JP2009204132A - 自動変速機の変速制御装置および変速制御方法 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置および変速制御方法 Download PDF

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大司 清宮
Tetsuo Matsumura
哲生 松村
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義幸 吉田
Kinya Fujimoto
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Abstract

【課題】再加速可能ギア段の係合操作によるディレイ時間を無くし、車両停止後の素早い再加速を可能とする自動変速機の変速制御装置および変速制御方法を提供する。
【解決手段】停車時自動ダウンシフト機能と手動変速モードを有し、プリシフト制御を行う自動MTにおいて、パワートレーン制御ユニット100は、変速機の出力軸回転数を検出し、検出した出力軸回転数から算出する車速に応じて、再加速可能な歯車列を選択し、連結状態にして待機させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動変速機の制御装置及び制御方法に係り、特に、自動車に用いる歯車式変速機の制御に好適な自動変速機の制御装置および制御方法に関する。
最近、手動変速機に用いられる歯車式変速機を用いて、摩擦機構であるクラッチの操作と、噛合い機構である同期噛合い機構(シンクロメッシュ機構)の操作を自動化したシステムとして、自動化マニュアルトランスミッション(以下、「自動MT」と称する)が開発されている。自動MTでは、変速が開始されると、駆動力源であるエンジンのトルクを伝達,遮断するクラッチを解放し、シンクロメッシュ機構を切り替え、しかる後に再度クラッチを締結する。
また、特開2000−234654号公報や、特開2001−295898号公報により、変速機への入力トルクを伝達するクラッチを2枚設け、2枚のクラッチによって交互に駆動トルクを伝達する、ツインクラッチ式自動MTが知られている。このツインクラッチ式自動MTでは、変速が開始されると、変速前にトルクを伝達していたクラッチを徐々に解放しながら、次変速段のクラッチを徐々に締結することで、駆動トルクを変速前ギア比相当から、変速後ギア比相当へと変化させることにより、駆動トルク中断を回避してスムーズな変速を行えるものである。
前記のツインクラッチ式自動MTにおいては、特開平10−318361号公報や、特開2003−269592号公報により、次段への変速時間を短縮するために、所定の変速段を達成しているときに次の変速段を予測し、現在の変速段の達成のために使用されていない方のクラッチが連結された変速機入力軸と変速機出力軸とを、同期噛合い機構によって選択的に連結することにより所定の変速段に待機させる、所謂プリシフト制御が開示されている。
特開2000−234654号公報 特開2001−295898号公報 特開平10−318361号公報 特開2003−269592号公報
特開2000−234654号公報に記載のプリシフト制御は、現在の走行ギア段を検出し、現在の走行ギア段に隣り合うアップシフト側ギア段もしくはダウンシフト側ギア段を選択する制御である。
しかし、運転者が手動で走行ギア段を選択し、車両停止時のみ自動で再加速可能なギア段を選択する停車時自動ダウンシフト機能を有する手動変速モードにおいて、高ギア段で走行中、例えば6速で走行中に、車速が低下し、車両停止時に停車時自動ダウンシフト機能により再加速可能なギア段、例えば1速へダウンシフトする場合、プリシフト制御は、6速に隣り合う5速を選択しているため、再加速するためには、1速の係合操作を実行し、その後クラッチを係合する必要がある。すなわち、再加速可能となるまで、1速の係合操作によるディレイ時間が生じる可能性がある。
本発明の目的は、停車時自動ダウンシフト機能を有する手動変速モードにおいて、停車時自動ダウンシフト実行前に予め再加速可能なギア段へプリシフト制御を行うことにより、停車時自動ダウンシフト実行時のギア段係合操作によるディレイ時間を無くし、車両停止後の素早い再加速を可能とする、自動変速機の変速制御装置および変速制御方法を提案することである。
上記目的を達成するために、本発明は、駆動力源の動力を伝達,遮断する複数の摩擦伝達機構と、前記摩擦伝達機構にそれぞれ連結される複数の変速機入力軸と、前記複数の変速機入力軸と、変速機出力軸との間を複数の同期噛合い機構の選択操作によって選択的に連結する複数の歯車列とを備え、一方の発進クラッチが連結された入力軸と出力軸とを前記連結機構を介して連結し、かつ、一方の摩擦伝達機構を締結するとともに、他方の摩擦伝達機構を解放することにより所望の変速段を達成し、所定の変速段を達成している場合に、次の変速段を予測し、前記予測結果に基づき、所定の同期噛合い機構を操作して、現在の変速段の達成のために使用されていない方の摩擦伝達機構が連結された変速機入力軸と変速機出力軸とを所定の歯車列を介して連結状態にして待機せしめる待機制御を行う自動変速機の制御方法であって、前記変速機の出力軸回転数を検出し、検出した出力軸回転数から算出する車速に応じて、再加速可能な歯車列を選択し、連結状態にして待機させるようにしたものである。
本発明によれば、停車時自動ダウンシフト機能と手動変速モードを有し、プリシフト制御を行う自動MTにおいて、車両停止時の係合操作によるディレイ時間を無くし、車両停止後に素早く再加速できるものとなる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図11を用いて詳細に説明する。
最初に、図1を用いて、本発明に係わる自動変速機を備えた自動車の制御装置の構成例について説明する。
図1は、本発明に係る自動変速機を備えた自動車の制御装置の一実施の形態を示すシステム構成例のスケルトン図である。
駆動力源であるエンジン7,エンジン7の回転数を計測するエンジン回転数センサ(図示しない),エンジントルクを調節する電子制御スロットル(図示しない),吸入空気量に見合う燃料量を噴射するための燃料噴射装置(図示しない)が設けられており、エンジン制御ユニット101により、吸入空気量,燃料量,点火時期等を操作することで、エンジン7のトルクを高精度に制御することができるようになっている。前記燃料噴射装置には、燃料が吸気ポートに噴射される吸気ポート噴射方式あるいはシリンダ内に直接噴射される筒内噴射方式があるが、エンジンに要求される運転域(エンジントルク,エンジン回転数で決定される領域)を比較して燃費が低減でき、かつ排気性能が良い方式のエンジンを用いるのが有利である。駆動力源としては、ガソリンエンジンのみならず、ディーゼルエンジン,天然ガスエンジンや、電動機などでも良い。
自動変速機50には、第1クラッチ8,第2クラッチ9,第1入力軸41,第2入力軸42,出力軸43,第1ドライブギア1,第2ドライブギア2,第3ドライブギア3,第4ドライブギア4,第5ドライブギア5,第6ドライブギア6、後進ドライブギア(図示しない),第1ドリブンギア11,第2ドリブンギア12,第3ドリブンギア13,第4ドリブンギア14,第5ドリブンギア15,第6ドリブンギア16,後進ドライブギア(図示しない),第1同期噛合い機構21,第2同期噛合い機構22,第3同期噛合い機構23,第4同期噛合い機構24,回転センサ31,回転センサ32,回転センサ33が設けられており、前記第1クラッチ8を係合,解放することで、前記エンジン7のトルクを第1入力軸41に伝達,遮断することが可能である。また、前記第2クラッチ9を係合,解放することで、前記エンジン7のトルクを第2入力軸42に伝達,遮断することが可能である。前記第1クラッチ8,前記第2クラッチ9には、本実施例では湿式多板クラッチを用いているが、乾式単板クラッチを用いても良く、すべての摩擦伝達機構を用いることが可能である。また、電磁パウダークラッチによって構成することも可能である。
第2入力軸42は中空になっており、第1入力軸41は、第2入力軸42の中空部分を貫通し、第2入力軸42に対し回転方向への相対運動が可能な構成となっている。
第2入力軸42には、第1ドライブギア1と第3ドライブギア3と第5ドライブギア5と後進ドライブギア(図示しない)が固定されており、第1入力軸1241に対しては、回転自在となっている。また、第1入力軸41には、第2ドライブギア2と第4ドライブギア4と第6ドライブギア6が固定されており、第2入力軸42に対しては、回転方向への相対運動が可能な構成となっている。
第1入力軸41の回転数を検出する手段として、センサ31が設けられており、第2入力軸42の回転数を検出する手段として、センサ32が設けられている。
一方、出力軸43には、第1ドリブンギア11,第2ドリブンギア12,第3ドリブンギア13,第4ドリブンギア14,第5ドリブンギア15,第6ドリブンギア16,後進ドリブンギア(図示しない)が設けられている。第1ドリブンギア11,第2ドリブンギア12,第3ドリブンギア13,第4ドリブンギア14,第5ドリブンギア15,第6ドリブンギア16,後進ドリブンギア(図示しない)は出力軸43に対して回転自在に設けられている。
また、出力軸43の回転数を検出する手段として、センサ33が設けられている。
これらのギアの中で、前記第1ドライブギア1と、前記第1ドリブンギア11とが、前記第2ドライブギア2と、前記第2ドリブンギア12とが、それぞれ噛合している。また、前記第3ドライブギア3と、前記第3ドリブンギア13とが、前記第4ドライブギア4と、前記第4ドリブンギア14とが、それぞれ噛合している。さらに、前記第5ドライブギア5と、前記第5ドリブンギア15とが、第6ドライブギア6と第6ドリブンギア16とが、それぞれ噛合している。また、後進ドライブギア(図示しない),アイドラーギア(図示しない),後進ドリブンギア(図示しない)がそれぞれ係合している。
また、第1ドリブンギア11と第3ドリブンギア13の間には、第1ドリブンギア11を出力軸43に係合させたり、第3ドリブンギア13を出力軸43に係合させる、第1同期噛合い機構21が設けられている。また、第2ドリブンギア12と第4ドリブンギア14の間には、第2ドライブギア12を出力軸43に係合させたり、第4ドリブンギア14を出力軸43に係合させる、第3同期噛合い機構23が設けられている。また、第5ドリブンギア15には、第5ドリブンギア15を出力軸43に係合させる、第2同期噛合い機構22が設けられている。また、第6ドリブンギア16には、第6ドリブンギア16を出力軸43に係合させる、第4同期噛合い機構24が設けられている。
パワートレーン制御ユニット100によって、油圧機構105に設けられた電磁弁105c,電磁弁105dの電流を制御することで、シフトアクチュエータ61内に設けられた油圧ピストン(図示しない)およびシフトフォーク(図示しない)を介して前記第1同期噛合い機構21の位置もしくは荷重を制御し、第1ドリブンギア11、または第3ドリブンギア13と係合させることで、第2入力軸42の回転トルクを、第1同期噛合い機構21を介して出力軸43へと伝達することができる。ここでは、電磁弁105dの電流を増加することで、前記第1同期噛合い機構21が第1ドリブンギア11側へ移動する方向へ荷重が加わり、電磁弁105cの電流を増加することで、前記第1同期噛合い機構21が第3ドリブンギア13側へ移動する方向へ荷重が加わるように構成している。なお、シフトアクチュエータ61には前記第1同期噛合い機構21の位置を計測する位置センサ61a(図示しない)が設けられている。
また、パワートレーン制御ユニット100によって、油圧機構105に設けられた電磁弁105e,電磁弁105fの電流を制御することで、シフトアクチュエータ62内に設けられた油圧ピストン(図示しない)およびシフトフォーク(図示しない)を介して前記第2同期噛合い機構22の位置もしくは荷重を制御し、第5ドリブンギア15と係合させることで、第2入力軸42の回転トルクを、第2同期噛合い機構22を介して出力軸43へと伝達することができる。なお、シフトアクチュエータ62には前記第2同期噛合い機構22の位置を計測する位置センサ62a(図示しない)が設けられている。
また、パワートレーン制御ユニット100によって、油圧機構105に設けられた電磁弁105g,電磁弁105hの電流を制御することで、シフトアクチュエータ63内に設けられた油圧ピストン(図示しない)およびシフトフォーク(図示しない)を介して前記第3同期噛合い機構23の位置もしくは荷重を制御し、第2ドリブンギア12、または前記第4ドリブンギア14と係合させることで、第1入力軸41の回転トルクを、第3同期噛合い機構23を介して出力軸43へと伝達することができる。なお、シフトアクチュエータ63には前記第3同期噛合い機構23の位置を計測する位置センサ63a(図示しない)が設けられている。
また、パワートレーン制御ユニット100によって、油圧機構105に設けられた電磁弁105i,電磁弁105jの電流を制御することで、シフトアクチュエータ64内に設けられた油圧ピストン(図示しない)およびシフトフォーク(図示しない)を介して前記第4同期噛合い機構24の位置もしくは荷重を制御し、第6ドリブンギア16と係合させることで、第1入力軸41の回転トルクを、第4同期噛合い機構24を介して出力軸43へと伝達することができる。なお、シフトアクチュエータ64には前記第4同期噛合い機構24の位置を計測する位置センサ64a(図示しない)が設けられている。
このように第1ドライブギア1,第2ドライブギア2,第3ドライブギア3,第4ドライブギア4,第5ドライブギア5,第6ドライブギア6から、第1ドリブンギア11,第2ドリブンギア12,第3ドリブンギア13,第4ドリブンギア14,第5ドリブンギア15,第6ドリブンギア16を介して変速機出力軸43に伝達された変速機入力軸41の回転トルクは、変速機出力軸43に連結されたディファレンシャルギア(図示しない)を介して車軸(図示しない)に伝えられる。
また、パワートレーン制御ユニット100によって、油圧機構105に設けられた電磁弁105aの電流を制御することで、前記第1クラッチ8内に設けられたプレッシャプレート(図示しない)を制御し、前記第1クラッチ8の伝達トルクの制御を行っている。
また、パワートレーン制御ユニット100によって、油圧機構105に設けられた電磁弁105bの電流を制御することで、前記第2クラッチ9内に設けられたプレッシャプレート(図示しない)を制御し、前記第2クラッチ9の伝達トルクの制御を行っている。
また、レバー装置301から、Pレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Dレンジ等のシフトレバー位置を示すレンジ位置信号が前記パワートレーン制御ユニット100に入力される。
前記パワートレーン制御ユニット100,エンジン制御ユニット101は、通信手段103によって相互に情報を送受信する。
電磁弁105c,電磁弁105dによってシフトアクチュエータ61を制御し、第1同期噛合い機構21と第1ドリブンギア11を噛合し、第2クラッチ9を係合することによって第1速段走行となる。
電磁弁105g,電磁弁105hによってシフトアクチュエータ63を制御し、第3同期噛合い機構23と第2ドリブンギア12を噛合し、第1クラッチ8を係合することによって第2速段走行となる。
電磁弁105c,電磁弁105dによってシフトアクチュエータ61を制御し、第1同期噛合い機構21と第3ドリブンギア13を噛合し、第2クラッチ9を係合することによって第3速段走行となる。
電磁弁105g,電磁弁105hによってシフトアクチュエータ63を制御し、第3同期噛合い機構23と第4ドリブンギア14を噛合し、第1クラッチ8を係合することによって第4速段走行となる。
電磁弁105e,電磁弁105fによってシフトアクチュエータ62を制御し、第2同期噛合い機構22と第5ドリブンギア15を噛合し、第2クラッチ9を係合することによって第5速段走行となる。
電磁弁105e,電磁弁105fによってシフトアクチュエータ62を制御し、第2同期噛合い機構22と後進ドリブンギア(図示しない)を噛合し、第2クラッチ9を係合することによって後進段走行となる。
電磁弁105i,電磁弁105jによってシフトアクチュエータ64を制御し、第4同期噛合い機構24と第6ドリブンギア16を噛合し、第1クラッチ8を係合することによって第6速段走行となる。
ここで例えば1速段から2速段へのアップシフトは、電磁弁105c,電磁弁105dによってシフトアクチュエータ61を制御し、第1同期噛合い機構21と第1ドリブンギア11を噛合し、第2クラッチ9を係合した状態から、電磁弁105g,電磁弁105hによってシフトアクチュエータ63を制御し、第3同期噛合い機構23と第2ドリブンギア12を噛合し、第1クラッチ8を徐々に締結するとともに、第2クラッチ9を徐々に解放することによって行われる。
なお、第1噛合い伝達機構21,第2噛合い伝達機構22,第3噛合い伝達機構23,第4噛合い伝達機構24を動作させる機構として、本実施例においては電磁弁,油圧ピストンを用いた油圧機構として構成しているが、電磁弁,油圧ピストンの替わりに、電動モータおよび減速ギアを用いて構成しても良いし、電動モータ,ドラムを用いて構成しても良く、噛合い伝達機構21,22,23,24を制御するための他の機構を用いても構成可能である。また、電動モータを用いる場合は、モータは磁石が固定されて巻線が回転される、いわゆる直流モータによって構成してもよいし、巻線が固定して磁石が回転される、いわゆる永久磁石同期モータでも良く、種々のモータが適用可能である。
また、第1クラッチ8,第2クラッチ9を動作させるために、本実施例においては電磁弁を用いた油圧機構として構成しているが、電動モータ,減速ギアを用いてクラッチを動作させるように構成しても良いし、電磁コイルによってクラッチのプレッシャプレートを制御する構成としても良く、第1クラッチ8,第2クラッチ9を制御するための他の機構を用いても構成可能である。
図2に、パワートレーン制御ユニット100と、エンジン制御ユニット101との間の入出力信号関係を示す。パワートレーン制御ユニット100は、入力部100i,出力部100o,コンピュータ100cを備えたコントロールユニットとして構成される。同様に、エンジン制御ユニット101も、入力部101i,出力部101o,コンピュータ101cを備えたコントロールユニットとして構成される。パワートレーン制御ユニット100からエンジン制御ユニット101に、通信手段103を用いてエンジントルク指令値TTeが送信され、エンジン制御ユニット101はTTeを実現するように、前記エンジン7の吸入空気量,燃料量,点火時期等(図示しない)を制御する。また、エンジン制御ユニット101内には、変速機への入力トルクとなるエンジントルクの検出手段(図示しない)が備えられ、エンジン制御ユニット101によってエンジン7の回転数Ne,エンジン7が発生したエンジントルクTeを検出し、通信手段103を用いてパワートレーン制御ユニット100に送信する。エンジントルク検出手段には、トルクセンサを用いるか、またはインジェクタの噴射パルス幅や吸気管内の圧力とエンジン回転数等など、エンジンのパラメータによる推定手段としても良い。
パワートレーン制御ユニット100は、所望の第1クラッチ伝達トルクを実現するために、電磁弁105aへ印加する電圧V_claを調整することで、電磁弁105aの電流を制御し、第1クラッチ8を係合,解放する。
また、パワートレーン制御ユニット100は、所望の第2クラッチ伝達トルクを実現するために、電磁弁105bへ印加する電圧V_clbを調整することで、電磁弁105bの電流を制御し、第2クラッチ9を係合,解放する。
また、パワートレーン制御ユニット100は、所望の第1同期噛合い機構21の位置を実現するために、電磁弁105c,105dへ印加する電圧V1_slv1,V2_slv1を調整することで、電磁弁105c,105dの電流を制御し、第1同期噛合い機構21の噛合,解放を行う。
また、パワートレーン制御ユニット100は、所望の第2同期噛合い機構22の位置を実現するために、電磁弁105e,105fへ印加する電圧V1_slv2,V2_slv2を調整することで、電磁弁105e,105fの電流を制御し、第2同期噛合い機構22の噛合,解放を行う。
また、パワートレーン制御ユニット100は、所望の第3同期噛合い機構23の位置を実現するために、電磁弁105g,105hへ印加する電圧V1_slv3,V2_slv3を調整することで、電磁弁105g,105hの電流を制御し、第3同期噛合い機構23の噛合,解放を行う。
また、パワートレーン制御ユニット100は、所望の第4同期噛合い機構24の位置を実現するために、電磁弁105i,105jへ印加する電圧V1_slv4,V2_slv4を調整することで、電磁弁105i,105jの電流を制御し、第4同期噛合い機構24の噛合,解放を行う。
なお、パワートレーン制御ユニット100には、電流検出回路(図示しない)が設けられており、各電磁弁の電流が目標電流に追従するよう電圧出力を変更して、各電磁弁の電流を制御している。
また、パワートレーン制御ユニット100には回転センサ31,回転センサ32,回転センサ33から、第1入力軸回転数NiA,第2入力軸回転数NiB,出力軸回転数Noがそれぞれ入力され、また、レバー装置301から、Pレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Dレンジ等のシフトレバー位置を示すレンジ位置信号RngPosと、アクセル開度センサ302からアクセルペダル踏み込み量Apsと、ブレーキスイッチ304からブレーキが踏まれているか否かを検出するON/OFF信号Brkが入力される。
なお、本実施例においては、運転者が手動でアップシフト/ダウンシフトを指令するための所謂手動変速モード機能を備えた場合を記載しており、パワートレーン制御ユニット100へ、アップスイッチ305,ダウンスイッチ306からのON/OFF信号UpSw,DnSwがそれぞれ入力される。
また、パワートレーン制御ユニット100には、自動変速モードと手動変速モードを切替えるため、手動変速スイッチ信号307からのON/OFF信号MsftSwが入力される。
また、パワートレーン制御ユニット100には、スリーブ1位置センサ61a,スリーブ2位置センサ62a,スリーブ3位置センサ63a,スリーブ4位置センサ64aから、第1同期噛合い機構21,第2同期噛合い機構22,第3同期噛合い機構23,第4同期噛合い機構24のそれぞれのストローク位置を示す、スリーブ1位置RPslv1,スリーブ2位置RPslv2,スリーブ3位置RPslv3,スリーブ4位置RPslv4が入力される。
パワートレーン制御ユニット100は、例えば、運転者がシフトレンジをDレンジ等にしてアクセルペダルを踏み込んだときは運転者に発進,加速の意志があると判断し、また、運転者がブレーキペダルを踏み込込んだときは運転者に減速,停止の意志があると判断し、運転者の意図を実現するように、エンジントルク指令値TTe,第1クラッチ目標伝達トルクTTs1,第2クラッチ目標伝達トルクTTs2を設定する。
また、出力軸回転数Noから算出する車速Vsp、または運転者が手動でアップスイッチUpSw,ダウンスイッチDnSwを操作することで、目標とする変速段を設定し、設定した変速段への変速動作を実行するよう、エンジントルク指令値TTe,第1クラッチ目標伝達トルクTTs1,第2クラッチ目標伝達トルクTTs2,目標スリーブ1位置TPslv1,目標スリーブ2位置TPslv2,目標スリーブ3位置TPslv3,目標スリーブ4位置TPslv4を設定する。
また、パワートレーン制御ユニット100は、設定した第1クラッチ目標伝達トルクTTs1,第2クラッチ目標伝達トルクTTs2,目標スリーブ1位置TPslv1,目標スリーブ2位置TPslv2,目標スリーブ3位置TPslv3,目標スリーブ4位置TPslv4を実現するよう、電磁弁105a,105b,105c,105d,105e,105f,105g,105h,105i,105jへ印加する電圧V_cla,V_clb,V1_slv1,V2_slv1,V1_slv2,V2_slv2,V1_slv3,V2_slv3,V1_slv4,V2_slv4を出力する。
次に、図3〜図8を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置によるプリシフト制御の第一の制御方法について説明する。
図3は、本発明の第一の実施形態による自動変速機の制御装置のプリシフト制御の全体の制御内容の概略を示すフローチャートである。
図3の内容は、パワートレーン制御ユニット100のコンピュータ100cにプログラミングされ、あらかじめ定められた周期で繰り返し実行される。すなわち、以下のステップ301〜304の処理は、パワートレーン制御ユニット100によって実行される。
ステップ301は、前進レンジか否かの判断工程である。パワートレーン制御ユニット100は、入力されるレンジ位置信号RngPosから、例えば、Dレンジであることを判定する。
ステップ302は、手動変速モードか否かの判断工程である。パワートレーン制御ユニット100は、入力される手動変速スイッチ信号MsftSwから、運転者がアップスイッチ,ダウンスイッチを用いて、手動でアップシフト/ダウンシフトを行う手動変速モードであることを判定する。
ステップ303は、目標ギア位置TGpの演算工程であり、パワートレーン制御ユニット100は、目標ギア位置TGpから目標スリーブ位置を設定し、電磁弁105c,105d,105e,105f,105g,105h,105i,105jへ印加する電圧V1_slv1,V2_slv1,V1_slv2,V2_slv2,V1_slv3,V2_slv3,V1_slv4,V2_slv4を調節することで、実ギア位置と目標ギア位置が一致するよう制御する。なお、ステップ303の詳細については、図4を用いて後述する。
ステップ304は、目標プリシフトギア位置TGpPreの演算工程である。パワートレーン制御ユニット100は、目標プリシフトギア位置TGpPreから目標スリーブ位置を設定し、電磁弁105c,105d,105e,105f,105g,105h,105i,105jへ印加する電圧V1_slv1,V2_slv1,V1_slv2,V2_slv2,V1_slv3,V2_slv3,V1_slv4,V2_slv4を調節することで、実プリシフトギア位置と目標プリシフトギア位置が一致するよう制御する。なお、ステップ304の詳細については、図5を用いて後述する。
次に、図4を用いて、図3のステップ303(目標ギア位置演算)の詳細について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置における目標ギア位置演算の内容を示すフローチャートである。
ステップ401は、アップスイッチがONであるか否かの判断工程である。パワートレーン制御ユニット100は、入力されるアップスイッチ信号UpSwからアップスイッチがONであることを判定する。アップスイッチがONの場合は、ステップ402へ進み、目標ギア位置TGpに1を加算することで、変速段を1つ高速段側に変更する。アップスイッチがONでない場合は、ステップ403へ進む。
ステップ403は、ダウンスイッチがONであるか否かの判断工程である。パワートレーン制御ユニット100は、入力されるダウンスイッチ信号DnSwからダウンスイッチがONであることを判定する。ダウンスイッチがONの場合は、ステップ404へ進み、目標ギア位置TGpから1を減算することで、変速段を1つ低速段側に変更する。ダウンスイッチがONでない場合は、ステップ405へ進む。
ステップ405は、停車時自動ダウンシフトを実行するか否かの判断工程である。パワートレーン制御ユニット100は、出力軸回転数Noから算出する車速Vspが停車判定値STPLINE以下となる場合、車両が停車していると判定し、ステップ406へ進み、目標ギア位置TGpに再加速可能なギア段、例えば1st、または2ndを設定する。このとき、既に1stへのプリシフトが完了している場合は、目標ギア位置TGpに1stを設定し、既に2ndへのプリシフトが完了している場合は、目標ギア位置TGpに2ndを設定する。
次に、図5を用いて、図3のステップ304(目標プリシフトギア位置演算)の詳細について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置における目標プリシフトギア位置演算の内容を示すフローチャートである。
ステップ501は、目標ギア位置TGpが偶数段、例えば、2nd、または4th、または6thであるか否かの判断工程である。目標ギア位置TGpが偶数段である場合は、ステップ502へ進み、目標ギア位置TGpが奇数段、例えば、1st,3rd,5thである場合は、ステップ505へ進む。
最初に、目標ギア位置TGpが偶数段である場合について、ステップ502からステップ504を用いて説明する。
ステップ502は、1thへのプリシフトを実行する車速PRELINE1STの演算工程であり、下記(1)式に示すように、1stプリシフト実行判定車速基本値LINE1ST0に、減速度補正値GAINを乗じることで演算する。
PRELINE1ST=LINE1ST0×GAIN(GRV) (1)
ここで、減速度補正値GAINは、図6に示すように減速度が増加するにつれて、大きな値を設定することが望ましい。
ステップ503は、1stへのプリシフトを実行するか否かの判断工程である。車速Vspとステップ502で演算した1stプリシフト実行車速PRELINE1STを比較し、車速Vspが1stプリシフト実行車速PRELINE1ST以下の場合は、ステップ504へ進み、目標プリシフトギア位置を1stに設定する。
次に、目標ギア位置TGpが奇数段である場合について、ステップ505からステップ507を用いて説明する。
ステップ505は、2ndへのプリシフトを実行する車速PRELINE2NDの演算工程であり、下記(2)式に示すように、2ndプリシフト実行判定車速基本値LINE2ND0に、減速度補正値GAINを乗じることで演算する。
PRELINE2ND=LINE2ND0×GAIN(GRV) (2)
ここで、減速度補正値GAINは、図6に示すように減速度が増加するにつれて、大きな値を設定することが望ましい。
ステップ506は、2ndへのプリシフトを実行するか否かの判断工程である。車速Vspとステップ505で演算した2ndプリシフト実行車速PRELINE2NDを比較し、車速Vspが2ndプリシフト実行車速PRELINE2ND以下の場合は、ステップ507へ進み、目標プリシフトギア位置を2ndに設定する。
次に、図7,図8を用いて、第一の制御方法による自動変速機の制御装置における減速時のプリシフト動作について説明する。
図7,図8は、本発明の第一の制御方法による自動変速機の制御装置におけるプリシフト動作の内容を示すタイムチャートである。
最初に、図7を用いて、停車時自動ダウンシフト機能を有し、運転者がアップスイッチ,ダウンスイッチを用いて、手動でアップシフト/ダウンシフトを行う手動変速モードにおいて、偶数段走行から減速した際のプリシフト動作について説明する。なお、図7では、運転者は、アップスイッチ,ダウンスイッチの操作を行わないものとする。
図7の横軸は時間を示している。また、図7(A)は、車速Vspを示している。図7(B)は、目標ギア位置TGpを示し、0をニュートラル(非駆動レンジ)としている。図7(C)は、目標プリシフトギア位置TGpPreを示し、0をニュートラル(非駆動レンジ)としている。図7(D)は、スリーブ1位置RPslv1を示し、図7(E)は、スリーブ2位置RPslv2を示し、図7(F)は、スリーブ3位置RPslv3、図7(G)は、スリーブ4位置RPslv4を示している。
時刻t1以前では、図7(A)に示すように車両は定常走行をしており、車速Vspは一定となっている。この時、図7(B)に示すように、目標ギア位置TGpは6thであり、図7(G)に示すようにスリーブ4位置RPslv4は、6th位置となる。また、図7(C)に示すように、目標プリシフトギア位置TGpPreは、5thであり、図7(E)に示すように、スリーブ2位置RPslv2は、5th位置となる。
時刻t1において、ブレーキ等により車両が減速を開始すると、図7(A)に示す車速Vspは減少を開始する。ここで、本実施例では、アップスイッチ,ダウンスイッチの操作を行わないため、時刻t3まで目標ギア位置TGpは変更しない。
時刻t2において、車速Vspが1stプリシフト実行車速PRELINE1ST以下となると、車両が停車すると予測し、再加速に備えて、図7(B)に示す目標プリシフトギア位置TGpPreを1stとする。これにより、図7(D)に示すスリーブ1位置RPslv1が1st方向へ移動を開始し、最終的に1st位置となる。
時刻t3において、図7(A)に示す車速Vspが停車判定値STPLINE以下となると、車両が停車すると判定し、再加速に備えて、停車時自動ダウンシフト機能により、図7(B)に示す目標ギア位置TGpを1stとする。このとき、図7(D)に示すスリーブ1位置RPslv1は既に1stであるため、時刻t3以降は、図1に示す第2クラッチ9の係合操作のみで、1stでの再加速が可能である。
次に、図8を用いて、停車時の自動ダウンシフト機能を有し、運転者がアップスイッチ,ダウンスイッチを用いて、手動でアップシフト/ダウンシフトを行う手動変速モードにおいて、奇数段走行から減速した際のプリシフト動作について説明する。なお、図8では、運転者は、アップスイッチ,ダウンスイッチの操作を行わないものとする。
図8の横軸は時間を示している。また、図8(A)は、車速Vspを示している。図8(B)は、目標ギア位置TGpを示し、0をニュートラル(非駆動レンジ)としている。図8(C)は、目標プリシフトギア位置TGpPreを示し、0をニュートラル(非駆動レンジ)としている。図8(D)は、スリーブ1位置RPslv1を示し、図8(E)は、スリーブ2位置RPslv2を示し、図8(F)は、スリーブ3位置RPslv3、図8(G)は、スリーブ3位置RPslv4を示している。
時刻t1以前では、図8(A)に示すように車両は定常走行をしており、車速Vspは一定となっている。この時、図8(B)に示すように、目標ギア位置TGpは5thであり、図8(D)に示すようにスリーブ2位置RPslv2は、5th位置となる。また、図8(C)に示すように、目標プリシフギア位置TGpPreは、4thであり、図8(F)に示すように、スリーブ3位置RPslv3は、4th位置となる。
時刻t1において、ブレーキ等により車両が減速を開始すると、図8(A)に示す車速Vspは減少を開始する。ここで、本実施例では、アップスイッチ,ダウンスイッチの操作を行わないため、時刻t3まで目標ギア位置TGpは変更しない。
時刻t2において、車速Vspが2ndプリシフト実行車速PRELINE2ND以下となると、車両が停車すると予測し、再加速に備えて、図8(B)に示す目標プリシフトギア位置TGpPreを2ndとする。これにより、図8(F)に示すスリーブ3位置RPslv3が2nd方向へ移動を開始し、最終的に2nd位置となる。
時刻t3において、図8(A)に示す車速Vspが停車判定値STPLINE以下となると、車両が停車すると判定し、再加速に備えて、停車時自動ダウンシフト機能により、図8(B)に示す目標ギア位置TGpを2ndとする。このとき、図8(F)に示すスリーブ3位置RPslv3は既に2ndであるため、時刻t3以降は、図1に示す第1クラッチ8の係合操作のみで、2ndでの再加速が可能である。
このように、停車時自動ダウンシフト機能を有する手動変速モードにおいて、減速時は車両停止を予測し、車両停止前に予め再加速可能なギア段へプリシフト制御を行うことにより、ギア段係合操作によるディレイ時間を無くし、車両停止時には、素早く再加速することができる。
次に、図3〜図11を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置によるプリシフト制御の第二の制御方法について説明する。
図3は、本発明の第二の実施形態による自動変速機の制御装置のプリシフト制御の全体の制御内容の概略を示すフローチャートであり、第一の制御方法と同様である。第二の制御方法が、第一の制御方法と異なる点は、ステップ304にて、図9のステップ901から903を実行する点である。
以下、図9を用いて、詳細を説明する。
ステップ901は、目標ギア位置TGpが偶数段、例えば、2nd、または4th、または6thであるか否かの判断工程である。目標ギア位置TGpが偶数段である場合は、ステップ902へ進み、目標ギア位置TGpが奇数段、例えば、1st、または3rd、または5thである場合は、ステップ907へ進む。
最初に、目標ギア位置TGpが偶数段である場合について、ステップ902からステップ906を用いて説明する。
ステップ902は、1stへのプリシフトを実行するか否かの判断工程である。車速Vspと1stプリシフト実行車速PRELINE1STを比較し、車速Vspが1stプリシフト実行車速PRELINE1ST以下の場合は、ステップ903へ進み、目標プリシフトギア位置を1stに設定する。車速Vspが1stプリシフト実行車速PRELINE1STより大きい場合は、ステップ904へ進む。
ステップ904は、3rdへのプリシフトを実行するか否かの判断工程である。車速Vspと3rdプリシフト実行車速PRELINE3RDを比較し、車速Vspが3rdプリシフト実行車速PRELINE3RD以下の場合は、ステップ905へ進み、目標プリシフトギア位置を3rdに設定する。車速Vspが3rdプリシフト実行車速PRELINE3RDより大きい場合は、ステップ906へ進み、目標プリシフトギア位置を5thに設定する。
次に、目標ギア位置TGpが奇数段である場合について、ステップ907からステップ911を用いて説明する。
ステップ907は、2ndへのプリシフトを実行するか否かの判断工程である。車速Vspと2ndプリシフト実行車速PRELINE2NDを比較し、車速Vspが2ndプリシフト実行車速PRELINE2ND以下の場合は、ステップ908へ進み、目標プリシフトギア位置を2ndに設定する。車速Vspが2ndプリシフト実行車速PRELINE2NDより大きい場合は、ステップ909へ進む。
ステップ909は、4thへのプリシフトを実行するか否かの判断工程である。車速Vspと4thプリシフト実行車速PRELINE4THを比較し、車速Vspが4thプリシフト実行車速PRELINE4TH以下の場合は、ステップ910へ進み、目標プリシフトギア位置を4thに設定する。車速Vspが4thプリシフト実行車速PRELINE4THより大きい場合は、ステップ911へ進み、目標プリシフトギア位置を6thに設定する。
ここで、ステップ902,ステップ904,ステップ907,ステップ909で用いている1stプリシフト実行車速PRELINE1STと、3rdプリシフト実行車速PRELINE3RDと、2ndプリシフト実行車速PRELINE2NDと、4thプリシフト実行車速PRELINE4THは、減速度に応じて調整可能なことが望ましい。
次に、図10,図11を用いて、第二の制御方法による自動変速機の制御装置における減速時のプリシフト動作について説明する。
図10,図11は、第二の制御方法による自動変速機の制御装置におけるプリシフト動作の内容を示すタイムチャートである。
最初に図10を用いて、停車時自動ダウンシフト機能を有し、運転者がアップスイッチ,ダウンスイッチを用いて、手動でアップシフト/ダウンシフトを行う手動変速モードにおいて、偶数段走行から減速した際のプリシフト動作について説明する。なお、図10では、運転者は、アップスイッチ,ダウンスイッチの操作を行わないものとする。
図10の横軸は時間を示している。また、図10(A)は、車速Vspを示している。図10(B)は、目標ギア位置TGpを示し、0をニュートラル(非駆動レンジ)としている。図10(C)は、目標プリシフトギア位置TGpPreを示し、0をニュートラル(非駆動レンジ)としている。図10(D)は、スリーブ1位置RPslv1を示し、図10(E)は、スリーブ2位置RPslv2を示し、図10(F)は、スリーブ3位置RPslv3、図10(G)は、スリーブ4位置RPslv4を示している。
時刻t1以前では、図10(A)に示すように車両は定常走行をしており、車速Vspは一定となっている。この時、図10(B)に示すように、目標ギア位置TGpは6thであり、図10(G)に示すようにスリーブ4位置RPslv4は、6th位置となる。また、図10(C)に示すように、目標プリシフトギア位置TGpPreは、5thであり、図10(E)に示すように、スリーブ2位置RPslv2は、5th位置となる。
時刻t1において、ブレーキ等により車両が減速を開始すると、図10(A)に示す車速Vspは減少を開始する。ここで、本実施例では、アップスイッチ,ダウンスイッチの操作を行わないため、時刻t4まで目標ギア位置TGpは変更しない。
時刻t2において、図10(A)に示す車速Vspが3rdプリシフト実行車速PRELINE3RD以下となると、再加速に備えて、図10(B)に示す目標プリシフトギア位置TGpPreを3rdとする。これにより、図10(D)に示すスリーブ1位置RPslv1が3rd方向へ移動を開始し、最終的に3rd位置となる。
時刻t2以降、さらに減速が続くと、時刻t3において、図10(A)に示す車速Vspが1stプリシフト実行車速PRELINE1ST以下となり、車両が停車すると予測し、再加速に備えて、図10(B)に示す目標プリシフトギア位置TGpPreを1stとする。これにより、図10(D)に示すスリーブ1位置RPslv1が1st方向へ移動を開始し、最終的に1st位置となる。
時刻t4において、図10(A)に示す車速Vspが停車判定値STPLINE以下となると、車両が停車すると判定し、再加速に備えて、停車時自動ダウンシフト機能により、図10(B)に示す目標ギア位置TGpを1stとする。このとき、図10(D)に示すスリーブ1位置RPslv1は既に1stであるため、時刻t4以降は、図1に示す第2クラッチ9の係合操作のみで、1stでの再加速が可能である。
次に図11を用いて、停車時自動ダウンシフト機能を有し、運転者がアップスイッチ,ダウンスイッチを用いて、手動でアップシフト/ダウンシフトを行う手動変速モードにおいて、奇数段走行から減速した際のプリシフト動作について説明する。なお、図11では、運転者は、アップスイッチ,ダウンスイッチの操作を行わないものとする。
図11の横軸は時間を示している。また、図11(A)は、車速Vspを示している。図11(B)は、目標ギア位置TGpを示し、0をニュートラル(非駆動レンジ)としている。図11(C)は、目標プリシフトギア位置TGpPreを示し、0をニュートラル(非駆動レンジ)としている。図11(D)は、スリーブ1位置RPslv1を示し、図11(E)は、スリーブ2位置RPslv2を示し、図11(F)は、スリーブ3位置RPslv3、図11(G)は、スリーブ4位置RPslv4を示している。
時刻t1以前では、図11(A)に示すように車両は定常走行をしており、車速Vspは一定となっている。この時、図11(B)に示すように、目標ギア位置TGpは5thであり、図11(E)に示すようにスリーブ2位置RPslv2は、5th位置となる。また、図11(C)に示すように、目標プリシフトギア位置TGpPreは、6thであり、図11(G)に示すように、スリーブ4位置RPslv4は、6th位置となる。
時刻t1において、ブレーキ等により車両が減速を開始すると、図11(A)に示す車速Vspは減少を開始する。ここで、本実施例では、アップスイッチ,ダウンスイッチの操作を行わないため、時刻t4まで目標ギア位置TGpは変更しない。
時刻t2において、図11(A)に示す車速Vspが4thプリシフト実行車速PRELINE4TH以下となると、再加速に備えて、図11(B)に示す目標プリシフトギア位置TGpPreを4thとする。これにより、図11(F)に示すスリーブ3位置RPslv3が4th方向へ移動を開始し、最終的に4th位置となる。
時刻t2以降、さらに減速が続くと、時刻t3において、図11(A)に示す車速Vspが2ndプリシフト実行車速PRELINE2ND以下となり、車両が停車すると予測し、再加速に備えて、図11(B)に示す目標プリシフトギア位置TGpPreを2ndとする。これにより、図11(F)に示すスリーブ3位置RPslv3が2nd方向へ移動を開始し、最終的に2nd位置となる。
時刻t4において、図11(A)に示す車速Vspが停車判定値STPLINE以下となると、車両が停車すると判定し、再加速に備えて、停車時自動ダウンシフト機能により、図11(B)に示す目標ギア位置TGpを2ndとする。このとき、図11(F)に示すスリーブ3位置RPslv3は既に2ndであるため、時刻t4以降は、図1に示す第1クラッチ8の係合操作のみで、2ndでの再加速が可能である。
このように、停車時自動ダウンシフト機能を有する手動変速モードにおいて、減速時は車両停止を予測し、車両停止前に予め再加速可能なギア段へプリシフト制御を行うことにより、ギア段係合操作によるディレイ時間を無くし、車両停止時には、素早く再加速することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、車両停止前に再加速可能なギア段へプリシフト制御を行うことにより、再加速可能ギア段の係合操作によるディレイ時間を無くし、車両停止後に素早く再加速できる。
本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置の構成を示すスケルトン図である。 本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置に用いられる変速機制御ユニット100と、エンジン制御ユニット101の入出力信号関係を示すブロック線図である。 本発明の一実施形態によるクラッチの制御方法の全体の制御内容の概略を示すフローチャートである。 図3に図示の目標ギア位置演算を示すフローチャートである。 図3に図示の目標プリシフトギア位置演算の第一の制御方法を示すフローチャートである。 図5に図示のテーブル関数を示す図である。 本発明の第一の制御方法による偶数段走行から減速した際のプリシフト動作を示すタイムチャートである。 本発明の第一の制御方法による奇数段走行から減速した際のプリシフト動作を示すタイムチャートである。 図3に図示の目標プリシフトギア位置演算の第二の制御方法を示すフローチャートである。 本発明の第二の制御方法による偶数段走行から減速した際のプリシフト動作を示すタイムチャートである。 本発明の第二の制御方法による奇数段走行から減速した際のプリシフト動作を示すタイムチャートである。
符号の説明
1,11 ギア(1速)
2,12 ギア(2速)
3,13 ギア(3速)
4,14 ギア(4速)
5,15 ギア(5速)
6,16 ギア(6速)
7 エンジン
8 第1クラッチ
9 第2クラッチ
21 第1同期噛合い機構(1速−3速)
22 第2同期噛合い機構(5速)
23 第3同期噛合い機構(2速−4速)
24 第4同期噛合い機構(6速)
31 入力軸回転数センサ
32 出力軸回転数センサ
41 第1入力軸
42 第2入力軸
43 出力軸
50 変速機
61 シフトアクチュエータ(1速−3速)
62,64 シフトアクチュエータ(5速)
63 シフトアクチュエータ(2速−4速)
100 パワートレーン制御ユニット
101 エンジン制御ユニット
103 通信手段
105 油圧機構
301 レバー装置

Claims (6)

  1. 駆動力源の動力を伝達,遮断する複数の摩擦伝達機構と、前記摩擦伝達機構にそれぞれ連結される複数の変速機入力軸と、前記複数の変速機入力軸と変速機出力軸との間を複数の同期噛合い機構の選択操作によって選択的に連結する複数の歯車列とを備え、一方の発進クラッチが連結された入力軸と出力軸とを前記連結機構を介して連結し、かつ、一方の摩擦伝達機構を締結するとともに、他方の摩擦伝達機構を解放することにより所望の変速段を達成し、所定の変速段を達成している場合に、次の変速段を予測し、前記予測結果に基づき、所定の同期噛合い機構を操作して、現在の変速段の達成のために使用されていない方の摩擦伝達機構が連結された変速機入力軸と変速機出力軸とを所定の歯車列を介して連結状態にして待機せしめる待機制御を行う自動変速機の変速制御方法であって、
    前記変速機の出力軸回転数を検出し、検出した出力軸回転数から算出する車速に応じて、再加速可能な歯車列を選択し、連結状態にして待機させることを特徴とする自動変速機の変速制御方法。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の変速制御方法において、前記変速機の出力軸回転数を検出し、検出した出力軸回転数から算出する車速が所定車速以下となるとき、車両が停車すると予測し、待機可能な最も低速側の歯車列を選択し、連結状態にして待機させることを特徴とする自動変速機の変速制御方法。
  3. 請求項1に記載の自動変速機の変速制御方法において、前記変速機の出力軸回転数を検出し、検出した出力軸回転数から算出する車速に応じて、待機可能な歯車列を順次、高速側から低速側へ切替え、待機させることを特徴とする自動変速機の変速制御方法。
  4. 駆動力源の動力を伝達,遮断する複数の摩擦伝達機構と、前記摩擦伝達機構にそれぞれ連結される複数の変速機入力軸と、前記複数の変速機入力軸と変速機出力軸との間を複数の同期噛合い機構の選択操作によって選択的に連結する複数の歯車列とを備え、一方の発進クラッチが連結された入力軸と出力軸とを前記連結機構を介して連結し、かつ、一方の摩擦伝達機構を締結するとともに、他方の摩擦伝達機構を解放することにより所望の変速段を達成し、所定の変速段を達成している場合に、次の変速段を予測し、前記予測結果に基づき、所定の同期噛合い機構を操作して、現在の変速段の達成のために使用されていない方の摩擦伝達機構が連結された変速機入力軸と変速機出力軸とを所定の歯車列を介して連結状態にして待機せしめる待機制御を行う自動変速機の変速制御装置であって、
    前記変速機の出力軸回転数を検出し、検出した出力軸回転数から算出する車速に応じて、再加速可能な歯車列を選択し、連結状態にして待機させるよう制御することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  5. 請求項4に記載の自動変速機の変速制御装置において、前記変速機の出力軸回転数を検出し、検出した出力軸回転数から算出する車速が所定車速以下となるとき、車両が停車すると予測し、待機可能な最も低速側の歯車列を選択し、連結状態にして待機させるよう制御することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  6. 請求項4に記載の自動変速機の変速制御装置において、前記変速機の出力軸回転数を検出し、検出した出力軸回転数から算出する車速に応じて、待機可能な歯車列を順次、高速側から低速側へ切替え、待機させるよう制御することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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