JP2009205961A - リチウム二次電池用負極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、サイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極を得ることができるリチウム二次電池用負極の製造方法を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、不均化反応を利用した無電解めっき法により、不均化反応を利用した無電解めっき法により、金属集電体上に多孔質な金属間化合物層、および上記金属間化合物層上にSnを主成分とするめっき層を形成するめっき層形成工程を有することを特徴とするリチウム二次電池用負極の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、サイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極を得ることができるリチウム二次電池用負極の製造方法に関する。
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、情報関連機器、通信機器の分野では、これらの機器に用いる電源として、高エネルギー密度であるという理由から、リチウム二次電池が実用化され広く普及するに至っている。また一方で、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源としても、リチウム二次電池が検討されている。
リチウム二次電池に用いられる負極は、通常、負極集電体と、その負極集電体上に形成された負極層とを有する。負極集電体には、例えばCu箔等の金属集電体が用いられる。一方、負極集電体は、通常、負極活物質を含有するものである。負極活物質としては、例えばカーボン系負極活物質および金属系負極活物質等が知られている。一般的に、金属系負極活物質は、カーボン系負極活物質と比較して、理論容量が大きいという利点を有する。その反面、Liの挿入・脱離に伴う体積変化が大きいため、負極層の割れ、負極活物質の滑落や微粉化等が生じやすく、サイクル特性が悪いという問題があった。そこで、このような問題を解決するために、種々の試みがなされている。
例えば特許文献1においては、微細構造を有するシート状の非導電性材料からなる基体に、乾式めっき法又は無電解めっき法によって、集電体として作用する金属膜を形成した後、湿式めっき法によって、スズまたはスズ合金からなる活物質層を形成する、リチウム二次電池用負極の製造方法が開示されている。この技術は、スズまたはスズ合金からなる活物質層の体積変化を、上記の基体の作用によって吸収するものである。しかしながら、所定の基体を用いるため、プロセスが複雑になるという問題があった。
さらに、特許文献1においては、活物質層を形成する湿式めっき法として、電解めっき法および無電解めっき法が開示されている。このように、電解めっき法または無電解めっき法を用いて、SnまたはSn合金からなる活物質層を形成する方法は、従来から広く知られている。しかしながら、これらの方法では、集電体と活物質層との密着性が弱いため、負極の耐久性を向上させるためには、集電体および活物質層に対して熱処理を行い、これらの界面に金属間化合物層を形成することが必要であった。そのため、プロセスが複雑になるという問題があった。
なお、特許文献2においては、表面粗さRaが0.1μm以上である集電体の該表面上に、SnとInを含む合金薄膜が形成されたリチウム二次電池用電極が開示されている。この技術は、所定の表面粗さを有する集電体と、SnおよびInを含む合金薄膜とを組合せることにより、負極の耐久性を向上させるものであった。
特開2005−129254号公報 特開2002−151056号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、サイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極を得ることができるリチウム二次電池用負極の製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明においては、不均化反応を利用した無電解めっき法により、金属集電体上に多孔質な金属間化合物層、および上記金属間化合物層上にSnを主成分とするめっき層を形成するめっき層形成工程を有することを特徴とするリチウム二次電池用負極の製造方法を提供する。
本発明によれば、不均化反応を利用した無電解めっき法を施すことにより、金属集電体およびめっき層の界面に多孔質な金属間化合物層を形成することができ、金属集電体とめっき層との密着性を向上させることができる。その結果、サイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極を得ることができる。
上記発明においては、上記金属集電体が、Cu集電体であることが好ましい。導電性に優れ、安価だからである。
上記発明においては、上記金属集電体および上記めっき層に対して、加熱処理を行う加熱処理工程をさらに有することが好ましい。よりサイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極を得ることができるからである。
本発明においては、サイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極を得ることができるという効果を奏する。
本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法について、以下詳細に説明する。
本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法は、不均化反応を利用した無電解めっき法により、金属集電体上に多孔質な金属間化合物層、および上記金属間化合物層上にSnを主成分とするめっき層を形成するめっき層形成工程を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、不均化反応を利用した無電解めっき法を施すことにより、金属集電体およびめっき層の界面に多孔質な金属間化合物層を形成することができ、金属集電体とめっき層との密着性を向上させることができる。その結果、サイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極を得ることができる。従来は、加熱処理を行うことで、金属集電体およびめっき層の界面に、金属間化合物を形成することが行われていた。これに対して、本発明においては、めっき処理の段階で、金属集電体およびめっき層の界面に金属間化合物を形成することができ、プロセスが容易になるという利点を有する。
図1は、本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法の一例を示す概略断面図である。図1に示される製造方法においては、まずCu集電体等の金属集電体1を用意する(図1(a))。次に、金属集電体1に対して、不均化反応を利用した無電解めっき法を施し、金属集電体1の表面上に多孔質な金属間化合物層2、および金属間化合物層2の表面上にSnを主成分とするめっき層3を形成する(図1(b))。
本発明においては、不均化反応を利用した無電解めっき法により、金属間化合物層と、Snを主成分とするめっき層とを形成する。ここで、不均化反応とは、一般的に、同一の化学種が2個以上互いに反応し、2種類以上の異なる化学種を与える反応をいう。本発明においては、Sn2+が下記のような不均化反応を起こす。
2Sn2+→Sn4++Sn
不均化反応を利用した無電解めっき法においては、例えばSn源および強アルカリ化合物をめっき浴に添加し、強アルカリ化合物の作用により、Sn源の不均化反応を生じさせる。
また、本発明においては、不均化反応を利用した無電解めっき法により、金属集電体上に多孔質な金属間化合物層、および金属間化合物層上にSnを主成分とするめっき層を形成する。この現象のメカニズムは、次の通りであると推定される。すなわち、金属集電体に対して、不均化反応を利用した無電解Snめっきを施すと、まず金属集電体上にアイランド状のSnが形成され、理由は定かではないが、そのアイランド状のSnと、金属集電体を構成する金属とが相互拡散し、金属間化合物が形成される。その後、Snの成長と、金属の相互拡散とが同時に進行することにより、多孔質な金属間化合物層が形成され、さらにSnの成長が進行すると、やがて緻密なSnめっき層が形成される。なお、この現象は、Sn単体のめっき層を形成した場合であっても、Sn合金のめっき層を形成した場合であっても、同様に生じると考えられる。
従来、金属集電体の表面上にアイランド状のSnが発生すると、ピット等の欠陥の原因になるため、ピット抑制剤等を使用することが一般的であった。これに対して、本発明は、ピットを利用した多孔質の金属間化合物層が、リチウム二次電池用負極のサイクル特性の向上に寄与することを見出したものであるといえる。また、従来の無電解めっき法として、例えば置換型無電解めっき法等が知られているが、この方法は一般的にめっき処理時間が短いため、金属集電体およびめっき層の界面に金属間化合物層が形成される前に、めっき処理が終了する。これに対して、不均化反応を利用した無電解めっき法は、めっき処理時間が比較的長いため、金属間化合物を形成する時間的な余裕が生じる。すなわち、加熱処理を行うことなく金属間化合物層を形成できるのは、不均化反応を利用した無電解めっき法に特有の効果であるといえる。
以下、本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法について、工程ごとに説明する。
1.めっき層形成工程
本発明におけるめっき層形成工程は、不均化反応を利用した無電解めっき法により、金属集電体上に多孔質な金属間化合物層、および金属間化合物層上にSnを主成分とするめっき層を形成する工程である。
(1)金属集電体
本発明に用いられる金属集電体は、リチウム二次電池の負極集電体として用いることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えばCu集電体、SUS集電体およびNi集電体等を挙げることができ、中でもCu集電体が好ましい。導電性に優れ、安価だからである。また、金属集電体は、箔状であっても良く、板状であっても良い。金属集電体の厚さとしては、リチウム二次電池の用途等によって異なるものであるが、例えば5μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。
本発明において、金属集電体が、表面粗化処理されていることが好ましい。めっき層との密着性をさらに向上させることができるからである。その場合、金属集電体の表面粗さRaとしては、例えば0.1μm〜10μmの範囲内、中でも1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。表面粗さRaは、例えばレーザー顕微鏡により測定することができる。また、金属集電体の表面を粗化する方法としては、例えばエッチング処理および粗化めっき処理等を挙げることができる。
(2)めっき層
本発明においては、不均化反応を利用した無電解めっき法により、金属集電体上に、後述する金属間化合物層を介して、Snを主成分とするめっき層を形成する。本発明において「Snを主成分とするめっき層」とは、めっき層を構成する金属成分の中で、Sn成分が最も多い成分であるめっき層をいう。めっき層におけるSnの含有量は、例えば60重量%以上、中でも80重量%以上であることが好ましい。また、めっき層におけるSnの含有量は100重量%であっても良い。この場合、めっき層はSnのみからなるめっき層になる。
一方、本発明におけるめっき層が、Snを主成分とする合金である場合、その他の金属としては、例えば、周期律表第3周期〜第6周期の13族〜15族、第4周期〜第6周期の第8〜12族の金属元素等を挙げることができる。具体的には、Al、Si、P、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Ag、Cd、In、Sb、Au、Hg、Tl、PbおよびBi等を挙げることができる。中でも、本発明においては、Zn、Cu、Sb、Bi、CoおよびFeからなる群から選択される少なくとも1種の金属とSnとの合金が好ましく、CuおよびZnからなる群から選択される少なくとも一種の金属とSnとの合金がさらに好ましい。
Snを主成分とするめっき層の厚さとしては、特に限定されるものではないが、例えば0.1μm〜5μmの範囲内、中でも0.5μm〜3μmの範囲内であることが好ましい。めっき層の厚さが小さすぎると、充分な充放電容量を得ることができない可能性があり、めっき層の厚さが大きすぎると、充放電時の体積変化が大きくなりすぎ、サイクル特性を低下させる可能性があるからである。
(3)金属間化合物層
本発明においては、不均化反応を利用した無電解めっき法により、金属集電体上に多孔質な金属間化合物層を形成する。この推定メカニズムは、上述した通りである。金属間化合物層は、通常、金属集電体を構成する金属元素と、めっき層を構成する金属元素とを有する。例えば、金属集電体としてCu集電体を用い、その表面上にSnめっき層を形成した場合は、Cu元素およびSn元素を含む金属間化合物層が形成される。金属間化合物層が形成されていることは、例えばX線光電子分光(XPS)により確認することができる。
なお、金属間化合物層の厚さは、めっき条件等により異なるものであり、特に限定されるものではない。
(4)めっき処理の方法
本発明においては、不均化反応を利用した無電解めっき法が用いられる。めっき処理に用いられるめっき浴は、不均化反応を利用した無電解めっき法を行うことができれば特に限定されるものではないが、少なくともSn源および強アルカリ化合物を有する。
Sn源としては、通常Sn塩が用いられる。Sn塩としては、例えば塩化スズ、臭化スズおよび硫酸スズ等を挙げることができ、中でも塩化スズが好ましい。また、めっき浴におけるSn源の濃度は、例えば1g/L〜200g/Lの範囲内、中でも50g/L〜120g/Lの範囲内であることが好ましい。Snと合金化するための金属源については、公知の可溶性塩を用いることができる。濃度については金属源の種類に応じて適宜選択することが好ましい。
強アルカリ化合物は、不均化反応を生じさせるために用いられるものである。強アルカリ化合物としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウム等を挙げることができ、中でも水酸化カリウムが好ましい。また、めっき浴における強アルカリ化合物の濃度は、例えば150g/L〜450g/Lの範囲内、中でも250g/L〜350g/Lの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられるめっき浴は、必要に応じて、錯化剤、界面活性剤および酸化防止剤等の添加剤を含有していても良い。上記錯化剤としては、例えばカルボン酸、アミンカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸および脂肪族ポリアミン等を挙げることができる。上記界面活性剤としては、例えばノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性系界面活性剤およびカチオン系界面活性剤等を挙げることができる。上記酸化防止剤としては、例えばハイドロキノン等を挙げることができる。めっき浴における添加剤の濃度は、その種類等に応じて、適宜選択することが好ましい。
めっき浴の温度としては、所望のめっき層を得ることができれば特に限定されるものではないが、例えば15℃〜95℃の範囲内、中でも60℃〜80℃の範囲内であることが好ましい。また、めっき処理の時間としては、例えば30秒〜12時間の範囲内、中でも1時間〜4時間の範囲内であることが好ましい。また、めっき処理を行う前に、金属集電体に対して、脱脂、酸洗、活性化処理等の前処理を行っても良い。
2.加熱処理工程
本発明においては、上記のめっき層形成工程の後に、上記金属集電体および上記めっき層に対して、加熱処理を行う加熱処理工程を行うことが好ましい。よりサイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極を得ることができるからである。加熱処理によりサイクル特性が向上する理由としては、加熱処理により、金属集電体およびめっき層を構成する金属同士の相互拡散が活発になり、金属間化合物層における密着性がより強固になるからであると考えられる。
加熱処理の温度は、金属集電体およびめっき層の材料等により異なるものであるが、例えば150℃〜250℃の範囲内、中でも200℃〜220℃の範囲内である。また、加熱処理の時間は、例えば1時間〜20時間の範囲内、中でも5時間〜10時間の範囲内であることが好ましい。加熱処理を行う方法としては、例えば加熱炉を用いる方法等を挙げることができる。
また、本発明においては、加熱処理を還元雰囲気下で行うことが好ましい。金属集電体およびめっき層の酸化による劣化を防止することができるからである。還元雰囲気を形成する方法としては、例えば還元ガスを流通させる方法等を挙げることができる。還元ガスは、少なくとも水素を含有することが好ましい。金属集電体およびめっき層に対して、悪影響を与え難いからである。また、還元ガスは、必要に応じて不活性ガスで希釈されていても良い。反応性の制御が容易になるからである。不活性ガスとしては、例えばアルゴンおよび窒素等を挙げることができる。
3.その他
本発明においては、上述しためっき層形成工程を行う負極形成工程を有することを特徴とするリチウム二次電池を提供することができる。負極形成工程以外の工程、例えば、正極形成工程および電池組立工程等については、一般的なリチウム二次電池の製造方法における各工程と同様である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
エッチングおよび粗化めっきにより表面を粗化処理した銅箔に、不均化反応を利用した無電解めっき法を施すことにより、Snめっき層(厚さ0.1μm)を形成した。めっき浴の浴組成およびめっき条件は、以下の通りである。
・塩化スズ:60g/L
・水酸化カリウム:300g/L
・錯化剤(クエン酸カリウム):250g/L
・界面活性剤(PEG1000):50ppm
・浴温度×時間:70℃×120min
その後、φ16mmに打ち抜くことにより、リチウム二次電池用負極を作製した。
[実施例2]
実施例1で作製したリチウム二次電池用負極に対して、Ar+H(5%)の還元雰囲気下で200℃、5時間の条件で加熱処理(焼成)を行った。これにより、リチウム二次電池を得た。
[比較例]
エッチングおよび粗化めっきにより表面を粗化処理した銅箔に、電解めっき法を施すことにより、Snめっき層(厚さ0.1μm)を形成した。めっき浴の浴組成およびめっき条件は、以下の通りである。
・硫酸第一スズ:30g/L
・硫酸:100mL/L
・添加剤(レイボルド社製、スタータークルモ):30mL/L
・電流×時間:3.5A/dm×5sec
その後、φ16mmに打ち抜くことにより、リチウム二次電池用負極を作製した。
[評価]
(1)評価用リチウム二次電池の作製
実施例1、実施例2および比較例で得られたリチウム二次電池用負極を用いて、評価用リチウム二次電池を作製した。
・電池タイプ:CR2032型コインセル
・電極(対極):φ19mmのLiメタル
・セパレータ:ポリプロピレン(PP)製多孔質セパレータ
・電解液:EC(エチレンカーボネート)、DMC(ジメチルカーボネート)、EMC(エチルメチルカーボネート)を体積比率3:3:4で混合したものに、支持塩としてLiPF(六フッ化リン酸リチウム)を濃度1mol/Lで溶解したもの
(2)容量維持率の測定
得られた評価用リチウム二次電池に対して、それぞれ容量維持率の測定を行った。容量維持率の測定は、電流C/2で充放電させ(上下限電圧1.5V〜0.01V)、充放電サイクルを100サイクル繰り返した。初回放電容量と、Nサイクル目の放電容量との比率から、容量維持率を算出した。その結果を図2に示す。
図2に示されるように、比較例1の評価用リチウム二次電池は、約40サイクル目までは、実施例1の評価用リチウム二次電池よりも容量維持率が高いものの、約40サイクル目以降は、容量維持率が急激に低下した。一方、実施例1の評価用リチウム二次電池は、約20サイクル目以降は安定した容量維持率を記録し、約40サイクル目以降は比較例1の評価用リチウム二次電池よりも容量維持率が高くなった。また、実施例2の評価用リチウム二次電池は、実施例1の評価用リチウム二次電池よりも大幅に容量維持率が高くなった。これは、加熱処理を行うことにより、Cu集電体およびSnめっき層の界面に形成された金属間化合物層が、より強固になったためであると考えられる。なお、100サイクル目における容量維持率は、実施例1の評価用リチウム二次電池が51%であり、実施例2の評価用リチウム二次電池が85%であり、比較例の評価用リチウム二次電池は25%であった。これから、本発明により、サイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極が得られることが確認された。
本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法の一例を示す概略断面図である。 実施例1、実施例2および比較例の評価用リチウム二次電池の容量維持率の変化を示すグラフである。
符号の説明
1 … 金属集電体
2 … 金属間化合物層
3 … めっき層

Claims (3)

  1. 不均化反応を利用した無電解めっき法により、金属集電体上に多孔質な金属間化合物層、および前記金属間化合物層上にSnを主成分とするめっき層を形成するめっき層形成工程を有することを特徴とするリチウム二次電池用負極の製造方法。
  2. 前記金属集電体が、Cu集電体であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用負極の製造方法。
  3. 前記金属集電体および前記めっき層に対して、加熱処理を行う加熱処理工程をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウム二次電池用負極の製造方法。
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