によりTFW-50(ラムダビジョン社製)を用いて測定した。結果を表3に示す。4つのビタミンは第1薬剤室3の内面に取り込まれることなく、維持された。
表2
Figure 2009207618
表3
Figure 2009207618
(実施例2)
上記<容器本体の作成>で作成した本発明の第1薬剤室3の内面を膜厚0.5μmのパリレン層で覆い、表2に示すビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDを含む液3.3mLを添加し、密封した。オートクレーブ滅菌した後、40℃75%RHで3ヶ月保存した後の液のビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDの含有量を定量した。同様にビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDを含む表2に示す液3.3mLをガラス試験管へ充填し密閉された状態でオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の物質量(a)とオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の含有量(b)との比(b/a)×100を算出した。尚、被覆層の厚さの測定は、断面のSEM観察により行った。結果を表4に示す。4つのビタミンは第1薬剤室3の内面に取り込まれることなく、維持された。
表4
Figure 2009207618
(実施例3)
上記<容器本体の作成>で作成した本発明の第1薬剤室3の内面にフッ素蒸着を施し、表2に示すビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDを含む液3.3mLを添加し、密封した。オートクレーブ滅菌した後、40℃75%RHで3ヶ月保存した後の液のビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDの含有量を定量した。同様にビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDを含む表2に示す液3.3mLをガラス試験管へ充填し密閉された状態でオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の物質量(a)とオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の含有量(b)との比(b/a)×100を算出した。結果を表5に示す。4つのビタミンは第1薬剤室3の内面に取り込まれることなく、維持された。
表5
Figure 2009207618
(実施例4)
上記<容器本体の作成>で作成した本発明の第3薬剤室5の内面を膜厚0.5μm、硬度60HkのDLCで覆い、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDを含む表2に示す液3.3mLを添加し、密封した。オートクレーブ滅菌した後、40℃75%RHで3ヶ月保存した後の液のビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDの含有量を定量した。同様にビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDを含む表2に示す液3.3mLをガラス試験管へ充填し密閉された状態でオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の物質量(a)とオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の含有量(b)との比(b/a)×100を算出した。尚、被覆層の厚さの測定は、断面のSEM観察により行った。結果を表6に示す。4つのビタミンは第1薬剤室3の内面に取り込まれることなく、維持された。
表6
Figure 2009207618
(比較例1)
上記<容器本体の作成>で作成した何も処理していない容器本体1の第3薬剤室5の内面に、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDを含む表2に示す液3.3mLを添加し、密封した。オートクレーブ滅菌した後、40℃75%RHで3ヶ月保存した後の液のビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDの含有量を定量した。同様にビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDを含む表2に示す液3.3mLをガラス試験管へ充填し密閉された状態でオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の物質量(a)とオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の含有量(b)との比(b/a)×100を算出した。結果を表7に示す。4つのビタミンは第3薬剤室5の内面に一部が取り込まれてしまい、含量低下が見られた。
表7
Figure 2009207618
(実施例5)
実施例3の第3薬剤室5および、比較例1の第3薬剤室5からサンプルを切り出し、日本電子株式会社製、X線光電子分光装置を用いて表面元素組成の測定(XPS)を行った。結果を表8に示す。実施例4のフッ素元素と炭素元素の比率は1.0を超えていたが、比較例1のフッ素元素と炭素元素の比率は1.0未満であった。
表8
Figure 2009207618
(実施例6)
上記<容器本体の作成>で作成した本発明の第1薬剤室3の内面を膜厚5μmのパリレン層で覆い、ヒト血清アルブミン溶液を充填し、密封した。
50℃で1週間保存した後、中の液を排出し、第1薬剤室3を切り開いた。第1薬剤室3の内部を流水洗浄して風乾した後、ニンヒドリン試薬を噴霧したが、着色は見られなかった。
(比較例2)
比較例1の容器本体1の第1薬剤室3にヒト血清アルブミン溶液を充填し、密封した。
50℃で1週間保存した後、中の液を排出し、第1薬剤室3を切り開いた。第1薬剤室3の内部を流水洗浄して風乾した後、ニンヒドリン試薬を噴霧したところ、第1薬剤室3の全面が紫色に変化し、ヒト血清アルブミンが吸着されたことが示された。
図1は、本発明の医療用容器の実施例の正面図である。 図2は、本発明の医療用容器のコーティングを実施する製造装置の一例の模式図である。医療用容器は断面で示されている。 図3は、本発明の医療用容器のコーティングを実施する製造装置の別の一例の模式図である。医療用容器は断面で示されている。 図4は、本発明の医療用容器の別の実施例の正面図である。
符号の説明
1、101 容器本体
2、102 懸垂穴
3、103 第1薬剤室
4、104 第2薬剤室
105 第3薬剤室
6、106、7、107 弱シール
8、108 薬剤排出ポート
85、185 薬剤入出ポート
187 薬剤導入口
21、221 真空チャンバ
22、222 ドーム
23、223 懸架台
24、224
26、226 ガス導入ライン出口
27、227 ガス排出ライン入口
28、228 台
240 内側電極
241 外側電極
242 高周波電源
243 配線
51、52、53、54、55、251、252、253 バルブ
60、260 真空ライン
61、62、63、64、65、66、67、261、262、263、265、266、269、270 真空配管ライン

Claims (9)

  1. 薬理学的に有効な物質を収納する収納室が形成されてなる医療用容器の製造方法であって、
    軟質熱可塑性樹脂からなるシート材料を重ね合わせ、前記シート材料の一部を加熱および加圧することにより融着して、薬理学的に有効な物質を収納する複数の収納室を形成し、
    次いで少なくとも一の前記収納室に気体を導入して前記収納室を拡張し、前記シート材料を加熱後、冷却することによって前記収納室を拡張状態に成形し、
    さらに前記拡張成形された前記収納室の内面にコーティング剤を含有する気体を用いて被覆を形成することを特徴とする医療用容器の製造方法。
  2. 前記収納室を拡張するために導入される気体に前記コーティング剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の医療用容器の製造方法。
  3. 前記収納室を拡張状態に形成した後、前記収納室を拡張するために導入される気体を排出し、
    さらに前記拡張成形された前記収納室にコーティング剤を含有する気体を導入して前期収納室の内面に被覆を形成することを特徴とする請求項1に記載の医療用容器の製造方法。
  4. 前記被覆が、パリレン、フッ素、ダイヤモンドライクカーボンの少なくとも1種である請求項1または3に記載の医療用容器の製造方法
  5. 前記被覆が形成される前記収納室が、前記物質をガラス容器へ充填し密閉された状態でオートクレーブ滅菌し、40℃75%RHで3ヶ月保存した時の物質量(a)と該物質を該収納室へ充填し密閉された状態でオートクレーブ滅菌し、該収納室を40℃75%RHで3ヶ月保存した時の物質量(b)との比(b/a)×100が90%以上であることを特徴とする請求項1ないし4に記載の医療用容器の製造方法。
  6. 前記コーティング剤が、パリレン蒸着、フッ素蒸着またはDLC蒸着のいずれかである請求項1ないし5に記載の医療用容器の製造方法。
  7. 前記物質が、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンD、脂溶性ビタミン、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、塩酸ニカルジピン、シクロスポリン、ベンゾジアゼピン、ミダゾラム、エダラボン、プロポフォール、脂溶性薬剤、タンパク質、ペプチド、糖タンパクである請求項1ないし6に記載の医療用容器の製造方法。
  8. 請求項1ないし7に記載の医療用容器の製造方法により製造された医療用容器
  9. 少なくとも第1の薬剤室、第2の薬剤室及び第3の薬剤室の三つの収納室を有する容器本体を有し、前記第1の薬剤室と前記第2の薬剤室は、剥離可能な仕切り用の第1の弱シールにより区分され、前記第2の薬剤室と前記第3の薬剤室は、剥離可能な仕切り用の第2の弱シールにより区分され、前記第3の薬剤室は薬剤排出ポートを有し、前記容器本体は、前記容器本体を懸垂するための懸垂孔と、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤と前記第3の薬剤室に収納された第3の薬剤を有し、前記仕切り用の第1の弱シールおよび前記第2の弱シールは、前記容器本体の前記第1の薬剤室部分又は第二の薬剤室部分を押圧することにより開通可能であり、前記第3の薬剤室の内面が、パリレン、フッ素、ダイヤモンドライクカーボンの少なくとも1種により被覆されていることを特徴とする医療用容器。
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