以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る扉ロック装置の分解図、図2(A)は同扉ロック装置の平面図、図2(B)は同扉ロック装置の側面図、図3は同扉ロック装置の上蓋除去状態の平面図、図4は同扉ロック装置の底蓋除去状態の底面図、図5は同扉ロック装置のロック機構部の断面図、図6は同扉ロック装置のロック保持機構部の断面図、図7は同扉ロック装置のロック状態を示す上蓋及び蓋体除去状態の平面図、図8は同扉ロック装置のロック状態を示すロック機構部の断面図、図9は同扉ロック装置のロック状態を示すロック保持機構部の断面図である。なお、以下の説明では図1における矢印a−b方向を扉ロック装置の上下方向、矢印c−d方向を扉ロック装置の前後方向、矢印e−f方向を扉ロック装置の左右方向とする。
図1乃至図6に示すように、本実施の形態の扉ロック装置は、係合孔1を有する扉側ロック爪2を挿入するための比較的大きな矩形状の開口部3を上面に設けた合成樹脂製で略直方体状の外箱4を備えている。
外箱4は、矩形状の隔壁5(外箱4内の上下方向の間仕切り)とその周縁から上下両側に延びる四角筒状の側壁6とを一体に設けた断面形状がH形の箱本体7と、その箱本体7の開放上面を覆うと共に、開口部3を左前側のコーナー部に片寄せて設けた縁付きの上蓋8と、箱本体7の開放下面を覆う縁付きの底蓋9とからなり、内部を隔壁5で上下2層10,11に仕切っている。
上蓋8は、その縁部から下方に突出して設けた係合爪12を、側壁6の上部外面に突出して設けた係合部13にその下側から係合させた状態で箱本体7の上部に装着し、かつ、ビス14で箱本体7の上部に締付けて、箱本体7に対して着脱自在に取り付けている。
底蓋9は、その縁部から上方に突出して設けた係合爪15を、側壁6の下部外面に突出して設けた係合部16にその上側から係合させた状態で箱本体7の下部に装着し、かつ、ビス17で箱本体7の下部に締付けて、箱本体7に対して着脱自在に取り付けている。
外箱4には、その上面に開口部3への扉側ロック爪2の挿入ガイド18とロック強制解除用の操作口19を設け、後側面にロック解除用の操作口20を設けている。挿入ガイド18は、上蓋8の開口部3の周囲から立ち上げた矩形状の開口枠の内面に形成した下窄まりの載頭四角すい面でなり、ロック強制解除用の操作口19は、上蓋8の開口部3の後側に設けた内外面貫通の円形の小孔の周囲から立ち上げた円筒でなり、ロック解除用の操作口20は、箱本体7と上蓋8の接合面に設けた割筒でなる。
そして、外箱4内の上層10に、ロック部材である回転レバー21、ロックバネであるトーションバネ22、ロック解除部材である解除ピン23、ロック保持部材であるシーソー形の可動アーム24、その復帰バネである板バネ25、ロック強制解除部材である強制解除ボタン26を設置し、外箱4内の下層11に、配線接続用のコネクタであるソケット27付きの第1スイッチ28、その操作部材(第1操作部材)である押圧レバー29、その復帰バネである圧縮コイルバネ30、第1スイッチ28の押圧部材である板バネ31、配線接続用のコネクタであるソケット32付きの自己保持型(電源を切っても吸引状態を保持し続ける)のソレノイド33、配線接続用のコネクタであるソケット34付きの第2スイッチ35、可動アーム24及び第2スイッチ35の操作部材(第2操作部材)であるスライドレバー36、第2スイッチ35の押圧部材である圧縮コイルバネ37を設置して、当該扉ロック装置を構成するもので、次に、外箱4の内部構造について説明する。
箱本体7の上層10側には、回転レバー21の取付部であるボス部38と、回転レバー21の支え部39と、回転レバー21の回転量規制ピン40と、上層10のコーナー部を仕切って開口部3の下側に扉側ロック爪挿入室41を形成すると共に、その扉側ロック爪挿入室41の一側をその最上部で扉側ロック爪挿入室41外に連通させる扉側ロック爪挿入室41内外の連通部42を設けるための上層10内のコーナー仕切り43,44,45(上層10内の平面方向の間仕切り)と、回転レバー21の係合方向のストッパー46と、トーションバネ22のバネ座47と、可動アーム24の取付部であるU字形の軸受溝48と、板バネ25の取付部である圧入溝49と、強制解除ボタン26の取付部である嵌合溝50を設けている。
ボス部38は、上層10の底部側にある隔壁5から上層10内の略中央部に突出し、支え部39は、隔壁5を部分的に上面が凸、下面が凹になるように形成した隔壁5の凸部であって、隔壁5から上層10内の前側に突出している。回転量規制ピン40は、支え部39の上面略中央部から上方に突出している。
コーナー仕切りは、開口部3の下側にある上層10の左前側のコーナー部を囲うL形の仕切りであり、その一片(上層10内の左右方向の間仕切り部)を、支え部39の左側面43と、支え部39の左端部を前後から挟むように隔壁5から上層10内に立ち上げるL形の第1仕切り壁44の一片及びI形の第2仕切り壁45で形成し、他片(上層10内の前後方向の間仕切り部)を、L形の第1仕切り壁44の他片で形成して、扉側ロック爪挿入室41を形成している。また、第1仕切り壁44及び第2仕切り壁45を上層10の周囲にある側壁6と略同じ高さにするのに対し、支え部39を1仕切り壁44及び第2仕切り壁45よりも低くして、連通部42を設けている。
ストッパー46は、第1仕切り壁44の先端上部と第2仕切り壁45の先端上部から支え部39の上面側に延出し、連通部42の両側から扉側ロック爪挿入室41外に突出させる第1仕切り壁44と第2仕切り壁45の延長部でなる。バネ座47は、第1仕切り壁44の他片を一片を越えてさらに上層10の内方に延出した第1仕切り壁44の延長部でなる。
軸受溝48は、上層10内の左上側で隔壁5から離した上層10内の上部に、前後方向に所定の間隔をあけて配置し、圧入溝49は、上層10内の右上側で隔壁5から離した上層10内の上部に配置し、嵌合溝50は、扉側ロック爪挿入室41と軸受溝48の間の上層10内で上層10の左側の側壁6の内面に上下方向に形成している。
ここで、開口部3に対向する上層10の底部側、すなわち、扉側ロック爪挿入室41の底部側にある隔壁5には、連通部42に近い右端で、連通部42の前後幅内の前部と後部の2箇所に、上下層間の第1連通孔51を設けている。
また、上層10の左後側の底部側にある隔壁5には、上下層間の第2連通孔52を設けている。第2連通孔52は、平面視で上層10の左端から前後の軸受溝48の間に至る左右方向に長い矩形状に形成されている。
第2連通孔52の開口位置である上層10の左後側の底部側にある隔壁5は、第1連通孔51の開口位置である扉側ロック爪挿入室41の底部側にある隔壁5より上方にある。
さらに、外箱4は、扉側ロック爪挿入室41外の上層10を連通部42に近い前側中央部で、部分的に、下層11よりも前側に張り出す張出部53を形成し、その張出部53の底部側における最も下層11から離れた箇所、すなわち、張出部53の前側にある側壁6の最下部に内外面貫通のドレン孔54を設けている。
そして、回転レバー21は、その一端側に鉛直方向(上下方向)の支点軸55を設け、その支点軸55をボス部38に回転自在に嵌め込むと共に、回転レバー21の他端側を支え部39の上側に配置し、回転レバー21の一端側をボス部38で下側から摺動自在に支え、回転レバー21の他端側を支え部39で下側から摺動自在に支えて、回転レバー21を、その他端側が左右方向に揺動するように、支点軸55を中心に回転自在に上層10内の上部に設置している。
回転レバー21は、支点軸55を中心とする円周上に内外面貫通の円弧状の回転量規制長孔56を設け、その回転量規制長孔56に回転量規制ピン40を挿入して、回転レバー21を回転量規制長孔56の範囲内で回転させるようにしている。
回転レバー21は、その一端側にトーションバネ22のバネ座57を設けている。トーションバネ22は、そのコイル部を回転レバー21の上面側で支点軸55の外側に遊嵌し、トーションバネ22の一端部を箱本体7側のバネ座47に当接させると共に、トーションバネ22の他端部を回転レバー21のバネ座57に当接させて、回転レバー21を係合方向(右回り;時計回り)に常時付勢し、回転レバー21の他端側左端部をストッパー46に押し付けて、回転レバー21を図7及び図8に示す扉側ロック爪2との係合位置に保持している。
回転レバー21は、扉側ロック爪2の係合孔1に挿入可能な係合部58を設け、その係合部58を、回転レバー21の他端側左端部における上下2箇所のストッパー46との当接部の間から突出し、回転レバー21が図7及び図8に示す係合位置にあるときに連通孔41から扉側ロック爪挿入室41の最上部に突出させ、扉側ロック爪挿入室41の底部側にある後側の第1連通孔51と対向させている。係合部58の上部には、扉側ロック爪2による押圧を水平方向(右方向)の押圧に変換するための傾斜部59を設けている。
回転レバー21は、その一端側に解除ピン23の取付部である鉛直方向の連結軸60を設けている。解除ピン23は、ロック解除用の操作口20に摺動自在に挿通し、上層10内の解除ピン23の一端に設けた連結環61を回転レバー21の連結軸60に回転自在に嵌合連結して、回転レバー21の回転に連動して前後方向に摺動自在に上層10内の右後側における上部に設置している。
外箱4の外部に突出する解除ピン23の他端には、その他端に設けた連結環62を介して当該扉ロック装置の外部ロック解除機構が連結され、扉を開くときに外部ロック解除機構を介して解除ピン23を後側に引張り操作し、回転レバー21を非係合方向(左回り;反時計回り)に回転操作するようにしている。
可動アーム24は、その中央部から両側に両端部を同一軸線上で突出する支点軸63を設け、その支点軸63の両端部を前後の軸受溝48に回転自在に嵌め込んで、可動アーム24の中央部を水平方向(前後方向)の支点軸63を介して軸受溝48で支え、可動アーム24を支点軸63を中心にシーソー運動自在に上層10内の左後側における上部に設置している。可動アーム24と対向する上層10の底部側には第2連通孔52がある。
可動アーム24は、その左端部から両側に両端部が突出する支点軸63と平行なストッパーピン64を設ける一方、右端部には、そこから可動アーム24の後側に突出するバネ座65を設けている。板バネ25はL形に折曲げられており、その一片を圧入溝49に圧入して、上層10内の右後側における上部に設置している。板バネ25の他片は圧入溝49から右側に延出し、その先端部を可動アーム24のバネ座65に下側から当接させて、可動アーム24の右端部を上方に常時付勢し、バネ座65の上面を上層10の上部側にある上蓋8に押し付けると共に、ストッパーピン64の両端部を上層10の底部側で第2連通孔52の両側にある隔壁5に押し付けて、可動アーム24を図3及び図6に示す初期位置に保持している。
上蓋8に接離するバネ座65の上面にはクッションシート66を貼付けて、異音の発生を防止している。
可動アーム24の右端部には、そこから可動アーム24の前側に突出する係合部67を設け、その係合部67を可動アーム24のシーソー運動によって、回転レバー21よりも上方の図3及び図6に示す非係合位置(初期位置;上昇位置)と、回転レバー21の図7及び図8に示す係合位置からの左回り(反時計回り)の回転動作を阻止する回転レバー21との図7及び図9に示す係合位置(動作位置;下降位置)の間で上下に移動させるようにしている。
強制解除ボタン26は、上下方向に延びる断面形状がT形の摺動部68を設け、その摺動部68を嵌合溝50に摺動自在に嵌め込み、上層10内の扉側ロック爪挿入室41と可動アーム24の間に設置している。
強制解除ボタン26は、可動アーム24の左端部を押し下げるための押圧部69を設け、その押圧部69を嵌合溝50から上層10内に突出する摺動部68の先端に連設し、押圧部69の先端部を可動アーム24の左端部から前側に突出するストッパーピン64の前端部の上側に延出している。その押圧部69の先端部上面に強制解除ボタン26をピン状に立設して、ロック強制解除用の操作口19と同一軸線上に配置し、強制解除ボタン26の上部をロック強制解除用の操作口19に上下方向に摺動自在に嵌め込んでいる。強制解除ボタン26の上部は、可動アーム24が初期位置にあるときにロック強制解除用の操作口19の最奥部(最下部)に位置する。
一方、箱本体7の下層11側には、ソケット27付きの第1スイッチ28、ソケット32付きのソレノイド33、ソケット34付きの第2スイッチ35を、それぞれ、位置決めするために、図4の底面視において下層11の底部側にある隔壁5から複数のリブ(下層11内の平面方向の間仕切り)を立ち上げると共に、板バネ31の取付部である圧入溝70を設けている。
なお、第1スイッチ28は、扉側ロック爪2の挿入検知精度を上げるために2個を備えており、それに伴って押圧レバー29、圧縮コイルバネ30及び板バネ31も2個ずつ備えている。第1スイッチ28のソケット27は2個用のものが1個である。
そして、第2スイッチ35は、下層11内の略中央部にリブを介して位置決めすると共に、底蓋9で下側から押えて設置している。2個の第1スイッチ28は、下層11内の前部にリブを介して位置決めすると共に、底蓋9で下側から押えて、第2スイッチ35の前側に前後に並べて設置している。ソレノイド33は、下層11内の後部にリブを介して位置決めすると共に、底蓋9で下側から押えて、第2スイッチ35の後側に並べて設置している。
第1スイッチ28のソケット27とソレノイド33のソケット32と第2スイッチ35のソケット34は、何れも、上層10の扉側ロック爪挿入室41とは反対側となる第1スイッチ28、ソレノイド33、第2スイッチ35の一側(図4の底面視において左側)に取り付けられ、下層11内の一側にリブを介して位置決めすると共に、底蓋9で下側から押えて設置し、各ソケット27,32,34によって、図2(B)に示すように、外箱4の右側面下部に3つの異なるプラグ挿入口を設けている。
押圧レバー29は、その一側に下方を開放した筒状のバネ受71を設け、そのバネ受71を前後の第1連通孔51と対向する箱本体7の下層11側の2位置にリブを介して上下方向に摺動自在に嵌め込み、下層11内における第1スイッチ28のソケット27と反対側の一側上部に上下動自在に設置してる。
圧縮コイルバネ30は、押圧レバー29のバネ受71とその底部側にある底蓋9の間に組み込み、押圧レバー29を上方に常時付勢し、押圧レバー29のバネ受71の上面を第1連通孔51の周囲にある隔壁5に押し付けて、押圧レバー29を図5に示す初期位置に保持している。
押圧レバー29は、そのバネ受71の上面から上方に突出し、第1連通孔51に摺動自在に挿通させる操作部72を設け、その操作部72を押圧レバー29が図5に示す初期位置にあるときに第1連通孔51から上層10の扉側ロック爪挿入室41の底部側に突出させ、扉側ロック爪2の挿入動作(押圧動作)で押圧レバー29を押し下げるようにしている。
前側の第1連通孔51から上層10の扉側ロック爪挿入室41の底部側に突出する前側の操作部72は、扉側ロック爪挿入室41の最上部に突出する回転レバー21の係合部58と対向する。
ここで、図5に示すように、外箱4内の下層11に、操作部72を上層10の扉側ロック爪挿入室41の底部側に突出させる各第1連通孔51からの下層11側への浸水を防ぐ止水用のパッキン73を2個備えている。このパッキン73は、第1連通孔51の周囲にある隔壁5に一表面を貼付け、操作部72を挿通させる環状の例えばゴムパッキンからなり、パッキン73の内面を操作部72の外面に密着させて止水をしている。
板バネ31はL形に折曲げられており、その一片を第1スイッチ28のソケット27側の一側上部にある隔壁5に設けた圧入溝70に圧入して、他片を第1スイッチ28側に延出した状態で、下層11内の上部に設置している。板バネ31の他片は第1スイッチ28の上側を通過して先端部を押圧レバー29の先端部に下側から当接させて、押圧レバー29を押し下げ動作に連動する下方への撓み変形で、第1スイッチ28の最上部にある押しボタン部を押し下げるようにしている。
ソレノイド33は、そのソケット32と反対側の一側から突出する水平方向(左右方向)の可動鉄心74を設け、その可動鉄心74の先端部外面に環状の係合溝75を設けている。
スライドレバー36は、その一側部に逆U字形の溝部76を有するバネ座77を設け、そのバネ座77を可動鉄心74の係合溝75に溝部76を介して嵌着し、下層11内におけるソレノイド33のソケット32と反対側の一側から第2スイッチ35のソケット34と反対側の一側にわたって、可動鉄心74と一体的に左右方向にスライド移動自在に設置してる。
ソレノイド33は、スライドレバー36のバネ座77とそれに対向するソレノイド33の一端側のヨークとの間に組み込む復帰バネである圧縮コイルバネ78を設け、その圧縮コイルバネ78で、可動鉄心74とスライドレバー36を可動鉄心74の吸引方向と逆方向に常時付勢し、可動鉄心72の先端とスライドレバー36をプラグ挿入口を設けた下層11の側壁6と反対側の側壁6に押し付けて、可動鉄心72とスライドレバー36を図4及び図6に示す初期位置に保持している。
可動鉄心74の先端が接離する下層11の側壁6部分にはクッションゴム79を貼付けて、異音の発生を防止している。
スライドレバー36は、可動アーム24の操作部である押圧部80を設け、その押圧部80をスライドレバー36の一側上部から上方に突出し、第2連通孔52を通して上層10の可動アーム24の左端部より外側に突出させて、ストッパーピン64に側方から接触させている。押圧部80のストッパーピン64との接触部には、吸引方向への可動鉄心72の動作と同方向の押圧部78の押圧を上方向に変換するための傾斜部81を設け、吸引方向への可動鉄心72の動作で図3及び図6に示す初期位置にある可動アーム24の左端部を押し上げて、可動アーム24を支点軸63を中心にシーソー運動させるようにしている。
スライドレバー36は、その他側部にバネ座82を設け、第2スイッチ35は、そのソケット34と反対側の一側に突出する押しボタン部に嵌着するスイッチキャップ83を設け、圧縮コイルバネ37は、左右方向で相対するスライドレバー36のバネ座82と第2スイッチ35のスイッチキャップ83の間に組み込んで下層11内に設置し、吸引方向への可動鉄心72の動作に連動して圧縮し、第2スイッチ35の押しボタン部を押し込むようにしている。
また、本実施の形態の扉ロック装置は、外箱4に、その開口部3を開閉する蓋体84を備えている。
蓋体84は、合成樹脂製で矩形状に形成し、外箱4内の上層10における扉側ロック爪挿入室41の最上部に設置するもので、連通部42と反対側の蓋体84の左側部に前後方向の軸線を有する支点軸85を設け、その支点軸85の両端部を蓋体84の前後両端部から突出し、その支点軸85の両端部を扉側ロック爪挿入室41の前側と後側にある側壁6と第1仕切り壁44の上端部に同一軸線上で対向させて設けたU字状の軸受溝86で回転自在に支えると共に、その各軸受溝86の開放上部を上蓋8で閉じて、蓋体84を扉側ロック爪挿入室41の最上部で前後方向の支点軸85を中心に回転自在(開閉自在)に設置している。
蓋体84の復帰バネであるダブルトーションバネ87を設けている。そのダブルトーションバネ87は、その両端部に有するコイル部を支点軸85の両端部の外側に遊嵌し、各コイル部の間に有するコ形の押え部を蓋体84の下面(内面)に当接させると共に、各コイル部の外側に有するダブルトーションバネ87の両端部を扉側ロック爪挿入室41の左側にある側壁6に当接させて、蓋体84を上方向(閉方向)に常時付勢し、蓋体84の上面(外面)を上蓋8に押し付けて、蓋体84を図3及び図5に示す初期位置、すなわち、扉側ロック爪挿入室41の最上部で略水平姿勢になって開口部3を閉じる閉位置に保持している。
また、蓋体84の上面には、蓋体84が図3及び図5に示す閉位置にあるときに、開口部3に嵌め込む矩形状の嵌合部88を設けている。
さらに、蓋体84の下面には、蓋体84が図3及び図5に示す閉位置にあるときに、回転レバー21の係合部58の先端を当接させて、回転レバー21を図3及び図5に示す初期位置(扉側ロック爪2との非係合位置)に保持する当接部89を設けている。
上記のように構成した本実施の形態の扉ロック装置は、例えば、扉を有し、それが閉じているときに仕事をする洗濯機、乾燥機、食器洗い機等の機器本体側における戸当り部の内側に設置し、外箱4の開口部3を戸当り部に設けた開口部に配置している。次に、本実施の形態の扉ロック装置の動作を説明する。
図2乃至図6に示す初期状態(扉が開かれて扉側ロック爪2が挿入されていないとき)では、蓋体84が閉位置(初期位置)に保持されており、外箱4の開口部3は閉じられていると共に、回転レバー21の係合部58の先端が閉位置にある蓋体84の当接部88に当接(干渉)して、回転レバー21は非係合位置に保持されている。
そして、扉が閉じられると、扉側ロック爪2は、その先端と挿入ガイド18との摺接で、外箱4の開口部3へと誘導されて、その先端で閉位置にある蓋体84を押圧し、その蓋体84をダブルトーションバネ87の付勢力に抗して支点軸85を中心に下側(内側)に回転させながら、すなわち、蓋体84(開口部3)を開きながら、その開口部3から外箱4内における上層10の扉側ロック爪挿入室41に挿入される。
その際、扉側ロック爪2の挿入動作に追従して蓋体84の右端部(回転側端部)が連通部42よりも下がるまでは、回転レバー21は、その係合部58の先端が蓋体84の当接部88や蓋体84の右端面に当接して、蓋体84で非係合位置に保持される(係合位置への回転が規制される)が、蓋体84の右端部が連通部42よりも下がると、係合部58の先端が連通部42に対向する扉側ロック爪2の側面に乗り移って当接し、扉側ロック爪2で非係合位置に保持される(係合位置への回転が規制される)。
扉側ロック爪2の先端が、回転レバー21の係合部58を越えてさらに扉側ロック爪挿入室41の底部側に挿入されると、扉側ロック爪2は、その先端で、初期位置にある押圧レバー29の操作部72を押圧し、押圧レバー29を圧縮コイルバネ30の付勢力に抗して押し下げ、その押圧レバー29で板バネ31の他片の先端部(自由端部)を下方に押し下げ、その板バネ31の他片を下方に撓み変形させ、その板バネ31の他片を第1スイッチ28の押しボタン部に当接させる。
そして、図8に示すように、扉側ロック爪2の先端が、扉側ロック爪挿入室41の底部側にある隔壁5に突き当たるぐらいに挿入されると、扉側ロック爪2の係合孔1が連通部42に対向し、その連通部42を開くため、回転レバー21の係合位置への回転規制がなくなり、回転レバー21が、トーションバネ22の付勢力で係合方向に回転する。これにより、回転レバー21の係合部58が、連通部42から扉側ロック爪2の係合孔1に嵌込んだ状態で扉側ロック爪挿入室41内に突出すると共に、回転レバー21の係合部58の前後両側にある他端側左端部がストッパー46に付き当たり、回転レバー21が図7及び図8に示す係合位置に保持され、扉側ロック爪2と自動係合する。すなわち、扉が閉じた状態でロックされる。
また、扉が閉じた状態でロックされたときには、蓋体84は、扉側ロック爪2と扉側ロック爪挿入室41の右側の側壁6の間の全開位置に回転し、蓋体84の右端部上面を扉側ロック爪2の側面に当接した状態で、全開位置に保持され、開口部3を全開している。
また、このように扉が閉じた状態でロックされたときに、扉側ロック爪2の先端で押圧レバー29が最も押し下げられ、その押圧レバー29で板バネ31の他片が最も下方に撓み変形し、その板バネ31の他片で第1スイッチ28の押しボタン部が押し下げれて、第1スイッチ28をオンにし、その第1スイッチ28のオン動作でロック状態(扉側ロック爪2の完全挿入)を検知する。
さらに、第1スイッチ28のオン動作出力信号(ロック状態検知信号)に基づき、ソレノイド33の1次コイルへのパルス通電でソレノイド33が駆動される。
ソレノイド33が駆動されると、初期位置にある可動鉄心74が圧縮コイルバネ78の付勢力に抗して吸引方向に摺動し、それと一体的に、初期位置にあるスライドレバー36が、圧縮コイルバネ37を圧縮し、そのバネ力を高めながら、圧縮コイルバネ78の付勢力に抗してスライド移動し、可動鉄心74及びスライドレバー36が図9に示す吸着位置に保持される。
その際、スライドレバー36は、その押圧部80が、初期位置にある可動アーム24のストッパーピン64を傾斜部81を介して右側に押圧し、傾斜部81が押圧部80の押圧方向を上方向に変換するため、可動アーム24の左端部が押し上げられ、可動アーム24が板バネ25の付勢力に抗してシーソー運動し、可動アーム24の右端部にある係合部67が初期位置から図9に示す係合位置に下降操作される。これにより、可動アーム24の係合部67が回転レバー21と係合し、回転レバー21の非係合位置方向への回転動作を阻止する。すなわち、扉のロック状態が保持される。
また、このように扉のロック状態が保持されたときに、スライドレバー36が圧縮コイルバネ37を最も圧縮し、そのバネ力が第2スイッチ35の押しボタン部に常時付勢されている復帰力よりも強くなり、第2スイッチ35の押しボタン部が押し込まれ、第2スイッチ35をオンにし、その第2スイッチ35のオン動作でロック保持状態(扉の完全ロック)を検知する。
そして、第2スイッチ35のオン動作出力信号(扉の完全ロック信号)に基づき、洗濯機、乾燥機、食器洗い機等を動作させるものである。
なお、強制解除ボタン26は、可動アーム24の左端部の押し上げに連動して押し上げられて、ロック強制解除用の操作口19内に押し込まれている。
一方、図7乃至図9に示すロック状態(扉は閉じている)で、例えば洗濯機、乾燥機、食器洗い機等の機器本体又は扉に設けた扉開放操作部の操作をスイッチで検知すると、そのスイッチの動作出力(扉の開放信号)に基づき、ソレノイド33の2次コイル(復帰コイル)へのパルス通電でソレノイド33が復帰駆動される。
ソレノイド33が復帰駆動されると、可動鉄心74及びスライドレバー36が圧縮コイルバネ78の付勢力で図4及び図6に示す初期位置に復帰し、そのスライドレバー36の復帰動作で圧縮コイルバネ37が伸長し、そのバネ力が第2スイッチ35の押しボタン部の復帰力よりも弱くなり、第2スイッチ35が図4に示す初期状態(オフ状態)に復帰すると共に、スライドレバー36の押圧部80による可動アーム24の左端部の押圧がなくなり、可動アーム24の右端部が板バネ25の付勢力で押し上げられ、可動アーム24がシーソー運動し、可動アーム24の係合部67が係合位置から図6に示す初期位置に復帰する。これにより、回転レバー21が非係合位置方向に回転動作できるようになる。すなわち、扉のロック状態保持が解除される。
なお、強制解除ボタン26は、可動アーム24の左端部の下降(右端部の押し上げ)に連動して下降し、強制解除ボタン26の上部がロック強制解除用の操作口19の最奥部まで下降している。
また、当該扉ロック装置の外部ロック解除機構による扉開放操作部と解除ピン23との連結で、扉のロック状態保持を解除したときに解除ピン23が後側に引張り操作される。
解除ピン23が後側に引張り操作されると、係合位置にある回転レバー21がトーションバネ22の付勢力に抗して図9に示す非係合方向に回転し、初期位置(非係合位置)に復帰し、回転レバー21の係合部58が扉側ロック爪2の係合孔1から抜かれて、連通部42から扉側ロック爪挿入室41外に抜かれ、回転レバー21の係合部58と扉側ロック爪2との係合が解除される。すなわち、扉の閉じた状態でのロックが解除される。これにより、扉側ロック爪2が外箱4の外部に抜去可能となり、扉を開くことができるようになる。
扉の閉じた状態でのロックが解除され、扉が開かれて、扉側ロック爪2が外箱4の外部に抜かれると、扉側ロック爪2による押圧レバー29の操作部72の押圧がなくなるから、図5に示すように、押圧レバー29が圧縮コイルバネ30の付勢力で初期位置に復帰し、それに連動して板バネ31が自身の弾性で初期位置に復帰し、第1スイッチ28が初期状態(オフ状態)に復帰する。
また、扉側ロック爪2が外箱4の外部に抜かれるとき、蓋体84は、その右端面を扉側ロック爪2の先端に当接した状態で、扉側ロック爪2の抜去動作に追従してダブルトーションバネ87の付勢力で閉方向に回転し、扉側ロック爪2の先端が開口部3を通過するのに伴って図3及び図5に示す閉位置に復帰する。また、回転レバー21は、その係合部58の先端がトーションバネ22の付勢力で閉位置にある蓋体84の当接部88に押し付けられて、そのまま図3及び図5に示す初期位置(非係合位置)に保持される。
なお、ソレノイド33の可動鉄心74が吸着位置から復帰できないという故障が発生した場合、ロック強制解除用の操作口19から強制解除ボタン26を押し下げることによって、可動アーム24の左端部にあるストッパーピン64を押し下げて、そのストッパーピン64でスライドレバー36の押圧部80を傾斜部81を介して左側に押圧し、スライドレバー36と一体的に可動鉄心74を初期位置に戻すことができる。すなわち、扉のロック状態保持を強制的に解除することができ、扉の閉じた状態でのロックを解除し、扉を開くことができるようになる。
以上、本実施の形態の扉ロック装置は、扉側ロック爪2を挿入する開口部3を設けた外箱4と、その外箱4内への扉側ロック爪2の挿入動作でそれと係合するロック部材である回転レバー21と、その回転レバー21との係合位置への扉側ロック爪2の挿入動作で動作する第1スイッチ28と、その第1スイッチ28の動作出力に基づいて可動鉄心74を吸引するソレノイド33と、吸引方向への可動鉄心74の動作で回転レバー21と係合してその扉側ロック爪2との非係合位置への動作を阻止するロック保持部材であるシーソー形の可動アーム24と、その可動アーム24と回転レバー21とが係合する吸引位置への可動鉄心74の動作で動作する第2スイッチ35を備え、外箱4が、開口部3を開閉する蓋体84を備え、その蓋体84が、復帰バネであるダブルトーションバネ87で閉方向に常時付勢されて開口部3を閉じ、外箱4内への扉側ロック爪2の挿入動作で開動して開口部3を開くから、扉側ロック爪2が挿入されていないとき(扉が開いているとき)は、蓋体84が、常時開口部3を閉じて、外箱4の開口部3から内部に水が入るのを抑えることができる。
さらに、外箱4は、その上面に開口部3を設けると共に、内部を上下2層10,11に仕切る隔壁5を設け、上層10に回転レバー21及び可動アーム24を設置し、下層11に各スイッチ28,35及びソレノイド33を設置する、すなわち、外箱4内を上下2層10,11にし、開口部3がある上層10と仕切られた下層11に電装部品28,35,33を設置する構成を採用することにより、外箱4の開口部3から内部に水が入っても、それが電装部品28,35,33へ伝い漏電する可能性を低減できる。
また、外箱4は、隔壁5とその周縁から上下両側に延びる側壁6を設けた断面形状がH形の箱本体7と、その箱本体7の開放上面を覆うと共に、開口部3をコーナー部に片寄せて設けた上蓋8と、箱本体7の開放下面を覆う底蓋9からなる構成を採用することにより、従来の1層構造の外箱を2つ一体化して構成するものに比べ、より少ない部品点数で外箱4内を上下2層化でき、その上下2層化による装置高さの増大を抑えることができる。また、上下層間での構成部品の位置精度が良く、上下層間での動作伝達がスムーズで良好な動作特性を得ることができる。
また、外箱4は、回転レバー21との係合位置への扉側ロック爪2の挿入動作で押し下げる第1スイッチ28の操作部72を開口部3と対向する上層10の底部側に突出させる上下層間の第1連通孔51を隔壁5に設け、その第1連通孔51からの下層11側への浸水を防ぐパッキン73を備える構成を採用することにより、外箱4の開口部3から内部に水が入っても、それが電装部品28,35,33へ伝い漏電する可能性をさらに低減できる。
また、外箱4は、可動鉄心74の動作に連動して動作する可動アーム24の操作部80を可動アーム24と対向する上層10の底部側に突出させる上下層間の第2連通孔52を隔壁5に設け、その第2連通孔52の開口位置が、第1連通孔51の開口位置より上方である構成を採用することにより、外箱4の開口部3から内部に水が入っても、それが電装部品28,35,33へ伝い漏電する可能性をさらに低減できる。
また、外箱4は、上層10のコーナー部を仕切って開口部3の下側に扉側ロック爪挿入室41を形成すると共に、その扉側ロック爪挿入室41の一側をその最上部で扉側ロック爪挿入室41外に連通させる扉側ロック爪挿入室41内外の連通部42を設け、その連通部42から扉側ロック爪挿入室41に扉側ロック爪2との回転レバー21の係合部58を突出させる構成を採用することにより、連通部42が扉側ロック爪挿入室41の一側の最上部にあり、しかも、ロック状態では連通部に回転レバー21の係合部58が嵌り込み栓機能を発揮するから、浸水を上層10の扉側ロック爪挿入室41に止め、外箱4の開口部3から内部に水が入っても、それが電装部品28,35,33へ伝い漏電する可能性をさらに低減できる。
また、外箱4は、扉側ロック爪挿入室41外の上層10を連通部42の近傍で部分的に下層11よりも外側に張り出す張出部53を形成し、その張出部53の底部側にドレン孔54を設ける構成を採用することにより、上層10の扉側ロック爪挿入室41から連通部42を通して扉側ロック爪挿入室41外に浸水しても、連通部42の近傍にあるドレン孔54から直ちに外箱4の外部に排水でき、外箱4の開口部3から内部に水が入っても、それが電装部品28,35,33へ伝い漏電する可能性をさらに低減できる。
また、第1連通孔51から開口部3と対向する上層10の底部側に突出させる操作部72を設けた第1スイッチ28の操作部材である押圧レバー29を備え、その押圧レバー29は、その先端部を扉側ロック爪挿入室41の底部側にある隔壁5の外側に延出させる構成を採用することにより、第1スイッチ28を扉側ロック爪挿入室41の下側を避けた位置で下層11に設置でき、外箱4の開口部3から内部に水が入っても、それが第1スイッチ28へ伝い漏電する可能性をさらに低減できる。
さらに、蓋体84は、開口部3を閉じているときに、回転レバー21の係合部58を当接させて扉側ロック爪2との非係合位置に保持する当接部89を設け、回転レバー21の初期位置を扉側ロック爪2との非係合位置とする構成を採用することにより、扉側ロック爪2を挿入するときは、回転レバー21が扉側ロック爪2との非係合位置にあり、回転レバー21の初期位置を扉側ロック爪2との係合位置とする構成に比べ、より小さい挿入力でスムーズに扉側ロック爪2を挿入することができる。
またさらに、第1スイッチ28は、複数個(2個)を備えると共に、回転レバー21との係合位置への扉側ロック爪2の挿入動作で押し下げる各第1スイッチ28ごとの複数の操作部72を開口部3と対向する上層10の底部側の異なる複数箇所に突出させる上下層間の複数の第1連通孔51を隔壁5に設け、全ての第1スイッチ28の動作出力、すなわち全ての第1スイッチ28のアンド出力で、ソレノイド33が可動鉄心74を吸引する構成を採用したことにより、扉側ロック爪2の先端部に高低差が付くような姿勢で扉側ロック爪2が外箱4内へ挿入されて、回転レバー21が扉側ロック爪2と未係合の状態でソレノイド33が可動鉄心74を吸引する等の扉ロック装置の誤動作、それによる扉ロック装置の故障を確実に防止することができる。